皆様、明けましておめでとうございます。
どなた様もお健やかにて新年を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
東京は麗らかな晴天に恵まれ、私も心穏やかに初春を寿いでおります。
私が子供の頃は年賀に訪れる客も多かったため、年末には家族総出で大掃除をしたり、お節料理を大量に仕込んだりしたものでしたが、今ではそう言った仕来たりも無くなりました。
その後両親が健在だった10年ほど前までは、名の通った料亭などの「おせち」を取り寄せたりもしていましたが、恭しく重箱に詰められていても、そのほとんどが濃い目の味付けで、値段の割には満足度はほどほどと言う印象が毎回でありました。
ここ数年は正月らしさを残しつつ、自分の食べたいものだけを作ることに専念しております。
盛り付けも庭から摘んできた葉っぱ類を飾り、体裁だけは整いましたので、烏滸がましくも写真も載せさせていただきます。
蒲鉾は毎年懇意にしている方からお歳暮にいただく、竹やぶ系の蕎麦屋で「板わさ」として出されることでも有名な、紀州田辺の「
たな梅」製の逸品の盛り合わせ。
あん肝は昨年秋に旅行で訪れた際に大洗で購入し、冷凍して置いたものです。
しかしそれ以外のほとんどは手作りで、何れも塩分・糖分・酸味を極力控えて、酒に合うような味付けを心掛けました。
鯛の揚げ物は我が家伝統の一品で、少量ずつ摘んでも補充が効くようにしてあり、蛸の刺身のつまは紅白膾風に工夫してみました。
雑煮は焦げ目を付けて焼いた角餅に、具材は鶏肉と小松菜で、江戸前ならではのさっぱりとした澄し汁仕立て。
この時だけに引っ張り出す「会津塗」の椀に盛ることで、気持ちを高めてみた次第です。