kaoru7さんのマイ★ベストレストラン 2009

kaoru7のレストランガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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多くの料理人達と出会い、多くのときめき*感動を貰い生きる感動をもらつた。今年も生きてて良かった。いい料理に出会えたことに、心から感謝したい。食とは、人生であり人生とは食である。一年でも長く生きて、この感動の余韻に浸りたいと思うこの頃です。

マイ★ベストレストラン

1位

トゥールモンド (肥後橋、渡辺橋、中之島 / フレンチ、ビストロ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥2,000~¥2,999

2013/01訪問 2014/05/05

 ひとつの熟成期に入った文句なく大阪で最高に旨い店のひとつ。

文句なく最高に旨い店。10年に1度現れるか゜どうか。神がくれた奇跡を感謝したい。80年代のバンサンク*90年代のベキャスに匹敵する名店。高山氏の作る料理はいつも私の期待を裏切らない。これがフレンチかと思わせる独創性も魅力のひとつ。冬場に食べたトリュフ入りたまねぎの蒸し焼きキャラメ-ルソ―ス たまねぎの皮つきだがその皮すらうまいと感じさせるテク二ック 今回も大正解 まず素材の吟味が゛いい。どの素材もそのピ―クの状態を使う。どれも旨い。しかもこれだけ食べて10000円でお釣りがくる。 大きな岩がキにシャンパンソ―ス 複雑な味わいが一体となって口のなかで軽やかに消えていく。メロンと冬瓜のム―スも驚いた。バスク産サラミに静岡産メロンム―スのしっかりした甘味とあっさりした冬瓜の旨みが渾然一体となって絶妙なバランスで、口のなかでとろける。ラタトュに毛蟹 なんと繊細な毛蟹のおいしさがしっかりと主張してくるではないか。香草のム―スも邪魔にならない。ヌシマの鱧のたまねぎ詰めも好印象 愛知産うなぎのソテ-も火の入れ加減も絶妙で 付け合せの西洋わさびがいいアクセント。メインの鴨は青森産だがこれがル-アン産もびっくりの味。何とも心地よい弾力のある鴨 その鴨のダシでつくったバタ-系のソ―スとの素晴しいマリア-ジュ。至福のとき 時間よ とまれ。チ―ズも程よく熟成していて良かった。デザ-トの白桃のアイスリ―ム自然な旨み*甘味があり滑らかなのど越しとあいまって口のなかでとろけた。文句なく最高の白桃だった。ワインも、特にグラスワインは、コストパの高いものばかり集められており、料理を裏切らない。サ―ビスも丁寧で、料理の説明もできる限り専門用語を使わず、わかりやすい日本語で説明する。これも好印象。 *今年2度目の訪問* 今回も大正解、高山氏。凄い料理の連発で、またまた感動もらった。マダムも、復帰してきぱきサ-ビスしていた。定番のサングリアを飲んで待つと、ファグラのム-スのうえにりんごのム-スと炭酸いりりんごベ-スのジュレ黒胡椒風味がでてきた。付け合せは、食用花。濃厚なフオアグラのム-スは、古典的でしっかりした男性的なスタイル。しかし、くちどけは、甘く柔らかい。りんごのム-スやジュレ酸味と合いいいハ-モ二-奏でる。黒胡椒もいいアクセント。果実とフオアグラをあわせるのは特段新しいことではないが、味のバランス感覚に、シェフのセンスが要求される。フォアグラの甘味を殺さないりんごの酸味が、好印象。ここで、ルロワ69年ムルソ-シャルムがサ-ブされる。程よい果実味と柔らかい酸味が、完成された料理のあじを、殺さず、より複雑な味へと昇華させる。熟成したシャルムのア-モンド香*蜂蜜がいい香りとなり、料理の味を香りで、包み込む。シャルムでよかった。ペリエ-ルなら、すこし酸が強すぎたかもしれない。秋刀魚の料理。生のさんまの皮を、すこしあぶっただけで、ほとんどレアの状態で食べる。これが、また鮮度のいい秋刀魚で、それだけでうまい。トマトのソ-スとセルバチコのソ-ス さんまの下に、クスクスとバスク産のサラミ 付け合せは秋刀魚のキモでつくったム-ス。それぞれに、秋刀魚の味の変化を楽しめた。完成度の高い逸品。日本人シェフならではの、発想ではないとうまれまい。ギネスビ-ルのジュレは、ビ-ルの苦味がいい。フランス産のクリのム-スのデリケ-トで繊細な甘味にあう。丹波産では甘すぎる。大麦のポップコ-ンもいいアクセント。ここでも、シャルムがやってくれました。シャルムの控えめな果実味とクリの風味とよくあう。絶品。 12種類のきのこ*ココット風 は、ふたつきのままサ-ブされ、客の目の前でサ-ブされる。開けた瞬間、キノコの色々な香りがにおい立ち、ひとつのシンフォニ-を奏でた。森の中を散歩する感覚*ベ-ト-ベンの交響曲6番*田園が聴こえる。マエストロは、カルロス*クライバ-だ。私は、ここで、確かに、クライバ゜-の奏でる音を聞いた。ジロ-ル*しいたけ*エリンギ*マッシュル-ムなど12種のきのこに、ぎんなん*リ-ド-ボゥと落花生の刻んだものが混ぜてあり、キノコ類のダシとコンソメのだしだけで、煮込んであるシンプルな料理だが、これも、絶品。10年以上前、ロ-ズル-ムの横田シェフに、今回と似たスタイルで、6種類のきのことベキャスをココット風にして、食したが、あのときの味に、匹敵するあじ。あのときは、ベキャスに合わせて50年のシャト-ペトリュゥスを飲んで、大正解だったが、今回は、ジビエがない分、69年のシャルムでよかった。柔らかい酸味と果実味が、いい相性みせる。松茸のラビオリ*手長えびいりは、なかにあるぷりぷりとした手長えびの食感は、良かったが、松茸の香りが貧弱なのが難点。ソ-スは、さつまいものピュ-レとアメリケ-ヌソ-ス。悪くない組み合わせ。メインの山鳩のロ-ストも良かった。レバ-のム-スを山鳩に縫ってあり、全体柑橘類をベ-スにしたソ-ス。アンデイブ*オレンジの皮*黒キャベツが鳩のしたにある。野生的な味わい。火加減も絶妙で、弾力ある肉質を堪能した。オレンジの酸味も柔らかくいい具合に、旨みを倍加させた。柑橘系類の酸味がシャルムと幸相性 幸せな気分 アンデ-ブも変な苦味もなく、黒キャベツも幸相性。デザ-トは、カルダモンのアイスに、イチジク*チョコレ-トのムース、ア-モンドのチュイル。まとまりのあるおいしいデザ-ト。今夜も生きてて良かった。次回は、どんな感動もらえるか。期待しながら、帰途についた *今年最後 の訪問* 今年最後という訳で、それにふさわしい内容のワイン を飲むことにした。1949 年ルロワのミュジ二-である。マダム*ルロワが事業 に直接 参加 するのは、 1955年 から だが、この年 は、間接 的 に関わっていた 実に 微妙な時期 なのだ。 49年 は、40年代 最後をしめるふさわしい偉大 な年 のひとつ。この年代で、 ルロワ のミュウジニ-  に対抗できるミュウジ二-は、 ド * ヴォギ エ のそれしかない。後は、保管状態如何 。酸化しては、宝の持ち腐れだ。ブュルゴ- ヌ ワイン で、長期 保存 可能なのは、ルロワ その他 一部の生産者のみである。後は、料理とのマリア-ジュがどうかである。高山氏自身かなり緊張すると話しておられた *49年のルロワのミュウジ二-* に対して緊張しない料理人がいるだろうか。さて、抜詮である。60年の月日を経て、生命体として生き抜いてきたか、緊張が走る。抜詮された途端、見事なまでの熟成香が拡がった。ミュウジ二-は、香水の如く香り高いのが特色のひとつで、これがボンヌ*マ-ルと異なるところである。まず香り酔いしれる。これだけで、十分であった。ひとくち飲むと、ビロ-ドの舌触りに、控えめな果実味とそれを支える優しい酸味*タンニンは丸くなり優雅に溶け込んでいる。フルボディ 1分を超える余韻。雑味がないと高山氏。良くわかっている。見事に雑味がなく総てが一体として溶け込んでいる。内に秘めた力強さが感じられる。美しきビ-ナスの造形美として現れる、見事なまでのテロワ-ルの反映。ピ-クの高原状態。保管が良好ならまだもつ。素晴しいの一言につきる。さあ、料理とのマリア-ジュだ。緊張する高山氏に、大丈夫だよ、ルロワが総てを包みこむから、自然体で立ち向かえばいいとアドバイス。一品目は、 *コ-ヒ-カップの底に森バトとフォアグラのム-ス* そのうえに林檎のチャッネ*高山氏が奈良で見つけた和紅茶のエスプ-マ*その葉っぱがかけてある。血の滴るような鳩の風味と濃厚なファァグラがなめらかなム-スとなり、林檎のチャッネとあう。果物とファアグラがあうのは、あたりまえだが、鳩の血の風味を感じさせながら美味くまとめるところが、大切。血の風味がですぎてもだめだし、なくてもだめだ。絶妙なバランス感覚が要求される。まさに絶妙だった。和紅茶のエスプ-マも繊細な日本の美感じられる。濃厚さと繊細が絶妙なバランスをもって両立する。アクセントの和紅茶の葉もいい。逸品。大胆かつ繊細さが、今日のミゥジ二-のスタイルに合う。2品目が、 カクテルグラスに、コンソメのジュレ*車えび*ブロッコり-のム-スにとんぶりとマ-マレ-ド 悪くないがまずまずの組み合わせ。3品目は、 淡路産玉葱のロ-ストトリュフ添え 玉葱の中には、トリュフ煮詰めてペ-スト状にしてキャラメルを混ぜたもの。玉葱は,3時間掛けて焼いたもの。去年出されたものの進化系。去年もらった同じ感動もらった。トリュフの官能的な香りに妖艶なミュウジ二-の香りにあう。玉葱の甘味とワインの果実味が心地いい。4品目 豚べ-スのス-プにかぶら*牡蠣*白菜煮たもの 上に河豚の白子のロ-スト*海老風味のバタ-の塊のせてある。ココット風にして供され、熱いうちに、バタ-を溶かしながら食べる。かぶらの旨みと牡蠣の味わい。とろける河豚の白子。白菜の旨みがもっとあったら、絶品。5品目。 霜降りの的鯛をさっとあぶっもの 上のチュルレは、的鯛のキモでつくったもの。的鯛の下には、トランペットと、パルメザンいりリゾット ソ-スは2つ。鶏ベ-スのあわ立てとイカ墨のソ-ス。これは、絶品。的鯛への絶妙な火入れとチ-ズの風味トランペットもいい食感 チュルレがなんともいえない味わいをだした。ソ-スの相性もいい。6品目 北海道産蝦夷鹿のロ-スト  鹿の上には、黒胡椒 ソ-スは鹿べ-スにした赤ワインソ-ス 皿には、カカオパウダ-付け合せは、フランス産の栗のピュ-レ添え ロゼ色に焼き上げられた蝦夷鹿がいい野生味をだしていた。カカオパウダ-がいい新発見。 デザ-トの冬柿のコンチュ-ルと柿のタルト タルトには、杏のシロップ。柿の旨みを堪能した。ワインと好相性。ルロワと互角に渡り合った印象強い。

2011年に入って明らかにディナ-タイムにおける高山氏の作る料理のスタイルは変化しつつある。ネオクラシックのスタイルから洗練された現代フレンチの要素を巧みに入れたスタイルへの変革である。それはある意味新しい世界の広がりへ。新しい熟成への到達点へと至る道程である。この年から今年に至るまでその過程には紆余曲折あったが、やはり総合的に考慮するとき、その新しい地平線への挑戦に間違っていないと感じる。その芸術がわずか9500円で感じられる感動に感謝するしかない。ある意味、同時代を生きたことを心から感謝するひとりである。とりわけミキュイにこだわり始めた彼は、キュイソンに関しては素晴らしいというしかない。しかも、機械を使用せずに、自分の感性の中で処理するところに天性のセンスのよさを感じる。今回、とりわけ驚いたのは雷鳥のロ-ストである。変化球的面白さを感じた次第である。通常熟成させると見事な熟成香が現れるのだが、彼の場合、それを現代的に解釈しようとする。すなわち熟成させながら熟成香を感じさせない。つまり肉に対する旨味成分だけを凝縮した味わいを提供することで、ジピエの現代的解釈を提供しようととする。雷鳥の胸肉と腿肉と内臓のフォルスをキャベツで巻いているのだが、味わうごとに実に雷鳥のうまみが口の中に洗練された味わいとして口の中に広がりクリア-な味わいとして消えてゆく。実に洗練された味わいだ。サルミソースも現代的に軽く仕上げてあり、古典的ではない。実に軽いが深みのある味わいである。その相関関係が新しい新時代のあり方をしめす。その意味で新しい転換期となった年だと感じたのは私だけだろうか。

2012年、今年もまた、高山チ―ムの快進撃は、止まらない。わずか9500円で得られる感動とは、素晴らしいの一言である。進化し続ける現実は、無限の宇宙からのメッセ―ジであろうか。この日は、長年の友であり、世界的な料理ジャ―ナリストになりつつある彼との,さしでの飲み会。楽しい、なんとも溜まらない時間が過ぎてゆく。今年を締めるのに、相応しい内容となった。どの料理も素晴らしく完成度の高い、しかもコスパの優れた料理ばかりである。しかも、ワインとのマリア―ジュにおいて、見事なまでに、融和する。キュイソンもいつもながら素晴らしくなんともいえない素敵な時間を共有できた。この年を締めるにふさわしい内容だった。

参考までに、1955年のマジ*シャンペルタン ルロワについて。確固たる男性的でありながら、しなやかな力強さも併せ持つ。みごとな熟成香が溜まらない。しっかりしたストラクチャ―。フルボディ。長いシルクの如き余韻がたまらなく、セクシ―の一言。まさに、マリリン*モンロ―的世界感。あるいは、クリムトの退廃的世界感。なぜ、この素晴らしさが、分からないのか。不思議でたまらない。

2013年 初頭。それは、月夜の美しい晩でした。この日、奇跡が起きたのです。私の長年の友人のひとりが、来阪することになり、私としては、出来るだけの誠意もって対応しようと考えました。シニアソムリエ資格保有者であり、長年にわたり某世界ソムリエ協会会長と昵懇の方だけに、それなりのワインで、おもてなししなくては、なりません。そこで、考えたのがまず、料理はここ。それにあわせ、驚かすワインの選定として、1934年 ロマネ コンティでありました。御承知のとおり、この時代、フィラキセラの影響により、ヨ-ロッパの葡萄畑は、壊滅的な被害を受けその免疫性をもつアメリカ産の苗木に順次植えかられていた過度期であります。ただ、ロマネ コンティに関してはそのまま昔ながらの葡萄で育てられました。それゆえ収穫量は、激減してしまいます。その時期に収穫された葡萄で瓶詰めされた奇跡の一本。プレフィレキィセラによるワインを堪能することが、最大限のおもてなしと考えました。しかし、ワインは生命体であり、実際抜栓しなければ、わかりません。開けるまで実に緊張しました。コルクも実のところボロボロの状態で、テ-ステイングするまで、緊張しました。樹皮のような香りに、なめし革の香り。アジアンスパイス。トリュフ 腐葉土 バニラそして後から熟れたプラムのような香り。チェリ― イチゴといった果実系の香りが後から続きます。テ―スティングすると、実に柔らかいシルクのごとき舌触りで、しかも、一切の雑味のない優しい味わいでした。戦後のロマネ コンティとは、明らかに一線を画す味わいでありました。酸味もタンニンもすべてチャ―ミングで凝縮した果実味のなかに溶け込みただ、ひたすら優しい味わいとして、しみじみとほのぼのと飲み手に、訴えかけてくる。繊細でデリケ-トな味わいだけに、その語りかける味わいは、全体を包み込むような実に優しい味わいでありました。長くてチャ―ミングな余韻も印象的であります。あらゆる現象をすべて吸い込み、自然体としてのあるべき姿を呈示する。まさに奇跡の瞬間を体験できたことになんともいえない宵となりました。偉大なワインの語りべとなった一夜でありました。

  • アラン*デュカス氏のメッセージカード
  • (説明なし)
  • 厨房前にある*テ-ブル席

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2位

ナチュラル ガーデン (中之島、新福島、福島 / フレンチ、カフェ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2009/07訪問 2010/01/12

成熟しつつある豊田シェフの懐の深い伝統を受け継ぐ堂々たるレストラン

ナチュレ*ガ-デンの前身*ガ-デン時代から20年以上お世話になっている。レストラン*ガ-デンは、故松本シェフが全身全霊を込めて作り上げた名レストランである。シェフとの思い出は、思い出せないくらいある。ブレス産*AOC*シャボンの1匹丸ごとロ-スト*シャボンの内側に丹波産の栗とファグラと内臓のム-スを詰め込みシャボンを油とジュだけで時間をかけて丹念に焼き上げる。古典的な手法であるが、肉本来の旨みを引き出すテク二ックが要求される。シャボンの芳醇な旨みが引き出され、やわらかいがしっかりした肉質が食べ応えのある味わいとなって食感に残る。栗と内臓のム-スがいいアシスタントとなってそのおいしさを引き立てた。その際飲んだ1976年のDRCのモンラシェとのマリア-ジュがいまだに忘れられない。黄金のマリア-ジュ。退廃的な果実味が違和感なくシャボンと一体となって口の中でとろけた。また、べキャスのロティ*赤ワインソ-スも想い出のひとつ。野性味のある味わいのべキャスに赤ワインのソ-スが、その旨みを増幅させた。その際飲んだ1949年のシュブラル*ブランの成熟した芳醇な個性がべキャスの味を殺さずに渾然となって調和した。その伝統を受け継ぐナチュレ*ガ-デンである。いい意味でも悪い意味でも、豊田氏には大いなる期待とプレッシャ-があったはずだ。今回、久しぶりに、食してみて彼なりにそのことが、うまく自分の中で消化し新しい地平線を目指して、成長していることが感じられ安堵した。7000円でお任せでお願いしたら快く快諾された。このへんが老舗のロイヤルならではである。客の要求に柔軟に対応する。ここでも、好評価。アミュ-ズ*前菜*魚料理*肉料理*デザ-ト*飲み物つきで7000円は安い。今回は、ワインの抜栓料4000円払い*愛用のルロワ83年シャルム*シャンペルタンを飲むことにした。当然、シェフには、前もってそのワインに合わせた料理とお願いしておいた。83年は腐廃病の発生した年であるとともに88年と同じくタニックな年であるため果実味*酸とのバランスがとれるかどうかが試飲の際重要なポイントとなる。どんな料理を作り出すか。ワインは、2つの課題を見事にクリア-。カビくさくもなく熟成香にバラ*さくらんぼの香りなど複雑な香りに芳醇な果実味も感じられ柔らかい酸とまろやかなタンニン*フルボディ*しっかりしたストラクチャ-*しなやか力強さも感じられる。このへんがシャルムらしい。余韻も長い。間違いなく偉大なワイン。さて料理。うにのヴォ-ルテはアミュ-ズとしては重すぎた。前菜のサ-モンの上には、ますの卵とモラレッアチ-ズのム-ス*香草ソ-スはデリ-ケ-トな味わいで悪くない組み合わせ。ただ、シャルムと見事な相性みせたのは、バスク産の豚。絶妙な焼き加減で豚の旨みを限界まで引き出していた。ジュシ-な豚の甘味に、重過ぎない赤ワインソ-スが更にその旨みを増した。付け合せの万願寺のおおぶりなししとうの甘味もいいアシスタント。シャルムのしなやかさが、それに見事にこたえ、充実した恐るべき調和をみせた。絶品。重厚なシャンペルタンではワインが重すぎたかもしれない。韓国産の鱧もぷりとした歯ごたえに下仁田ねぎソ-スの甘味が食欲をそそる。ぬしま産ではなく韓国産の鱧がこんなに美味とは驚いた。ただ、もっとも驚いたのは、デザ-ト。ブランマンジェの絶妙な柔らかさにア-ルグレ-ス-プの風味にこたえるレンズ豆の旨みとくわいのシャリ感だ。見事な出来ばえだ。今後、更なる成長を予感させる手ごたえを感じた。天国の松本シェフも喜んでいることだろう。大いに満足した一夜だった。

  • 1983年 シャルム シャンペルタン ルロワ
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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3位

レストラン シャンボール (中之島、新福島、福島 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2014/04訪問 2014/08/20

再訪 老舗ロイヤルホテルの威信をかけたグランメゾン

***2014年***
2014年4月よりシャンポ-ルは、ディナ-タイムにおいて、両巨頭のスタイルのフレンチが食べれるようになった。フレンチファンにとっては嬉しい限りであります。すなわち、太田総料理長と豊田料理長の二人の作り出すロイヤルの至宝というべきフレンチを同時期に進行的に味わえるという魅力的な企画であります。同じ松本シェフの門下でありながらも、フレンチに対するアプロ-チは、共通する側面を共有しながらも。異なる側面もあるようだ。ネオクラシックという概念の捉え方にしても、現代フレンチ的視点ないし思考から、捉える立場と近代フレンチ的視点から、現代的に解釈ないし解析する立場のようだ。食べ手からすると、料理の楽しみの幅が広がるという意味ではいい時代を共有できる楽しみがあります。その意味で言うと、今ほどシャンポ-ルが充実している時期はないといえるかもしれません。

***再訪 2013年10月***
米津*三浦*太田シェフの時代から豊田シェフの時代へ。
新たなる視点からのネオクラシックへのアプロ-チ。
シャンポ-ルというグランメゾンは、いつの時代もあるいは、時代を超えてネオクラシックというスタイルに,首尾一貫している。
但し料理長が、交代することで、それに対するアプロ-チなり視点が異なるのは、それぞれの料理長の哲学の反映の結果なのであります。
今回、料理長が新たに豊田シェフに交代したことで、シェフのスタイルをデッサン的に参考までに記載しておくことが、参考になると思い、字数制限の関係から、素描にならざるおえないことを御了承願いたい。
まず、シェフの料理哲学を形成する上で大きく影響を与えたシェフとして、大切な偉大なる二人のシェフがいるとおもいます。
ひとりは、引退したジェラ-ル ポワイエ氏 もうひとりは、故松本 弥成氏のふたりであります。
両者とも、モダンクラシックの巨匠であります。
両者'ともに、最高級の素材の吟味にこだわり、その素材のもつポテンシャルを最大限に引き出す手法にこだわった。
その考え方が、シェフの料理を形成する基盤であります。
したがってシェフのスタイルはあくまでも、モダンクラシックのスタンスから、現代的な要素を加味しながら料理を提供するスタイルが、基本的なスタイルであります。
その意味では、伝統を大事にしながら、時代に合わせて、現代的な手法も取り入れて行くスタイル。
まさに、王道のフレンチのスタイルといえるでしょう。
ただそこにあえて加える要素としては、高級フレンチらしからぬ素材との融合。
松本シェフはとりわけ、普通フレンチでは使用しない日本の食材との融合も試みた経緯と同じ感覚がシェフにもあるようだ。
食べ手をあっと驚かす仕掛け工夫が、さりげなく装置されている。
一種の遊び心みたいだ。
そういった感覚が、グランメゾンにおける料理の一種の緊張感みたいなものを和らげる効果を狙っているのかもしれない。
ある種の関西的なミヤビともいうべき遊びの文化が、ここにも、密かに反映しているのかもしれない。
そんな遊び心を探すのも、フレンチの楽しみ方の一つかもしれない。
グランメゾンという枠内でありながらも、可能な限りコスパの優れた料理を提供するスタイルは、今だ、普遍であります。
その意味でも、やはり、関西を代表するグラン*メゾンだといえよう。
また、それにあわせたワインとのマリア-ジュにおいても、マスターソムリエの的確な判断やウィットに富んだ接客や日本の感性に基ずく心の琴線に触れるサ-ビスは、いぶし銀の如く伝統に彩られた色あせないものであります。
それは、日本の文化であり、大阪の美意識でもあるように感じられます。
国際化になっても、失ってはならない伝統文化のひとつといえるのでは、ないでしょうか。
日本の常識を世界の常識にしていくことが、大切だとおもいます。
それが、日本の美意識ないし誇りとしての存在意義だとおもいます。
なお、シェフのコ―スの組み立て方は、奇を狙うことなく実にオ-ソドックスな正統派的構成力であります。
前菜2皿にス-プを挟んで魚*お肉料理へ至るまさに至福スタイルであります。
最後に甘すぎないデザ-トで〆るところは、まさに現代的なスタンスに対する配慮というべきものでしょう。
簡単に料理に対する印象綴りましょう。

***タスマニアサ-モンの瞬間スモ-ク 胡瓜のヨ-グルト添え 人参のク-リ***

絵画的に美しい配置に色彩感。見た目の美しさとともに、立体的な存在感を感じさせる配置の構図。まず、目で楽しませてくれます。鮮度のいい生のタスマニアサ-モンに煙製香をつける。強すぎると酸味*苦味がきわだち、弱いと生臭く感じる。その辺が、テクニックのみせどころであります。モダンスパニシュみたいに、素材に、軽やかに香りを移すための煙製香の活用の仕方とは異なります。このへんは、まさに正統派フレンチらしいアプロ-チであります。その上にはヨ-グルトと胡瓜を合えたもの。さらには、見栄えを浴するための効果と、爽やかな印象的な使い方として、スプラウトがのせてあります。人参のク-リに、ルッコラのゼリ-そのうえには、キャビアが載っています。塩分ほとんど控えめで、素材だけの味付けで、組み合わせてあります。臭みのない、弾力の感じられるすっきりしたあじわいのサ-モンに、胡瓜の混ざったヨ-グルトの軽い酸味に、スプラウトの苦味のコントラストに、、ルッコラや人参のク-リの味わいが絡んでゆきます。

***オレンジ風味の飴を纏ったマンゴと鴨フォアグラのソテーアンディ-ブプレゼ添え***

豊田シェフのスペシャリテのひとつ。フレッシュのフォアグラを焼きマンゴをのせてオレンジの飴でコ―ティング。パイナップルのクリスティアン。フォンドボ-のソース。フォアグラの濃厚な香り。蕩けるフォアグラの食感と、カリカリの固さの飴を纏った果実味に溢れるマンゴーの触感の対比の妙。オレンジの柑橘類系の酸味*アンディ-ブの苦味*複合的に重層的に絡み合うねっとりするマンゴ-の果実の芳醇な甘味に、フォアグラの官能的な陶酔するような甘味が奏でる豊潤で豊満な響あうひととき。五感を刺激する味覚と香りの融合。

***マッシュル-ムのポタージュ カプチ-ノ仕立て ブルサンアイユチーズのクリーム添え***

ポタ-ジュそのものは、やや塩分が強く濃厚な味わいであるが、ブルサンアイユチーズのクリーム挟んだ生のマッシュル-ムをス-プにつけて食べると塩分バランスがとれ、口どけは軽く後口には、デリケ-トな余韻がここちいい。ふわっと広がるマッシュル-ムの旨み。コクのあるチ-ズが、いい調和感を持って融合し、昇華する。素敵なアンサンブルの結晶。

***モンサンミッシェル産ム-ル貝と帆立貝のマリ二エ-ル***

ポワレした分厚い帆立の上には、セロリの葉。これが、爽やかに華やかで香ばしい香り。分厚い帆立は、完熟した甘味*旨みに満ち食べ応え十分。ソ-スとの相性も悪くない。ただ、モンサンミッシェルのムール貝がいまひとつ。今年7月に食べたユニッソン デ クールのそれは。まさに、ドビッシ-の喜びの島の旋律線のごとく、旨みに満ち最高の味わいだった。まさに死せる貝が、もう一度、華やかに生を得て舞い踊るようだった。まるで、ヴィオレッタの最後の命の輝きのごとく美しさに満ちていた。

***シャロレ-産仔牛ロティ茸とカリフラワ-のテり-ヌ添え リブザルトワインとヴァニラ香る甲殻類のソ-ス***

程よい熟成感の感じられる仔牛は、食べると弾力あり、赤身のあっさりした肉質のまずまずのあじわい。面白いとおもったのは、シャンポ-ルでは、こういった甲殻類のソ-スを肉類にあわせて食べるのはやや記憶にない。ややアンバランス的な感覚もするが、面白い試み。ただ、もうひとねりあると、もっとよくなるかもしれない。

***デザ-ト***

モンブランと洋ナシのソルベの組合わせ。モンブランにその粉末添えてある。構造は、クッキ-生地に生クリーム*刻み栗に、マロンクリームで包んでいる。甘さ控えめで、素材そのものの味覚をひきだしている。甘すぎないモンブラン。洋ナシのソルベのざっくり感とともに、ここでも、甘さ控えめの妙。

***お菓子***

最後の余韻を楽しむ可愛いお菓子達。ここでも、手抜かりはない。

***再訪(2011年11月)***

ランチタイムは、グランメゾンの息吹をすこしでも感じていただこうというスタイルに変貌してきているようだ。
それもひとつの時代の流れであろうか。それもそれなりの価値があるとおもえる。
私はそれを否定するものではない。
しかし本当の伝統のグラン*メゾンとはなにかは、やはりディナ―タイムにあるのだろう。

それといつもながらありがたいと感じるのはガストロノミックフェアを開催してくれることである。
フランスの息吹をすこしでもこの日本で味わって頂きたいというスタイルはありがたいことだと感謝している。
今回は、フランス*ミシュラン二つ星のフィリップ*ゴブロー氏が来日するということで訪問しました。
南仏のジャック*マキシアンを尊敬し、自分の料理を太陽がサンザンと輝く南の料理と語る。その料理のうち印象に残った料理を記載しよう。
***アサリのファルシ マリニエール風トマトコンフィ添え***
あさりの磯の味わいと弾力ある味わいにトマトコンフィの酸味の二重奏がここちいい。南仏を感じる温かさがなんとともいえない。
***ヒメジのポワレ 柔らかな酸味の野菜 ヴェルヴェーヌの香り***
柔らかくジュシ―なヒメジにやや酸味の感じる軽いあじわい。ヴェルヴェーヌの香りが心地いい。

***ブルタ-ニュオマ-ル海老 蟹 青梗菜 ライム風味ココナッツのブイヨンとともに***
ブルタ―ニュ特有のヴァニラのような濃厚な甘味のオマール海老のうまみに繊細な蟹の風味 ここちいい青梗菜の旨みに酸味の利いたライムにやや甘味を利かせたココナッツが美味く交じり合い弾力のあるオマ-ル海老の旨みをひきだす。純粋に美味い。

***エトフェしたシャラン鴨 ゴブロ―スタイル***
とろけるような柔らかいシャラン鴨の旨みになんともいえない美味しさ ワインベ―スのソースがその旨みをます。ゴブロー氏が特別に契約している農家から今回特別に輸入されたもの。特上とも言うべき味わい。かみ締めるごとに滋味の味わいに感涙。なかなかコレを上回るシャラン鴨はであえない。

***苺風味のフレンチト―ストとバニラ風味のリ*オ*レ赤いフルーツシャ―ベット***
苺のあまづっぱい酸味がここちいい。薄地のフレンチと―ストとの相性もいい。滑らかなラズベリー中心としたフルーツシャ―ベットといいマリア―ジュ バニラ系のム―スもほどよい甘さで苺の甘ズッパサをさわやかにさせる。

参考までにワインは1971年ミゥジニ―VV 作り手はヴォギェ バッセンしたとたん花びらのような芳しき花の香りに包まれる。シルクのような舌触りに豊満な果実味に力強いアルコ―ル綺麗な酸味に長い余韻。美しきビ―ナスのごとく女性像が現れる。シャラン鴨と見事なマリア―ジュ。天国を歩いているような時間だった。至福のマリア―ジュ

***再訪(2011年12月)***
今日はフランス産メスの雉を食べにきました。フェサンタ―ジュの語源はここからきました。〆てすぐは、身が硬いく旨みも少ないため数日熟成させます。脂を落としながらじっくりアロゼしながらじっくり火入れします。肉の繊維がしっかりしており弾力があります。白身で脂がよくのりながら淡白な味わいです。食べるごとにジュシ―さが感じます。部位は胸肉です。ソ―スはサルミですが軽やかな味わい感じます。雉の旨みをひきたてます。実にうまい。

後先になりましたが、***ふぐの白子とトリュフのポテト包み焼 エシャロット風味のバルサミコソ―ス***は絶品でしょう。とろけるような下関のトラフグの白子にスライスポテトのポテトチップみたいなかりっとした塩けにトリュフの香りが見事に融合します。それにバルサミコの酸味が交わリ絶品の一言でしょう。エシャロットの軽やかな香りもここちいい。

***マロンが入った雉の田舎風ス―プ***も身体が温まります。雉のス―プにマロンに雉のすり身が美味く溶け合いおいしいですね。滑らかな舌触りに優しい味わい。心が和みます。

参考までにワインは1937年 リッシュブ―ル DRC 。バッセンしたとき香りはややかれつつありましたが、滑らかなビロ―ドのような舌触りにとろける退廃的な果実味に優しい酸味丸くなったタンニン まるでキャンディをなめているような感覚 素晴らしいフィネス 長いシルクのような余韻。ヴォ―ヌロマネのエッセンスを詰め込んだ味わい。信じがたい存在感。これこそ神の雫のあじわい。雉とのマリア―ジュは奇跡とも言うべき時間をかもしだした。ブラボ―と何度叫んだことか。それはまるで奇跡のような時間だった。
              *****************************************

シャンポ-ルにかよって、20年以上になる。
こうなると、お互いの恋愛関係も、夫婦関係に近いものになる。
話さなくとも、ツ-といえば、カ-のなかである。
恋愛関係が終了しないのは、この店の居心地の良さにある。
その最大の理由は、この店のサ-ビスにある。長年培われた老舗ならではのサ-ビスが、私を捉えている。
料理のスタイルは、ネオクラシックスタイルで、一貫しているのだが、料理長が変わるたびに、微妙にかわるので、その点が難点といえば、難点である。

この日は、ソムリエの誕生年の83年飲みたいということで、ブロ-ドベンド大先生、大絶賛のこの年の シャト-マルゴ- を飲むことにした。83年は、腐敗病の発生した年で、葡萄の選別がうまくいった生産者だけ、偉大なワインを作った。マルゴ-もそのひとり。あと、タニックな年なので、果実味*酸味のバランスがとれるかどうか微妙な年である。開けた瞬間、熟成香が前面にでてきており、熟成のピ-クであることがわかる。すみれの花*動物臭*腐葉土*コ-ヒ-*なめし皮など複雑な香りに濃厚な果実味。

舌触りは、まさに、ビロ-ド。酸もやわらかく、タンニンも丸くまさに、飲み頃。ストラクチャ-もしっかりしている。余韻も長い。
横に居たシニア*ソムリエも、喜んだ。これこそ、まさに、ボルド-女王の真の姿であり、マルゴ-スタイル。
保管さえ、よければ、あと10年は、もつだろう。 
*フアァグラのソテ-* は、鮮度も、よく、火入れもいい。甘めのソ-スも、フアァグラのもつ濃厚なあまみの邪魔にならないほど繊細な味。マルゴ-の濃厚な果実味が、これとあう。食が進む。 

*ヌシマのハモ* も鮮度がよく、しっかりした歯ごたえがあり、*サフランス-プ*も軽くしあげられており、古典的スタイルであるが、妙に心に残る。 
*子羊のロ-スト* もロゼ色に焼かれ、食感も弾力があり、実に、うまい。
ワインともあい、食が進む。
デザ-トは、 *しょうがといちじくのアイスクリ-ム* に、ア-モンドのチュルレ。やわらかい食感のアイスクリ-ムいちじくのうまみ、しょうがのアクセントがよく、チュルレの食感も好印象。          

ココに来ると、いつも、話が長くなる。  ワインの話から、話題のレストラン、食の話まで、話題がつきない。
つぎからつぎまで、話が盛り上がり、愉快な時間がすぎる。
いつのまにか、レストランは、私の貸切状態になり、まだまだ、話が続く。 
スタッフ一同が 私を囲んで話し込む。話が終わったときは、12:00時回っていた。
もう、終電もない時間だ。それでも、スタッフ*ソムリエはつきあってくれる。こんなうれしいことはない。みんなで、エスカレタ-のところまで、見送ってくれる。外で建物をみあげれば、まだ、シャンポ-ルにあかりが。本当に、こんなうれしいことは、ない。

* 再訪 *  
12月の楽しみと言えば、3つあった。
ひとつは、スギノ氏のつくるスペシャルのクリスマスケ-キ 
*マエストロ朝比奈の第9* ムツシュ米津の極上ロ-スト-ビ-フ であった。
これらを味わえることが人生の喜びであり感動であった。
しかし、今人生の喜びをあたえてくれるのはムッシュだけになった。

*マエストロ朝日奈*ヴァントが死去して、クラシック界では、ブルックナ-は、死んだ。確かに、今年聴いたプロムシュテットの *ブルの8番* は名演だった。しかし両巨頭の至った世界には、いまひとつ及ばない。名匠スクロバフチェスキ-がいるではないか、いわれる方もいるだろうが、名匠Sの生のブル は、実のところ今ひとつである。CDで聴く方がいい。

しかし、フランス料理界では、両巨匠のごとき 伝説の巨匠 がいる。米津春日氏そのひとである。ムッシュの作り出すフランス料理は、 ブルの7*8番 のごとき荘厳にして重厚である。頑なに、伝統的フランス料理の造形にこだわる。その姿は、今はなき両巨匠に共通するものがある。生前巨匠朝比奈は、スコアから聞こえる音だけを具現化すると伝え聞いた。ムッシュも同じである。レシピから聞こえるイメ-ジだけを現実化する。

たしかに、ここには創造する芸術はない。しかし、伝統的スタイルのフレンチを至福の味わいで再現する*文化的芸術的価値*がある。一品一品丁寧に作られた料理の数々は、現代における奇跡的存在だ。神のなせる技である。
例えば手間隙かけてつくられた *コンソメス-プ* は、まさに黄金のス-プである。
色合いは、透き通る透明感のある金色に輝き絹のごとき滑らかさな舌触り、極上の味わいである。
伝統的なコンソメのあるべき姿を示す。 

***ロ-ストビ-フ*** は、まさに至福のかぎりである。極上牛肉を選別し、熟成させ、絶妙な火入れで焼き上げる。 神がかり的なデクパ-ジュ によって、生命感の宿るロ-ストビ-フは、黄金の味わいである。ロゼ色に光り輝くそれは、ナイフもいらない程、やわらかい。肉の繊維の一つ一つが、はっきりとわかるぐらい旨みが充実している。上質な牛とその質のいい脂の旨みが、舌のうえでとろけるさまは、まさに天国の味わいだ。*英国風グレ-ピ-ソ-ス*西洋わさび*クレッソンとの組み合わせは、伝統的な意味における黄金の組み合わせだが、うまいものはうまい。本来、美味さに古いも新しいもない。うまいかどうかがすべである。最高のソ-スによって牛肉の旨みが増す。最質に吟味された西洋わさびは、いい刺激を食べ手に与える。 極上の時間が 過ぎていく。まさに、荘厳なブルックナ-の音を聴いた*極楽な一夜*だった。この日ブルックナ-は、不死鳥のごとく甦った。来年もこの味わいに出会えることを期待して、超越した時間を待とう。                                           

2月某日 なんとあのマチュ- ヴィアネイが初来日にて、フェア-するという。私は、いってもたってもいられなくなった。ヴィアネイといえば、あのポギュ-ズが、アプランティとして働いた*** ラ メ-ル プラジェ *** を取得した2つ星の新進気鋭のシェフだからである。13860円(税*サ込み)のランチメニュ-戴いた。なかなかの実力の持つシェフとみた。

アミュ-ズのボンボン(3.5)みたとき、カランドリエのそれ(4.5)を思い出した。ただ食べ比べてみると、両者は、だいぶ異なる。前者は、さくっとするが、やや硬くへ-ゼルナッツの香りはするが、ファアグラの存在感感じられるのに対して、後者は軽やかに、とろけるファアグラの食感だ。

***パテ アンクル-ト(4.0)***は、シェフのスペシャリテ 少しサブレに近い固めのパイに、醤油のゼリ- ファアグラのテリ-ヌ 肉類のミンチにレ-ズン*松の実をまぜたもの とりむね肉の構成。 食べると ぷるんぷるんとした醤油ゼリ-の風味が軽やかに感じ、肉の弾力とレ-ズン 松の実のコクとアクセントがいい。ファアグラの甘すぎない甘味と癖のないとりのむね肉が、いい調和を見せる。パテ全体として、甘味*旨みが統一体として、複雑に口のなかに広がる。美味。

***平すずき 的矢牡蠣 マテ貝とともに(5.0)*** 
最高の平すずき 今まで食べた最高の平すずき。ナイフをいれると、ふわっととろける程、柔らかい.癖はないすずきの繊細な旨みが凝縮したさまは、圧巻というほかない。カリカリした皮もよく、磯の風味感じられる牡蠣も最高の相性。コリコリッとしたマテ貝と西洋ごぼうは、いいアクセント。軽いフォンドボ-と貝のだし汁のエルミジョンソ-スもきわめて軽やかに仕上げられており、魚の旨みを増幅させる。今年、食べた最高の一品のひとつ。

***プレス鶏とオマ-ル海老(4.5)***
まず、食材の鮮度がいい。吟味されている。これこそ、真にプレス鶏の鶏なり。ポシェされた鶏はあっさりしているが、ほのかに甘味が感じられる。柔らかく弾力もあり、きめも細かい。腿は、かめばかむほど筋肉質で滋味深い。ポルトきかせたクリ-ムソ-スもいい相性。海老の鮮度もよくフランベしたぷりぷりした海老と、バジルとカルダモン風味の泡立てソ-スは、絶妙だった。

***マドレ-ヌとアイス(3.5)***
これは、まずまず。

***レモンのジプレ レモンクリ-ムとメレンゲ(4.0)*** 
甘くシロップで煮たレモンの器に、酸味の利かせたレモンシャ-ベット やや酸味の強い味だが、レモンの風味が、口の中に広がる。ややライムのニュアンス。レモンの器の皮は、柔らかく甘ずっぱい。しゃりとしたシャ-ベットと好印象。

***サ-ビスは、いつもながらの極上のサ-ビス***                                                                                  
3月再訪 20年以上このお店と、恋愛感情に、あるが、今ほど料理が充実している時期はないといえる。特に、料理技術に関して目に鱗である。大田シェフ達の実力は、今 まさに花満開である。最高素材の吟味 素材とソ-スの組み合わせのバランス 付合せとの配置と融合 コ-スの構成力 ドレをとっても、秀逸である。伝統と革新を融合させながら、あるべき正統フランス料理を提示する。実に巧いし旨い。例えば、フォアグラのコンフィ 絶妙な火入れで、とろけるほど旨い。イチジクのピュレの酸味のアル果実味が、その旨味を引き立てる。真鯛もふっくらと焼かれ素材の旨味 を極限まで、高める。苦味のアンデイ-ブの繊維質まで感じさせるグラタンと、ソ-スのバランスもいい。弾力のある鴨はジュ-シな-旨味に溢れ、かめば,かむほど滋味深い。フキノトウカラメゼともベスト。グレ-プフレ-ツのグラニテにあう大粒のキャビアの組み合わせも感涙もの。デザートの完成度も高い。まだまだ、恋愛関係は、終わりそうにない。

今回(2011年2月) 再訪の目的は、大田シェフの作るベキャスを食べることにありました。
ネオクラシックからのアプロ-チで、どのような彼なりの感性で、いかなる料理作るかに、主たる関心ありました。
そこで、ベキャス中心としたコ-ス作っていただきました。

コ-スの組み立てのバランス感覚に優れ、一皿にかける情熱 美意識に傑出したものがあり、まるで、シェ-ンベルグの浄夜聴いている気分になりました。素材の吟味 最高の状態でその味わいを引き出す能力にたけたものがあります。印象に残ったものを、記載しましょう。
アミュ-ズでは、なんといっても、テ-トドフロマージュでしょう。豚ほほ肉のにこごりですが、定番料理ですが、豚ほほのあっさりした味わいは、前菜に最適だと思います。かぶ゜らのス-プの旨みは、季節感もあり、かぶらの甘みが、凝縮していてなんとも美味。しかもその上にあるコンソメのジュレとの相性もよくコンソメのうまみとかぶらのあまみが融合しておいしい。

***香辛料に包まれた鴨のフオァグラのコンフィ ドライイチジクのピュレと青りんごのサラダ***
シェフのスペシャリテ まず、あっさりしたフォアグラのコンフィの甘みにはシルクのような上質な滑らかさと甘みが共存し、上質な脂のとろける味わいは、極上ものです。しかも、軽い味わい。天然の自然の味わいがします。ココには、最高品質のフオァグラの味があります。それも、そのはずです。フランス*ボルド-の契約生産者が、シャンポ-ルのため特別に作らせているのです。昔ながらの手間のかかる製法で自然の素材だけの飼料だけ与えて育てるのです。しかも空輸されてフレッシュのうちに料理するのです。おいしくないわけありません。タ-メリック 胡椒 カイエンヌペッパ-などの香辛料に オニオン にんにく ジンジャ-のパウダ- パン粉などをかけて、低温でじっくり旨みをひきだすのです。鴨の脂でパン粉を吸わせカリッとしながらもさくっとした食感をうみだすのです。付け合わせの青りんごも特別に作ってもらっているそうです。。上品な柔らかい酸味がフオァグラの別の魅力をひきだします。イチジクのピュレとの組合わせは、定番だが、上品な甘みが、フオァグラのコンフィの魅力を更にひきだします。美しきビ-ナスが、微笑かけます。

***ブルゴ-ニュ産エスカルゴのタルト フレッシュハ-プのポタジュ-ルと季節の野菜*** 
とにかくうまいエスカルゴなんです。何で、この魅力に気がつかないのでしょう。フランスで食べるのに近い上質なものです。うえにかかるガーリックのエスプ-マが、食欲をそそります。

さあ、ベキャスです。火入れは良好です。悪くありません。
ベキャスの柔らかく繊細でありながら豊潤かつ緻密な肉質のうまみの引き出し方は、うまい。
洗練された野趣の味わいです。ポレンタのエスプ-マ使用により、あっさりした軽い味わいです。
しなやかな女性美感じられる味わいです。
しいていえば、肉質の味わいはラ*シ-ムに近い味わいです。
軽い赤ワインのソ-スがうまくなじみます。
洗練された上品な優美な味わいです。
現代人には、向いているかもしれません。
ただマニア向けではありません。

***蜜柑のコンポ-トとグランマルニェキュべ150のアイスクリーム*** 
おいしいですね。蜜柑の凝縮した甘みにややシャ-プな酸味が、その甘みをひきしめます。かみ締めるごとに。旨みがましてきます。 滑らかなアイスクリームがリキュ-ルの甘みと融合しとてもおいしい。コンポ-トのうまみをさわやかにひきだして、いい調和みせます。
かんきつ類系の長い余韻もみごとのひとことです。

ワインはシャト-ム-トンロ-トシルト1953年 戦後最高の年のひとつ。
50年代では、59年につぐあたり年のひとつ。
シ-ダ- なめし皮 シナモンの香り 甘くとろける果実味に柔らかい酸味にタンニンは、丸くなりみごとなバランス感覚。
しっかりしたストラクチャ-に、男性的な力強さ。
飲むとビロ-ドのような舌触り。
長い余韻は、シルクのような心地よさをあたえてくれる。
バッカスの神が、月夜の夜に微笑んだ。
ベキャスとのマリア-ジュは、美しき女王をエスコ-トするシュバリエのようだった。
バッカスが、導く至福の時間だった。

流れていく時間は、感動的な時間を共有したものとして、人生の宝物として、心に、永遠に残っていくだろう。

永遠のときめきとともに。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

ぐらんたす (肥後橋、本町、淀屋橋 / 喫茶店、バー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 ~¥999

2011/12訪問 2012/01/04

再訪 心やすらぐ、上質な時間をあじあう至福のひととき

最終的再訪2011年12月 日常的に再訪しています。
ここへくるといつも心がやすらぎます。
その不思議な空間は、まだまだ健在のようです。
象徴的存在であるグランタス飲むとやはりほっとします。
数種類の豆をブレンドした深入りフルシティです。
木のような、胡桃のような香りが中心です。やや柑橘類系の香りがします。
しっかりしたコクと苦味*酸味のかんじられる骨格のしっかりした大人のコ-ヒ-です。
その味わいは安定しているように感じます。
ぶれないスタイルが、私を魅了するのです。
弁舌豊かなマスタ-の人格にひかれて集まってくるのも魅力のひとつでしょうか。
毎月変わるスペシャルコ-ヒ-も魅力のひとつであります。
12月は、エルサルバト゛ル*エル*モリノでした。ブルボン種の変種であります。
柑橘類系の香りが強いのが特色ですが、ゲイシャほどではありません。
ミディアムボディからフルボディの味わいです。
柑橘類系の余韻が長いのが特色でしょうか。

ここへきてマスタ-と話をするのが好きな私でありますが、いつも誘われるのが夜行われるいろいろなイベントであります。
そのたびごとにお断りしていた私でありますが、なぜならコ-ヒ-の達人であっても料理の世界とは別の次元の話と考えていたからであります。

ながいつきあいでありますが、折角マスタ-のつくりあげてきたコ-ヒ-の世界感を壊したくないというイメ-ジが先行していました。
しかし、一芸に秀でる者は、多芸にも秀でるという格言が脳裏をよぎりました。

しかたなく一度は参加してみるかということて゜参加してみました。今回の企画は、モンゴル料理だそうです。

モンゴル料理といわれても私はあまりくわしくありません。
しかも、料理は、マスタ-みずから作るといいます。
実際不安でした。
会費は5500円です。
料理のほかビ-ルに赤ワインに焼酎がつきます。
5人メンバ-集まれば開催するそうです。
すでに7人のメンバ-が決まっており私が初参加ということて゛総勢8人となりました。
ぜんぜん知らないメンバ-と常連さんとが混合で宴会が始まりました。
まず、キリンラガーで乾杯です。
モンゴル料理といっても鍋料理です。
なにがス-プであるのか一切教えてくれません。
飲んでみるとトウガラシと豆乳とおそらく豆板醤をミックスした味がします。
まろやかでピリッとした味わいです。
それから、ラム肉*キノコ類たとえば、はなびらたけやエリンギにきくらげが投入されてゆきます。
それぞれの鮮度がすばらしくとりわけ花びらタケは格別の味わいでした。
しっかりしたはなびらタケの味わいにス-プの旨みがからまって美味しく感じました。
お肉も鮮度がよくラム特有の味わいがしス-プのマイルドでぴりっとした絡みと絡みあってなかなかの旨みをかんじました。
赤ワインはカルベネソ-ビョンとシラ-の混合でしたが、カルベネソ-ビョンの味わいがより強く感じました。
濃厚でしっかりした味わいでした。
料理とのマリア-ジュとしては悪くないとおもいました。
ス-プは肉やらキノコ類のだしがよくでて旨みが増してきました。
素朴な家族的な雰囲気が自然発酵的にうまれてきて一種の連帯感みたいのが生まれてきました。
それも味のうちでしょうか。
ここで葛城山で栽培されている生活用水のまったくはいらないこしひかりの御飯いただきましがこれがなんとも美味。
下手な魚沼産よりよっぽど゛おいしい。
お米はブランドでないというひとつの証明でしょう。
米の凝縮した甘味がかむほどに溢れてきます。
なんというおいしさでしょうか。
ここで焼酎財宝登場。
酒が進みます。
わきあいあいした雰囲気のなかで食に酒に進みます。
具材を食べ終わったあとでラ-メン投入します。あらゆる出汁がラ-メンと見事な融合はたしなんとも美味。
もうおなか一杯。
ここで最後のとどめグランタス登場。
マスタ-一杯ずつたてる心のこもった味は最後を締めるのにふさわしい味わいのように感じました。
なにか温かいぬくもりみたいなものをいただきながら散会となりました。
こういった素朴な味わいでも感動はえられる。
そんなことを夜空をながめながら帰途についた宵となりました。

*****************************************
2009年 訪問時のレビュ-

ここへ来ると、なぜかこころがやすらぐ。


私にとっては、癒される時間*空間がここにはある。
時計の針がここでは、止まっているからだ。
この空気感が私にとっては、溜まらないのだ。 話好きの店主相手に、話をするのもいいし、店主の話をBGMとして一人静かに時間をすごすのも最適だ。 豆の選択と、それを芸術的技術で、嫡出する能力は、見事というしかない。 たかが、コ-ヒ-、されど、コ-ヒ-である。 コ-ヒ-界の隠れた巨匠ではあるまいか。 誰もが到達しえない孤高の存在。 伝統的な意味におけるカフェとは、この店が典型的なものである。 ここには、デジタルではないアノログの音が、原音に近い音として、心に響いてくる。 ここでは、じっくりぜひ、五感を使ってその紡ぎ出す世界の音を、純粋に堪能して頂きたい。 人生の生死の境を超えて、存在する達観ないしは、諦観の境地にいたるはず。 その世界は、まるでグスタフ*マ-ラ-が、交響曲9番にこめたイメ-ジと同じものがある。 コ コアもうまいし、コ-ヒ-もうまい。その日の気分で、選んだら良い。いつも、この店はその期待を裏切らない。そこには、誰にも侵されない上質な時間が存在する。その感覚は、きっと永遠の想いとして、あなたのこころに刻まれるはず。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

ティーハウス ムジカ 堂島 (渡辺橋、北新地、大江橋 / カフェ、ケーキ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2009/11訪問 2010/01/07

紅茶といえば、まず先にあげられる、帝王的存在

ムジカといえば、紅茶であり、紅茶といえば、ムジカである。ここは、紅茶界の殿堂といっても過言ではない。紅茶界の帝王が、経営するお店。堀江氏のテ-スンテング能力は、ワイン界でいえば、ヒュ-ジヨンソンのそれよりも、むしろ、ロバ-ト*パ-カ-の鑑定力に、近いものがある。すなわち、濃厚で力強い男性的なスタイルをより好むことを意味する。客観的な意味においては、テロワ-ルの反映した紅茶を選択する卓越した能力をもちつつ、あるいは、そのうえで、男性的で明確なスタイルのものをより好むことを意味する。ここで、選ばれし紅茶はすべて、宝石のごとき輝きを持つが、とりわけ、男性的なスタイルにその個性を発揮する。例えば、ダ-ジリンのセカンド*フラシュに、その個性が明確にあらわれる。芳醇で力強い香りと味に長い余韻。しっかりした渋み。骨格のしっかりした造型力は、見事なものである。値段的にみて、コストパ-マンス極めて高いといえる。私は、紅茶をたのしむ場所としての位置づけにおいて、家で楽しむことが多いが、ただそのときの気分でこのお店で楽しむこともある。何ゆえ、家で楽しむことが多いかといえば、すべては、堀江氏が紅茶を選択した時点において完結しているからだ。後は、その味の確認作業に過ぎないからだ。後の作業はたいして、重要ではない。すなわち茶量とお湯の黄金バランスと、飲むべきタイミングさえ抑えておけば難しい問題ではないからだ。家で堪能できる領域であって、あえて、ムジカでなければならない理由はないといえる。後は、ここの雰囲気を好むかどうかで、きめれば良い話である。私は、好きな紅茶にあわせて、それに合わせた、クラシック音楽を楽しむことを人生の楽しみとしている。家で静かに紅茶の奏でるささやかな音を、どんなクラシックに合わせたら良いか、あれこれ考えることが、むしろ好きだ。この紅茶には、ブル-ノ*ワルタ-指揮のハイドン交響曲100番がいいとか、アルバン*ベルグ四重奏のモ-ツアルト*弦楽四重奏曲*狩がいいとか、あれこれである。それは、私にとってかけがえのない至福のひとときをあたえてくれる。ないし、ムジカの提供する紅茶の味わいにあうケ-キの組み合わせを考えることが、好きだ。ムジカのケ-キも悪くないが、それ以上に自由の創造にはためかせて、黄金のマリア-ジュはなにかあれこれ考えたい。それも、人生の楽しみのひとつ。

  • (説明なし)
  • 看板
  • ダ-ジリン*セカンド*フラッシュ

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6位

タケウチ (本町、肥後橋、阿波座 / パン、サンドイッチ、ベーグル)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 ~¥999

2009/11訪問 2010/04/28

熟成期にはいった関西を代表する屈指の名店

この店のオ-プン以来の隠れファンである。 この店が、まだ、今の店舗に移転する前、うつぼ公園の北側にあるときからのファンである。 そのころは、いつも愛想の良い女性がレジの前にたっていて、客をきりもりしていた。 ただ、彼女は、あまり記憶力は、すぐれているとは、おもえない。なぜなら、顧客の顔を積極的に覚えようとしないからだ。 そこで、私は、隠れファンになることにした。 だから、この店にいくときは、いつも、一見さんの顔して伺う。 たけうち氏は、店のオ-プンする前500種類のパンのメニュ-を考えていたそうだ。 その中から、200種類のパンを厳選して提供することに決めたそうだ。 オ-プン当時確かに、どのパンも完成度がたかく、きわめて複雑で、芸術の領域にあった。 ミシュランの2つ星が、3つ星に駆け上がる勢いというか、充実感があった。 その時から考えると、今は、ある種の停滞感と熟成感が、共存しているように思えてならない。 より緻密でより複雑な造型力がひとつの形象として結実*昇華したスタイルとして、提示してくれているのは、深く理解する。 その意味で、完成度は極めて高いと考えるが、それを乗り越える、より深化した新しい発想を期待するのは、私だけだろうか。

  • 外観
  • ふくろ
  • (説明なし)

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7位

ハジメ (肥後橋、淀屋橋、渡辺橋 / フレンチ、ヨーロッパ料理、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2010/12訪問 2015/01/20

伝説となる奇跡のレストラン

再訪 2010年12月 久しぶりに、hajimeに再訪しました。

主たる目的は、ふたつ。
前回からの課題であるシェフ*サービスをふくめた総合的な意味としての、グランメゾンとして、いかなる進化したか、という点と、ジピエという食材を現代フレンチという視点から、どう解釈するか、というふたつの目的が、主たる動機となった。

ジピエ料理なるものは、古典からのアプローチが、間違いないというのは、定説であります。
その定説を現代的視点から、どう覆すのか。
革新的フレンチの解釈が、知的好奇心をうごがしたのだ。
わかる結果よりも、わからない結果を求めるのは、人間の宿命みたいなものだろうか。

この時期、入荷する素材として、フランス*ピレネー山脈の森バトが、いい状態で入荷しているという。

そこで通常コース料理の追加として、別にアラカルトとして、注文しました。

まず食前酒としてシェリー酒を軽く飲み、ディナーが、始まりました。

アミューズ(4.5)は、3品。
ひとつめはあんこうのカルパッチョ。
ゴマとコリアンダーの焼菓子のうえにキャへ゛ツの新芽に乗せられたキノワにトマトとハープの刻みを薄く斬られたあんこうで包む。周りの粉末は、ケールとかほうれん草などの葉野菜のエキスを乾燥させ粉末させたもの。大きさは、ひとくちサイズ。手で持ち上げると軽い。さくっとするごまの風味が強い焼き菓子に柔らかい鮮度のいいキャベツの新芽にトマトの酸味に、あんこうのほのかな甘味などを様々な酸味の強弱で包みこむ。アクセントの葉野菜の粉末も悪くない。
ふたつめは、いつもの卵の黄身。ランチと異なりディナーでは、ガラスの容器で、構成される。味わいは変わらないが、アクセントとしてイベリコ豚のチョリソーとアマランサスの葉が追加になった。味わいは、より複雑かつ緻密になった。
みっつめは、岩牡蠣の下にビネガーの酸味利かせたコリコリした胡瓜の刻み ソースはヨーグルト系と柑橘類のソースにライムの皮の刻み。
しっかりしたライムの香りがいい。食べると、柔らかい弾力のある牡蠣の磯の風味にソースの酸味の強弱に控えめな甘味が、後から感じる。
パンは、シュクレのパン。
料理とのマリアージュ考えて、一品ごと異なるパンを提供される。
オリーブオイルのパンが、この料理といい相性みせる。

***105種類の野菜(5.0)***
ここのスペシャルテ。いまさら説明の必要ないだろう。季節ごとに、野菜やソースが、微妙に変化するとしても、料理の基本的ベースは、変わらない。この料理を食べると、hajimeに来店したことを実感できる象徴的な存在。
ただ、あえて苦言いえば、仮に、これを毎日食べるとすれば、もういいよという気持ちにはなるのは、確かだ。
しかし、グランメゾンとは、非日常の時間を楽しむ料理という意味では、ここのスペシャリテの重要性は、はずせないとおもう。
ある意味長所であり欠点でもある側面をもつ。つまり、それだけインパクトの強い料理であることは、確かだ。

***あんこうのムニエル(4.5)***
シェフは、ムニエルという古典的調理法を現代的に分解し、再構築するという。例えていえば、現代の若き巨匠エサ*ペッカ*サロネンが、グスタフ*マーラーの交響曲10番のアダージェットを指揮する際、スコアを読んで、マ-ラーの思考を一度分解し、再構築したという。それと、共通する思考のように感じる。キュイソンは、スローキュイソンなのだが、色々な手法使用し、火通しされる。味わいは、雑味のない緻密な味わい。細胞膜までわかるデリケートな食感。かなり良好な品質でなければ、この味は、出せないだろう。
つけあわせのアーモンド*ユリネやカリフラワーの食感がよく香りもいい。
ソースは、ふたつ。カリフラワ-のムースと、ジュドヴィヨン。アーモンドのパンとの相性も最適の組み合わせ。

***フオァグラのタルティーヌ(5.0)***
メークィンの生地をパイのごとく薄く焼いて、46.7℃の低温調理のフォアグラを時間かけて焼き水で冷やしたものをイチジクのコンフィ、黒胡椒 煮詰めたヴィネグレット エストラゴン ディルをはさんだもの。ひとくち食べると複雑な味わい。パリッとした食感のいいメークィンの甘味とフォアグラの洗練された甘味とイチジクの甘味の三重奏が、フォアグラを中心として奏でる。ここちいいヴィネグレットの酸味と、香草のいい香り。複雑かつ複合的味わいは、見事のひとこと。メークィンをラスク代わりに考えたところが、面白い。

***フランス産栗のスープ(4.0)***
黒トリュフのアイスと、焼き栗のうえから、フランス産栗のスープをかける。
栗の風味と味が中心にある。ややトリュフの香りが弱い。季節的にもう少し強くないとの印象残る。栗の旨味の印象強く残った。

***森バトのロースト(4.5)***
森バトは、ラミエと異なり、木の実しか食べない。低温調理含めたあらゆる手法で、部位ごとに3時間かけて、ジックリ焼かれる。仕上げは、炭火で仕上げられる。
ソースは、3種類 サルミ+木の実のピュレ+赤ワインビィネガーソースで食べる。
森バトは、血の香りが、程よくあり、噛むほどに、弾力あり、滋味深い味わいで、木の実の風味も感じられる。噛むほどに、強い野生味というより、洗練された、野趣の風味が、強く感じられる。焼き方は、hajimeらしいと思う。豪快でなく、デリケートでありながらも、肌理の細かい肉質の味わいの処理の仕方は、ある意味想定の範囲内。サルミソースも古典的な重厚さでなく、軽いが現代フレンチの流れのなかでは、古典にちかずくほど重い方にはいると思う。木の実のピュレが、いいアクセントとして、食欲をそそる。肉質の甘味にあう。この辺は、面白い。ただ革新的フレンチという立場から、思考すると、hajimeしか作れない個性的で革新的なソースが、あると現代的な感動が深くなると思うが。

***クロワッサン(5.0)***
クロワッサンのアイスの下に、焼き菓子に、ビスタチォ+ナッツ挟んだもの。
下敷きには、カカオのムースと卵白+焦がしバターのクリーム
確かに美味い。こんなデザート食べたことない。クロワッサンの旨味を堪能できるデザート的発想が、見事。

ワインは、1949年 ルロワのリッシュブール。40年代当たり年のひとつ。まだ、枯れずに、円熟味のある味わい。いつまで、この状態維持できるかは、未知数だが。
舌触りは、シルクのごとく滑らかな味わい。
熟成香中心でフルボディ。
豊かな果実味に、柔らかい酸味に丸くなったタンニンに長い余韻。
こういうしなやかな力強さの女性的なスタイルが、hajimeのしっかりしながらも、デリケートな味わいの料理と見事にあう。
とりわけ、森バトとは、最適のマリアージュみせた。カカオや血の風味のあるデリケートな味わいの森バトの旨味と美味く融合する。

サービスは、より柔らかいサービスになったが、まだ柔軟性には、やや乏しい。
ただ、マニュアル的には、完成されている。

ただ今回訪問してみて、ある種の停滞と進化が、共存している状況に感じました。

進化する理想を進化する現実として、考えていかねばならない。
ここには、進化する現実と、進化する理想とが、融合して存在している。

その意味では、まだまだ伝説は終わらない。

2009年9月

新たなる伝説の始まりだ。どの料理も、極めて完成度が高く、満足度も高い。
ミシェル*ブラスの正統たる継承者のひとりといっても、過言ではない。
99年の帝国ホテル大阪でのミッシェル*ブラスフェアを思い出した。
あの年、ミシェル*ブラスが3つ星になりたてで、脂の乗り切った伝説となりし年だったが、そのイメ-ジに近い。
あるいは、それを超えているといっても、過言ではない。
7875円で得られる奇跡の味に、素直に感動。

彼の作り出す料理は、絵画でいえば、フェルメ-ル 音楽なら、グスタフ*レオンハルトの世界に、共通するものがある。
すなわち、静謐のなかで訪れる奇跡の真実といっていい。余計な音はいっさいいらない。五感を使って味わえばいいのだ。
それだけでいい。

アミュ-ズは3品。最初は、トリュフのアイスにかぼちゃヴォルテにヘ-ゼルナッツの泡仕立て.。
官能的なトリュフの香りと味が滑らかなアイスとひとつなって、かぼちゃの旨みとともなって、ナッツの風味が渾然一体となって、舌のなかで自然にとろけた。
あまりの美味さに、写真をとり忘れた。

2つめは、卵の黄身にフランス産*もものコンフィのピュ-レ、エピス風味のクリ-ム、シェリ-ヴィネガ- ア-モンドのロ-スト 複雑な味わいのなかで、調和しながらも自己を主張する黄身の存在感。

3つめは、ホタテ。その下に、クスクスとセロリ*りんご*デュリ*レモンの風味を、泡立てたサフランソ-スでいただく。
上にある香草は、クロ-バ-にみえるが、山野草だ。スタッフが、わざわざ山にはいって、採取するらしい。
違和感のない風味で、主役のホタテの味を壊さない。ホタテのやわらかさとレモンの酸味のきいたクスクス*セロリ*りんごの食感が、いいハ-モ二-となって、ややくせのあるデュリも邪魔にならずいいアクセントとなって、サフランが乳児を包みこむ柔らかさをもって、ホタテを抱く。
だしは、あさりのエキス。そのすべてが、ホタテの旨みを強調するために、存在する。

前菜は、シェフ得意の66種類の野菜。5種類のソ-スで食べる。
この日は、カボ゜チャ*枝豆*人参*ビ-ツ*トマトだった。貝のエキスのみで野菜のミネラルと融合させる。野菜は、エブィフラワ-をセロリで巻いたもの*しその葉*そばの実*ちんげいさい*ごま*パプリカ*おくら*れんこん*ごぼう*にんじん*黒オリーブのきざんだもの*ブロッコリ-*アスパラ*たまねぎ*はくさい*大根*キャベツ*イタリアンパセリ*デュリなどである。それぞれの野菜が、個性をだしながら、ひとつの壮大なハ-モ二-を奏でる。

次の料理は、フォアグラとからしだいこん。ファグラは0.1℃単位で温度を調整しながら焼き塩のみで仕上げる。下には、ヴィネグレットの酸味きかせたミント*デュリをまぜたキノワ。付け合せは、からしだいこん。ソ-スは、黒糖*赤ワイン*バルサミコで仕上げたものとバスク産の七味*1/4*1/8*1/16*ときった黒胡椒と挽いた黒胡椒。
まずはフォアグラのみ食べる。
じわっと広がる上品で繊細なデリケ-トな甘味*旨み。女性的なスタイル。
ト-ルモンドのファアグラとは対照的だ。
ト-ルモンドは、まさに古典的で男性的な濃厚なスタイル。それと対極にあるのが、hajimeのスタイル。

hajimeのスタイルなら、男性的なワインは、合わない。女性的なスタイルのワインがいい。しかも、上品て゛繊細なスタイルからすると、野生的なロ-ヌは無理。無難なのは、シャンパン*ブランドブランがいい。ボルド-なら、ラフィット*マルゴ-がいい。ポムロ-ルもいいかもしれないが、ペトリュウスでは甘すぎる。王道なら、ソ-テルヌだが、甘すぎないさらっとした果実味のワインがいい。ブルゴ-ニュの赤なら、ミュウジ二-がいい。白なら果実味の強すぎないタイプがいい。柔らかい上品な果実味の感じられるスタイルがあう。
*DRCのモンラシュだと果実味が強すぎる。ルフレ-ブのシュバリエぐらいの果実味が適度でお互いを殺さずにいいマリア-ジュ。
ソ-スもほのかな甘味で、ファアグラをより洗練させる味にする。
七味は、しっかりと主張するがファグラをひきたてるいいアクセント。
からみだいこんも、柔らかいほのかな酸味がファアグラの甘味を刺激する。
デュリの香りも心地よい。
黒胡椒も、それぞれにファアグラの異なる表情をみせる。
酸味の利いたキノワもつんとしないミントとともに繊細なファアグラといい相性。

さてメインデッシュ。
話題の低温調理法*脂でかためた豚バラを60度の温度で4時間以上かけて焼き上げる。
ロゼ色に焼き上げられた豚。食感はレアに近い。
ロ-ストビ-フをイメ-ジするのが近いが、少し違う。
口の中で、肉の旨みが実にじわっと広がる。
きわめてデリケ-トな味わい。
高品質の豚でないとこの味はでない。
フェルメ-ルの静謐の神秘が微笑みかける。
レオンハルトのチェンバロが聴こえる。まさに至福の時。

極めてデリケ-トなのでデリケ-トなワインでないとこの素材を生かせないだろう.
古酒のほうがいい。
塩ゆでしたかぶらも、生き生きしており、豚と好相性。
鮮度のいいクレッソンも、豚の存在感を、高める。マンゴ-ソ-スも繊細な甘味で、豚のデリケ-トな甘味を、引き立てる。
ここでも、シュバリエがいい。
86年という年が、完成された味を壊さない。

デザ-トは3品。
まずは黒オリ-ブのソルべ。上には黒オリ-ブの刻んだもの。
ソ-スは、黒オリ-ブのソ-ス。
厭味のない黒オリ-ブの旨みが、ソルべとは思えない滑らかな口当たりとともなって、ふわっと口の中で広がる。
洗練された味わい。
次は、黒糖のデザ-ト。キルシュのアイスの中に、和歌山産の白桃を、温めたもの。
黒糖は、フィリピン産。甘すぎない高品質の黒糖に、すこし甘めのキルシュのアイスと白桃。
シンプルだけど複雑な味わい。
ただ白桃に、もっと天然の甘味が感じられたら、もっと良かったのが唯一の残念。
しかし、デザ-トの完成度は極めて高い。
最後は、パンションフル-ツのム-ス。中に生のグレ-プフル-ツのカットされたものがある。
ム-スの上には、サブレの粒じょうのものが、振りかけてある。
やさしい味のム-スに、いいアクセントのさくさく感のサブレ*柔らかい酸味のグレ-プフル-ツ。
全体的にフェミニンな味わい。
後はお菓子と飲み物。

料理とワインは、いいマリア-ジュを見せた。

86年のブルゴーニュの白は秀逸な年で、ルフレ-ブも最高のワインを作った。
香りは、熟成香にバニラ*ア-モンド*ミネラルなど複雑な香り*フルボディ*生き生きした柔らかい酸味が、豊かな果実味を支える。
舌触りは滑らかで、余韻も長い。
今がピ-クで後10年はもつ。
シュバリエのやさしい味が、シェフのスタイルにあう。

シェフの信念*哲学*メニュ-の書かれた説明紙も分かり易く納得できる。

サ-ビスは、マニュアルという観点からは、完成されているが、問題は、それを超えて、ウェットに富んだ会話ができるようになれば、もう一皮むけたサ-ビスが提供できるようになるだろう。
ココが課題。
ジビエのおいしい季節に、彼がどう対処し結論をだすか。
その時期に、また訪問したい店である。

歴史に名前を残すかもしれない名店。

  • 外観
  • hajimeのロゴ
  • (説明なし)

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8位

プーサン (西大橋、西長堀、四ツ橋 / プリン、洋菓子、スイーツ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2009/11訪問 2009/11/16

訪れるたびに、わくわくするプリン屋さん

この店は、訪れるたびにわくわくさせてくれる素敵なお店。マダムの記憶力は、すごいもので、私の顔を一度目の訪問で、覚えてくれて、2度目からは、極めて丁寧な接客をしてくれる。こんなに、うれしいことはない。ここへいくと、話がはずむ。長くいろいろ話し込む。旦那サンは、シャイな性格だが、店にいるときは、表にでてきて、3人であ-でもない、こ-でもないと話し込み愉快な時間がすぎていく。世代は違うが、馬が合うのである。旦那サンは、某フレンチレストラン出身のシェフで、マダムは、某有名ホテル出身で、ソムリエの資格を所有している。両氏とも、ワイン好きで、ワインのことで、話がはずむ。また、旦那サンはジピエ好きで、ベキャスが好物なので、ここでも話があう。家で食べるジビエを自分で購入し、家で熟成させるのだが、マダムは、この特有の香りが、イヤで、ジピエは、いまひとつ好きになれないらしい。今は、プリン屋さんだが、将来は、フレンチレストランを開店するのが、夢だそうだ。頑張ってほしい。プリンは、そうじてうまいが、当たり外れもアル。毎日7-8種類のプリンが用意してある。有機*オ-ガニック*無添加で優しいデリケ-トなスタイルのプリンだが、濃厚なスタイルのプリンもある。タスマニア産蜂蜜のプリンは、逸品。100年に一度花が咲く蜂蜜からとられたもので、極めて貴重なもの。プリンのソ-スとして使われ、プリンの上にシルキ-な味わいで存在する。アカシアの花の香りが強く、花の香水である。濃厚な蜂蜜の香りと味に、柔らかく優しい滑らかな味のプリンと良いマリア-ジュをみせる。これを味わずして何を語るか。白桃のプリンは、絶品である。人生最高のプリンのひとつといっても、過言ではない。プリンのなかに、大きな白桃がごろり。最高の白桃の甘味に絶妙なプリンの味わい。もう、今年は味わえないが、来年まで、長い時間を待たねばならない。待ちきれないほどの美味である。12月には、スペシャルプリンとして、トリフ*プリンを用意するらしい。当然フランス産のフレッシュトリフだ。値段は、未定。楽しみである。どんな感動をあたえてくれるか、いまから、わくわくして、待とうではないか。

  • 外観
  • タスマニア産蜂蜜のプリン
  • タスマニア産蜂蜜のプリン

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9位

ラベルヴィ (西大橋、西長堀、阿波座 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥1,000~¥1,999

2010/11訪問 2010/12/31

再訪 静かにただずむ名レストラン

2010年11月

何回も再訪していますが、ここのサツマイモのスープは、個人的には好きです。
サツマイモのほくほくした本来の甘味が、ダイレクトに感じられるからです。凝縮した甘味は、すごいと思います。
さらっとした甘味よりも、こういった天然の甘味の感じられる甘味がいいとおもいます。

本来のサツマイモの甘味が感じられるのです。
焼き芋の凝縮した甘味が、好きな方には、お勧めだとおもいます。
さらっとした甘味の好きな方には。お勧めしません。

その場合たいがい、ジャガイモをくわえられています。
本来の、サツマイモの甘味とは、異なります。 
しかし、このレストランは、さつまいもだけで勝負します。
生クリーム*牛乳くわえますが、サツマイモの甘味を助長する程度です。
このバ゜ランスが、素晴らしいとおもいます。
さらっとしたサツマイモのスープは、たくさんありますが、こういったスープには、なかなかであえません。
サツマイモらしいサツマイモのスープだと思います。
心が和みます。
ほっと落ち着くのです。

個人的には、今年 コスト安くて美味い最高のさつまいものスープと感じました。
ただ、いつも味わえるわけではありませんが。

しかも、1050円のランチのなかでいただけるのですから、こんなありがたいことは、ありません。
今の季節 身も心も温かい気持ちになれます。
家庭的な柔らかい奥様のサ-ビスも変わりません。
いつも、訪問してよかったと思います。

***再訪*** 安定したおいしさをつくりだしている。
古典を大事にしながら、新しい感性に基ずくアレンジを加えようとする立場は変わらない。
ある意味、革新的ではない。しかし、この店にしか出せない個性固有の味わいが、和む気持ちになる。

ここのス-プ 懐かしい味がします。現代的すぎないところが、ほっとするのです。
古典があって初めて現代フレンチが、存在する。
その意味をじゅうぶんに噛みしめてくれるお店のひとつ。
この日は、ランチタイムに訪問しました。
いつもながらの明るい笑顔の素敵な奥様の誠実で丁寧な対応にサ-ビスの本質を感じる私でした。
サ-ビス*デザートは、彼女の担当です。

ランチは、4コースにわかれます。
本日のランチ1050円は=ス-プ+メイン+パン+ドリンクの構成です。この基本構成に+400円でデザートつきます。デザートは2種類から選択です。
+500円で前菜がつきます。前菜は、1種類です。後は、組み合わせです。
私は+400円で、デザート追加しました。
ス-プはかぼちゃのス-プです。
かぼちゃの旨味と生クリ-ムや牛乳加えたクリ-ミ-なおいしさです。いつもながらの滑らかなあじわいでした。
古典的といっても重過ぎないところがポイントです。

メインは、仔牛のプレゼ クリ-ムソ-スでした。
仔牛のプレゼに付け合わせは、焼いたズッキ-ニにゆでたじゃがいもとシュクリートにちかいプレゼしたキャベツでした。
仔牛は、淡白でとろけるような柔らかさで美味く、ブラックペッパ-の程よく利いたしっかりした古典的なクリ-ムソ-スが、仔牛の旨味になじみました。ほくほくしたほどよく水分をふくんだじやがいも程よい硬さで、ソ-スのコクとなじんでいました。
キャベツも柔らかく、ほのかな酸味が、ソ-スの甘味をデリケートなものにしました。ズッキ-ニの酸味がいいアクセントです。

デザートの柑橘類のカンパネラは、グレ-プフル-ツとオレンジのジュレにブラットオレンジとカンパネラ加えたグラニテ
フル-ツの酸味の強弱のハ-モ二-を楽しむ。酒もたっぷり使っているので、好みも分かれるところ。

昨年同様 安定した美味しさを感じる。革新的スタイルのフレンチではないが、伝統を重んじながら、アレンジを加えていくこういったレストランも大事にしていきたい


***2009年の思い出***

西大橋にひっそりただずむ名レストラン ラ*ベル*ヴィで 心地よい時間をいただいた。
アミ-ゥズ*前菜*魚料理*肉料理*デザ-ト*パン*飲み物がついて5250円は安い。

更に1000円払えば、ワインの持込可能なので、私は17年前購入しセラ-に寝かせってあった愛蔵のルロワ*78年のボ―ヌ*レ*シジィ*をのむことにした.
78年はブルゴーニュにとって極上の年、しかも1度たりとも期待を裏切らないルロワ 
私の胸は高まった。シジィは完全だった。
バッセンした時から完全な熟成香*トリフ*腐葉土*なめし皮*ジャミ-*スモモ*モッカ*黒胡椒*すみれの花*甘草*ミネラル*動物臭の複雑な香りが広がった。のど越しは滑らかでスイスイ飲める。果実味は豊かで軟らかい酸味こなれたタンニン まるでキャンデ-をなめているような完全な状態。極めて長い余韻 ワインが繊細な上品さをこのうえとしているので、野生的な料理は無粋だ。

だが、そんな邪推は無用だつた。彼の作り出す料理は古典的でありながらも家庭的だが、繊細な現代的感性に基づいているのだ。
それが、食べ手にもワインにも伝わりいいマリアージュとなった。

アミ-ゥズは豚と鳥のりェット。両者とも変な臭みもないのですいすい食べれた。

前菜はさんま。さんまをポアレしてフォアグラ*アンチョビ*ブランデ-*さんまの内臓*アクセントにくるみいりのムースをはさんだもの。
ソ-スはプル-ン。つけあわせは野菜とおじゃがのギャレット。デュリの香りもよくのったさんまの旨みあふれる逸品。ギャレットがそれをこわさないところがいい。

魚料理は鹿児島産の真鯛。シェフ得意のブ-ルブランソ-ス。
ご心配めさるな。古典的でなく現代的に軽く仕上げられたソース 
魚の焼き加減もほどよくイタリアンパセリも心地よかった。
魚の下においてあるラタトゥユが絶品だった。甘すぎないのだ。控えめな甘さにとめているところが゛いい。
人生最高のラタトゥユといっても過言ではない。

肉料理は三重県産のさしのはいった豚バラのロ-スト*粒マスタ―ドのソ―スと豚のだしにシェリ-ビネガ-の煮詰めたソ―スをあわせて食べる きのこ類とじゃがいも*いんげんが゜つけあわせ。くせがなくあっさり食べられる。きのこもいい。

しかも、熟成したピノのなんと美味いことか。ルロワよここまで主張するか。ココまで2時間、まだまだおとろえない。恐らく保管状態さえ良好ならあと10年は持つだろう。これこそ、ピノノワ―ルの本道*本壊 

デザ-トはコ―ト*ロティの赤ワインで熟成させたいちじくのコンポ―ト*シナモンの香りをしのばせたもの*バニラアイスクリ―ムぞえ。悪くない。アイスのなめらかさがイチジクをうまく引き立てていた。

ルロワもきっと、いい気分 又来よう そう夜空に誓った。

  • 外観
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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10位

ブランジュリ P&B (西大橋、西長堀、四ツ橋 / パン、ベーグル)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2009/11訪問 2009/11/27

堀江に溶け込むレンブラント的存在

ブラジェリ-タケウチが、登場したときに近い衝撃をうけた。独創性という点ではタケウチがうえだが、パンの完成度がたかく心に響くものがある。とりわけ、ハ-ド系のパンは、タケウチを上回るものがある。シェフ自身も、ハ-ド系のパンが得意と話しておられた。店内は狭く入店すると、すぐカウンタ-でパンが並べてある。店内の雰囲気は、いい雰囲気だ。気さくな社交性のあるシェフは、はなし好きで気楽にはなせるタイプなのだ。この点でも、職人気質でナイ-ブなタケウチ氏とは、対照的だ。作るパンのスタイルは、共通する部分もあるが、タケウチ氏が洗練された優美な女性的なスタイルを好むのに対して、男性的で力強い造型力を好むスタイルである。はっきりした構成力としっかりした味わい。ハ-ド系のパンは、硬すぎず程よい硬さとこしがあるところがいい。たとえば、オレンジ*胡桃 *クリいりのパンは それぞれの素材が、自己主張しながら 統一体としてみごとな調和をみせる。しっかりした構成力に見事な融合だ。印象の残る逸品。絵画で言えば、レンブラントの描く絵画に近いものがある。クラシックなら、バックハウスのベ-ト-ヴェンのピアノソナタ29番ハンマ-グラデイアを彷彿させる。タケウチ氏とは、異なる感動もらえる名匠のひとり。                                          

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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