kaoru7さんのマイ★ベストレストラン 2011

kaoru7のレストランガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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今年はすべてフランス料理でまとめてみました。フランス料理の世界も現代フレンチの進化の流れとともに伝統への回帰という流れがひとつの方向性として強く現れてきたことだとおもいます。おいしさにわざわざ境界をつける必要ないとおもいます。進化も伝統もおいしくなければ意味はありません。美味しさも多様的であってひとつの価値感だけで美味しさは決められないと考えます。現代的なおいしさと古典的な美味しさは、おのずから異なるものであり、それを同次元で一元的に比較考証する必要はないとおもいます。それぞれのおいしさを純粋に多元的に思慮すればいいと思います。その意味では、現代フレンチだけがフレンチでないということです。近代や古典もまた現代において多元的に評価されるべき対象だとおもいます。また、感動とは、料理だけで、決まるものではないと思います。そのレストランで得られた、時間が感動なのだとおもいます。その感動が評価に影響するのは、当然のことだとおもいます。たとえ料理がおいしくても、サ-ビスや居心地が悪ければ、その感動はうせてしまうものだと思います。それら、総合的に判断してこの10軒に決めました。

マイ★ベストレストラン

1位

ユニッソン デ クール (なにわ橋、北浜、南森町 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.9 ]
  • 昼の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.9 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2014/01訪問 2014/06/29

未知なる可能性に満ちた若き彗星

2014年 初頭。
今日は、ワインラバー達と、べキャスを食べにきました。関西における、ビストロとしてではなくフレンチにおけるジピエの銘店なら、総合的観点から、渋谷氏率いるラ ベカスか、高田氏のラシームか、手島氏率いるタテル ヨシノが、個人的には好みであります。伝統と革新という意味では、いずれも、伝統的なアプロ-チであります。どの店にすべきかは、実際迷った。あるいは、未知数だが、レストラン ディファレンスというカードもあった。あまりにも、昨秋食べた雷鳥の火入れが魅力的で、予見可能性として、かなり、期待感あったのは、正直なところ事実であります。和歌山はやや遠い。巨匠渋谷氏は、四ツ橋時代と比較すると、料理哲学としての信念はいささかもぶれないのだが料理そのものはフレンチとしてはややぶれる要素もある。ある意味、もっともフランス的で魅惑的だった、ロビション氏やアラン シャペル氏のそれを彷彿させるフランス的エスプリ感じるのは、四ツ橋時代という印象が強い。現代は、むしろ、和食との融合ないし配慮や中華的発想との統合感が強く、それはそれで楽しめるのだが、純粋なフレンチという概念からすると、やや変化級が強すぎて、本当に食べなれたグルマンでないと、理解できない難解な部分がある。それは、一つの進化形なのだか、若い世代にとっては、齟齬を感じる部分もあるのが実際のところ。そこはある意味、グルマンの聖地的領域である。その意味で、ラシ-ムか、ここかと直感的に感じた。両者とも、感動の時間を共有できるのは、真理的命題としての客観的事実である。今回、シュブラルブランの1949年をとことん、堪能するベキャスとのマリア-ジュで、至福な時間の光彩という意味で両者とも、甲乙つけがたい時間を享有できることは、容易に予想できた。結果的にここで至福の時間となったが、ラシ-ムでも恐らく同様の感涙たる時間となったと想像するが。ジピエという野性的側面を強調するなら、マリアージュ的には、コ-トロティがいい相性見せるのが定説であるのだが、洗練された野性味という意味では、ペトリゥスやシュブラルブランなどの偉大で耽美的な古酒がいい。そのマリア-ジュが麗しくも美麗なる感性的な味覚の調和感の提供となる。ここでは、1929年の後者とあわせて、感動のひと時を感じたのは、記憶に新しいところであるが、今回のそれは、遙かに上回る味覚の記憶となった。ただ、個人的には、故横田シェフが,ロ-ズルーム時代にみせた、1961年のペトリゥスや1949年のシュブラルブランを使用した芳醇なソ-スと、べキャスとそのワインのマリア-ジュという意味において、これを上回らない。あるいは、ガーデン時代にみせた、故松本シェフが作って魅せた1949年のシュブラルブランの赤ワインソースとべキャスとのマリア-ジュにおけるシンプルな美味には、及ばない。ただ、料理そのものとしての完成度はきわめて高い。素材の状態を見抜きそれに適した精妙なる火入れにその味覚を芳醇にするソ-スの選択の多様性の選択肢において比肩するものはない。ただ、今回テ-スティングしたワインとのマリアージュにおいて至福であったが、永遠へ続く感涙のときめきたる時空を超えた共感とは別次元問題であるが。ただ、これは、現代的嗜好と伝統的価値感との相克の問題かもしれないが。

2013年の記憶
ひとつの新しい感性がひとつの新しい未知なる時代を形成する。その意味においてもこのお店は稀少的存在といえよう。ビォデナミや醸造といったワインの思考を料理法にとりいれようとする。例えば明確に、それを意識させるのが自家栽培の香草である。ビオの法則に従い、カモミ-ル*ヴェルヴェールは、午前11時に摘むそうだ。それが香りがいいという理由からである。しかしながら、シェフの思考の中には常に古典的な伝統料理がありそれをいかに現代的に再構築するかという意識も矛盾なく両立している。その意味あいでいえばソ-スの重要性もまた重視する。毎日、ジュを骨から色々な数種類のソ-スをつくり、それらを毎日つけたしていく。日本的にいえば、鰻屋のたれの思考である。そのソ-スを多様に使い分け、現代フレンチをつくりだすことが、今の理念である。しかも、日本人である以上日本の食材とフランスの食材をたくみに使い分けフランスと大阪の感性でフランス的技法で構築するところにある。しかも、それがワインとのマリア-ジュという点で感動する料理を創造するところに現在におけるシェフのあり方があるといえよう。しかしながら料理は時代とともに生きているという意識もありどのように変化していくかは、時代の流れを吸い込み、そして自由闊達に変遷していくようだ。その意味でいえば、柔軟に変化していく姿に期待するひとりである。それはある意味、料理人の宿命といえるかもしれないが。シェフは私的には赤い彗星*シャア*アズナブルのような存在のように映るが。

2010年の記憶

若き巨星のごとき彗星が、神に導かれし西天満に象徴のごとく登場した。                                                                        北浜駅26番出口より徒歩5分の場所にある。                                                                                         とりあえず、ランチタイムに訪問した。                                                                                              ム-リスのソ-ス部門出身の坂本氏は、弱冠32才。フランス人シェフを引き連れての凱旋である。                                                           驚くべき若き才能を強く感じた。もしかしたら、将来hajimeやトゥ-ルモンドに匹敵する存在になるかもしれない。そんな予感さえある。恐るべき才能に魅了された。このまま、順調に、才能を開花させて頂きたいと期待するひとりである。                                                                                              ランチ*ディナ-もコ-ス料理のみ。                                                                                               ランチタイムは、3200円と5200円の2つ(サ-ビス料+税金込み)。                                                                            今回、私は後者を選択。極めて、CPの高い内容である。11品ついて5200円は、安い。                                                                 店内は、白を基調としたシンプルな店内だが、テ-ブル席は、ゆったりとられゆとりが感じられる。照明は、明るくここちいい。BGMはない。                                                                                             
***料理*味*** 
アミュ-ズは3品 ドレも軽い味で仕上げられており、これから始まるコースの期待感をいやおうなしにも高める内容。                                                                                              
***カリフラワ-のヴェロ-テ(4.0)***
ヴェロ-テと思えないほど、軽く仕上げられており、滑らかな舌触りに、カリフラワ-の旨味が、優雅に凝縮しておりなんとも美味。ヴェロ-テというより、ス-ブのイメ-ジに近い。付け合せの野菜をカリフラワ-の旨味で包み込む柔らかさは、なんともいえない絶妙なバランス感覚を感じさせた。                                                                                               
***ほたてのプ-タンブラン(4.0)***
スモ-クしたほたてに、ブ-タンブラン 付け合せは 茹でたズツキーニとからっとあげたその葉に青梗菜 ソ-スは軽く仕上げられたプ-ルブラン。柔らかい口当たりの帆立の甘味にブ-タンブランの淡白な味が、すこししゃりとするズッキーニの軽い酸味にうまくあい、すこし甘いがシャ-プな味の滑らかなプ-ルブランといい調和で、料理の旨味を増加させる。はらりとくずれるズッキーニの葉も心地よいアクセント。青梗菜も違和感なくこの世界になじむ。輪郭のはっきりした料理。                                                                      
***鳥賊類のパエリア(4.0)***
スペイン風のパエリアと異なり、サフラン風味のパエリアの上に、鮮度のいい厳選された鳥賊類をレアに近い状態におき、エレ-ションのソ-スで食べる。アクセントとしてのきざみ黒オリ-ブが、食欲を刺激する。鳥賊類は、それぞれ、最高の状態にあり、純粋に美味い。                                                                        
***ファアグラ チェリ-ソ-ス(4.5)***
ファアグラは、低温調理 ソ-スは、チェリ-の果実味にあふれ、ファアグラの甘味と好相性。チェリ-の酸味が、ファアグラの甘味をひきたてる。オレンジ風味のチュイルもパリっと焼かれ、煎餅のごとき食感が、ファアグラの滑らかな触感といいハーモ二-を生み出す。オレンジの風味も心地いい。                                                                 
***鱧 ラベンダ-ソ-ス(4.5)***
筋ぎりされた鱧は、弾力があり男性的な味わい。カムほどに旨味に溢れる。春キャベツのオンブレも優しい甘味のある味で、鱧の存在感を高める。軽やかな花香るラベンダ-ソ-スもデリケートに、デュリの香りとともに、鱧の力強さを包み込む。                                                                                
***黒豚のロ-スト(4.5)***
素晴しいの一言 黒豚の素材が最高 その旨味を見事な火入れでひきだし、頂点まで、豚の持つ旨味を引き出している。外側は、ややかりっと焼かれ、中心部は、柔らかく、ジュ-シ-。hajimeの豚が100点なら、90点ぐらいの品質。素材の旨味の引き出し方は同じぐらいうまい。ただ、調理法は、対照的。香草のロ-ズマリ-も、自己主張強くなく豚の旨味をそそる。付け合せ野菜の甘味も、それぞれに豚と美味くなじむ。見事なできばえ。                                                                                                                 
***デザート(3.5)***  
デザート類は、まずまず。バジルのグラニテは、バジルの風味もあり、シャリ感もあるが、林檎との相性がいまひとつ。クレ-ムブルュレは、90年代ベカスで食べたそれのほうが、一枚上 あるいは、本場 ジャマンで食べた方が美味だった。                                                                            
サ-ビスは、つぼを押さえたサ-ビスで悪くない。しかし、マニュアル通りに完成されたサ-ビスのhajimeやサ-ビスを超えたサ-ビスのシャンポ-ルには、いまひとつ及ばない。                                                                   今後大きく成長していく将来有望な新進気鋭の名店

***再訪(6月)***
やはりいい。上り坂にある店特有の明るさが眩しい。+1000円でメインをシャラン鴨に変更。好い鴨だった。ロゼに焼かれた鴨は、弾力があり、しかも柔らかい。魚だけでなく、肉質の吟味*料理も素晴らしいトキメキもらえた。飲み頃のシャンペルタンといいマリア-ジュみせた。馥郁たるトリュフの香りと熟成した果実味が、鴨を包み込むさまは、見事。あとさきになったが、鮭もいい鮮度で、さっと焼いて中は、レア。脂身もなく、クリア-な味わいだった。キャラメゼしたほのかな大根の甘味が、いい相性。今回、デザートは、かなりいい。こういった完成度の高いデザ-トを安定的にだせるようになると、好印象。試行錯誤の段階だが、関西屈指の名店になる有力候補のひとつ。

***再訪(7月)***
真夏の到来に対して、シェフは涼しげな料理提供しましょうという事で今回再訪となった。しかし、言葉と裏腹でかなり充実した深い内容となった。今回も大満足である。どれもこれも納得するものばかりであったが、特に印象に残る料理を記載したい。

***青森帆立 夏野菜とトマトのプロヴァンサル(4.0)***
まず生の帆立の鮮度が素晴らしい。肉厚で旨味が凝縮している大降りの帆立のコリコリした食感に加えその最高の甘味が、あっさりしたプロヴァンサル風ソ-スや色々な夏野菜と融合しハ-モ二-奏でる。美味しい。

***サンモンミッシェルム-ル貝のヴェロ-テ カプチ-ノ*サフラン(4.0)***
ほくほくしたム-ル貝にサフランとカレ-風味の滑らかで軽い優雅なヴェロ-テが心地いい。

***ブルタ-ニュ*ホロホロ鳥 クレオ-ル風(4.5)***
今年食べたホロホロ鳥のなかでは、最高のひとつ。
最高品質の素材に、最適の火入れ。部位ごとの旨味が、極限まで引き出され見事の一言につきる。胸肉は、低温調理だが、最後は高温調理で仕上げられている。
皮はうっすら焼かれ香ばしく、中は柔らかくジュシ-な味わい。噛めば噛むほどに、旨味が溢れてくる。腿肉は、筋肉質でシャ-プで引き締まった味わい。ソ-スはクレオ-ル。素材を引き立たせる程度に軽いが濃密である。

***オレンジのジュレとテュイ-ル ロ-ズマリ-のババロワ-ズ4.0)***
柔らかい酸味のオレンジのジュレとテュィ-ルがいい食感。
ロ-ズマリ-の風味も程よく、夏向きのさわやかな一皿となった。

まだまだ、いい夢がみれそうだ。

***8月再訪***
長年にわたる友人のひとりと食べるフレンチとして考えたのが、ユニッソンだった。
彼も相当の食通である。
その彼を感動させるためのフレンチレストラン色々考えた。
革新的フレンチのhajimeにするか、近代的視点から、現代フレンチを再構築するトゥ-ルモンドにするか、ネオクラシックのシャンポ-ルにするか。モダンクラシックのル*バンサンクにしようか。
色々考えたあげく、近代的フレンチと現代的フレンチの融合という視点から考察したとき、最も適しているフレンチレストランのひとつとして考えた結果からこの店の選択となった。
しかも、登り坂にあるシェフへの期待が、動機となった。
シェフの立場は、現代フレンチであるが、そこから、近代や古典的フレンチも,視野に入れるスタンスにある。
久しぶりに愉快な時間が、過ぎてゆく。
アミュ-ズに天然真鯛の刺身でたが、脂ののりといい身のしまりといい最高の口当たりだったので、明石鯛かとシェフと話したが、愛媛だという。愛媛もいい天然真鯛の取れる産地だという。
厨房から、大きな天然真鯛をみせてくれた。あまりにも美しい光稀な色合いが印象的だった。
コレを、1日2日熟成させて、焼いたら美味いというシェフの言葉も記憶に残っている。
マテ貝を食べたときも、鮮度がよく、コリコリした食感が心地よかったので、美味いなというと、シェフが生の大きなマテ貝をみせてくれたものだ。

素材の絶妙なキュイソンと複雑なソ-スの相性も、まだまだワクワクさせてくれる。

ドレもコレも、印象に残ったが、特に印象深く残ったのが**夏鹿のシェブルイュのパイ包み ソ-スペリグ-**である。
ある意味こういった古典的な料理もシェフは、現代的に美味くつくれるところをしめしたかったのか。
パイの焼き加減もよく、さくっとした食感が、夏鹿のコクになじみ、ぺリグ-ソ-スと美味くなじんだのだ。
古典的でありながら重すぎず仕上げられたソ-スのバランス感覚は、すばらしいものだった。
シャラン鴨のキュイソンは、いつもながら、絶妙だった。
モ-ッアルトピアノ協奏曲9番を聴いている心境になる。
食後食通の彼も、感動しここの誕生は、90年にラ ベカスできて以来の衝撃ではあるまいかと話していた。
至福な時間を過ごせたコトは、人生のいい思い出となった。

***8月末再訪***
ひさしぶりに、鮑が食べたくなりました。
色々考えた結果、この時期ここで、食べておくべきではないかと考えました。
私には一種の天命のように感じたのです。
相談の結果、シェフのおまかせコースのひとつとして鮑のコ-ス作っていただくことになりました。
ありがたいことです。
私の時間の都合上、本来 ディナ-タイムに提供される内容ですが、ランチタイムに、料理していただきました。
うれしいことです。
ワインは、料理とのマリア-ジュとの観点から、アンドレ ラモネのバタ-ルモンラッシェがいいと考えました。
シェフのスタイルからすると、アンドレぐらいの方が、最適とおもいます。
ヴィンテ-ジは88年がいいのではないか。
硬い酸味が、柔らかくなり、果実味とのバランスがとれてきた今こそ、飲み頃と考えたからです。
いつもながらのアミュ-ズから、優雅な時間の幕開けとなりました。
***黒鮑 ビートラブのクリエ-ション(4.5)***
ビ-ツのジュレに、生まぐろの角切りに薄切りの鮑が乗っています。マグロの柔らかい食感にややこりっとした鮑の味の食感にいいリズム感を生みます。それらをビ-ツのやさしい酸味が引き締めます。鮑のほんのりした甘味がマグロのコクにあいます。バタ-ルの果実味が、それらの世界をより芳醇なものにひろげます。
***ホロホロ鳥と夏野菜のタルトレット(4.0)***
タルトの上にパンダド-のロティに夏野菜 ソ-スは、玉ねぎのエスプ-マ 柔らかく弾力のある鳥に夏野菜に軽い玉ねぎの風味が、来たるべき秋の気配を感じさせました。
***鮑のキモのファゴティ-ニ(4.0)***
鮑の肝のコクに、カボチャのラビオリの甘味がいい相性。
***徳島産黒鮑 かさご たまねぎのデグりネゾン(5.0)***
めちゃくちゃ美味い 玉ねぎの甘味にかさごのやわらかさと旨味に黒鮑のデリケートな磯の味が、複雑にしてシンプルな味と構成に、新時代の新しい美味さを感じた。
バタ-ルの果実味と酸味が、複合的な美味さをより複雑なものにする。
***子羊のセルのロティ(4.0)***
子羊はクセがなく、噛むほどに旨味に溢れる。羊のハンバ-グも柔らかく美味い。付け合せのいんげんやししとうも肉の味に美味くなじむ。
***タイムと巨峰のグラニテ(4.5)***
タイムの香りに巨峰の甘味がいい。噛むほどに洗練された甘味に溢れる。バラの花もここちいい香りに包まれる。
***テリ-ヌ*ショコラ ソルベフランボワ-ズ(4.0)***
フランボワ-ズの酸味と甘味の口どけのいいソルベが、ショコラのクッションのような生地と甘味に見事な調和みせた。 

新しい時代の新しいときめきを感じた夏の午後 
それはきっと新しい地平線をしめしているのだろう。

***再訪 10月*** 
シェフのお任せ 15000円 コース(12品)頂いた。
メニュー内容は以下のとおりである。 
アミューズ(5.0) いつもながらの安定したおいしさ
サツマイモとクルミのヴェローテ クロミスキー(5.0)) さつまいもとクルミのバランスが秀逸 クロミスキとの相性もいい。
丹波鳥 トランペットジロールダケ シャピニンのロワイヤル(4.5)秋の風味が、鶏の旨味を包み込む。
フオァグラと黒トリュフのブレス(5.0)以下に記載あり。
ラ ブイヤベース マルセイエーズ(4.0) マルセイユの地方料理の現代解釈 魚介類の鮮度もよくヴァプールで魚介類の旨味をひきだしている。その上からブイヤベースを振りかけている。魚介類の鮮度の旨味が引き立つ。
鬼カサゴ(4.5) キュイソンが見事。
ペルドロー(5.0)以下に記載あり
フロマージュジュール(4.0) コート*ドール時代のチーズには、まだ及ばない。
タイムのグラニテ 梨のコンポテ(4.0)タイムの香りにグラニテのシャリ感が好印象。
オペラ ショコラ (3.5) コーテイングしているチョコレ-トが。甘すぎるのが難点。
お菓子(4.0)
カプチーノ(4.0)
ドレも、コレも、完成度の高い料理ばかりだが(オペラ ショコラは、いまひとつ) 特に印象に残った料理について記載しよう。
今回 ジピエのヨーロッパ産ペルドローが入荷し、調理していただいた。キュイソンがすばらしかった。まさに芸術的だつた。こういった白身の肉は、しっかりした火入れこそ、コクが感じられる。赤身の肉と異なりバサつきやすいため、充分な加熱で。コクをひきだしつつ、アロゼして表面の乾燥ふせぎつつ、プレゼして仕上げる。食べると、しっとりした食感が、繊細に感じられ、コクがありながらも、独特な風味と淡白な味わいが見事に調和し響きあう。ソースは、そのジュを中心としたソース。あくまでもペルドロ-の旨味を深遠にする程度に存在する。モーツアルト的軽妙さでありながらも、奥行きのある深遠なる深みに感動(5.0)
***フォアグラと黒トリュフのプレス(5.0)***
ロティしたシャラン産鴨とフォアグラと黒トリュフをジュレでサンドして食べる。
弾力のあるコクと旨味のある鴨とデリケートなフオァグラの甘味と、こりっとしたトリュフが、優しい味わいのジュレと融合し四重奏奏で官能的なトリュフの香りで、全体を包み込み、有機的統一体になる様は、モーツアルトの弦楽四重奏のごとく、軽やかでありながら、より深い存在感 深みを感じさせる。
アクセントのネギの苦味もいいアクセント。今年 食べた五感で感じた最高のスペシャリテのひとつ。

ワインは、1976 シャトー ラフィット ロートシルト(ポイヤック1級)70年代最高の年のひとつ。スパイシーでシーダ-の香りにプラムの香りが絡む。うっとりするブーケ 後からトリュフの強い香り 濃縮した果実味に優しい酸味 丸みを帯びたタンニン シルクのごとき舌触りに長い余韻は、うっとりするほど魅力的。
繊細でありながらも内に秘めた力強さ感じられる。その麗しき女性美はまるで現代のディーバ ナタリ デッセイの歌声のようだ。
フォアグラと黒トリュフのブレスと最高のマリアージュみせたことは、いうまでもない。

サービスは向上しつつあるが、まだまだ物足りない部分は残るのは事実
しかし、それを超える料理の完成度の感動は、五感で味わえる見事なものだ。

美しきトキメキと新たなる感動が、明日への希望へといざなう希有の存在

**2011年2月再訪***
***今季至高のベキャスに感涙した思い出に乾杯***
***2011年7月再訪 感動の天然鮎とブレス鳥***
以下 下記記載と写真は、日記とコメント欄をごらんください。

  • お店のシックなロゴ
  • 黒鮑の殻
  • バタ-ル モンラシェ 1988  アンドレ ラモネ

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2位

ハジメ (肥後橋、淀屋橋、渡辺橋 / フレンチ、ヨーロッパ料理、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2010/12訪問 2015/01/20

伝説となる奇跡のレストラン

再訪 2010年12月 久しぶりに、hajimeに再訪しました。

主たる目的は、ふたつ。
前回からの課題であるシェフ*サービスをふくめた総合的な意味としての、グランメゾンとして、いかなる進化したか、という点と、ジピエという食材を現代フレンチという視点から、どう解釈するか、というふたつの目的が、主たる動機となった。

ジピエ料理なるものは、古典からのアプローチが、間違いないというのは、定説であります。
その定説を現代的視点から、どう覆すのか。
革新的フレンチの解釈が、知的好奇心をうごがしたのだ。
わかる結果よりも、わからない結果を求めるのは、人間の宿命みたいなものだろうか。

この時期、入荷する素材として、フランス*ピレネー山脈の森バトが、いい状態で入荷しているという。

そこで通常コース料理の追加として、別にアラカルトとして、注文しました。

まず食前酒としてシェリー酒を軽く飲み、ディナーが、始まりました。

アミューズ(4.5)は、3品。
ひとつめはあんこうのカルパッチョ。
ゴマとコリアンダーの焼菓子のうえにキャへ゛ツの新芽に乗せられたキノワにトマトとハープの刻みを薄く斬られたあんこうで包む。周りの粉末は、ケールとかほうれん草などの葉野菜のエキスを乾燥させ粉末させたもの。大きさは、ひとくちサイズ。手で持ち上げると軽い。さくっとするごまの風味が強い焼き菓子に柔らかい鮮度のいいキャベツの新芽にトマトの酸味に、あんこうのほのかな甘味などを様々な酸味の強弱で包みこむ。アクセントの葉野菜の粉末も悪くない。
ふたつめは、いつもの卵の黄身。ランチと異なりディナーでは、ガラスの容器で、構成される。味わいは変わらないが、アクセントとしてイベリコ豚のチョリソーとアマランサスの葉が追加になった。味わいは、より複雑かつ緻密になった。
みっつめは、岩牡蠣の下にビネガーの酸味利かせたコリコリした胡瓜の刻み ソースはヨーグルト系と柑橘類のソースにライムの皮の刻み。
しっかりしたライムの香りがいい。食べると、柔らかい弾力のある牡蠣の磯の風味にソースの酸味の強弱に控えめな甘味が、後から感じる。
パンは、シュクレのパン。
料理とのマリアージュ考えて、一品ごと異なるパンを提供される。
オリーブオイルのパンが、この料理といい相性みせる。

***105種類の野菜(5.0)***
ここのスペシャルテ。いまさら説明の必要ないだろう。季節ごとに、野菜やソースが、微妙に変化するとしても、料理の基本的ベースは、変わらない。この料理を食べると、hajimeに来店したことを実感できる象徴的な存在。
ただ、あえて苦言いえば、仮に、これを毎日食べるとすれば、もういいよという気持ちにはなるのは、確かだ。
しかし、グランメゾンとは、非日常の時間を楽しむ料理という意味では、ここのスペシャリテの重要性は、はずせないとおもう。
ある意味長所であり欠点でもある側面をもつ。つまり、それだけインパクトの強い料理であることは、確かだ。

***あんこうのムニエル(4.5)***
シェフは、ムニエルという古典的調理法を現代的に分解し、再構築するという。例えていえば、現代の若き巨匠エサ*ペッカ*サロネンが、グスタフ*マーラーの交響曲10番のアダージェットを指揮する際、スコアを読んで、マ-ラーの思考を一度分解し、再構築したという。それと、共通する思考のように感じる。キュイソンは、スローキュイソンなのだが、色々な手法使用し、火通しされる。味わいは、雑味のない緻密な味わい。細胞膜までわかるデリケートな食感。かなり良好な品質でなければ、この味は、出せないだろう。
つけあわせのアーモンド*ユリネやカリフラワーの食感がよく香りもいい。
ソースは、ふたつ。カリフラワ-のムースと、ジュドヴィヨン。アーモンドのパンとの相性も最適の組み合わせ。

***フオァグラのタルティーヌ(5.0)***
メークィンの生地をパイのごとく薄く焼いて、46.7℃の低温調理のフォアグラを時間かけて焼き水で冷やしたものをイチジクのコンフィ、黒胡椒 煮詰めたヴィネグレット エストラゴン ディルをはさんだもの。ひとくち食べると複雑な味わい。パリッとした食感のいいメークィンの甘味とフォアグラの洗練された甘味とイチジクの甘味の三重奏が、フォアグラを中心として奏でる。ここちいいヴィネグレットの酸味と、香草のいい香り。複雑かつ複合的味わいは、見事のひとこと。メークィンをラスク代わりに考えたところが、面白い。

***フランス産栗のスープ(4.0)***
黒トリュフのアイスと、焼き栗のうえから、フランス産栗のスープをかける。
栗の風味と味が中心にある。ややトリュフの香りが弱い。季節的にもう少し強くないとの印象残る。栗の旨味の印象強く残った。

***森バトのロースト(4.5)***
森バトは、ラミエと異なり、木の実しか食べない。低温調理含めたあらゆる手法で、部位ごとに3時間かけて、ジックリ焼かれる。仕上げは、炭火で仕上げられる。
ソースは、3種類 サルミ+木の実のピュレ+赤ワインビィネガーソースで食べる。
森バトは、血の香りが、程よくあり、噛むほどに、弾力あり、滋味深い味わいで、木の実の風味も感じられる。噛むほどに、強い野生味というより、洗練された、野趣の風味が、強く感じられる。焼き方は、hajimeらしいと思う。豪快でなく、デリケートでありながらも、肌理の細かい肉質の味わいの処理の仕方は、ある意味想定の範囲内。サルミソースも古典的な重厚さでなく、軽いが現代フレンチの流れのなかでは、古典にちかずくほど重い方にはいると思う。木の実のピュレが、いいアクセントとして、食欲をそそる。肉質の甘味にあう。この辺は、面白い。ただ革新的フレンチという立場から、思考すると、hajimeしか作れない個性的で革新的なソースが、あると現代的な感動が深くなると思うが。

***クロワッサン(5.0)***
クロワッサンのアイスの下に、焼き菓子に、ビスタチォ+ナッツ挟んだもの。
下敷きには、カカオのムースと卵白+焦がしバターのクリーム
確かに美味い。こんなデザート食べたことない。クロワッサンの旨味を堪能できるデザート的発想が、見事。

ワインは、1949年 ルロワのリッシュブール。40年代当たり年のひとつ。まだ、枯れずに、円熟味のある味わい。いつまで、この状態維持できるかは、未知数だが。
舌触りは、シルクのごとく滑らかな味わい。
熟成香中心でフルボディ。
豊かな果実味に、柔らかい酸味に丸くなったタンニンに長い余韻。
こういうしなやかな力強さの女性的なスタイルが、hajimeのしっかりしながらも、デリケートな味わいの料理と見事にあう。
とりわけ、森バトとは、最適のマリアージュみせた。カカオや血の風味のあるデリケートな味わいの森バトの旨味と美味く融合する。

サービスは、より柔らかいサービスになったが、まだ柔軟性には、やや乏しい。
ただ、マニュアル的には、完成されている。

ただ今回訪問してみて、ある種の停滞と進化が、共存している状況に感じました。

進化する理想を進化する現実として、考えていかねばならない。
ここには、進化する現実と、進化する理想とが、融合して存在している。

その意味では、まだまだ伝説は終わらない。

2009年9月

新たなる伝説の始まりだ。どの料理も、極めて完成度が高く、満足度も高い。
ミシェル*ブラスの正統たる継承者のひとりといっても、過言ではない。
99年の帝国ホテル大阪でのミッシェル*ブラスフェアを思い出した。
あの年、ミシェル*ブラスが3つ星になりたてで、脂の乗り切った伝説となりし年だったが、そのイメ-ジに近い。
あるいは、それを超えているといっても、過言ではない。
7875円で得られる奇跡の味に、素直に感動。

彼の作り出す料理は、絵画でいえば、フェルメ-ル 音楽なら、グスタフ*レオンハルトの世界に、共通するものがある。
すなわち、静謐のなかで訪れる奇跡の真実といっていい。余計な音はいっさいいらない。五感を使って味わえばいいのだ。
それだけでいい。

アミュ-ズは3品。最初は、トリュフのアイスにかぼちゃヴォルテにヘ-ゼルナッツの泡仕立て.。
官能的なトリュフの香りと味が滑らかなアイスとひとつなって、かぼちゃの旨みとともなって、ナッツの風味が渾然一体となって、舌のなかで自然にとろけた。
あまりの美味さに、写真をとり忘れた。

2つめは、卵の黄身にフランス産*もものコンフィのピュ-レ、エピス風味のクリ-ム、シェリ-ヴィネガ- ア-モンドのロ-スト 複雑な味わいのなかで、調和しながらも自己を主張する黄身の存在感。

3つめは、ホタテ。その下に、クスクスとセロリ*りんご*デュリ*レモンの風味を、泡立てたサフランソ-スでいただく。
上にある香草は、クロ-バ-にみえるが、山野草だ。スタッフが、わざわざ山にはいって、採取するらしい。
違和感のない風味で、主役のホタテの味を壊さない。ホタテのやわらかさとレモンの酸味のきいたクスクス*セロリ*りんごの食感が、いいハ-モ二-となって、ややくせのあるデュリも邪魔にならずいいアクセントとなって、サフランが乳児を包みこむ柔らかさをもって、ホタテを抱く。
だしは、あさりのエキス。そのすべてが、ホタテの旨みを強調するために、存在する。

前菜は、シェフ得意の66種類の野菜。5種類のソ-スで食べる。
この日は、カボ゜チャ*枝豆*人参*ビ-ツ*トマトだった。貝のエキスのみで野菜のミネラルと融合させる。野菜は、エブィフラワ-をセロリで巻いたもの*しその葉*そばの実*ちんげいさい*ごま*パプリカ*おくら*れんこん*ごぼう*にんじん*黒オリーブのきざんだもの*ブロッコリ-*アスパラ*たまねぎ*はくさい*大根*キャベツ*イタリアンパセリ*デュリなどである。それぞれの野菜が、個性をだしながら、ひとつの壮大なハ-モ二-を奏でる。

次の料理は、フォアグラとからしだいこん。ファグラは0.1℃単位で温度を調整しながら焼き塩のみで仕上げる。下には、ヴィネグレットの酸味きかせたミント*デュリをまぜたキノワ。付け合せは、からしだいこん。ソ-スは、黒糖*赤ワイン*バルサミコで仕上げたものとバスク産の七味*1/4*1/8*1/16*ときった黒胡椒と挽いた黒胡椒。
まずはフォアグラのみ食べる。
じわっと広がる上品で繊細なデリケ-トな甘味*旨み。女性的なスタイル。
ト-ルモンドのファアグラとは対照的だ。
ト-ルモンドは、まさに古典的で男性的な濃厚なスタイル。それと対極にあるのが、hajimeのスタイル。

hajimeのスタイルなら、男性的なワインは、合わない。女性的なスタイルのワインがいい。しかも、上品て゛繊細なスタイルからすると、野生的なロ-ヌは無理。無難なのは、シャンパン*ブランドブランがいい。ボルド-なら、ラフィット*マルゴ-がいい。ポムロ-ルもいいかもしれないが、ペトリュウスでは甘すぎる。王道なら、ソ-テルヌだが、甘すぎないさらっとした果実味のワインがいい。ブルゴ-ニュの赤なら、ミュウジ二-がいい。白なら果実味の強すぎないタイプがいい。柔らかい上品な果実味の感じられるスタイルがあう。
*DRCのモンラシュだと果実味が強すぎる。ルフレ-ブのシュバリエぐらいの果実味が適度でお互いを殺さずにいいマリア-ジュ。
ソ-スもほのかな甘味で、ファアグラをより洗練させる味にする。
七味は、しっかりと主張するがファグラをひきたてるいいアクセント。
からみだいこんも、柔らかいほのかな酸味がファアグラの甘味を刺激する。
デュリの香りも心地よい。
黒胡椒も、それぞれにファアグラの異なる表情をみせる。
酸味の利いたキノワもつんとしないミントとともに繊細なファアグラといい相性。

さてメインデッシュ。
話題の低温調理法*脂でかためた豚バラを60度の温度で4時間以上かけて焼き上げる。
ロゼ色に焼き上げられた豚。食感はレアに近い。
ロ-ストビ-フをイメ-ジするのが近いが、少し違う。
口の中で、肉の旨みが実にじわっと広がる。
きわめてデリケ-トな味わい。
高品質の豚でないとこの味はでない。
フェルメ-ルの静謐の神秘が微笑みかける。
レオンハルトのチェンバロが聴こえる。まさに至福の時。

極めてデリケ-トなのでデリケ-トなワインでないとこの素材を生かせないだろう.
古酒のほうがいい。
塩ゆでしたかぶらも、生き生きしており、豚と好相性。
鮮度のいいクレッソンも、豚の存在感を、高める。マンゴ-ソ-スも繊細な甘味で、豚のデリケ-トな甘味を、引き立てる。
ここでも、シュバリエがいい。
86年という年が、完成された味を壊さない。

デザ-トは3品。
まずは黒オリ-ブのソルべ。上には黒オリ-ブの刻んだもの。
ソ-スは、黒オリ-ブのソ-ス。
厭味のない黒オリ-ブの旨みが、ソルべとは思えない滑らかな口当たりとともなって、ふわっと口の中で広がる。
洗練された味わい。
次は、黒糖のデザ-ト。キルシュのアイスの中に、和歌山産の白桃を、温めたもの。
黒糖は、フィリピン産。甘すぎない高品質の黒糖に、すこし甘めのキルシュのアイスと白桃。
シンプルだけど複雑な味わい。
ただ白桃に、もっと天然の甘味が感じられたら、もっと良かったのが唯一の残念。
しかし、デザ-トの完成度は極めて高い。
最後は、パンションフル-ツのム-ス。中に生のグレ-プフル-ツのカットされたものがある。
ム-スの上には、サブレの粒じょうのものが、振りかけてある。
やさしい味のム-スに、いいアクセントのさくさく感のサブレ*柔らかい酸味のグレ-プフル-ツ。
全体的にフェミニンな味わい。
後はお菓子と飲み物。

料理とワインは、いいマリア-ジュを見せた。

86年のブルゴーニュの白は秀逸な年で、ルフレ-ブも最高のワインを作った。
香りは、熟成香にバニラ*ア-モンド*ミネラルなど複雑な香り*フルボディ*生き生きした柔らかい酸味が、豊かな果実味を支える。
舌触りは滑らかで、余韻も長い。
今がピ-クで後10年はもつ。
シュバリエのやさしい味が、シェフのスタイルにあう。

シェフの信念*哲学*メニュ-の書かれた説明紙も分かり易く納得できる。

サ-ビスは、マニュアルという観点からは、完成されているが、問題は、それを超えて、ウェットに富んだ会話ができるようになれば、もう一皮むけたサ-ビスが提供できるようになるだろう。
ココが課題。
ジビエのおいしい季節に、彼がどう対処し結論をだすか。
その時期に、また訪問したい店である。

歴史に名前を残すかもしれない名店。

  • 外観
  • hajimeのロゴ
  • (説明なし)

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3位

レストラン シャンボール (中之島、新福島、福島 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2014/04訪問 2014/08/20

再訪 老舗ロイヤルホテルの威信をかけたグランメゾン

***2014年***
2014年4月よりシャンポ-ルは、ディナ-タイムにおいて、両巨頭のスタイルのフレンチが食べれるようになった。フレンチファンにとっては嬉しい限りであります。すなわち、太田総料理長と豊田料理長の二人の作り出すロイヤルの至宝というべきフレンチを同時期に進行的に味わえるという魅力的な企画であります。同じ松本シェフの門下でありながらも、フレンチに対するアプロ-チは、共通する側面を共有しながらも。異なる側面もあるようだ。ネオクラシックという概念の捉え方にしても、現代フレンチ的視点ないし思考から、捉える立場と近代フレンチ的視点から、現代的に解釈ないし解析する立場のようだ。食べ手からすると、料理の楽しみの幅が広がるという意味ではいい時代を共有できる楽しみがあります。その意味で言うと、今ほどシャンポ-ルが充実している時期はないといえるかもしれません。

***再訪 2013年10月***
米津*三浦*太田シェフの時代から豊田シェフの時代へ。
新たなる視点からのネオクラシックへのアプロ-チ。
シャンポ-ルというグランメゾンは、いつの時代もあるいは、時代を超えてネオクラシックというスタイルに,首尾一貫している。
但し料理長が、交代することで、それに対するアプロ-チなり視点が異なるのは、それぞれの料理長の哲学の反映の結果なのであります。
今回、料理長が新たに豊田シェフに交代したことで、シェフのスタイルをデッサン的に参考までに記載しておくことが、参考になると思い、字数制限の関係から、素描にならざるおえないことを御了承願いたい。
まず、シェフの料理哲学を形成する上で大きく影響を与えたシェフとして、大切な偉大なる二人のシェフがいるとおもいます。
ひとりは、引退したジェラ-ル ポワイエ氏 もうひとりは、故松本 弥成氏のふたりであります。
両者とも、モダンクラシックの巨匠であります。
両者'ともに、最高級の素材の吟味にこだわり、その素材のもつポテンシャルを最大限に引き出す手法にこだわった。
その考え方が、シェフの料理を形成する基盤であります。
したがってシェフのスタイルはあくまでも、モダンクラシックのスタンスから、現代的な要素を加味しながら料理を提供するスタイルが、基本的なスタイルであります。
その意味では、伝統を大事にしながら、時代に合わせて、現代的な手法も取り入れて行くスタイル。
まさに、王道のフレンチのスタイルといえるでしょう。
ただそこにあえて加える要素としては、高級フレンチらしからぬ素材との融合。
松本シェフはとりわけ、普通フレンチでは使用しない日本の食材との融合も試みた経緯と同じ感覚がシェフにもあるようだ。
食べ手をあっと驚かす仕掛け工夫が、さりげなく装置されている。
一種の遊び心みたいだ。
そういった感覚が、グランメゾンにおける料理の一種の緊張感みたいなものを和らげる効果を狙っているのかもしれない。
ある種の関西的なミヤビともいうべき遊びの文化が、ここにも、密かに反映しているのかもしれない。
そんな遊び心を探すのも、フレンチの楽しみ方の一つかもしれない。
グランメゾンという枠内でありながらも、可能な限りコスパの優れた料理を提供するスタイルは、今だ、普遍であります。
その意味でも、やはり、関西を代表するグラン*メゾンだといえよう。
また、それにあわせたワインとのマリア-ジュにおいても、マスターソムリエの的確な判断やウィットに富んだ接客や日本の感性に基ずく心の琴線に触れるサ-ビスは、いぶし銀の如く伝統に彩られた色あせないものであります。
それは、日本の文化であり、大阪の美意識でもあるように感じられます。
国際化になっても、失ってはならない伝統文化のひとつといえるのでは、ないでしょうか。
日本の常識を世界の常識にしていくことが、大切だとおもいます。
それが、日本の美意識ないし誇りとしての存在意義だとおもいます。
なお、シェフのコ―スの組み立て方は、奇を狙うことなく実にオ-ソドックスな正統派的構成力であります。
前菜2皿にス-プを挟んで魚*お肉料理へ至るまさに至福スタイルであります。
最後に甘すぎないデザ-トで〆るところは、まさに現代的なスタンスに対する配慮というべきものでしょう。
簡単に料理に対する印象綴りましょう。

***タスマニアサ-モンの瞬間スモ-ク 胡瓜のヨ-グルト添え 人参のク-リ***

絵画的に美しい配置に色彩感。見た目の美しさとともに、立体的な存在感を感じさせる配置の構図。まず、目で楽しませてくれます。鮮度のいい生のタスマニアサ-モンに煙製香をつける。強すぎると酸味*苦味がきわだち、弱いと生臭く感じる。その辺が、テクニックのみせどころであります。モダンスパニシュみたいに、素材に、軽やかに香りを移すための煙製香の活用の仕方とは異なります。このへんは、まさに正統派フレンチらしいアプロ-チであります。その上にはヨ-グルトと胡瓜を合えたもの。さらには、見栄えを浴するための効果と、爽やかな印象的な使い方として、スプラウトがのせてあります。人参のク-リに、ルッコラのゼリ-そのうえには、キャビアが載っています。塩分ほとんど控えめで、素材だけの味付けで、組み合わせてあります。臭みのない、弾力の感じられるすっきりしたあじわいのサ-モンに、胡瓜の混ざったヨ-グルトの軽い酸味に、スプラウトの苦味のコントラストに、、ルッコラや人参のク-リの味わいが絡んでゆきます。

***オレンジ風味の飴を纏ったマンゴと鴨フォアグラのソテーアンディ-ブプレゼ添え***

豊田シェフのスペシャリテのひとつ。フレッシュのフォアグラを焼きマンゴをのせてオレンジの飴でコ―ティング。パイナップルのクリスティアン。フォンドボ-のソース。フォアグラの濃厚な香り。蕩けるフォアグラの食感と、カリカリの固さの飴を纏った果実味に溢れるマンゴーの触感の対比の妙。オレンジの柑橘類系の酸味*アンディ-ブの苦味*複合的に重層的に絡み合うねっとりするマンゴ-の果実の芳醇な甘味に、フォアグラの官能的な陶酔するような甘味が奏でる豊潤で豊満な響あうひととき。五感を刺激する味覚と香りの融合。

***マッシュル-ムのポタージュ カプチ-ノ仕立て ブルサンアイユチーズのクリーム添え***

ポタ-ジュそのものは、やや塩分が強く濃厚な味わいであるが、ブルサンアイユチーズのクリーム挟んだ生のマッシュル-ムをス-プにつけて食べると塩分バランスがとれ、口どけは軽く後口には、デリケ-トな余韻がここちいい。ふわっと広がるマッシュル-ムの旨み。コクのあるチ-ズが、いい調和感を持って融合し、昇華する。素敵なアンサンブルの結晶。

***モンサンミッシェル産ム-ル貝と帆立貝のマリ二エ-ル***

ポワレした分厚い帆立の上には、セロリの葉。これが、爽やかに華やかで香ばしい香り。分厚い帆立は、完熟した甘味*旨みに満ち食べ応え十分。ソ-スとの相性も悪くない。ただ、モンサンミッシェルのムール貝がいまひとつ。今年7月に食べたユニッソン デ クールのそれは。まさに、ドビッシ-の喜びの島の旋律線のごとく、旨みに満ち最高の味わいだった。まさに死せる貝が、もう一度、華やかに生を得て舞い踊るようだった。まるで、ヴィオレッタの最後の命の輝きのごとく美しさに満ちていた。

***シャロレ-産仔牛ロティ茸とカリフラワ-のテり-ヌ添え リブザルトワインとヴァニラ香る甲殻類のソ-ス***

程よい熟成感の感じられる仔牛は、食べると弾力あり、赤身のあっさりした肉質のまずまずのあじわい。面白いとおもったのは、シャンポ-ルでは、こういった甲殻類のソ-スを肉類にあわせて食べるのはやや記憶にない。ややアンバランス的な感覚もするが、面白い試み。ただ、もうひとねりあると、もっとよくなるかもしれない。

***デザ-ト***

モンブランと洋ナシのソルベの組合わせ。モンブランにその粉末添えてある。構造は、クッキ-生地に生クリーム*刻み栗に、マロンクリームで包んでいる。甘さ控えめで、素材そのものの味覚をひきだしている。甘すぎないモンブラン。洋ナシのソルベのざっくり感とともに、ここでも、甘さ控えめの妙。

***お菓子***

最後の余韻を楽しむ可愛いお菓子達。ここでも、手抜かりはない。

***再訪(2011年11月)***

ランチタイムは、グランメゾンの息吹をすこしでも感じていただこうというスタイルに変貌してきているようだ。
それもひとつの時代の流れであろうか。それもそれなりの価値があるとおもえる。
私はそれを否定するものではない。
しかし本当の伝統のグラン*メゾンとはなにかは、やはりディナ―タイムにあるのだろう。

それといつもながらありがたいと感じるのはガストロノミックフェアを開催してくれることである。
フランスの息吹をすこしでもこの日本で味わって頂きたいというスタイルはありがたいことだと感謝している。
今回は、フランス*ミシュラン二つ星のフィリップ*ゴブロー氏が来日するということで訪問しました。
南仏のジャック*マキシアンを尊敬し、自分の料理を太陽がサンザンと輝く南の料理と語る。その料理のうち印象に残った料理を記載しよう。
***アサリのファルシ マリニエール風トマトコンフィ添え***
あさりの磯の味わいと弾力ある味わいにトマトコンフィの酸味の二重奏がここちいい。南仏を感じる温かさがなんとともいえない。
***ヒメジのポワレ 柔らかな酸味の野菜 ヴェルヴェーヌの香り***
柔らかくジュシ―なヒメジにやや酸味の感じる軽いあじわい。ヴェルヴェーヌの香りが心地いい。

***ブルタ-ニュオマ-ル海老 蟹 青梗菜 ライム風味ココナッツのブイヨンとともに***
ブルタ―ニュ特有のヴァニラのような濃厚な甘味のオマール海老のうまみに繊細な蟹の風味 ここちいい青梗菜の旨みに酸味の利いたライムにやや甘味を利かせたココナッツが美味く交じり合い弾力のあるオマ-ル海老の旨みをひきだす。純粋に美味い。

***エトフェしたシャラン鴨 ゴブロ―スタイル***
とろけるような柔らかいシャラン鴨の旨みになんともいえない美味しさ ワインベ―スのソースがその旨みをます。ゴブロー氏が特別に契約している農家から今回特別に輸入されたもの。特上とも言うべき味わい。かみ締めるごとに滋味の味わいに感涙。なかなかコレを上回るシャラン鴨はであえない。

***苺風味のフレンチト―ストとバニラ風味のリ*オ*レ赤いフルーツシャ―ベット***
苺のあまづっぱい酸味がここちいい。薄地のフレンチと―ストとの相性もいい。滑らかなラズベリー中心としたフルーツシャ―ベットといいマリア―ジュ バニラ系のム―スもほどよい甘さで苺の甘ズッパサをさわやかにさせる。

参考までにワインは1971年ミゥジニ―VV 作り手はヴォギェ バッセンしたとたん花びらのような芳しき花の香りに包まれる。シルクのような舌触りに豊満な果実味に力強いアルコ―ル綺麗な酸味に長い余韻。美しきビ―ナスのごとく女性像が現れる。シャラン鴨と見事なマリア―ジュ。天国を歩いているような時間だった。至福のマリア―ジュ

***再訪(2011年12月)***
今日はフランス産メスの雉を食べにきました。フェサンタ―ジュの語源はここからきました。〆てすぐは、身が硬いく旨みも少ないため数日熟成させます。脂を落としながらじっくりアロゼしながらじっくり火入れします。肉の繊維がしっかりしており弾力があります。白身で脂がよくのりながら淡白な味わいです。食べるごとにジュシ―さが感じます。部位は胸肉です。ソ―スはサルミですが軽やかな味わい感じます。雉の旨みをひきたてます。実にうまい。

後先になりましたが、***ふぐの白子とトリュフのポテト包み焼 エシャロット風味のバルサミコソ―ス***は絶品でしょう。とろけるような下関のトラフグの白子にスライスポテトのポテトチップみたいなかりっとした塩けにトリュフの香りが見事に融合します。それにバルサミコの酸味が交わリ絶品の一言でしょう。エシャロットの軽やかな香りもここちいい。

***マロンが入った雉の田舎風ス―プ***も身体が温まります。雉のス―プにマロンに雉のすり身が美味く溶け合いおいしいですね。滑らかな舌触りに優しい味わい。心が和みます。

参考までにワインは1937年 リッシュブ―ル DRC 。バッセンしたとき香りはややかれつつありましたが、滑らかなビロ―ドのような舌触りにとろける退廃的な果実味に優しい酸味丸くなったタンニン まるでキャンディをなめているような感覚 素晴らしいフィネス 長いシルクのような余韻。ヴォ―ヌロマネのエッセンスを詰め込んだ味わい。信じがたい存在感。これこそ神の雫のあじわい。雉とのマリア―ジュは奇跡とも言うべき時間をかもしだした。ブラボ―と何度叫んだことか。それはまるで奇跡のような時間だった。
              *****************************************

シャンポ-ルにかよって、20年以上になる。
こうなると、お互いの恋愛関係も、夫婦関係に近いものになる。
話さなくとも、ツ-といえば、カ-のなかである。
恋愛関係が終了しないのは、この店の居心地の良さにある。
その最大の理由は、この店のサ-ビスにある。長年培われた老舗ならではのサ-ビスが、私を捉えている。
料理のスタイルは、ネオクラシックスタイルで、一貫しているのだが、料理長が変わるたびに、微妙にかわるので、その点が難点といえば、難点である。

この日は、ソムリエの誕生年の83年飲みたいということで、ブロ-ドベンド大先生、大絶賛のこの年の シャト-マルゴ- を飲むことにした。83年は、腐敗病の発生した年で、葡萄の選別がうまくいった生産者だけ、偉大なワインを作った。マルゴ-もそのひとり。あと、タニックな年なので、果実味*酸味のバランスがとれるかどうか微妙な年である。開けた瞬間、熟成香が前面にでてきており、熟成のピ-クであることがわかる。すみれの花*動物臭*腐葉土*コ-ヒ-*なめし皮など複雑な香りに濃厚な果実味。

舌触りは、まさに、ビロ-ド。酸もやわらかく、タンニンも丸くまさに、飲み頃。ストラクチャ-もしっかりしている。余韻も長い。
横に居たシニア*ソムリエも、喜んだ。これこそ、まさに、ボルド-女王の真の姿であり、マルゴ-スタイル。
保管さえ、よければ、あと10年は、もつだろう。 
*フアァグラのソテ-* は、鮮度も、よく、火入れもいい。甘めのソ-スも、フアァグラのもつ濃厚なあまみの邪魔にならないほど繊細な味。マルゴ-の濃厚な果実味が、これとあう。食が進む。 

*ヌシマのハモ* も鮮度がよく、しっかりした歯ごたえがあり、*サフランス-プ*も軽くしあげられており、古典的スタイルであるが、妙に心に残る。 
*子羊のロ-スト* もロゼ色に焼かれ、食感も弾力があり、実に、うまい。
ワインともあい、食が進む。
デザ-トは、 *しょうがといちじくのアイスクリ-ム* に、ア-モンドのチュルレ。やわらかい食感のアイスクリ-ムいちじくのうまみ、しょうがのアクセントがよく、チュルレの食感も好印象。          

ココに来ると、いつも、話が長くなる。  ワインの話から、話題のレストラン、食の話まで、話題がつきない。
つぎからつぎまで、話が盛り上がり、愉快な時間がすぎる。
いつのまにか、レストランは、私の貸切状態になり、まだまだ、話が続く。 
スタッフ一同が 私を囲んで話し込む。話が終わったときは、12:00時回っていた。
もう、終電もない時間だ。それでも、スタッフ*ソムリエはつきあってくれる。こんなうれしいことはない。みんなで、エスカレタ-のところまで、見送ってくれる。外で建物をみあげれば、まだ、シャンポ-ルにあかりが。本当に、こんなうれしいことは、ない。

* 再訪 *  
12月の楽しみと言えば、3つあった。
ひとつは、スギノ氏のつくるスペシャルのクリスマスケ-キ 
*マエストロ朝比奈の第9* ムツシュ米津の極上ロ-スト-ビ-フ であった。
これらを味わえることが人生の喜びであり感動であった。
しかし、今人生の喜びをあたえてくれるのはムッシュだけになった。

*マエストロ朝日奈*ヴァントが死去して、クラシック界では、ブルックナ-は、死んだ。確かに、今年聴いたプロムシュテットの *ブルの8番* は名演だった。しかし両巨頭の至った世界には、いまひとつ及ばない。名匠スクロバフチェスキ-がいるではないか、いわれる方もいるだろうが、名匠Sの生のブル は、実のところ今ひとつである。CDで聴く方がいい。

しかし、フランス料理界では、両巨匠のごとき 伝説の巨匠 がいる。米津春日氏そのひとである。ムッシュの作り出すフランス料理は、 ブルの7*8番 のごとき荘厳にして重厚である。頑なに、伝統的フランス料理の造形にこだわる。その姿は、今はなき両巨匠に共通するものがある。生前巨匠朝比奈は、スコアから聞こえる音だけを具現化すると伝え聞いた。ムッシュも同じである。レシピから聞こえるイメ-ジだけを現実化する。

たしかに、ここには創造する芸術はない。しかし、伝統的スタイルのフレンチを至福の味わいで再現する*文化的芸術的価値*がある。一品一品丁寧に作られた料理の数々は、現代における奇跡的存在だ。神のなせる技である。
例えば手間隙かけてつくられた *コンソメス-プ* は、まさに黄金のス-プである。
色合いは、透き通る透明感のある金色に輝き絹のごとき滑らかさな舌触り、極上の味わいである。
伝統的なコンソメのあるべき姿を示す。 

***ロ-ストビ-フ*** は、まさに至福のかぎりである。極上牛肉を選別し、熟成させ、絶妙な火入れで焼き上げる。 神がかり的なデクパ-ジュ によって、生命感の宿るロ-ストビ-フは、黄金の味わいである。ロゼ色に光り輝くそれは、ナイフもいらない程、やわらかい。肉の繊維の一つ一つが、はっきりとわかるぐらい旨みが充実している。上質な牛とその質のいい脂の旨みが、舌のうえでとろけるさまは、まさに天国の味わいだ。*英国風グレ-ピ-ソ-ス*西洋わさび*クレッソンとの組み合わせは、伝統的な意味における黄金の組み合わせだが、うまいものはうまい。本来、美味さに古いも新しいもない。うまいかどうかがすべである。最高のソ-スによって牛肉の旨みが増す。最質に吟味された西洋わさびは、いい刺激を食べ手に与える。 極上の時間が 過ぎていく。まさに、荘厳なブルックナ-の音を聴いた*極楽な一夜*だった。この日ブルックナ-は、不死鳥のごとく甦った。来年もこの味わいに出会えることを期待して、超越した時間を待とう。                                           

2月某日 なんとあのマチュ- ヴィアネイが初来日にて、フェア-するという。私は、いってもたってもいられなくなった。ヴィアネイといえば、あのポギュ-ズが、アプランティとして働いた*** ラ メ-ル プラジェ *** を取得した2つ星の新進気鋭のシェフだからである。13860円(税*サ込み)のランチメニュ-戴いた。なかなかの実力の持つシェフとみた。

アミュ-ズのボンボン(3.5)みたとき、カランドリエのそれ(4.5)を思い出した。ただ食べ比べてみると、両者は、だいぶ異なる。前者は、さくっとするが、やや硬くへ-ゼルナッツの香りはするが、ファアグラの存在感感じられるのに対して、後者は軽やかに、とろけるファアグラの食感だ。

***パテ アンクル-ト(4.0)***は、シェフのスペシャリテ 少しサブレに近い固めのパイに、醤油のゼリ- ファアグラのテリ-ヌ 肉類のミンチにレ-ズン*松の実をまぜたもの とりむね肉の構成。 食べると ぷるんぷるんとした醤油ゼリ-の風味が軽やかに感じ、肉の弾力とレ-ズン 松の実のコクとアクセントがいい。ファアグラの甘すぎない甘味と癖のないとりのむね肉が、いい調和を見せる。パテ全体として、甘味*旨みが統一体として、複雑に口のなかに広がる。美味。

***平すずき 的矢牡蠣 マテ貝とともに(5.0)*** 
最高の平すずき 今まで食べた最高の平すずき。ナイフをいれると、ふわっととろける程、柔らかい.癖はないすずきの繊細な旨みが凝縮したさまは、圧巻というほかない。カリカリした皮もよく、磯の風味感じられる牡蠣も最高の相性。コリコリッとしたマテ貝と西洋ごぼうは、いいアクセント。軽いフォンドボ-と貝のだし汁のエルミジョンソ-スもきわめて軽やかに仕上げられており、魚の旨みを増幅させる。今年、食べた最高の一品のひとつ。

***プレス鶏とオマ-ル海老(4.5)***
まず、食材の鮮度がいい。吟味されている。これこそ、真にプレス鶏の鶏なり。ポシェされた鶏はあっさりしているが、ほのかに甘味が感じられる。柔らかく弾力もあり、きめも細かい。腿は、かめばかむほど筋肉質で滋味深い。ポルトきかせたクリ-ムソ-スもいい相性。海老の鮮度もよくフランベしたぷりぷりした海老と、バジルとカルダモン風味の泡立てソ-スは、絶妙だった。

***マドレ-ヌとアイス(3.5)***
これは、まずまず。

***レモンのジプレ レモンクリ-ムとメレンゲ(4.0)*** 
甘くシロップで煮たレモンの器に、酸味の利かせたレモンシャ-ベット やや酸味の強い味だが、レモンの風味が、口の中に広がる。ややライムのニュアンス。レモンの器の皮は、柔らかく甘ずっぱい。しゃりとしたシャ-ベットと好印象。

***サ-ビスは、いつもながらの極上のサ-ビス***                                                                                  
3月再訪 20年以上このお店と、恋愛感情に、あるが、今ほど料理が充実している時期はないといえる。特に、料理技術に関して目に鱗である。大田シェフ達の実力は、今 まさに花満開である。最高素材の吟味 素材とソ-スの組み合わせのバランス 付合せとの配置と融合 コ-スの構成力 ドレをとっても、秀逸である。伝統と革新を融合させながら、あるべき正統フランス料理を提示する。実に巧いし旨い。例えば、フォアグラのコンフィ 絶妙な火入れで、とろけるほど旨い。イチジクのピュレの酸味のアル果実味が、その旨味を引き立てる。真鯛もふっくらと焼かれ素材の旨味 を極限まで、高める。苦味のアンデイ-ブの繊維質まで感じさせるグラタンと、ソ-スのバランスもいい。弾力のある鴨はジュ-シな-旨味に溢れ、かめば,かむほど滋味深い。フキノトウカラメゼともベスト。グレ-プフレ-ツのグラニテにあう大粒のキャビアの組み合わせも感涙もの。デザートの完成度も高い。まだまだ、恋愛関係は、終わりそうにない。

今回(2011年2月) 再訪の目的は、大田シェフの作るベキャスを食べることにありました。
ネオクラシックからのアプロ-チで、どのような彼なりの感性で、いかなる料理作るかに、主たる関心ありました。
そこで、ベキャス中心としたコ-ス作っていただきました。

コ-スの組み立てのバランス感覚に優れ、一皿にかける情熱 美意識に傑出したものがあり、まるで、シェ-ンベルグの浄夜聴いている気分になりました。素材の吟味 最高の状態でその味わいを引き出す能力にたけたものがあります。印象に残ったものを、記載しましょう。
アミュ-ズでは、なんといっても、テ-トドフロマージュでしょう。豚ほほ肉のにこごりですが、定番料理ですが、豚ほほのあっさりした味わいは、前菜に最適だと思います。かぶ゜らのス-プの旨みは、季節感もあり、かぶらの甘みが、凝縮していてなんとも美味。しかもその上にあるコンソメのジュレとの相性もよくコンソメのうまみとかぶらのあまみが融合しておいしい。

***香辛料に包まれた鴨のフオァグラのコンフィ ドライイチジクのピュレと青りんごのサラダ***
シェフのスペシャリテ まず、あっさりしたフォアグラのコンフィの甘みにはシルクのような上質な滑らかさと甘みが共存し、上質な脂のとろける味わいは、極上ものです。しかも、軽い味わい。天然の自然の味わいがします。ココには、最高品質のフオァグラの味があります。それも、そのはずです。フランス*ボルド-の契約生産者が、シャンポ-ルのため特別に作らせているのです。昔ながらの手間のかかる製法で自然の素材だけの飼料だけ与えて育てるのです。しかも空輸されてフレッシュのうちに料理するのです。おいしくないわけありません。タ-メリック 胡椒 カイエンヌペッパ-などの香辛料に オニオン にんにく ジンジャ-のパウダ- パン粉などをかけて、低温でじっくり旨みをひきだすのです。鴨の脂でパン粉を吸わせカリッとしながらもさくっとした食感をうみだすのです。付け合わせの青りんごも特別に作ってもらっているそうです。。上品な柔らかい酸味がフオァグラの別の魅力をひきだします。イチジクのピュレとの組合わせは、定番だが、上品な甘みが、フオァグラのコンフィの魅力を更にひきだします。美しきビ-ナスが、微笑かけます。

***ブルゴ-ニュ産エスカルゴのタルト フレッシュハ-プのポタジュ-ルと季節の野菜*** 
とにかくうまいエスカルゴなんです。何で、この魅力に気がつかないのでしょう。フランスで食べるのに近い上質なものです。うえにかかるガーリックのエスプ-マが、食欲をそそります。

さあ、ベキャスです。火入れは良好です。悪くありません。
ベキャスの柔らかく繊細でありながら豊潤かつ緻密な肉質のうまみの引き出し方は、うまい。
洗練された野趣の味わいです。ポレンタのエスプ-マ使用により、あっさりした軽い味わいです。
しなやかな女性美感じられる味わいです。
しいていえば、肉質の味わいはラ*シ-ムに近い味わいです。
軽い赤ワインのソ-スがうまくなじみます。
洗練された上品な優美な味わいです。
現代人には、向いているかもしれません。
ただマニア向けではありません。

***蜜柑のコンポ-トとグランマルニェキュべ150のアイスクリーム*** 
おいしいですね。蜜柑の凝縮した甘みにややシャ-プな酸味が、その甘みをひきしめます。かみ締めるごとに。旨みがましてきます。 滑らかなアイスクリームがリキュ-ルの甘みと融合しとてもおいしい。コンポ-トのうまみをさわやかにひきだして、いい調和みせます。
かんきつ類系の長い余韻もみごとのひとことです。

ワインはシャト-ム-トンロ-トシルト1953年 戦後最高の年のひとつ。
50年代では、59年につぐあたり年のひとつ。
シ-ダ- なめし皮 シナモンの香り 甘くとろける果実味に柔らかい酸味にタンニンは、丸くなりみごとなバランス感覚。
しっかりしたストラクチャ-に、男性的な力強さ。
飲むとビロ-ドのような舌触り。
長い余韻は、シルクのような心地よさをあたえてくれる。
バッカスの神が、月夜の夜に微笑んだ。
ベキャスとのマリア-ジュは、美しき女王をエスコ-トするシュバリエのようだった。
バッカスが、導く至福の時間だった。

流れていく時間は、感動的な時間を共有したものとして、人生の宝物として、心に、永遠に残っていくだろう。

永遠のときめきとともに。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

トゥールモンド (肥後橋、渡辺橋、中之島 / フレンチ、ビストロ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥2,000~¥2,999

2013/01訪問 2014/05/05

 ひとつの熟成期に入った文句なく大阪で最高に旨い店のひとつ。

文句なく最高に旨い店。10年に1度現れるか゜どうか。神がくれた奇跡を感謝したい。80年代のバンサンク*90年代のベキャスに匹敵する名店。高山氏の作る料理はいつも私の期待を裏切らない。これがフレンチかと思わせる独創性も魅力のひとつ。冬場に食べたトリュフ入りたまねぎの蒸し焼きキャラメ-ルソ―ス たまねぎの皮つきだがその皮すらうまいと感じさせるテク二ック 今回も大正解 まず素材の吟味が゛いい。どの素材もそのピ―クの状態を使う。どれも旨い。しかもこれだけ食べて10000円でお釣りがくる。 大きな岩がキにシャンパンソ―ス 複雑な味わいが一体となって口のなかで軽やかに消えていく。メロンと冬瓜のム―スも驚いた。バスク産サラミに静岡産メロンム―スのしっかりした甘味とあっさりした冬瓜の旨みが渾然一体となって絶妙なバランスで、口のなかでとろける。ラタトュに毛蟹 なんと繊細な毛蟹のおいしさがしっかりと主張してくるではないか。香草のム―スも邪魔にならない。ヌシマの鱧のたまねぎ詰めも好印象 愛知産うなぎのソテ-も火の入れ加減も絶妙で 付け合せの西洋わさびがいいアクセント。メインの鴨は青森産だがこれがル-アン産もびっくりの味。何とも心地よい弾力のある鴨 その鴨のダシでつくったバタ-系のソ―スとの素晴しいマリア-ジュ。至福のとき 時間よ とまれ。チ―ズも程よく熟成していて良かった。デザ-トの白桃のアイスリ―ム自然な旨み*甘味があり滑らかなのど越しとあいまって口のなかでとろけた。文句なく最高の白桃だった。ワインも、特にグラスワインは、コストパの高いものばかり集められており、料理を裏切らない。サ―ビスも丁寧で、料理の説明もできる限り専門用語を使わず、わかりやすい日本語で説明する。これも好印象。 *今年2度目の訪問* 今回も大正解、高山氏。凄い料理の連発で、またまた感動もらった。マダムも、復帰してきぱきサ-ビスしていた。定番のサングリアを飲んで待つと、ファグラのム-スのうえにりんごのム-スと炭酸いりりんごベ-スのジュレ黒胡椒風味がでてきた。付け合せは、食用花。濃厚なフオアグラのム-スは、古典的でしっかりした男性的なスタイル。しかし、くちどけは、甘く柔らかい。りんごのム-スやジュレ酸味と合いいいハ-モ二-奏でる。黒胡椒もいいアクセント。果実とフオアグラをあわせるのは特段新しいことではないが、味のバランス感覚に、シェフのセンスが要求される。フォアグラの甘味を殺さないりんごの酸味が、好印象。ここで、ルロワ69年ムルソ-シャルムがサ-ブされる。程よい果実味と柔らかい酸味が、完成された料理のあじを、殺さず、より複雑な味へと昇華させる。熟成したシャルムのア-モンド香*蜂蜜がいい香りとなり、料理の味を香りで、包み込む。シャルムでよかった。ペリエ-ルなら、すこし酸が強すぎたかもしれない。秋刀魚の料理。生のさんまの皮を、すこしあぶっただけで、ほとんどレアの状態で食べる。これが、また鮮度のいい秋刀魚で、それだけでうまい。トマトのソ-スとセルバチコのソ-ス さんまの下に、クスクスとバスク産のサラミ 付け合せは秋刀魚のキモでつくったム-ス。それぞれに、秋刀魚の味の変化を楽しめた。完成度の高い逸品。日本人シェフならではの、発想ではないとうまれまい。ギネスビ-ルのジュレは、ビ-ルの苦味がいい。フランス産のクリのム-スのデリケ-トで繊細な甘味にあう。丹波産では甘すぎる。大麦のポップコ-ンもいいアクセント。ここでも、シャルムがやってくれました。シャルムの控えめな果実味とクリの風味とよくあう。絶品。 12種類のきのこ*ココット風 は、ふたつきのままサ-ブされ、客の目の前でサ-ブされる。開けた瞬間、キノコの色々な香りがにおい立ち、ひとつのシンフォニ-を奏でた。森の中を散歩する感覚*ベ-ト-ベンの交響曲6番*田園が聴こえる。マエストロは、カルロス*クライバ-だ。私は、ここで、確かに、クライバ゜-の奏でる音を聞いた。ジロ-ル*しいたけ*エリンギ*マッシュル-ムなど12種のきのこに、ぎんなん*リ-ド-ボゥと落花生の刻んだものが混ぜてあり、キノコ類のダシとコンソメのだしだけで、煮込んであるシンプルな料理だが、これも、絶品。10年以上前、ロ-ズル-ムの横田シェフに、今回と似たスタイルで、6種類のきのことベキャスをココット風にして、食したが、あのときの味に、匹敵するあじ。あのときは、ベキャスに合わせて50年のシャト-ペトリュゥスを飲んで、大正解だったが、今回は、ジビエがない分、69年のシャルムでよかった。柔らかい酸味と果実味が、いい相性みせる。松茸のラビオリ*手長えびいりは、なかにあるぷりぷりとした手長えびの食感は、良かったが、松茸の香りが貧弱なのが難点。ソ-スは、さつまいものピュ-レとアメリケ-ヌソ-ス。悪くない組み合わせ。メインの山鳩のロ-ストも良かった。レバ-のム-スを山鳩に縫ってあり、全体柑橘類をベ-スにしたソ-ス。アンデイブ*オレンジの皮*黒キャベツが鳩のしたにある。野生的な味わい。火加減も絶妙で、弾力ある肉質を堪能した。オレンジの酸味も柔らかくいい具合に、旨みを倍加させた。柑橘系類の酸味がシャルムと幸相性 幸せな気分 アンデ-ブも変な苦味もなく、黒キャベツも幸相性。デザ-トは、カルダモンのアイスに、イチジク*チョコレ-トのムース、ア-モンドのチュイル。まとまりのあるおいしいデザ-ト。今夜も生きてて良かった。次回は、どんな感動もらえるか。期待しながら、帰途についた *今年最後 の訪問* 今年最後という訳で、それにふさわしい内容のワイン を飲むことにした。1949 年ルロワのミュジ二-である。マダム*ルロワが事業 に直接 参加 するのは、 1955年 から だが、この年 は、間接 的 に関わっていた 実に 微妙な時期 なのだ。 49年 は、40年代 最後をしめるふさわしい偉大 な年 のひとつ。この年代で、 ルロワ のミュウジニ-  に対抗できるミュウジ二-は、 ド * ヴォギ エ のそれしかない。後は、保管状態如何 。酸化しては、宝の持ち腐れだ。ブュルゴ- ヌ ワイン で、長期 保存 可能なのは、ルロワ その他 一部の生産者のみである。後は、料理とのマリア-ジュがどうかである。高山氏自身かなり緊張すると話しておられた *49年のルロワのミュウジ二-* に対して緊張しない料理人がいるだろうか。さて、抜詮である。60年の月日を経て、生命体として生き抜いてきたか、緊張が走る。抜詮された途端、見事なまでの熟成香が拡がった。ミュウジ二-は、香水の如く香り高いのが特色のひとつで、これがボンヌ*マ-ルと異なるところである。まず香り酔いしれる。これだけで、十分であった。ひとくち飲むと、ビロ-ドの舌触りに、控えめな果実味とそれを支える優しい酸味*タンニンは丸くなり優雅に溶け込んでいる。フルボディ 1分を超える余韻。雑味がないと高山氏。良くわかっている。見事に雑味がなく総てが一体として溶け込んでいる。内に秘めた力強さが感じられる。美しきビ-ナスの造形美として現れる、見事なまでのテロワ-ルの反映。ピ-クの高原状態。保管が良好ならまだもつ。素晴しいの一言につきる。さあ、料理とのマリア-ジュだ。緊張する高山氏に、大丈夫だよ、ルロワが総てを包みこむから、自然体で立ち向かえばいいとアドバイス。一品目は、 *コ-ヒ-カップの底に森バトとフォアグラのム-ス* そのうえに林檎のチャッネ*高山氏が奈良で見つけた和紅茶のエスプ-マ*その葉っぱがかけてある。血の滴るような鳩の風味と濃厚なファァグラがなめらかなム-スとなり、林檎のチャッネとあう。果物とファアグラがあうのは、あたりまえだが、鳩の血の風味を感じさせながら美味くまとめるところが、大切。血の風味がですぎてもだめだし、なくてもだめだ。絶妙なバランス感覚が要求される。まさに絶妙だった。和紅茶のエスプ-マも繊細な日本の美感じられる。濃厚さと繊細が絶妙なバランスをもって両立する。アクセントの和紅茶の葉もいい。逸品。大胆かつ繊細さが、今日のミゥジ二-のスタイルに合う。2品目が、 カクテルグラスに、コンソメのジュレ*車えび*ブロッコり-のム-スにとんぶりとマ-マレ-ド 悪くないがまずまずの組み合わせ。3品目は、 淡路産玉葱のロ-ストトリュフ添え 玉葱の中には、トリュフ煮詰めてペ-スト状にしてキャラメルを混ぜたもの。玉葱は,3時間掛けて焼いたもの。去年出されたものの進化系。去年もらった同じ感動もらった。トリュフの官能的な香りに妖艶なミュウジ二-の香りにあう。玉葱の甘味とワインの果実味が心地いい。4品目 豚べ-スのス-プにかぶら*牡蠣*白菜煮たもの 上に河豚の白子のロ-スト*海老風味のバタ-の塊のせてある。ココット風にして供され、熱いうちに、バタ-を溶かしながら食べる。かぶらの旨みと牡蠣の味わい。とろける河豚の白子。白菜の旨みがもっとあったら、絶品。5品目。 霜降りの的鯛をさっとあぶっもの 上のチュルレは、的鯛のキモでつくったもの。的鯛の下には、トランペットと、パルメザンいりリゾット ソ-スは2つ。鶏ベ-スのあわ立てとイカ墨のソ-ス。これは、絶品。的鯛への絶妙な火入れとチ-ズの風味トランペットもいい食感 チュルレがなんともいえない味わいをだした。ソ-スの相性もいい。6品目 北海道産蝦夷鹿のロ-スト  鹿の上には、黒胡椒 ソ-スは鹿べ-スにした赤ワインソ-ス 皿には、カカオパウダ-付け合せは、フランス産の栗のピュ-レ添え ロゼ色に焼き上げられた蝦夷鹿がいい野生味をだしていた。カカオパウダ-がいい新発見。 デザ-トの冬柿のコンチュ-ルと柿のタルト タルトには、杏のシロップ。柿の旨みを堪能した。ワインと好相性。ルロワと互角に渡り合った印象強い。

2011年に入って明らかにディナ-タイムにおける高山氏の作る料理のスタイルは変化しつつある。ネオクラシックのスタイルから洗練された現代フレンチの要素を巧みに入れたスタイルへの変革である。それはある意味新しい世界の広がりへ。新しい熟成への到達点へと至る道程である。この年から今年に至るまでその過程には紆余曲折あったが、やはり総合的に考慮するとき、その新しい地平線への挑戦に間違っていないと感じる。その芸術がわずか9500円で感じられる感動に感謝するしかない。ある意味、同時代を生きたことを心から感謝するひとりである。とりわけミキュイにこだわり始めた彼は、キュイソンに関しては素晴らしいというしかない。しかも、機械を使用せずに、自分の感性の中で処理するところに天性のセンスのよさを感じる。今回、とりわけ驚いたのは雷鳥のロ-ストである。変化球的面白さを感じた次第である。通常熟成させると見事な熟成香が現れるのだが、彼の場合、それを現代的に解釈しようとする。すなわち熟成させながら熟成香を感じさせない。つまり肉に対する旨味成分だけを凝縮した味わいを提供することで、ジピエの現代的解釈を提供しようととする。雷鳥の胸肉と腿肉と内臓のフォルスをキャベツで巻いているのだが、味わうごとに実に雷鳥のうまみが口の中に洗練された味わいとして口の中に広がりクリア-な味わいとして消えてゆく。実に洗練された味わいだ。サルミソースも現代的に軽く仕上げてあり、古典的ではない。実に軽いが深みのある味わいである。その相関関係が新しい新時代のあり方をしめす。その意味で新しい転換期となった年だと感じたのは私だけだろうか。

2012年、今年もまた、高山チ―ムの快進撃は、止まらない。わずか9500円で得られる感動とは、素晴らしいの一言である。進化し続ける現実は、無限の宇宙からのメッセ―ジであろうか。この日は、長年の友であり、世界的な料理ジャ―ナリストになりつつある彼との,さしでの飲み会。楽しい、なんとも溜まらない時間が過ぎてゆく。今年を締めるのに、相応しい内容となった。どの料理も素晴らしく完成度の高い、しかもコスパの優れた料理ばかりである。しかも、ワインとのマリア―ジュにおいて、見事なまでに、融和する。キュイソンもいつもながら素晴らしくなんともいえない素敵な時間を共有できた。この年を締めるにふさわしい内容だった。

参考までに、1955年のマジ*シャンペルタン ルロワについて。確固たる男性的でありながら、しなやかな力強さも併せ持つ。みごとな熟成香が溜まらない。しっかりしたストラクチャ―。フルボディ。長いシルクの如き余韻がたまらなく、セクシ―の一言。まさに、マリリン*モンロ―的世界感。あるいは、クリムトの退廃的世界感。なぜ、この素晴らしさが、分からないのか。不思議でたまらない。

2013年 初頭。それは、月夜の美しい晩でした。この日、奇跡が起きたのです。私の長年の友人のひとりが、来阪することになり、私としては、出来るだけの誠意もって対応しようと考えました。シニアソムリエ資格保有者であり、長年にわたり某世界ソムリエ協会会長と昵懇の方だけに、それなりのワインで、おもてなししなくては、なりません。そこで、考えたのがまず、料理はここ。それにあわせ、驚かすワインの選定として、1934年 ロマネ コンティでありました。御承知のとおり、この時代、フィラキセラの影響により、ヨ-ロッパの葡萄畑は、壊滅的な被害を受けその免疫性をもつアメリカ産の苗木に順次植えかられていた過度期であります。ただ、ロマネ コンティに関してはそのまま昔ながらの葡萄で育てられました。それゆえ収穫量は、激減してしまいます。その時期に収穫された葡萄で瓶詰めされた奇跡の一本。プレフィレキィセラによるワインを堪能することが、最大限のおもてなしと考えました。しかし、ワインは生命体であり、実際抜栓しなければ、わかりません。開けるまで実に緊張しました。コルクも実のところボロボロの状態で、テ-ステイングするまで、緊張しました。樹皮のような香りに、なめし革の香り。アジアンスパイス。トリュフ 腐葉土 バニラそして後から熟れたプラムのような香り。チェリ― イチゴといった果実系の香りが後から続きます。テ―スティングすると、実に柔らかいシルクのごとき舌触りで、しかも、一切の雑味のない優しい味わいでした。戦後のロマネ コンティとは、明らかに一線を画す味わいでありました。酸味もタンニンもすべてチャ―ミングで凝縮した果実味のなかに溶け込みただ、ひたすら優しい味わいとして、しみじみとほのぼのと飲み手に、訴えかけてくる。繊細でデリケ-トな味わいだけに、その語りかける味わいは、全体を包み込むような実に優しい味わいでありました。長くてチャ―ミングな余韻も印象的であります。あらゆる現象をすべて吸い込み、自然体としてのあるべき姿を呈示する。まさに奇跡の瞬間を体験できたことになんともいえない宵となりました。偉大なワインの語りべとなった一夜でありました。

  • アラン*デュカス氏のメッセージカード
  • (説明なし)
  • 厨房前にある*テ-ブル席

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5位

レストラン ヴァリエ (渡辺橋、肥後橋、大江橋 / フレンチ、洋食、バー)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥4,000~¥4,999

2011/06訪問 2011/08/07

伝統と革新たるモダンクラシックの結晶たるグランメゾン

昔、関西の迎賓館というべき名門ホテルがありました。
世界の著名人達が,その伝統としてのおもてなしに、魅了されて宿泊しました。
クラシックの世界でいえば、巨匠カラヤンや世紀の歌姫マリア*カラスもここに宿泊したのです。
現代なら、マルタ*アルゲリッチやロリン*マゼ-ルなど、歴史に残るであろう名だたる巨匠が愛したホテル。
そのホテルの象徴たるレストランが、ル ランデブ-でした。
若い頃のポ-ルポキュ-ズも働いていたこともあります。
その右腕で働いていたのが、現ル*パ゛ンサンクのオ-ナ-横田 知義氏です。
その後、ステファン*ランボ-氏が、料理長になり、横田氏との2代巨頭体制となります。
その後ランボ-氏は、フランスへ帰り年に一度だけランボ-フェアとしてランデブ-に来日して、フェアすることになりました。
横田氏は、全日空ホテルのロ-ズルームの料理長となります。
その下で働いていたのが、今のヴェリエのオ-ナ-高井氏です。

シェフのスタイルは、伝統的フレンチスタイルを前提として、現代的スタイルをとり入れていくスタイルです。
以前は、今の道野氏の店で、営業していましたが、今は、ダイビルの2階で、移転して営業しております。

ランチタイムは、コ-ス料理で、3150円 4200円 6500円のコ-スがあります。

4200円のコ-スを選択しました。

前菜二つに魚料理と肉料理にデザ-トがついてこの内容なら、なかなかのコスパだと思います。

あるべき伝統の姿とは、なんであるか本人は、すごく意識しているようです。
その姿を現代的に進化させていくことに、意識があるようです。
古典から現代フレンチのあり方を思慮する。
明らかに古典があって現代のフレンチのありかたを示唆しようとする立場にあります。

4200円の内容としては、なかなか充実した内容だとおもいます。

***前菜その一(4.0)***グリンピ-スのアイスクリームにつめたいピ゛ィシワ-ズス-プその中には、ヤングコ-ン*ソラマメ*インゲンガあります。鳥のブィヨンでだしをとったヴィソワ-ズの味わいはまずまずのあじわいです。それよりもむしろ、グリンピースのアイスクリームのきめの細かい滑らかさと、味の旨みが印象に残りました。ヴィソワーズの旨みが増せば、感動的な味わい足りえたと思います。具材のインゲン*ソラマメ*ヤングコ-ンの鮮度゛品質 湯で加減といいベストでしょう。それぞれに野菜の旨みが,ひきだ゛されており、とりわけ、ソラマメは、抜群のうまさて゛した。程よい湯で加減です。食べると柔らかくほろりと崩れるソラマメの野菜のうまさがに凝縮しており、グリンピ-スのアイスクリームの旨みと伴って、口の中でとろけます。野菜の旨みを堪能できた一皿でした。ビィシワ-ズの旨みが増せば、料理の完成度は、あがるとおもいます。

***前菜その2(4.0)***
グリエした京なすの上に、クロオリーブ*ジャガイモ*セロリ*トマト*たまねぎ*小エビ*食用花がのっています。ソ-スは、パセリのソ-スにタップナ-ド*バルサミコの三種類です。絶妙な京なすのグリエの旨みに、それぞれの野菜たちが、旨みを共鳴しあい、見事なハ-モ二-をカナでます。タップナ-ドなどの、古典的なソ-スが、その旨みを増幅させます。セロリの苦味がいいアクセントです。プリッとした小エビもいい食感です。シンプルでありながら複雑 複雑でありながらシンプル。古典でありながら、現代的。現代的て゛ありながら、古典 見事な融合だとおもいもます。

***平目のバタ-ソテ- バニュルスソース(4.5)*** 
平目のキュイソンが、絶妙。ふっくら柔らかく焼かれ、平目のさっぱりした味わいがうまくひきだされています。鮮度もすばらしい。ひと口食べるごとにその旨みがまし、バタ-の風味伴いながら、深遠な味わいというべき味わいをひきだします。淡路産の甘みのアルさっぱりしたすりおろした玉ねぎが、いい相性です。
平目の上にあるにんじんの葉っぱのうまいこと。新鮮でありながら、その旨みが、うまく、平目の旨みと調和します。甘みのあるバニュルスソ-スも平目の旨みを壊しません。実にうまい味の構成です。

***北ヨ-ロッパ産とろけるロ-スト 蜂蜜とワインビネガーの香る甘酸っぱいソ-ス(4.5)*** 
豚をコンフィしてその上に蜂蜜ビネガーとホワインピ゛ネガ-のキャラメゼしたソ-ス。とろけるような豚の甘み。ナイフがいらないうほど柔らかい肉質。あっさりしながら、凝縮した豚の旨みに、やや甘めのソ-スがあう。なんともいえない雑味の感じられない豚の旨みに感動。なお、野菜は原則として、すべて京都産の完全無農薬の野菜を使用しているそうである。

***アプリコットとココナッツの2種類のゼリ-とココナッツミルクアイス(4.3)***
マズ、ミントの香りが香ばしい。滑らかなココナッツのアイスはとろけるほどうまく
アプリコットとココナッツのゼリ-といい相性をみせる。軽やかなホワイトチョコは、その世界を壊さない。杏*コナッツのムースとの相性もよく、実にうまい。

サ-ビスは基本として、クラシックスタイルであるが、スタッフによって差がある点が、難点だろう。そこが、残念である。

食後挨拶にきた高井氏と、ランボ-氏や横田氏のことで、話がもりあがったのはいうまでもない。

とりわけ、ランボー氏のトりュフづくしのフェアの折に、肉担当が、わたしだったんですよ。という言葉は印象にのこっている。


カレの才能は、今満開のよう花開こうとしている。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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6位

レフェルヴェソンス (表参道、乃木坂、広尾 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2012/04訪問 2013/06/14

美しき自然への憧憬

2011年2月

グスタフマ-ラ-が夏の山の避暑地の思い出にこめたシンフォ二-3番はあらゆる自然の讃歌歌われる。
その想いは、つまるところミシェル*ブラスと同じ想いであるまいか。
そう思案したとき、実演で東京でマ-ラ-のシンフォ二-3番聴く機会あれば是非訪問したいと考えたのがこのレストランである。
ふたつの想いがひとつに重なるとき美しき時間が過ごせると考えたからである。
嬉しことに今回その機会に恵まれた。
胸は、いやおうなくトキメイタ。
それは、可憐にも優美にも近い感覚である。
自然のある種の憧憬の結晶が、そういだかせたのかもしれない。
我々は自然に共生しながらも自然の中で主体的に生命をはぐくみながら実は生かされているという現実を看過してはならない。
大自然が語りかける静謐な神秘な調べを謙虚に聞かなければならない。
そのとき新しい創造としての新しい響きが聞こえてくる。
ここのレストランはその流れのなかに位置つ‘けていいのでなかろうか。
東京の高級住宅街にひっそりたたずむ同店舗は、外観からみると、隠れ屋的イメージあります。
少し長く歩きエントランスの中に入るとグランメゾンのイメージダブります。
受け付けで予約の名前を告げると誠実な接客はやわらかい空気感に包まれます。
これからはじまる夢への期待がいやおうなしに高まります。
これから始まる優雅な時間が静寂な時間の中で、時を刻んで生きます。
左側にテーブル席があります。広々とした店内に席の配置です。
なんともゆったりした気持ちになれます。右側奥には半個室があります。
地下に個室と厨房とトイレがあります。
地下の個室は広々としており静謐です。
密会使用には、最適かもしれません。
ただ厨房が隣にあるだけに音が厨房からもれてくるかもしれません。
トイレの入室には少し気をつけたほうがいいと思います。
少し段差があります。
中はリラックスできるよう適量のいい選曲の音楽が流れています。
芳しい花の香水の香に包まれます。照明も落ち着いたいい雰囲気です。
さあ、席に戻りましょう。
素敵な時間への期待にわくわくしますね。
席に着くと,アペリティフのオ-ダ-取りに来ます。
華やかな時間にはシャンパンが最適ですね。
2週類のグラスあり、pieer GIMONET 選択しました。
セ-パジュはシャルドネ100です。
綺麗な泡立ちにフル-ティな香りにすっきりした酸味が印象的です。
1580円でした。グラスはすべてリ-デル使用です。
右側のガラス張りの窓からは、緑が鮮やかです。
穏やかな気持ちになります。
BGMはクラシックです。選曲音量ともによく心地いいものでした。
カラトリ-は、基本クリストフル使用です。メインの折には遊びがあります。

シャンパン飲みながら メニュ- の選択となりますが、4800円で3種類のなかから選ぶのが基本です。
それとは、別に7500円のおでかけコースあります。7品ついて7500円はまずまずのコスパ。お土産にお菓子付きますので、実際は8品の構成となります。おでかけコース選択しました。それとは別に3品のグラスワインセット3500円注文しました。

アミュ-ズブッシュはふたつ。ひとつは,青カビチーズをム-スにしてコーンで巻き上にはカスピ海で取れたオシャトラのキヤビアにシブレット乗せています。いい鮮度のキヤビアです。下手なベル-ガより明らかに上質です。プチプチした触感が食欲をそそります.青カビチーズの風味強くさくとしたコーンも香ばしく、ややインパクト強いがうまくまとめてあります。

もうひとつはグラスに、堀川ごぼうのコンソメにそのエスプ-マ。やさしい口どけの泡に雑味のない繊細な味わいのスープははうま味を凝縮しながらかすかに感じられるごぼうの繊維質。なめらかですっきりしたのど越しにほのかに残る柚子の香りが、鼻腔をくすぐり好印象。長くて洗練された余韻。更にシャンパンの酸味がうまみを増す。(4.0)

***平スズキー海の狼 ビーツのピュレとクリュ シェリビィネガーのビィネグレットと凝乳 アンディーヴ マンゴ- オゼイュ(4.0)***
長崎産平スズキは、ロテイだが,ふっくら焼かれというよりヴアプ-ルに近いイメージ 崩れるほどにやわらかい絶妙なな火入れだが,癖のないうまみが出ていて好印象だがマチュ-ヴィアネイのそれには及ばない。意識的に酸味を強調させたマンゴ-の酸味やアンディブの苦味 ビーツの甘味が複雑に絡みあって複合的な味わい 平スズキの淡白な味わいを自然な果物や野菜の酸味や甘味楽しみつつ様々なソ-スのアンジュレは見事なハ-モ二-奏でる。後から、柑橘類の香りと、黒胡椒の香りが、複合的に混ざり合って好印象。

***まるごと火入れしたカブ 黒トリフ パセリのエミュルション 生ハムとブリオッシュ(4.5)***
4種のキュイソンで4 時間かけてゆっくり火入れされたかぶは、凝縮した旨みかぶの中心部から、溢れ出し噛む程に、甘みやうまみが、内の旨みから内からと、溢れてくる。内に秘めた生命感溢れる力強さ感じる。軽やかなイタリアンパセリのエミュルションは、モ-ッアルトのピアノソナタのごとく軽やかに、かぶの旨みを包み込む。イベリコの生ハムといい相性みせるかぶはデりケ-トな繊細なペリゴ-ル産のトリュフの芳醇な香りに包まれて、何とも美味。やや甘味の残るやさしい塩が、かぶの旨みを更にひきたてる。果実味の感じるワインとも、いいマリア-ジュ。みごとなスペシャリテ。

***冬の一光景-フォアグラのナチュラルと生姜とオレンジのピュレ 種入りレ-ズン、金柑 落花生 セルフィ-ュ(4.5)***
40度程度で、ゆっくり火入れしたすっきりした甘味のファアグラのテリ-ヌは、洗練された味わい。生姜のピュレのさわやかさや酸味の利いたオレンジが、そのうまさを引き立てる。金柑やレ-ズンが、いいアクセントとして複雑な味わいが、有機的統一体となるさまは、見事。落花生のアクセントもここちいいもので、食が進む。セルフィ-ユも新鮮な鮮度で、香りもいい。

***オ-ブラック高原のイマ-ジュ-蝦夷鹿ロ-ス肉のロティ、そのジュ トビナンプ-ルのピュレとエクラゼ ブレットの葉と茎 甘酸っぱい山葡萄のピュレ(5.0)***今季食べた最高の蝦夷鹿 フレッシュ感と熟成感が、見事な融合をみせる。臭みなど一切なく、その旨みが、純粋に感じられる。弾力ありながらとろけるような肉の味わいに、素直に感動。噛むほどに、旨みが、口の中を満たし至福ともいうべき時間の愉悦は、他に代えがたい感動を呼び起こす。とても軽やかな食感でありながら、蝦夷鹿の肉質のうまみがとろけていく快感はなんともいえない。長い余韻は、永遠ではないかとおもうほど、ふくよかでデリケ-トである。さまざまな素材が、より緻密に複雑な構成体として、みごとにまでに、昇華するさまは、極上ともいうべき時間の流れを感じさせる。
のこぎり草もいいアクセント。なお、メインは、好きなラギオ-ルのカラトリ-を選択できる。一種の遊び心である。

***壊したい欲望-ショコラノア-ルをまとって ロ-ズマリ-香るグズべり-、レモンのソルベ シュトロイゼル(3. 5)***
これは、まずまずのあじわい。ショコラでコ-ティグされた中には、レモンのソルベにスグリの実が詰められている。コ-ティグされたショコラ壊すと、ロ-ズマリ-の香りとスグリの香りが絡む。レモンのソルべと他の素材との組み合わせ悪くない。アクセントとしてのシュトロイゼルも悪くないが、ぬるぬるしたソ-スが何か違和感感じてしまうのが残念だ。

〆はやはりこの店では、ハ-プティがお勧めだと思う。
数種類の香草混合されるがミントの香りが印象的だった。


都会でいながらも、自然との共生*対話を十分にかんじたひとときだった。
なお いうまでも ないことであるが その後の演奏会のマ-ラ-の3番は渾身の出来栄えで、二つの思いがひとつになりし感動の余韻は永遠ののように感涙ものとして、心の財産となってのこった。

2012年4月再訪

現代フレンチを前提にした、グランメゾンとして考慮するとき、その雰囲気*おもてなし*料理*コスト*パフォ―マンスなどあらゆる点で、総合的に判断するとき、やはりここが東京では、最高のひとつと考える。

確かに、そのほかに、カンテサンスフロリレージュがあるが、後者はプチメゾンというイメ―ジが強いし、また、両者とも予約システムに難なりと考える。

個人的には、レストラン バカールのごとく予約システムのほうが、公平的観点から納得する。

とりわけ、前者はひどい。毎日電話かけたところで、常に予約で゜一杯だという。
一発でかかってもである。

予約至難というが、そこにはカラクリがあって、常連さんが、帰る際に、予約いれるとそれを優先するという。
したがって、それ以外の客は、二の次である。
したがって、毎日予約で、満杯となるシステムなのである。
電話の予約の客は、ほとんど、キャンセル待ちの扱いとなる。
しかも、キャンセルがでた場合、当日に、電話あるというなんとも、凄いというしかないシステム。
しかも、当日キャンセルの場合、100パ―セントのキャンセル料金とるという。
キャンセルでれば、でるほど、儲かるという仕組みに唖然とした。
当然、食材の在庫の売れ残りはなく、しかもキャンセルでれば、でるほど儲かるというシステムに、なんともいえない気持ちになった。後者もその弟子みたいなシステムであり、前者よりは、ましだが、前提として二人以上で訪問してほしいというシステムのようだ。
それなりのルートだと、特別の待遇あるみたいだが。
その意味では、肩書きや地位が予約のさい、優先するようだ。
その辺を考慮すると、ここが、グラン*メゾンのフレンチとしては、最高だと評価するのが、妥当だと個人的には考える。
ただ、勘違いしないでほしいのは、モダンクラシックとしてのグランメゾンとしては、アピシウスが、都内としては、最高のレストランだと考えるが。
どちらが、どうかという問題は、最終的には、うまいかどうかで、判断される問題だ。
それは、車の両輪であって、どちらひとつにしなければならないという問題はない。
それは、私の支持する現代フレンチと近代フレンチの融合と決して、矛盾するものではない。
ただ,現状にあまえることなく、未知なる新しい美味しさを提供してほしいということである。
昨日の美味さは、今日の美味さでなく、明日のうまさでもない。
どちらにたつにしろ進化という問題は、全面に立ちふさがる。
味覚の現状維持が一番たちが悪い。
訪問するたびに何か新しい感動*刺激がほしいのだ。それが、フレンチレストランの意義があるとおもう。
時代が変革するように味覚もまた変化していくということだ。
進化おそれるとき、いつか、客に飽きられ、見捨てられる。

今回は、素敵な東京の友人を誘っての会食であります。
ただ、このレストランにおいて、評価が、わかれるのは、シェフのスペシャルテ 蕪の料理だとおもいます。
何故、蕪にこだわり、それを一年中提供するのか、という点につきるとおもいます。
その旬の時期に、提供するなら理解するとしても、蕪が、旬でないときにもそれに、拘り提供することに、疑問生ずるという点であります。確かに、その点ではその意見は、ごもっともであり、それが、シェフのアキレス腱とも、なりうる可能性は、当然ある。
しかしながら、それを差し引いても、総合的視点から思慮するとき、やはりここの優位性はあると思える。

さて、素敵な友人も来たようだ。料理の話をしよう。

***アミュ―ズは、二種(4.1)***
ブラッドオレンジ 右側 真鱈 雲丹 モロオレンジ 真鱈の下にブランダ―ド 泡にすることで雲丹の風味だして。中にはシェリ-ビネガー。ブラット オレンジは、酸味かんじられるものの鋭角に酸味でなくマイルドな酸味に果実味感じる味わい。もうひとつは、エルミッションの雲丹の風味にやや淡白な味わいの真鱈にモロオレンジの酸味が、見事なバランスが融合にときめく。海というより磯辺の対話である。

***アイナメの低速料理とアサリのピュレ(4.3)***
アイナメをじっくり、スロ―キュイソンでその旨みを引き出す。はらりと崩れるアイナメは、その旨みに満ち、軽やかな磯の風味感じるアサリのピュレとその滑らかな味わいと、美味く調和する。

***蕪の4時間ロ―スト イタリアンパセリのエルミッション ハモンイベリコとブリオッシュ(4.0)***
以前より、バタ―加えることでより香ばしくなりまた、内側の焼きを意識的に強くしているようだ。ハモンイベリコとブリォシュと食べ応えある味わいに、負けない蕪の旨み。ただ、確かに旬の蕪とは、その旨みが、異なるといえば確かにそう感じるのは、事実。ただ、コレは、シェフのスペシャリテだけあって、その負の財産を背負いながらも、捨てないところにシェフとしての心意気感じるのだが。

**フォアグラのナチュレ(4.5)***
じっくり低温調理されたフォアグラは、比較的あっさりした味わい。かみ締めるほどに繊細な甘味感じる。昆布のピュレに日向夏のアマヅッパサ マスカルポ―ネチーズが絡み、複雑で、複合的な味わいと、昇華する。現代的な響き。現代的なときめき。

***フランス ヴァンテ産 小鳩のロティ(4.8)***
じっくり火入れされた、小鳩は、かみ締めるほど゜に,旨みにみち、適度な鉄分感じられる。キュィスは、弾力のある引き締まった味わいで、かみ締めるほどに旨み感じる。甘味の感じられるビーツのピュレとクリュと溶け合う。ほうれん草と香葉との相性も悪くない。

***倒したいモンブラン(4.5)***
モンブランの現代的解釈。見た限り、どこが、モンブランなのだが食べるとモンブランを感じさせる現代的味わい。そこに、ホワイトチョコレ-トの甘味に、カシスクリーム 仏手甘のアイスクリームが、複合的に絡んできます。

参考までに、通して飲んだのは、1959年のルロワのグラン*エシュゾ―。個人的には、ルロワのファンである私であるが、コレに対してさほど、ときめなかった。やはり、ルロワの真価は、シャンペルタン系かミュジニ―がお勧めである。この年に関しては、DRCのほうが、間違いなく偉大である。保管状態がよければ、ロマネ*コンティ ラ ターシュ リッシュブ―ルなどは今でも、枯れずにその存在感を保持している。それは、まさに芸術的*文化的価値がある。はたして。ビオワインに、それだけの生命力あるか、疑問のあるところである。


新しき時代は新しきときめきとともに、訪れる。それもまたいとおしき時間の抱擁である。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • グラスシャンパン

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7位

ル・ジュー・ドゥ・ラシエット (代官山、恵比寿、中目黒 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2011/02訪問 2011/03/23

現代フレンチの可憐なる美しきビ-ナス

ル*ジュ-ドゥ*ラシエットとは、皿の上で遊ぶという意味のフランス語。

福岡出身の高野雄二郎シェフは、渡仏経験あり、ルドワイヤンのもとで、働いた経験を持つ。
今回、初訪問。
遊び心あるフレンチ料理を十分堪能した。
愉快な時間は、愉悦となって心に残っていくだろう。

分類としては、現代フレンチなのだが、伝統的なフレンチの手法を駆使した現代フレンチを作ることが、本人の信念らしい。
それは、現代フレンチと近代フレンチの融合を支持する私の立場の流れにある。
現代フレンチと思わせる正統派フレンチ。
その意味でも、遊び心溢れる料理である。
ユニソン デ ク-ルの坂本氏と同世代であり、いい意味での良きライバルになる予感がする。

まず、印象に、残ったのは、料理の素晴らしさは、いうに及ばずサ-ビス陣の質の高さである。
どのスタッフもプロ意識が高く、フレンドリ-でありながらも均質のレベルにあるということである。
いい人材にめぐまれているということだ。

レストランによっては、スタッフのレベルに差異が、明らかに、客からみえるところがあり、せっかくいい料理を堪能しても、幻滅してしまう。サ-ビスも料理の感動へ導くひとつの要素なのである。その意味でも、このレストランのスタッフのおもてなしのレベルは、高く料理の感動をより深いものとし、再訪の動機の大切な要素となる。

たとえ、おいしい料理食べても、不愉快なスタッフが、いると再訪の動機に少なからずと影響するものである。

ここは、素晴らしい料理に、サ-ビスがあり、その余韻が、次回への期待感へと自然につながっていく。
この心地よさは、グラン*メゾンなみといっても過言ではない。

惜しむべきは、店のキャパの狭さと内装であろう。
プチメゾンなみの居心地のよさがあるのだが、グラン*メゾンとしては、物足りない。

しかしながら、それを上回る料理とサ-ビスは、満足たるものがある。
お迎えからお見送りまでのサ-ビスは、見事というしかない。
下手なグラン*メゾンよりも、快適でくつろげる時間がある。

スタッフは、男性だけである。

席に案内され着席すると、アペリティフ勧められるので、グラスシャンパン2種類提示されたので、華やかな気持ちになりたかったので、RMのシャルト-ニュ タイェ キュウベ サンタンヌ ブリュット1575円 選択した。

ランスの北西7KMサンティエリ丘にあります。

セパ-ジュは、シャルドネ60 ピノノワ-ル40です。
ステンレス醗酵なので、樽香は、ありません。

シャンパングラスになみなみつがれます。
肌理の細かい泡立ちが美しいですね。
みているだけで、うっとりします。
フル-ツのアロマ強くすっきりした酸味感じられる繊細な味わいです。

メニュ-みながら6000円のコ-ス選択しました。

構成は、前菜+フォアグラ料理+魚料理+肉料理(2種類から選択)+デザ-ト2種類の構成でした。

***アミュ-ズ(4.0)*** 
ライムでマリネした真鯛をバ-ナ-で焼き、米のエキスとゼラチン質でつくったマシュマロの泡で包み込んだものに、青さのりのポテトチップ パルメザンチ-ズと黒胡椒のスティクに豚肉の皮に、トマトソ-ス含ませたものの4種類。真鯛は、ライムの香りに半生のような食感にマシュマロの組み合わせが、なんとも面白い食感うみだす。シャンパンのすっきりした酸味が、なんともいい心地よさ。のりの風味豊かなポテトチップは、食べるごとにその風味が、強く感じられ、家で1杯やっている気分になる。スティクとて同じ事。やわらかい豚の風味の食感と風味に、トマトの酸味が、いい相性。シャンパンがすすむ。

***42度でゆっくり火入れした寒ブリのマリネとバニュルスビネガ-とわさびのソルべ(4.0)***
京都舞鶴産の寒ブリを素材そのものにストレスあたえないように、ゆっくり火入れする。付け合せは、ラディシュ かぶ 黒大根 紅芯大根など。香草は、バジル ソ-スは、南フランスの甘口ワインのバニュルスに、ヴィネガ-加えたドレッシング 国産わさびのソルべのせてある。和食的発想によるフランス料理的解釈。実に遊び心十分に感じられる。鮮度のいい寒ブリは、中心部にむかって、半生だが、やわらかい食感で、透き通るような旨み感じる。じつにうまい。バジルの香りが、刺激になって食欲をそそる。根菜類は、凝縮した旨みに満ち、特に大根類の酸味が、いいアンジュレになり、寒ブリの旨みをより複雑に緻密なものにする。甘ずっぱいソ-スが、より芳醇なあじわいにする。生クリ-ム使用のわさびのソルベは、すしねたにつけるわさび的存在。寒ブリの違ったおいしさを表現する。なんともいえないおいしさかんじた。

***本日のフォアグラ(4.5)*** 
フランス ランド産フオァグラをグリエしたものに山形庄内産の赤ねぎのグリエしたものを合わせたもの。40度程度で、じっくり火入れしたフォアグラは、上品な甘みがすっきりでている。ねぎの苦味が、フォアグラの甘みを強調する。そのことで、ねぎの存在感感じる。付け合せのシブレットとエシャロットのビネグレットソ-スとともいい相性みせる。酸味が、フオァグラの甘みを強調することで、ソ-スの旨みを感じさせるからだ。付け合わせのべビ-リ-フの鮮度もよくいいアクセント。

***本日の魚(4.0)***
目鯛を60度でゆっくり火入れしたものをゆず風味のプ-ルブランでつけて食べる。皮はかりかりで焼いてある。付け合わせは、蕪のク-リ-とソテ-に大根もち。まず、ゆずの香りが素晴らしい。目鯛の火入れもよく、中心部は、ミディアムレア しっとりした食感 皮のカリカリが香ばしく、目鯛のふっくらした旨みが、すっきりと感じられる。柚子との相性がいいのは、和風的発想のフランス料理的解釈。蕪との相性いいのは、おなじこと。大根もちは、まずまずのあじわい。なお、魚は、信頼している業者から仕入れている。

***ゆっくり火入れしたタスマニア産子羊のロ-スト プティポアの香り ポルト酒べ-スの赤ワインソ-ス(4.5)***
素晴らしいできだ。タスマニアとしては、最高部類の子羊。火入れも、絶妙で、弾力があり、やわらかい、肉汁も充満している。臭みは、なく、旨みとコクが満ち満ちている。ゲラン塩使用により、旨みがましている。トリュフオイル不使用のトリュフは、デリケ-トな天然の自然の恵みの香り。絹のような包まれる香りは、子羊の旨みを香りで包み込む。肉の周りには、グリンピ-スのパウダ-がぬってあり、いいアクセント。付け合わせのオニオンヌ-ボ-はあまく、子羊によりそう。牛乳+クリ-ム+ゆりねのやさしい味わいが、いいマリア-ジュ感じさせる。ソ-スは、ポルト酒の味わいを生かしながら肉の旨みを引き立てるほどに、軽く仕上げられている。

***栃木産栃乙女のいちご バルサミコソ-ス(4.5)***
まずいちごの甘いかおりに、魅了される。ソ-スはフランスジュラ地方の白葡萄のバルサミコソ-スにバジルソ-スにイチゴソ-ス使用されている。ミントのいい香りが、ほのかに香る。上には、アイスクリ-ム。イチゴの多角的多面的な魅力をソ-スがひきだす。さながら、美しき乙女を求愛する夢見る男タチのごとくである。乙女は、それに合わせるように魅力をもってそれぞれになびく。時にはバルサミコの酸味になじみジャスミンとレモンをあわせた芳香をもつほのかな甘みをもつバジルソ-スの風味にイチゴの酸味がよりそい、イチゴのソ-スには、甘さと酸味を調和させる。滑らかなアイスクリ-ムは、あまくイチゴの魅力、それぞれのソ-スとの融合が、複雑にからみあい共鳴しあいみごとな、ハ-モニ-奏でる。
***エクレア(5.0)***
バロ-ナのカカオチョコレ-トp125使用 シェフのスペシャリテ 生地はライムの皮 カシスパウダ-まぶし 皮の中には、フィアンティ-ヌ ビタ-チョコ 砂糖まぶしたナッツいりのラム レ-ズンちらしてある。付け合わせには、滑らかなチョコレ-トのアイスクリ-ム チョコレ-トのさまざまな魅力をひとつの世界として構築している。しかも、最後まであきさせない味わいでまとめてある。甘いが、くどくないのである。チョコレ-トの重層的な複雑なうまさを感じる。ひさしぶりに五感で感じるデザ-トにであえた。

時をわすれ、優雅な時間すごしていると、外を見ると、いつしかか雨が振り出していた。

夢のような時間が、終わりにちかずき、チェックも終わり お見送りの段階になったとき、きっちり傘まで、用意してくれていたのだ。
うれしい配慮でないか。
持ち帰れというのだ。
ただ、私は傘を持参しており辞退したのだが。

最後に、シェフも挨拶にて゛てきてくれ、いろいろ話をした。

いうまでもなく、ルドワイヤンのことで、話がもりあがったのはいうまでもないことである。

クリスチャン*ル*スケール氏の言葉 料理をみてそれを味わうとき、料理のテクニックやノウハウは、忘れてください。それ以上のスペクタルを送り届けたいと思いたいからです。変化、香りが生む刺激、魔法のような味の連続 無限の驚き それが、素材のマリア-ジュです。

ふと、そんな言葉を思い出した。

それが、至高の奇跡をうみだすのでないのだろうか

  • (説明なし)
  • 玄関マット
  • (説明なし)

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8位

アラン シャペル (市民広場、南公園、中埠頭 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2012/03訪問 2012/05/12

語り継ぐ時代のために。

語り継ぐ伝統と伝説が複合的に交錯する関西を代表する老舗の名店。
このお店には、幾多のエピソ-ドがあり、思い出とともに、語りつくせないあるべき思いが、凝縮している。
どの話をすべきか、実に、苦悩する。

料理は、ルセットを超えるものという哲学をもつ今は亡きアラン シャベルの料理会について語るべきか。
まさに、プッチ-ニの歌劇 トゥ-ランドット 第3幕 初頭にカラフが歌うアリア **誰も寝てはならぬ**のごとく鳴り響いた宵のことを語るべきか。
あるいは、ラ ボエ-ム の第一幕お針子ミミにロドルフォが自己紹介として歌われるアリア **冷たい手を**それに答えて歌われるミミのアリア**私の名はミミ**のごとき、料理合戦となったロブションとアランのスペシャル対決を語るべきか。 

もし、仮に 今アラン現存すれば、フランス料理のあり方も確実に変わったろうとおもう。
それだけ、偉大な存在だったし奇跡的伝説だった。

また、美しき美貌をもつマダムについて語ろうか。
あるいは、、上柿本氏や三国氏や西原氏のいたシャベル時代を話そうか。
最近なら、25周年にスペシャル記念として、三国氏や西原氏が、一皿ずつ、料理を担当した料理会について話そうか。

語りつくせない夢や生きるとは何かという希望を与え続けてくれる希有なるグランメゾン。

その偉大なる歴史を背景として、上柿本氏の高弟 佐々木 康二氏が、料理長の立場にある。
21世紀の新しいシャベル伝説を創造する期待の星である。
6月に、その実力とは、いかなるものか。
と゛んな感動もらえるのか。
人生とは何かといった生きることへの意義*意味を思慮させる芸術的文化的価値あるのか。
深い意味のアル料理を創造できるのか。
さまざまな思いをこめての訪問となった。

結論からいえば、新たなシャベル伝説を生み出すに、ふさわしい男とみた。
その実力は、かなりのものである。

その料理のすべては、力感溢れる力強い料理ばかりである。

まさに、グスタフ マ-ラ-の描く交響曲1番 巨人の世界である。

どの料理も、完成度が高く、アランの名に恥じない料理ばかりである。
実にいい時間を過ごせた。

夢みるグランメゾンとしては、最高の料理を提供してくれている。
今回頂いた6000円のコ-スも、内容の濃いものである。
コースを俯瞰していえることは、日本の食材を積極的に取り入れながらも、シャベル的な手法で、現代的に再構築しようとする立場である。
実に美味い。 

***シママグロのマリネとラパンのリェット*** 

シママグロの旨味を引き出したマリネは、淡白なラパンのリエツトといいマリア-ジュみせた。

***近海鯵のスモ-クとグリ-ンアスパラガス トリュフ風味のビグレット*** 

あっさりした鯵のスモ-クに、骨太のアスパラは、ジュ-シ-で天然の旨味にあふれた歯ごたえのアル味に、トリュフの香りに、包まれる。あっさりした柔らかい酸味のビネグレットと好相性。

***グルヌィユのフィユテ 2010*** 

グルヌィユとは、蛙のこと。
あっさりしており、とりのササミのような味がする。
フィユテとは、折込パイのこと。
さくっとした程よく焼かれたパイのなかに、あっさりした蛙の味。
パイ生地に、蛙の味がなじんで実に美味い。
泡立てクリ-ム系ソ-スが、あっさりした蛙の旨味をひきたてて、スイスイと食べてしまった。

***丸茄子の軽い煮込みにのせた明石蛸入りリゾット 地元産キスのベニエをそえて***

力感溢れる天然の甘味に満ちた茄子に、コリコリした食感の明石蛸いりのリゾットが、旨味をひきたてる。
カラッと上げられたベニエは、やや薄地で、デリケートなキスのコクと旨味をぎりぎりまで、感じさせ
三者三様の味わいが、立体的に一体になる様は、見事の一言につきる。

***子羊のロニョナ-ド 新ニンニクのピュ-レ 季節野菜をのせて 万願寺しし唐の香るジュ***

ロニョナ-ドとは、腎臓を巻き込んだフィレないし腰肉のロ-ストのこと。
ここでは、腰肉使用。
クセのない腎臓つき腰肉は、弾力もあり、かむほどに、滋味深い味わい。
しし唐の香りもよく、またニンニクが、食欲を刺激する。

***ハイビスカスの風味のグラニテに、桃のコンポートと弓削牧場フレッシュチ-ズのアイスクリ-ム 栗の蜂蜜がけ*** 

ハイビスカスの香りに、チ-ズの香り ハニ-な香りがカラム。実に複雑な香り。
滑らかなチ-ズのアイスクリ-ムに、甘味のアル蜂蜜がいいニュアンスをみせる。

鮮度のいいみずみずしい桃のコンポートのジュシ-な旨味が、繊維のひとつひとつまで、感じられ、実に美味い。複雑且つ緻密な味わいは、至福の時間を感じさせる。

ワインは、1988年 リシュブ-ル 硬いタンニンが丸くなり酸と果実味に柔らかく溶け込みデリケートな味わい。佐々木氏の作り出す料理の世界をより、洗練されたものとした。

ここのサ-ビスは、伝統のあるサ-ビス。
俄かグランメゾンと異なり伝統と歴史に基づくおもてなしの心にもとづいている。
高原の空気のごとくここちいい。
今まで、不愉快になったことは、一度もない。
サ-ビスの極意を心憎いまで、心得ている。

新時代伝説が、新たに開かれる。
それは、永遠の生命体のごとく永遠の時間を刻んでいくだろう。

***再訪 2011年1月***
アランシャペルの新たなる旅立ちとジピエを堪能するという目的のため再訪となった。
やはり、この時期に来ることが、ある意味アランシャベルへ来る意義がある。
ジピエを中心にして、コ-スを組み立てていただいた。
ジピエは、何か゛入荷するかわからない状況下での訪問である。
しかしうれしいではないか。私がベキャスを好物なことを熟知しておりひそかに、用意してくれていたのだ。
もちろん、私をおどかすためだ。
こんなうれしいことはない。
グランメゾンのひとつの遊びごころだ。
席へ案内され、外の風景をながめていると、懐かしい思い出が、走馬灯のようにうかんでくる。
それは、人生の宝物である。
そんな一つ一つの宝物に感慨にふけっていると、本日のコ-スの説明になった。
さあ、美しき夢のはじまりである。
全体を通していえることは、前回の訪問よりも、ある意味スタンスを変えてきたということである。
骨格のしっかりした巨人のような味わいよりも、より軽くやさしい味わいへと変遷したことである。
やさしさに包まれる味わいへと変化している。ある意味、アランの基本的コンセプトを残しながら、より洗練され、若い世代に合わせるスタンスへと合わせようとするスタイルである。
新しい時代への幕開けといっても過言ではない。
印象に残った料理を記載しよう。

***子牛のロニョン マスタ-ド風味 地元神戸のほうれん草にのせて***
新鮮なロニョンのコリコリした食感にマスタ-ドがいい。ほうれん草もまずまずのあじわい。キュイソンも悪くない。ただ味わいはただすこし軽くなった。

***アンコウの自家製ベ-コン巻き シャンパンソ-スとクロトリュフのク-リ***
なかなかの美味。あっさりしたアンコウの味にべ-コンの旨みが会う。シャンパンとトリュフのク-リの二重奏が素晴らしい。はじけるような酸味と官能的なク-リがいい相性でアンコウベ-コン巻きとうまく馴染む。

***キャベツとフォアグラを包んだベカスのパネ パンデビス風味***
心がほっとする優しい味わい。自然への畏敬をこめるようなあじわい。豊潤な柔らかい繊細なべカスのうまみをうまく引き出しており、軽いサルミのソ-スともいいマリア-ジュ。甘いパンデビス風味のパン粉に包まれたキャベツやフオァグラのやさしさにうっとり。
言うまでもなく脳みそや頭蓋骨も柔らかくうまい。当然くちばしもだ。アパもやさしい味わいにしてあり。現代人むきだろう。

***りんごのミルフィ-ユとグラス モルダント***
かなりうまい、りんごのシャリカンと酸味と旨みのバランスが秀逸。なおデサ-トも佐々木氏監修らしい。

最後のドリンクは、アンフィジョンをぜひおすすめする。
神戸のハープ園で摘み取られたハ-ブを使用しており鮮度旨みとも申し分ない。

今回飲んだのはグリュオーラローズの1928年である。サンジュリアンの2級だが、、一級に昇格してもおかしくないほど、実力を持つ。゛

開けたとたん、熟れたプラムの香りが部屋中に充満した。

まず、香りに酔いしれる。
腐葉土 樹皮 トリュフ なめし皮など複雑な香りが絡む。
まるで、自然の森のなかをを散策しているようだ。
完熟状態。
コレだけいい状態のワインが果たして世界に、何本現存しているだろうか。

テ-ステイングもすると、シルクに包まれた、上質な果実味に柔らかい酸味にまるく溶け込んだタンニン。
シルクのような滑らかなのど越しに、孔雀が羽を広げるような旨みが、口の中に広がる。
長いデリケ-トな余韻は、軽く一分を超えた。。
すべてのバランスが、ひとつの統一体となって深い味わいになるのは、見事のひとこと。美しきミロのビ-ナスのごとくて゜ある。

最高の芸術たる一本といっても過言ではない。
すべてのかどがとれ、丸みを感じる味わいは、今という時間を永遠に感じさせる。
佐々木氏の作るベキャスのやさしい味わいには、こういった古酒が見事にあう。
ワインが、第二のソ-スとなってべキュスの旨みをさらにひきだしたのだ。
また、素晴らしい思い出の記憶のひとつが、残っていくことだろう。
そこに立ち会った人たちも、同じ思いとなって、残っていくことだろう。
永久の感動として。

新しい時代の幕開けが、問われるのは、これからだろう。
シャペルも時代とともにかわりつつある。

シャへ゜ルも昔のシャペルではないのて゜ある。

***永遠の思い出に***
人の生涯のように始まりがあれば必ず終わる時が来る。
それは必然的現実でありましょう。
ひとつの時代が終わったことを意味するのは確かである。
アラン シャペルの前にアランシャペルはなくアラン シャペルの後にアラン シャペルはないのである。
本店も店をしめるそうだ。
その現実の重さを実感するときひしひしとなんともいえない気持ちになる。
しかし、その精神は永遠のものとして語り継がれていくものだと思う。
これはある意味アラン シャペルへのオマ-ジュである。

この最後の晩餐を迎えるとき様々な懐かしい思い出が走馬灯のように思い浮かんだ。
言葉にいいつくせない思い。
その思いはきっとこのレストランへ訪問した人々に皆にあるはずでしょう。
スタッフにもその想いはあったようにおもえる。
色々な人達が、このレストランを支えてきたのは事実であるしその思いも深いものがある。
しかしながら、このお店がひとつのけじめを付けるとき意外に明るいいつもながらの接客にそのなんともいえない想いに包まれた私であります。
また提供された料理にその30年の想いとともにひとくちひとくち味わっては消えていく。
その瞬間 そのときめきは時代を刻む至福の時間でありました。
ワインはこの店がオ―プンした1981年のものと考えましたが、最後を締めるにふさわしいワインは何かと思慮したとき偉大な年1982がいいのではないかと思いました。

色々考えた結果シャトーマルゴーがいいのではないかと思いました。
ボルド―の女王が最後の祝福を捧げるにふさわしいと感じたからでした。

さあ、最後の晩餐のはじまりです。

***わかさぎ*パセリ*セロリのフリチュ―ル***
シンプルに油で揚げたに過ぎないものであるが、油切れがよく素材の旨みをシンプルに感じさせてくれました。アミュ―ズとして軽い味わいが次の料理へのときめきへといざなう。

***平目のショフラワ-と野菜の組合わせ***
古典的料理であるが、美味。平目のショフラワ―のうえにはフランス産キャビア 赤ワインビネガーをきかせてある。バタ―系の風味にキャビアの粒粒感の風味に平目の旨みがともなう。それに付け合せのインゲンやトマトの生命感ある旨みが複雑に絡み合って実に美味。

***リ―ドボ―とイベリコ豚の生ハムにモリ―ユのソースにマデラ酒のソ―ス***
優しい新鮮な口あたりのリ―ドボーにイベリコ豚の食感がなんともいえない。
かみ締めるごとに旨みがます柔らかいモリ―ユだけの香味がなんともいえない。それにあわせるかのごとく絶品ソ―スの切れ味は素晴らしいの一言というしかない。マデラ酒とリ―ドボーのジュで作られたソ―スはなめらかで官能的な甘味のシルクのような柔らかさとキレ味の鋭い味わいは上柿本氏直伝の味わいだろう。ソ―スに関していえば、西の上柿本氏に対して東のレカン時代のソ―スの城氏が双璧だった。その直伝の味わいがいただける。なんともうれしい限りではないか。しびれるほど懐かしいしうれしかった。古典的かもしれないがその芸術性を堪能した。

***ブルタ―ニュ産オマ-ル海老とポテトの軽い煮込み***
オマ-ルのなんともいえない凝縮した旨みにぷりっとした食感。ブルタ―ニュ産オマ-ル海老特有のバニラの香りがなんともいえない。ほっこりしたポテトの味わいがいい組合わせ。海老の卵を乾燥して散らしてあるのだがこれがいいアクセント。ソ―スはアメリケーヌなのだが、クリ―ミ―で濃厚でありながらイイダシがでておりしかも滑らかな舌ざわりに鋭角な味わいのソースの旨み。素材の美味さとともに切れ味鋭いソ―スとの組合わせが感動的な時間を生み出す。まさに豪腕の味わい。

***琵琶マスのポワレ シャンパン風味のサヴァイヨンソース***
マスはヴァプ―ルにシャンパンの酸味生かしたサバィヨンソースがここちいい。ペッパ―のここちいい苦味。蕩けるほど柔らかいマスのうまみに切れ味するどいサバィヨンソース。ここでもソ―スの旨みを堪能した。

***シャラン鴨の温かいパテ 赤ワインソ―ス***
さくっとしたパイの食感にシャラン鴨の旨み。古典的な赤ワインソ―スの組合わせ。新しさはないが古典的な美味しさはそれなりの価値があると思う。シンプルな旨みが時代を超えて感動へといざなう。

***コ―ヒ―風味のサバイヨン ミュ―ズリ―のサブレとアマレットのジュレ***
コ―ヒ―の苦味と甘口ワインの甘味がいいバランス感覚。蕩けるような味わい。サブレもほっこりしっとりした食感でいい相性。アマレットのジュレも甘ズッパクいいアクセント。

サ-ビスはいつもながらの極上のサ-ビス。

ひとつの時代が終わりは新しい時代への幕開けを意味する。

その意味ではどう変化していくか。

楽しみなグランメゾンのひとつといっても過言ではあるまい。

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9位

アキュイール (なにわ橋、南森町、北浜 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.4
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.4
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥6,000~¥7,999

2012/01訪問 2012/12/21

再訪*美しき伝説のために

新しい伝説が、この地で刻まれている。
美しいまゆぶいばかりの宝石のごとくきらめく時間と空間は信じられない自然の光の中に包まれている。
ここにも、偉大な神話にふさわしい名店が存在する。

優美までに完成された美意識は、感動までにときめく時間と信じがたいまでの長い余韻を永遠に感じさせる。
芸術的な名画や音楽の鑑賞の後で感じる感動とまったく同質のものである。
素晴らしい料理の感動は、それと同じ意味で、人生を芳醇なものにする。
それは変えがたいもので、永遠のトキメキともいえるべきものである。
料理*サ-ビス*雰囲気の調和が優雅で優美のひとことにつきる。

居心地のよさとは、なにか。快適さとはなにか。その意味するところのすべてが、ここに存在している。
まさに、希有の存在といっても過言ではない。
まるで、リヒャルト*シュトラウスのオペラ **薔薇の騎士**の世界である。
メトロポリタン歌劇場の名演が、甦って来ました。ルネ フレミングの名唱 ス-ザングラハムの好サポート。
その世界に共通する美意識があります。

お迎えからお見送りまで完成度の高いサ-ビス くつろげる空間 
ただこの空間の居心地の良さとは、グランメゾンにおけるそれと共通する部分もあるが、異なる部分もある。
隠れ家的な、あるいは、都会的でなく避暑地で感じるようなくつげる時間の快適さなのである。

それにふさわしい完成度の高い料理の内容。
すべてがひとつの結晶体となって作り出す至福の時間は、極上のものである。
ある意味、グランメゾンが生み出す極上の夢のひとときとは、やや異質なもので゜あるが、得られる感動は共通する。

再訪2012年一月。
今回はランチタイムに訪問。Bコ-ス6200円選択。その後予定がありワインは我慢。
***三重県産牡蠣と海老芋のロワイヤル(4.3)***
フランのなかにふっくらした牡蠣があり、フランの上には、海老芋の泡立てのソ-スにコリアンダ-の葉。そのセージとオレンジ゛ピールの香りが芳醇でほのかな甘味とさわやかさが鼻腔をくすぐる。軽い海老芋の泡立てが季節とともにほのかにたちあがる海老芋の旨みをともなって、小ぶりだがふっくらした牡蠣の磯の旨みとフランとの融合がみごとでなんとも美味。
***氷見産寒ブリと大根のガト-仕立て(4.2)***
寒ブリの表面だけをさったあぶり身そのものはほぼレア。それを様々な薄くスライスされた大根でミルフィ-ヌ状に挟んである。コウシン大根*青大根*黒大根など。上からたっぷりのカラスミかかっている。寒ブリの美味さを様々な酸味で引きだそうとする。官能的なカラスミの味にあっさりした寒ブリの味わいに大根の複雑な酸味が噛むしめるごとに口の中で広がる至福。鮮度のいい生のはつか大根に土に見立てたブラックオリ-ブを乾燥させたものが回りを取り囲む。新鮮な酸味とほのかに甘い大根は、食べ応えあり、オリ-ブの風味が心地いい。以下コメント欄参照。
       ********************以下は2011年の思い出******************
9品 4490円で得られる極上の時間は,奇跡ともいうべき感動を導き出す。
料理のスタイルは、正統的フレンチに独自のアレンジを加えたスタイルである。
素材の鮮度 吟味 それをひきだすテクニック どれをとっても満足のいくものばかりであり、さすがと唸るばかりである。
***アミュ-ズ(4.5)***
雲丹のフランの上に徳島産枝豆のス-プ バ-ジンオイルかけてある。とても滑らかな枝豆のス-プは存在感感じられこれだけでとても美味い。雲丹のフランは、最適の柔らかさで、ほのかにひろがる上品な雲丹の風味は、長い余韻をともなってここちいい。ス-プの重さフランの軽やかさが、絶妙なバランスでもって融合するさまは、見事のひとことにつきる。

***北海道産秋刀魚の軽い炙りとガスバッチョ*ヴェ-ル(4.0)***
ガスパッチョにその中には、おくらやにんじん 胡瓜の角切り 秋刀魚の炙りに上には、色々な野菜ちりばめてある。その上には、鯛のからすみがかかつている。ガスパッチョは、適度な濃度で、さっぱりした味わい。具材の野菜の角切りが、吟味され鮮度もよく、コリコリした食感もいい。秋刀魚は脂ものっており、いい炙りでガスパッチョ*鮮度のいい野菜との見事なバランス感覚。鯛のからすみのアクセントも食欲をそそる。

***本日の鮮魚のお料理(4.5)***
この日は鱸のポアレ 鮑のキモのソ-スで食べる。
付け合せは、京都の田鶴さんの作った賀茂茄子を焼いたものと白バルサミコでつけた水茄子のふたつ。
鱸の火入れは、絶妙でその旨味を最大限まて゛ひきだされていた。香ばしくやわらかく、ふわりと崩れる柔らかさは見事。
鮑のキモのコクのアルソ-スとのマリア-ジュも見事。
付け合せの賀茂茄子も絶品、賀茂なすのジュ-シ-な濃密な旨味にあふれ、さくっとした触感もほど良い硬さで、茄子本来の旨さを実感させる。
白バルサミコにつけた水茄子は、みずみずしくあっさりした味わい。
何を食べても旨く、見事な調和のとれた極上の一皿。

***レモンビネガ-のグラニテ(3.5)***
しゃりとした食感にレモンビネガ-の鋭角でない柔らかい酸味。 
さっぱりした味わい。今の季節にふさわしい一品。

***山形産牛肉のクラシタ肉のロ-スト(4.5)***
牛肉は65度の低温調理で焼かれ、仕上げは高温調理。
外側はカリカリで内側は、肉の旨味に溢れ、噛む程に肉質のキメの細かい深いコクが感じられる。
ソ-スはかぼちゃとバニュルス酒とジュでとった3種類のソ-スでつけて食べる。
付け合せは、まこもだけ*肉厚のみずみずしいしいたけ*インゲン*天草緑竹
ソ-スは、軽すぎず重すぎず、存在感感じられそれぞれ肉の旨味を増幅させる。
付け合せもそれそ゛れに最適な状態でその旨味をひきだしている。素材の吟味 旨味の引き出し方 最高に感じ゜る。
夏だけに取れるというたけのこは、初めて食べた。春先食べる山城産のたけのこや福岡産のそれと異なり、やや硬くコリコリした食感だがさっぱりした味で、夏向きのあじわい。ソ-ス*素材の組み合わせは、ベストな組合わせで、見事な融合*調和で統合される。
とにかく美味いの一言に尽きる。

***小さなデザート(5.0)***
メロンとココナッツのスム-ジ-にミントのジュレにメロンの実
シンプルな構成だが、完成度の秀逸な逸品。
滑らかなスム-ジ-のココナッツとメロンの旨味がすばらしく、さわやかなミントのジュレの密度が極上で、濃密な甘味のメロンの実との3層がマスクメロンを中心とした,さまざまなハ-モニ-を奏でながら、統一体となる様は、見事。

***沖縄産マンゴ-とリ*オレ アキュイ-ル風(4,5)***
肌理の細かいバニラアイスクリ-ムに角切りマンゴ-にココナッツソ-ス そのうえに炊いて蒸して揚げた米とインディカ米を振りかけてある。まず、マンゴ-の鮮度*素材がいい。濃縮した甘味に柔らかい口当たり。ビロ-ドのような滑らかな口当たりのアイスクリ-ム。キメの細かいココナッツソ-ス。ポップコーンのような舌触りの米とインディカ米。ある種の刺激的な香ばしいアクセント。コレが゜面白い試み。それ以外のそれそ゛れの組み合わせにさしづめ驚きはないが、美味いと思わせる構成力の豊かさには、さすがとうなるものがあった。

ここは至福の喜びをあたえてくれる極上の時間と空間とトキメキがある。ここには、希望と夢とが同化する奇跡ともいうべき時の鼓動が、ひとつの現実として、心からの感動に響いてくる。

それは、美しき時間が美しくときめく現代の奇跡といっても過言ではあるまい。
***再訪***
秋めいてきた9月某日、サンドバンクで、食前酒として柿のマティ-ニを堪能した後で、素敵なディナ-タイムを期待して、オペラ鑑賞のごとき感動へのときめきで、胸は希望に満ちていました。
入店すると、柔らかい心地いい接客で、席へ案内されました。

メニュ-は、コース料理のみで、2種類です。
それ以外にお任せのコ-スがあります。
それは来店2日前までに要予約で12600円だそうです。
5450円と9450円のコ-スのうち後者を選択しました。
隠れ家的心地いい雰囲気のなかで、落ち着いた空気感をあわせつつ優雅な気持ちで、期待感で夢は膨らんでいました。
まさに、オペラの開演前の心境でした。

***カボチャのヴル-テ(4.0)*** 
フォアグラのフランの上にコランキ-と呼ばれるカボチャのヴル-テ。
中にはその種が浮かんでいます。
古典的なヴル-テというよりもス-プに近い食感。
滑らかで、カボチャの甘味が、しっかり感じられる。
種はいいアクセント。ファオグラのフランはきめ細かくふっくらしていてすこし弱いが繊細な甘味旨味が、ヴル-テとうまく馴染んでいて美味でした。

***淡路*由良産鱧の炙りとコンソメのジュレ(4.0)***
炙った鱧にその卵とうににライムの皮と花つきのしそにジロ-ルだけ*トランペット*松茸でとったコンソメのジュレかけてあります。
香りは、ライムのさわやかな強い香りに花つきしそのデリケートな香りの2重奏。
絶妙な炙りの弾力のある鱧は噛む程に、力強い旨味に溢れる。
うにも臭みがなく程よい甘さで柔らかくとろける。
コンソメもフレッシュな軽い松茸の香りとあっさりしたコクのあるジュレが、それらの具材に違和感なく馴染んでいました。
夏と秋の季節の変わり目を感じさせる季節感感じさせる一皿は、静かに秋の訪れを感じさせました。

***フォアグラと黒枝豆*十穀米のリゾット(4.5)***
絶妙なキュイソンのファオグラにデリケートな香りの秋トリュフに丹波産の黒枝豆入りのリゾット 
全体をデリケートな秋トリュフの香りが、絹のごとく全体を香りで包み込みます。香りは秋の気配です。フォアグラは、外側はカリカリに焼かれ中身はトロトロです。噛む程に甘味旨味に溢れます。
かりっとした心地いい硬さのトリュフと黒枝豆のコクがいいアクセント。
リゾットは適度な硬さで食べ応えあり、フォアグラとの相性は絶妙で両者の旨味を増幅させます。
あまりにも美味いのでスイスイ食べてしまいました。

***オマ-ル海老のブランマンジェとそのコンソメ(4.5)***
ブランマンジェの上にオマ-ル海老とコリアンダ-にバジルの種入りのオマ-ル海老のコンソメを振り掛けます。
コリコリしたオマ-ル海老は、臭みもなくいい鮮度で、ブランマンジェの程よい硬さと美味くなし゜んでいました。
オマ-ル海老のコンソメは、コクがありながらも、洗練された味わいで、ブランマンジェといい調和みせていました。

***本日の鮮魚(4.0)***
本日の魚は徳島産ノドグロのポアレ ノドグロのうえには、新鮮なデュリ 
ソ-スは、2種類 イカスミのソ-スと貝のソ-ス 
付け合せは、レンコンのスアゲとガレット 
ノドグロのポアレは、皮はカリカリに焼かれ、身は柔らかくジュ-シ- 
イカスミのソ-スと貝のソ-スとの相性はまずまず。
レンコンのスアゲと、ガレットのできはいい。からっと揚げられいい感じ。
***本日の肉料理(4.0)***
肉料理は、シャラン鴨のロ-スト。
ソ-スは、バ-ミックスのセッブダケの泡ソ-スとパンジョ-ヌ 
付け合せは、セップダケとまこもだけにア-モンド 
鴨は70度の低温調理で焼かれ、最後の仕上げは、炭火で焼き目をつける。
鴨の皮には、ノワゼットとビスタチォをまぶしてある。
鴨の皮はかりかりに焼かれ、しかも香ばしい。
中身は、ロゼ色で、弾力があり、噛む程に滋味深い味わい。
軽いバ-ミックスのソ-スは、ほのかなセップ特有の甘さで、鴨の旨味を引き立てる。
パンジョ-ヌは、ドライシェリ-ににた味わいで、鴨の甘味を引きだした。
ア-モンドは香ばしい香りと食感が心地いい。
付け合せのセップダケは、特有の甘い香りに、うっとり。
食べるととてもジュ-シ-で、弾力あるが、心地いい柔らかさ。
噛めばかむほどに、程よい甘味に溢れる
。まこもだけは、みずみずしい旨味が美味。
複雑で緻密な味わいが、鴨を中心として、それそれ゛の旨味が有機的統一体となる様は、見事。

***サマ-トリュフをサンドしたプリ-ド*モ-(4.0)***
少しもちっとした食感にまろやかなチ-ズの風味に、サマ-トリュフの繊細な官能的な香りと見事に調和しておいしい。

***小さなデザート(4.5)***
パツションフル-ツの泡立てと幸水のシャ-ベットは美味すぎる。
酸味の利いたここちいいパッションフル-ツとカルダモンとしょうがのジュを加えた幸水のシャ-ベットは、いいマリア-ジュ。
幸水のシャ-ベットはざらつきがあるが、噛む程に濃縮した梨のさっぱりした甘味としょうがの酸味が、口のなかで蕩ける様は、見事。

***色々な葡萄とコト-*デュ*レイオンのジュレ(4.0)***
デザートは、3種類のなかから、このひと品を選択。
シャイン マスカット岡山*長野パ-プル*ビオ-ネ*べり-Aの4つの葡萄に、コト-*デュ*レイオンのジュレをかけたもの。
そのうえには、北海道子羊のジェラートに近いミルクアイスクリ-ム それぞれの葡萄の甘味と酸味とそれぞれの特色が、はっきり感じられる。ジュレとの相性も好印象。アイスクリ-ムもほど良い甘さで、葡萄の存在感を壊さない。

ワインは、ロマネ*サンヴィバン 85年 ルイ*ラト-ル社のヴォ-ヌロマネ村にある自社畑 

85年は、80年代を代表する偉大な年のひとつ。
抜栓するまで、不安はふたつ。

ひとつは、ルイ*ラトュ-ルのスタイルは、昔と異なりこの年代では長熟スタイルでないこと。
実際62年のコルトン*シャルルマ-ニ以外、感動した瓶にあうことは、少ない。
78 85 86 89年のル*モンラシェやコルトンシャルルマ-ニュで何回、失望したことか。
もうひとつの不安は、タンニンや酸に比べて果実味が強すぎるこの年のスタイルに対する不安であった。
しかし、抜栓してみて、ふたつの不安は、いい意味で裏切られた。
濃密で濃厚な果実味は、まだ健在だった。
完熟状態だった。
フルボディに、しっかりしたストラクチャ-。
芳醇な香りにビロ-ドの様な舌触りに、長い余韻。
柔らかい酸味に丸くなったタンニン。
ただ、この状態がいつまで、続くかは不安として残ったが。
どの料理ともそれなりに融合*調和したが、鴨のロ-ストとフオァグラ料理が、最高のマリア-ジュみせた。
熟れたラズベリ-の香りが、鴨を優しく包み込み、トリュフや腐葉土の香りが、フォアグラの料理に美味くあったからである。
前者では、鴨の旨味を官能的につつみ込み、後者では、フォアグラの甘味をより退廃な官能美に昇華させた。
まさに至福の時だった。

今年鑑賞したトリノ王立の椿姫や英国ロイヤルオペラのマノンのオペラに匹敵する感動した宵だった。
美しき夢は、まだ、終わらない。私の胸は、その美しさに震えていた。

***2011年3月***再訪
美しき夢は、終わらないのか。いまもまだ、ときめいているのか、
その思いを秘めながらの訪問となりました。いつものことながらのお迎えとなりました。
今年、初めての訪問ということで、ボランジェで、乾杯となりました。
椿姫の乾杯の歌のごとく華やかな幕開けとなりました。
いつものごとくムニュ*サヴ-ルのコ-スです。

***ス-プ*ガルピュ-ル(3.9)***
バスク地方の料理ですね。肌寒い季節だったので体が温まりました。優しい野菜の味わいで、ベ-コンの風味が強く感じられました。のど越しもよくおいしく戴きました。

***北海道産桜鱒のミキュイとクレ-ム*デュパリ(4.0)***
桜鱒を油と塩て゜マリネしたあと、ミキュイします。カリフラーのクリームムースの上にいくら セリフィユのうえに桜鱒のせます。ぱりぱりに焼いた皮のせてあります。やわらかいほのかにあまみの感じるますのあじわいにやや個性の強いム-スが、自然になじみます。いくらの塩けもいい感じ。皮も香ばしく焼かれいいアクセント
***リ-ドボ-とインカの目覚め プ-ルノワゼット(4.0)***は、ふっくらと焼かれたリ-ドボ-の甘みにほくほくした甘いインカのジャガイモといいマリア-ジュに絶妙な焦がしバタ-が、食欲をそそる。繊細なトリュフの香りがシルクのごとく全体を極め細やかに包み込む。おいしい。

***ぺリゴ-ル産フオァグラのポワレと牛蒡のス-プ(4.2)***
暖かい皿に八尾産の若牛蒡のブイヨンにフォアグラのポアレにぺリゴ-ル産トリュフ そのうえに、チ-ズで焼いたチュ-イ-ル
フォアグラは、外側はカリカリで中身は、とろとろ状態。
チュイ-ルを壊すと、チーズの香りとトリュフの香りが混ざり合ってなんともいえない香りにつつまれる。それらを牛蒡のコンソメにつけて食べると、なんともいえない複雑な味と香りが競合しあい、中心にあるフォアグラのうまみあまみを複合的に引き出す。あるときは、チ-ズの風味が。またあるときは、官能的なトリュフがその旨みを引き立てる。それらの旨みを、じっくりと牛蒡のコンソメの旨みが染み入るようにかんじる。なんとも美味。

***富山のマナガツオのポアレと桜海老のビスク(4.5)***
富山のマナガツオは、外側はカリカリに焼かれ、中身は、ふっくらしている。桜海老の磯の風味が、いい相性で、ときめくおいしさをます。。香川産のホワイトアスパラやグリ-ンアスパラとそのソ-スが、いい相性で、ジュシ-でありながらも、その甘みとかたさの強弱が、マナガツオの旨みといい組合わせ。バジルオイルもかろやかにあう。

***ピュルゴ-家のシャラン鴨胸肉のロティ(4.0)***
70度の低温調理で最後は、炭火で仕上げる。あっさりしたさっぱりした味わい。
かむと弾力ある旨みが感じられる。シャトル-ズとジュとえんどうのピュレ、それぞれが、鴨の旨みを引き立てる。とりわけ、えんどうのピュレが、いい相性みせた。
***ブリ-ドモとアンディ-ブのサラダ(4.5)***
アンディ-ブに自家製パン*ドライフルーツ*ナッツ*くるみ*松の実の上からプリ-ド-モ-に牛乳あわせて軽くフランしたソ-スで食べる。
アンディ-ブの苦味に ドライフルーツの甘み ナッツ類の塩気が上質な牛乳の風味のするソ-スが、さまざまなハーモニ-を奏でながら、口のなかで広がる旨みは、見事のひとこと。

**デコボンとア-モンドの軽い泡とカリンのソルベ(4.3)***
デコボンの皮のチュイ-ルとタピオカを上において、したには、愛媛のデコポンとオレンジ果肉と果汁とア-モンドをバ-ミックス。デコボンの甘みにオレンジの酸味にア-モンドの風味にコリコリしたタピオカが、いい感触。さくさくとしたチュイ-ルの苦味がいいアクセントがカリンのとろけるようなソルベが、さっぱりした味わいで、全体をまとめる

***クリームチ-ズのム-スと和歌山県産八朔(4.0)***
八朔の実と皮にシロップ漬けにヨ-グルトシャ-ベットにシュクルペティアンふりかけてある。クリームチ-ズのム-ス混ぜてある。
八朔の酸味と甘みに、ヨ-グルとのさわやかさとシャリ感がここちいい。クリームチ-ズのム-スのクリ-ミ-感が滑らかに蕩けていく。

胸ときめくというよりも成熟した大人の熟成時期にはいってきたとおもいます。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • バタ-は今までと異なりフランス産イズ二-へ変更となった。バタ-というよりミルクのような甘い味わい  

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10位

アピシウス (日比谷、有楽町、銀座 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2011/10訪問 2013/06/17

ザ*クラシック 正統派フレンチの殿堂

内田光子女史がシュ―ベルトの三大ソナタの演奏する当日のランチに、どこに行くべきか考慮していました。
久しぶりにアピシウスに行こうか。
アピシウスの伝統と正統派フレンチの魅力が、シュ―ベルトとの相関関係において感動する時間を創造するのでは、ないかの判断からでした。
1983年に故*森正一氏が、世界一のレストランを作るという理念のもと,有楽町にオ―プンしたのが、同店舗であります。
その美意識は、料理から居心地の良さ 空間 スタッフの質の高さまで高い水準で維持している。
ア―ルヌボ―調を基調をはじめとしシャガ-ル*ユトリロをはじめとする絵画で囲まれる店内は、さながら、美術館のなかにいる感覚に包まれる。
四年前改装され、一段と洗練された空間となっている。
何年ぶりであろうか。
そんな想いをはせながら、階段を下りていくと、昔のことが、色々思い出されます。
ロビション氏とアラン*シャペル氏のベキャスづくしの競演や、今はなき総料理長高橋徳男氏の思い出など、
一段一段が、私にとっては思い出の階段でした。
降りるとボ―イが、扉を開けてくれます。それも、昔のままです。
マネジャ―に案内され着席します。
ランチメニュ―は、週変わりで、前菜+メイン+デザ―ト+ドリンクの、5000円のコ―スとアラカルトがあります。
両者を組み合わせてオリジナルメニュ―を作ることもできます。
スモ―ルサイズの注文も料理によっては、可能です。
そういった柔軟な対応がうれしいところです。
このレストランは、世界から、最高の食材を集めてくる豊富なルートを持っているので、最高の食材が入ってきます。
国内に牧場や農園をもちスタッフが最高の食材を手塩をかけて作ります。
メニュ―を見ていると、オリ―ブの実が提供されます。酸味が利いていて、オリ―ブのほのかな甘味もかんじます。おいしいですね。
ここの有名なスペシャリテは、海亀のコンソメス―プですが、グランドメニュ―で一年中ありますが、3月―5月が、フレッシュの時期なので、今回は、見送りました。
懐かしい高橋シェフの味を堪能したい気持ちはありましたが。ひさしぷ゛りなので挨拶代わりとしてコ-スメニュ-にしました。
私は、パイ包みが好きなので、その味を食べたいという欲求が、決定させたのです。
それと、久しぶりということで、何か変化あるかもしれないという意識が、そうさせたのかもしれません。
***アミュ―ズ(4.5)***
アミュ―ズはきのこのフランとパプリカのム―スです。食べるととても滑らかで、パプリカの風味*旨みとキノコのフランが、違和感なく融合します、凝縮したその旨みが、口の中で、花が開花するように広がります。心地いい余韻がながく続きます。最初からうっとりとしてしまいました。おいしいランチになりそうだと、フト、そんな予感が、脳裏に浮かびました。

***プレス若鶏のパテ アン クル―ト(4.4)*** 
まさに古典的料理ですが、おいしいですね、なにか、ほっとします。文化は進化していきますが、こういった古典料理の美味しさも忘れてはならない存在価値があります。温故知新の意味をかみ締めてもらいたいと思いました。パイで包んだパテは面倒なのかあまり、お目にかかりませんが久しぶりに食べて懐かしい味に出会えた歓喜にたえませんでした。フレッシュでやわらかいブレス鶏の旨みに、フォアグラのム―スに、キノコの風味に、しっとりしたパイがなんともいえない旨みをひきだします。アクセントのア―モンドスライスがここちいい余韻を感じさせます。なんともいえない古典料理のうまさに伝統の重さを感じました。

***パイつづみ焼 ポワプラ―ドソ―ス(4.2)***
なんと言ってもパイがうまい。昔ながらのパイのうまさというのでしょうか、ぱさつかずしっとりした食感は、なんともいえません。中身はシャラン産鴨のもも肉のコンフィですが、なかなか美味でしたが、ゴブロ―氏が、フランスから、持参した、シャラン鴨のウマさにはおよびませんでしたが。ポワプ゛ラードとの組合わせは、定番の組合わせですが、ソ―スもしっかりした骨組みの感じられる存在感のあるソ―スで、パイとの相性も見事なものでした。芸術的なクラシックを十分堪能しました。こういったクラシック的なおいしさも現代においては、貴重な存在だとかんじます。クラシックがあるから現代フレンチがあり、現代フレンチあるからクラシックも重要だとおもいます。

***デザ―ト(4.3)*** 
デザ―トは食べ放題 ガト―からアイスクリーム*シャ―ベットまで、お好きなだけお食べくださいませ。
一番印象に残ったのは、紅玉のタルトタタン おばあちゃんのおあじですね。紅玉の甘さと酸味が食べるごとに口のなかでとろけながら深まっていく。伝統の味です。秋を感じますね。近代的でなく伝統のあじわいです。アイスクリームもおすすめです。とろけるように美味しい。それぞれ質のいい素材を使っているだけにその凝縮したウマさと甘味がなんともいえません。作りたての美味しさを味わってください。
***最後のコ―ヒ―も骨格があり味の深みは、男性的な魅力にあふれています。***

現代における希有な存在といっても過言ではない。

  • 看板
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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