『日本酒とともに17「九谷焼酒器」』ランチ向上委員会さんの日記

絶望を退ける勇気を持て

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ランチ向上委員会 (男性・神奈川県) 認証済

日記詳細

当家は加賀藩士の末裔である。
加賀藩が百万石という大藩であったこと、幕末の戊辰戦争に積極的関与していなかったこと、金沢市が太平洋戦争による戦災が少なかったことにより、古い資料が現代に残っている。
国立国会図書館デジタルコレクションにある『加賀藩組分侍帳』にご先祖様の名前を見ることができるし、文化庁の文化遺産オンラインにある『延宝金沢図』や『寛文七年金沢図』などでは、その住まいの場所を知ることができる。
実に侍らしい家柄で、家宝のような物質的なものは何も引き継がず、強い正義感や清廉潔白さなどの精神性しか引き継いでいない。まぁ、それが武士道の本質であり、武士たる由縁なので、家宝など無くてもこれがあれば十分に武士なのだが…

食文化も「加賀らしさ」のようなものは無い。このままの生活様式で代を重ねてしまえば、子孫は加賀藩士の末裔たる意識が薄れてしまうのではないかと思い、先祖伝来のものでなくても、加賀のものを生活の中に取り入れることとした。
家で晩酌する際のお酒は石川県産のものと決め、『天狗舞』『菊姫』お正月には例年『常きげん』の純米吟醸『風神』を飲んでいる。
大衆的な日本酒のノベルティグッズのお猪口を使っていたが、お酒相応の酒器で飲もうと古道具屋で購入したものがこちら。古めかしい桐箱に入っていたが、名のあるもの、古いものではないと思う。
徳利2本と猪口5個の揃いの酒器で、柄は梅と牡丹。梅は加賀前田家の紋でもあり、当家にふさわしい柄だ。
機能的にも悪くなく、厚みのある猪口は、手にしっくりと馴染む。
これでお酒を飲むと少しばかり美味しくなる気がする。
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