『「減り張り」に就いて』早稻田の文士さんの日記

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早稻田の文士 (40代後半・男性・広島県) 認証済

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「食べログ」にてフォローしてゐる方が、とある御店のレヴューに際して、大凡、以下のやうな事を書かれてゐたと記憶します。引用ではなく、私の記憶に基づいて、意味を書きますと……このコロナ禍に於て、失はれたものと云へば、經濟的損失が云はれるけれども、飮食店に關しては、協力金の是非に就いて、贊否兩論がある。お金さへ拂へばいゝではないか、と云ふ意見もあるが、本當に、吾々が失つたのは、飮食店に限らず、日々、働くと云ふ在り方ではなからうか、……と云ふ内容です。

「めりはり」とは「減り張り」と書きますが、人は張るばかりでは、破れて了ふし、緩んでばかりであれば、それこそ心身が弛緩して了ひます。そして、精神の弛緩とは、目に見えないだけに、身體の弛緩よりも分り難いし、對處もむつかしいと云へないでせうか。自律と云ふ事ほど困難な大事はないものだ、と私は痛感してゐます。
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