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酒の秋山」のレビューで述べた通り、このご時世で「蕎麦屋酒」の中断を余儀なくされている状況下、我が家での'模擬蕎麦屋酒'を目論む。
蕎麦は打ったものを購入したが、つゆや薬味はそれなりに凝り、何より最も重要な「蕎麦前」のための、簡単ながら蕎麦屋の定番物の肴を並べてみた。
前日に出掛けたついでにデパ地下で、主だったものは購入。
内容は次の通り。
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板わさ」:お馴染みの小田原では無く愛媛の八幡浜産だが、独特のプリッとした食感と甘みの少ないさっぱりした味わい。
一方わさびは天城産の「本山葵」を仕入れこれを摺り下ろしたが、鮫皮おろしが無かったので、少し食感がざらついてしまったのは残念。
しかし本山葵ならではの、甘みを湛えた爽快な辛味は楽しめた。
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焼き味噌」:味噌は京都産の白味噌を使い、これに葱・鰹節・胡桃を刻んで加え杓文字に塗り付けて炙るという、私にとっては思い出深い「一茶庵」スタイルにする。
適度に焦げ目が付いた理想的な仕上がりで、我ながら良い出来だと思う。
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玉子焼き」:目指したのは「
室町砂場」の仕事だが、やはりあの出来には到底及ばない仕上がり。
しかしそばつゆを加えてしっかり焦げ目を付ける、江戸前蕎麦屋の仕事には近づけたつもり。
定法通りに大根おろしに醤油を垂らした「染めおろし」を添えれば、それなりに美味かった。
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海老と空豆のかき揚げ」:彩りを考えて、この組み合わせのかき揚げにしてみた。
近所のスーパーで入手した素材ながらまずまずの揚げ上がりで、抹茶塩を付けると結構様になった。
酒はレビューの通りに「酒の秋山」で購入した、福島の「
一生青春」の4合瓶を開けたが、どの肴にも合って中々の満足感。
スイスイと杯が進み、3合ほど空いたところで蕎麦に移る。