行列のできるさんのマイ★ベストレストラン 2014

きっと明日いいことが。

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行列のできる (70代以上・千葉県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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2014年も残りあと10日となりました。

今年も元気で健康でおいしいものをたくさんいただきました。

そして多くの読者の方からのあたたかい励ましをいただき、大変感謝いたしております。皆様の声の後押しがあればこその健康だといつも思っております。

元気なうちにと思い、今年は従前にも増して旅行も数多く行かせていただきました。

1月の香港を皮切りに、3月香港、4月金沢、5月博多、6月大阪、7月札幌、9月大阪、10月新潟、11月金沢、12月台北、12月大阪でしめくくりました。

多くのお店と料理と料理人との出会い、マイレビュアーさんたちとのオフ会、お食事、と1年を通して刺激に満ちた時間を過ごすことが出来ました。健康に感謝しきれません。お店も1年で700軒以上行きました。とても順番をつけるのは難しいですが、以下のようにとりあえず置かせていただきました。

また来年、どんな出会いがまっているのか今から楽しみです。

みなさまもどうぞよいお年をお迎えください。

アゲイン、大変ありがとうございました。

                           行列


1位  西の弥助、金沢の雄 小松弥助
    ようやく予約が入り森田さんに握っていただきました。元気な姿を見ているだけで、元気を分けてもらえます。ジブンより20歳年上の現役寿司職人。

2位  癒されます、サービス満点の大将 大阪京橋 鮓きずな
    寿司職人は見習うべし、と思う100パーサービス精神。

3位  ピエモンテの風が吹いている 東京田町 ラ・チャウ
    料理の中にシェフ魂を感じるイタリアン

4位  下町フレンチ 好対照なご夫妻が楽しい 東京浅草 オマージュ
    手の込んだ料理を次々繰りだすマジック・癒し・フレンチ。

5位  新潟で旨い寿司と言ったら  新潟古町 はつね寿司
    このお店も好対照ご夫妻がもてなしてくれます。

6位  大将の誠実さがおいしさに拍車を 福岡 鮨おさむ
    見事な寿司に前歴を訊けばびっくり。ココロで握る寿司。

7位  蕎麦アーティストの面目躍如  茨城牛久 季より
    おいしい蕎麦前、おいしい蕎麦を食べたいなら常磐線牛久へGO

8位  金沢も大輪の花が二つになった 金沢 鮨志の助
    ここもステキご夫妻のおもてなしが待ってます。小松弥助と2店行くべし。

9位  寡黙な寿司職人の奥深い手仕事 芦屋 鮨㐂一
    研究熱心で思わぬ味に遭遇。但し、訊かないと重い口は開かない。

10位 A5肉のかたまりをその場でスライスして焼肉へ 北千住 炙りな
    隠れ家的焼肉屋ですごい肉が待ってる焼肉ラバーは必食の店。

    

マイ★ベストレストラン

1位

小松 弥助 (野町 / 寿司)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2014/11訪問 2015/12/24

【閉店】最後の大台3000件目記念レビューに使わせていただいた小松弥助。森田師の雄姿はもう見ることはできなくなりました(涙)。

【閉店】
とうとうこの日が来てしまいました。森田さんの年齢を考えればいつ引退されてもおかしくない状況でしたので、仕方ありません。85歳まで超人的な活躍をされた森田さんの寿司をもう一度食べたかった、のは事実でしたが。

9月に予約の電話をしたときは、2月くらいにまた会えたらいいなと思って。そうしたら11月いっぱいの予約しか受け付けておらず、12月以降は受付けていないと。この時は、引退閉店のことはおっしゃらず、受付の予定がないと。もちろん予約で満席でした。気が付くのが遅かったことが悔やまれます。

『どう、お寿司、おいしい?』と優しい顔で訊いてくる森田さん。各地の寿司店で、うちにも来てくださいました、と話を聞いたことも稀ではありません。お元気でこれからはお客さんとしてだけでいつまでもお寿司を楽しまれることをお祈り申し上げます。ごちそうさまでした。


(2014年11月 再訪)

森田さんのお寿司が食べたくて予約の電話をしました。

幸運にも2か月先にキャンセルが出て11月の訪問が決まります。それから、飛行機、宿、志の助、乙女寿司の予約をしてから11月が来るのを待ちます。そういうルーチンで金沢旅行が決まります。

ちょうど金曜日でしたので、ここでいただいて翌日は帰京。まさに最後のお楽しみでした。駅から歩いて参上。ロビーでお茶をいただいて待っていると、仕込みが遅れて30分待ってくださいとひとりひとりに奥様自らお詫びをして回る姿にこれが弥助なんだって。

順番に呼ばれ、前回と同じ右側のショートカウンター席に。待っていると森田さんが登場し、ホール内に緊張が走ります。一段とお元気そうで、丁寧にごあいさつをいただきました。ジブンより20歳年上の現役寿司職人です。

おつまみからお願いしました。

①あわび
名物ですね。大き目にカットし、あわびもつゆも全部おいしい。
②うに、赤烏賊の身と耳
最高級のネタ。もうこれ以上はありません、と言ったネタを惜しげもなくどんと提供する流儀です。とにかく凄みのある旨さ。

前回はとなり席が空席だったために話し相手は森田さんでしたが、今回は隣にご夫妻が来ましたのでずっと話をさせていただきました。

それをちゃんと聞き分ける森田師。どんだけ耳がいいの、って驚きました。小倉の天野さんとか駒込の高橋さんとか、誕生日の話などしているとタイミングよく話に入って来られる勘の良さ。サービス精神。器が大きすぎます。全国の寿司職人が集まって勉強に来ると言う小松弥助。今回、頭からしっぽまで堪能させていただきました。

次回はいつ来れるか。早く予約しないとね。

①赤いか
②トロ
③甘海老
④ばい貝
⑤赤身づけ
⑥香箱
⑦やまかけ・うに(白山)
⑧うなぎ手巻き
追加
⑨こはだ
⑩鯵
⑪うに
⑫ねぎとろ
⑬煮はまぐり

満点以外は考えられません。

(2014年4月 初稿)

よくぞ食べた3000軒で、という思いです。

中国赴任を終えて永久帰国した2008年8月。久しぶりに行く八ヶ岳大泉村。毎回気に入った同じ店ばかりに行くのでたまには違う店にでもと思ってPCを開き、そのとき見つけたのが中村農場。近くにありましたが知りませんでした。その中村農場を紹介していたのが、食べログ。それからの付き合いです。

最初は情報を得るばかりでしたが、あまりよく分からないレビューが多いと感じてじゃあジブンが紹介側に回るかって。飽きっぽい性格ですから、まあ100件くらい書いて引退か、それよりも100件続けられるのかあって始まったこのレビュー。

あれから5年8か月。68ヶ月で3000件。1か月平均44件。まあトータルカロリーもすごいでしょうし、書き飛ばした文字数だって。食べログの最多個人件数ではまだまだ上がずっといますが、文字数では断然トップじゃないですか。

ここまで続けられたのも健康に感謝。そして支えていただき叱咤激励してくださった多くの皆様のおかげです、って金メダリストみたいでスミマセン。やはり、レビューへの反応がなくなったら、もうやめる時ですもんね。それは否めません。

ということで、4000件は絶対にいかないでしょうからこれが最後の大台キリ番レビューとなります。どの店にするかは、もちろん候補のお店に行ってその中から選ぶという方法しかないのですが。金沢の小松弥助を指名させていただきます。

寿司が好きで、寿司を目的にした旅行をここ何年か続けてます。金沢にも何回も行って寿司の名店と呼ばれている店にも寄らせていただいておりますが、この小松弥助だけは一度も行ったことがありませんでした。

①小松弥助を評価するだけの寿司の経験がないジブンが行くのは失礼である。
②本当に店主が握ってくれるのか。想像すると年齢から常連客だけ店主が握る?
③予約が取りにくい。

寿司店のレビューも200件を超えて、少なくても経験だけは積みました。

東のすきやばし次郎、西の小松弥助、という言葉から店主は上得意だけ相手すると想像してましたが、とんでもないことが分かります。平日の昼2回制。全部店主が握る!じゃあ、予約は?

駒込にある寿司高はしさんを訪問した時のこと。寿司をいただきながら店主の高橋さんと寿司談義をしていて金沢の話になったんですよ。小松弥助さんに行ったことありますか?って高橋さんに訊かれます。何と高橋さんは弥助さんに20年以上もお客として通っているそうなんです。

予約出来ますよって言われ、2回目の訪問の時にお言葉に甘えてお願いしました。これで弥助に行けるぞ。結局その後金沢に所用ができて、予約の日程を変えなければならず店に電話してオカミサンと話ができ日程変更もOKとなって。

今回の金沢行きは、もう幸運の神が降りて来たとしか思えません。4日間と言う間で、小松弥助、乙女寿司、志の助の名店3軒が希望通りに予約できましたから。

少し緊張しながら店が入っているホテルに着いたのが開店時間の10分前。一応店に顔を入れて到着した旨を伝え、ホテルのロビーで待ちます。オカミサンはいましたね。とても元気な方です。森田店主は見えませんでした。果たしてどんな人物なのか。

ロビーで待っていると、オネエサンがお茶を持ってきます。このサービスもすごいです。時間が来て順番に呼ばれ、右側のショートカウンターに座ります。すでにつけ場に立って下拵えをしている森田さん。

いやあ、これほど元気な方だとは。すごいスピードで仕事をこなしていきます。千葉から来た行列です、とご挨拶。この日ももちろん満席。ジブンの横に座る予定だったお客さんが日時を間違えたと言うことで、この日はゆったりと3人カウンターを独占。

ビールを飲みながらしばし森田師の仕事を眺めてました。最初に入場したテーブル席の客に、先に数貫ずつまとめて握っているようです。終わってから。

『千葉の行列さん。(もう覚えている!)。握りますか。それとも何か召し上がりますか。』とにこやかな顔で訊いてくれます。

『えっと、それでは最初に何かできれば温かいものを1皿ください。そのあとは握りを始めてください。よろしくお願いいたします。』

奥の方に行って何か取って来ましたね。おお、でっかいあわびです。見たこともないすごい厚みのあわび。それをささって瞬く間に包丁でカット。皿に盛って煮汁をかけて、はい、千葉の行列さん、って。なんかカワイイおじいちゃんの感じ。

これがまあ、ばかうま。こんなにおいしいあわび、食べたことがありません。寿司の前にもう感動しちゃって。

希望の握りが始まります。

一度見たら誰でも驚くでしょうねえ。森田師の包丁さばきの速さ。最初はいかととろだったんですが、やや短めの包丁を手にするや、1匹1匹からいかは完全な切り離し。トロは塊から1貫分ずつ切り分けて包丁を入れてのすじ切り。まあ、速い速い。

すっごい運動量でしょうし、速くても正確。こんなに包丁さばきが早い寿司職人、未だかつて見たことがありません。下拵えもご自身でこなしていきます。握りも早いっすねえ。早すぎて、ときどき置いた寿司が倒れることもあるくらい(笑)。お弟子さんが置き直して、皿に乗せて配膳。

いやあ、すごい寿司職人がいるんだと。森田師の雄姿、しっかりと目に焼き付けよう。たとえ年内にまた握ってもらえるにしても。

続いて甘海老。もう市場で一番いいもの、あるいは漁港であがった一番いいものがここに集まったようで、ネタのグレードはどこよりもすごい。現役でずっとやっていて市場関係の買う相手は最初赤ちゃんだったのでしょうから、頭のあがる人物がいるとは思えません(笑)。

煮はまぐり。
ばい貝。
赤身づけ。

一貫一貫に感動。ここで小鉢の登場。何ですかとお訊きして。うにとまぐろのやまかけでした。これがまた絶妙にうまい。陶芸家のこの器がお気に入りのようです。

手巻きうなぎ。
こはだ。
穴子。

鰻は温めて手巻きに。味が濃くてうまし。穴子はゆずと塩で。

これで一通りですが、先に終わったお客さんが追加でオーダーしたねぎとろがめっちゃうまそう。トロの塊からどんどん切り落としていき、そこにたんまりの葱をON。包丁でたたいたものを手巻きで。ジブンも~ってお願いしました。

『はい、千葉の行列さん』っておちゃめに手渡していただきます。案の定、めっちゃうまかったあ。大満足でした。最後にオカミサンが席にいらしてご挨拶され。

ようやくこういう店に来ることができた、と大台到達にふさわしい店であると思ったことでした。

長々と駄文を綴りましたが、おつきあいくださいましてありがとうございます。

今後は少しペースを落として(ほんと?)、3333件を目標にもうひとがんばりする所存です。よろしくお願い申し上げます。

  • 赤身づけ
  • 香箱(雪国)
  • うに

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2位

鮓 きずな (京橋、JR野江、大阪城北詰 / 寿司)

6回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2018/05訪問 2018/05/20

料理、つまみ、握りの豪華競演。味のワイドバラエティがすばらしい大阪京橋の鮓きずな。

大阪に来ています。

大阪遠征の初日の夜はほぼ毎回鮓きずなと決めてます。予約が取れなければ行く日をずらす。予約が取れてから遠征日を決める。それが数年続いてます。

何故これほどきずなの寿司にこだわっているのか。それは、店主の弛まぬ努力の成果=進歩が毎回見て取れるからです。味わいが変わったり調理が変わったり、細かいことで言えば山葵が変わって寿司が変わったり。そのわずかな、微妙な変化はジブンで感じ取るしかありません。継続的に行っている人だけが分かることですから、単発で言ってその場で微分しても傾向はつかめません。

その裏にある大将の努力。ジブンは親しく口をきかせていただいてますから、実はかなり分かってます。と言うのもありますし、変化を感じたらストレートに訊いちゃいますから。食べ歩きなんかの話を披露すると返歌もありますしね。

大将の人柄から明石、淡路、最近では東北北海道のきずなが繋がって市場を通さないネタも多く、もし関西に住んでいたら毎月行くのは当然で年に20回くらい行きそうです。

と言うことで、今回もいろいろな進歩を見つけました。ここには書かないで、ネタばれをしないでお楽しみを奪わないようにします。毎回あっという間の3時間でした。

①ひらあじ棒寿司 
定番からのスタートですが、この皮きりは理にかなってますね。

②あわび、はまぐり、岩海苔
これも定番ですが毎回ノックアウトされます。

③明石産あいなめ
食べるのがもったいない。

④明石産真鯛
同じ真鯛でも全然違うんだなあ、きずなのは。大将の人柄が集めてくるネタ。

⑤宮城産ほうぼう
ジュレ乗せ。ジュレ以外考えられません。

⑥淡路産さわら漬け 和辛子

⑦明石産はりいか(すみいか)
ここ数年で一番旨かったすみいか。

⑧宮城産にしん
この大きさのにしんは初めて食べます。脂が多すぎずベリー旨い。

⑨明石産蛸
これが楽しみで通ってます。

⑩蛍烏賊酢飯リゾット 静岡産あおのり
これは研究して自作する候補

⑪愛知産生とり貝
このドレッシングも研究して自作候補。

⑫明石産焼き穴子
これが楽しみで通ってます。

⑬同上磯辺焼き
宮城産一番海苔

⑭三重産牡蠣
まだ食べれるシアワセ。このでかさ。

⑮銚子産いわしの自家製オイルサージン

⑯千葉産(ありがとう)カツオ 藁焼き、もろみそ

⑰青森産いともずく

握り

①明石産カワハギ 肝がネタの下に仕込まれてます

②さわら 藁いぶし

③淡路産鯵

⑱岡山産しいたけ茶碗蒸し
味が濃いので使う前に少し乾かしていると思ったしいたけ。生のままですって。驚愕。

④塩竃産本マグロ づけ

⑤天草産こはだ

⑥富山産白海老昆布締め
このわた醤油

⑲愛媛産のれそれ
そうめん仕立て

⑦⑧
青森産キタムラサキ
淡路産クロムラサキ
ムラサキ雲丹食べ比べ。すごかった。

⑳赤だし 三重産あおさ

⑨千葉九十九里産(ありがとうございます)煮はまぐり ゼツのピン

⑩ねぎとろ
小松弥助ばりに最後は悶絶死

*淡路産芝海老カステラ
*皮付きべったら



大阪に来ています。

大阪遠征では必ず行く店が1軒だけあって、それが鮓きずなです。きずなの予約が取れたら大阪に行く準備を始める絶対にはずせない店。大将の気配りがすごいです。毎日2交代制であれだけのサービス精神には頭が下がります。そして大将の人柄のよさにほれ込んだ漁師さん、魚屋さんがダイレクトに上物ネタを提供しますからここに来れば旨いモノが喰える。

今回もまた大満足な時間を過ごしました。今年は何回行けるでしょうか。

*瓶ビール

*銚子産鯖棒寿司
 恒例の棒寿司からのスタート。今回は千葉県産からのスタートで、うれしい初経験。酢飯も抜群にうまいんだなあ。

*宍道湖産しじみ+九十九里産はまぐりのスープ。青森県産岩海苔が味を引き締めます。

*明石産ひらめ 身は塩で、えんがわはポン酢ジュレで。

*宮城産さわら一夜漬け、対馬産太刀魚

*明石産すみいか

*明石産蛸柔らか煮
 これも楽しみのひとつです。

*北海道産鱈白子、静岡産青のり

*明石産穴子、宮城産海苔で穴子磯部巻き

*仙鳳趾産大粒牡蠣

*千葉県産カタクチイワシのオイルサーディン

*富山県産ひっさげ

*三重県産赤ナマコ

*青森県産もずく

これより握り。

①明石産かわはぎ昆布締め、中に肝入り

②千葉産さわら藁スモーク

③佐渡産天然ブリ、辛味大根

*椎茸茶碗蒸し

④壱岐産赤身づけ

⑤大間産大トロ

⑥天草産こはだ

⑦愛媛産シラサエビ昆布締め、頭塩焼き

⑧釧路産塩水雲丹

⑨九十九里産煮はまぐり

⑩煮穴子

⑪トロタク、有明産海苔

*カステラ、べったら

⑫鯖棒寿司追加
もし余裕があるならもう一個食べたいとリクエスト。旨い。そうしたら、他のお客さんもわれもわれも。迷惑かけるなよって。


大阪に来ています。

いつものように、大阪に来たら、いや、関西に来たら最初の夜は鮓きずなと決めています。

言い方を変えれば、鮓きずなの予約がとれたらその週に関西へ行くと。このように決めている寿司屋は2軒だけ。一軒は鮓きずなでもう一軒は小松弥助。弥助の予約が入れば一週間金沢に行きます。

定刻入場。満席で一斉スタート。大将にご挨拶して席に座ります。すばらしい料理が次々と

*瓶ビール(エビス)

①鯖棒寿司
これがまたおいしいんです。昼間京都に出かけようと思ったのは、鯖寿司を食べるのが目的だったのですが、そうだ、夜にはきずなで食べれると思って行くのをやめたくらい。シャリもいいんです。今回の鯖は長崎産。

②宍道湖産しじみ、九十九里産はまぐりの貝汁、青森産岩海苔
贅沢な貝汁。岩海苔が入ったことで味のふくらみが半端ないです。

③明石産鯛お造り
きずなで食べる明石鯛は本当に旨い。身と腹の両方の良さが分かるように工夫されて提供される。塩と醤油で分けて食べることもできる。

④ひらめポン酢ジュレ乗せ
ジュレが口の中で溶けるのが快感。こうするとジュレがきっちりと必要な分量を合わせることが出来る。

⑤サワラづけ、和辛子

⑥対馬産太刀魚、皮目炙り
脂がのって旨い太刀魚。

⑦明石産はりいか
こんな厚みのあるはりいか(スミイカ)を食べたのは初めてです。切身を見てましたが、厚みから見ててっきりあおりいかと思ったくらいです。このくらいの厚みがあるとうま味もすっごいわ。

『大将、今日はつまみの数がいつもよりもずっと多いですねえ(笑)。』

『直前になって、いいものがばたばたと入って来ましたので。楽しんで行ってください。』

⑧明石産蛸
この日の蛸も素晴らしいものでした。明石産真鯛と蛸。旨さに酔います。足と頭。こんな食べ方、ここだけ。

*瓶ビール(ハートランド)

⑨鵡川産本ししゃも
オスです。本物を更に手をかけてから一夜干し。これだけうま味を出してくれたら、ししゃもも本望でしょう。

⑩明石産焼き穴子
明石にもう一つ、旨いモノがありました。厚みのあるいい穴子でした。

⑪明石産焼き穴子磯部巻き
穴子の焼きも素晴らしいですが、磯辺焼きの味変もすばらしい。海苔は宮城産。

⑫仙鳳趾(せんぽうし)産蒸し牡蠣
下にシャリが入ってます。仙鳳趾産の中でも特大で、目いっぱい口を開けないと入りません。大きい分うま味も大きい。牡蠣が食べれない人には申し訳ないです。

⑬銚子産いわしオイルサーディン
まだ続きます。

⑭藁燻製の魚2点、八戸産鯖w和辛子、北海道産さんまw肝醤油
この趣向は面白かった。

⑮青森産糸もずく

ここから握りです。もうおなかいっぱいですが(笑)。

①明石産カワハギ昆布締め、肝合わせ

②淡路産あじ

③佐渡産ぶり

⑯しいたけ茶碗蒸し、太刀魚
名物で毎回頂きますが、毎回山椒粉の迫力に驚きます。

④青森竜飛岬産赤身

⑤青森竜飛岬産中トロ

あともう少し握りが続きますが、事情があって今回はここまで。

ご覧のように今回もまた素晴らしいラインナップでした。そして何よりも大将のサービス精神ですね。サービス精神が原動力になってたゆまない研究熱心と食材、酒、調味料集めの情熱は途切れることがありません。

毎月来ることは出来ませんが、今後もかかわっていきたい店のひとつであることに変わりはありません。ありがとうございました。
大阪遠征、初日の夜は恒例の鮓きずな。

今回も近藤劇場の砂被りでライブ感を楽しみつつマイレビュアーさんとおいしいを連発。ここ数年は年に2回もしくは3回のペースで何とか訪問が継続してますが、関西に移住して毎月来たい。あっ、そうすると鮨あらいに毎月行けなくなるか。そのくらい、鮓きずなに惚れこんでいると言うことですね。

アペタイザーの棒寿司に始まり、エンディングのカステラ、べったらまで息を継がせぬ旨いモノの波状攻撃。大車輪、働き過ぎの近藤大将の世界をまたしても思う存分堪能した夜でした。

*瓶ビール

①愛媛産ひら鯵の押し寿司。

②あわびとはまぐり出汁スープ、青森産青のり。

③お造り
1、明石産真鯛
2、アマテカレイ(まこ鰈)、肝醤油
3、アマテカレイ、ポン酢ジュレ
4、太刀魚
5、さわら
6、鰈

*純米吟醸 磯自慢

④明石産蛸

⑤ごまさば

⑥愛知産鰯自家製オイルサーディン

⑦あわび酢飯リゾット風

⑧明石産焼き穴子

⑨仙鳳趾産蒸し牡蠣w酢飯

⑩長崎産剣先烏賊いかソーメン

⑪千葉県産カツオもろ味噌

⑫青森産いともずく

ここで半分、折り返し。

握りです。

⑴淡路産カワハギ、昆布締め、ネタ下に肝

⑵淡路産小鯵

⑶ゴマサバ


⑬岡山産椎茸茶碗蒸し
 山椒粉のインパクトがすっごい。

⑷赤身づけ

⑸中トロ

⑹天草産新子3枚づけ

⑺熊本産天然車海老

⑭赤だし 白身魚骨出汁、三重産あおさ

⑻由良産赤雲丹、鱒子ご飯

⑼九十九里産煮はまぐり

⑽穴子

⑾手巻きトロタク

*カステラ

*べったら

という今回もてんこもりの2時間半。大将とも情報交換できましたし、大将が躊躇していた寿司店も紹介出来ました。

今年2回目でしたが、年内もう一回来れるかなあ?

お礼を言って退店、おなかぱんぱんでした。どこかでエネルギー消費していこう。
2017年4月。関西遠征。

関西遠征の初日の夜は、鮓きずなの1巡目の予約を必ず入れてます。この数年、同じパターンで関西に来ております。

予約困難店になった今でも、ダイヤルを回し続け、何とか初日=鮓きずな、のルーチンは守り続けています。

今回はマイレビュアーさんお二人と一緒に3人での訪問です。

ホールに入って大将にご挨拶。連日、熱い気持ちで握りに調理にもてなしに。そして、食材や酒の調達や調理方法やと。立ち止まることがない近藤大将。

3人並んでカウンター席に。当然?二人の真ん中のプラチナシートにおさまって。お二人とは昨年11月以来5か月ぶりです。

先ずは、お久の乾杯から。

①鯖棒寿司
きずなのスタートは必ず鯖棒寿司。2回制の1回目の予約で行きますから、大将が押し寿司を作るところを見ることが出来ます。出来立て、作り立て。
『ああ、持ち帰りたい。』 隣の席からつぶやきが聞こえてきます。

こんな棒寿司、他で食べたことがありません。酢の〆方、板昆布の使い方、そしてシャリの混ぜご飯。この棒寿司だけを売る会社に投資して立ち上げたい、とガチ思っているワタクシ。大儲けするために?いいえ、毎日好きなだけ食べるため。

②鳴門産あわび、青森産青のり、はまぐり出汁
あわびがやわらかくてふっくら。あわびのための助っ人、青のり、はまぐり。

③明石産真鯛、明石産はりいか(すみいか)

④銚子産サワラの漬け、五島列島産太刀魚の漬け

*日本酒で、ままままま。

⑤明石産蛸煮

⑥はりいか肝ルイべ
これすごい。濃厚な味わいの肝をルイべにして、口の中で溶けていくのを楽しむ趣向。こんな発想の料理があるんだ。チョー忙しい中で楽しむ食べ歩きから学んだとしか思えない大将のクリーンヒット。

⑦富山産ホタルイカの酢飯リゾット風

*日本酒で、まままままま、アゲイン。

⑧明石産焼き穴子

⑨焼き穴子の磯部巻き
海苔が10倍旨い。穴子も2倍旨くなる。

*ちょっとチェイサー瓶ビール
この日のためにお酒我慢してきましたから。

⑩兵庫県産坂越産蒸し牡蠣
これがすっごい。濃厚な味わいが口に入らないほど大きい。

⑪のれそれの素麺

⑫初ガツオ

⑬いかなご釜揚げ九州産もろみ和え

⑭青森産もずく
ここまでが料理で、この後握りが始まります。

握りが始まりました。日本酒でスタートですが、以後基本のお茶で。

①淡路島産かわはぎ、肝は下乗せ
味も決まってますが、食感がいいですね。

*岡山産椎茸の茶碗蒸し

ここまでで、およそ1時間20分経過してます。食べるこちらはず~っと夢見心地。3人で旨い旨いを連発してます。

大将は料理に握りにずっとずっと動き回り。今でも高下駄。提供するたびにそれぞれ丁寧な説明をしてます。この大将とわれわれを包む空間が素晴らしいとマイレビュアーさんから感想が。

②明石産あぶらめ(あいなめ)
昼の島本でも出てきました。翌日もいただきました。瀬戸内では春から夏にかけて旬だそうです。

③千葉産サワラ、スモーク
藁焼きだと思いますが、味が濃くなって実に旨い。

④ギリシャ産本マグロ赤身
いま近海の本マグロが端境期になっていて、数少ない水揚げはほぼ東京で消費されているような状況。という背景はありますが、空輸の生マグロは実に旨い。獲った後の処理が日本流になってきて、欧州産、米国産の本マグロの品質が格段に良くなってます。そん色ない。

⑤同上中トロ漬け
2日間熟成。

⑥天草産こはだ

⑦富山産白エビ

*お椀 あおさ赤だし

⑧香川観音寺産赤貝ごはん

⑨(左)釧路産塩水ばふんうに
⑩(右)淡路由良産黒うに
今の時期、うには食べれるだけありがたいという気持ちで。

⑪九十九里産煮はまぐり

⑫煮穴子
がつんと山椒を利かすきずな流。

⑬銚子産金目鯛

⑭とろたく手巻き
有明一番海苔が主役と思えるほどうまい。
上から食べていくと下からはみ出ないようにお尻にも海苔、のゼイタク。

*カステラ

*べったら漬け

という鮓きずな、でした。すごい店、すごい大将です。関西訪問時には必ず来る!意味がお分かりだと思います。

毎年2回関西遠征。今、今年は3回にしようかと思案中。
(2016年11月 再訪)

4か月ぶりでマイレビュアーさんと行ってきました。

関西遠征の最初の晩は必ず鮓きずなと決めてます。きずなの予約がとれると、飛行機とホテルの予約を入れて、マイレビュアーさんとのアポを取って。

この日も大感激の料理と寿司でした。

未だに進化を続ける大将。この後、どう進化していくのか楽しみです。ごちそうさまでした。

また次回よろしく。

①青森八戸産鯖棒寿司

②岩手産エゾアワビ、青森産岩海苔

③明石鯛 4日間熟成のもの

④明石蛸煮

⑤岡山産あこう ポン酢ジュレ乗せ、わさび

⑥サワラ、太刀魚

⑦北海道産鱈白子、長野産ひらたけ、山椒、青のり

⑧北海道鵡川産本ししゃも

⑨仙鳳趾産牡蠣

⑩愛知産いわしオイルサーディン

⑪明石産穴子、焼き穴子

⑫明石産穴子、宮城産一番海苔と

⑬秋刀魚肝醤油、千葉産鰹もろみ醤油

⑭富山産ブリ 8日間熟成

⑮青森産いとモズク

⑯岡山産しいたけ茶碗蒸し

握り

①明石産かわはぎ

②富山産ぶり

③淡路島産さわら 藁スモーク

④淡路島由良産小あじ

⑤天草産こはだ

⑥大間産中トロ

⑦大間産大トロ(じゃばら)

⑧熊本産しらさえび昆布締め

⑨せこがにご飯、塩水ばふんうに乗せ、明石産すみいか乗せ

⑩九十九里産煮はまぐり

⑪明石産 穴子

⑫とろたく 有明産海苔

*カステラ 淡路産鯛、芝海老すり身

*べったら漬け

(2016年7月 再訪)

しばらくぶり。マイレビュアーさんときずなのエンターテイメントを堪能しました。

ことの発端は今年の5月。岡山遠征中に訪れた鮨 縁でのこと。

『大将、このお店の名前って縁じゃないですか。おなじような店名の店が大阪にあって、きずなって言うんですよ。ワタシが大阪で最も好きで、最も回数の行っている寿司屋さんなんですよ。』

と話を切り出します。そういう名前のお店があるんですねえ、という反応を期待してましたが、何と何と

『先日、きずなの大将がここに来たんですよ。親しくお付き合いさせてもらってます。』

え~、まじですか。宿泊したホテルもそのとき使っていた同じホテル。それじゃあ大阪に飛ばないといけないよ、と言うことで何とか予約がとれて。

久しぶりでしたが、相変わらず大将のパワーはすごいですね。フルスロットル、でも、気配りのすごさは人気の秘密でしょう。そして、次々繰り広げられる酒肴と寿司。感動しましたよ。誘ったマイレビュアーさんが大喜びだったのが一番よかったかな。次回行くのがまた楽しみ。

岡山、大阪、岡山、大阪って毎年の行事にしたいです。

**押し寿司、愛媛産ひらあじ


**剣先いかのイカ素麺、浜名湖産青のり

**お造り。明石産鯛、あこう、あこう芽ネギ巻き、サワラ漬け。

**徳島産太刀魚炙り

**明石産茹で蛸

**梅肉乗せ伝助穴子、ヒラタケ


**仙鳳趾産蒸し牡蠣

**鳴門産とこぶしスモーク

**明石産焼き穴子

**焼き穴子いそべ巻き

**ゴマサバ漬け

**あわび、じゅんさい

**青森県産もずく

①金目鯛 毎度ありがとうございます、千葉県産。

**茶碗蒸し 鮨縁のご当地岡山県産しいたけがたっぷり

②淡路島沼島産小あじ

③塩釜産赤身づけ

④同中トロ

⑤天草産こはだ

⑥淡路産まながつお

**愛知県産とり貝炙り

⑦大分産車海老、芝海老おぼろはさみ

**お椀

⑧うにご飯
 北海道の塩水ばふんうにをその場にいたお客さん人数分のシャリに豪快に混ぜ込んでいきます。
 仕上げに壱岐産赤雲丹を乗せて。

⑨煮ハマグリ 毎度ありがとうございます、九十九里産。

⑩蒸し穴子

⑪トロたく手巻き

**カステラ  鯛、芝海老

**べったら


(2014年12月 再訪)

ダイスキな店です。楽しみにやって来ました。大阪滞在四日目の夜。

元気な大将から元気がもらえます。つまみと握りの質と量。大満足です。大阪に来たら、もう絶対に寄らないとおさまりません。先ずは鮓きずなの予約を入れてから旅行計画の始まり、と行った方がより正確です。

食べたものを書いているだけでもシアワセを感じる店ってそうはありません。毎日でも通いたくて大阪にロングステイしたい。

①しめ鯖押し寿司
お約束の押し寿司でのスタート。最近千葉産鯖を多用しているとのことで、うれしい限りです。

で、つまみが続々登場。天ずしの天野さんがファンなのも頷けるキップの良さ。寿司屋の大将はこうでありたい、のお一人だと思っています。

②蒸しアワビ、芽ねぎ、うに
小松弥助に並ぶ蒸しアワビの旨さ。

③明石産ひらめのエンガワ
④明石産鯛  熟成感がすばらしい。
⑤天然かわはぎ、肝乗せ
⑥太刀魚 ハラミでトロケタ。
⑦明石産蛸 茹であがってもうもうと蛸が湯気を出しているサマ、すごい。
⑧三重産赤ナマコ 処理の方法を教えてもろた。やってみよう。
⑨鱈白子
⑩太刀魚
⑪仙鳳趾(せんぽうし)産蒸し牡蠣 このラインナップはどこの寿司屋にもないでしょう感。
⑫明石産焼き穴子
⑬アワビ肝  ②の肝
⑭香箱蟹寿司 ここでこれが来るかあ。悶絶寸前。
⑮淡路産さわら 自家製醤油?? スモーク感がしびれる
⑯佐渡島天然ぶり
⑰青森産もずく

いやあ、これだけのつまみが出てくる寿司屋って。昼のイタリアンでかなりお腹のスペースが無くなってましたが、こんなに旨いものはどんどん入ってしまいます。寿司も、お酒も。お酒は十四代。

握りが始まります。

①桜鯛(かすこ)
②かわはぎ、肝
③淡路産鯵
④ブリトロ この熟成感もすごい。何日熟成したかは、ここには書きませんが。
―茶碗蒸し たちうお、岡山産しいたけ
⑤中トロ とろける、から、トロ
⑥ぶりトロ
⑦天草産こはだ
⑧しらさ海老 本当にうまい海老です。関東にはほとんど来てませんね。関西ならでは。
⑨しらさ海老頭 焼いて。こっちも絶品。
⑩明石産甲烏賊
―お椀 あおさ
⑪ばふんうに
⑫閖上産赤貝 この大きさの閖上産は久しぶり。海は戻ってるんですね。
⑬金目鯛
⑭煮はまぐり ここで2番目の千葉産
⑮長崎産煮穴子

ネタ箱に有次の銘を発見。ジブン、魚の包丁は有次なんです。三枚もまともにはおろせませんが。そして、山葵のおろし金を置台までも有次の特製だということで、先輩ってありがたいですね。

とか、いろいろ話ながら握ってもらいます。最高の癒されタイム、リアルおもてなし。

⑯トロタク 手巻き
―カステラ

トロタク、うま~でしたが、朝、遊香さんがこはだ巻きもええよと教えてくれたんで、早速のこはだ巻き。

⑰こはだ巻き
さっぱりと旨い。海苔が利いていてこれはやみつきの序章か。

―べったら

海苔うまいですね、と言ったら、海苔の食べ比べ。最近替えたそうですが、やっぱり新しい方が断然旨い。佐賀産ですか?と訊いたら違いますって。お店に行って訊いてみてください。

で、つまみ17皿にぎり17貫。ず~~~~っとシアワセ時間でした。

(2014年6月 初稿)

大阪に来ています。

初日の夕食は京橋の鮓きずなで。日曜日の夜に営業している貴重な寿司店です。寿司や料理の写真が際立っておいしそうでしたので、最初の夜はここって決めて予約してました。

店は京橋の賑やかな商店街の一番奥の方の路地にありました。目立たない店ですので、ナビなしでは通り過ぎていたかもしれません。店に入ってアプローチを進むとL字カウンターが眩しい店内へ入ってきます。どうぞこちらへ、という店主の導きで席に座ります。

おつまみも食べたいおまかせで、と声を掛けて着席。お店のことをいろいろお訊きします。冒頭から驚きました。小倉の天ずし、店主の天野さんと親交があるそうです。へええ。そして金沢の小松弥助さんとも。

何も知らないで予約をしましたが、全国のトップレベルのお店ってなんだかの繋がりがあるんですね。すべては天野さんの面倒見の良さが発端だとはおもいますが。たのしみです。

最初は、次々に瀬戸内、九州の肴が出されます。特に、明石産の蛸、鯛は群を抜いておいしいです。

『気のせいか、東京で食べる明石蛸や明石鯛よりもずっとおいしいんですが。気のせいですよね。』と店主にフリマス。

笑いながら、それは気のせいですと。しかし、食べながら話を進めていくと、東京に売られていったものとは全く違うことが分かってきました。お店で食べた明石産の魚介って市場を経由して来たものではないんですね。地元の漁師さんから直接仕入れる。独自のルートで最高の仕入れをする。

そういうことを知らずに来てますが、食べると一発で分かります。兎に角、味が濃厚。最後に食事の値段を聞いてびっくりしました。天野さんがこの店に来る理由が分かりますよ。一発目にいきなり金脈を掘り当てました。

料理、アテ。
①鳴門産とこぶし&海老
②淡路島産真鯵押し寿司
③明石産鯛
④明石産あいなめ
⑤まこがれい
⑥長崎産たちうお
⑦長崎産たちうお、腹部
⑧明石産蛸
⑨明石産伝助穴子
⑩明石産焼き穴子
⑪徳島産あわび肝西京漬け
⑫徳島産蒸しあわび
⑬淡路島産さわら、中トロ
⑭青森県産もずく

握り
①淡路島産きす昆布締め
②かすご鯛白板昆布
*原木椎茸茶碗蒸し
③淡路島産鯵
④淡路島産まぐろヅケ
⑤淡路島産トロ
⑥こはだ
⑦牡蠣
⑧富山産白海老
⑨大分産天然車海老
⑩とり貝
⑪しまあじ
⑫金目鯛昆布締め
*お椀
⑬九十九里産煮はまぐり
⑭羅臼産ばふんうに
⑮むらさきうに
*穴子
⑯玉子焼き
*べったら

写真でお分かりかと思いますが、このクオリティとこのボリュームはすごいと思います。★5にしなかった理由は何にもないんですけどね。まあ、素晴らしい店です。

  • (説明なし)
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3位

リストランテ ラ チャウ (田町、三田、芝浦ふ頭 / イタリアン、フレンチ、ワインバー)

2回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2017/07訪問 2017/09/05

ピエモンテの風は吹いていたかって?もちろん、吹いていましたぜ、ラ・チャウ。

マイレビュアーさんのお誕生会をラチャウで行いました。

料理、接客、雰囲気と三拍子そろった店ですので、ここなら絶対に安心です。絶対にゲストが喜んでくれます。自信があります。今回も料理はおまかせで、ワインは料理に合わせたペアリングでお願いしました。

終わってみれば何と3時間半のお誕生会。よく食べてよく呑んでよく笑って。お疲れさまでした。

そして、この後、馬渡さんが修業したピエモンテ州のラ・チャウ・デル・トルナヴェントへワタクシはるばる日本から食べにいたときに、偶然ラチャウから派遣されていたアヤさんと現地でお会いして。彼女が数年ぶり?に帰国してラチャウの第二ブランド店のマネージャーをしていると聞いて、会いに行きました。

という二部制のお誕生会でありました。

*泡でカンパイ

*チーズ、生ハムの前菜
ブラータチーズと熟成14か月のサンダニエーレプロシュートの組み合わせ。黄金率です。
一気に心はピエモンテへぶっ飛んで。

*自家製パン

*白ワイン ランゲ ピエモンテのDOCG

*仔牛のもも肉 鶏レバー アンチョビソース、玉子ソース
ちゃんと合う白ワインがサーブされていて、さすがです。

*白ワイン ランゲ ラルトロ2015

*チッポラ リピエーナ ピエモンテ郷土料理でラチャウのスペシャルテ
玉ねぎの中にサルシッチャが入っている料理。馬渡さんがお出まししてポルチーニをぶっかけます。
数年前は通いすぎてすっかり味に飽きてしまい、しばらくはパスさせてもらってました。
久しぶりでいただいたら、うまい(笑)。

チーズはウォッシュのタレッジョとゴルゴンゾーラ。聞いただけでもその濃厚な味わいが。
トップにはヘーゼルなどのナッツ類。

*パスタ サルシッチャ、茄子
ラチャウのスパゲッティ、最高!って吠えたくなります。
これが食べたくてラチャウに通っているようなもの。

*赤ワイン ドルチェット・ダルバ2013

*リゾット ポルチーニ
ラチャウのリゾット、最高!って吠えたくなります。
これが食べたくてラチャウに通っているようなもの。

*赤ワイン バルバレスコ サント・ステファノ2012

*アニョロッティ デル プリン
鳥の巣に模した藁の器の上に肉詰めのラビオリが乗ってます。馬渡さんの修業先であるピエモンテ州にある本家ラチャウのスペシャルティで、現地では藁ではなく、ヘイ(干し草)を使って、その香りが強烈でした。
肉ラビオリ、うまし。

*メイン 霧島牛のロースト 岩手めんこい黒毛牛いちぼ ナッツ 
アートな一皿。うまさに思わず顔を見合わせる瞬間。

*デザートワイン

*お誕生プレート
おめでとうございます。
しゅわしゅわでカンパイ

*ドルチェ盛り合わせ

っつう誕生会でした。



(2016年8月 再訪)

マイレビュアーさんのハッピーバースデー。ピエモンテ料理と江戸前寿司のどちらがいいですかと訊いたところ、おまかせしますとの答え。それでは、両方しましょうと言うことで予約の関係から

最初に ラチャウで 1日空けて
2回目は 鮨あらい

と言うことになりました。

ラチャウは前回もマイレビュアーさんの誕生会でそれからまだ日数もそれほど経ってなく、ほぼ同じ内容でした。が、マイレビュアーさんは大満足でしたのでやはりラチャウにしてよかったなと。この日いただいたものを記します。

*アミューズ ホワイトレディ―種とうもろこしのパンナコッタ

*パプリカのローストのポテサラ包み アンチョビ&ケッパー、仔牛のもも肉のツナソース包み、タラとジャガイモのサラダ

*キジ肉のアンチョビソース&卵ソース

*第一のパスタ 桃とマリネ野菜のカッペリーニ

*第二のパスタ フレッシュポルチーニのタリオリーニ

*第三のパスタ ヤリイカ、枝豆、からすみのリゾット

*メイン 蝦夷鹿のサマートリュフ ジャガイモのピューレ添え

店内の照明が少し暗くなって ハッピーバースデーツーユー♪

*バースデープレート

*デザート オールスター 内容は、マンゴーアイス、レモンソルベ、パンナコッタ、エスプレッソプリン、ガトーショコラ。

と、今回の方がメニューの内容が詳細なのは、一部マイレビュアーさんのをコピペしてるので。さすが、ちゃんとメモしてますね。

と言うことで、またまたラチャウでワタシもハッピーな時間でした。


(2016年7月 再訪)

マイレビュアーさんのハッピーバースデーをラチャウで行いました。

おいしい料理とおいしいワイン。何よりもマイレビュアーさんが超弩気に入ってくれてよかったです。

馬渡シェフの料理、久しぶりになってしまいましたが、どれも本当においしい。クセになります。後をひきます。ということで、マイレビュアーさんの中で誕生月の人がいなかったか懸命に思い出して。あっ、いた~。早速誕生祝に予約をいれました(笑)。この日いただいたものを列記します。ワインはペアリングでお願いしました。

*アミューズ ホワイトレディ―種とうもろこしのパンナコッタ

*前菜 牛肉のパテの上に玉ねぎ乗せ、仔牛肉サラダ、イタリアンポテサラ

*きじ肉トリュフ乗せ

*第一のパスタ するめ味の冷製魚介カッペリーニ

*第二のパスタ サルシッチャラグーソースの温製パスタ

*第三のパスタ  枝豆のリゾット

*メイン サマーエゾジカ

店内の照明が少し暗くなって ハッピーバースデーツーユー♪

*バースデープレート

*デザート オールスター

馬渡シェフ、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

あやさんが帰国すると聞いて、また楽しみがひとつ増えます。

(2015年9月 再訪)

マイレビュアーさんのハッピーバースデイにラチャウにお呼びしました。

この日のランチの予約が満席だったために、馬渡さんに相談して、13時に店に入ってカウンター席に空きができるまで呑む計画でしたが到着した時には既にテーブル席を空けて待っていてくれました。

料理はお任せで、ワインは料理とのペアリングといつもと同様です。泡をのんでいるとソムリエさんが来て、この日の料理の内容を最初から最後までメモを見ながらスラスラと説明してくれます。

『ブログに載せないから、そのメモ見せてくださいよ。』

もう顔なじみのソムリエさんにおねだり。そのメモの秘密分かりました(笑)。シェフがイタリア語で書いてあるんですね。

突き出しは、ジャガイモスープと夏トリュフ。こういうものも得意な馬渡シェフ。久しぶりにイタリアに行って帰って来たばかりです。修業時代の常連さんやら村の歓迎やらで、ピエモンテ ラチャウで4日間食事したそうですが。

『他の店にも行きたかったあ(笑)。』

もうあちらでは、モテモテなんで仕方ないですね。

*アミューズ トリュフ、ジャガイモ

*前菜 生ハム、パテ、コンフィ、リエットなど競演

*フォアグラ、リンゴ、ルッコラ

*旬の野菜のバーニャカウダ

*最初のパスタ、ラムのラグーのタリオリーニ。完璧。

*2番目のパスタ。数種類のチーズのニョッキ。今まで経験したことがない味と食感。ヘーゼルナッツもいいね。お代わりしたかった。

*魚のメインは、真鯛。アメリケーヌソースをじゃぶじゃぶつけて。いつものようにシェフ登場でトリュフかけ。いいんですかって思うほどすってすってすって。いつもありがとうございます。

*肉のメインは、霧島豚トリュフ乗せと牛のほほ肉パイ包み。

*そして、突然ホールの照明が落とされてハッピーバースデーツーユー。

マイレビュアーさんの誕生日祝い。ワイン呑みが止まらないので時間がかかり、飴細工が湿気を吸ってダウン(笑)。

*最後のデザートはこの日のオールスター、ちょっとずつ。

*カプチーノもちゃんとハッピーバースデイ。

長時間にわたり、おいしい料理とワイン。お店のホスピタルティとシェフの心遣いに感謝の言葉しかありませんでした。


(2014年11月 再訪)

マイレビュアーさんにハッピーバースデーをしていただきました。

何歳になってもうれしいものです。

この日のお料理もすばらしいものの連続で、楽しい、おいしい時間は3時間半も続きました。マイレビュアーさん、馬渡シェフ、ソムリエさん、そして同じ時間に居合わせたお客様、たいへんありがとうございました。

マイレビュアーさんお二人の内、一人は呑める女性の典型酒豪、もうひとかたは呑めない女性の典型下戸。申し訳ありませんでしたが、ノンアルを呑んでいる彼女を横目に二人で料理に合わせてもらったワインを最初から最後まで楽しんで。

最初の皿は、生ハム、サラミ、コッパ盛り合わせ。毎回、どんどんおいしくなるような感じです。

前菜のあでやかさは毎回感心します。へしこいわしのマリネ、仔牛モモ肉ツナソース、鱈のミルク煮、鶏レバー・フォアグラテリーヌ、トマトのマリネなど。トリュフがけのチポラリピーナをいただいたあとは、パスタ2種とリゾットで。シアワセ時間がずっと続きます。

ポルチーニ茸とうさぎのラグーのタリオニーニ。スルメイカ、いいだこ、海老のタリアテッレ。グラナパダーノ、タレッジョ、ゴルゴンゾーラのリゾット。いつもながら、ラチャウのパスタ、リゾットはめちゃうまですね。そしてメインは鹿肉でした。それから、バースデーの式典が始まります(笑)。

飴を糸状に伸ばして作ったタワー。グラスの中にはベリーのソルベが入っていて、シャンパンをつぎます。きれいな色に変わったところでかんぱ~い、おめでとう。そして、デザート盛り合わせにローソクを立ててふ~。ぱちぱちぱち。お客さんからも温かい声をかけていただきました。

(2014年7月 再訪)

この日はマイレビュアーさんお二人にピエモンテ料理を楽しんでいただこうと。

三人で食事するのは、浅草のオマージュ、本郷の蕎麦切森のに続いて3回目です。ワタクシにとってフレンチのオマージュとイタリアンのラ・チャウは絶対に喜んでいただける鉄板ですので。

田町駅で落ち合ってぶらぶら歩き。情報交換をしながら店へ向かいます。この日も暑かったですね。二人の女性同様ワタクシまでが傘をさしてましたから。

お店に入って。今日はグループ客が二組入るセッティングになってました。メニューは、絶対におすすめのシェフのおまかせ(3980円)。

この日のコースは、今までいただいてきたコースでは質量ともに最高でしたね。あくまでおまかせですから、その日によっていろいろありますが、とにかくすごいと思いました。お二人も十分満足されたようで何よりよかった。

ソムリエ君から好き嫌いやリクエストを訊かれますが、ここで一言言ったためにシェフの闘争心に火をつけたかな(笑)。前回いただいた中で、ちょっとこれはと言うのがありました、って正直に伝えました。もちろんお店のためにですが。

そしてこの日は食事の前にシェフがテーブルまで来てくださいました。ソムリエ君から話を聞いたかもしれませんね。

コースには一杯つきますので、泡、泡、ブラッドオレンジジュースでかんぱ~い。OJが入ると画がきれいです。今写真を見ると、まさに両手に花の座るポジションだったんですね。

二人のうちのひとりはお酒を召し上がらず、もうひとかたはめっぽうお酒好き(笑)です。白のボトルを選んでもらいました。

話をしているとソムリエ君がキッチンから食材を持ってきました。

『生のポルチーニです。』

うああ、でっかい。前回来たときにマイレビュアーさんと生ポルチーニのサラダが食べたいね、って話をしてました。彼女がいたら、サラダにしてくださいって絶対に言ってたでしょう。

さて、最初の前菜。うあ~、すっげえ。華やかなデザインと選りすぐりの食材。サラミ、プロシュート、天使の海老、真鯛、蛸、帆立。これだけでもう大満足です。まあ3万円のコース相当ですね。お二人にはいい日に来てもらいました。

そして、ジャージー牛のカルパッチョ。あれれ、また馬渡シェフがキッチンから出てきましたと。ああ、手にはトリュフ。カルパッチョのサマートリュフ掛けですね。いっぱいかけてもらいました。この肉の旨さは破格ですね。

そして、最初のパスタです。桃の冷製カッペリーニ。ジブン、冷製パスタっておいしいと思ったことがなかったのですが、初めて旨い!と思ったのがラ・チャウでした。まだ移転する前のことですね。その時、馬渡シェフの感性に惚れて、2013年には馬渡さんの修業先であるピエモンテのラ・チャウまで行ったくらいです。

この桃のカッペリーニも最高でした。桃がおいしいのは当然ですが、フレッシュトマトと完璧に融合してますね。この組み合わせでこんな味が創出できるなんて。ジブンにはとうてい不可能な味の創出と思いました。

まだ続きます。

ボトルが空いたのでソムリエ君おすすめの赤をいただきます。これもおいしかった。

2番目のパスタは、アニョロッティ・デル・プリン。これも、今までで一番旨かったと思いました。藁を使いながらピエモンテのヘイ(干し草)の香しさを彷彿させると言うアイデア。風味にパンチがあってアニョロッティ自体もうまかったです。

そろそろメインかなと思っていると、またまたソムリエ君がキッチンから何か持って来ました。おおお。

オーブン焼きにした羊肉ですね。まあ見事です。ああ、ポルチーニもここで使うんですね。すごいことになってきました。これをもう一度キッチンにもどして切り分け、ウツクシイお姿で登場です。もう見ただけでテンション上がりますね。肉は大きい塊を焼くと本当にうまい。ポルチーニ、ごっつあんです。シェブールまで添えてあります。この皿の満足度も極限近く。

おなかいっぱいになりました。ベツバラデザートへ突入。デザートもオールスターラインナップ。至れり尽くせりでした。また誰か誘って来よう、とすぐに思いました。しあわせ~なひととき。楽しい会話がはずみ、至福の時間。シェフ、いつもありがとうございます。

そしてオナカイッパイになったワタシタチ。次の店へレッツGO。

後日談。

ご一緒したマイレビュアーさんから連絡が入り、

ありがとうございました。
ラグーサマーポルチーニのタリオリーニが抜けてます。

って。ジブンも食べたのかなあ(笑)。写真がありません。
彼女がUPしたら写真を拝借して追加します。


(2014年6月 再訪)

ラチャウも久しぶりになっちゃいました。

そう言えば、ピエモンテ州で会ったAyaさんはそろそろ帰国してるんじゃないかな。店の予約を入れてからAyaさんにメール。返信が来て、まだイタリアで頑張っていることが分かりました。ピエモンテでお待ちしてます、なんて言われると本気にしますよ。

馬渡さんに会うのが1年ぶりになっちゃったとは。マイレビュアーさんを誘っていそいそと出かけます。ピエモンテで撮った写真も焼き増しをして携行することに。話が早いですからね。

実に気分のいいシェフ、馬渡さんは何も変わってなく歓迎されます。食事の前にいろいろ話をしました。Ayaさんが一時帰国したときの彼女のイタリア語の上達にはびっくりしたそうです。そして、彼女の将来のこともきっちりと考えていることを話していただきました。そういう信頼関係でおいしい時間をお客さんに提供し続けていくんですね。

馬渡さんの指導を受けたシェフが会津若松でお店をやっていることを教えていただき、機会があれば是非ご挨拶に伺いたいと思ってます。

さて、料理はシェフおまかせコース(3980円)。ワンドリンク付きですが、二人ともスプマンテで。他にリクエストがありますかと訊かれ、

チーズを詰めたアニョロッティデルプリン 藁の香りと共に

を入れてください、と。最後のラテアートは、彼女にはハートを、ジブンには馬渡シェフのイラストをお願いしました。

カンパイの後、前菜1はハム、ソーセージの盛り合わせ。いつ来てもビューティフルな前菜仕立てで。続いて前菜2。更に華やかさを増して。少しずつですが、めっちゃ楽しめます。岩手産の帆立が一番かな。

3番目の皿が、ピエモンテの郷土料理チポラリピーナ。この中に入っている玉葱とパンチェッタの組合せがばつぐんですね。

次の皿は、岩手産ジャージー牛の炙り。これがメインでもおかしくないな、なんて言いながら。どうしてこんなおいしい楽しい料理が4000円で食べられるのに、足が遠ざかっていたのか。とても悔やまれます。

1番目のパスタ。蛸とオクラのペペロンチーニ。蛸からこんなコクのあるスープがとれるんですか?ラチャウのパスタはどれもおいしい。パスタランチ1300円。こいつでパスタをごっつりと食べる手はありますね。頻繁に来て。

そして2番目のパスタが、アニョロッティデルプリン。ピエモンテの郷土料理で、やはり現地仕様のヘイの巣の匂いが強烈なやつをもう一度食べたい。パスタは繊細でこっちのほうが好きかな。

リゾットは、うああ、ピエモンテ産生ポルチーニ入り。香りが強烈で、ピエモンテで食べたポルチーニ茸のサラダを思い出します。前回食べたチーズリゾットもおいしいですが、これも最高です。

メインは豚肉。脂身がおいしいいい肉です。味付けにヴィネガーが使われていて、こういう味は初めてでした。

最後のデザートもがっつり。

このクオリティと値段。また会いに行かなくっちゃ。


(2013年6月 再訪)

イタリア・ピエモンテ州にあるラチャウ・トルナヴェント。ミラノ旅行の最大の楽しみだったトルナヴェントでのディナー。実際行ってみると、それは想像以上にすばらしいものでした。ミラノに出発する前にラチャウで食事をして馬渡シェフに今度行きます、と告げていました。

この日は、行ってきたことの報告の日。実際同行した方と一緒に予約をしての訪問です。席に着いて、すぐに馬渡さんがテーブルに来てくださいました。スタッフが言ってくれたのでしょう。

じゃ~ん。トルナヴェントで馬渡さんが修業といいますか、一緒にお店を立ち上げた盟友、今でも一線で頑張っているオーナーシェフのマウリさん(Maurilio Garolaさん)。マウリさんとスタッフ全員で厨房での記念撮影が、翌朝のハプニングでした。ラチャウ田町からトルナヴェントで現在修業しているアヤさんからのサプライズプレゼントです。その写真を馬渡さんに渡しました。アヤさんの気持ちも入っている全員での記念写真。

受け取った馬渡さん、一瞬沈黙があってしばし写真に見入ってました。

『いやあ、懐かしいです。なんだか、うるうるしちゃいます。』

当時、マウリさんと苦労しながら店を立ち上げていったのでしょう。その時の苦労を思い出したのか。誰も分からないご本人の苦労。マウリさんも、何かとZIOCHI、ZIOCHIとワタシタチに話しかけてきたのです。思いは繋がっています。馬渡さんの本名は、TSUYOSHIです。しばし、馬渡さんを囲んで話をしました。その訪問時のことを記した食べログの日記をコピーして持参しようと思いながら、前の日のオフ会で飲みすぎ、忘れました。次回、お渡しします。

さて、この日のお料理。いつものCコースですが、スタッフから何か注文はありますか、と訊かれ、そりゃあもう食べたいのは、

チーズを詰めたアニョロッティデルプリン 藁の香りと共に

この料理のオリジンをトルナヴェントで食べて来ましたから、比べて食べたくなるのは人情でしょう。ランチですから、出来るかどうかはシェフに訊いてくださいと言います。前段のシェフとの話の中で、トルナヴェントで食べた

Plin di Seirass raviori stuffed with ricotta cheese surrounded by a nest of hay of May
5月の干し草の巣で囲まれたリコッタチーズ入りのラヴィオリ

このお料理の素晴らしさ、感激したことは伝えてあります。

さて、スプマンテで食事のスタートです。

先ずは、前菜。いつもながらきれいですね。生ハム、ジェリー寄せがおいしいです。そして、この日は短角牛のモモ肉でした。添えてあるチーズは、グラナ・パダーノという名前だそうでピエモンテ産。塩気が効果的でした。

続いては前回もいただいてとってもおいしかったロースト玉ねぎの詰め物チーズ掛けです。チポラリピーナと言うんだそうです。

次に出てきたのが最初のパスタ。

ピエモンテ州クーネオ産ポルチーニ茸とウサギのタリオリーニ 

このタリオリーニがめちゃめちゃ旨いです。パスタの旨さは随一ですね。大好きです。ポルチーニも生きてましたし、これウサギなんですね。居ながらにしてピエモンテの風が味わえる。

そして、じゃ~ん、藁に囲まれたアニョロッティデルプリンです。

藁と干し草。これはもう干し草の勝ちです。しょうがありません。あっちは正真正銘の田舎ですから。ラヴィオリはラチャウ田町の勝ちです。断然うまいです。風味、柔らかさ、食感、味とどれをとっても田町馬渡シェフの勝ち。よかったです、食べることが出来て。

そして、メインはキジの肉でした。これまた絶品です。フォアグラと一緒に食べると天国に行けます。量がいですねえ。ピエモンテだったらこの3倍でてくるでしょう。そして、デザートのダブルヘッダー。何もかも大満足なランチでありました。

馬渡シェフを描いたラテアート。同行者はさすがに飲めませんでしたね。サンキュウでした。

ピエモンテ日記をコピーして、また訪問しましょ。


(2013年4月 再訪)

ラチャウが移転して初めての訪問。同じ田町駅からすぐの場所に移転したんですね。以前は駅前からちょっと歩いて右に行ったのが今度は左に。東京で何軒かイタリアンの人気店に行きましたが、もっとも好きな味のラチャウ。予約した時から楽しみでした。

田町駅で首尾よく落ち合ってお店に向かいます。川を越えて左折、また川を越えて右折。すぐに見つけました、ブルーのシェードにラチャウの文字も鮮やかなお店の入口。ここから地下に降りて行き重厚な扉を開けると天国が待ってます。

今までのお店と雰囲気がガラリ変わりましたね。そっか、グループ客が一緒でなくなり、大勢様は別室になったのですね。マダムさんのはしゃいだ笑い声が聞けなくなり、カップルには朗報でしょう。さて、今日のお料理はどんなのが用意されているでしょう。

前回めちゃめちゃおいしかったランチのおまかせコース。でもオナカイッパイだったので、軽いパスタコースというのもあります。しかし、あの盛り沢山なCコースが4000円しませんから。食べられるかなあという同行の方の心配はご無用。絶対にここではCコースでシェフの料理を堪能しましょうよ。食べられない分は助けますから、と後押しして馬渡ワールドに突入します。絶対に後悔させませんから。

元気のいいスタッフ。元気はいいのですが、お料理の説明になると途端にトーンを落として秘密めいた話し方をします。ので、だめだめ。今日は全部聞こえるまで何回でも質問します。さいわいマダムさんの嬌声も聞こえませんので。前回はすごかったねえ。

Cコースは飲み物付き。ソフトドリンクとジブンはスパークリングで乾杯です。楽しみだなあ。

前菜。ここからが素晴らしいコースの全開ですね。同じような価格設定のお店に行っても、ここまでのクオリティとクウォンティティの前菜ってそうはないですよ。一番目立つ大判のソーセージがラチャウでは一番好きなモルタデッラ。これピスタチオが入っているソーセージでめちゃめちゃ旨いっす。ね、ちゃんと説明聞いているでしょ。他省略ですが、パテも気合入ってますね。バルサミコで味付けした玉ねぎが乗ってました。

いやあ、今日は馬渡シェフの登場が早いです。どうもどうも。今日もおいしくいただいてます。スマイルがステキなこの方がめっちゃおいしい料理を作るんです。

『馬渡さん。へへ。今度、ラチャウTornaventoに行くんですよ。予約が取れたんです。』

La Ciau Tornaventoはピエモンテ州にある一つ星レストランで馬渡さんの修業先。La Ciauのレストラン名もここから来ています。多分、4冬か5冬過ごした想い出の土地。絶対にうらやましがると思って、へへ、言ってしまいました。少しその話をして。今度帰って来たらまた報告にきますよ。

次のお料理がまた訊かないと分からない一品です。なんですか、これ?これ、中にローストした玉ねぎとかサルシッチャとかが入っていて、グラナ・バターノチーズとかゴルゴンゾーラとかかけられているんだそうです。まあこれがうまいのなんの。この位の量ならいいのですが、本家ではどうなんでしょう。心配がよぎります。

パスタはタリオリーニ。駿河湾の桜海老とドライトマトが入ってます。またこれも旨さにしびれてしまいます。パスタランチのメニューを見てもこれは入っておりませんので、やっぱりここではCコースだね、と顔を見合わせほくそ笑んでいました。

そして、リゾット。赤ワインで煮たリゾットで牛肉のラグーソースがかけられてます。スタッフはこのへんから分量を聞いてくれますので、食べたいだけの量をリクエスト。ジブンはノーマルに、同行の方は少な目で。まだメインを食べていないのに、めっちゃおなか一杯ですが、ノーマルにしてよかった。パスタもおいしいですが、リゾットも最高やね。

そして、メイン。量のリクエストは二人とも、リゾットと同じで。鹿肉肩ロースの赤ワインマスタード粒ソース、バルサミコソース。イタリア直輸入ホワイトアスパラ。同行の方が半分にした量がそのままこっちに来たようで。肉は当然として、アスパラがめっちゃうまいね。東京の有名スーパーならイタリア産売っているんかな。フランスに行ったときアスパラが出始めだったので、季節が巡って来たことを実感します。

デザートは完璧ですね。もう食べられない、とおっしゃっていた目の前に座っている方はぺろりと完食。デザートの量を訊かれたときにノーマルにして正解でしたね。カプチーノはラテアートのハート。このハート、ピエモンテで再会できるでしょうか。いやあ旨かった。La Ciau Tornaventoでのディナー楽しみです。


(2012年8月 初稿)

東京田町に来ています。

キリ番レビューにリキムほど力を入れているワタクシ。100軒ごと、と言いますとだいたい2ヶ月ピッチになりますので、もっとお楽しみを増やそうぜ、って毎月イベントをしたいと。なら、50件区切りでやればいいじゃん、ということで、本稿が1950件目。

前から襲撃したかったこのイタリアン。引き金は、東京でイタリアン、フレンチをはじめ旨いところばっか行っている仲良し6人がこのお店をターゲットにしたことです。行って食べておいいしい、という事実よりももっと注目したのは、このお店に行こう、と決めたこと。

イナカから東京の動向を見ていると、レビュー数がめっちゃ多い店がたくさんあって、どうして多いのかがいつも気になります。たいていは、(当然ですが)行き易い!このお店も200件以上のレビューがありますが、斜めヨミで50件くらいスキャンすると、お店の魅力は、

①うまい
②CPのよさ、接客のよさ
③シェフひむせるふ

そうなんだ。まあ、そのうちに、と思っていたら、あららら、有名なレビュアーさんが6人で仲良く行っているじゃあありませんか。その方たちが行くお店、必ずしもワタクシ、全部が全部行きたいと思いませんが。むしろ値段や場所を考えると興味のないお店のほうが多いです。このお店に集合とは、ナニカアル。ニオッテ来ました。じゃあおいらにも行かせろ、って予約の電話を入れて、その日まで待っておりました。はい、特別レビューと銘打っておりますので、食べるまでが長いイントロです。まだまだ、食べさせませんよ。

で、やっぱり予約の時には、人数は2人で、と言いますな。そんで、今回もMさんにお相手をしていただきました。ありがとうございました。

ちょっと雨交じりのこの日。何とか首尾よく二人でお店にやって来ました。お店は準備中ですね。テラス席のシェードの下であまやどり、兼開店待ちをしております。するとですなあ、マダム6人がぺちゃくちゃやりながらお店のほうにやってきて、ドアの前に来ましたよ。

まだ開店時間前だべ。おいらのほうが先に来ちょるけい、割り込みはいかんよ、と熱波光線を送っていたところ、あれま、ドアを開けて入っていっちゃいました。まあ、さすがマダムパワーですね。まだ時間前でしたが、じゃあこっちも入ろうか、ってゆっくりとライスシャワーなしのリーディングロードを進みます。

いい感じの店内です。そうですね、イタリアやフランスの田舎にあるレストランのような居心地のいい空気感があります。イタリアの田舎ってシエナやピサくらいしか行ったことありませんが、プロバンスではこのお店と良く似た食堂は何軒か行ったことがあります。お店の魅力④には、“雰囲気”をアッドしたい。

接客の男子もイケメンを揃えておりますので、マダムがはしゃいでいる気持ちが分かります。奥の方の二人用のテーブルに案内されます。壁側の席にMさんに座ってもらいましたが、ジブンが座ったほうからはジブンが影になって写真がNGになってしまいます。で、場所交換。写真が一番大事な食べログレビューであります。

メニューはもう頭に入ってます。パスタランチのほか、A,B,Cコースがあって狙いはやっぱり馬渡シェフおまかせコースのCでしょう。3780円ですが、みなさんが口を揃えてCPバツグンなんて言っているコースです。このCコースだけは、ワンドリンクがサービスとなりますので、ラ・チャウでの記念すべき一口目はただドリンクになるわけですね。二人ともCコースでお願いしました。さっそく、ビール、いただきました。

うっめ~し、ってギンヒエのグラスビール。店内を見渡すと9分の入り。先ほどのマダム連合はテンション高くいいですねえ。

料理の前にビールがなくなりました。ちゃんと訊きに来てくれます。泡のあとですが、泡が飲みたい、と申し上げて、泡の種類は問わず。セレクションの中から選んでいただいたものでスタートです。

1皿目から大好きなものが出て来ましたよ。サンダニエーレ・プロシュートと真鯛のカルパッチョ。トマトとチーズが添えられていて、濃厚プロシュートを引き立たせています。泡に手を伸ばしながらいただくサンダニエーレ。いつの日か、この生ハムを10枚くらいいちどきにがっついてみたい。少ないからおいしいのではなく、おいしからおいしい、の証明がしたい。

自家製のパンもきっちりうまい。さて、次に登場は豚ヒレ肉のコンフィのサマートリュフ添えと高松から参戦のヒシコイワシ。ちょっと前にラーメンを食べたときにコンフィのチャーシューを食べてことがありますが、低温調理って味が新鮮ですね。噛み応えとじゅわ~っと出てくる旨みジュースがとっても新鮮。こんな簡単な調理法が普及しないのが不思議ちゃんです。

白ワインのチョー詳しい説明をしてくれます。へ~え、と思いながらもお店から出るとすべて記憶喪失するという特技を持ち合わせていて、ここで披露できないのが残念であります。このお店の唯一の短所は料理間のインターバル時間が永い、とここは評判がいまいちでしたが、ここまではそんなことは全く感じませんでした。お店から出るまで、ストレスフリーでしたよ。

次の皿がまたまた楽しませてくれましたよ。コーンスープのサマートリュフ添え。コーンだけの甘味がすばらしいスープなんですが、これなんかは絶対に自作したいですね。トリュフも大活躍。コーンスープの中にいろいろな分析不能なものが入っていてこれが味を引き締めているんです。うまいなあ。あと3倍くらいほしいよ。

お次は、Mさんがいつも一番大好きだと言っている冷製カッペリーニでした。これ、二人で顔を見合わせたくらい、まじ旨なカッペリーニで、ワタクシも過去こんなに旨いものを食べたことはありません。ワレワレが来ると知っていて出してきたような。食べるのがもったいないほど旨い。オクラやトマトも丁度良い味、丁度良い量で参戦してますよ。この辺が調理する人の感性なんでしょう。まあこの細さでこの食感は感動ものでした。

なんて噂をしていたら、なんてこったい。馬渡シェフがご挨拶に来るではありませんか。へ~え、こんな方だったんですか。親しみ易くとても腰の低い方です。街ですれ違っても絶対に分からないでしょうね。人のよさそ~な笑顔でお客さんに挨拶されてますが、厨房ではさぞかし厳しいシェフなんでしょうね。今日のお料理は、ピエモンテの風がびゅんびゅん吹いてますよ、って感想を述べました。これから、ですって、もっとすごくなるのは。

それじゃあ、赤ワインもお願いして。このワインも数奇な運命を背負って生まれたワインですが、それがナンなのか、訊かないでください。忘れてます。

お料理の方は続きまして、タリオリーニです。ピエモンテで人気のパスタだそうですよ。手打平打ち麺です。ソースがうさぎ肉のラグーソース。薄めの味付けで、パスタの小麦の風味を楽しめるように設計されているかのよう。こういう料理なんですね、ピエモンテ。絶対に行きたくなっちゃいました。豊かな食材でシンプルな料理、という印象を受けました。プロバンスの12ヶ月というピーター・メイルのイタリア版で、ピエモンテの12ヶ月 by 行列、 というのはどうなんだろう。各出版社からのお申し出を受付中です。ここまででは、二人ともカッペリーニが今日一です。

お次は、リゾットです。これもピエモンテで典型的な、と言われるリゾットだそうですが、使われているチーズがゴルゴンゾーラとピエモンテのチーズ。このリゾット、初めて食べる濃厚な味のリゾットにまたまた二人で顔を見合わせちゃいます。旨すぎる。お米が微妙に食感が残っていて、米とチーズがこれほど合うとは初めての実感です。このリゾットで、ジブンの今日一はリゾットに栄誉が。Mさんは、依然カッペリーニのままです。

まあ、なんというお店でしょう。ここまでで、まだメイン料理が出ていないんですよ。スタッフの接客のよさやシェフがやりくりをして2度目のご挨拶にいらしたり。なんて気持ちよく食事が出来るお店なんでしょうね。スタッフから次の料理がアナウンスされました。

シャラン鴨とフォアグラのフィナンツアーラソース

なんですか、それって。内臓を煮込んだソースで、とさか、が入ってましたよ。こんなに柔らかくてゼラチン質なんですね。見た目は、まんまの鶏のとさか。どうする?食べたらうめ~よ。内臓やソースもおいしゅうございましたが、鴨やフォアグラがやっぱり主役の味してますね。最後までテンションを下げない料理の連続でございました。料理にうるさい食いしん坊ばんざいさんたちをストーカーして、ずばりいかったです。思惑通りと申しますか。

しめの5点盛りデザート。飲物。

これがラ・チャウでいただいたすべてです。3780円です。とうてい信じられません。感謝の気持ちをこめて精算しておりましたら、馬渡シェフと本日2度目のご対面。どう見ても隣に住んでいるおっちゃんにしか見えない馬渡シェフが繰り出すイタリアンマジック。

ピエモンテの風、びゅんびゅん吹いてました。


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4位

オマージュ (浅草(つくばEXP)、浅草(東武・都営・メトロ) / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2015/04訪問 2015/04/27

浅草にあるフレンチのオマージュ。6つの難関をクリアするポテンシャルの高さで2015年度も★獲得。

(2015年4月 再訪)

10か月ぶりのオマージュです。マイレビュアーさんのハッピーバースデーのリクエストを訊いたら、オマージュと言うことでしたので予約して行ってきました。マイレビュアーさん二人との3人で浅草フレンチ。

また一段とパワーアップしたと感じた料理の数々。オマージュが初めてと言うお二人が喜んでいたのも分かりますね。2時間半の大満足なランチでした。

かんぱ~い、の後はアミューズから幕が上がり。

*パプリカとあおさ海苔のサブレ エルダーフラワーが味の変化をもたらすクリームで。

*クロケット、サラミ、いわし、春巻風、田楽風 最初の前菜は小品をちょっとずつ。コースによってポンデケージョとクロケットが変わる?こんな細かい作業を毎日毎日続けるシェフって。前菜の一皿をボンと置く店とは一線を画し。そう言えばオリーブもなかったな。

*生うにジュレ この日のスペシャルティで追加料金。ウニが大好きと言うマイレビュアーさんで、一も二もなくオーダー。これが大当たりでした。うにを引き立たせるジュレがまた秀逸。シェフの感性をまざまざと感じる皿でした。

*フルートトマト、黒トリュフ、ケッパー、生クリーム 飴の円盤の上には野菜、それを割りながらいただく中はフルーツトマトをメインに生クリーム仕立てのソースで食べる。マイレビュアーさんはトマトが苦手ということで代わりに出てきた1皿。上にはラディッシュのサラダになっていて、中は生からすみ。こっちがよかった、両方食べたいなど議論百出。

*新玉ねぎ 同じ素材で調理方法を変えてその味わい、風味を楽しむ趣向。玉ねぎの七変化には驚きました。皿にペイントしてるのはヨーグルトソース。黒く見えるのは、玉ねぎのグリル。

*宮城産鮎魚女(あいなめ) 鮎魚女ももちろんおいしいですが、付け合わせのブイヤベースソースで煮込んだスペルト小麦のリゾット風が旨い。パンには上質なオリーブオイルを合わせたり、リゾット風が出てきたり、イタリアンとの接近もダイスキ。

*天草梅ポーク、フォアグラ、うるい うるいの葉をめくるとフォアグラソテーが見えてテンションマックス。ソースの力もありますが、こうなるとビーフ<ポークになりますね。きょういちでした。

*バースデープレート 喜んでいただけました。

*デセール、イチゴ
*小菓子 フィナンシェ、ミニマカロン
*コーヒー、ハーブティー

また明日にでも行きたくなるシアワセ時間。あれ?このコースには小桜のかりんとうが出ませんね。じゃあ、帰りに寄って買って行きましょう。

(2014年6月 再訪)

今回はオマージュデビューの女性おふたりとステキ浅草の散策&食べ&呑み&カラオケ(笑)。

まずは浅草駅から出発して仲見世に。ジブンは少し早く来て0次会がありましたが、それはまた次で。この日も仲見世は世界からの観光客や修学旅行生で溢れてました。浅草寺の常香炉で煙をかぶり、そこから左に舵を切って花やしきに向かいます。

花やしきでゴンドラを見上げたのちに5656会館を横目で見てオマージュに到着。珍しく一番乗りで左奥のテーブルに案内されます。こちらに座るのは初めてですので、うれしくて記念撮影。

お二人はお酒を呑まれない方と酒豪の方の組合せ。申し訳ありませんと言いながら、酒豪さんにワインの選択をお願いします。いいワインでした。1本では足りないお顔でしたが、ここでは我慢していただき、このあとホッピー通りへご案内しました(笑)。

たいていお料理の名前があやふやで内容が分かるジブンネーミングもありますが、今回はこの後すぐに大阪に飛び、リアルタイムでレビューしたためこのレビューが遅れに遅れました。従いまして、既にレビューされている酒豪さんのブログをコピペでごめんなさいです(笑)。こんど、お酒で穴埋めさせていただきます。

まずはカンパイの後、定番のオリーブをアテにしばし談笑で。

今回は趣向が変わって、ずらずらアミューズが繰り出せれます。これがとても新鮮で、おいしくて、にこにこが止まりません。

赤ピーマンのムースと豆乳のブランマンジェ。こちらは写真で緑の方ですが、上には枝豆と枝豆のソースがかけられてます。豆乳と枝豆、相性がよくないわけがありませんね。でも手間がかかりますから、オマージュのシェフ以外手を出す人はいないでしょう(笑)。とことんやり遂げるシェフの姿勢に惚れてます。

定番のポンデケージョには生ハムが乗ってますね。お初です。お二人の歓迎でしょう。そしてライスコロッケまでも。温かい料理がありがたいです。サラミの上にはヘーゼルナッツを乗せて。

とうもろこしのスープです。甘くてとてもおいしいスープです。が、そこはオマージュ。それだけでは終わらせない。スープは2層になっていて、上はトウモロコシスープ、下は黒ゴマのジュレ。そしてトウモロコシスープの上からはヘーゼルナッツクリームが。もうすごい、としか言いようがありません。

ランチはダブルメインで、魚の方はイサキ。上には海老のトースト。帆立と芝海老の上に新じゃがを乗せてローストする手間が入ってますが、それだけに旨さも格別。泡状のソースはウイキョウとアサリでとったソースから。

肉の方は、鶏肉のバロンティーヌ。鶏肉に詰め物をした料理という意味だそうです。詰め物はフォアグラとあおさのり。下町フレンチの面目躍如です。これらの手の込んだ料理が一皿いくらだと思いますか。

デザートは、雷おこし風味のブラマンジェ、レモンクリームクレープと金柑アイス、小桜さんのかりんとう、生チョコでした。

まあ、三人とも大満足。ワタクシが何故か鼻高々で(笑)。

お店を出るときにシェフと奥様とで話ができました。そして、記念写真をパチリ。

かくして、浅草ジャーニーは次のお店へGO。


(2013年8月 再訪)

久々となったオマージュ。マイレビュアーさんと待ち合わせて行ってきました。

初めてですね。同行の方がジブンよりもずっと浅草にくわしいことって。いろいろ教えていただきました。いろいろ知っているとその土地がずっとジブンに近づいて来て、いつもと違った景色に見える。そんなこと、サン・テグジュペリが言ってませんでしたか。

“愛、それはただ互いに見つめ合うことではなく、ふたりが同じ方向を見つめることである。”とか言っているでしょ。どうも待ち合わせからサン・テグジュペリが回想されていたんですよ。

“きみが夕方の四時に来るなら、ぼくは三時から嬉しくなってくる。そこから時間が進めば進むほど、どんどん嬉しくなってくる。そうしてとうとう四時になるともう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして、幸福のありがたさを身にしみて思う。”

オマージュに着いたのが開店1分前。おしゃべりしながらも、帳尻はぴったり合わせてきました。この日まさかの予約が取れて、ランチの3800円のコースをお願いしてました。1か月前のことですけど。

今回もまあ出て来る料理、全部が全部、めちゃめちゃおいしかったです。料理の名前を聞いて想像する味を見事に超えてくるシェフの独創性。調理の細やかさ。純フレンチではなく、和15%仏50%オリジン35%みたいな。技はフレンチですが、この豊かな独創性ってすごい。

料理の度にあまりのおいしさにおもわず目と目を合わせて何回にんまりしたことか。帰りに出口で見送ってくださったシェフと奥様には、料理のおいしさへのお礼を申し上げると同時に、同行の女性との距離がぐんと縮まってこれからそれを確かめに行ってきます、と言ったくらい。浅草でいとは、このお店の予約を取ることから始められたほうがよろしいと。

*アミューズ・ブーシュ
カンパイをして、いつもの熱々ポンデケージョをいただきます。何回食べても絶品ですね。そして、フォアグラのフラン。料理は仕掛けがいろいろあります。スプーンで宝物をさがしつつ。うめええ、と山羊になって合唱。

*ビシソワーズ
地鶏のコンソメのジュレ
奥様から丁寧な説明を受けますが、聞いているときは100%理解していても、紙に書こうと思った瞬間、聞いたことが霧散してしまいます。おいしければいいよね、って二人で言い訳のしあっこ。

*高知産金目鯛松笠焼き
ムールのジュと枝豆のクーリー
めっちゃおいしい金目でした。うろこを逆立ててかりかりに。ここでテンションマックスに。枝豆のクーリーもばっちり効いてました。

*岩手産地養鶏のロティ
ローリエのジュ
おいおい、どこからこの木株の皿持ってきたんだ、とまず器のインパクトですね。やってくれます。これもたくさん説明をいただきました。メモしてありますが、まちがったこと書くよりも書かない方がいいかなって。

*デザート
最後まで喜ばせていただきました。3年連続★ですが、どこまで進化していくんでしょうか。人の良さがお顔に出ているシェフを見ていると、無限大の可能性を感じます。ごちそうさまでした。


(2013年2月 再訪)

ランチの予約が取れましたので、再訪しました。

お店に入ったのは正午。マダム、スタッフのみなさまに温かく迎えられて2階へ。テーブルはすべて埋まってます。予約していたのでそこだけは空いています。二人で着席。テーブルの上には既に用意されていたこの日のメニューが置かれていました。魚と肉も含んだプリフィックスランチです。

飲み物のメニューを持ってきたのはマダム。ご一緒した女性は飲めないということでソフトドリンクを、ジブンはオマージュでビールいいですか?あわてて急いで来ましたので。理由を知っているので温かいほほえみ返しです。

ソフトドリンクとビールという不思議組み合わせでようやく乾杯までこぎつけました。経緯は最後で。つきだしのオリーブとポンデゲージョを間に置いてアイスブレーク。話が弾みます。このオリーブの産地はラングドック。へ~え、そうなんですか。アミューズブーシュは2品。

フルーツトマトとコンソメジュレを合わせ、上にお化粧でカリカリな板状のキャラメライズされたものを乗せ。もうひとつが、フォアグラのフラン。このあたりからオマージュの世界にどんどん引き込まれていきます。

トピナンブール(菊芋)のヴルーテは、思わず目と目を合わすほっこりふわふわな味。思わず笑いが出てしまうおいしさって。前回来た時も、お~し、オイラも自作してみよう、と思って絶対近づけなかったヴルーテ。ここに来てシェフのをいただくのが一番やね。自家製のクルトンだって、この味、この大きさ、この数がピンポイントなんでしょ。

銚子産ホウボウのポアレ ジュ・ド・ポアソンでは、ホウボウの味が際立ってました。魚のポアレ、そんなに多くの経験はありませんが、ここまでのは初めて。焼きはもちろん完璧でしょうし、ソースがどれだけ主役を引き立たせるかしみじみ思ったことでした。フレンチはソースなんて聞いたことはありますが、実感。つぼみ菜、自家製のセミドライトマト、プチベールが更に料理に凄みを与えてました。

春菊のソース。魚の骨のソースは、まったく塩を入れていないというのが不思議な塩梅のいい味に驚嘆するばかり。手が込んで、手が入って。どれだけ根気が続くシェフなんでしょう、と今回も性格判断したくなりますよ。

イモ豚肩ロースのロースト、のほうは逆に魚に株を奪われた感じで肉の旨味やNA醤の味わいがホウボウの余韻を消すのに難しいくらいでした。これだけ高いポテンシャルの肉料理が前の皿の引きずりを許すという魚料理の素晴らしさを特記しておきたいと思いました。

デザートはリンゴのデクリネゾン。変化、と意味だそうです。リンゴチップを天使の羽根のように使い、その下にアイスクリーム、その下にクリームケーキと焼きリンゴ。リンゴ尽くしです。そして最後は、小菓子。小桜のかりんとう、人形焼フィギュアマドレーヌ、やげんぼりの乗ったチョコ。

シアワセ時間をいただきました。1人前でよかったあ。

待ち合わせを決めていた場所にご一緒する人が現れないというハプニング。携帯、ははん、家に忘れているな。連絡が取れないのでとりあえずお店には30分遅れると連絡しておきます。もうあきらめて、今日は2人分食べれるな、しめしめと思って店に向かって歩きはじめます。間もなく携帯が震え、お連れの方がお見えになったます。え~~~!急いで、速歩でお店に向かったため、いやあ、喉が渇きました。

お料理、ちゃんと満足できるように1人前は1人前なんですね。帰り際、シェフのお見送り。この方が、あの繊細で手の込んだ料理を、毎日毎日作っているんですね。

『とってもおいしくて。また幸せな時間をいただきました。あの手のかかるお料理。シェフはご自身ではSではなくてMと考えることありませんか?』究極のインタビューです。まあ、答えがすばらしい。けど、公にしないほうがいいような直截的ワードで。絶対的ファンになりました。


(2012年11月 初稿)

キリ番レビューの21回目。2100軒目のお店になりました。

ここまでレビューしたお店の数が増えてくると、書き手、読み手にとってキリ番の緊張感がゆるみがちだと思いますが、少なくとも書き手であるジブンは特別なお店を特別な思いで書く、ということには変わりありません。100軒目、500軒目、1000軒目、2000軒目と同じように、

熱い気持ちをお店に、読み手に伝えたい。

キリ番レビューの歴史がジブンの食べログ史であると思っております。いつもは行けないところやお店、いつもは食べられないお料理。

夢枕に閻魔大王が登場。
なあオマエ、オマエの命もあと21日。一日一食だけ好きなものを食べさせてあげよう。命が尽きる前に。どこで何が食べたいか申せ。

と言われたら、間違いなく食べログで刻んできたキリ番のお店21軒で食事をさせてくれえ、と言います。それだけ、自分にとってキリ番のお店はスペシャルなものなんです。今回も素敵な出会いがありました。

浅草には永年通い続けているアドバンテージを生かして、最近、浅草の美味しい店シリーズを走らせております。洋食、天麩羅、大学芋、肉まん、粟ぜんざい、とまずは目玉のお店を取り上げて、浅草通のはしくれであるアピールをしていたのが、ここオマージュとの出会いの伏線になったのでは、と今思ってます。浅草案内ならジブンにまかせなさい、みたいな。

ある日、毎回千葉オフ会UB会でお世話になっているうめばらももさんからランチのお誘いが。お店の名前がオマージュ、場所が浅草。あれま、やだよ。オマージュという名前のレストランが浅草にあることを知らないワタクス。これじゃあ、浅草通ライクも返上だし。いやあ、とってもうれしいお誘いですから万難を排して行くのは当然でありましょう。

行けなくなる可能性もありますよ、と脅かされましたが、それはこっちではなく向こうのこと。都合が悪くなったらドタキャンしますから、とも言われました。オマージュのことをすぐさま調べたら、ミシュランの一つ星。これは、ドタキャンはないな。絶対に行くはず、のつもりで浅草ガイドツアーのことも少し考えておかなきゃあ。浅草に行ってオマージュで食べて、はい、解散、という場所ではありません。時間の許す限り、お腹の許す限り、浅草の魅力を伝えましょう。

浅草駅での待ち合わせ時間が、予約してあると言う時間の直前です。ものすごい早歩きで行くような時間を言われました。これも、ただお店に行けばいいっつうもんでもありませぬ。お店に行く道中で何軒か紹介もしたい。浅草寺に来て、常香爐の煙を頭や顔にかけないとか、お賽銭をあげてお祈りしないとか、それはもう、ありえません。どんなに急いでいても、浅草ではやっていただきたい。

約束に時間に首尾よく会えました。そんなわけで、行きすがら何軒かのお店を紹介します。もちろん外観をみて、ガイドするだけです。雷門をくぐると人が多過ぎて歩くにも歩けませんから、雷門をくぐってすぐ脇道に入り、宝蔵門のところまで来て門をくぐります。こうすれば、常香爐で煙をかけられますし、お賽銭もあげられる。その後は一直線でお店を急襲。

ジブン、お誘いを受けてから1度オマージュの前に来てます。本番の日には道を間違えず、一発で来る必要がありますので、できたら下見をすると。機会があって、そうすることができました。お店は周囲の様子とは異質の外観を誇るコンクリ打ちっぱなしのモダンクール。ふたりでその前に立ちました。ドタキャン、ないない。

1階のクロークで荷物を預けて2階に案内されます。13時を少しまわってました。ラストオーダーまで20分。余裕でした?2階は外観とは異質な木を使った温かな空間が用意されてました。L字型に配置されたテーブル席。既にわれわれ以外は食事をスタートさせています。静かです。話をするよりも食べる方に専念しているかのような雰囲気。おれらも早く仲間入りしたい。

手わたされたメニュー。3800円!!か6300円ですよ。6300円になると魚と肉の両方が出てきますが、二人いることだし、3800円のコースでそれぞれ肉と魚をチョイスして半分ずつ食べることに。このランチのあとも控えてますので、少ないくらいがいいんです。お飲み物はと訊かれ、2種類の赤ワインを頼みました。

◎突出し的アミューズブーシュ
お店の定番だそうですが、オリーブが素敵スティックに刺さって。ポンデケージョをうめえうめえと食べていよいよ始まるなあ的気分になります。もちもち好きのももさんが、スマイルすることすること。このあとも、スマイルしっぱなしで、二人でうめえうめえを連呼してます。二人とも、初オマージュ、初ミシュラン。ワインが食欲を引き上げてきて。

◎アミューズ2種
フォアグラのフラン 葡萄のジュレ
茄子のピュレ 秋鮭のリエット

とってもシンプルに見えるのですが、作るのは大変だろうな。そんな思いを起こさせるアミューズ。既に素材の種類は両手で数えられないほどでしょう。フォアグラのフラン。

フランがいい。田舎者ですから、もっとくれ~的発想しかできませんが、これひとつとってもシェフのすごさが伝わってきます。あとでミシュランの採点の項目を調べると、なるほど、それぞれの項目で高い完成度を感じました。

◎マッシュルームのヴルーテ フランス産栗とノワゼットのクリーム
これが今日一だったかなあ。ヴルーテの旨味とクリームの濃厚さ。マッシュルームの風味。栗とヘーゼルナッツの刺激。こういう料理が出来るんですねえ。これはびっくらぽんのおいしさでした。ここ何年のベストワンと言ってもいいくらいの出色の出来。あまりに感激して、直後にマッシュルームスープを自作したくらい。もっと旨くするために、フードプロセッサーも買ったくらい(日記参照)。

マッシュルームクリームスープが、泡とともにふわとろ。ふわふわとろとろ。いやだなあ、もう、の逸品でした。フレンチトーストが箸休めの豪華さ。

◎冷製奥美濃古地鶏のドーブ セップ茸のクリーム
このテリーヌも複雑な味でこれだけの旨味を出すための苦労が、労力が透けて見えてきます。フレンチってすごい。セップ茸ってポルチーニですよね。濃厚なクリームで、この変化の山谷や味の深さには驚嘆です。

◎スパイシーなパン粉を纏った蝦夷鹿シンタマ ソース・ポワヴラード
メインの肉は蝦夷鹿でした。ちょっとジミな外見。目の前で食べている魚が豪華なセッティングゥに比べれば、メインらしからぬジミー大西。シンタマってもも肉の種類で、ウチモモの下にあって球状なので芯玉って言うそうです。肉肉してて、いい味してますね。しかし、魚の勝ち。

◎洋梨のイル・フロッタント スパイシーなキャラメルのスープ仕立て
フレンチの定番デザート。島、浮いている、ということで、スープがまわりを囲んでます。言ってしまえば大人の味。おいしいですが、これも目の前で食べているデザートの勝ち。この日はチョイスは全敗でした。ま、ガイドはでしゃばっちゃあいけませんぜ。

珈琲と小菓子。このスプーンがほしい。人形焼のマドレーヌは店のスペシャリティ。これから訪問する小桜のかりんとうも登場でした。

これで、全幕の終了。お客さんは二人だけで全員退場してます。余韻を味わい。お料理の素晴らしさ、というより、凄み。ミシュランが評価するという、「素材の鮮度と品質」「調理技術の高さ」「オリジナリティー」「コストパフォーマンス」「常にクオリティーを保つ料理全体の一貫性」「味付けの完成度」。この6項目クリアはもちろんのこと、深く印象に残ったのは、美意識。食の感性とアートなこころ。

選び抜かれた食材。完成度の高い調理技術。それを美的に見せる、魅せる。満足なランチでした。

ひとつだけココロ残りがありました。何であのとき、次回の予約を入れなかったのか。

これが、2100軒目に選ばれたオマージュです。いつもレビューを応援していただき、感謝いたします。また、2200件に向かってがんばっていきたいと考えます。

                            2012.11.4
                                   (G)

  • (説明なし)
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5位

はつね寿司 本店 (新潟、白山 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2014/10訪問 2014/11/04

2700件目のキリ番だったはつね寿司。感激もあらたに第三章です。

(2014年10月 再訪)

新潟旅行の5日目の夜。

古町の海老の髭で呑んでました。今回の旅行もいよいよ翌朝再び高速バスで帰京します。

海老の髭の後もう一軒どこかに寄って行こうとは最初から考えてました。

さあて、どの店でフィナーレにするか。その店なら一番行きたい店に行けばいいんじゃない、って天使のささやきが。
そうだよ、一番行きたい店に行けばいいんだよ。じゃあ、一番の店って?

そりゃあ文句なし、はつね寿司ですよ。そっか、もう一回行ってもいいんだ。と思って海老の店から電話しました。席は用意できるけど少し時間が遅くなるということで、いやあいつまでも待てますよ。じゃあこの時間に来てくださいと言うことで再びはつね寿司の極上が食べれます。

この日は奥様もいてちょうどご挨拶もできました。月曜日に行って再び木曜日に戻って来ましたから、最初からネタの大きな入れ替わりはないことは百も承知で来てます。この日は、つまみなしで握りだけをおまかせでいただきました。ほとんど重複しますので個々の評は致しませんが、最後に食べた穴キュウ。よかったですよ。

南蛮海老の昆布締め

①佐渡産アラ
②赤いか
③真鯛
④本鮪赤身
⑤本鮪中トロ
⑥こはだ
⑦赤貝
⑧赤貝ひも
⑨わらさ藁焼き
⑩穴キュウ

これで心置きなく新潟を離れることが出来ます。

5泊6日の食べ旅行の総決算は、


寿司      5軒(6回)
ラーメン    4軒
居酒屋     3軒
回転寿司    1軒
健康ドリンク  1軒
イタリアン   1軒
オイスターバー 1軒
アイスクリーム 1軒

でした。宿泊のホテルメッツ新潟は部屋が広くて快適。

このあとはお土産のお店が続きます。

おつかれ~。


(2014年10月 再訪)

今回の新潟旅行で最も期待していた二軒のお店の内の一軒がここ、はつね寿司。

ちょうど昨年の10月以来1年ぶりの再訪となりました。

前回の訪問時には、あまりお店の情報を持たずに行きましたので寿司やアテの質に大変驚きました。いままで新潟で食べる寿司のイメージとは全く相いれないまさに手の込んだ江戸前寿司。

こういうお店が正しく評価されずに埋もっていて、食べログの評価も当時はあまり高くなく。新潟のレビュアーはもっとがんばるべきやで、と思ったことでした。当然★5とし、2700件目のキリ番レビューの重責を担っていただきました。

寿司の写真を見ていただければ他店とどう違うかは一目瞭然でしょう。寿司に品があります。品がある寿司は旨い。なぜなら、品を生み出す努力を握りにも注いでいるからです。そんな背景ですから、大きな期待をもって店に向かいました。

定刻開店。

この日はおかみさんが所用と言うことで既に予約が入っていた2組3人だけ。ゆっくりご主人と話もできて、素晴らしいひとときを過ごすことが出来ました。料理と寿司のおまかせでお願いしました。とにかく、このお店にあるものは全部食べたい。

①南蛮海老の昆布締め
アイスブレークのアミューズからがつんと来ましたね。何もしなくても上質で旨味の強い南蛮海老を昆布締めできましたか。もう食べるのがもったいないほど、うまみが口中に広がります。石川で食べる甘海老よりもなお旨味が強い感じ。

②あら、真鯛、しめさば、ばい貝
お造りが順番に出てきます。一番おいしいところがちょっとずつという贅沢さ。どのネタも甲乙つけがたく、普段あまり呑まない日本酒がすすみます。そうでした、ここは酒どころ新潟です。しめさばもばい貝も最高品質です。
仕込みも全然違う感じですし、ネタのカットがうまさを助長させますね。

③さんまのワタ焼き
むふふのおいしさ。これは家に戻ったら絶対に自作しますよ。こういう食べ方があるんですね。

④真鱈の白子
⑤鰤藁炙り、生七味
⑥焼き穴子
もう大好きなモノのオンパレード。白子、鰤、穴子をどう手を加えればいちばんおいしくなるのか、それを知り尽くした調理です。他店のものとは当然差が出ます。仕込みにかける手間と時間。シアワセです。キリ番にしたことを誇りに思ったくらいです。

それでは握りに移りましょうか。

①赤いか
②まこがれい
鳥取産の赤いかからスタート。ねっとり甘味がでていて、このカットも旨さの下支えになってますね。シャリも大好き。

③本鮪赤身
④本鮪中トロ
どちらも、それぞれの良さがでていて、こうやって食べ比べのように続けて食べるのがいいですね。赤身と言ってもトロに近い部分のようで、煮切りヅケの味が強すぎるなんて愚は絶対におかしません。この2貫だと赤身の方がウマイ、と感じる人の方が多いんじゃないでしょうか。

⑤こはだ
⑥閖上産赤貝
こはだは〆かたが旨さを倍加させてますね。赤貝は香りが強く、三太夫、世は満足じゃと言いたいシーンです。

⑦鯵
⑧生いくら
⑨ばふんうに
⑧⑨のスペシャル軍艦を見てください。高さが倍あります。海苔の最後の半分にするカットをしないで、2倍の幅で使ってます。そして、シャリは同じ。つまり、いくらとうにが通常の2倍以上乗っていると言うことなんです。

『どうして、このような軍艦にするのですか?』

『この方がおいしいですから。』

なんですよ。寿司職人として、いつもそう考えて仕入れ、下拵え、握りをしているんですね。こういう風に先行レビューに書いてあって予備知識で入りたい店でした。偶然知ったからよかったものの。

⑩煮穴子
つまみで焼き穴子が出てきました。握りはちゃんと考えていて、煮穴子。うま~です。

ここで一通りと言うことでした。料理から握りの最後の一貫まで緊張の糸を感じる素晴らしい出来栄え。大満足だったことは言うまでもありません。帰りたくないので、とろたくを追加でお願いしました。

次回はいつ来れるかなあ。ジブンの足で来れる元気なうちにまた来たいお店です。


(2013年10月 初稿)

新潟市に来ています。

新潟滞在の最終日。この日、昼は前の日のつながりでことぶき寿司でいただき、夜のはつね寿司がますます楽しみになりました。亀田からホテルがある本町に戻って来ましたが、まだ夕食までは時間があります。今考えるとちょっと信じられないのですが、車を置いてそのまま青島食堂西堀店に行きます。おいしい青島ラーメンに舌鼓を打ち。新潟ラーメン、うますぎるなあ。

気分も落ち着いてホテルの部屋で一休み。今回新潟の寿司ツアーは、このはつね寿司の写真を見たのがきっかけでした。おいしそうな寿司の写真が並べられています。新潟には江戸前寿司のお店が少なくて、という先入観がありましたが、こういうお店もあるんだと思って一度食べてみたい。

お店の開店時間に合わせてホテルを出発。店舗情報で開店10分前から店の前に立ちました。開店時間になってもお店が開く様子もなく。お店に電話をすると中からおかみさんが出てきて、今日は18時開店だと言われます。全然構いません。普段は17時半らしいのですが、連休明けで仕込みの量が多く、30分ずらすとのことでした。

お店のすぐ近くにコーヒーショップがあり自家焙煎のようなので30分そこにいておいしい淹れたてコーヒーを楽しみ、残りの時間はウォーキング。時間になったので再びお店に戻り入店です。

こじんまりとした店内は清潔感が溢れてます。すがすがしい気持ちになります。先客がすでにカウンターにひとりいて、始めてます。常連さんのようですね。そのあと、ずっと二人の時間が続きましたので、いろいろ話をさせていただきました。お寿司にも造詣が深くおもしろい話をたくさん聞けました。

つけ場にいる店主はまだお若く、しかしその後話をすると、しっかりとした技術と客との距離感に秀でていることがわかり、しばしおいしい寿司の時間を楽しむことができました。厳選したネタの良さ、シャリのおいしさ、が基本にありますので、居心地の良さと聞いて驚いた値段も併せると、こんな寿司店がまだ日本にあったのかとネットでも拾い切れていない名店に巡りあった喜びを感じます。

写真撮影の許可をいただき、ブログに書きたい旨を話します。隣にいた常連さんからは、出来ればそっとしておいてほしい気持ちもあります、と言われます。よ~く分かります。逆の立場ならジブンもそう言いかねませんが。

ワタシの姿勢は一貫して、いいお店をいっぱい紹介して、読者の方においしいものを食べてひとときシアワセな時間を過ごしてほしい、それだけです。ですから、ジブンも含めてほとんどの方が行く機会のない2万円だ3万円だを払って、おいしいを連発するようなお店をレビューする気持ちは全くありません。トップページのプロフィールには、過去のレビューの値段別グラフがありますが、1000円以下が一番多い事実が目で見て分かります。

さて、ビールをお願いしてから、少し切っていただくことに。お酒も飲みませんし、お寿司をメインにしたいので少しだけお願いします、と。

お通しの白子のあとは、佐渡産のあら、しめ鯖、お願いした南蛮海老を出していただきました。日本酒ががんがん呑めればなあ、と。日本海の魚は味が濃くて深いですね。こうして店主が選んで仕入れた魚をじっくりいただきますと、実に味っぽい、とつくづく思います。

お寿司を握ってもらいます。スタートは赤いかから。塩でいただき、さっぱりとしたところで鮪です。ふう。ため息が出るほどおいしい。大好きになったこはだを挟んで車海老。このサイズの車海老の蒸したのは、生よりもずっとおいしいですね。あまり立派なので写真に収めようとカメラを出しましたが、ご主人、頭を取って剥きに入ってます。

『あああ、ちょっとスミマセン。あの、蒸した車海老の写真を撮らせてください。ああ、頭はちょっとくっつけて置いていただければ。』

見たこともない車海老に食べる前から大興奮の老人です。

南蛮海老も大きくてまさに絶品。佐渡のあら。そして、その次のネタが何だったのか思い出せません。行った日から18日経ってますが、その間に何軒寿司屋に行ったことか。心当たりのネタはありますが、間違っていると困りますので空欄にしておきます。メモには佐渡、と書かれてます。

うに、しめ鰯、穴子の食べ比べ。これでストップしてもらいました。しかし、まあおいしかったです。このお店で食べた後、特に今これを書いている博多に来てからはワタクシが思うキリ番級のお店が2軒ありました。その3軒のどれもがすばらしいお店で、こんなに選ぶのに困ったキリ番は初めてでした。

レビュー3000件。気の遠くなる数字でしたが、やっと2700まで到達し、影が見える距離になったと感じてます。いつも叱咤激励してくださる読者のみなさまに改めましてお礼の気持ちを申し述べ、2700件目のキリ番レビューとさせていただきます。

  • 南蛮海老昆布締め
  • 赤貝
  • 赤いか

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6位

鮨 おさむ (高宮、大橋、西鉄平尾 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2014/05訪問 2014/05/15

満点以外は考えられません。

博多滞在二日目の夕食。

鮨おさむの予約が取れました。大変楽しみにして福岡入り。朝も昼も食事を軽めにして夜に備えます(笑)。

張り切って開店1時間前に天神のバス停に到着。先行レビューを見てバスで行こうと思ったのはいいのですが、このレビューの内容が間違っていて違うバス停で来ないバスを待っていて(苦笑)。20分のロス。正しいバスに乗ったら大渋滞にはまり、開店後10分過ぎにようやく到着。焦りました(笑)。

ご主人にごあいさつ。もう1分お話すればご主人のお人柄が分かりますね。その後食べながら、ご主人がこの道に進まれたストーリーを全部お聞きしました。来てよかった。やはり、天職ですよ。

この日はジブン以外には3組6人。2組はかなり遅れての入店ですから、ゆっくりと食事を楽しむことができました。今振り返っても、そう何回も経験することのない素晴らしい寿司ディナーでしたね。店主、料理、サービス、雰囲気、もうすべて満点以外は考えられません。帰りのバスの中で、楽しかった2時間を思いだしながら、しかしおなかいっぱいで苦しかった(笑)。

店主が器をとりだして盛り付けを始めます。何から始まるんだろう。車海老を剥いてますね。遠くから見てもきれいな料理であることはよく分かります。完成してご主人の手で運ばれて来ました。

『寿司屋が作るサラダです。』

にこやかに笑いながら目の前に置かれます。もうここから胸キュンでしたね。車海老、かわはぎ、百合根、トマト、空豆。味付けにかわはぎの肝を使っていますから、よく混ぜた方がおいしいと思います、と声がかかります。

おいしいうえに食欲が一気に湧き出る味わい。こういうサラダ、毎日食べたいです。そこからはつぎつぎとおさむ流のおいしい肴が続きます。

②湯葉、じゅんさい、うに盛り合わせ
この組み合わせからしてもうどんなに旨いか分かりますよね。こんな新鮮なじゅんさいをいただくには何年ぶり?東北ですかとお訊きしたら、秋田産とか。まだ自然が残っているんですね。

③ばい貝煮
殻からきれいにはずしてあり、お殿様のように食べるだけ(笑)。かたじけない感じですが、やっぱり旨さが倍増しますね。

④ほたるいか、鯛の白子真子
酒好きにはたまらない肴です。お料理のおいしさを演出する見せ方もすばらしい。ご主人との話はずっと続いていて、それもまたステキ調味料に。

ここでビールが終わり、鍋島大吟醸にスイッチ。

⑤鰆炙り
春の魚、さわら。大きな型です。丁寧にお造りを作り続けるご主人。まだ若いお弟子さんにいろいろ教えながらです。鰆もここまで大きいと旨さが桁違いですね。

⑥小鰯の梅煮
こういう食べ方があったんですね。これは家に戻って自作しますよ。梅も昆布もいい仕事するんですね。

この辺から、何何は召し上がりますかと1皿ごとに確認されます。胃の余裕度を確認しながら寿司への移行を探ってます。訊かれたものはもちろん全部いただきました(笑)。

⑦葉わさびの煮びたし
これなんかも、いい葉わさびが入手できるなら絶対真似ん子したいですけどねえ。

⑧ニタリクジラのベーコン
こういうのはどこで買えるんでしょうか。ご主人にスモークは自家製ですかとお訊きしたら、そうではないという答え。じゃあ、ジブンにも入手のチャンスがあると思った次第。ホテルに戻ってネットで確認するとすべてスライスしたものの販売しかありません。ここはブロックから手切りしたいですね。

塩と酢、新生姜棒状とスライスの2種類のガリをいただきながら。このガリも特級品です。

それでは、そろそろ握りをお願いしますと声を掛けます。どの肴もおいしくて際限なく食べちゃいそう。寿司も絶対食べたいですから。

①やりいか
いかから始まりました。握りは小さく、ネタは大きく。ベストですね(笑)。玄界のものだそうですが、塩とだいだいで風味がついてます。どくとくのやり方ですね。これがまたイカに合うんですね。

②夏ふぐ
とらふぐより旨いと言われているそうですよ。確かにめちゃうま。

ここでしじみの濃厚な汁が出てきます。ありがたいですね。じゃあ、そろそろお酒を切り上げて酔い覚ましのビールをいただきましょうか。

③鯛昆布締め、中に赤うに入り
また凝った寿司を!昆布締めだけでも旨いのに、その下に唐津産の赤うにを仕込んでいるんですよ。ったくもう、うますぎ!

④かわはぎ、中に肝入り
もう分かりましたね。ご主人は、寿司を派手に見せて華やかにするのではない派なんです。派手で見た目がきれいな寿司、に背を向けて、とは、いかにもご主人らしい。いやあもう明日も明後日もここに来たい。ずうずうしく一応お訊きしたんですよ。今回は残念ながらだめでした。当たり前ですよね。

⑤さより
⑥赤身づけ
⑦トロ炙り
⑧こはだ

まぐろも最高。五島沖で獲れたそうです。

⑨鰆炙り
⑩車海老

鰆は握ってもまた別の味になって。車海老も塩と橙で。

⑪鮪手巻き
トロですね。
⑫穴子
でっかい穴子のふわとろ。いくら大きいのでも全部が寿司向きかというとそうでもないようです。ご主人の目利きで合格するのは10本の中で3本くらいとか。

途中で何回かもう少しいきますか、と訊いてくださいます。イクイク(笑)。

⑬おいなりさん
店の名物だそうです。価値あり。
⑭かいわれの昆布締め

これを最後にしました。もうまんぷくのまんぷく。オナカもココロも。

市街地から離れたかような街にすばらしい寿司職人がいるんですね。現在食べログではTOP50ですが、まだまだ上に行くでしょう。そして、こういうお店があることを、お料理、ご主人のことを、的確にUPし続けているmisspepperさん。彼女のレビューがなかったらご主人との出会いもなかったでしょう。福岡に来る理由がひとつ増えました。

Special thanks to misspepperさん。

  • 寿司屋のサラダ(店主談)(笑)
  • 湯葉、じゅんさい、うにの競演
  • 白子真子、ほたるいか、海ブドウ

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7位

季より (牛久 / そば、日本料理、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 ¥3,000~¥3,999

2015/08訪問 2015/09/01

遊び心と繊細さ、緻密な計算と入念な手仕事。既にして名店に通じる道を歩む石臼手挽き蕎麦の季より。

(2015年8月 再訪)

お店のHPに夏の玄蕎麦の写真がアップされました。もう早生の収穫なんですね。季よりもずいぶんごぶさただと思って過去のレビューを見ると、なんと1年半も訪問してませんでした。予約をして行ってまいりました。

毎回、行くたびに驚かせることがありますが今回もまたびっくりでした。有馬店主の進化、そば前もそばもジブンの中にある過去の季よりをはるかに超えてきてると感じました。間があいたからこそその違いがはっきりと分かったのかもしれません。もともと勉強家ですからひとところに立ち止る人ではありませんが、着実に幅が増えてますね。

昼のコースの1品毎にも工夫が見られます。ここでは、飛び切りの素材の調達と素材の組み合わせが目を惹きます。一番気に入ったのは紅天使のスープ仕立てでしょうか。食材は師である阿部翁の紹介によるものですとおっしゃってましたが、このブランド芋のよさが存分に出ていたと思います。

竹富島産天然もずく、山芋葛、いちぢく、おくら、米茄子、アスパラなど和食のセンスが光る調理で楽しませていただきました。確実に前進してると感じながら食べ進めます。定番の鍋焼き玉子焼きや自家製豆腐もちょっと変わったような。

ウーロン茶葉で燻製にするとか、たまり醤油と藻塩出汁の対比を楽しませてくれるとか。充実の昼のコースでした。

蕎麦のハイレベルは期待を裏切りません。確実に来ます。陶酔が来ます。未食の方は今すぐ予約すべし。蕎麦の概念が変わると思います。この日はもう一つサプライズが。

こんなお蕎麦たべたことない、と言わしめたのが、水越しそば。突然仁行を閉めた石井さんから伝授を受けたそうですが、この細打ちでありながらこの食感はなんなんでしょう。石井さんは閉めるのも突然でしたが、すぐまた新富町で店を始めましたので、早速行かねばならないです。

この先どんな風に進んでいくのか。店主の動向に注目です。

(2014年3月 再訪)

気にしながらも1年振りとなった季より。

その長かったインターバルを悔しがらせた季よりの大幅な進化に、すっかり驚かされました。

この日の食事を総括してみると、

①蕎麦がまた一段と旨味と風味がシャープな逸品に変貌していた。

もともと凄みのある旨い蕎麦でしたが、1年ぶりに食べてみると過去のものよりも更に上を行く蕎麦になってました。ジブンの中では世の中にこれ以上の蕎麦があるのか、と思うくらいです。ここの方が多分上だよ、と言われる方があったら是非紹介していただきたいくらいです。

②ご好意で、試作品のかけそばをいただきました。
このかけそばがまたいかにも季よりらしい、蕎麦もつゆも両方の良さを最大限生かそうとする試み。今まで食べたことが無いような旨いかけでした。

お訊きすると、構想からかなりの時間を費やして研究を積み重ねてきた様子。HPではまだリリースの情報を見ませんが、早晩皆様のお口に入るかと。パーフェクト主義?の店主のことですから最後の詰めを行っているかも分かりませんが、ジブンの感想はもうすでに完成していると思いました。

次回からは、もりかかけか。両方いただくしか選択の余地はないでしょう。情報を早く上げすぎたフライングだったら、申し訳ないです。

③お昼のコース料理
これも更に進化してました。調理法の多様化、食材の厳選を研ぎ澄まし、この一見小さな世界にぎゅっと旨いものを食べた時の悦楽を凝縮したような。限定品ですので、予約の時に合わせてオーダーすることをお勧めします。

お蕎麦、いいですねえ。ごちそうになりました。

季よりの原点とも言うべき柏竹やぶさんに行く時期が到来したかな。そんなことも考えながら、暇を告げました。


(2013年2月 再訪)

季よりさんのディナーを食べてみたい。

所謂蕎麦会席と世間で呼ばれている蕎麦のコース料理を、どうしても季よりさんで食べたくて。ただ、一人では長時間のコースはどうも退屈なので一緒に行ってくれる方がいれば最高!そんな中、ありがたい、死んでも残留さんと誘い合って行って参りました。おまかせのコース。少し早めに予約して、店主さんが準備する時間を確保します。そして、この日、残留さんと牛久駅で落ち合って、いざいざ。

お店に到着。どうもどうも。ようやくこの日がやってまいりました。ご挨拶後、会場の部屋に通されて準備万端。ビールで乾杯して、いよいよコースのスタートです。

*そばがき
 見た目からしてすごい迫力。使っている蕎麦は皮を剥いてその後ほとんど挽いてませんね。手挽きの大粗挽き。ステキデザインのそばがきに使った蕎麦は栃木県馬頭の在来種。まだ熱々のそばがきをいただきます。すっごい強烈な蕎麦の風味。言ってみれば、挽いたばかりで、掻きたて。食べる蕎麦では最高の食べ方でしょうね。いきなりのトップギヤです。

蕎麦の実をそのままいただきました、と言った感じです。竹やぶさんでは、コースの最初にそばがきを持ってくると後でお話を聞きました。ひとつの見識だと思います。

*豆腐あれこれ
 豆腐よう、は沖縄の豆腐料理。ねっとりとして発酵食品独特のコクがあってうまい。おからを豆乳で炊いたもの。そして自家製って全部自家製ですが、豆腐。この豆腐も絶品やね。ちょっとしたあてに、グランドメニューにあるのかなあ。いつでも、毎回食べたいです。

*小料理15種
 出た~。お昼のコースのディナー版。迫力の15種です。そして、そのどれもが手が込んでいて、イタリアン、フレンチ、和食の手法を駆使し、珍しい食材を楽しませてくれる。これは時間をかけてゆっくりと堪能しましたよ。どれもこれも、隙があるようで隙がない、と言った料理です。アットランダムに5種選択すれば、もうそれだけでコース料理になり。

集大成とは申しませんが、味わい深いこのお料理は今後のお店の方向を見るのにはうってつけのアラカルトでしょうね。写真では分かりづらいかもしれませんので、胸にじ~んときて、運よく書き留めた素材の名前を列挙します。料理法はすべて教えていただきましたが、あまりに多くて複雑で書いても不正確になるでしょうから。食材だけでも不正確かもしれません。この全部が全部、料理法が違うんですからね。引き出しの多さ、恐れ入りました。

うるい、フルーツトマト、空豆、ちぢみほうれんそう。筍、新ごぼう、新蕎麦のブランマンジュ、つぼみ菜、クリームチーズ in 蕪。わらび、むらさき人参、安寧芋、むらさき芋。

*にしん1週間ことこと煮
 今まで竹やぶさんのお弟子さんのお店で何回かいただきましたが、断然おいしかったです。お話では、少しずつやり方が変わってきているということですが、これはすごい珍味だと思いました。これを食べて、未訪である柏竹やぶさんにそろそろ行きたくなりました。

*ユリ根鍋
 くるまえび、かつお、昆布のお出汁にユリ根と蕎麦がきが入ったもの。これも、ちょうど冷たい料理が続いたのでほっと気分が変わるニクイ演出だと思いました。量がたっぷりあって、そばがきが1人前?ずつ入っていますので、ここでかなりのキャパが埋まります。でも、うま~い。

*鴨肉、虹鱒、蝦夷鹿、アンコウの肝
 メープルシロップに漬けた鴨肉。甘くて旨味たっぷり。芦ノ湖の虹鱒を軽く桜チップでスモークしたもの。そして、蝦夷鹿の肉を烏龍茶でスモークしたもの。珍品の数々でこれだけ手を入れている酒のあってって。ジブンにはもったいない珍味共演でした。

と言う具合に、どれをとっても高原状態が続くハイテンションなお料理の連続。すごい、うまい、しか言葉が出て来ませんでした。昼のコースで予想は出来ますが、実際こうやってコースの流れなどを思いながら食べると、感慨無量なものがあります。

*車海老の天ぬき
 天ぬき、大好きです。大きな車海老がごろごろ。まあ、とんでもなく幸せを感じるひと時です。この天ぷらの技は必食だと思います。お出汁が時間を要すると言うことで、予約でお楽しみください。

*石臼手挽きもり①
 最初に供されたそばがきと同じ馬頭産の十割もり。最初の蕎麦がきの時に、その粗挽きの程度に驚きましたが、それをそのまま蕎麦にしたのですね。この大きな粒子でよく紐状になったと感心してしまいます。さすがに、蕎麦が濃くて旨い。蕎麦の実、そのものを食べている感じは、蕎麦がきの時よりもなお一層すごい。濃厚なつゆが味わいを膨らませます。

*石臼手挽きもり②
 2枚目は、北海道蘭越産と常陸秋そばのミックス。これがめちゃめちゃ旨い。細打ちの見事な蕎麦で、こちらはランチ時に提供されると同じもの。こちらのほうが、より深い感じがしますね。最高レベルの旨さ、です。もうこれ以上はない、と思わせる非常に完成された蕎麦だと思いました。馬頭もめっちゃおいしいですが、こうやって比べてみると、蕎麦のレベルを上げていくミックスの妙がありありと実感できますね。だから、蕎麦アーティスト。素材はもちろんいいけど、それを更に磨き上げるのは技、人間なんだなあ。

蕎麦がきから始まり、驚きと喜びの連続でした。これだけの量ですから、おなかはいっぱい。このあと、デザートの盛り合わせが用意されていましたが、一番軽いもの1点だけにしてもらいました。

*夏みかんムース
 ふわふわな食感で新鮮なフレッシュさを楽しめます。フィニッシュにふさわしい爽やかさでありました。

常に前を見て勉強、精進を継続してる有馬店主。もうすでにここまで到達していますが、更に上にと立ち留まっていません。ますます楽しみです。ディナーをいただきやはり真骨頂を垣間見た感じでした。また、ランチ、ディナーでお世話になります。ありがとうございました。

残留さん、おいしかったね。また、ご一緒しましょう。


(2012年12月 再訪)

この日も、前回同様にラーメン店の店主さんとご一緒させていただきました。伝説によりますと、ラーメンの食べ歩きをしていて、ラーメン好きが嵩じてラーメン店をひらいた、という店主さん。開店するやいなや、一気に行列店になった水戸にあるMじゃきさんです。その店主さんを蕎麦の世界に引き込もうと、こちらからお誘いしました。

開店時間にお店の前で待ち合わせ。時間になって揃って入店。また、あのラーメンおかもちがある素敵な部屋に通されました。季よりの店主さんからごあいさつを受けます。いよいよ、また極上蕎麦に会えます。

Mじゃき店主さんと話をしていると、うれしいですね。お昼のセットの登場です。美しい。おいしいものは、うつくしい。この日も、食材や調理法にさまざまな工夫がなされ、Mじゃきさんも旨いを連発してました。ベースが日本食で、そこにさまざまな感性で料理を主張する。ポーションは小さいですが、ここにある1品1品には相当の手間をかけていることが分かります。おいしいですねえ。小手先ではない力強さを感じます。

今回、サブライズを用意してくださってました。もうびっくり。チョーうれしい。ワタクシのバースデイということで、天ぬきを出していただきました。まったくのサプライズでしたが、天ぬきと聞いてにこにこが止まりません。熱いうちに、と言われます。

つゆをかけます。じゅ~~~~。この音は、竹やぶさんのお弟子さんのお店でいつも楽しませていただいているアミューズです。さくさくの天ぷら。ぷりぷりの海老。うまい、しか言葉がでてきません。食べタレ(食リポーター、タレント)にはなれません。はふはふ言いながらああっと言う間に食べきりました。

そして、メインのお蕎麦。毎回驚かされますが、今回が一番驚きの蕎麦だと思います。この日は、北海道と栃木の玄蕎麦を挽きわけてきたようです。チョー粗挽きと粗挽き。それをベストミックスで配合して打った蕎麦。手挽きならではの工夫と挑戦。この蕎麦は、風味といい味といい凄みがありました。ここまでのお蕎麦、食べた経験がありません。ジブンで説明する能力を超えた蕎麦、です。

蕎麦、穀物が本来持っている味、風味はこういうものなんだと思いました。それが蕎麦になって、もう一つのファクター、食感が加わります。どれもマックスだと思いました。

最後にいつもながらおいしいデザートで興奮を鎮めました。Mじゃきさんと顔を見合わせて、うまかったああ。

さて、
大晦日の日、あわただしく食べログのマイベストテンを決めました。毎年のことながら、印象深かったお店、一番幸せを感じたお店を10軒選ぶと言うのは本当に難しいことです。30軒くらいなら、もう少し気が楽になるのですが。10軒の中では、1位も10位も同じだと思ってます。

2008年の8月に初めてますので、ベスト10は2008年からストレート5回目。今回の大きな特徴は、日本蕎麦店が1軒も入らなかったということです。失礼ながら、季よりさんを次点として2013年度には是非ベストテン入りを目指してください、と結びます。

ベスト10のお料理をいつもいただいてます。季よりさんは、ご自宅を使ってお店をしてますので、レストラン的立地から言えば大きなハンデを背負っています。そのためだと思うのですが、食べログにUPされた15レビューで夜は1レビューだけ。これでは、季よりさんの実力のごくごく1部しか評価されません。実力の片鱗が見えるのは、あのyukaさんのブログです。

予約をすれば、このようなお料理が食べられるのか、のひとつの例でしょう。天ぬきも予約で作ってくれます。昼のセットの拡大版とも言えますが、やはり違います。デザートも盛り合わせにすると迫力が違います。豆腐三昧、食べてみたい、と思わせます。

蕎麦でミシュランをとったお店のレビューを見ると、蕎麦だけでは当然☆は取れません。夜のお料理なんですね、評価されているのは。場所、と言いましたが、夜もっと多くのお客さんが押し寄せ、更に多くの夜のコースのレビューがあがれば、季よりさんも更に進化していくと思うのです。まず、言い出したワタシですね。今度誰か一緒に行く方を見つけてお邪魔します。

そういう伸びしろを考えて、本年度は失礼ですが次点にさせていただきました。今年1年のご健闘を祈ります。


(2012年9月 再訪)

今日は、一人ではありません。下妻にある人気ラーメン店の店主さんと待ち合わせて二人で季よりさんにやってきました。ヒゲゴリラさんの言い方では、A井さん。最近ラジオ番組に連続して2度出演するなど枠を超えての大活躍。先日のつくばラーメンフェスタでは、子供の集団しもんchuと一緒に写真におさまってツイートしてましたね。ジェレネーションギャップに笑いが引きつっているのを確認した方も多かったでしょう。

訪問したのは9月の下旬。まだ入道雲が元気な季節でした。思い出すために、雲の写真を1枚張り付けておきます。A井さんは、この日から夏休み。あとでお聞きしたら、このあと深夜に海外に遊びに行くということでした。そんなこともあり、満室になっても困るので、事前予約を入れます。その時、季よりの有馬店主さんから何かリクエストありますか、と訊かれます。

え~っと、1本の蕎麦には蕎麦の実がぎっしり入っていて、それが飛び出してくるみたいな、それで細い蕎麦。

むちゃくちゃなことを言ってます。そんな蕎麦、あるわけないやろ、って自分でも思いながら。

難しいですねえ。でもがんばって作ってみます。

なんと言う優しい気持ちの店主なんでしょう。まだ時間があるので、いろいろ試作してみるとおっしゃってくださいました。

待ちに待った当日がやってきました。お店の駐車場でA井さんと首尾よく合流し、並んで店内に入ります。ご挨拶をそこそこに招じ入れられたのは一番奥の部屋。そう、支那そばやのおかもちがある部屋です。とても落ち着く部屋で大好きです。

事前にお昼のセットもお願いしてありました。お茶をいただきながらA井さんと情報交換。当然お店ではゆっくり話せませんので、いい機会でした。

これ、そばがき作ってみました。どうぞ。

いやあびっくり。これは予想してなかったので、めっちゃうれしかったです。

ちょっと箸の先にとって、いただきます。掻き立ての熱々。おおお、すごいぞこれ。濃厚な蕎麦。コクのある蕎麦。蕎麦よりもずっと風味が強い蕎麦掻きです。そもそもが石臼手挽きのお店ですから、この蕎麦掻きは最強ですね。もう、くらくらするほどの強烈な蕎麦の風味にノックアウトされました。蕎麦掻きって実においしいものです。

途中で、すこしつゆをつけたり、本山葵をつけたりして変化を楽しみます。蕎麦掻きを、ジェラートの形で提供するとは、有馬店主らしい自由な発想が出ているとおもいました。

そして、お昼のセットです。きれいですねえ。いつも感心してしまいます。1つ1つ丁寧に説明していただきました。なるほどねえ、って聞いているときはよく分かりますが、紙に書きとめるときにはもう忘れてます。

クルマエビの茶わん蒸し。濃厚な味わいで、海老のいちばんおいしいところがでてます。エリンギとししとうは新鮮さんまのペーストで。その他、つるむらさきや焼きパプリカの深い味わい。ピュアホワイトとうもろこしの自然がくれる最高の甘味。濃厚な味の豆腐。鍋焼き玉子焼きにもしっかりと海老味が入っています。

これだけの品すべてが手が込んでいて。小さいポーションですので、いろんな味が楽しめる秀逸なお昼のセットです。本気でお酒を飲むときには、このなかから3点4点を1人前の量にしていただければ、そのままそば前になりますね。

食事のあとで店主が話されていたことが、ずっと胸にありました。

“ここは蕎麦屋、蕎麦があくまで中心のお店です。ですから、(昼のセットの)お料理に関しては、最高においしい、ところから少し手前で完成するようにして、蕎麦の方を生かすようにしてます。”

う~む。深いなあ。表現の言葉は正確には覚えておりませんが、そのようなことをおっしゃってました。ますます、季よりに心が傾いていきます。

そして、じゃ~ん、蕎麦に関して何もわかっちゃいないワタクシが無茶振りしたお蕎麦が出てまいりました。

おお、これだよ。びっくりです。本当に打ってくれたんだ。どうですか。写真でも、蕎麦の実がよく見えるでしょ。蕎麦の粒がぎっしりです。飛び出してきそうです。まさにリクエスト通り。よく蕎麦状と言いますか、ひも状になりましたね、ってお前が言うな。リクエストしたんだろ。はい、そうです。

箸で手繰ります。非常に軽やかです。箸で少しだけ食べてみました。これですね。蕎麦の原点そのものでしょう。蕎麦の穀物味がストレートに伝わってきます。目の前にいるA井さんも感心しきり。この蕎麦を食べて何も思わない人はいないでしょう。厳選された玄蕎麦を丁寧に自身の手で挽いた蕎麦の実です。手作りの愛情もたっぷり入っています。こんな蕎麦をいただけることに、深く感謝しました。

ふう、おいしかったねえ。雰囲気のある部屋で余韻を味わっています。

そして、最後、本日の石臼手挽き蕎麦の登場です。こちらはレギュラーサイズで。先ほどのスペシャルは、やや分量が少なく、合わせるとちょっと多いくらいか、普通の男性にはちょうどいい量かもしれません。引き続きいただきます。

一口食べて、A井さんと顔を向き合ってしまいました。何ということか、こちらも最高にうまい。なんで、なんで。先ほどのスペシャルが最高の蕎麦と思いましたが、こっちのレギュラーのほうがもっと濃厚でもっと蕎麦の味が出てる気がしました。やはり、どうやったら玄蕎麦を最高の味で提供できるのか、いつも考えている店主の傑作は違う。こうやって、蕎麦の魅力を存分に引き出してサーブする。蕎麦アーティストの面目躍如です。

ああ、おいしかった。こうやって素晴らしい蕎麦ランチが終わりました。その後、少しお時間をいただいていろいろ話をしました。控え目に話す有馬店主の熱い思いも分かりました。蕎麦はもちろんその他いろいろなお料理をいろいろなお店で食べ歩いている話。その一部はブログで知ることができます。話に出てくるどのお店にも行きたくなります。

特に、オランダ料理のお店は是非とも行きたいと思いましたが、店名、忘れました。検索ちゃんしても、どうも違うような。今度お会いした時に訊いてみましょう。時はうつろい、先日、新そば入荷のツイートが届きました。緑色の蠱惑。早晩お伺いしなくちゃあ。ごちそうさまでした。

この日、お相手をしていただきましたA井さんにも感謝いたします。また、どこかご一緒しましょう。


(2012年6月 再訪)

蕎麦好きの人は知っていると思いますが、おそらく日本で一番有名な蕎麦のブログはyukaさんが書いているつれづれ蕎麦でしょうか。そのyukaさんが房総鴨川にある打墨庵加瀬に行って蕎麦を食べてます。わたしもときどきyukaさんのブログを見に行きますが、実はあまり好きなブログではありません。どこの店の何を食べてもおいしい、しか書きませんので、面白みがない。

蕎麦店のほうも彼女は毒のない安全パイであることを知ってますので、彼女のために特別なそば前を用意したり、特別な蕎麦を打って彼女を招待する。そんな内容のブログって。苦労しながら蕎麦店の予約をとって当然ですが、決められたものだけをいただくワタクシのような平民にとって、まあ、一種の不公平に映るわけです。ずるい、と。

内容に悪口がないので、本にもなります。本なら、わかる。批評、不要です。でも、おいしいおいしいばかりのブログって。おいしいものしか店は出しません。それをそんなに絶賛する蕎麦ブロガーと蕎麦屋のべったり癒着が好きになれません。いくら人気があろうとも。

時同じにして、牛久の季よりの店主が打墨庵に行ったことをブログに載せてきました。ワタクシも鴨川までお蕎麦をいただきに行ったことがあって、興味深く読んで。ああ、あの打墨庵のマスコットやぎさんは、季よりの店主からのプレゼントだったのかあ。加瀬店主と有馬店主は、同じ釜のメシを食べた仲なんだそうです。ブログを拝見していたら、やっぱりね、季よりの手挽き蕎麦が食べたくなってしまいました。

この日、朝、季よりさんから、本日席に余裕ありますの告知がありました。ほんとですか?早速に電話して、席を予約しました。ラッキーです。数量限定の手挽きそばと数量限定のお昼のコースを一緒に予約しました。これで安心。今日、食べられます。

国道6号線の混雑を見越して早めに家を出たために、開店時間よりも相当早く着いてしまいました。このお店もまた独特の世界観が溢れてますね。ご実家を手作りでここまで完成させてきたのは店主です。お店には小さなタイルやビー玉を使った装飾があり、これは柏竹やぶの阿部翁の力が及んでいる証左です。店の外から建物をぼけっと見てました。開店時間までもう少しあるので、車の中で待ってますかな。

定刻よりも少し前、店主が母屋から出てきて、表の看板を裏返しましたよ。そして車の中に居たジブンに声をかけていただきました。

先ほどはどうもです。お店に来る前にツイートして、よろしくと。店主の後ろからくっついていき、靴を履き替えて通されたのは、一番奥の部屋。前回訪問した時は一番手前の部屋でしたので、これはいい。襖戸を開けて、部屋の中に招じ入れられます。大きなテーブルは骨董品を組み合わせて作ってあって、竹製ランチョンマットが二人分向かい合わせで置かれてます。その片方に座りました。家具も骨董なんですね。

さ、どんなお料理が食べれるのか。楽しみです。冷たく冷やされた麦茶をいただきながら、しばし待ちます。料理や勉強用の本が入っているのは、ラーメン屋のおかもちですね。こういう遊び心の雰囲気の中でいただく蕎麦はまた格別です。

さ、これがお昼のコースです。白いステキな皿の上に全部乗ってきました。店主から説明を受けましたが、そのときはなるほど、と思ってそんな料理法があるのかって感心するのですが、次の説明が始まると、もう忘れています。メモリーが極小のため、一つメモリーに入れるためには一つ忘れる必要があります。

ですから、以後は想像、推測も交えての感想ですので事実と違うかもしれませんのでご容赦ください。

さて、最初はおかひじきです。それを芥子和えにしていて、刺激を楽しむように設計されています。いいねえ。それから、隣の茶碗蒸しは海老の味が濃厚でやはりこのお店では、ふつ~のものがありません。どれもが斬新でうまい。それとスナップエンドウにわらび。わらびは北海道のものだったかな。こういうお料理が出てくるとどきどきしてしまいます。

まだありますよ。オーブンで焼いたアスパラでしょ。湯葉とソラマメ。味付けまで教えていただきます。そう、赤いのはパプリカを煮た物。これが一番刺激を受けました。自分でもやってみようと。濃厚な豆腐と鍋で焼いた玉子焼き。この玉子焼き、ちょーうまです。

見た目は、ほんのちょっとずつの料理ですが、全部、それぞれに手が込んでいて、イタリアン、フレンチの前菜もびっくりの多彩さです。それが、うまいんだからたまりませんね。こんな風に、小品の中に、店主の技と知識と(多分)冒険が詰め込まれているんです。

お料理は定番ではありませんが、理にかなっているところがおいしさをはずさない理由でしょう。しかし、この料理の仕込みは相当時間がかかりそうです。根気もないと、とてもここまでは。一品でも少なくなればうんと楽なんでしょうが、そうしないところが季よりなんですね。

お料理に関しては、ヌーベルバーグなどという言葉が頭に浮かんでまいりましたが、それが当たっているのかどうか。ごちそうさまでした。いよいよ蕎麦です。

まずは、つゆと薬味が出されて、それから少々待つことになります。薬味は辛味大根、山葵。蕎麦猪口も粋です。

そろりと蕎麦が届けられました。

おっと。ジブンの記憶にある季なりの蕎麦とはちょっとイメージが違っていて、どちらかというとおとなしい感じに打たれてます。自分の中では、季よりの蕎麦は、挽きぐるみばりばりの手挽きで、蕎麦の粒子がまだ荒々しく見えて、星も3色くらいに見えて、そんなことはないかもしれませんが、ちょっと肩透かしをくったかな。

ただしですよ、食べてみると、これはやっぱり店主がココロをこめて手挽きした蕎麦に間違いありません。あんなにおとなしい外見をしていながら、蕎麦特有の穀物風味は強いですから。ちょっとマジックのように感じました。

あとでお訊きすると、この日は夏バージョンということで更科をやや多目にしてのどごしを良くしたそうです。打ち方も教えていただきました。細かいこだわりのある蕎麦アーティストの面目躍如です。

また、ただし、ですが、ジブンの好みからしては、夏バージョン不要で、普通に打った蕎麦がいただきたかった、という具合に、なかなかうまくいかないものです。もしジブンがお店を貸切にして15食全部食べる機会があったら、まあ、あと100年ないでしょうが、本当に一度食べてみたいのは、

ゴツイ太い噛む系の黒っぽい挽きぐるみの田舎蕎麦を江戸前の細さで打った飲む系の蕎麦が食べたい。

要は、細打ちが大好きで、風味はどれほどあっても大歓迎で、ざらつきも大歓迎。

まあ蕎麦に詳しくないので、勝手に食べたい蕎麦を言っているだけです。

さて、季より。つゆ。これがあるから、すでに名店の道を歩き始めた、と評したいのです。このつゆは本物、と経験の少ないジブンでもそう感じます。蕎麦を手繰り、下一分ほどつゆをつけて一気にすすりこみ。ものが違ううまさ。うまかあって心が緩みます。蕎麦湯をいただいて終了。部屋を出て、厨房にいる有馬店主にごちそうさまでした、っていとまごい。デザートがありますよ、って言われて再び部屋に戻りました。デザートは、コーヒーババロアの白仕立てとコーヒー。まあ、いろんな引き出しをもっているんですね。うまかったです。白いコーヒーババロアってどうやらコーヒーを牛乳や生クリームに入れて風味を移してババロアを作るみたいですよ。訊きませんでしたが。

帰り際、ちょっとだけ話をさせていただきました。ますます将来が楽しみな、緻密なアーティスト、そんな印象を持ちました。またおじゃまします。またごちそうしてください。


(2011年7月 初稿)

お店の外塀は竹を組んでしつらえてあり、味わい深い季よりと書かれた看板が掲げられています。雑誌の写真で見た店主の若い風貌からはちょっと想像できなかった外観ですが、柏竹やぶの系譜ということを考え合わせれば、なるほど、の意匠です。入り口から中を覗くと、お蕎麦をいただくお店は入り口からはずっと奥の方にあります。入り口からは玉じゃりと飛び石を配したアプローチになっていて、その奥には、木の橋になってますね。どこまでの遊び心なんでしょう。

表には営業中の看板がありました。お目当ての手挽き蕎麦はあるのかないのか分かりませんが、営業中の看板に信頼を置いて橋を渡ります。

お店が新生開店したのは1年半前。お店が生活圏内の牛久にあることから、お店にはただものならぬ雰囲気を感じて早めにお伺いしたい、と思いながら悲しいかな雑事に紛れ、お店のことは忘却の彼方へ。あるお蕎麦屋さんで、蕎麦の出来上がりを待っている間に見た蕎麦の雑誌に季よりの有馬店主が柏竹やぶの阿部師と同じページに顔写真が載っていて。竹やぶの系譜特集の1コマでした。

店主は柏竹やぶで修行し、その後の箱根、六本木竹やぶでさまざまな経験を積みます。ここで遥か2000光年のかなたにあった季よりに行く、記憶が蘇り次の日に行くことにしました。

この日はまたまた雑事でお店に行く時間が遅れに遅れ、1日15食しか作れない手挽きせいろはとっくに売り切れの時間です。ここで行かないとまた1年半行かないだろうと危惧し、お店だけでも見ることで出発。住宅街にあるお店に到着したのは14時をとっくに過ぎていました。

木の渡り橋を渡るとそこにこれもどう見ても手作りの作品と思われるようなお店の入り口に差し掛かります。お店の中に入らずそのままマクラ木で作られたアプローチを進むと、屋外でも食べられるようにテーブル席があります。そこの主でしょうか、美形のにゃんこ先生にご挨拶されました。

のれんをくぐってお店の中に入ります。ごめんください。靴を脱いで玄関を抜けて最初の部屋に入ります。ほほう。クラシックな椅子とテーブルが配置された素敵な部屋があります。厨房から店主が出てきました。写真で見た方です。テーブルのひとつはマダムが静かに会話されてました。もうひとつのテーブルに落ち着きます。部屋の中にはモダンな曲が流れ、調度品や空気感と合わせてシックなカフェとも見違えるような心配りが行き届いた部屋になってます。この部屋の奥にも部屋があって、平屋で横長な民家を巧みに改造し、遊び心と緻密な計算で蕎麦を楽しむだけではない竹やぶのフィロソフィーが生きてるなと感じました。

お品書きを拝見。この品書きの文字だって。このお店の真骨頂はお蕎麦ももちろんですが、あてにいただくお料理だと思っています。ですから、次回はお酒をいただくこととして、種物は今回はスルー。そのままお目当ての蕎麦に目をやります。

“石臼手挽きもり 北海道蘭越産の蕎麦の実を手挽の石臼で挽いたおそば 1日15食限定 当店ではすべてのおそばが手挽です。”

店主をお呼びして恐る恐るお訊きしました。ある、とのことでこんな僥倖はありません。さっそく石臼手挽きもり(945円)をお願いしました。

厨房は仕切ってあって店主の所作を見ることはできません。時間はどれだけかかっても少しも頓着しませんが。流れてくる音楽に耳を傾け。ちょっと席を立って、石臼やクラシック扇風機を味わって。着席しているとお料理が運ばれてきました。これはちょっと知識がありませんでした。さしずめ前菜の3点盛り。そば前です。素敵な皿に盛られてます。骨董品でしょうか。挿してある絵がいい。

たまねぎの梅酢あえ。漬物。おくらの炙り。いずれも小品ながら気が回ってます。やっぱりお料理をいただきたい。そう思っていると、厨房から水切りの音が聞こえてきます。どきどきしながら待ちます。店主が現れていよいよお蕎麦をいただきます。

小粋な木の器に盛られた珠玉の蕎麦。目を凝らすと透明の蕎麦の粒粒が見えてます。店主が丹念に手挽きした蕎麦です。さっと箸を入れるとじつにふわりとかろやかに。一緒に蕎麦の香りまで運んできました。風味のいい生まれたての蕎麦。そっと大切に口に運ぶと、更に穀物の風が吹いて。この最初の一口が至福の一口。ちょっと気持ちが入って、蕎麦の感触を確かめつつ。二口目は蕎麦の上からわさびを塗って。

さっと手繰り下から二分のところまでつゆをつけていただきます。つっつ~と蕎麦とつゆが二度目の至福を運んできます。これはおいしい。濃厚なつゆが蕎麦をききりと引き締めます。周囲からの重圧も感じながらお店を開いたのではなかろうかと下衆の勘ぐり。見事期待に応える蕎麦がすでに手の内に入っているということですね。まだまだ将来の発展が楽しみな店主です。

鉄瓶に入って出てきた蕎麦湯。これなら、冷えることはありません。蕎麦猪口に注ぐと熱々の蕎麦湯が迸り出てきます。これもまた蕎麦のうまさを思い起こさせる出汁のきいた蕎麦湯。

遅い時間に訪れたにも拘わらず、思い通りの蕎麦をいただけました。ますます店主の作ったお料理、そば前をいただきたい。そう思いながらいとまごいをしました。入り口の外まで見送ってくださり恐縮。再び渡り橋を歩いて下界へとおりていきました。

  • お昼のコース
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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8位

鮨 志の助 (新西金沢、西金沢、西泉 / 寿司)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999

2017/12訪問 2018/01/01

金沢に志の助あり。

金沢に来ています。

4か月前に金沢に来た時に予約の電話をしたらしばらく休業するとのメッセが流れていてその時は断念し。今回恐る恐る電話したら、遠征中この日の夜だけ席があってうれしい再訪を果たしました。

金沢駅から3km以上あって、タクシーだと往復でおよそ3000円。しばらく休業、と聞いて駅近くへの移転ならかなり追加できるなあと思ってましたが。バスもありますが、最寄りの停留所を通る路線は何と30分から1時間に1本。寒空で店の前にいるのは厳しいのでやむなく往復タクシー。

店に行く道がまた混むんですよ。15分もあれば余裕なのに渋滞があると30分以上もかかり。いやはや、早く移転してほしい(笑)。

リスクヘッジで開店15分前に店に到着。寒さの中震えながら店の前で待ってました。定刻まで施錠している店です。

もちろん先頭で入店。久しぶりです。大将ご夫妻、お元気のようです。

ご存知だとは思いますが、大将は小松弥助出身。独立して弥助があった小松市で店を持ちますが、2007年に金沢へ移転。創業18年。

席に座ってじっくり店内を眺め。いつもぼんやりと見ていた照明がイサムノグチだったり、器が上出長右エ門窯作だったり須田菁華だったり。知っていた方が興味が沸く知識です。

この日は料理と握りのコースでおねがいしてました。

*瓶ビール

*真鱈の白子
さっぱりといただきます。量もほどよく良質なアペタイザーですね。

*お造り3点盛り
真烏賊生ゲソ、ミミ  真鯛昆布締め ガス海老

日本海の冬の海の贈物

*香箱
ここでも香箱を堪能しました。食べやすい形での提供。

『握りにしますか?』

と訊かれましたので、

『万十貝ありますか?』と尋ねます。

*万十貝のバター醤油
これ、万十貝の食べ方では一番旨いかも。

満足して握りへ。

①赤いか 薄造りして糸づくりの弥助流
シャリが小さ目で、もう少しだけ大きくするとぐ~~んと寿司が旨くなる領域に入ると思うんですがねえ。シャリのバランスがもうひとつかな。

②ぶり
ネタはめちゃめちゃいいんですけどねえ。

③甘海老
志の助と乙女寿司の甘海老は卵をたっぷり乗せるスタイル。卵が多いのを選んでいるとしか思えない量、が旨い。

④ばい貝

⑤赤身づけ

⑥とろ炙り
これなんかもあとスプーン一杯シャリがあると味が変わるのになあ。

⑦うに

⑧のどぐろ皮目湯引き

⑨ネギトロ巻き
較べちゃあいけないな。

⑩うなきゅう
較べちゃあいけないな。

*お椀 鯛アラ

⑪あじ

⑫穴子

ミシュラン一つ星、破格の値段設定、ネタの良さで人気の寿司店です。

この日はここまでにして大将ご夫妻にお礼を申し述べ、店を出ました。

何かきっかけがあって、原点回帰してくれたらなあ、との思いを抱いて。
(2014年11月 再訪)

金沢滞在の二日目、昼。前半の山場です。

半年ぶりの志の助です。開店と同時に入店し、店主とおかみさんに迎えられます。目に馴染んだ店内。すっきりとゆとりのある空間で期待が膨らみます。半年の間に県内では寿司部門で評価のトップになってましたね。

おつまみと寿司のおまかせで。冬の食材が揃いはじめ、いい時期にやってきました。蟹ばかりでなく、ぶりをはじめとする魚も味の深みが違ってます。

①香箱
うれしい。最初に香箱が出てくるなんて。二日目だと言うのに、初日の鮨みつ川、長八、そして朝の山さん寿司に引き続き、毎食香箱を食べてます(笑)。何杯食べても旨い。チョー旨い。濃厚な味にうっとり。

②万十貝
朝の山さん寿司と同じ流れで2皿目は万十貝。味付けがいいですね。量もたっぷりで、1個がでかい。それだけ食べごたえがあって、シアワセ時間が持続します。

③小鯛
真鯛の小鯛でした。ポン酢がウマイ。ポン酢嫌いのワタクシですが、これは持ち帰りをお願いしたいです。

④がす海老&あおりいか生げそ
⑤鱈白子
⑥ぶり3部位の造り

おいしいつまみが続きますので、日本酒をお願いしました。小松市に蔵元がある神泉大吟醸。人気品薄で出荷制限をしているという万延元年創業東酒蔵作。コク味を感じる酒でした。

あてのほうは、どれもこれもひっくり返りそうになる旨さです。がす海老もどこかで、と思ってましたが一番いい店で当たりました。
ぶりがすごい。3か所の部位から少しずつカットした盛り合わせ。すでに富山湾に来ていると言う情報は持ってましたが。

もう少しあるようですが、寿司も食べたい。握りに入ってもらいます。

①あおりいか
ここでも短冊切りで繊維を断ち旨味が倍加されてます。今回はショートカウンターに初めて座り、ネタ箱のヒミツが分かりました。ロングカウンターに座っていると下の方に手を伸ばして、手品のようにネタを出して来るんです。こうなってましたか。

②のどぐろ
これが絶対に不思議な1貫で。のどぐろの味わいが絶対に炙りでしか出ない味なんです。でも炙っていない。脂がほどよくにじみ出ているのに焦げ目がない。

『これって炙ってないですよね。』

皮から湯をかけるそうです。なるほどね。焦げの味もせず、最高の調理方法じゃないですか。

③甘海老
④鯵
甘海老はいつも特級品。味が違う。

⑤赤身づけ
⑥ばい貝
⑦うに
⑧炙りトロ
日本海の珍味と極上マグロ。オナカイッパイですががんばりたい(笑)。

⑨鯛昆布締め
⑩蒸しアワビ
⑪穴子
穴子は笹に包んでから熱を入れます。結果、ふっくらと仕上がり旨味も膨らんでます。

最後までテンションの高い寿司が続きました。ネタが本来的に持つ味わいを最高レベルまで仕事によって昇華させる。店主と奥様の形が違う接客サービスは居心地の良さを生み、また明日でも来たいと思わずにはいられない余韻。

楽しくおいしく食事ができたことに今回も感謝です。

(2014年4月 再訪)

美麗な一貫、きまじめな一貫、極旨な一貫。

この日のお楽しみは志の助。

志の助の魅力は何と言っても店主のきまじめさ。寿司の表情にも出てます。そして、奥様のハードワークなサービスと温かさ。それをゆったりした空間でひととき楽しめる。千葉から行く価値、十分すぎるくらいあります。

今回は志の助と乙女寿司の両店が偶然にも限られた日程の中で予約が入ると言う僥倖に恵まれました。志の助は2013年12月に拙稿2800番目のキリ番として上げさせていただいた思い出の店です。このときのタイトルは今回もそのまま使用させていただきます。

予約は18時。一番に入ろうと思い、予定よりも30分早くホテルを出ます。出てしまってから、いくらなんでも早すぎるとジブンにあきれてしまい。志の助の周囲には時間をつぶすところが何もありませんので、とりあえず駅前のフォーラスに入ります。ちょうどの時間調整をするつもりが、何と時間をつぶしすぎ(笑)。あわててタクシーで向かいます。

すでに6,7人の先客が始めてました(笑)。ご主人と奥様にご挨拶をして決められた席に。ビールとお茶をお願いします。

この空気も好きです。無駄口をたたかないご主人。つまむか握るかを最初に訊いてくださいますが、それ以降はこちらが話しかけない限り要領を得た短い言葉で寿司の説明だけ。そこがいい。こちらもそういう空気の中で思いっきり寿司が楽しめます。ネタの質問はあれば遠慮せずにどんどん訊きますし。

そういう意味で、他の店でのリラックスの方法とはちょっと異質。逆にそれが楽しみでここに来ます。こういう楽しみが出来るのも、一貫一貫の完成度の高さがあればこそでしょうね。寿司に集中する。そのマグニチュードがもっとも高い店という位置付です。

乙女寿司とは全く違う世界で楽しんでます。しかし、寿司自体の美しさは写真を通しても雄弁に寿司が語る、ことに置いてだけは同じ。ジブンの下手なレビューなど全く不要だと思ってます。

①赤いか
静かに始まります。いかは短冊に切られてから乗せてます。いかの下には気がつかないくらいの量の白ごまが仕込んでて、味のじゃますることなく最後に歯に当たってパチッと。濃厚な味に酔います。

②のどぐろ
志の助の手にかかると、のどぐろも味が違うように感じます。のどぐろのまた違った魅力。いや、これが本来の味なのかもしれません。

③甘海老
④さより

志の助のように握る前に包丁を使う作業を多く残している店の寿司は、どこも一級品ですね。下拵えは最小限に抑えて。したがって、包丁さばきも早いし無駄がない所作も見ていて気持ちがいい。正装もさまになってます。

⑤ばい貝
⑥うに

ばい貝も今回ほとんどの寿司店で食べて来ましたが、違うんだなあ。

『うにです、崩れやすいので崩れたらどんぶりのようにして食べてください。』と説明しての別皿。崩れやすいのは当然で、これは塩水うにだからです。でも、塩水うにを使ってます、とは言わないんですよ。いかにもご主人らしい。

⑦トロ
言葉不要。少し炙りが入ってます。炙りは別室厨房で奥様が。ここがいい。

⑧鯵
⑨蒸しあわび

あわびの質がすごい。東京では上等のものを食べたことがありませんが、こんなにおいしいものなんですね。塩の加減や、酒蒸しの時間や、いろいろ工夫があるようです。

⑩かすご(小鯛)
⑪穴子
穴子を塩でいただきます。むふ。おいしさに笑いが出てしまい。

ここまでが一通り。おなかいっぱいですが、帰りたくない。残りをお訊きして2貫だけ追加。

⑫しめさば
⑬がすえび

最高の時間でした。またおあいそうでも驚きの値段。いいんですか、と奥様に訊いたくらいです。次回はいつ来れるかなあ。しばらく香港行きをやめて、こっちにする?志の助と乙女寿司を交互に3回ずつとか。いやあ、そんなことをしたらばちが当たりますね。


(2013年12月 2800件目として初稿)

お店は西金沢駅から1.5kmということでちょうどいいウォーキング距離と思っていましたが、時間がなくなってしまい金沢駅からタクシーで向かいました。

金沢。おそらく旅行の回数で言えばもっとも訪問回数の多い街です。今までもおいしいお寿司をいただいてきました。太平寿し(野々市市)、乙女寿司、鮨処 あいじなどは強烈な印象を受けた店です。今回、福井で越前蟹を食べて来ようと思い立ったときに、金沢の志の助になんとか行けないものかと思っておりました。この日、幸運にも予約が入り、ここから逆算して旅行の計画を立てたわけです。

金沢には名店と呼ばれている寿司店がいくつかあります。その筆頭が、やはり小松弥助でしょう。小松師から寿司を握っていただくには恐れ多い若輩者ですので、そのお弟子さんの店、志の助で食べてみたいとは永年の思いでした。

タクシーが店の前に止まります。丁寧な女性ドライバー。お孫さんを連れてもりもり寿しに行くのが楽しみと言う彼女の、楽しんで来てください、の言葉に送られて店に入ります。

明るい店内。ゆったりとした空間でいながら余計なものは一切なし。もうドラマの舞台としてはこれ以上ない、と言った印象です。寿司に集中できる。寿司だけを見ていられる。つけ場にいたのは若い店主。きっちり正装をしてます。

お寿司だけのおまかせをたのみます。少し話をしますが、職人らしいはきはきした話しぶりはこれからいただく寿司の姿が見えてくるような。店内の雰囲気と重なる、余計なことは言わず、しかし的確な温かみのある言葉が返ってきます。想像以上の店だな、と内心ほくそえんでおりました。

さて、何からくるでしょうか。

あおりいかです。

こうきましたか。いかから始まるお店、過去にもありました。小ぶりで、しゃりの姿が丸みを帯びてます。寿司は一口で食べるものですから、これはいい。なにしろ、姿がいい。口に入れて、味わい。うん、きてるなあ。お客さんは他に2組入ってきましたが、寿司はその後テンポよく出されました。

ぶり。大きさは小ぶりの寿司に合わせ、厚みがすごい。実にアート的な美しさがあります。このぶりも極上。

卵を乗せた甘海老
のどぐろ
こうばこ

金沢ならではの握りが続きます。お茶飲みなワタクシですが、中を確認してどんどん替えが入ってきます。魚の話や能登の話をしますが、どれも感じのいい答えが返ってきます。

たらの白子
ばい貝
トロ炙り

言葉にならないくらい旨い寿司です。

あじ
蒸しあわび
たい昆布締め
がすえび

ここまでが一通りです、と言われた内容です。お腹いっぱいになりましたが、ここにもっといたい!まだいただいていないものを教えていただき、中から以下をお願いしました。

あなご
づけ
海水うに

そして最後は、まんじゅ貝。ドラマの終了。いやもうひとつドラマが残ってました。値段を聞いてびっくりの安さ。

今回も無事にキリ番級のお店に出会うことが出来ました。2800まで来ると、大台の背中が見えてきたような。元気に新しい年を迎えることが出来そうです。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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9位

喜一 (芦屋(阪神)、芦屋(JR)、芦屋川 / 寿司)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2014/12訪問 2014/12/19

(再訪)3300件目のキリ番レビューは芦屋の㐂一。手の込んだ寿司のこの値段は、今までの経験ではベストでしょう。

(2014年12月 再訪)

大阪滞在三日目の昼食。

3300件目のキリ番レビューをした芦屋の㐂一さんにやっと戻ってこれました。あれから3か月。大阪に来たら絶対にここは外せません。タイトルは変えずにいきます。

この日は朝から雨が降っていて寒かったです。1本前の電車に乗れてしまったため、時間をつぶすのが大変でした。前回は更に早く着きましたから、蕎麦を前菜でいただけたのですが。

先頭で入店。大将の真ん前に座ってビールから。この店では、つまみよりも追加でいくスタイルのほうがより堪能できる気がします。一通りをいただいた後で追加するかどうか考えると言うことで。

今回もまた実に丁寧に仕事を進めてます。寿司を目の前に置くときでも、ネタの名前を一言言うだけですから。

『これ、熱を入れてますか?』

『実はちょっと試作的に塩漬けにしてみたんです。』

『ですよね。サクへの包丁の入れ方が生じゃない感じですもんね。』

とか、会話を通じて、ああそっか、とジブンは納得しながらいただきます。ただおいしいだけでは、次につながらないと思ってます。経験の蓄積のためには、いろいろ知りたい。

①やりいか
②いしだい
③ひらめ
④赤貝

今回は白身がわりと多い感じでしたが、特に旨味を引き出す手法にいろいろ新鮮さを感じました。この週は全国的に海も荒れていて水揚げも少なかったと思いますが、そう言う時でもしっかりおいしいものを提供する方法も心得てますね。

⑤さわら
⑥赤身漬け
⑦中トロ
⑧こはだ

㐂一の寿司で一番の特徴はシャリの握りではないでしょうか。なんとか形になっているくらいの柔らかな握り。これが口に放り込むとふわっと口の中に広がり、ネタの味を最高に引き出します。

⑨車海老
⑩白子蒸し寿司
この日の出色はこの蒸し寿司でした。こんなにおいしい白子料理は初めての経験。是非自作してみたい料理でした。車海老もでかくて太くてアマイです。

⑪かつおたたき
⑫あまだい
⑬ばふんうに、海苔手巻き
お椀
⑭あなご
⑮助六

この日の一通りも大満足でした。オナカもいっぱいですが、帰りたくありません。追加、う~ん、3貫だけお願いしました。何があるか分かりませんので、おまかせで旨いネタを引き出そうと。

⑯しめさば
⑰にはまぐり
⑱しじみ

追加の3貫はどれも迫力がありましたね。次回はいつ来れるか。シアワセを感じつつ、後ろ髪を引かれる思いで店を出ました。


(2014年9月 初稿)

レビューの3201件目から3300件目の100軒の中では、もっとも輝いていたお店です。9月に行った関西旅行で訪問しました。出発前に予約していた店は5軒。

ひさご寿し(近江八幡)
鮨まつ本(苦楽園口)ミシュラン★
金城(北新地)
ピ・グレコ(大江橋)
㐂一(芦屋)

この店を予約しようと思ったのは、兄弟で切り盛りしていた鮨まつ本から独立を果たした弟の店だということを知ったからです。まつ本はミシュランガイドブックに掲載されている寿司店で、弟さんはその掲載の評価には少なからず関わってきたと思ってます。それが、独立した店では何を考え、何をウリにしていくのか。

今までの延長線上で進むのが最も自然だと思いますが、寿司職人として必ずや自分の個を発揮するはずです。それが今なのか、もう少し先なのか。独自性は何に重点が置かれるのか。そう言った興味がありますから、㐂一の寿司を食べてみたかったのです。まつ本と全く同じ寿司だとしても、それはそれでいい。

時間軸で言うと、滞在の

2日目 ひさご寿し
3日目 鮨まつ本
4日目 金城
5日目 㐂一

となります。鮨まつ本の方を先にしました。あくまで、まつ本がベースだと考えたのです。

さて、既報の通り芦屋へは11時に着きました。予約の12時までは1時間あるので、さあ、どうしようか。結局、パン屋に再訪して蕎麦屋の店の前で並び。蕎麦が配膳されたのが11時47分。食べ終えて㐂一まで歩き、店の前に着いたのは11時56分でした。二つの店の位置関係を見ていただければ分かりますが、近いです。あなたも、11時半から蕎麦を食べて12時から㐂一で寿司を食べる食のアドベンチャーが可能ですよ。

12時ちょうどに中へ招じ入れられます。ホールに入ると白木のいい香りが立ってますね。最初に店に入りましたので、一番端の席を指示されます。店主が挨拶に来られましたので、白木がいい匂いですね、磨いているんですか?とお訊きしました。その通りだと言うことです。シミがないウツクシイ白木のカウンター。

きらいな食材とアレルギーなどを確認されて、よろしくお願いしますでスタートです。瓶ビールとお茶をお願いし、料理は不要で寿司だけのおまかせをお願いしますと明確にしました。

お通しは、もずく。これがめちゃめちゃおいしくて、他のお客さんからもおいしいの連呼。訊いてみますと、青森県産の天然もずくということでした。もずくと言うと、沖縄産とか北陸産とかよく耳にしますが。出回っている沖縄産は栽培物が多いですね。

こういうお通しでこれはすごい、と思わせるとその後の寿司の期待がぐ~んと高まりますね。昼ですから、べつに高級な食材である必要はないんです。チェーン店のお通しに出てくるものとは全く違うモノ、そういうものでスタートできました。

①剣先いか
最初の一貫は、一昨日のまつ本と同じ剣先いかを薄くスライスして拍子木のように切ったもの。これがうまいんですよ。ねっとりした剣先いか。あえて変える必要はないし、これが一番スタートとしてベストなら踏襲することには大賛成です。

握りはかる~くふわっとした流儀で、口の中でほろりと崩れてネタとの混ざりも秀逸。うまいです。

②あこう鯛
旨味が出ていて関東ではなかなかお目にかかれないネタに満足。

③鯵
④つぶ貝
シャリは大きい小さいで言えば、やや大き目かな。大きさについて訊かれましたが、このままで結構ですって。でっかい鯵でした。

⑤赤身づけ
⑥中トロ
鮪でその寿司の格みたいなものが推し量られることが多いですが、この店の鮪は全く問題ないですね。欲を言えば、中トロはもう少し厚みがあるとぐ~んとおいしさが増しますが、5000円のランチではこれがベストじゃないですか。

⑦さんま
⑧さば
さんまも、握るところをずっと見てました。店主はカウンター席のほぼ中央で握りますから、本来なら口開けで入ったワタクシに中央に座る権利があると思うのですが。そんなこと関係ないお客さんがほとんどなんでしょうね。

中央だと、店主ともよく話ができますし、ネタとか握りが良く見えるので好きなポジションです。でも、端に座っても、店主から遠くても、がんがん話しかけるワタクシ。ウォッチも手を抜きません。

握るときに、ネタとシャリの間に黒いペーストを入れましたね。見逃しません。目の前に置かれましたがすぐには食べず。

『今、ネタの下に入れたのは、サンマの肝ですか?』

『はい、おっしゃる通りです。サンマの肝を先ず塩漬けにしてからボイルして、それを裏ごしして使ってます。』

見なければそのまま食べていたんでしょうが。この店主、このあともそうなんですが、手間暇かけたことは自ら言い出さないのですよ。訊かれれば応える流儀。おいしければそれでいいのですが、手間暇を謙遜しているのかな。自慢する店主が多いのに。

会話もそうですが、非常におだやかな話しっぷりで、カウンターで食べ慣れてなくても全く問題ない店ですね。それがすばらしい。

最初に気がつきましたが、店主は左利きです。勝手違いの包丁の話をしましたが、丁寧に答えてくださいました。

⑨車海老
⑩サワラ炙り
⑪牡蠣
車海老が今日一かな。こんなでっかい車海老をランチで出していいんかいと思うくらい。甘くておいしい。温かいまま、のは寿司屋の常識。全部はつかわずおいしいところだけ。他に使い道があるんでしょう。

牡蠣は塩をして茹でて醤油漬けにするそうです。言うと説明してくれます(笑い)。ま、気にしない人は気にしないでパクパク食べればいいのですから問題はありません。

⑫いくらご飯
⑬うに
この辺は、やはりランチの値段を考えるとかなりのお得感を感じるところですね。サービスがすごいと思いました。うには海苔で巻いていただきます。うにには海苔が合うんです。

⑭穴子
⑮助六

オナカイッパイになりました。それよりもココロの満足度が満点です。追加しようとは思いませんでした。もずくから助六までがストーリーになっていて、それをあえて崩すこともなかろうと。

この鮨のクオリティの高さは尋常じゃないです。手間がかかってます。そして、この値段。寿司屋を200軒以上経験したジブンにとって、ここまでの値段の店は思いつきません。

店主はまだお若いですので、小松弥助の森田さんの年齢になるまで相当時間があります。どのように進化進歩していくのか非常に楽しみです。ごちそうさまでした。文句なくキリ番の重責を担っていただきます。

ということで、無事に3300件を通過させていただきます。いつも応援ありがとうございます。

  • あかがい
  • くるまえび
  • こはだ

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10位

韓国焼肉 炙りな (北千住、小菅 / 焼肉、韓国料理)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2014/01訪問 2014/02/23

2900件目のキリ番レビューは、北千住にある韓国焼肉炙りな。その場で手切りする牛肉がうまい!

北千住に来ております。

とうとう大台までの最後のコーナーまでやってまいりました。

昨年度のマイベストテンでも書かせていただきましたが、本当に最近は病気らしい病気もせずせっせと部活動を継続しております。2000件目からの足取りはジブンのトップページにあるプロフィールに記しておりますが、多分見に行く人は皆無だと思われますので、ここにコピペしてみます。←強制的に見!

2012.09.08 2000件目    ピッツェリア 緑のイスキア(鶴岡・ピザ、イタリアン)(山形県)
2012.10.04 2050件目    ラ・ポルタブルー(長岡市・ピザ、イタリアン)(新潟県)
2012.11.04 2100件目    オマージュ(浅草・フレンチ)(東京都)
2012.11.29 2150件目    レストランアイ(原宿・フレンチ)(東京都)
2012.12.26 2200件目    つる幸(金沢・懐石料理、会席料理)(石川県)
2013.01.22 2250件目    リベルテ・ア・ターブル・タケダ(麻布十番・フレンチ)(東京都)
2013.02.19 2300件目    宇ち多”(立石・もつ料理)(東京都)
2013.03.24 2350件目    興(三ノ輪・串焼き、鳥料理)(東京都)
2013.04.21 2400件目    かつぜん(銀座・とんかつ)(東京都)
2013.05.21 2450件目    豚小屋(小岩・焼きとん、豚料理)(東京都)
2013.06.29 2500件目    砂の岬(桜新町・インドカレー、インド料理)(東京都)
2013.07.28 2550件目    仙人小屋(甲斐大泉、自然食)(山梨県)
2013.08.24 2600件目    ヒカリヤニシ(松本、フレンチ)(長野県)
2013.10.19 2700件目    はつね寿司(新潟、寿司)(新潟県)
2013.12.23 2800件目    鮨 志の助(西金沢、寿司)(石川県)

キリ番はおよそ2か月ごとにクリアして来てますね。キリ番まで待てずに50件でも年表に入れてます(笑)。

さて、2900件目。

このお店、グルメ本にも載っておりませんので存在は全く知りませんでした。場所はもう何十回と通った道路から30mほど裏路地に入って行きますので、通りがけに見つけると言うことは難しいと思います。

ある日、テレビをつけっぱなしにしていたんです。オリンピック以外は最近ほとんどテレビを見ることはありません。ペケポンくらいかな。ちょっとテレビが騒がしいので目を移すと、食べ旅番組をやってました。石ちゃんと北川ケイコ。

北川ケイコって名前ぐらいは知ってますが、映画テレビで見たこともなく。石ちゃんの話にツイテいけず、まったくよくこんな世間知らずで役作りができるなあ、なんて冷やかに見てました。おっと、場所は北千住ですね。知っている店が出てきましたので。

ちょっと手を休めて情報収集。あれれ、この前UPした豆腐屋さんも出てきて。さてはロケハン時に食べログをチェックして拙者のレビューを見たな←勘違い芸人。

そこで登場したのが、この韓国焼肉なんです。いやあ、めちゃめちゃうまそうです。牛肉の枝肉を取りだして、焼く前に手切りでスライスしていくんです。一度そういう店で食べてみたかったワタクシ。焼肉を山葵で食べてますねえ。絶対に行きたい!

CMに入ったとき、速攻でお店に電話します。

『すみません。二人なんですが、明日の夜って席とれますか?開店時間に入ります。』

もしかしたら電話がつながらないことも想定してました。過去、九十九里のウシマルをテレビで見てすぐ電話しましたが、30分話し中、という経験がありますので。

すんなり予約できました。

『テレビ、よく映ってましたよ。』

『ありがとうございます。』 で、電話を終えましたが、その後もお店の続きをやっていて結局途中のCM中に電話していたんです。

お店は食べログに載ってましたが、いかんせん先行レビューに投票がなくてお店の評価は・・・の状態。今がチャンスだ、と。そのうち絶対に人気店になって数年後にはるるぶやマップルに載るでしょう。そいう例をいくつか見てきたワタクシです。

さ、当日。店はすぐ分かりました。営業中になってます。入店。

へ~え。焼肉屋というよりも居酒屋っぽい印象。壁にいろいろチョークで描いてあるのでそう思っただけですが。

『ども。テレビで見た3人はドウでしたか?』とアイスブレーク会話。石ちゃんの気配りには感心したと。石ちゃんはワタクシと同じ?苦労人ですのでその辺りは想像がつきます。

『えっと、テレビで食べていたものと同じものが食べたいんです。』←コドモです。

ビールとチャンジャとキムチだけは先行オーダー。

『あのおお、肉の手切りの写真を撮らせていただきたいのですが。始まったら教えていただいていいですか?』

素人の客の立場で食べログを続けてますが、仕事で取材するんならずっと奥行きのあるレビューが書けるのになあ、と思っているワタクシ。お客さんが居りませんでしたので、せめてこのくらいはずうずうしく言ってみます。快く承諾をいただき。

さ、最初は上カルビですね。カットが厚いです。これにわさびをつけて食べるんです。テーブル上のコンロでジブンで焼きますが、その焼き加減こそ命とおっしゃる店主。最初は自ら手本の焼きを見せてくれます。ほとんど火を通さない感じですが、表面は焦げてます。山葵をつけて・・・・。

うま~~。

本当に絶品ですね。どの焼肉屋の焼肉もおいしいですが、その上を行くうまさ。知り尽くしている韓国人の面目躍如です。同行のマイレビュアーさんと顔を見合わせて、うま~を連発。もう一皿追加しました。わさび、いけますねえ。

そうそう。手切りでした。準備ができましたと言われて写真を撮らせていただきます。いやあ、こんなにでっかい肉の塊からとるんですか。リブロースという部位だそうです。黒板に部位図がありましたので確認。ちょうど肩ロースとサーロインの間にあるんですね。

そのリブロースを使って食べるのが焼きすきやき、とテレビで紹介していたメニュー。切りたてをいただきます。すき焼きということで、タレがかけてあります。この焼きがまたすごい。ほんの一瞬です。

まあ、こっちはさらに旨い肉でした。ご飯ご飯と連呼して。

もうお店の実力が分かりましたよ。タン、いきましょうか。これも分厚くて、この位の厚さになると味が飛躍的においしくなりますね。限定厚タンって980円ですか。考えられません。この時点で、これはもうキリ番しかないなと。

キリ番にすることで、ジブンは自分史に載せられるんです。そして、ときどき年表を見てにやにや。行ったのが1月終わりでしたのでタイミングが悪かったのですが、今日までキープしてました←もっと早く発表したかったあ。

じゃあ、丸腸いってみましょうか。これも最近ではとびぬけてうま~です。タンさきっちょは何と680円。肉を知り尽くしていて、カットも違いますね。おいしくいただきます。

こんなお店が人知れずあるんですね。これからせっせと通うつもりです。

これで最終コーナーを周りました。

いつも応援していただき、ありがとうございます。

  • 都度カットのリブロース
  • リブロース
  • 上タン

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