『「清澄」での蕎麦の会』蓼喰人さんの日記

蓼喰人の「蕎麦屋酒」ガイド

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蓼喰人 (男性・東京都) 認証済

日記詳細

 中野区内を中心に数多くのレビューを書かれているマイレビュアーの「mamezo 24」さんから、実に魅力的なお誘いが有った。
 懇意にされている中野坂上のイタリアン「ラ・フレッチャ」の店舗を、定休日の一晩を借り受け、手ずからの料理をふるまい、さらに蕎麦を出す会を催されるとのこと。
 私にとっては願ってもないお話であり、二つ返事で出席を申し出る。

 この会は今回で2回目とのことで、mamezo24さんご自身により、食べログにも「清澄」という店名で登録されている。
 しかし営利が目的では無く、あくまでも親しいレビュアーさん同士の交流の場としての趣が強いため、私は日記にて当日の様子を伝えさせていただくことにする。
 

 参集したレビュアーは、ご本人を含めて8名の面々。
 ほとんどの方は初対面だが、日ごろからコメントのやり取りでお馴染みの方もいらっしゃり、すんなりとお仲間に入れて有り難い。

 会費は料理と飲み物で4,000円という、採算度返しと思える設定。 
 酒もある程度は飲み放題という事で、早速生ビールやスパークリングなどが調子良く空いていく。

 蕎麦前の料理は次の通り。
「岩手赤崎産牡蠣のバルサミコソース」
「クラテッロジベッロ発酵バター添え」
「北海道産真鱈白子と根菜のソテー」
「宮崎産鶏白レバーのキッチンスモーク」
「帆立、玉ねぎ、人参、三つ葉のかき揚げ」

 内容について述べようと思ったが、当日ご一緒して頂いたのメンバーの方が直接「清澄」に、微に入り細を穿つ完璧なレビューをアップされているので、そちらをご覧いただきたい。

 私の本分である「蕎麦」についてのみ、多少言及させていただく。
 この日出された蕎麦は2種類で、
 一つ目は諏訪の高山製粉の「白樺」という粉を使用。
 回転数を下げて挽くことにより、甘皮の配合を抑えた白っぽい粉で、いわゆる「更級」的な色合いとなっている。
 二つ目は小諸の大西製粉の「信州石臼挽き」で、どちらかという挽きぐるみのタイプの粉で、仕上がりはやや野趣に富み黒っぽい。

 いずれもつなぎ無しの十割だそうで、香りは十分。
 切りは大人数のためパスタマシーンを使われたようだが、蕎麦打ちで最も大事な最初の「水回し」の段階から、きちんとした仕事が施されているため、つながりは良く、適度なコシとのど越しを兼ね備えた見事な仕上がりである。
 もちろん茹で上げにおける精妙さがあってこその成せる業で、この点でも完璧に近い仕事ぶりであった。
 
 麺に多少の粘りが感じられる「白樺」の方が、歯当たりの心地よさで皆さんには好評だったようだが、私はどちらも素晴らしい出来であったと思う。

 いずれにせよ蕎麦屋仕様でない設備で、これだけの技を披露してくださったmanezo24さんの熱意と努力には、頭の下がる思いである。   
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