ガレットブルトンヌさんのマイ★ベストレストラン 2018

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

今年もたくさんの素晴らしいレストランとの出会いがありました。
シェフ、サービス陣の皆さん、すべての関係者の方々の日々の努力に感謝です。
そして、この至福を共有していただき、1年ご一緒していただいた方々にも心からお礼いたします。
ここにたくさんのレストランから10店を選ぶのは、かなり苦行に近いですが、
自己の記憶としても残しておきたいと思います。
点数よりも、私の印象として強く記憶に残ったお店、シェフのお人柄、料理に対するフィロソフィー、
オリジナリティを主眼に選んでみました。

食べログではたくさんの参考になるレビューを拝見させていただいているので、
私も少しでも皆さまのご参考になるよう、これからも心掛けていきたいと思います。

マイ★ベストレストラン

1位

長谷川 稔 (広尾 / イノベーティブ、フレンチ、イタリアン)

4回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.9
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥50,000~¥59,999 -

2020/06訪問 2020/06/11

神、再び

今や、世界一予約至難とも思われるこちら。

幸運なことに、ご縁があって、再訪することができました。

勉強熱心な長谷川シェフ。

日々の精進を如実に感じる料理であり、

現状に甘んじないチャレンジも感じられ、

またまた超絶な技をみせてくれました。

華美な要素は一切なく、

素材の声を聴くかのような調理法。

油分保有率と水分保有率のバランス、味覚の対比を意識して

創られる料理は感動を超えます。

では、この日の天国の様子です。

*はワインペアリング


「食材の命を断つ瞬間から料理が始まる」全9皿


1. 鮑 グリーンアスパラガス
 千葉 房総の鮑 水と塩で約3時間火入れ。
 ソースは鮑の出汁をくず粉でとめたもの。
 このくず粉のとろけ具合も最高です。

 北海道産グリーンアスパラガスを蒸し焼きにした後
 高温のオーブンでロースト。

 *Roger Coulon / Brut Premier Cru Heritage N.V.
  ロジェ・クーロン/プルミエ・クリュ エリタージュ N.V.

  乾杯と、
  一品目に。
  10年以上熟成の
  香りと旨味の豊かなシャンパーニュ。


2. 金目鯛の鱗焼き スペシャリテ
 一見、こんなに手がかかっているとは想像できない料理ですが、
 実は・・・
 ①金目鯛は前日に昆布締めで塩打って脱水させ、
  30秒スチーム、30秒休ませて
  1分スチーム、1分休ませて...
  この作業を約1時間繰りし、ゆっくりと保湿させながら火入れをしていく。
  冷凍庫で1分冷ます

 ②ストレスをかけず傷をつけない為、皮目には包丁は入れないで、
  鱗をつけたまま皮目を下にしてフライパンで焼く。
  火が入りすぎないよう氷をあてながら焼いていく。
  絶対に魚を押さえつけない(ストレスがかかり今までの火入れの意味がない)
  魚が反るのを感じながらバランスをとり調整し素手で優しく押さえながら焼いていく。
  火傷しないための手袋は、魚の状態を感じる感覚が分からなくなるから絶対につけない。
  そのため、シェフの指先はいつもやけど。
  通称、「やけど焼き」です。

 ③炭で余分な油を落とし熱々に仕上げ、残りの火入れを行う。

 熱源を3つ使って、手間をかけ、ゆっくりと丁寧に火入れ。
 付け合わせは
  ・北海道ハーブ (毎日届くそう)
  ・高知の茄子のマリネ
  ・伊豆の甘夏

 25年熟成のバルサミコソース
 タプナードソース(オリーブ、コルニッション、ケッパー、レモン果汁)

 この一皿で、甘み、旨味、苦味、塩味、酸味の5味を楽しめます。

 *Gerard Boulay / Sancerre Monts Damnes 2017
  ジェラール・ブレ/サンセール モン・ダネ 2017年
  馥郁とした香り。
  スペシャリテをさらに際立たせます。
  ソーヴィニョン・ブランの爽やかさも。
  
3. 鹿カツサンド
 北海道の蝦夷鹿のもも肉を燻製にし低温で調理。
 ネックショットと呼ばれる狩猟方法により鹿にストレスなく、
 血が回らず、綺麗な肉質の鹿。
 北海道産のじゃがいもを使用したピューレとトマト、キャベツを
 パンで挟みカツサンドにしインカのめざめのローストを添えて。
 
 本当にきれいな味と風味の鹿肉です。
 ルビー色に輝き、抜群の火入れ。
 大好物ゆえ、この仕上がりは至福。
 
 *Serafin / Gevrey Chambertin 2009
  セラファン/ジュヴレ・シャンベルタン 2009年

  軽くスモークされた鹿カツには
  ほどよく熟成された
  香ばしいジュヴレ・シャンベルタン。
  次の料理と白ワインへの流れも考慮され、
  完璧すぎ。


4. 冷製パスタ 浜中赤ウニ
  銚子一山いけすのハマグリ出汁とスダチ
  を合わせたソースと絡めた冷たいパスタ。

 ・一山いけすのハマグリ
  鹿島と銚子の海流がぶつかる綺麗な水質で、
  トロール漁でゆっくりと静かにストレスを
  かけないように取っていく。(ハマグリにストレスを与えない為)
 
  四回濾過された生簀で生かし、水揚げしたその日のうちに
  店に届く。
  新鮮なためハマグリは洗わず火にかけ、綺麗な出汁を取る。

  赤ウニの間にレモン、ライムのジュレ、上から少し醤油を垂らして。

  この赤ウニの間の、レモンとライムのジュレ、という技に
  悶絶。 神は細部に宿る・・・。

  *Clos de la Bonnette / Condrieu Roches d’Arbuel 2018
   クロ・ド・ラ・ボネット/コンドリュー ロッシュ・ダルビュエル 2018年

   今回のインポートは60本のみ、とのこと。
   あくまでも自然なトロピカル香が
   冷たいパスタのスダチ・レモン・ライムの風味に、
   まったりオイリーなテクスチャーが
   雲丹のコクと素晴らしいマリアージュ。

5. リゾット 雲丹 まぐろ
  福井県産いちほまれ米を使用。
  まず、釜で炊かあがったところを見せてくれます。
  それを、ハマグリの出汁で炊き上げる。
  宮崎、油津のまぐろを使用。漬けにしたものと、炙ったものと
  2種類乗せ、有明の海苔と山葵を添える。
  今度は北海道余市の雲丹と焦がしバター、卵黄を合わせたソースで。

  反則的美味です。

  *ここで、ワインは休憩で、
   芦屋・青山ウーフさんの紅茶
  『アンバー』
  ダージリン・ファーストフラッシュに
  天然のバラとカモミールのブレンド。
  丁寧に水出しされ
  華やかで美しい仕上がりに。

6. マナガツオ 真鯛出汁 
  今回、最も感動した一品。
  究極の引き算の美です。
  茶道の心さえ感じます。
 
  藤本純一さん神経締めのマナガツオを
  蒸気で遠くからゆっくりと保湿をさせながら
  2時間かけて火入れし、炭火で仕上げる。

  スープも藤本さんの真鯛(神経締め)を使用。
  旨味成分に変わるATPを残す神経締め
  その真鯛の身だけを使う、という贅沢さ。
  冷やした時に苦味やえぐみに変わる為、
  頭と骨は一切使わず身だけで出汁をとる。

  身は前日に塩を打ち昆布締めにして脱水させる。
  硬水で洗い、軟水に浸し攪拌、濾過し火にかける
  愛媛の海域で獲れる真鯛は運動量が多く脂が少ない。
  そのため余分な油脂分が無く、冷やしてもクリアで
  綺麗な出汁がとれる、とのこと。

  真鯛、水、塩 以上。
  潔し。

  *Simon Bize / Savigny Les Beaune Premier Cru Aux Vergelesses 2003
   シモン・ビーズ/サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ 
   オー・ヴェルジュレス 2003年

   銘醸ブルゴーニュの
   完璧なコンディションの
   バックヴィンテージ。
   リッチなシャルドネながら、
   繊細なマナガツオの一皿にも合う
   絶妙なバランス感。


7.石垣島 きたうち ヒレ
 きたうちプレミアムビーフ40

 40ヶ月肥育の自然放牧の和牛、月間5頭。
 サシの融点は26度。

 低温でじっくりと(スイッチバック)火入れをし炭火で仕上げ。

 付け合わせは、
 賀茂茄子に、ブラウンマッシュルームエシャロット、
 ベシャメル、ゴルゴンゾーラのソースに、
 椎茸、スカモルツァチーズを乗せてグラタンに。

 *Argiolas / Turriga 1994
  アルジオラス/トゥリガ 1994年

  南の島の素晴らしい和牛に
  サルデーニャ最高の赤ワイン。
  こちらも完璧な熟成状態で、
  見事な芳香と重厚な味わい。
  開けたてと、
  前日に抜栓しデキャンタージュしたものを
  二皿のメインに合わせてサーブ。

8. トマト
  宮崎県のアイコトマト、低温(100度)で1時間ロースト。
  木更津のモッツアレラチーズとリコッタチーズ。
  レモン果汁とオリーブオイルを合わせたドレッシングと、
  北海道の菅原優子さんのハーブを。

9. 石垣島 きたうちイチボ
  (チンジャオロース仕立て)

  「まだ、お腹、入ります?」と聞かれ、
  深く頷きました。笑
  ヒレ同様に火入れをし、上に厚岸の牡蠣を乗せ、
  自家製のオイスターソースに、
  鹿児島の筍、宮崎のピーマン、梅山豚を加えたソースを。

  ちゃんと、チンジャオロースになっているところが、
  ちょっとクスっとします。

  *Argiolas / Turriga 1994
   アルジオラス/トゥリガ 1994年
   こちらには前日にデキャンタージュしたものを。
   やはり、こちらが好きです。
  

<番外>
  なんと、冷麺、登場。
  ホロホロ鶏の出汁というスープが
  すごすぎ。
  
  *これにもマリアージュ、というのが花田ソムリエの  
   すごさ。
   
   Marguet / Brut Nature Sapience Premier Cru 2008
   マルゲ/サピエンス プルミエ・クリュ 2008年 

   なんとサピエンス、
   しかも伝説になるであろう
   2008年ヴィンテージ。
   
10.デザート

  ① 長崎産 びわ
    ヨーグルトと北海道産クリームチーズのソースの上に
    レモングラス、ココナッツでコンポートにしたびわを添えて
    レモンのジュレとライムの皮を散らしています。


  ②ガトーショコラとピスタチオのアイス
    北海道産4つ星苺を添えて

   ・DOMORI サンビラーノミルクチョコレート
   ・バローナ 
    を使用したガトーショコラ。
    温度の対比を表現する為、2種を添えて。

11. 茶菓子
・マカロン
  ルビーチョコレートのガナッシュにフランボワーズのジャム
・アプリコットといちご、イチジクのパウンドケーキ
・特別にカヌレも


 *『オリエンタル』
   こちらは長谷川稔だけのオリジナル。
   ダージリン・ファーストフラッシュに、
   サンダルウッドをブレンド。
   エキゾチックで上品な香り。


今回は、マナガツオに心底感動しました。

長谷川シェフのキャパシティと探求心に、

心酔です。

そして、ソムリエ花田さんのワインマリアージュも

いつもながら、キレッキレで、

大いに楽しませていただきました。


予約至難度だけでなく、

クオリティもオリジナリティも、

世界唯一無二です。


3回目の訪問となりました。

新たなスタッフに変わり、雰囲気もとても明るく、和気あいあい

としています。

1階、シェフズルームに通され、窓越しに、キッチン

にいらっしゃるシェフと目であいさつ。

長谷川シェフ、今回も渾身の天才ぶりを見せてくれました。

もやは、天才を越して、すべての料理に神が宿っています。

「素材にストレスを与えないように」が、シェフのフィロソフィー

でもありますが、その素材と料理に対するやさしさが、素材の細胞の

隅々にまで伝わり、ひいては、私の細胞まで元気にしてくれます。

今回は、特にそれを強く実感。

ふつうであれば、「どうだ、この料理、すごいだろ」と

料理が主張してくるほどのクオリティですが、

長谷川シェフの料理は、ものすごく手がかかって

いるのに、そんなことは微塵も感じさせないほど、

淡々としていて、それでいて、一口いただくごとに、

経験したことのない充足感に包まれます。

心地よい読後感、翌日の爽やかさ、すべては、長谷川稔シェフの

成せる業です。

では、今回の内容です。

すべて完璧でした。

コースは、税サ込 36000円。

それに、ワインと個室料です。


1、舞鶴の鮑
  ミネラルを多く含んだ海流で育った鮑
  55度の温水で洗い、75度で4時間火入れ。
  水は、軟水7割、硬水3割。
  鮑の出汁と高坂鶏の出汁を葛粉でとろみをつけたもの。
  函館のアスパラガスの先には、肝ソースを炙ったものが。

2、すき焼き
  特選松阪牛のフィレと
  石垣キタウチプレミアムビーフのサーロイン
  前の晩に火入れし、自由水を出し、
  割り下を含ませて、ゆっくり炭火で火入れ。
  添えてあるのは、
  ・ちりめん山椒
  ・アサリ出汁で炊いたご飯
  ・北海道の王様椎茸
  ・赤酢
  これを、浜中の塩水雲丹+温泉卵につけて
  いただきます。

3、伊東の金目鯛
  スペシャリテです。
  1分蒸して、5分休ませる、を7~10回
  繰り返し、
  皮目を下に、鱗を寝かせるという独特の焼き方。
  身に火が入りすぎないように、上に氷を当てながら、
  オリーブオイルをつけて、炭火で火入れ。
  皮目はカリカリにクリスピー、そして、
  身はあくまでソフトでジューシーに。
  付け合わせは、
  ・北海道のハーブ
  ・ローストしたアイコトマト
  ・牛乳に1晩つけたモッツァレラ
  ・高知の茄子
  ・タプナード
  ・バルサミコ酢

  この料理で、人間の5味、
  旨味、塩味、甘味、苦み、酸味を表現。

4、北海道4つ星いちご
  いちご大福をイメージした一品
  マスカルポーネチーズと、ラム酒、
  抹茶、タピオカ、白餡を。

  モレッティのお皿で登場

5、マナガツオと筍
  今治の漁師、藤本純一さんのマナガツオの炭火焼
 
  京都の筍は、70度で蒸し焼きにし、
  グレープシードオイルで2時間コンフィにし、
  白出汁で1時間煮込み、その後ビールの衣でベニエに。
  煮込むときに、炭をいれることで、炭のカルシウムと
  筍のシュウ酸が結び付き、えぐみを取っている、とのこと。

  付け合わせは、
  ・蕗の薹の味噌
  ・菊芋ピュレ
  ・ブレザオラ
  ・山山葵

6、パスタ
  銚子、一山いけすの蛤の出汁と、
  昆布〆した白海老の出汁をまとった
  パスタに、キャビア

7、阿蘇の梅山豚のロースとバラ
  厚岸の牡蠣の酒蒸し
  宮崎のピーマン
  八丁味噌と甜麺醤
  オイスターソース
  ラー油

  イメージは、青椒肉絲

  グルタミン酸とイノシン酸の旨味が
  計算しつくされています。

8、リゾット
  福井、レンゲ栽培米のいちほまれと、
  神奈川の春シメジを、
  渡り蟹とトマトソースの出汁で。
  そこに毛蟹、雲丹、神経〆した車海老を。

  レンゲ栽培とは、昔から伝わる米栽培で、
  苗を植える前に、レンゲ畑を作り、
  空気中の窒素を土壌に固定し、それを有機肥料に
  するというもの。

9、仏、ルーアンの窒息鴨
  スイッチバック2時間半
  (1分のロースト、20分休ませる)
  ロワールのアスパラガス
   100度で4分蒸し、2分揚げたもの
  マルサラ酒とフォンドヴォーで。

  見事な焼きです。
  素晴らしいローズ色
  テクスチュアも完璧。
  皮目のクリスピーさも言うことありません。

  4種のポテトのマッシュ
   ・メークイン
   ・きたあかり
   ・サヤアカネ
   ・ロビオーラ
   トーマ・シラヌカのチーズで

   マッシュルームにゴルゴンゾーラ

10、デザート
  太陽のマンゴー
  ヨーグルトのパンナコッタ
  柑橘のアングレーズソース
  フォアグラを練りこんだクレープ生地
  ココナッツのジェラート

11、ミニャルディーズ
  ・胡麻のマカロン
  ・アングレーズのガナッシュ

12、富士のほうじ茶


お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Clinet Pomerol 2006
鴨とは、完璧なマリアージュでした。


新たにスタッフとなったソムリエの保木本さんも

とても一生懸命で、心地よいホスピタリティ。

これだけの説明を覚えるのに、

電車の中でも、呪文のように繰り返していたそうです。

そういった日々の努力は、着実に伝わりますね。


このクオリティを維持するシェフの技術と

精神力に感謝あるのみ、です。

帰宅後、お土産にいただいた、チーズケーキを

いただきながら、しみじみとお料理を振り返り、

幸福感に浸りました。


  
今年出会ったレストランで、ダントツにトップだったのが

こちらでした。

今までも天才と思われるシェフには何度もお会いしていますが、

ここまで絶句させる料理の技は正直驚きです。

長谷川シェフは、どこにも修行経験がなく、すべて

独学。

それゆえ、きっと、彼の手法には、「これはダメ」という

ヘンなハードルはないのだろうと想像します。

その変わり、限りなく続く試行錯誤。 異常なまでの

集中力がなければ到底できません。 

しかし、ご本人は、ニコっと笑うと小熊ちゃんのような

キュートな表情。 

厨房にいるときの集中した顔つきと、会話しているときの

表情がまるで違います。

そんな驚愕の技ですから、予約が殺到。

聞けば、2020年半ばまですでに満席とか。

そんな中、再訪の機会を持てたことは幸せの至り。

冬になり、前回とは素材も一新。

またまた、すご技がさく裂しました。

では、内容です。

1、白子のタリオリーニ
  愛媛今治の藤本さんの鱧と、
  銚子一山いけすの蛤の出汁に
  高知の柚子を効かせたタリオリーニ。
  鱈の白子は、干し椎茸やかつおぶしなどの白出汁で
  ゆっくり炊いたもの。
  タリオリーニの上には、たっぷりと艶々の白子が。
  噂には聞いていましたが、これを一口いただいたときの
  衝撃。 初めてこちらに伺ったときの衝撃が
  瞬時によみがえりました。
  人生でいただいた白子の中で最も美味です。
  白出汁の滋味が白子に沁みているのですが、
  白子の旨味も同時に感じます。
  タリオリーニに混ぜずに、交互に食べてください、と
  シェフのリコメン。
  口の中で、交互に記憶が交錯し、増幅します。
  まさに至福。

2、シマアジ
  伊東から2.8kgのシマアジが入ったとのことで、
  それを41.5度で燻製に。
  42度になると、もうかたくなるそうで、
  シェフは、どの素材にも適温を試しています。
  果てしない作業です。
  サラダ仕立てで。

3、会津の献上柿
  2つのソースで。
  ① マスカルポーネとラム酒
  ② ヘーゼルナッツとカカオ
  ②のソースは、柿の上にちょっとだけのっているので
  いわれないと気付かないくらいですが、
  そのカカオの余韻が素晴らしいのです。
  実は、柿にほんの少しのセルドフルールを
  ふっているとのことで、これで味の締まりを
  実現。
  甘味と香りのコントラストを楽しめます。

4、長井の赤座えびのベニエ
  2種の塩味で。
  ① モルドバのベルーガ
  ② 川岸牧場 神戸牛のブレザオラ
  塩味にブレザオラをもってくるとは・・・。
  確かに、異なる塩味がベニエをより楽しくします  
  合間にいただく、椎茸の炭火焼も計算しつくされて
  います。
完璧ですが、こうすれば、もっと良くなるのでは、
  と思いついてしまったことがありました。
  シェフには伝えていませんが・・・。笑

5、川岸牧場 シャトーブリアン
  幻の蓮根と言われる姫路蓮根をコンフィにして揚げたもの
  山葵と白子
  その三層をいただいてから、
  残った白子をソースでもあるポン酢につけて、
  白子ポン酢で。
  極上のシャトーブリアンには、ナイフがスッスと
  通り、蓮根、白子とのマリアージュも初めての体験。
  白出汁のイノシン酸が牛肉とマッチするのは
  いうまでもありません。

6、リゾット
  日高の毛ガニに、
  昆布盛の塩水雲丹に焦がしバターを。
  山山葵と白トリュフ。
  蓋をとると、トリュフの香りが広がります。
  温泉卵と割り下を少しかけて。
  なんとも贅沢なリゾット

7、回鍋肉
  「回鍋肉がでます」とは聞いたものの、
  お皿が登場したのは、小気味よく想像を裏切る
  もので、もう痛快そのもの。
  お皿は、フレンチの仕立てです。
  高山の雌イノシシのロースにチーズをまとわせ、
  ローストし、キャベツと。
  松阪豚のバラ肉はカリっと炭火焼。
  それを甜麺醤でいただきます。
  この甜麺醤が笑えるほど美味。
  添えられた蕪は、油分を流す役目。
  生姜御飯を少しいただきながら・・。
  脂と甘みのコントラストです。

8、デセール1
  長野の富士リンゴをコンポートとジャムで。
  下には、アーモンドミルクのパンナコッタ
  上には、生姜のグラニテ
  冷たい一品。

9、デセール2 
  フォンダンショコラ トンカのガナッシュ
  京都産酒かすのアイス
  高知のミカンを150度で1時間半焼き、
  甘味を凝縮させたものと、それを半分冷凍にしたもの。
  べにまどか(水晶文旦)
  とそのアイスパウダー

10、ミニャルディーズ
  ① ベルガモットのチョコレート
  ② 柚子のマカロン
  3 フィナンシェ  プレーン
            シナモン
            コーヒー

11、富士 マル茂茶園、本多さんのほうじ茶


お供は
1、赤ワイン
  Chateau Beau-Sejour Becot
Saint-Emilion Grand Cru 1989

  こちらのソムリエさんもとても勉強熱心。
  仏ワインのみにこだわっています。
  ワインペアリングで使用されている
  ワインも秀逸なものばかり。

2、シャテルドン


2回目というのは私の中で最もハードルが高いです。

なぜなら、1回目がものすごくよければよいほど、

その気持ちはいい記憶として美化されていくので、

2回目にそれを上回るのは並大抵ではありません。

が、長谷川シェフは、いとも簡単に、あっさりと

上回ってしまいました。

白子のタリオリーニをトップにもってくるのは、

反則に近いですね~~~。 

さて、今から3回目が楽しみで仕方がありません。



これだけ、日本はもとより、世界でおいしいものをいただいていますが、

心底驚きがあり、美味しいと思うものに出会うのは、年1度か2度です。

そして、今年も出会ってしまいました。

私が価値を見出す食事は、

*シェフが食と向き合う姿勢がどうか

*オリジナリティな要素がどれほどあるか

*私の想像を凌駕したか

*シンプルに「おいしい」と思えるか

といった点ですが、

こちらは、これをクリアしたたけではなく、

はるかに超えてくれました。

「素材と手間には人生を掛けている」とシェフ。

本当にそのとおりです。

長谷川稔シェフは、北海道、江別出身。

かの地でレストランをやっていましたが、ご縁あって、

今年から広尾へ。

北海道の素材はもちろん、全国の素材を探究し、

休日には、生産者に直接会って勉強しています。

その素材の良さを最大限に引き出すための

時間と手間、そして工夫のかけ方に驚かされます。

しかも、その方法論については、トライアルを重ねた

オリジナル。 いったい、どれだけの試行錯誤をしたら、

ここに行きつくのか、と考えさせられます。

ですから、シェフの料理は、仏でもない、伊でもない、

長谷川稔料理なのです。

こちらでの食事後、数日間、感動が止まらない、という満足感に浸っていました。

というわけで、ちょっと気合いを入れて書きますので、

長くなります。


ところは広尾駅から徒歩3分ほど。

「ブルディガラ」の隣りの黒い一軒家。

外観は、お店に見えないので、わからない人も続出とか・・。

一軒家らしく、「長谷川稔」と書かれた縦位置の表札が

出ています。

店内は、1Fに4名用の個室と2Fにカウンター席。

1Fからは、ガラスを隔てて調理場が見えます。

2Fカウンター席は6席ありますが、1F2F合わせて1度に4名しか

予約を受けません。

この日は、2Fカウンター席に。

ソムリエさん、パティシエさんがサービスに当たり、

どちらも、とても感じのよい対応。

コースは、1つのみです。

それでは、感動を再現してみたいと思います。

1、金目鯛
  
  シェフのスペシャリテです。
  いきなり、スペシャリテが登場するという構成も
  度胆をぬきます。

  神津島産2.4kg、船上神経〆された金目鯛。
  七輪で2時間火入れし、鱗をオリーブオイルで
  焼くのですが、このとき身に火が入りすぎない
  ように、身側に氷を当てながら焼くそうです。
  その後、炭火で。
  鱗のパリパリ感、身のしっとり感は極上そのもの。
  
  モッツァレラ、バルサミコを添え、
  上には、デトロイト、赤みずな、セロリーの葉、
  ロケット、ナスタチウム、青梗菜などが
  たっぷり。

2、雪の妖精

  というホワイトコーン。
  8本を蒸し焼きにして甘味を出し、
  2本を皮つきのままローストにして、香りを出します。
  そこに、ミルクと塩のみを足し、
  「ナチュラルな甘み」を楽しめる一品に。
  
  大皿に、スプーン1杯ほどが供されますが、
  その品のある甘味に感動。
  江別ではデセールとして出していた、というのも
  頷けます。

3、唐津の黒無花果

  黒無花果に3層のソースがかかっています。
  コントラストを楽しむ一品。
  ① 胡麻
  ② イタリア産ヘーゼルナッツ
  ③ マルカルポーネ

  3層とも滑らかの仕上がりですが、
  その風味の重層が次々押し寄せます。

4、松茸、のどぐろのベニエ

  長野県産松茸と、石巻ののどぐろを、
  ビールとイーストと卵白で作った衣で
  カラッと仕上げてあります。
  松茸には、キャビアを乗せ、海の塩味を。
  のどぐろには、からすみを。

5、パスタ

  出汁だけをからめたパスタです。
  愛媛今治の漁師、藤本さんの鱧、
  銚子 海の生簀で2日活け越し
  (断食のような状態)にした蛤。
  
  途方もなく、エレガントな出汁です。
  
  美しいうねりを持つガラスの皿は、
  北海道の作家さんのもの。

6、カツレツ
  
  土佐の赤牛のフィレ。
  牛の香りを感じる肉質です。
  サクっと揚がっていて、
  旨味が口中にあふれます。

  インカのメザメルージュを
  雪下熟成された甘いさやあかね(ジャガイモ)
  のマッシュで覆い、
  白糠のロビオーラと、トーマ・シラヌカの2種類の
  チーズを。

  ジャガイモとチーズに北海道ならでは、を感じます。

7、ご飯
  
  76℃で5時間炊いた鮑と
  リゾット風に仕上げたお米を合わせて。
  味噌で2晩脱水し、鰹節や干し椎茸の出汁に
  漬けたいくらが別に供され、
  ご飯と一緒に。
  至福そのもの。

8、サフォーク 仔羊

  茶路めん羊牧場の仔羊のTボーンです。
  骨を高温の炭火焼きにし、
  骨の余熱で火を入れています。
  骨の間にすいすいとナイフが入れられるほど、
  ナイフの刃が研ぎ澄まされています。
  キノコのマルサラソースと、
  舞茸と。

9、デセール 1
 
  南瓜プリン
  喜界島産無農薬無花果のジャム
  コーヒーアイス(豆をくだいて香りのみ)

  デセールは、女性パティシエが担当。
  目の前で仕上げていきます。

10、デセール 2 
  
  3種の葡萄のデセール
  シャインマスカット、翠峰、黒丸
  シャインマスカットを中央に。
  半分にカットした翠峰と黒丸の上には、
  長野パープルと紫蘇を合わせたエスプーマ、
  赤ワインとアニスのゼリー、
  甘酒のソルベを。
  紫のお花が咲いたようなかわいいデセール。
  味のマリアージュが考え抜かれています。

11、ミニャルディーズ

  *マカロン
   未熟小夏のマカロン
   中は、ホワイトチョコのガナッシュに
   小夏ジュースを合わせたもの。
  *チョコレート
   ドモーリのガナッシュに
   アラビアンジャスミンのシロップ
  *フィナンシェ
   焼き型のまま、供されます。
   プレーンとダージリン

12、フレッシュハーブティ

  レモンバーベナ、レモングラス、
  アップルミント、グレープフルーツミント
  などを、その場でちぎって、たっぷり。


お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Giscours Margaux 1996
品のいいコクとプラムのような風味。
素晴らしいバランスです。

お土産  スフレタイプのチーズケーキ
 
     家でいただきました。
     ソフトでクリーミー。
     やさしいチーズケーキです。


パスタが出る前のタイミングで、1Fの個室を

見せていただきました。

ガラス越しにシェフを見つめるも、

料理に集中しているシェフは、こちらに

気づきもしません。

天才というより、鬼才といったほうが

いいかもしれません。

この優しい風貌のどこに、ここまでの

徹底したこだわりと探究する強い意志の力が

秘められているのか。

ますます興味がわきました。

この日は、コースが15000円でしたが、

今後は当初予定されていた30000円に戻すとのこと。

それでも十分価値はあると思います。


  • マナガツオ
  • 雲丹のパスタ
  • 石垣島 きたうち ヒレ

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2位

美山荘 (京都市左京区その他 / 日本料理)

6回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥30,000~¥39,999

2023/04訪問 2023/04/08

春を待つ、摘み草料理

数年ぶりでお邪魔しました。

京都から車で1時間半ほど。

深い山の中にある、旅籠兼日本料理のお店です。


京都市中は、桜が満開でしたが、

こちらへ来る道すがら、みごとな野生のつつじの

群生は見られたものの、

まだこちらでは、桜の蕾がかたいまま。


お座敷からは、真下に流れる川のせせらぎと、

鳥の声だけが聞こえ、

テラスに出ると、瞑想でもしたいような

心地よい微風を感じます。


この日も、大将と女将が、久々の再会を

喜んでくれました。

では、初春の献立、内容です。

1,あけび茶

2,一献
  竹野酒造 八栄鶴

3,先付
  手つきの籠に。
  ・蕗の薹白和え
  ・こごみのくるみ味噌和え
  ・猪の燻製
  ・栃餅の衣で揚げたこんにゃく
  ・うるいに包んだ独活の梅肉和え
  ・蕨の海苔巻き
  ・川海老
  ・山吹の煮凝り

   ここまでは、栗の木の箸でいただきます。

   山菜ひとつひとつに、丁寧な仕事がしてあり、
   感心します。

4,鯉のお造り
  大悲山の、きれいな水で育った鯉です。
  くさみが一切なく、鯉の概念が変わります。
  揚げた皮
  菜の花の酢味噌和えと。
 
  菜種油と塩で。

5,白味噌椀
  よもぎ豆腐入り

6,山菜の天ぷら
  これが摘み草料理のひとつ。

  ・すじ海老とこごみのかき揚げ
  ・つつじ
  ・行者にんにく
  ・タラの芽
  ・のびる
  ・酸葉

   これを、土塩でいただきます。
   山菜が育った「土」というわけです。

7,筍
  へしこ
  花山椒
  揚げた姫皮をまぶして。

8,猪
  杉板の上に、春キャベツ。
  その中に、猪と焼いた蕗の薹、
  焦がし醤油。
  杉の香りが映っています。

9,蒸し寿司
  ひうお
  鱒の卵
  つくし
  錦糸玉子

10、煮物椀
  朱のお椀の蓋をとると、
  中には、鮮やかな緑の汁が。
  うすいえんどう豆の翡翠仕立てです。
  ぐじ、胡麻豆腐、
  独活の千切りと。

11、あまごの炭火焼
  蕗の薹の天ぷら
  蕗味噌

  石を焼き、その上に、蕗味噌と、
  煮切酒。

  すばらしいプレゼンテーションです。

12、炊き合わせ
  餅巾着
  椎茸
  蚕豆
  蕪餡で。

13、ご飯
  芹と鴨の炊き込みご飯
  香の物

14、水物
  酒粕とミルクのアイスクリーム
  日向夏のメレンゲ
  いちご

15、焼いたよもぎ餅
 
16、お薄

お供は、
・能登 宗玄 純米酒


毎回思いますが、

こちらでしか味わうことができない

唯一無二のお料理です。

美しい大地、美しい水、澄んだ空気の

恵みを感じます。

また、すぐお邪魔したいほどです。


  
日本料理は、四季を映し、皿の中に四季を表現するのが、

特徴的ともいえます。

こちらは、四季が表現された料理を楽しむだけでなく、

すぐそこに、その四季を感じることができる、

稀有な場所でもあります。

というのも、京都市内から山道をうねうねと車で1時間半ほど。

人里離れた山間にひっそりと佇む料理旅館です。


今年の紅葉は例年より遅く、まだ枝先のほんの僅かでしたが、

それでも、山間の息を飲むような紅葉の美しさと、

清流のせせらぎの音だけに囲まれていただく

美山の料理は、市中では体験できない貴重なものです。


もうこちらにお邪魔するようになって、何年か経ちますが、

いつも美しい女将の楚々とした品の良い接客に

心が癒されます。

今回は、いつにも増して、料理に進化が見られ、

きわめて満足度の高い内容でした。

では、お献立です。

まず、あけび茶がふるまわれます。
山間で摘んだあけびを干して造る自家製です。

1、一献
  朱塗りの丸盆に、
  手ぬぐいと、酒杯。
  銀杏みその朴葉炉
  姫大根 あちゃら漬け
 
  本醸造の生酒がふるまわれます。

2、向付
  鯉造り
  薬味おろし

3、汁
  新米餅
  水からし
  白味噌仕立て

  この、えもいわれぬコク。
  これにつられて、やってきます。

4、八寸
  ・ぽろたん 栗
  ・本黒豆 共和え
  ・川海老  脇の清流でとれたもの
  ・栃もちこんにゃく
  ・地玉子味噌漬け
  ・鮎一夜干し
  ・小豆かるかん
  ・生落花生  丹波 蒸し焼きに。

5、強肴
  焼き松茸
  かぼす

  女将が炭火に炙ったまま、持ってきて、
  取り分けてくれます。

6、お凌ぎ
  岩魚 にぎりすし
  わらいぶし仕立て

7、土瓶蒸し
  松茸、雉丸、水菜、柚子

8、焼物
  子持ち鮎の杉板焼
  すだち

9、炊き合わせ
  名物、きのこ鍋
  舞茸、虚無僧茸、なめ茸、れんこん餅
  むかご、ねぎ
  
  いつも思いますが、この出汁、
  他ではけして味わえません。

10、御飯
  栗御飯
  香の物

11、水物
  大城柿 キャラメリゼしてあります
  ナッツアイス
  さる梨

12、菓子  
  くるみ葛焼き

13、お薄


こちらのきのこ鍋をいただくと、

本当に、日本の秋を実感します。

毎回いただく料理のクオリティはもちろん

ですが、

今回、例えば、土瓶蒸しの中に入っていた

雉丸(雉団子)には、はっとするほどの

旨味と滋味があったり、と

ディテールが確実に進化していることが

わかります。


帰りには、美男美女カップルである

大将と女将が、見えなくなるまで、

見送ってくださいました。



昨年秋に続き、お邪魔しました。

京都市内は、桜が満開でしたが、市内から1時間半

山間に入ったこちらは、1か月以上季節が戻ります。

まだ、桜の芽も固いですが、お料理には、もう春が近いことが

感じられます。

毎回、訪れるごとに、こちらの実力には驚かされます。

まず、その独創性。

山間ならではの地の利を生かした山菜や魚。

プレゼンテーションの妙は相変わらず。

そして、女将をはじめとした皆さんの心温まる

ホスピタリティ。

今回も、右手にある個室で、

川のせせらぎを聴きながらの食事です。


それでは、今回の内容です。

まずは、あけび茶。


1、地酒
  丹後の「八坂鶴」亀寿ハイブレンド
  昔ながらの製法で作られているもので、
  かなり限定品です。

2、春の摘み草籠

  地元の人が、この籠をもって、山菜取りに
  行く、という籠に、八寸が。
  その美しさにしばしみとれます。

  
  ・うるい 梅ゼリー
  ・こんにゃくの栃餅あられ揚げ
  ・川海老 素揚げ
  ・のびるの根
  ・こごみ
  ・猪ベーコンと三つ葉
  ・蕨の干瓢巻き
  ・いさぎ (琵琶湖の魚)

3、鯉の刺身 
  皮は湯引き。

4、お椀 
  白味噌、鯨ベーコン、三つ葉

5、山菜天ぷら
  ・蕗の薹
  ・タラの芽
  ・つくし
  ・酸葉
  ・こごみと車海老のかき揚げ
  ・山つつじ
  ・行者にんにく
  ・こしあぶら

6、筍 
  竹を半分に割った器に、
  筍の皮をかぶせて、登場。
  皮を取ると、
  中から、炙った筍、からすみ、木の芽、むら芽が。
      
7、京都牛
  京都牛のバラ、芽独活、花山椒
  醤油のタレ
  

8、しのぎ 
  蒸し寿司(ちらし寿司)
  こごみ
  氷魚(ひうお) 稚鮎です。
  いわなの卵

9、煮物 
  うすい豆
  揚げたまじか(にごい)
  桜餅
  独活
  柚子の花

10、アマゴの炭火焼き
  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
   眼下を流れる川でとれたもの。
  葉山葵の甘酢漬け

11、炊きあわせ
  筍、蕗、餅、若芽、蚕豆の茶巾

12、ご飯
 蕗味噌
    
   香の物

13、日向夏ゼリー

14、よもぎ餅

お薄

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


こちらの白味噌のお椀には、いつも感心させられます。

そして、今回は、山菜の天ぷらの仕上がりの良さに驚嘆。

からりとした食感と、山菜の香り高さ。 素晴らしいです。

あまごの炭火焼も秀逸でした。


帰りは、女将と3名の中居さんたちが、整列して、

いつまでも見送ってくれました。


もう何度もお邪魔している「美山荘」ですが、

今回は、ことのほか秀逸でした。

いつものように、向かって右側の川に面した

建物の個室へ。

月見台と呼ばれるテラスがついていて、

そこからは、美しい紅葉とせせらぎの音を

楽しむことができます。

しーんと静まり返った山の中。

さらさらと流れるせせらぎの音以外、なにも聞こえません。


そこへしずしずと料理が運ばれてきます。

それでは、この日の食事です。

日本酒をいれて、30000円ほど。

1、アケビ茶
  燻製香の利いたお茶からスタートです。

2、一献
  朱塗の杯に弥栄鶴がふるまわれます。

3、銀杏

  七輪の上に、棒葉が。
  そこには、たっぷりの味噌に生姜、椎茸、銀杏が。

4、鱒のお造り

  皮は湯引きで。

5、お椀

  白味噌に、新米のお餅と芥子
  
  毎回、これがお目当てなほど、好みです。

6、八寸

  *枝豆の和え物
  *菱の実
  *川海老の天ぷら
  *茹で落花生
  *黄身の味噌漬け
  *蒟蒻の揚げ物
  *かるかん (副料理長が鹿児島の出身なので)
  *鮎
  *紫芋のチップスを葉の形に。
  *さつま芋を銀杏の形に。

7、松茸

  炭火の上に、たくさんの松茸をのせて、
  女将登場。
  本当にいつお会いしても、楚々とした品のある
  美しい女将です。
  
  名残の松茸をかぼすでいただきました。

8、おこわ

  黄色に色づいた蔓と葉を巻きつかせた
  竹かごに、おこわの入った竹の皮が
  並びます。
  竹の皮を開けると、
  むかご、百合根、椎茸、しめじの入った
  おこわが。

9、土瓶蒸し

  松茸と鯉です。
  こちらの池で飼っている鯉で、
  とても洗練されたお味。

10、子持鮎の杉板焼き
 
   この時期の鮎は、卵をもっていて、
   栄養がぞちらに行くので、身には一仕事。
   味噌幽庵焼きで、杉の香りを移していました。
   これが秀逸。
   かぼすをちょっと絞っていただきます。

11、きのこ汁

  この時期の「美山荘」の真骨頂。
  舞茸、なめ茸、虚無僧茸、黒皮茸に
  海老芋を入れた、えもいわれる汁です。
  粉山椒と。

12 、栗ご飯

   大好物が続いて登場。
   ほくほくの栗がたっぷりです。

   香の物

13、代白柿
  柿の葉茶アイスクリームに、さるなし
  くるみの葛餅

14、お薄

お供は、早瀬浦。


秋の味覚満載な時期ですが、

それにしても、それ以上に今回はどれも

仕事が際立っていました。

深山ならではの秋。

満喫させていただきました。


  
昨年秋に引き続き、お邪魔しました。

京都市内は桜が満開ですが、この山の中はまだ春はもう少し先。

道中、山の中に、たくさんの紫の花の群生が見えました。

なんだろうと運転手さんに聞くと、つつじ、とのこと。 珍しい野生の紫のつつじです。

山の中も、春の足音が少し聞こえています。

さて、今回も川のせせらぎの聞こえる和室です。

月見台に出ると、ちょっと肌寒さを感じ、桜のつぼみはまだ固いです。

しかし、お料理は春爛漫でした。 そして、「美山荘」ならではの、山菜が盛りだくさん。

1、地酒         まずは、丹後の地酒を

2、八寸         蕗の薹 白和え
             うるい 梅ゼリー
             こんにゃくの栃餅あられ揚げ
             琵琶湖のもろこ
             黄身の味噌漬け
             えんどう豆 豆腐 (黄身の味噌漬けと串に刺されて)
             川海老 素揚げ
             のびる
             こごみ 松の実

3、お椀         白味噌  蚕豆葛寄せ

4、鯉の刺身       皮は揚げてあります。
             蕨の昆布〆
             のびると辛み大根をおろしたもので。

5、自然薯        酢をきかせたタレで。

6、天ぷら        野草   酸葉(すいば、と読みます)
                  行者にんにく
                  こごみ
                  タラの芽
                  こしあぶら
                  タンポポの葉
                  つつじの花

7、筍          筍のプレゼンテーションが秀逸でした。
             外見は、筍が土から出てきたような状態で、皮つきでお皿に。
             しかし、皮はかぶせてあるだけで、ぽこっと上に引き抜けます。
             中から、本体が登場。
             付け焼きにしてあり、究極に柔らか。

8、いのししのコンフィ  油漬けにしてあります。
             野三つ葉
             蕗の薹
             椎茸   と一緒にすき焼き仕立てに。

9、しのぎ        蒸し寿司
             こごみ、いたどり、ぜんまい、つくし
             氷魚(ひうお) 稚鮎です。
             湯葉の錦糸をかけて。

10、煮物        薄切りの蕪で、甘鯛、ウド、たんぽぽ、わさびの花を覆っています。
             すまし汁で

11、アマゴの炭火焼き  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
             美しいプレゼンテーションです。

             夏みかんの入った酢で。

12、炊きあわせ     筍、菜の花、うずら団子

13、ご飯        鱒とせりの炊き込みご飯

             香の物   蕪、菜の花、沢庵、昆布

14、牛乳ゼリー     美山町の牛乳です。
             はっさくのマーマレード
             クコの実
             野人参の葉

15、よもぎ餅

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


いつもながら、完璧なホスピタリティ。

静かな山あいの里の落ち着いた時間。

美しい女将の笑顔。

もうすぐ来る春を力いっぱい感じさせてくれる料理の数々。

とことん楽しませてくれるプレゼンテーション。

いい時間でした。



<2016年11月>

 1年ぶりの再訪です。

 急速に色づいた紅葉が青空に映え、まさに錦絵の世界を創りだしてくれました。

 思いがけず、ちょっと早い紅葉の見ごろとなり、この幸運に感謝です。

 昨年同様、通常は宿泊棟となる座敷を使用させていただきました。

 月見台に出ると、小川のせせらぎだけが聞こえ、なんとも風流です。

 さて、この日は、ランチで、25000円のコースをお願いしてありました。

 京の山の秋を表現したお皿には、登場するたびに、ため息がでます。

 そして、この時期の名物、きのこ鍋は、想像をはるかに超える美味さ。

 本当にこの時期に来られてよかったです。

 さて、料理です。

1、銀杏の朴葉焼き      大きな朴葉に、味噌和えの銀杏がたっぷり
               蕪の甘酢を添えて

2、鯉の刺身と皮

3、白みそ椀         豆腐、香草

4、八寸           菊菜と菊葉のお浸し
               地卵の黄身の味噌漬け
               川海老の素揚げ
               ひしの実
               生らっかせいの塩ゆで
               こんにゃく
               栃餅のあられまぶし
               紅葉に見立てた芋チップ

5、松茸の炭火焼き      京北町の松茸です。 すだちで。

6、おこわ          むかごと百合根と椎茸

7、土瓶蒸し         松茸とぐじ

8、子持ち鮎の杉板焼き    味噌幽庵漬けの鮎です。 卵がたっぷり。

9、虚無僧茸         トマトと麹を和えた酢で。
               虚無僧のかぶりものに形が似ているから、この名前が。

10、きのこ鍋        土鍋に、舞茸、なめ茸、ねずみ茸、そして、蓮根餅が。
               かつお、昆布の出汁に、茸からの出汁が出て、えもいわれぬ旨みが。
               3種類以上の茸だと、出汁が相乗効果になってより美味、と
               女将が説明してくれました。
               これは、噂には聞いていましたが、聞きしにまさる美味しさ。

               山椒の粉。 これについていたスプーンがなんと栗で作ったスプーンなのです。
               栗のいがが爆ぜると、中から3つか4つの栗が出てきますが、いくつかにひとつ、
               実が入っていないものがあり、その皮だけのものをとって、土地の老人がスプーンに、
               作ったきたそうです。 
                

11、栗御飯         土鍋に栗がたっぷり

12、香の物         はやと瓜、たくあん、柴漬け、昆布

13、柿、柿の葉アイス、さるなし(キィウイの原種で日本で自生)

14、栃餅

15、抹茶

お供は、まず、エビスビール。

食事の前に、丹波の地酒、「弥栄鶴」

途中で、長野の大吟醸「夜明け前」

 美しいプレゼンテーションに魅了されました。

 まさに、これは夢か現か・・・・・。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
<2015年10月>

京都市内から車で1時間ほど。 北山杉を愛でながら、山深く分け入っていきます。

秋の晴天に恵まれ、真っ青な空に、色づき始めた紅葉が映えて、輝きを放っています。

かねてより、訪問したかったので、わくわくです。 想像以上のすばらしいロケーション、料理、ホスピタリティ、すべてに満足しました。

今回は、通常宿となるお部屋で食事をいただきました。 床の間には、季節の掛け軸とお花が。 

外には、テラスが。 聞けば、これは「月見台」と呼んでいるそうです。 さすが、風流。 その月見台の外には、渓谷のせせらぎ。 対岸の紅葉も

ほのかに色づいています。 爽やかな秋空。  静かにしていると、聞こえるのは、川のせせらぎだけ。 これ以上の舞台があるでしょうか。

こんな素晴らしい環境でいただけるとは、それだけで、テンションが上がります。

この日のお献立。

あけび茶

弥栄鶴 (丹後の地酒)

1、一献      銀杏みそ  
          蕪 あちゃら漬け(柑橘の甘酢漬けです)
          朴葉炉

          大きな朴の葉で、銀杏を味噌焼きに。

2、向付      鯉造り   琵琶湖の鯉をこちらの山水の生簀で越冬させた、とのこと。 臭みまったくなしです。
          共皮    皮せんべいです。
          間引大根  昆布〆

3、汁       香茸とうふ
          からし
          白みそ仕立て

4、口取      むかご  葛よせ

5、八寸      菱の実
          鮎風干し
          虚無僧茸 味噌漬け
          川海老
          生落花生 塩焼き
          はつか大根  柿ゆべし入り
          地卵味噌漬け オレンジ色に輝いてました
          栃もちこんにゃく

6、強肴      焼き松茸     炭火入りの大きな器の上に、松茸がたっぷり。 プレゼンテーションが素晴らしい。
                   福井、名田庄村のもの。

7、お凌ぎ     鯖寿司
          大徳寺生姜   
          鯖の皮目を炙ってあります。 中に山椒が。

8、土瓶蒸し    松茸、鰻、水菜、柚子

9、焼き物     子持ち鮎  杉板焼き  すだちで。

10、炊合     ひろうす
          舞茸
          紫ずきん
          庵仕立て

11、ご飯     栗ごはん  柴栗を天日干ししたもの
          香の物

12、水菓子    木の実アイス、柿のすり流し

13、菓子     栃餅

お薄

京の山郷の秋、満喫の献立でした。 

食事の終わりに、女将さんが挨拶にきてくださいました。 聞きしに勝る美女です。 いろいろな方からこちらの女将さんのことは伺っていましたが、

なんとも楚々とした艶のある方でした。 

京都市内に戻ってきて、振り返ると、なんともこの3時間半に及ぶ午餐が夢の中のできごとのよう。 山の中で、なにかの魔法にでもかかっていたかの

ような、そんな気分にさせてくれるほど、心地よい時間でした。


          

  • 先付
  • 鯉のお造り、白味噌椀
  • 猪

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3位

鮨 さいとう (六本木一丁目、神谷町、虎ノ門ヒルズ / 寿司)

8回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 ¥20,000~¥29,999

2022/03訪問 2022/03/21

春の「さいとう」さん

久しぶりの訪問です。

相変わらず、凛としながらも、なごやかなムードの

「さいとう」さんです。

タネとシャリのバランスは、いつも感心しますが、

この日も抜群でした。

では、この日の春の海です。

<つまみ>
・白魚
・メジマグロ
・蛍烏賊 串に差して
・子持ちヤリイカ
・そのたれにシャリをいれて
・毛蟹
・桜鱒の幽庵焼き

<握り>
・平目
・細魚
・こはだ
・マグロ(勝浦)
・中トロ
・大トロ
・墨烏賊
・車海老
・鯖寿司
・バフン雲丹
・煮蛤
・穴子
・太巻き
・玉子
*お味噌汁

握りの美しさに惚れ惚れします。

日本の至宝です。



数か月ぶりでお邪魔しました。

いつものように最高の笑顔で出迎えてくれた大将。

この日、最後の巻物を手渡してくれたときの

笑顔は、いつも以上にとびっきりでした。

ちゃんと、カメラに収めさせていただきました。

ちなみに、頭を全部剃って、皆にいじられていました。笑


相変わらず、流れるようなリズムで握る姿の美しさ。

出来上がった握りの姿の美しさ。

魅了されます。


では、この日の内容です。

<つまみ>
・白海老
・とり貝
・蒸し鮑
・蛸の桜煮
・鱒の焼きもの
・毛蟹とじゅんさい
・太刀魚の塩焼き

<握り>
・ほし鰈
・しまあじ
・こはだ
・漬け
・中トロ
・大トロ
・赤イカ
・鯵
・車海老
・煮蛤
・雲丹
・穴子
・玉子
・とろたく巻

お椀

お供は、梅酒のソーダ割。


間違いなく、日本が誇るお店です。


久々の再訪です。

いつも感心するのは、大将のブレのない技と

ホスピタリティ。 そして、記憶力。

商売の基本ともいえることですが、

この基本が完璧にできるお店は、意外と少ないです。


この日も、唸りながら、大将の美しい所作と

寿司の美と旨味を楽しませていただきました。


この日、いただいたもの。

つまみ
・愛媛の赤雲丹と北海道のバフンの食べくらべ
・クエ
・煮蛸と鮑
・鮑の肝に酢飯を
・鰹  
 神津島の地海苔と
・毛蟹
・のどぐろと水茄子

握り
・しんこ
・白河 昆布〆 輪島産
・金目鯛
・づけ
・中トロ
・大トロ はがし
・アオリイカ
・車海老
・鯵 浜田
・煮蛤
・穴子 塩
・穴子 タレ
・巻物
・玉子

お椀

お供は、梅酒のソーダ割


それにしても、この時期の浜田の鯵は、

驚愕の旨味。 


何度来ても、間違いなく、

日本を代表する名店です。


久々の訪問でした。

カウンターには、全員が揃っています。

大将は、奥から出てくるやいなや、

いの一番に声をかけてくれました。

満面の笑顔。

このホスピタリティには、いつもながら

頭が下がり、ギュっと心を鷲掴みにされます。


さらに、磨きがかかっている握る所作の

隙のない美しさ。 

出来上がった握りの造形美。

まさに、日本が誇る寿司です。


ちょうど、秋らしい陽気になってきたこの宵。

店内には、笑いと陽の気が漂います。


内容です。

つまみ
1、出汁いくら
2、蛸と鮑
3、鱈の白子
4、鯖寿し
5、ほっき貝
6、毛蟹、蟹味噌
  出汁と酢で。
7、長芋 山葵漬け
8、穴子白焼き 辛味醤油

握り
1、鰈の昆布〆
2、しまあじ
3、こはだ
4、漬け 戸井
5、中トロ
6、大トロ
7、あおりいか
8、車海老
9、青森の鯵 葱醤油
10、バフン雲丹 余市
11、穴子
12、トロタク
13、玉子

味噌汁

お供は、日本酒
・農口尚彦研究所 純米大吟醸 無濾過生原酒


この日、心に残ったのは、鯵。

身厚で、鯵ならではの旨味がたっぷり。

大将も、「きょうの鯵、いいでしょう」と自慢げでした。
予約至難なこちらですが、ご縁あって、

再訪です。

この日もまた、大将の目の前の席です。

なんだか以前より、若々しくなられたような印象です。

笑顔がとても素敵で、お話ししているだけで、

人間力を感じます。

この日は、お昼ですが、夜のコースでお願いしました。

秋の味覚満載。

そして、相変わらず、美しい握りの姿。

本当に見惚れます。

それでは、この日、いただいたもの。

つまみ

1、いくら
2、蛸の柔らか煮と蒸し鮑
3、もどり鰹
4、鱈の白子
5、毛蟹にわり酢
6、クエの煮物
  出汁のコクが素晴らしいです。

握り

1、しまあじ
2、ぶり 漬け
3、こはだ
4、大間の鮪 漬け
5、中トロ
6、大トロ
7、スミイカ
8、車海老
9、鯵 (出水)
10、馬糞雲丹 (余市)
11、穴子
12、とろたく
13, 玉子

お供は、
黒龍
仙禽一聲


 お弟子さんには、仕事をしながらも、

 かなり厳しく指導。 

 こうして一流の師匠に育てられたお弟子さんは

 幸せですね。 

 そして、隅々まで厳しい目を注ぎ、

 極上を追求してくださる姿勢は感動的でさえ

 あります。

 この日も、すべて唸るほど美味でした。

 至福です。
ご縁あって、またまたお邪魔することができました。

そして、またもや、大将の正面のお席。

嬉しい限り。

猛暑にも負けず、気合いの入った大将。

プロそのものです。

この季節だというのに、気仙沼 巻き網の鮪が

素晴らしかったです。脂のほのかな甘みを感じます。

雲丹もおつまみ2種、握り1種で、すべて産地が

異なり、それぞれ、おつまみ、握りに向いたものを

選んでいます。

やはり、最上のものがここに集まります。

いつもながら、朗らかで、気さくな大将。

話も弾んで、楽しいひとときでした。

では、この日の内容です。

おつまみ

1、富山の白エビ
2、大原の鮑
3、佐島の蛸
4、鰹
5、淡路と壱岐の赤雲丹 食べ比べ
6、毛蟹
7、太刀魚の塩焼き  水茄子

握り

1、干しがれい
2、しまあじ
3、小肌
4、鮪   気仙沼 巻き網 120kg
5、中トロ
6、大トロ
7、アオリイカ
8、車海老
9、鯵  出水
10、煮蛤
11、利尻 馬糞雲丹
12、穴子
13、ネギトロ巻
14、玉

お椀

お供は、梅酒のソーダ割り。

真夏の昼の夢。

極上の時間でした。


日本一予約至難なこちら。

前回は橋場さんの個室にお邪魔しましたが、

今回は、大将の目の前というプラチナシートに。

ランチタイムでしたが、夜と同じコースを出していただきました。

大将とは、共通のある話題で盛り上がり、気さくなお人柄に

惚れ惚れです。

握っているときの、独特な流れるような所作、そして、そこから

繰り出されるなんとも美しい姿の寿司。 

所作から握りの姿までが、一連の芸術作品のようです。

寿司は、本当に好みが出るところですが、この日の大将の

握りは本当に好みでした。 シャリとタネの神業的な合わさり方

とでもいいましょうか、無言になりました。

そして、本当においしいものをいただいているときには、

いただけばいただくほど、お腹がすいてくる、という現象が起きます。

フシギです。

さて、この日の内容は。

つまみ

1、生いくら        柚子が忍ばせてあり、さわやか。

2、蒸し鮑         千葉産。
              最高の蒸しかげんです。

3、蛸の桜煮        伝統の技

4、鯖寿司         大好物です。
              酢がやさしい。

5、かつおのたたき     長崎産
              
6、鱈の白子        とろけます

7、青柳の小柱       串刺しで。ぎゅっぎゅとした食感が
              小気味よさを。

8、鮟肝          これはもう最高に濃厚です。

9、喉黒とべったら漬け   皮と身の間の上品な脂が最高です。
              いい焼き加減。

握り
1、ひらめ
2、鰤           余市産
3、こはだ          
4、づけ          
5、中トロ         
6、大トロ         大間
7、スミイカ        出水  身厚で食べごたえ十分
8、車海老
9、鯵           出水  大好物です。
              この時期にして、最高品質。
10、馬糞雲丹       昆布森
11、穴子
12、とろたく       海苔の質にも感動
13、太巻き
14、玉子         トロトロして、シルキー

 この日のために、風邪をひかないよう、万全に体調を整えて臨みました。

 いや、本当に惚れましたが、次回は今生で訪れるのか・・・・。
 
予約至難な寿司屋の筆頭ともいえるこちらに、お誘いいただき、伺うことができました。

この日は、個室で、橋場俊治さんが担当。

神津島出身で、幼いころから魚が好きだったとのこと。

目がきらきらして、目力があります。

その上、目配りも素晴らしい。 若くして、任されるだけのことはありますね~~。

かねさかでの修業をへて、こちらに。

かねさかとこちらでは、なにが違うのか、という質問に、一言「親方の哲学」とのことでした。

深く納得。

二人の寿司界の巨匠の哲学をどう受け継いでいくのか、これからが楽しみです。

さて、この日いただいたもの。

ほしかれいとその肝
初鰹の漬け
大原 鮑
佐島 蛸
ほしがれいの縁側の炙り
富山 白エビ
のどぐろ 焼き物
水茄子

ここから握り

鮪 漬け  境港 1週間熟成
中トロ
大トロ
銚子 金目鯛
いさき 漬け
こはだ
出水 すみいか
出水 根つき鯵
車海老

礼文 雲丹
穴子
干瓢巻
玉子
お椀

お供は、日高見

  • 細魚
  • こはだ
  • 中トロ

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4位

銀座 しのはら (銀座一丁目、銀座、東銀座 / 日本料理)

15回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.9 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 ¥40,000~¥49,999

2023/05訪問 2023/05/28

端午の節句を愛でる

5月の「しのはら」さんです。

節句月には、そのテーマに即したお料理が

登場し、背景のストーリーまで詳細に

お話してくださるので、自らの不勉強を

思い知ると同時に、知識欲に火がつきます。


新しいお弟子さんも増え、

ますますパワー漲る大将です。

いつお邪魔しても、最高のホスピタリティ、

そして、気持ちのいい対応。

お弟子さんたちにも、その姿勢は息づいて

います。


端午の節句のお話では、

菖蒲や鬼瓦が邪気を払うことや、

菖蒲が勝負と掛けていること、

あたりまでは、既知でしたが、

粽ではなく、笹巻きで、それは

なぜか、という話は勉強になりました。

中国戦国時代の政治家、屈原の話が

由来なのです。


さて、この日の内容です。

1,香煎茶

2,白芋茎、車海老、雲丹
  加減酢

  菖蒲の葉を立てて登場。

3,お椀
  加茂茄子の油煮
  雉ハタ、生姜

  4年蔵囲いの利尻、沓形産昆布を
  使用。 完璧な加減です。

4,琵琶湖の鮎
  蓼酢

5,四万十川の鮎
  2種類の鮎の食べ比べ、
  琵琶湖は小ぶり。
  四万十川はわりと成長しているので、
  頭と尾は切って。
  食べている藻により、お味に差が
  出ます。

6,雉つくね
  鼈の出汁餡
  うるい、山葵

  鼈の出汁の得も言われぬコクが
  忘れがたいです。

7、フォアグラ最中
  フォアグラとマンゴー。
  定番です。

8,八寸
  名物の登場です。
  ぼんぼりに灯りを灯し、
  店内の照明を暗くして。

  鬼門に置かれるという
  鬼瓦の鬼がこちらをにらんでいます。

  菖蒲を見る池にかかる八つ橋を模した
  器の上に、
  それぞれのお料理が置かれています。

  その上には、菖蒲の葉。

  ・笹巻き寿司
   中は、穴子です。
  ・帆立貝、ほうれん草、海苔
  ・三度豆、どんこ椎茸
  ・蛸の湯引き、梅肉
  ・胡瓜と大徳寺麩
  ・鰻の八幡巻
   中は、牛蒡ではなく、山独活
  ・庄内麩の蒲焼とクリームチーズ
  ・玉子真薯
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・島らっきょう
  ・岩茸
  ・ガリ
  ・伊勢海老のブランデー漬け
   雲丹ソース
  ・鴨と黄韮

9,握り
  ・赤身の漬け
  ・こはだ

10,オプション
  この日のオプションは、
  ・トリガイの炭火焼き
  ・飛騨牛
  友人とシェアしました。
  このトリガイ、生涯でいただいたもので、
  ベストでした。
  各4300円

11、猪豚、じゅんさい、クレソン(福井)
  豆餅(高山)

  猪豚は、野生の猪と、雌のバークシャー種の
  1代交雑。
  出汁の旨味が素晴らしく、
  ちり酢が不要でした。

12、白御飯
  おかずは、
  ・鼈のタレまぶし
   スペシャリテの鼈の炭火焼を
   さらにタレまぶしにし、
   ご飯とベストマッチ。
  ・鯛の胡麻和え
  ・泉州 水茄子

  豆腐の赤出汁

13、蓬の練りこみきんとん

14、お薄

お供は、梅酒のソーダ割


毎回のことですが、

いつも、とことん楽しませていただき、

学びがあります。

これだけのことを、継続的になさるのは、

どれだけ、人知れずの努力があることか。

そんなことは、微塵も感じさせない、

大将の爽やかさ。

日本の宝です。


  
1年ぶりの訪問です。

なぜか、昨年も同じ3月でした。

相変わらず、素晴らしい温かなホスピタリティと、

大将の人間性に感動します。

八寸の登場時には、照明を落とし、

ぼんぼりの灯りで、春の夕を演出。

居ながらにして、日本の春を満喫できます。

それでは、この日の献立です。

1,香煎茶

2,先付
  貝寄せ
  まず大将から、なぜ貝寄せか、という
  お話が。
  昔、大阪の難波の浦に季節風が吹くと、
  その風で、貝が吹き寄せられ、
  この風が吹くと、春が来た、と、
  言われたそう。

  木の箱の蓋の上には、貝殻が。
  蓋を取ると、
  貝殻で囲まれたお皿に、
  北寄貝、赤貝、若芽。
  春の風を感じながら・・・。

3,お椀
  帆立真薯  
  木耳
  ばちこ

4,近江鴨
  滋賀の合鴨です。
  いい火入れで、素晴らしいテクスチュア。

5,柚子釜
  酢飯に、白海老、白魚、
  菜の花に餡。
  柚子の内側の白いところも
  取って、混ぜながら。

6,焼き鼈
  先ほどから、大将が炭火で
  串刺しにした鼈を焼き始めて
  いました。 こちらの名物です。
  ぷりっぷりの身は、焼くとさらに
  美味。

7,太巻き
  3種の鮪入り。
  ・赤身の漬け
  ・中トロ
  ・剝き身、胡麻とべったら漬け

8,飛騨牛 飛び牛
  A5ランクの中でも、飛びぬけて優れた牛。
  これは、オプションです。
  コース以外に、3種類ほどの追加アイテムが
  あります。
  
9,河豚の白子
  磯部巻き
  これもオプション。

10、八寸
  ぼんぼりの灯りが、春の夕べを
  連想させます。
  3月3日、上巳の節句で、
  もともとは厄払いだった経緯や、
  ピンクは桃で邪気払い、
  白は、雪で、清廉潔白、
  緑は、生命の息吹、
  二枚貝はふたつとして、同じ形が
  ないことや、
  流し雛の謂れも
  大将から説明されます。

  ・甘鯛の唐揚げ 甘酢あんかけ
  ・筍の木の芽和え
  ・七切り餅
  ・鯛の子 こごみ
  ・菜の花の酢の物
  ・このこ
  ・子持ちヤリイカ
  ・玉子真薯
  ・蕗

11、牡丹海老
   酢飯、
   牡丹海老の紹興酒漬け、
   雲丹。
   別皿で、焼き河豚も。

12、フォアグラ最中
  これも名物となっています。
  最中の中に、フォアグラ、
  ピスタチオ、あんぽ柿、
  ウイスキーゼリー。

13、炊き合わせ
  蛤、鯛、芹、木の芽
  葱ポン酢で。

14、蟹コロッケご飯
   蟹の甲羅がお釜の中に
   鎮座しています。

  ・香の物
  ・赤出汁

15、葛饅頭

16、お薄


お供は、日本酒
・新政 No6
・磯自慢
・満寿泉(フォアグラ最中用)
 樽熟貴醸酒


毎回、満足度が頂点です。

日本が誇れるお店ですね。


  
久々のお邪魔です。

もう何度も書いていますが、

いつもながら変わらぬ大将の素晴らしい人間性と、

お弟子さんたちとの和気あいあいとしたやり取り。

今回も、お店中が、盛り上がりました。

日本の文化や伝統、風習をお料理に組み込み、

丁寧に説明していただきます。

今ではほとんど供されなくなった技も登場。


それでは、3月の献立です。

*香煎茶

1,先付
  木箱の上には、壇香梅が一枝。
  それに、五色の紙。これは、聖徳太子の
  命日、四天王寺の精霊会に、能を奉納したところから。
  そして、貝殻が。
  これは、その精霊会に供える貝で、
  難波の浦に貝を吹き寄せる西風を、
  貝寄せ、といいます。
  蓋をとると、中の栄螺の器に、貝寄せが。
  帆立、平貝、ホッキ貝、つぶ貝、
  菜種、独活、カリフラワーと独活のすり流し。

2,蒸し寿司
  塗りのお椀で。
  トラフグの白子を伸ばしたものに、
  白海老、雲丹、白海老の唐揚げが。

3,お造り
  ・桜鱒 藁燻し
  ・障泥烏賊
  桜の葉
  ちり酢、醤油、昆布醤油で。

4,煮物椀
  大原女が頭に積んた芝の大原木を模した、
  具材。
  筍、ゼンマイ、京湯葉を干瓢で巻いたもの。
  甘鯛真薯

  完璧なお出汁です。

  お椀は、山中塗で、大将自らのデザイン。

5,鼈の唐揚げ
  定番ですが、タレに進化が。

6,太巻き
  漬け、中トロ、胡麻とべったら漬けの和え物、
  胡瓜の千切りが、ぎっしり巻かれています。

7,八寸
  名物です。
  桜をあしらって。

  ここで、節句について大将からお話が。
  1月、3月、5月、7月、9月の節句。
  それぞれ禍いが降りかからないよう、
  厄除けのためのもの。
  3月の桃の節句は、ひな人形に変わり身になって
  もらい、流し雛をしたというのがもともと。
  で、菱餅型の皿に、以下。
  ・筍と烏賊の木の芽和え
  ・編み笠柚子のゼリー寄せ
   これは伝統の料理で、皮の部分を使ったあとの
   柚子を取っておいて作るもの。
   今ではほぼ見なくなりましたが、
   昔からSDGs だったことがよくわかります。
  ・あぶらめの木の芽焼き
  ・花蓮根
  ・玉子真薯
  ・黄檗豆腐に、チーズ(醍醐味)
   今では、神奈川で1軒しか作っていない
   黄檗豆腐です。
  ・鯛子、白魚、蕗
  ・鴨ロース、鮑、花山葵
  ・子持ち飯蛸 こごみ
  ・蟹の酢の物 浜防風、

8,フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーの最中
  名物です。
  さらに、これに、満寿泉の貴醸酒を
  合わせて。
  満寿泉の蔵元と、このウイスキーの醸造所の
  緯度が同じ、と大将。

  フォアグラのクオリティもますますよく
  なっています。

8,虎河豚の白子
  +4000円で、追加です。
  極上の海苔に包んで。
  レモンを少し。

9,鹿島の蛤と師崎の若芽
  うるい
  
10、蟹コロッケご飯
  窯の中央に、毛蟹が・・。
  お揚げを入れることから、コロッケを発想したそう。
  なんとも柔軟な発想力がいいですね。

  香の物

11、半田素麺のにゅう麺

12、若もえ
  粒あんとつくね芋のお菓子

13、お薄


日々、これだけのことを、完璧にやり遂げることが

どれほどのことか。

年末は、大将の家に、お弟子さんとその家族が

集合したそう。 その話をおもしろおかしく

語ってくれましたが、そういったリーダーシップと

人間力、チームワークがあってこその、

このお料理だと思います。


  
3か月ぶりにお邪魔しました。

こちらに伺うと、季節の移ろいと日本文化の美を

改めて感じます。

と同時に、大将とお弟子さんたちの日々の努力に、毎回頭が下がります。

「僕は天才肌ではないので、その分、努力をしなければ」と

大将は謙遜しておっしゃいますが、

いやいや、天才なうえに、ストイックなまでの努力を積み上げ、

無敵です。


今回は、5月ということで、端午の節句にちなんだ演出。

それでは、内容です。

1,香煎茶

2,先付
  入店したとき、大将が、目の前で、
  葉菖蒲と蓬の飾りを作っていました。
  剣に見立てた葉菖蒲は、邪気払いとされていた、
  とのこと。
  その飾りとともに、供されたのは、
  鮑、みる貝、平貝 
  加減酢のジュレ
  独活と茗荷

  皐月らしい爽やかな先付です。

2,お椀
  鮑、鱧、じゅんさい、こも豆腐
  
  毎回感動しますが、いいお出汁です。

3,お造り
  青森 平目
  玄界灘 アオリイカ
  おかひじき
  
  アオリイカのねっとりとした質感に
  唸ります。

  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪になる前の形の
  備前の器で。
   あまりに美しい造形で、飽きたらお引き取り
   したいものです。笑

4,お凌ぎ
  太巻き寿司
  具だくさんです。
  鮪の剝き身とべったら漬け
  穴子、このしろ、烏賊、卵真薯

5,八寸
  今月の八寸も圧巻です。
  美しいヤマボウシがあしらわれて。

  ・海老の治部煮 加茂茄子 芋茎
  ・本蕨粉で練った胡麻豆腐
   芝海老、雲丹、山葵
   本蕨粉、希少だそうです。
  ・胡瓜、大徳寺麩、海月の白和え
  ・鯛の笹巻き寿司
  ・皐月鱒
  ・合鴨ロース
  ・新丸十の栂ノ尾煮
  ・蓮根の酢漬け
  ・蛸の柔らか煮
  ・三度豆の胡麻汚し
  ・赤蒟蒻
  ・万願寺唐辛子にバチコ

6,フォアグラ最中
  今回は、マンゴーに加え、さくらんぼも。
  ウイスキージュレと。

7,鼈の竜田揚げ
  なんと、炭火焼あらため、
  竜田揚げとは!!
  カンボジアの塩と胡椒で。
  
  旨味がギュッと凝縮され、
  これはまた食べ応えがあります。

8,九十九里の蛤
  そら豆とゆり根の飛龍頭
  新玉葱
  コザサうるい(山形産)

  目の前で大将が鍋に、これらを順次投入。
  もう、お出汁の旨味がいただく前から伝わります。

9,新生姜の炊き込みご飯
  香の物

10、小鍋
  山菜、小芋、猪、牛蒡
  卵とじで。

11、鰻の炭火焼

  ご飯に、卵とじをかけたり、
  鰻をおかずにいただいたり、
  贅沢な〆です。

12、蓬の葛饅頭
  つるりと仕上がった葛饅頭
  中には粒あん。

13、おうす

お供は、
・ジャスミン茶
・凍頂烏龍茶


毎回、パーフェクトな接客。

楽しい会話。

日本文化を改めて呼び覚ましてくれる

料理の数々。


大将がどれほど細やかな神経か、というエピソード。

飲み物のお替りを、お弟子さんが聞いてくれました。

が、お弟子さんたちも忙しいので、数分、私のグラスが空いた状態に。

すると、大将、すかさず、裏に回り、

どうなっているのか、チェック。

ちゃんと、私がなにをオーダーしたのかも、

記憶してくれていました。

11名分に目配りを欠かさず、

大将自ら、隅々まで気をつかう、この姿勢。

脱帽です。

いつも、変わらぬ、この満足感と幸福感。

余韻に浸りながら、帰路につきました。


  
何度お邪魔しても、いつも新鮮な驚きがあり、

大将のお人柄に、心から感動します。

料理の随所に、日本文化とその美が表現され、

忘れ去られようとしている伝統を思い起こさせてくれます。


2月は、節分と初午。

いつもの八寸には、春が間近なことが感じられ、

心なごみます。

では、この日の内容です。


1,香煎茶

2,節分の升
  升には、鬼が嫌うと言われる柊の葉が。
  中には、
  菜の花、平貝、赤貝、車海老、白魚、ほっき貝
  生姜酢で。

3,お椀
  東寺湯葉をアレンジし、
  引き上げ湯葉で、蛸、白子、銀杏、白木耳を
  包んであります。
  周囲には、蕪を散らして。
  相変わらず、品のいいお出汁です。

4,お造り
  淡路の鯛
  玄界灘のアオリイカ
  塩釜の鮪
  
  芽甘草を添えて
  煎り酒とちり酢、昆布醤油の煮凝りで。

5,虎河豚の白和え
  鉄皮、白子、河豚の身、遠江、
  白菜、白葱を和えてあります。

6,せこ蟹の甲羅に
  松葉蟹、余市の鮟肝、酢飯
  出汁餡で。
  
  このあたりから、あまりの至福に
  脳内が思考停止に陥ります。

7,虎河豚の磯辺焼き
  オプション 4000円で。
  巨大な白子を、炭火焼し、
  海苔を添えて。

8,初午の八寸
  初午は稲荷のお祭りで、五穀豊穣を祝うもの。
  梅の花をあしらい、春の足音が聞こえるような 
  見事な演出。

  ・稲荷寿司
  ・蛸
  ・卵真薯
  ・クリームチーズのかつおまぶし
  ・きんこ(なまこ)の辛子黄身寿司
  ・蕗の薹の辛煮
  ・編み笠柚子
  ・からすみ大根
  ・慈姑
  ・煮大豆
  ・赤貝の紐の柚子和え
  ・伊勢海老昆布〆 花山葵 梅酢

  別皿で、鶉の焼き鳥
  タレまで美味。

9,フォアグラとべったら漬けの手巻
  いつものように、お弟子さんの笑顔とともに

10、フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーゼリーの最中
  これも、お弟子さんの笑顔とともに

11、焼き鼈
  こちらの名物です。
  脂の甘みがたまりません。

12、煮物
  滋賀県三雲の青首鴨
  そのつくね
  
  炭火焼した鴨で、身がふわっと感じるほど
  柔らか。

13、節分鰯
  大ぶりで立派な鰯の炭火焼
  鬼おろしと

14、飛騨牛のしぐれ煮

15、ご飯
  大根入り
  香の物

16、にゅう麵

17、ぜんざい
   餅、ゆり根、さつま芋

18、お薄


お供は、梅酒のソーダ割


柊鰯(ひいらぎいわし)は、節分の魔除けとして

使われるもので、柊の小枝と、鰯の頭。

日本の各地での習慣で、門口に立て、

鬼が入れないようにしたのです。

柊の葉の棘が鬼の目を刺し、鰯の焼く臭気と煙で

鬼が近寄らないと言われていました。


確かに、そんなことを昔昔、教えてもらった気がします。

そんな懐かしい思い出が蘇りました。


非の打ち所がないお料理をいただき、

日本文化に思いを馳せる、

そんな極上の時間でした。


オープンして早4年となりました。

私も通い始めて4年になります。

毎回、そのクオリティと温かいホスピタリティに感動しますが、

今回は、なんといいましょうか、魂に訴えかけてくるような

大将渾身の思いを感じました。

新作の八寸は、日本の野山の秋景色。

あたかも、その野山に連れて行ってもらったような

錯覚に。

お椀には、美しい菊花が舞い、

名残の鮎は、きりっとこちらを見据えています。

3時間、まさに、日本の秋を満喫させていただきました。

今年は、コロナ禍の中、殺伐とした話題に終始しましたが、

このときだけは、ただただ、四季を映す日本料理と向き合い、

大将の温かさにふれる、心癒されるひとときでした。

改めて、この店の実力を実感。


さて、秋の献立です。

この日は、オプションで飛騨牛のシャトーブリアンも

いただきました。

1、菱蟹と毛蟹
  甲羅の中に、2種の蟹、オクラ、いくら、
  もってのほか菊、玉子豆腐

2、お椀
  ぐじ、松茸
  その周囲に、菊花が。

3、お造り
  鳥羽産の鰆の藁燻し ちり酢で。
  淡路産もみじ鯛   梅肉で

4、お凌ぎ
  巨大な鮪の太巻き
  3種の鮪が入っています。
  ・漬けの山葵和え
  ・中トロ
  ・すきみ
  胡麻、葱、べったら漬け

5、天竜川 子持ち鮎の唐揚げ
  カリっと揚がって、サクサク。
  頭からがぶり、です。

6、炊き合わせ
  蓮根餅、石川小芋

7、八寸
  日本の秋を映す圧巻の八寸。
  生の菊花も添えて。
  ・無花果の胡麻味噌焼き
  ・海苔、菊菜、しめじのお浸し
  ・子持ち昆布、おかワカメ
  ・ばちこ、万願寺唐辛子
  ・蛸
  ・蝦夷鮑、エリンギ、栗
  ・柿、大徳寺麩、胡瓜の白酢和え
  ・小肌と長芋、とんぶり、菊のみぞれ和え
  
   ここまでが、盛りつけで登場。

  その後、温かいものは温かいうちに、で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・まなかつおの西京焼き
  ・合鴨

8、あんぽ柿とフォアグラの最中
  今回からまた担当が替わり、
  とびっきりの笑顔。

9、長崎の天然の鼈焼き
  定番です。
  季節なので、今回は天然もの。

10、鍋
  クエ、原木なめこ、車海老の真薯
  お出汁がえもいわれぬ高貴なまでの品のよさ

11、飛騨牛シャトーブリアンの炭火焼
  これは+4000円でオプションです。

12、松茸ご飯

13、お雑炊

14、焼き栗きんとん

15、お薄

お供は、梅酒のソーダ割。


間違いなく、世界に誇れる日本料理の名店です。



3か月ぶりの訪問です。

いつもながら、お料理のクオリティはもとより、

大将とお弟子さんたちの温かなホスピタリティには、

感動すら覚えます。

これだけ、毎回、一定以上のクオリティを保つのは、

並大抵なことではないと思います。


おかげさまで、今回も、本当に気持ちよく、

初春のお料理を満喫し、居ながらにして、

お花見をさせていただきました。

ちなみに、時節柄、大将もお弟子さんたちも

マスク装着。

お料理が登場する前に、大将は、立派な

鮪の仕込みを目の前で始めました。

青森 深浦産。

こうして食材が調理されるのを見ていると、

否応なく食欲を掻き立てられます。笑


では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、蝦夷鮑、車海老、平貝、胡麻豆腐、
  千社唐(茎レタス)を煮こごりで。

  車海老の赤が鮮やかで、春らしい一皿。
  胡麻豆腐は、ふだん蕨粉を使用するそうですが、
  今回は葛で。

3、お椀
  芝海老と蛤の2層の真薯
  バチコ、春蘭をトップに、
  若芽をたっぷり。

4、お造り
  ・鮪(福浦)  塩と酢橘で
  ・鮃(玄界灘)

5、対馬の穴子としば漬けの飯蒸し
  梅酢で。
  梅が春の香り。

6、八寸
  名物、八寸。
  枝付きの桃の花があしらわれ、
  菱餅の形のお皿で、まさに春爛漫。

  ・子持ち昆布
  ・蛸
  ・蕗とこのわた
  ・ぬた和え
  ・梅紫蘇人参
  ・梅肉の甘煮長芋
  ・菜の花
  ・蓮根酢漬け
  ・鴨のロースト
  ・白魚
  ・卵真薯
  ・みる貝と独活の酒煮

  別皿で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・鮪とべったら漬けの手巻き寿司
  ・フォアグラとあんぽ柿の最中

7、虎河豚の白子焼き
  立派な白子で、海苔と一緒に。

8、焼き鼈
  名物です。
  下仁田葱と。

9、伊勢海老、蛤、若芽(師崎)
  海老の味噌の出汁が秀逸です。
  蛤の塩気だけで、
  出汁の旨味が活かされています。

10、氷魚と蕨の炊き込みご飯
  香の物

11、半田素麺
  伊勢海老の二番出汁で。
  卵とじで。

12、菓子
  うすいえんどうとつくね芋

13、お薄


お供は、梅酒のソーダ割。


本当に、気持ちよく完食させていただきました。

永遠に通い続けたいお店です。


  
半年ぶりの訪問です。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの

気持ちのよい接客に感動します。

東京に移って3年。

初心を忘れることなく、いつも

きめ細かい配慮と笑顔を忘れない大将の

姿勢には脱帽のみ。


この日も、里の秋を感じさせる八寸を初め、

秋の素材を存分に使った料理の数々。

それでは、内容です。


1、香煎茶

2、雲丹豆腐
  大きな芋の葉にのって登場。
  雲丹豆腐の上には、-60度で瞬間冷凍した
  牡丹海老が。
  雲丹の固さと、豆腐の固さを合わせるための
  工夫が施され、はかない柔らかさに。

3、お椀
  くみ上げ湯葉を引き上げ湯葉で巻いて
  揚げたもの。
  明石の鯛
  蓮根
  佐久の松茸を千切りにし、香りを
  出しています。

4、お造り
  ・塩釜の鮪
  ・北海道の鮃

5、渡り蟹の飯蒸し
  たっぷりのいくら、銀杏、菊花

6、子持ち鮎のから揚げ
  かぼす
  

7、八寸
  秋草と虫籠をあしらって。
  ・戻り鰹 玉葱醤油
  ・菱蟹(渡り蟹)とラフランス
  ・海老芋のから揚げ
  ・無花果の胡麻和え
  ・玉子真薯
  ・丸十
  ・蓮根の酢漬け
  ・トマトと黄身酢
  ・エリンギから煮
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・サーモンの長芋巻き
  ・合鴨ロース
  ・丹波の黒豆
  ・小芋
  ・大徳寺納豆
 
8、鮪の手巻き寿司

9、ポルチーニの揚げ物
   粉とチーズで
   菜種油なのですっきり

10、フォアグラとあんぽ柿の最中
   ウィスキーのジュレ入り
   いつものですが、担当が変わりました。

11、焼きスッポン
   元祖、です。

12、鱧と松茸
   ちり酢で。
   出汁がえもいわれぬ旨味。

13、鰻のから揚げご飯
  香の物

14、にゅう麵
    12の出汁で。

15、栗きんとん

16、お薄


お供は日本酒
・醸し人 九平次 純米大吟醸 2018
・高砂 純米大吟醸 生酛


コースは、26000円。


料理の美しさ、おいしさだけではなく、

終始、飽きさせることなく話かけてくれる

大将の優しいお人柄が、心にしみます。
  
   
東京一の人気店になったこちら。

東京移転のときから定期的にお邪魔していますが、

これだけの高い評価を得ながらも、まったく変わらず、

謙虚な姿勢と勉強熱心な大将の姿勢に、毎回感銘を受けます。

お弟子さんたちとの、和やかなやり取りも、ほほえましく、

名実ともに、日本を代表する名店です。


この日は春爛漫。

お料理も、日本の春を愛でる、素晴らしい内容でした。

感動、その一言。

今回は、通常のコースに、大将のおすすめを2品追加

しました。

では、内容です。

1、香煎茶

2、山口の赤貝、北海道の雲丹、葉の花
  鮃とボタン海老の出汁のジュレ

3、お椀
  ホワイトアスパラガス(ペルー産)
  バチコ (淡路で特注で作っているもの)
  毛ガニ真薯

  相変わらず、研ぎ澄まされた、そしてなおかつ
  優しいお出し。

4、お造り
  紅葉と桜の結びの器で。
  青森の鮃
  八丈島の鮪 (中トロ)
  北海道 ボタン海老

  土佐醤油(九州チョーコー醬油、大分の酒、鰹節)
  酢橘醤油
  海藻と醤油のジュレ

5、トラフグの焼白子と蒸し寿司
  一番出汁の餡、ちり酢

6、八寸

  いつ見ても、こちらの八寸は圧巻。
  今回は、桜を見事にあしらって、まさに春そのもの。

  *筍の木の芽和え
   木の芽100%ということで、しっかりした味わいと香り
  *平貝、ほっき貝、本みる貝、独活、浜ぼうふう
   黄身酢
   合わせ蛤の器で

  *2本の串に
   ・赤蒟蒻
   ・金山寺味噌ときゅうり 
   ・富山滑川の蛍烏賊の藁炙り
   ・卵真薯

   ・蓮根の酢漬け
   ・鯛の子
   ・蛸の桜煮
   ・スナップエンドウ豆

7、マンゴーとフォアグラの最中

8、手巻き寿司
  鮪とべったら漬け

9、京都衣笠の白子筍と花山椒
  まだそれほど白くないものの、さすがの仕上げ

10、トラフグの焼白子

10、焼すっぽん
  「これだけ、毎日すっぽん焼いている人、
   いないんじゃないかな」と大将。大爆笑
  と、おっしゃるとおり、滋賀のお店のころから
  始まった名作です。

11、徳島美馬郡の半田素麺
  山菜天ぷら
  柚子出汁

  美馬郡は、大将のお父様の出身地とのこと。
  鰹、味醂、薄口しょうゆの出汁が素晴らしい。
  父上へのオマージュでしょうか。

12、アカモク、蛤、花山椒
  蛤の出汁で。

13、滋賀三雲の尾長鴨
  大将の出身地の鴨です。
  もう季節は終わりですが、極上。

14、生姜飯
  まずは、そのまま。
  その後、フカヒレと伊勢海老の餡をかけて。

15、桜きんとん
  つくね芋と粒あん、桜の葉

16、お薄


お供は、日本酒
1、しのはら 
  土浦、廣瀬商店のものですが、こちらのために、
  特別に、150本だけ火入れしてもらっているもの。
2、煌凛
  純米大吟醸 蔵出し数量限定
  無濾過生原酒
3、五橋
  西都の雫 純米吟醸 生原酒 しぼりたて

  それぞれに個性際立つお酒でした。


まさに、「神は細部に宿る」料理の数々。

この瞬間に全力投球する大将の姿勢に感銘を受けます。


  
4か月ぶりの訪問です。

相変わらず、爽やかで、にこやかな篠原さんの笑顔に

迎えられ、もうそれだけで、極上な気分になります。

この日は、秋真っ盛りの料理。

日本の秋の風景が眼前に広がります。

いつものことながら、お弟子さんたちとの掛け合いが

面白すぎました。 そして、大爆笑になってしまった瞬間が。

あの最中が登場したときのこと。

いつも満面の笑顔で出してくれるお弟子さんと

最中を一緒に撮影させていただいていますが、

画面の中に、急に篠原さんがす~~~っと入って

きたのです。しかも、憮然とした表情で。

「なにげに、お茶目じゃないですか!!」と言うと、

「こいつばかりが、最近めだっちゃって」とのこと。

ここで、わかる人はわかったので、大爆笑。

本当に、こうして和ませてくれる気遣いに脱帽です。

そんな和気あいあいとした雰囲気で楽しませて

いただきました。

この日秀逸だったのは、鼈の炭火焼き。

篠原さんが滋賀時代に始めた、とのことで、

これはもう、文字通り骨の髄までしゃぶりたくなる

美味しさです。

では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、秋茄子のいりこ出汁煮

  落ち茄子と言われる時期。
  ここで味が濃くなってきます。

3、穴子の苞蒸し
  藁の器に、栗と銀杏の入った飯蒸し
  その上に穴子が。

4、鮑
  茨城産の蝦夷鮑。
  真空にして蒸し、鮑の出汁だけで作っています。

5、お造り
  伊勢海老のあらい 日向産
  黒まぐろ     三厩
  はり烏賊     明石

6、冬至湯葉のお椀
  引き揚げ湯葉で汲み上げ湯葉をくるんだもの。
  紅ずわい蟹の真薯
  松茸

  篠原さんの師匠は、湯葉で真薯をくるんでいたそうですが、
  これはオリジナル。

7、八寸
  今回は、鈴虫の籠に、すすき。
  籠を開けると、
  *トマトの浅漬けに黄身酢
  *丹波黒豆の紹興酒漬け
  *きぬかつぎに塩
  *万願寺唐辛子の焼きびたし
  *菊の花ととんぶりの酢の物
  *岩茸 (断崖の岩に生息し、成長するのに100年
       かかる、とのこと)
  *栗の甘露煮
  *柿の胡麻ダレ

  別の器に
  *毛蟹の酢の物
  *もどり鰹の玉葱醤油漬け

7、最中
  フォアグラとあんぽ柿

8、鮪とべったら漬けの手巻き寿司

9、松茸
  これはオプションで、+3500円
  もう季節的には遅いのですが、
  この開きの松茸のほうが味がいいと。

10、鼈つけ焼き
  骨つきで焼くとこの味が出るそうです。
  脂身までコクと甘味があります。

11、無花果のごま味噌焼き

12、合鴨の治部煮
  新潟の合鴨。
  土鍋で仕立てていきます。
  白麗茸、トキイロ平茸など9種類の茸と、
  鴨とつくね

  鴨は、塊のまま炭火で周りに焼き目をつけ、
  氷水に。 それをカットします。
  出汁は茸から。

13、子持ち鮎 から揚げ

14、上海蟹土鍋ご飯  
  丸ごとの上海蟹が3つ並んで登場。
  これはもう反則的美味。

15、新蕎麦の鴨南蛮
  さきほどの鴨汁と。

16、栗きんとん

17、お薄

お供は、日本酒
*江戸開城
*神指蔵 中取り

このクオリティを持続していくことが

どれだけの精進の賜物か、と思うと、

頭が下がります。

日本が誇るお店ですね。
  
  
何度お邪魔しても、毎回、驚きと感動を味わうことが

できる、篠原さんの料理。

この日は、憂鬱な梅雨さえ、「美」と「雅」に

変えてくれました。

相変わらず、温かなホスピタリティと

お弟子さんたちとの和やかなやり取り。

食事の最中にも、お客さんたちから

しばしば笑いがおこり、楽しい宵です。


では、この日の内容です。

まずは、香煎茶。 
金継ぎのしてある茶碗で。
東京にいらしてからの歳月を感じます。

1、氷室の神事

  器の中には、2月から氷室で保存した氷と
  榊。 暑気払いです。
  榊を取ると、銀のかわらけに、
  長芋羹と一寸豆、
  少し炙った伊勢海老。
  割り醤油の煮凝りで。

2、大原の鮑
 
  鮑の水分を水蒸気に変え、鮑の旨味だけを
  閉じこめています。
  独活の酒煮と。
  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪の子供の形の
   備前焼の皿で。

3、お椀

  アコウ、新蓮根、加茂茄子、
  黄韮、実柚子

  相変わらず、秀逸なお出汁。
  アコウの旨味も感じます。

4、お造り

  境港 巻き網の鮪
     鮪不毛の時期ですが、
     大将は、この時期がいいと。
  鳥貝
  おあり烏賊  玄界灘

  昆布醤油と、すだち塩で。

  器は、140年前のバカラ

5、夏越しの祓
  茅の輪くぐりの八寸

  最近、これをいただくと、夏の到来を
  感じます。
  「茅の輪に、手だけでも通してくださいね」
  と、大将。 

  *滋賀 日野町(大将の出身地)の天然じゅんさい
   とシュガートマトの酢の物
  *茗荷と鯛の寿司
  *香茸の辛煮
  *ウズラ卵の麹味噌漬け
  *才巻のキャビア詰
  *オクラ 芥子味噌漬け
  *胡瓜に金山寺味噌
  *玉蜀黍のかき揚げ
  *佐島の蛸
  *卵真薯
  
  *くじらベーコン うねす(顎下)

  ひとつひとつ手間暇をかけ、
  高い技と美意識を感じます。

6、フォアグラとマンゴーの最中

  お約束の最高の笑顔。  
  写真、昨年との違いをみてください。

7、長良川、郡上八幡の鮎

  この時期の鮎は、まだ苔を食べていない
  ので、香りにはちょっと早い、との
  ことでしたが、たっぷりの蓼酢をつけ、
  頭からがぶり。
  火入れが抜群です。
  
  琵琶湖天然鰻の八幡巻と。

8、鮪、烏賊とべったら漬けの手巻き寿司

  赤酢2種に千鳥酢のしゃり

9、あげまき貝 炭火焼き

   福岡産
   生醤油で。

10、すっぽんのから揚げ

   一度炊いて下味をつけ、皮を柔らかくして
   粉をつけて唐揚げに。  
   味が凝縮しています。

11、新作「蛤と鱧」
  
   「先週、ふと思いついた」と、大将。

   桑名の蛤と淡路の鱧のしゃぶしゃぶ
   玉ねぎで出汁。
   出汁は玉ねぎの甘味と、蛤、鱧の
   出汁で、えもいわれぬ旨味。
   玉ねぎでつなぐのがミソ。
   この組み合わせ、最強です。
   蛤がぷっくりして、焚いてもなお
   大きさが変わりません。
   ちり酢で。

   ちなみに、この日は、大将が、目の前で
   鱧の骨切りを。

12、新生姜ご飯

   新生姜はゆがいて、さらし、
   さらに、新生姜を炊いたスープで、
   ご飯を炊いています。

13、半田麺のにゅう麺

   スッポン、蛤、鱧の出汁に、
   アローカナと烏骨鶏の卵をかけて。
   卵の殻は、水色です。

14、また、ご飯

   上記の麺を食べ終わったお出汁に
   また、新生姜ご飯を。
   止まりません。

15、あじさいのきんとん

   見目麗しいあじさいのお菓子
   最後まで、「梅雨の美と雅」を
   楽しませていただきました。

16、お薄

17、メロン


お供は、
1、梅酒のソーダ割り
2、NOTO  純米大吟醸
  口当たり柔らかで、ふくよか。

 
 毎回思いますが、いつも、心豊かに、穏やかな

 気持ちにさせてくれる篠原さんの料理。

 大将のお人柄が、そのままお料理に映されています。



この日も、爽やかな篠原さんの笑顔に迎えられ、着席。

前回、前々回は私の隣りが某有名シェフだったのですが、

なんと、またもや、ジンクス勃発。 今回は、知り合いのレビュアー様でした。

そんなことで、またまた和気あいあいと篠原劇場の始まりです。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの掛け合い漫才(?)も

おもしろすぎで、店内が笑いに満ちます。


今回の八寸は、過ぎてゆく里の秋。 なんとも哀愁に満ちて、抒情豊か。

ため息がでます。

今回初めていただたい藁苞蒸しには、守備範囲の奥深さを改めて実感。

本当に毎回楽しませていただきます。

では、この日いただいたもの。

1、先付           厚切りの子持ち昆布、おか若芽、
               伊勢の車海老、あわび茸、大間の蝦夷鮑、とんぶり、
               菊花を酢でよせたもの

2、煮物椀          境港の松葉蟹真薯、大根

3、お造り          明石の鯛
               舞鶴のアオリイカ
               長崎のとらふぐ 身厚です。チリ酢で。
               大間の釣りの黒鮪
               浜防風

4、藁苞蒸し         藁の中に栗と銀杏の飯蒸し、
               その上に、対馬の大穴子

               かつて、献上品を藁で包んでクッションがわりに
               したとのこと。
               藁の香りが飯に移り、鼻腔をくすぐります。

5、八寸           逝く秋を惜しむ里の風景です。
                柴垣に照葉が散っています。
               
               紅白柿なます
               白髪海老 (伊勢海老の蒸したもの)
               いちじくのゴマダレ
               海老芋のから揚げ
               茄子、キャビア、スコティッシュサーモン、
               長芋、柚子を巻いたもの
               上海ガニとほうれん草のお浸し
               大徳寺麩と芥子
               水口かんぴょう
               丸十
               卵真薯

6、鮪とべったら漬けの手巻き寿司  

7、フォアグラとあんぽ柿の最中    お弟子さんの笑顔、かわいいです。
                   (写真、見てください)

8、焼き白子のあんかけ     2つの白子をいただきますが、
                ひとつには、葱と黒七味。
                これをいただいたあとに、もうひとつに、
                白トリュフをあとからのせてくれます。
                最初からトリュフの香りだけにならないように、
                との配慮。 増量までしていただきました。笑

9、本もろこ          岐阜産を泳いだままお店まで。
                まだ泳いでいるところを見せていただきました。

                篠原さんのお子様たちが河原で集めた平たい石を
                アツアツに熱し、その上に、本もろこを。
                まるで泳いでいるかのように。
                千鳥酢と赤酢で。

10、柚釜焼き         大きな柚子の中には、雲丹、原木なめこ。
                柚子ごと目の前で焼き、供されます。
                苦みを楽しむ一品。
                実は、雲丹も原木なめこもそれぞれ個別に仕事が
                してあります。
                これも、唸ります。

11、ぼたん鍋         滋賀、湖南の三雲産猪に、芹を鍋で。
                 まず、鍋を火にかけたとたんに漂うお出汁の芳香。
                 猪をいれたあと、また漂う別の芳香。
                 猪は、わずかなかみごたえを感じつつも、
                 柔らかく仕上がり、芹のシャキシャキと
                 素晴らしい相性。

12、ご飯           土鍋に蟹の甲羅。
                よく見ると、甲羅の下には、真ん丸の蟹コロッケ。
                それを混ぜて、
                1杯目  生卵と
                2杯目  スッポンのスープで炊いたフカヒレ餡と
                3杯目  ぼたん鍋の出汁の雑炊
                香の物 3種

                いくらでも入ってしまう美味しさです。

13、丹波の栗きんとん

14、お抹茶

お供は、

梅酒のソーダ割り
日高見
土浦 小野の里の40%の精米の山田錦で吟奏の会の大吟醸
        極寒の時期に長期低温発酵させながら、じっくり
        醸しだしたという極上品です。米の旨味がまったり、と
        しかしキレもある、素晴らしい日本酒です。

 またもや、実に楽しい時間でした。

 この温かさ、えがたいものがあります。

3回目の訪問となりました。

いつもながら、入った瞬間から、気持ちのよい挨拶と大将の笑顔。

東京に出店して、こんな猛スピードで超人気店になったわけですが、

大将の温かなホスピタリティと気配りは微塵も色あせることなく、感心します。

前回、たまたま、某有名料理人さんが私の隣りだったのですが、

今回も、TVによく出演されている某有名料理人さんが隣りでした。

という話をしたら、

大将 「あ~~、偶然ですね~~」

某有名料理人さん 「あなたが席、決めてるんじゃない!!」 

一同、大ウケでした。

さて、この日もどんな篠原劇場が展開するのか、ワクワクします。

大将から最初に一言。 「きょうは、とてもいい素材が入ってますよ~~~」といって、

活きボタンエビをたくさん抱えて見せてくれました。

それでは、始まりです。

1、活きボタンエビ         つるべ落としの箱を開けると、中にギヤマンガラスの丸皿。
                  活きボタンエビ、玉子豆腐、天然じゅんさい、長崎の赤雲丹
                  軽く酢をしてあります。
                  活きボタンエビが限りなく透明。

2、煮物椀             噴火湾の毛蟹真薯
                  オクラのすり流し
                  毛蟹の味の凝縮感と、オクラのさっぱりがマッチング

3、お造り             宮城のマコガレイ
                  釜石の黒まぐろ  
                  五島のアオリイカ

                  まぐろは、昆布と醤油の煮凝りで。

4、鮑               この日の目玉は、鮑なのでしたが、これは、メガイでまだまだ、とのことで、
                  あとで、もっとすごい鮑がでます、とのこと。
                  柑橘のソースで炒めた鮑と、スッポンスープの焼き粥。
                  もう、頬が落ちます。 なのに、「まだまだ」だそうです。

5、八寸              いつものように、すごいラインアップです。
                  しかも、今回は、6月ゆえ、大皿に、茅の輪くぐりを模した飾りを。
                  目を見張ります。 はは~~~、こうくるか!!です。

                  里山の風景の中は、

                  *白和え    胡瓜、クラゲ、大徳寺麩
                  *岩もずくと白瓜  (サザエの器に)
                  *一寸豆 このわた (琵琶の器に)
                  *卵真薯
                  *琵琶湖のすっぽんと、北海道のドジョウの揚げ物
                  *明石の穴子
                  *三雲の天然いのししのロースト
                  *菜の花のからし和え
                  *佐島の蛸の柔らか煮
                  *椎茸と庄内麩とチーズ
                  *トマト
                  *車海老

                   満喫です。

6、最中              フォアグラとマンゴーです。

7、鮎と鰻             近江八幡の鮎と、琵琶湖の鰻の木の芽焼き

8、とり貝             舞鶴産をフライに。
                  なんと、とり貝のフライ!! 味がぎゅっとします。

9、鮑と鱧の鍋           この鮑がこの日の目玉。 勝浦の黒鮑。
                  ものすごく上質なものを築地で選定、とのこと。
                  大将、ちょっとドヤ顔でした。
                  生の鮑と蒸した鮑の2種を盛り付け。
                  蒸した鮑が圧倒的に美味ですが、生を入れないと
                  出汁がでない、とのこと。 考えつくされています。

                  露地のうるい。 春のハウスのうるいとはまったく味が異なり、
                  ほろ苦さが心地よいです。

10、ご飯3種           1、新生姜の炊き込みご飯
                       立ち上る香気がすばらしい。
                  2、スッポンスープで炊いたフカヒレあんかけご飯
                  3、鮑と鱧の鍋の出汁で炊いた雑炊

                  これを全部いただいたあと、新生姜ご飯のおこげを少し。
                  おこげを盛り付けている大将の頭をじーっと見ていたら、
                  視線を感じたようで。笑

11、ご飯のお供          1、飛騨牛の時雨煮
                  2、賀茂ナスと石川小芋の炊き合せ
                  3、香の物

12、お菓子            あじさいきんとん
                    透明なしずくのような羹に、きれいな薄紫のあじさいが。

13、お抹茶


お供は、  1、梅酒のソーダ割り
      2、江戸開城   港区の日本酒
      3、愛しぼり
   
        日本酒用のオールドバカラコレクションが素敵なものばかりです。


 またまた期待をはるかに超えてくれました。

 これだけの技量と接客。 表にはでない計り知れない努力の賜物かと。

 大事にしたいお店です。


破竹の勢い、というのは、今の篠原さんのためにある言葉でしょうか。

あれから3か月。 楽しみに再訪しました。

そして、また、その天才ぶりを目の当たりにしてきたのです。

「2回目の関門」がある、と私は思っていますが、1度目があまりにいいと、

期待がものすごく膨らんでいて、「あれ?」ということがままあるのですが、

そんな関門を心配する必要はまるでなかったです。

さて、この日のお料理です。

まずは、香煎茶でお浄め。

1、胡麻豆腐     胡麻豆腐の上に、雲丹、伊勢海老、蝦夷鮑、
           岩茸、白魚、土佐酢の煮凝り
           大根と人参、それに、環柳といって柳を輪にした
           ものを添えています。
           鶴が羽を広げたお皿で、1月らしく。

2、お椀       焼き餅、松葉蟹真薯、青味大根、神馬藻
           金箔が光り輝いています。
           「しのはら」のお雑煮、だそうです。

3、お造り      明石の針烏賊  すだちで
           大間の黒まぐろ 昆布醤油の煮凝りで
           玄界灘の鰆   藁で炙り
           キャビア 

4、蒸し鮨      滋賀の米を蒸したものの上に、
           羅臼のこもこ
           餡
           これが柚子釜で。

5、八寸       琵琶湖の本もろこ 炭火焼き
           なまこ
           蕗をこのわたと
           とらふぐの白子
           蒸した玉子 真薯と熨斗梅
           佐島の蛸
           姫くわい
           酢蓮根
           穴子
           海老芋にこまき海老
           子持ち昆布

           本もろこは、泳がせてお店まで届くとのこと!!

6、最中       中身は、出汁で炊いてよせたフォアグラ
           と、あんぽ柿

7、春巻き      すっぽんのエンペラとフカヒレ
           すっぽん出汁の餡
           中身アツアツで。

8、骨付きすっぽん  炭火焼きで。
           すっぽんは炭火焼きにすると、
           これまでいただいていたすっぽんの
           概念がかわります。
           京都一味屋の山椒がいい香り

9、月の輪熊     芹とともに、鍋で。
           きれいな脂身。 ほのかな甘味が。
           スープは、熊の赤身と脂を煮出したもの。
           もう、なにもいえません。

10、ご飯      赤アマダイと蕪の菜飯し
           1、まずは、そのまま
           2、次に、これに汲み上げ湯葉と餡をかけて
             餡は、最初に出た伊勢海老の頭の出汁

11、熊のスープ   かきたまで。

12、あけぼの    周囲は、つくね芋
           中身は、百合根と卵
           美しい薄紫です。

13、抹茶

力強さと繊細さをもって、真冬を表現する、天才の技でした。

お供は、梅酒のソーダ割り、「紀土」「日高見」



滋賀から銀座に移転して、わずか1か月で、予約至難なお店に。

驚異です。

しかし、篠原さんのお人柄を知る人は、これは不思議でもなんでもない、と思うでしょう。

まだ若き篠原さんですが、天から授かったなにかをお持ちだと確信するオーラを放っています。

この1か月、お店と家しか往復してないので、「渋谷ってどこ??」状態だとか。

そんなことを言って、笑わせてくれます。

着席すると、まずは、お香煎でお浄めを。 

さて、料理です。 コースは23000円。

フランチャコルタで乾杯。

1、玉子豆腐、活きボタンエビ、〆あかざ海老            その上に、赤雲丹、キャビア、白、青の海老の卵
                                 割り醤油のジュレ
                                 とにかく、卵のオンパレード。 これでもか・・・とスタート。
                                 あかざ海老の卵の青が、まるで人工物のように鮮やかな青です。

2、大原メガイの鮑                        真空で蒸し、調味は一切なし。 本当に鮑の旨みだけです。
                                 肝和えご飯と。
                                 なるほど、鮑の旨み直球勝負はすごい。

3、お椀                             冬瓜、舞茸、噴火湾の毛蟹のしんじょ、
                                 利尻一等昆布の出汁
                                 さすがのお出汁でした。
 
                                 お椀は、表千家、不審庵の欄間の踊り木を椀に写したもの。
                                 すばらしいお椀です。

4、お造り                            ひらめ 昆布をあてたもの
                                 明石の針烏賊  深めの包丁で、甘味を引出しています。
                                 ちり酢

5、天然の琵琶鱒                         藁で燻してあります。
                                 東京では、こちらでしか、食べられないとか。

6、大間 120kgの赤身                    昆布と醤油の煮凝りで。
                                 これは、特上品。
                                 「鮪が一番おいしかったと言って帰った人がいたんですよ」と
                                 篠原さんが嘆いていました。

7、八寸                             美しい信楽焼きの大皿に。
                                 まるで、秋の野山のような演出です。

                                 鮟肝
                                 銀杏揚げ
                                 琵琶鱒しらこ和え
                                 ほうれん草としめじのお浸し
                                 サツマイモ
                                 卵しんじょ
                                 かんぴょう
                                 穴子
                                 生麩(庄内麩)に、醤油焼きのクリームチーズ
                                 柿なます
                                 蛸のさくら煮

                                 これは、ひとつひとつに丁寧な仕事がしてあり、本当に楽しめます。

8、琵琶湖の鰻                          白焼きとタレ焼きで。 地焼き、と言われる焼き方。
                                 きぬかつぎ、大徳寺納豆

9、賀茂茄子                           落ち茄子と言われる時期のものを、いりこの出汁で。

10、いのしし                          原種に近いいのししを、うずらの焼き鳥のタレで。
                                 滋賀、三雲あたりの深い山の中のイノシシだそうです。
                                 鬼おろし、菊の花、モンゴルの塩
                                 原種に近いわりには、臭みはまったくなく、やわらか。

11、最中                            フォアグラと杏

12、いちじくの胡麻味噌焼き                   いちじくと胡麻味噌がものすごくよくあいます。

13、すっぽん鍋                         鱧と松茸たっぷりと。
                                 

14、上海蟹ご飯                         上海蟹まるごとを炊き上げ、きれいに身と味噌をほぐして、ご飯に。

15、栗きんとん

16、抹茶

お酒は、「鍋島」と「角右衛門」。

オールドバカラのコレクションから、バカラらしいデザインをチョイス。

料理はもちろんですが、登場するお皿、器、お椀の美しさに目を奪われました。

信楽が多いのですが、篠原さん曰く、信楽のいい土は、全部たぬきになってしまって、もういい土がありません。

残念なことです。

大いに笑い、心行くまで、滋賀由来の日本料理を楽しみ、秋の宵が更けていきました。

もちろん、次回の予約も忘れずに。


                                 

  • 八寸
  • 漬けの握り
  • 琵琶湖の鮎

もっと見る

5位

肉割烹 上 (乃木坂、六本木、広尾 / 牛料理、日本料理)

5回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2019/10訪問 2019/11/09

三田牛と田村牧場産の食べ比べ

いつもながら、素晴らしいパフォーマンスでした。

ひとつひとつの料理に、確実に進化が見られ、

めくるめく極上牛の饗宴です。

前半は、魚料理が中心で、

後半に三田牛が様々な料理になって登場。


この日も、まず、三田牛の様々な部位が塊で、

プレゼンテーションされました。

シェフが、「きょうは、三田牛と田村牧場産のシャトーブリアン

を食べ比べてください」と。

期待感、頂点です。

では、この日の内容です。


1、ズワイ蟹の雄と雌
  牛コンソメのジュレがけ
  ほうずき、菊花の甘酢、栗のソース
  
  色鮮やかな盛りつけです。

2、ビーフコンソメ
  松茸

3、自家製からすみとキャビア
  贅沢なマリアージュ
  からすみがねっとりと舌にからみます。

4、気仙沼の鰹、松輪の鯖

5、すき焼き
  サーロインに、ふわっと泡立てた卵
  白トリュフをたっぷりおろして。

6、萩の甘鯛の松笠揚げ
  鱗がしゃりしゃり

7、4色寿司
  酢飯の上に
  ・牛腿のまるかわ
  ・昆布森の雲丹
  ・毛蟹
  ・白海老の紹興酒漬け

8、イチボの漬け、ネクタイのたたき

9、亀の子(腿)のタルタル
  アーモンド、ピスタチオ、無花果、
  ミモレットをたっぷり

10、羅臼産鱈の白子、松茸
   白子は無洗白子です。

11、タルタル巻き

12、田村牛フィレのカツレツ
  玉葱ソース
  衣にはパルミジャーノが。
  そのほんのりとした塩気が美味。

13、トマトとキャビアの冷製パスタ
   これが、なにげないのですが、
   猛烈に美味でした。
   シェフの進化を感じた一品

14、トロタク巻き

15、シャトーブリアンとタン
   写真右が三田牛
   左が田村牧場産
   山わさびの醤油和えで。
   田村産のものが、きれいな脂がのって
   好みでした。

16、ご飯
  いくら

  山形こしひかりで、無農薬の天日干し

17、ラーメン
  テールスープに、雲吞入り

18、ビーフカレー

19、塩アイス
   十年秘蔵 玉泉の瀧本味醂をかけて


お供は、赤ワイン
Prunotto Barolo 2015
バローロらしいバローロでした。

ワインリストから選んだものの、
注文したものは、4つ目まですべて在庫なし。
これは、ちょっと残念。


コースは、25000円。

肉と魚が心地よく展開し、

最後は、シャトーブリアンがトリを飾るという

構成で、大満足です。


   
西麻布の路地裏。

数か月ぶりの訪問です。

相変わらずの極上な肉質、そして、多彩な調理法で

飽かず楽しませてくれる技。

着席すると、カウンター上の木箱には、きょういただく、

各部位がずらり。

希少部位を駆使し、その部位にあった料理の数々。

目の前で調理されていく臨場感も、圧巻です。

何度お邪魔しても、新鮮に楽しめます。

今回は、ワインリストも整備され、とてもいいラインアップ。


さて、それでは饗宴の始まりです。

1、コンソメ
  品のあるビーフコンソメに、
  独活、蕗の薹、蕗が。
  春を感じる始まりです。

2、鰻とキャビア
  炭火焼した鰻に、静岡、春野の湧き水で育てる
  チョウザメのcキャビア。とてもマイルドで美味。
  「HAL CAVIAR 上」と書かれたオリジナル瓶も
  見せていただきました。

3、お寿司
  マルカワ、毛ガニ、厚岸のバフンウニ、
  白海老の紹興酒漬けがのった
  酢飯

4、北海道のボタン海老
  青森の紫雲丹
  コンソメジュレ

5、紀州ののどぐろ
  ポン酢、トラフグの白子
  河豚皮に見立てた、アキレス腱の
  タレをつけて。

6、マキ(リブロースに巻いている部位)の漬け
  上みすじ(腕)のタタキ

  ここで登場する生黒胡椒が抜群に美味。
  今回は、瓶入りのものを買わせていただきました。

7、タン
  ミモレットと黒トリュフで

8、タルタル
  山椒とバルサミコ酢で。

9、カツレツ
  フィレミニオン

10、高知のトマト
   鰹出汁で、沸騰する前の温度で
   ゆっくり煮ています。
   甘くてとろとろ。

11、手巻き寿司
  ザブトン、黒トリュフ、赤酢のシャリ

12、サーロインのしゃぶしゃぶ
  筍、花山椒と。

13、但馬牛のシャトーブリアン

14、天日干しのコシヒカリ

15、ご飯は3種からのチョイスで、
  牛すじカレー

16、塩アイス
  10年もの味醂か
  オリーブオイルをチョイスしてかけますが、
  味醂に。

お供は、赤ワインをボトルで。 63000円
Echezeaux Grand Cru 2009
S.C.E Domaine Forey Pere&Fils
とてもいい状態で、お肉の旨味が増幅します。


シェフ、ソムリエ、スタッフの皆さんが

とてもフレンドリーで、ホスピタリティも素晴らしいです。

日本最高峰の牛肉を、この居心地のよい空間で

楽しめる、数少ないお店です。


  
久々の再訪です。

開店以来の人気で、夜は2回転に。

ますます実力をつけてきました。

目の前で、純但馬牛のあらゆる部位が

いろいろな形で料理されていくのは見るのは

とても楽しいひとときです。

きれいな肉色の純但馬牛がカウンター上に

並べられ、シズル感いっぱい。

目の前の炭火は、右側がじっくり火を入れるため、

左は、炭を近づけて、焼き色をつけるため、と

きちんと役割が分れています。


コースは、18000円と25000円。

この日は、25000円をお願いしました。


1、牛肉のコンソメに松茸

2、小丼
  
  赤酢のシャリの上に、4種の具材が。
  *マルカワ (腿肉)
  *毛蟹と蟹味噌
  *馬糞雲丹
  *白海老の紹興酒漬け

3、根室産鱈の白子
  肉のコンソメで

4、コンソメジュレ
  石川芋、蝦夷鮑、増毛の牡丹海老、
  塩水の紫雲丹、ほうづき、菊
  の上に、コンソメジュレをたっぷり。

5、肉2品
  *サーロインの漬け 福井の地芥子
  *シンシンのたたき
   生姜醤油、生胡椒

6、カメノコのタルタル
  エメンタールチーズと
  からすみを削って、たっぷりかかっています。

7、牛ヒレのカツレツと銀杏

  これが本当に秀逸です。
  牛ヒレなはずなのに、ふわっふわの仕上がり。

8、高知のトマト
  出汁で3時間漬けてあります。

9、海苔巻
  ① ザブトンの炭火炙りを甘いタレと卵黄で
    トスカーナ産トリュフをたっぷり
  ② マキ (リブロース)と沢庵

10、神戸牛サーロインのしゃぶしゃぶ
  木耳
  蓮根

11、ステーキ
   *タン元
   *サーロイン
   *シャトーブリアン

  これは勢戸さんのお肉。

  塩
  山わさびの醤油漬け
  生胡椒練りこみ山葵

12、ご飯
  山形のこしひかり (天日干し)

13、塩雲呑 
  ビーフコンソメに麺も

14、牛すじカレー
  13,14はチョイスですが、
  ハーフハーフで両方いただきました。

15、バースデープレート

  ここで、サプライズでした。
  とても美しいデザインのプレート。
  友人たちが、バースデーソングまで歌ってくれたので、
  お店のスタッフさんたちも一緒に。
  感動です。

16、自家製塩アイス  
  オリーブオイルか十年熟成味醂の
  チョイスで、
  味醂をかけていただきました。

お供は、
日本酒  
赤ワイン  Freakshow (カベルネソーヴィニオン)2014

久々に伺って、期待を裏切らないというのは、

本当にうれしいものです。

裏切らないどころか、以前よりさらに

細部までバージョンアップしていて、

シェフやスタッフの方々の努力が窺えます。

満足感100%でした。


前回、あまりに感動したので、その感動が冷めやらぬうちに

再訪です。

予約時に、コースに揚げ物などを追加していただくよう、

お願いしておきました。

今回も、カウンター席で、シェフの調理を目の前で拝見。

少し早めに着いたので、川岸牧場産サーロインを掃除しているところを

じっくり拝見。 もう生つばが出てきます。笑

では、今回も、極上肉をたたき、揚げ物、しゃぶしゃぶ、ステーキ

・・・・と、これでもか!と楽しませていただきました。


1、牛肉とすっぽんのコンソメ

  山ウドとこしあぶらを浮かせて、
  もう早春の仕立て。
  ものすごい芳香のお出汁です。

2、小丼
  
  マルカワ赤身肉の生を昆布と醤油で和えたもの、
  松葉蟹
  根室の雲丹、
  富山産白海老の紹興酒漬け
  の4種類がのっている丼です。
     
  全部をかき混ぜて、と言われましたが、
  まずは、ひとつひとつ味わってから。
                 

3、煮鮑
 
  松葉蟹、海老芋、うるい、蕨、
  長崎産車海老を
  牛スネ出汁のジュレと柚子で。

  山菜が登場していて、早くも
  春らしく。
                

4、牛たたき

  田村牛のシンシンカブリ(腿)

  しっかりした味わいの部位です。

5、釧路産鱈の白子

  白子の傍らに、なにやら透明のものが。
  なにかと思えば、牛のアキレス腱を煮たもの。
  ある程度のテクスチュアを残しながら、
  柔らかく煮てあります。
  生姜醤油と、粒生胡椒で。
  この粒生胡椒が、これだけでお酒のつまみに。

6、ユッケ

  上ミスジのユッケを実山椒と木の芽、
  ピスタチオ、ドライフルーツ、
  バルサミコの甘ダレで。

  とろけます。
             
7、黒タンカツレツ

  タンのカツレツはなかなかお目に
  かかれません。
  スパイス塩で。

8、ヒレのから揚げ 

  ヒレを唐揚げにすること自体、
  贅沢ですが、これがまた
  究極に柔らか。
  醤油と芥子で。
       
10、冷やしトマト

   高知産のトマトを出汁でゆっくり
   炊いて、箸を入れると、とろけます。

11、とろたく巻き

   リブと沢庵の巻物。
   佐賀産大走の海苔がパリパリで美味。

12、炙りザブトントリュフ巻き

   炙ったザブトンと胡瓜の奈良漬けを
   巻き、そこに、フランス、ペリゴールの
   黒トリュフをたっぷりかけて。
                 
   もう幸せそのもの。

13、しゃぶしゃぶ

   川岸牧場のサーロインを
   さっとしゃぶしゃぶして。
   ほぼレアです。
   椎茸、クレソンと。
   ポン酢と柚子胡椒で。

   脂が軽く、さっと溶けます。

14、ステーキ

   神戸牛のハラミと
   シャトーブリアン

   塩、山わさびで。
   
   ハラミとシャトーブリアンの違いを
   楽しめます。

   実は、これ、少し残すと、
   しぐれ煮とともにお弁当にして
   持ち帰らせてくれます。
   これがまた美味。

15、白米 

   山形天日干し無農薬コシヒカリ

   中川一辺陶さんの窯で炊かれたご飯です。
   これだけで、いくらでも食べられてしまうほど、
   美味。

16、牛と蛤の醤油ラーメン

   牛のコンソメに、
   蛤と焼き葱を。
   スープがうっとりするほど美味。
                  
17、牛筋カレー 

   ラーメンかカレーのチョイスですが、
   両方いただきました。
                  
   もうこのあたりから、思考能力ゼロです。

18、自家製塩アイス

   ①オリーブオイル
   ②十年熟成味醂
                 
   これもどちらかチョイスですが
   味醂を。 味醂と思えない、
   キャラメルのような甘味。

お供は、
1、赤ワイン 

  Le Haut-Medoc de Giscours 2013

ガーネット色がきれいで、
  コクはありますが、わりと軽い口当たり。

今回も、期待以上のパフォーマンス。

肉割烹ならではの、多彩な肉の楽しみを

存分に味わえました。

   
「うしごろ西麻布本店」の地下がますますエキサイティングに。

「USHIGORO S」に続き、肉割烹専門店が登場。

6席のカウンターと4席の個室のみ。

噂には聞いていましたが、期待を上回る肉質の良さ、そして多彩な料理法に

心酔した夜でした。

今回はタイミングも抜群でした。

というのも、なんと「特産松阪」という、暮れにしか出回らない特別なお肉が

あったのです。

松阪牛というのは、東京に持ち込まれた当初、サシがあまり入っていないということで、

売れない時期があったため、他県から種牛を混ぜ、サシを作ったのだそうです。

それに対して、「特産松阪牛」は、その元々の牛で、全体の6%のみ。

44か月以上で出荷というので、通常よりかなり育てています。

今回は、そのネクタイとイチボをいただきました。

通常は18000円のコースですが、今回は、追加リクエストなどを

して20000円のコースで。

それでは、めくるめく極上肉のワールドへ。

1、牛と鼈出汁の茶碗蒸し     白い黄身の茶碗蒸しです。
                 焼き白子、銀杏、ユリ根、わさびが
                 入っています。

                 具だくさんで、とろっと。

2、小丼             マルカワ赤身肉の生、兵庫産せこ蟹
                 北海道昆布森の雲丹、
                 富山産白海老の紹興酒漬け
                 がのっている丼です。
     
                 欲張りな丼で、テンションアップ。
                 やっぱり、生肉が美味。

3、煮鮑             せこ蟹、海老芋を一緒に、
                 牛スネ出汁のジュレと柚子で。

                 煮鮑が柔らかく、大好物の海老芋の
                 ほのかな甘みがいいです。

4、牛刺身            イチボ、かいのみ漬け、サーロイン握り

                 ルビー色に輝く生肉が美しく盛り付けられて
                 登場。
                 もう、目は爛々と、野獣の気分です。

5、ハラミと葱串         タレ焼き

                 このハラミがまたジューシーに焼けて
                 いて美味。

6、たたき            特産松坂月齢45月のネクタイ、 生姜醤油、粒生胡椒

                 究極に滑らかで、シルキーな食感。
                 粒生胡椒を2,3粒のせて。

7、カメノコ           カメノコのタルタルとからすみを和え、
                 その上に、またからすみと
                 エメンダールチーズを。
                 からすみの品のある塩味が
                 タルタルと溶けあい、
                 エメンタールがコクを増幅しています。

8、黒タンカツレツ        追加でお願いしました。
                 タンのカツレツはなかなかお目に
                 かかれません。
                 サクっとして、実にいい揚げ加減。       

9、松坂月齢31月ヒレの唐揚げ   ヒレを唐揚げにしてしまう贅沢。
                 中はきれいなレア。

10、冷やしトマト        丸ごとなのに、箸をいれると、簡単に切れる
                 ほど、柔らかい仕上がり。
                 いい箸休めです。

11、とろたく巻き        とろたくがたっぷり入った巻物
                 俄然、テンションが上がります。

12、炙りザブトントリュフ巻き  フランス、ペリゴール黒トリュフを
                 たっぷりかけて。

                 トリュフの香りと、炙りザブトンの
                 香ばしさが楽しめます。

13、すき焼き          神戸 川岸月齢33月のサーロイン
                 泡立てた卵白、雲丹、阿波育ち卵黄を
                 混ぜた極上タレで。

                 こんなゴージャスなタレにはなかなか
                 お目にかかれませんが、お肉は
                 まったく負けていません。

14、ステーキ          川岸33月のシャトーブリアン
                 特産松坂45月のイチボ

                 かなり厚い塊に串をいれて、炭火焼きに。
                 究極に柔らかく、肉の旨みがぎゅっと
                 閉じこめられています。

15、白米            山形天日干し無農薬コシヒカリ

                 中川一辺陶さんの窯で炊かれたご飯です。
                 窯ももちろん、お米も極上で、
                 ご飯だけで美味。

16、牛と蛤の醤油ラーメン    「はしづめ」さんの麺。
                  
17、牛筋カレー          ラーメンかカレーのチョイスですが、
                  シェアしました。
                  
                  どちらも出汁が素晴らしい仕事を
                  しています。

18、自家製塩アイス        ①オリーブオイル
                  ②十年熟成味醂

                  これもどちらかチョイスですが、シェアで。
                  オリーブオイルはさっぱりと。
                  味醂は、甘味を。

お供は、

1、シャンパーニュ ロゼ      MOET&CHANDON

2、白ワイン            MEURSAULT LOUIS JADOT 2015

3、赤ワイン            rindo 2014


 もう、これは最高に楽しいです。

 生あり、揚げ物あり、巻物あり、すき焼きにステーキ。

 特に、タルタルやたたきなど、ストレートに生の旨味を

 味わえます。

 シェフも、とても熱心に研究していらっしゃる様子で、

 持ち味を存分に引き出しています。

 サービス陣も、笑顔を絶やさず、いい動きです。

 これだけ、こだわり、徹底できるお店のクオリティそのものに

 脱帽です。

 いやはや、かなり気に入りました。

 極楽そのもの。

 再訪確実。 


  • シャトーブリアン2種
  • タルタル
  • タルタル巻き

もっと見る

6位

セララバアド (代々木上原、代々木八幡、代々木公園 / イノベーティブ、スペイン料理、フレンチ)

15回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2023/08訪問 2023/08/26

夏の思い出、セララバアドの夏

「エルブジ」「ノーマ」での修業経験がある橋本シェフが率いるお店。

1年で4回のメニューチェンジ。

季節を映した独創的、クリエイティブな料理です。

詩情豊かで繊細な料理には、いつも感動します。
セララバアドでは、四季でメニューが変わります。

創業以来、お邪魔し続け、

橋本シェフの優しいお人柄に触れるとともに、

その優しさを映す、ノスタルジー香る、

心温まるお料理に、いつも感動を新たにします。


夏のメニューは、

あるときは、高原に、

あるときは、海辺にいざなってくれます。

そして、小さいとき、そんなことしたよね、

と思い出させてくれることも。


今回は、ノンアルペアリングを

お願いしました。

では、セララバアドの夏、

始まりです。


1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に
  見立てています。
  その枝には、秋田産の生ハムと
  香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、
  ポップコーンムースと
  その粉末と塩。 一口で!!
  繊細そのもの、儚さを感じる一品。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、
  じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、
  オレンジ色と黄色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるトマトコンソメジュレ
  で作られた雨紋の料理に、
  先ほどの黄色の花弁をちぎって
  浮かべます。

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  まずは、大きな巻貝を耳にあて、
  海の音を楽しみます。
  ムール貝の殻の塊の上に、カレー風味の
  ムール貝のフライが。
  甘海老。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、大穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、
  大穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  マーガオをアクセントに。

10、玉手箱
  
  青いリボンのデザインがあしらわれた
  陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、スモークが。
  帆立貝の瞬間燻製と、
  細くカットして揚げたズッキーニ。

11、和牛 野菜の涙     

   低温調理した和牛のロース。
   赤ピーマン、茄子、トマトと
   その焼き汁のソースで。
   サワークリームと西洋山葵を
   添えて。
  
12、檸檬
   国産レモンのジュレを、
   美しいメレンゲで包んで。
   お皿の淵には、抹茶を散らしています。

13、トマト、蛍、木漏れ日   

  いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *トマトのマカロン
   *シークワーサーの琥珀糖(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーの
    シロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、
    レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ
 
2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、キウイとホップのスパークリング

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


まるで、3時間で、夏休みを体験させて

いただいたかのようなディナー。

いつものように、温かい気持ちを

お土産に。
14回目の「セララバアド」です。

あ、書いていない回もあるので、もっとかもしれません。

年4回、季節ごとに変わるメニューは、

四季を反映すると同時に、橋本シェフ独特の

心温まる、ノスタルジーを感じるお料理です。

特に、冬は、

「あ、そういえば、子供のころ、こんなことが

あったよね」とか、「そうそう、冬ってこうだった」

という、冬景色を思い起こさせてくれて、

なんとも心がほっこりするのです。


この日もシェフズシートへ。

アクリル板が設置されましたが、

キッチンで、お料理が作られ、盛りつけがされるのを

目の前で見ることができ、

ワクワクします。


さて、冬メニューのスタートです。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  花瓶に活けられた枝には、雪に見立てた
  綿と綿あめ。もちろん、綿あめだけ食べられます。
  樹氷を表現しているのです。
  綿あめの中には、塩とクローブとナッツを
  キャラメリゼしたものが。
  
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  塩漬けのラルドを巻いたもの。

  1品目から、真冬の世界へ。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  この感性に、毎回酔います。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴチーズ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、Gift
なにかが紙で包まれて登場。
  紙を広げると、そこには、手のひらが
  モノクロで印刷されていて、
  その上に、小さなタルトが。
  タルトの中には、牡丹海老、根セルフィーユ、
  グレープフルーツ。
  エディブルフラワーを美しくトッピング。

  手のひらは、橋本シェフの愛娘とか。


5、折り鶴
  
  もう代表作ともいえる、根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事で、毎回ため息です。
  隣りには、岩手産ホロホロ鶏の白レバー。
  根セロリをコンソメで炊き、生姜ときのこの
  ソースと。
 
6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  いつ見ても、キュートそのもの。
  

7、帆立貝 カルドッソ 

  煮込んだスープの米料理。
  大麦、米、葉にんにくに、
  帆立貝。
  貝の出汁のコクがたまりません。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9,アンコウ チョリソ

  じゃが芋とくるみで包んだアンコウを
  ソテー。
  トマトとチョリソーをシート状にし、
  レザーを表現。
  玉葱ソース。
  燻製ベーコンの泡を。

  なんと、チョリソーをそう使うとは・・・。

10、紀州鴨
  低温調理してから、黒ニンニク、スパイス、
  赤ワインのタレを皮目に塗って、サラマンダーに。
  
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  プチベールのソテー
  
  滋味豊かな鴨です。
  
 
10、対照 カカオ
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  一瞬、こんなにたくさん食べられるかしら、
  と思いますが、軽いので、スイスイです。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのタルト

フレッシュハーブティ(ミント、レモングラス、生姜)

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、薔薇の香りのノンアルマティーニ
  Japanese Craft Gin 欅
2、りんごスパークリング
  ホップの香り
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、知覧茶 ゆたかみどりと漬けた金柑
5、ひとつだけ、赤ワインをいただきました。
  信州たかやまワイナリー 2018
  メルロー&カベルネ


毎冬ですが、橋本ワールドに魅了されました。

シェフの優しいお人柄が成せるファンタジーの世界。

しばし、子供のころに戻り、幸せな世界に

浸らせてくれます。

そして、帰り際。

寒くないようにと、ホッカロンがプレゼントされます。

温かさに包まれる冬の宵。


創業以来通い続けているこちら。

今回は初めてランチタイムに伺いました。

ちなみに、ランチは土曜日のみです。


橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

前回は、シェフズシートとキッチンの間には、

ビニールが吊り下げられた状態でしたが、

今回は、アクリル板が設置され、対策も万全。

このシートだと、キッチンの様子が手に取るように

見えるので、シェフとスタッフさんたちの無駄のない

整然とした動きを見るのも、楽しみのうち。


さて、冬メニューのスタートです。

橋本シェフの冬のワールドは、

幼いころの冬景色を思い起こさせてくれて、

本当に、

心の芯まで温めてくれます。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  キッチンでは、スタッフの一人が、
  綿あめを作っています。
  花瓶に活けられた枝に、その綿あめをつけます。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  もうひとつは、塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いたもの。

  真冬の景色が広がります。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  これを初めて見たときは、心底感動しました。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、ボタン海老とグレープフルーツのタルタル

  コースとは別に、シェフからプレゼントの一品。
  セルフィーユの根の上に、ボタン海老と
  グレープフルーツのタルタル。
  セルフィーユの根の甘さが感動的。
  焼き石にのせて登場します。

5、折り鶴 根セロリ
  
  開店当初はこれが話題になりました。
  根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事に脱帽です。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラと
  キノコと生姜のソース。
  

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。
  キュートそのもの。

7、蟹  カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、大麦で。
  蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9、紀州鴨
  焼き目がきちっとついた鴨。
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  
 
10、カカオ対照
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  大きいのに、軽いので、すんなり食べられます。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのマカロン

フレッシュハーブティ(ローズマリー、レモングラス、アップルミント

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、ベリー入りのノンアルシャンパーニュ
2、りんごとジャスミン
  りんごの氷のヘタは、クローブで、
  溶けてくると、香りが。
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、八女茶と漬けた金柑
5、澱紅(てんこう)という中国の紅茶に
  花梨、カカオ、苔桃

  ノンアルのブラッシュアップされています。


 今回も、橋本シェフの詩情豊かな日本の冬に魅了されました。

 シェフのお人柄そのもの。

 寒い冬。 今年は、温かさがより一層身に沁みます。
開店以来、四季折々にお邪魔しています。

6年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートですが、

コロナ対策で、キッチンとの間にビニールシートが。

テーブルは、16席を12席に減らしての営業です。


始めに渡される小冊子には、シェフ作「セララバアドの旅」が綴られています。

このストーリーに沿って、お料理が登場するのです。

しかも、今回は、ストーリーにかわいい女の子が登場。

さて、彼女はだれでしょう。


橋本シェフの夏メニュー、開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや

  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。

  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。 一口で!!

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、オレンジ色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるしじみの出汁で作られた雨紋の料理に、
  先ほどのオレンジの花弁をちぎって浮かべます。
 

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

10、玉手箱
  今回の新作です。
  青いリボンのデザインがあしらわれた陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、
  帆立貝の燻製と、細くカットして揚げたズッキーニ。

11、那須高原和牛 マコモダケ       

   低温調理し、さらにローストした和牛。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルのはずですが、
   収穫が極めて短く、昨年はタイムリーだったのですが、
   今年はダメでした。
   で、ゴールデンパイナップルで。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   刻々と変わる暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                      
13、よもぎ  蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、シャンパーニュ
  ここだけお願いして、アルコールのほうに。

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


世界的な未曾有の事態と、

2か月に及ぶ自粛で、

陰鬱になりがちな昨今ですが、

橋本シェフのお料理は、そんな気分を

吹き飛ばしてくれるほど、

温かさと懐かしさと癒しをもたらしてくれます。

「人は人を旅する」

セララバアドの旅。

まだまだ、これからも楽しみです。


今年も「セララバアド」の春が巡ってきました。

この春も、すべての料理に、和歌をペアリングさせ、

より、料理の感性を深く味わうことができます。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。


何度いただいても新鮮な感動がある橋本シェフの

お料理には、繊細な感性と、心のやさしさを感じます。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。

コースは、11000円

そのほかに、アルコールかノンアルのペアリングを

選びます。

今回はノンアルペアリングを選びました。

*印は、ドリンクペアリング


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

 *桜スパークリング
  岩手県くずまきワイン
  ソメイヨシノ酵母

  グラスに、タグがついていて、
  料理名とペアリングドリンク名が
  書いてあります。

2、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

  *きよみ、リンデン、炭酸のドリンク

3、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダを
    揚げたタピオカの上に。

4、白魚 スマック タコス

  いつも、小菓子を入れるエンボスの缶に、
  白魚のタコス
  根セロリチップ
  チコリ
  文旦
  スマックは、中東のゆかりのようなスパイス
  
5、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、ビーツと
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、棚田 八海山サーモン 蕪

  昆布〆したうす切りの蕪で、
  八海山の虹鱒を包み、
  段々状にすることで、棚田をイメージ。
  虹鱒のいくらを散らして。

7、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

 *ルバーブ
  カルダモンとアーモンド
 
8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

9、筍 蛍烏賊

  筍の先っぽでカバーされた料理が。
  カバーを取ると、中からは、
  トマトベースの蛍烏賊


10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

 *抹茶 林檎
  点茶
  抹茶が入った茶碗が登場。
  あとから、温かいリンゴジュースを注ぎ、
  茶筅で混ぜます。

11、春霞 鮎魚女  
        
   皮目をパリっと焼いた鮎魚女の入った
   器が登場。
   あとから、シェフがひとつひとつ、
   そこに霞をたなびかせます。

12、ホロホロ鶏   

   岩手のホロホロ鶏を低温調理。
   空豆、アスパラガス
   キノコのソース

  *薫香和紅茶
   ウィスキー樽と文旦
   グラスの淵に、文旦を添えて、
   香りを楽しめます。

13、檸檬
   
  レモンムース
  六(ジン)のジュレ
  きれいにメレンゲで飾って
  周囲には、抹茶を。

14、小菓子 ガラス箱で

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
   
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   薔薇     マカロン
   蕗の薹    焼き菓子

*スペシャル
 この日は、友人たちの中に、  
 バースデーの人がいました。
 シェフ特製ガトーショコラでお祝い。
   

15、ハーブティー
  カモミールとオレンジ

パンとオリーブオイル


相変わらず、めくるめく橋本ワールド。

まるで、童話の中を旅しているような

時間です。
開店以来、ずっとお邪魔しています。

5年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートで、

シェフや、新人くんたちとお話をしながら。


新作も加わり、「セララバアドの旅」はますますわくわく度を

増しています。

始めに渡される小冊子には、「セララバアドの旅」が綴られています。

これだけでも、なんとも心温まる詩情豊かさを感じられるのですが、

その上に、そのポエムと同じお料理が登場するのです。

物語は、こう締めくくられています。

「この旅で見つけた素敵なものは、全部誰かにあげて

しまったので、手元にはただのひとつも残りませんでした。

みんなの喜ぶ姿が、セララバアドにとって一番の

「素敵なもの」だったのです。

最後に見つけた素敵なものは、心の中にありました。」

シェフの気持ちが投影されています。

そんな温かな心をもつ、橋本シェフの夏メニュー、

開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。

  ・新作の沖縄の作家さんのガラス皿に、
   稚鮎のフリットと透明なガスパチョのゼリー。
   オレンジの花弁をちぎって、ちょっとほろ苦くして。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、海 森 循環          
                      
  新作です。
  シェフが、宮城県唐桑で出会った帆立貝。
  森が豊かになると、海も芳醇になる、という循環で
  生まれた帆立貝。
  身が厚く、しっかりした旨味があります。
  大きな帆立貝の殻で蓋をして、登場。
  皿の底には、燻したお茶の葉を敷り、森のイメージ。
  その上に、焼き石と帆立貝。
  ロメスコソースで。

  素敵なお皿は、珍しい鉄製。
  でも、とても薄いのです。
  実は、森の養分を吸収するには、鉄分が
  必要だそうで、そこから新作の鉄皿にしたそう。


10、那須高原和牛 マコモダケ       

   今回は、イチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   今回は、とってもタイムリーでした。
   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルが
   入荷していたのです。時期が短いので、滅多に
   お目にかかれません。
   旨味と甘みがギュっと詰まっています。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                     
13、よもぎ 蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルコールシャンパーニュ

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


温かな雰囲気に包まれて、

セララバアドの旅は終わり、

そして、初夏の宵も暮れていきました。
  
4年目の秋となりました。

落ち葉を踏みしめる秋の森に連れていって

くれるかのような、ロマンティックで、ポエティックな

演出。 この夜も、深まる秋を実感できる

素晴らしいお料理とプレゼンテーションでした。


コースは、10000円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 6000円、 ノンアルコール  5400円。

この日は、アルコールペアリングでいただきました。

それでは、秋の森へ。


テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ

  生け花が登場。
  白く焼き上げた生地で枝を作り、
  そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
  本物の枝には、香川産オリーブが刺さっています。

2、スパークリングマスカット
  
  マスカットとマスカットワインのゼリーを
  エスプーマし、二酸化炭素を加えて、
  シュワシュワに。

3、根セロリ カンナ

  と、メニューに書かれていて、カンナ?と
  花なのかと思いきや、
  登場したのは、鉋屑のカンナ。
  そのカンナのように、根セロリを薄くして
  ロール状にし、サワークリームと生粒胡椒、
  フェンネルを。
  繊細そのもの。

4、森の朝 

  苔と朝霧を演出しています。
  アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
  減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
  テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
  朝霧がふわーっと。

  タイムの泡をのせた、茸の出汁のスープがつきます。

5、落葉の森

  いつものガラス箱の中には、落ち葉が。
  上部には、森が表現されています。
  トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
  トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
  つめた豚ちゃんが。
  アスパラのソテー
  揚げ銀杏
  巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
  ポルト酒。
  赤すぐりをあしらって。

6、烏賊 茸

  白烏賊に茸を詰めて焼き上げています。
  マッシュポテト、甲殻類のソース
  マイクロセルフィーユを添えて

7、マジャク

  有明産 穴シャコを皮ごと揚げたもの。
  地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
  アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
  あり、ちょっと酸味がします。
  シャルドネビネガーの泡
  酸味のあるマンゴー

8、丹波黒鶏 ほおずき 藁

  丹波黒鶏を瞬間燻製したもの。
  藁とスモークをつめたガラスの器の上に
  シートが張られ、鶏を少し動かして、
  シートを叩くとスモークが漏れてくる、
  という凝った演出。
  丹波黒鶏の極上の旨味が楽しめます。
  紅芋とさつま芋を薄くシートにして、
  葉の形に。   
  枝に見立てたシュー生地も。

9、セレ豚

  セレ豚に、ジャガイモのピュレ、マコモ茸、
  ドリイイチジクを。

10、栗 どんぐり カカオ

  栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
  中には、どんぐりリキュールのアイスと
  チョコレートのムース。
  何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

11、松ぼっくり

  アーモンドにチョコレートをコーティングし、
  松ぼっくりの形に。 

12、お菓子の缶 

   いつものエンボスのある楽しい缶には・・
   栗のケーキ
   オリーブオイルゼリー
   あんぽ柿とシナモンのマカロン

** サプライズで、バースデーケーキが登場。
   これは驚きで、本当にうれしかったです。

最後に、ハーブティ(ミント、レモンバウム、レモングラス、生姜)

パンはいつもの焼き立て。

飲み物は、

ペアリング  それぞれ2種からのチョイス
*シャンパーニュ  
 Gran Reserva Jean de Villare
① 星
  岩手くずまきワイン
  凍結果汁仕込み
② ASAHIMACHI WINE
シャルドネ 2017
  1735本限定醸造
③ 山の井
  会津の日本酒。純米造り。
④ 赤ワイン
  Farmer's Merlot
City Farm
農場は大阪ですが、醸造は清澄白河

ペアリングとは別に、

*食後酒
 Kogyoku Dessert 2015
紅玉のアイスワイン
 これが最高に美味でした。
*ガス入りウォーター

橋本シェフのクリエイティビティ、繊細さが

ますます全開で、

毎回、大満足です。

秋の宵、心温まり、静かに更けていきました。
 


4年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔しているので、

通算14回目となりました。

このごろは、「セララバアド」に夏のメニューをいただきにいく、

というより、「セララバアド」の夏メニューをいただくと、

夏が来た、と感じるようになりました。


「エルブジ」「マルティン・ベラサテギ」「ノーマ」での修業を経た

橋本シェフ。 日本でも、素材を追求する旅に頻繁に出かけ、

生産者さんと直接会って交流を深め、

素材に一切の妥協がないです。


いつものように、シェフズシートが用意されていました。

卓上には、「セララバアドの旅」と記された小冊子と、

ラベンダーが一輪。

セララバアドの旅が、コースの内容とシンクロし、

まさに、ストーリーとともに食事を楽しめます。

幼いときの記憶、夏の高原、夏の海、そして、夏の夕暮れ。

日本の夏をいながらにして詩情豊かに体験させてくれます。

料理に合わせて音楽も変わります。

風の音、さざ波・・・。


では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

  ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
  別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、
  オレンジの花弁をちぎって
  浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、はも 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、はものフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            
                      
  いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
  木の蓋つき容器。
  中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
  ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
  鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
  炒り番茶の風味を鮎に移しています。
  蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛        

   栃木牛のランプとイチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ものすごく上質で、柔らか。
   ごぼうとまこも茸のフリット、ポテトのピュレ。

11、ピニャコラーダ 

   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   メニュー名はこれで、私が最も気に入っているデセールですが、
   今回、リピーターには、新作を用意してくれていました。
   チョイスできましたが、新作にトライ。

   きれいに細工した半球のメレンゲで覆われた
   レモンムースと、国産ジン「季の美」のジュレ、
   抹茶パウダーと、金箔を散らして。
  
   オトナのデセールです。ジンのほろ苦さが素敵。
                     

13、よもぎ、木漏れ日、蛍 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、デコポン、胡瓜、ういきょう 
   刻んだ果肉がざくざく入っています。       

3、黄パプリカとしょうが 
  低温でローストしたパプリカにしょうがのスパイスです。           

4、スイカジュースに和薄荷の氷 
  鮎には、これ。         

5、凍頂烏龍茶にグレープフルーツの香り


最後は、ハーブティで。
スペアミント、ペパーミント、レモンバーベナ、レモングラス。

シェフズシートだと、キッチンの動き、連携などが

真近で見られます。

メインのお肉を出し終わると、デセールに入る前に、

シェフは、キッチンの焼物をするパートを、きれいに

片づけ、磨きあげます。 毎回のルーティンですが、

いつも、感心します。

今回も、新たなスタッフさんが入りました。

相変わらずの居心地の良さ、

シェフの優しいお人柄、

見事な夏の宵への誘い。


大満足でした。


4回目の「セララバアド」の春が巡ってきました。

毎回、橋本シェフのクリエイティビティの高さには驚きますが、

今回は、心底驚きました。

なんと、すべての料理に、和歌をペアリングさせました。

より、料理の感性を深く味わうためです。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。

作者名だけ書くので、どの作品か想像してみてください。


メニュー構成は昨年とほぼ同じなのですが、

何度いただいても新鮮な感動があります。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

2、蛍烏賊 タピオカ

  揚げたタピオカの器の上に
  グリーンピース、いくら、蛍烏賊。

3、ここでサプライズサービス

  シェフから特別に一皿のサービスが。
  カダイフで作った鳥の巣の上に、
  アーティチョーク、チョリソーソース、
  ウズラ卵が。

4、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

5、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダ
   

  <和歌>
   紀貫之 古今和歌集

6、枯山水

  四角のガラス箱の中が枯山水に。
  本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
  苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
  ふわふわに仕上げたもの。

  <和歌>
   作者不明 古今和歌集  

7、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、青い苺のピクルス、と
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

  <和歌>
   春の野に
   霞たなびき咲花の
   かくなるまでに逢はぬ君から

8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

  <和歌>
   光孝天皇  古今集

9、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

  <和歌>
   柿本人麻呂 万葉集

10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

   <和歌>
    与謝野蕪村

11、春霞 美雪鱒    
        
   新潟産の美雪鱒を低温調理し、
   鱒の骨でとった出汁と、クレソンオイルを。
   そこに、霞をたなびかせます。
   美雪鱒は、ニジマスとイワナの掛け合わせ。
   レアなテクスチュアがすばらしい。
   そして、霞の演出には、息を飲みます。

   <和歌>
    和泉式部  後拾遺集春上

12、ホロホロ鶏 空豆    

   岩手のホロホロ鶏に、
   筍、空豆、アスパラガス
   ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。
   胸肉は低温調理
   腿肉は、フライパンで焼き、天火で。
   砂肝も。

   <和歌>
    行基菩薩 玉葉和歌集

13、芽吹き

   チョコレートと貴醸酒ムース
   バニラで甘く煮た牛蒡
   ココアメレンゲ
   生姜のアイスクリーム
   ミントで芽吹きを

   <和歌>
    藤原家隆  壬二集

14、小菓子 (エンボスの缶の中に)

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
    <和歌> 柿本人麻呂 万葉集

   苺      薄くした苺の飴

    <詩> 宮沢賢治
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   桜      マカロン
    <和歌>  伊勢物語

15、ハーブティー

パンとオリーブオイル

お供は、

最初は、シャンパーニュ
Jean de Villare Grande reserve brut


ソフトドリンクペアリング

1、リンデンと清見オレンジ        

2、八海山甘酒とジンジャーエール
  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース
  抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、ラプサンスーチョンのスモーク
  と、日向夏のパウダー

 今回の満足度は、いつにも増して、素晴らしかったです。

 シェフとマダムのいい笑顔に見送られて、

 帰路につきました。

3年目の冬がまた巡ってきました。

今回も満席。

橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

料理人の一人が交代し、ニューフェイス登場。

コース全体の手順を覚えるのは、なかなか大変かと

思いますが、すっかり慣れた様子。

さて、冬メニューのスタートです。

昨年のものと比べ、半分くらい新メニューになっています。

美味しいものは何度でもいただきたいので、

半分チェンジくらいがいい頃合です。

1、樹氷 コットン

  花瓶に活けられた枝に、コットンがついています。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  もうひとつは、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いてあります。

  出だしから真冬の景色で、幻想的。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。

  美しいだけでなく、本当に美味。そして繊細。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤なリンゴが丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、馬肉 雲丹 黒米

  黒米のチップスの上に、
  馬肉のタルタルと雲丹。
  その上に、シャルドネビネガーの泡

  これは、初でしたが、クリスマスの特別
  メニューに登場したようです。
  ねっとりしたタルタルと雲丹が美味。

5、折り鶴 フォアグラ

  根セロリの折り鶴。
  オープンしたときは、これが話題になりました。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ。
  花梨ジャムが底に。

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。

7、蟹 ホワイトアスパラガス カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。

  蕪蒸し、とは、またまた驚かせてくれます。

8、百合根 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。
  
  シェフズシートは準備の段階をすべて
  目の前で見られるので、臨場感たっぷり。
  視覚だけでなく、鶏スープの芳香は
  作っているときから、立ち上ります。

9、鮟鱇 チョリソ スモーク 

  いつものように、パッキン付きのコンテナーで
  瞬間燻製。
  中身は、ジャガイモを纏わせて焼いた鮟鱇と、
  チョリソ。
  ソースは、玉ねぎ。
  コンテナーの隣りには、金柑のコンポートが。

  とても立派な鮟鱇の切り身で、食べでがあります。
                

10、紀州鴨 黒にんにく 紅玉

   紀州鴨は合鴨なので、ものすごく大きいです。
   橋本シェフが皮目に焼き色をつけるところや、
   焼き上がった肉をきれいに掃除するさまを
   じっくり拝見。
   鴨と下仁田葱がたっぷり盛り付けられます。
   輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
   いれてあります。 
   りんごのピュレも。
   黒にんにくのチップと。

11、白い吐息

   鼻からスモークがでるマカロン
   これも冬メニューの定番で、
   橋本シェフが各テーブルでやって
   みせる度に、爆笑が。

12、モンブラン

   栗のクリームを白いメレンゲの壁で
   囲ってあります。
   いちごの上には、雪の結晶

13、ミニャルディーズ 

   いつも途中に登場するガラスケースが
   今回は、最後に。
   このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
   その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   エルダーフラワーのシロップのスノーボール
   みかんとカモミールのマカロン
   封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   パチパチオランジェット

ハーブティ

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング

1、りんごとセロリ、カルダモン
2、黄ビーツと生姜
3、みかん、ジュニパーベリー、ローズマリー
4、ベリーとローズティー

  ノンアルのラインアップも進化して、ますます
  美味に。

今回は、「蒼」という山ブドウで作ったワインを試飲させて

いただきました。 確かに、山ブドウの味ですが、

そこはワイン。 ベリーのテイストに、奥行きとほのかな苦みを

感じます。 超レアなワインとのこと。


 コースの前半は、かなりイノベイティブな要素が多いですが、

 単に奇を衒った斬新さではなく、すべてに味の組み合わせが

 考えつくされ、本当においしく仕上がっています。

 メインの魚や肉は、ボリューミーで、しかも、肉の仕事は

 3つ星での経験を如実に感じさせる仕上がり。

 今回も、橋本シェフが、日本の真冬を謳い上げてくれました。

 シェフのお人柄を反映してか、いつも、心が温かくなります。

3年目の秋となりました。

1年に4回のメニューチェンジ。 11回目の訪問となります。

新作も次々登場し、橋本シェフのクリエイティビティの引出しの

多さに、いつも感動します。

特に、秋は私が大好きな季節。

詩情豊かな里の秋を彷彿とさせてくれる作品に、心が温まります。

コースは、9800円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 4500円、 ノンアルコール  3800円。


さて、今回も、落ち葉を踏む、サクサクという音が聞こえてきそうな

橋本ワールドの始まりです。

いつものように、シェフズテーブル。

料理人の二人も、かなり動きがよくなっていて、すっかりベテラン。

ニューフェイスも入っていました。

テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ      生け花が登場。
            白く焼き上げた生地で枝を作り、
            そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
            本物の枝には、国産オリーブが刺さっています。

2、オブジェ      米のスナック
            海藻と雲丹風味で、まさに造形が現代アート

3、スパークリングマスカット  マスカットとマスカットのワインゼリーに
                エスプーマで、二酸化炭素を注入。
                つるんとして、喉にすべりこみます。

4、森の朝       苔と朝霧を演出しています。
            アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
            減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
            テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
            朝霧がふわーっと。

5、落葉の森      ガラス箱の中には、落ち葉が。
            上部には、森が表現されています。
            トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
            トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
            つめた豚ちゃんが。
            アスパラのソテー
            揚げ銀杏
            巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
            ポルト酒。
            赤すぐりをあしらって。

6、マジャク      穴シャコを皮ごと揚げたもの。
            地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
            アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
            あり、ちょっと酸味がします。
            シャルドネビネガーの泡
            マンゴー

7、スケット      スペインの魚介の煮込みのことですが、
            これをアレンジし、帆立とジャガイモのピュレ
            海老、蟹、鯛の出汁で。
            アーモンドミルクの泡
            ニンニク、パセリ、アーモンドオイルのソース

8、茸 ハツ      きのこと大麦を炊いたもの
            牛ハツのカツレツ
            生姜のソース

9、丹波黒鶏      黒鶏を瞬間燻製に。
            ローストしたほおずきをずらすと、
            下の穴から燻製の香りが・・・。
            紅芋とさつま芋のチップス
            枝に見立てた、カレー風味のシュー生地

10、セレ豚 紅玉   セレ豚に、りんごのピュレ、マコモ茸、フェンネル

11、サルベージされた月  ラム酒につけた柿のジュースの球体
              カカオニブとミント
              液体からすくい上げるので、サルベージ
              秋の月です。

12、どんぐり カカオ   これが大変。
              前回は、慣れていなくて、初日はかなり焦がした、と
              シェフ。
              今回は、かなり慣れた手つきに。
              栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
              中には、どんぐりリキュールのアイスと
              チョコレートのムース。
              何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

13、松ぼっくり      新作のデザート
              アーモンドにチョコレートをコーティングし、
              松ぼっくりの形に。 美しい・・・。

14、お菓子の缶      いつものエンボスのある楽しい缶には・・
               栗のケーキ
               オリーブオイルムース
               ジャスミンティーとライチのマカロン

最後に、ハーブティ(フレッシュレモングラス、ローズマリー、しょうが)

パンはいつもの焼き立て。


ペアリングノンアルコール

1、松の葉のシロップとジュニパーのソーダ割り

         森の朝と最高にマッチング

2、オレンジ、人参、パッションフルーツ、しょうが

         オレンジの味が勝っています。

3、梨、ベルベーヌ、塩

         ジューサーで搾りたての梨が美味

4、ざくろジュース、緑茶のタンニン、クローブ
      
         ほろ苦さが効いています。

 ノンアルコールもかなり充実し、一段と美味になってきました。

 シェフは忙しく動きながらも、いろいろ話もしてくださり、

 楽しい限り。

 中学生のきのこ博士から預かっている国産トリュフ、なるものを

 見せてくれました。米漬けにしてあります。 ものすごくいい香り。

 うーむ、これが登場する日も近いか・・・。


                    
3年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔し、橋本シェフの詩情豊かな世界と

その進化を楽しませていただいています。

今回も、新作がいろいろ登場。

そして、料理に合わせて音楽が変わりました。

何度いただいても感心するのは、「夏の夕暮れ」。

青紫の夕空にぽっと浮かんだ満月。 そして、刻々と暮れゆく夏の空。

ノスタルジックな気分に浸らせていただきました。

今回も、シェフズシートで、臨場感も満載。

さて、では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン            ピザ生地にジュニパーベリーや松の葉の粉末を練りこんで
                       枝を。
                       その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

                       ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン          キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露                   大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜                   小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
                       レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
                       ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
                       そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
                       まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
                       別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、花弁をちぎって
                       浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原                 ハーブを内部に入れた透明な皿に、
                       沖縄から取り寄せた山羊乳で作った自家製チーズと、
                       レモングラス風味のミルク、青草の香りのするオリーブオイル、
                       りんごを薄くしたシートを。
                       クセのないクリーミーな山羊チーズです。

6、渚                    いつものガラスボックス。
                       ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
                       カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
                       砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
                       波は、蛤のジュで。
                       蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

                       ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海                   新作です。
                       炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
                       器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン           雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
                       クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            新作です。
                       いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
                       木の蓋つき容器。
                       中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
                       ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
                       鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
                       炒り番茶の風味を鮎に移しています。
                       蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛  マコモ茸         ランプを低温調理
                       ものすごく上質で、柔らか。
                       ごぼうのフリット、ポテトのピュレ、マコモ茸

11、ピニャコラーダ             少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
                       スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
                       ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ               これは昨年初めていただいて感心しましたが、
                       やはり、何度いただいても秀逸。
                       青紫蘇のシロップに、琵琶のコンポート。  
                       夏の夜空に浮かぶ満月を表現。
                       添えられたトンカ豆の香りのレモンシュガーを落とすと、
                       空が紫から群青へ。 暮れゆく夏の夜空です。

13、よもぎ、コーン、蛍           いつものエンボスのお菓子の缶に。
                       よもぎのマカロン
                       ホワイトチョコとコーンのエアチョコ
                       
                       透明なレンゲに、
                       エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
                       中に、黄色の粒をいれてあり、
                       レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火                福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
                       作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。


ドリンクペアリング

1、シャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、トマトのエキスとオリーブオイル        4に合わせて

3、パプリカとしょうが              6に合わせて

4、スイカジュースに和薄荷の氷          9に合わせて

5、烏龍茶にグレープフルーツの苦みと香りを    10に合わせて

6、桃酒                     これは、追加で。
                         大きな一升瓶に「桃酒」と書かれていておいしそうなので
                         注文してみました。 オトナのネクター。

最後は、ハーブティで。

パンとオリーブ


若手料理人さんたちも、成長著しく、連携がよくなっています。

橋本シェフの奥様も、とてもよく気が付く方で、仲睦まじくて微笑ましい限り。

ノンアルコールペアリングが、かなり進化してきました。

大満足な夏の宵でした。


「セララバアド」にも春がめぐってきました。

3回目の春メニューには、また新たな要素が加わり、ワクワクします。

1、桜          桜の枝に見立てたグリッシーニに、
             馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたもの、と
             どろぶたの生ハムを巻きつけて。
             他の枝には、香川のオリーブの生姜風味が。

2、フィトンチッド    新作です。
             ドーム型のガラスケースが登場。
             上部に渡された枝には、松が。
             ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
             下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
             サブレに、柚子の花のピクルス。

3、トペニ ワッカ    アイヌ語で、楓の樹液という意味。
             ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
             ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
               それで炊いたりんご、と
               揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
               野草のサラダ

4、枯山水        四角のガラス箱の中が枯山水に。
             本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
             苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
             ふわふわに仕上げたもの。

5、春の高原       清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
             ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
             美しいピンクの泡。
             皿の縁には、青い苺のピクルス、と
             リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

             カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、春の大地       アボガドと蕗味噌で作った大地に、
             ブラックオリーブを。
             そこに、山菜のフリット。

7、雨紋         春って、そういえば、なにげに雨が多いですよね。

             水面に打つ雨をイメージ。
             しじみの出汁ジュレに、甘エビと豆。
             ジュレの表面に雨紋を作っています。

8、桜海老、海藻、うど  あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
             揚げた桜海老をたっぷりかけて。

9、山女魚 野芹     瞬間燻製で。
             奥多摩の山女魚
             うずらの温泉卵
             ホワイトアスパラガス、野芹 
             チョリソのパン粉
             焼きみかんのピュレ

             蓋をあけると、ふわりと煙があがり、鼻をくすぐる燻製香が。

10、ホロホロ鶏     岩手のホロホロ鶏に、
             アスパラガス、小蕪、マッシュルーム
             ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。

11、芽吹き       チョコレートと貴醸酒ムース
             バニラをココアで甘く煮た牛蒡
             いちご
             生姜のアイスクリーム

12、小菓子       ヤラズノ雨     エルダーフラワーゼリーに雨を
                          *最後の一品なので、この名前
             苺ミルク      薄くした苺の飴に、ミルクボトル形状の小さな紙。
                       その紙に、ミルクの香りが。
             和紙        綿あめを平らにして、和紙のように。
             桜         マカロン

13、ハンドドリップ煎茶      今回から初登場。
                  鹿児島産の煎茶。
                  2椀でて、右が一煎目、左が二煎目。

ソフトドリンクペアリング

1、ぶどうのビネガー        たっぷりのハーブをいれ、周囲にもあしらって。

2、八海山甘酒とジンジャーエール  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース         抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、緑茶              グレープフルーツ果肉を液体窒素で凍らせたものを浮かべて。

  ソフトドリンクも精度がアップしてきました。 凝ってます。


いつもながら、本当によく考え抜かれています。

「神は細部に宿る」そのものです。

最後まで、深く頷かされました。    
             
3周年目を迎えられました。

相変わらずの人気です。

1年に季節ごと4回のメニューチェンジがあり、

開店以来お邪魔しているので、今回で9回目となりました。

橋本シェフが、シェフズシートに案内してくれます。

この席、目の前で、調理と盛り付けが展開するので、臨場感抜群。

橋本シェフと二人の料理人による、連携プレイが見事。

昨年と重なるメニューもあるのですが、今回は、

「冬」をモチーフに、なんだか心がほっこりするストーリー性のある

構成で、またまた橋本シェフのクリエイティビティに脱帽でした。

特に、最後に登場したミニャルディーズの演出には、心底感動。

さて、いつものように、

シャンーパーニュと、生ハムで。

シャンパーニュは、CHEURLIN.

生ハムは、久々に入ったという、どろ豚の腿とロース。

それに、香川のオリーブと、オリーブオイルが注入されたパフが。

さて、コースの開始です。

1、柚子 日本酒 H&C     グラスの中に、ホットとクールの日本酒が、 
                 濃度のせいで、交じりあわずに。
                 柚子の風味がきいていて、アペリティフがわり。

2、毛玉 ビーツ         毛玉をイメージした、という作品。
                 レフォールで香りをつけたサワークリームを
                 繊細にカットしたビーツで包んであり、
                 本当に毛玉のようで、口にいれると溶けました。

3、林檎 チーズ         真っ赤なリンゴが登場。
                 その中央が垂直にくりぬいてあり、
                 りんごで巻いたマンチェボチーズが。

4、折り鶴 フォアグラ      根セロリの折り鶴。
                 これが美しいだけでなく、美味。
                 フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
                 上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ

5、冬の大地           パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
                 大地を表現。
                 その上に、ミニ冬野菜が並びます。
                 テーブルに供されてから、シェフが、
                 雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

6、豚 栗 カルドッソ      スペインの煮込んだスープの米料理。
                 豚ほほ肉と栗が入っています。
                 清水牧場のバッカスというチーズをかけて。

7、百合根 トリュフ       百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
                 つけたミルクの泡。
                 鶏の出汁のソース。
                 そして、黒トリュフをたっぷり散らして。
                 準備しているときから、トリュフの芳香が。

8、帆立貝 洋梨 スモーク    いつものように、パッキン付きのコンテナーで
                 瞬間燻製。
                 中身は、立派な帆立貝と洋梨。
                 ソースは、トマト、ピーマン、アーモンドに、
                 新潟のかんずり。
                 ものすごく熱くした石に海藻をのせ、
                 磯の香りを漂わせながら、登場。

9、紀州鴨 黒にんにく 紅玉   鴨と下仁田葱。
                 輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
                 いれてあります。
                 葱を真っ黒に焼いたパウダー
                 りんごのピュレ
                 黒にんにくのチップと。

10、白い吐息          鼻からスモークがでるマカロン
                 これは昨年も登場し、橋本シェフが
                 各テーブルでやってみせる度に、爆笑が。

11、モンブラン         栗のクリームを白いメレンゲの壁で
                 囲ってあります。
                 いちごの上には、雪の結晶

12、ミニャルディーズ      いつも途中に登場するガラスケースが
                 今回は、最後に。
                 このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
                 その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
                 「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
                 これは、もうやられました。 なんて、ポエムなのか・・・。
                 しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
                 中身は、
                 スノーボール、京人参といよかんのマカロン、
                 ラズベリーソーダとホワイトチョコ、
                 パチパチオランジェット

13、レオンマートルティー

パンとオリーブオイル


飲み物は、ノンアルコールペアリングで、

1、りんご、セロリ、カルダモン

2、みかん、ローズマリー、ジュニパーベリーの実をこしたもの

3、レモンマートルとエルダーフラワーのシロップに、生姜を漬け込み

4、ミックスベリー、ざくろ、クランベリー、ピンクペッパー、クローブ

初期よりも、ノンアルコールのクオリティがかなりよくなりました。


相変わらず、手間暇をおしまない、繊細な仕事とオリジナリティ。

これだけの多忙な日々のいつ、考えているんだろう・・・・、と

作業を見ながら、思いました。

次回、どんなに驚かせてくれるのか、楽しみです。
<2016年11月>

 早いもので、もうすぐ開店2年です。 そして、私は季節ごとに伺い、8回目の訪問となりました。

 毎回、橋本シェフの技とクリエイティビティが楽しみです。

 そして、今回もシェフズシート。 料理を作る過程をつぶさに見られてワクワクします。

 秋メニューは、昨年と半分ほどかぶっていましたが、今回の圧巻は、デセール。

 ま、なんと、手の込んだデセール。 これ、フツーやらないでしょ!! と思える技です。

 では、今回のコース「秋の森」です。

 毎回、メニューの出し方も凝りまくっていますが、今回は、白い葉がたくさん盛り付けられていて、

 それを一枚一枚ひっくり返すと、メニューになっていて、なおかつ、糸でつながっています。 おしゃれです。

 まずは、シャンパーニュ「エドモンド シュルラン」を。

 料理の間は、ノンアルコールドリンクペアリングで。  これがまたかなり進化していました。

1.アミューズは、 ① 海藻風味の米菓子
          ② 和歌山産鴨の味噌漬けを昆布のタルトにのせて
            糸瓜のピクルス、 いちじく


2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

*ドリンク1   ジュニパーベリーと松の葉   ちょっと甘めです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。 豚の中には、ハーブオイルが。

         豚足、豚の耳、しっぽのトリュフコロッケ。

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースにポルト酒をいれて。

         土に見立てたのは、オリーブ、パン粉、玉葱で、これも美味。

*ドリンク2   梨とバジルを塩で仕上げたもの   ちょっと塩味。

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで。 8種類の茸を使っています。

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、リゾット   にんにく、パセリ、アーモンドオイル、海老の出汁で炊いた大麦と米のリゾットの上に、

         才巻海老を。

*ドリンク3   人参とパッションフルーツ  甘味と酸味

7、丹波黒鶏   焼いて燻製に。 

         ガラスの深皿のくぼみにラップを貼り、その上に料理が。

         ラップの穴から燻製の煙を注入してあり、穴にはほうずきが。

         ほうずきをどけると、燻製の煙がもくもく出てくる仕掛け。 本当によく考えられています。

         添えられた枝は、シュー生地で作られていて、食べられます。

*ドリンク4   柿のミントティー

8、セレ豚    「セレブー」というらしいですが・・・・。

         全国の種豚を作っている人が手掛けている豚で、最高の肉質です。 かなり希少とのこと。

         玉ねぎ、まこも茸、ジャガイモのピュレ。

9、デセール   なにやら、キッチンが慌ただしくなりました。

         パイ生地を伸ばすようなゴム製のシートに、薄い膜状のものが挟まっています。

         器にその膜状のものを蓋のようにかぶせ、上部をバーナーで炙ります。

         中身にアイスクリームがはいっているので、溶けないように、なんども冷蔵庫に出し入れを繰り返し、

         蓋の端をきれいにカット。 それをまた冷やして、供します。

         その膜はなにか、橋本シェフに聞いたところ、

         「北欧で海老芋を素材に作られているものを、栗でアレンジしました。 寒天などで作り、一度、

          乾かしています」 とのことでしたが、気の遠くなるような手間です。

          しかも、初日には、蓋をするとき全部落ちて、失敗したとのこと。 

          しかし、この果敢なチャレンジに脱帽です。

          中には、どんぐりのアイスクリーム、チョコレートムース。

10、ミニャルディーズ   ジャスミンとライチのマカロン
              オリーブオイルのグミ
              栗のチーズ
              トリュフ風味のチョコ

              いつものお菓子箱で。

ますます、予約至難ですが、次回が楽しみです。


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<2016年7月>

 7回目の訪問となりました。

 またもや、驚かされました。

 橋本シェフのとどまるところを知らないクリエイティビティ。

 進化を続けています。

 今回は、夏の高原、山羊、そして夏の夕暮れのお話しです。

 一番乗りで到着しました。 今回もシェフズシート。 うれしい限り。

 時間があったので、橋本シェフともいろいろお話しできました。

 シャンパーニュをいただきながら、鴨の味噌漬けを。

 さて、いよいよスタートです。

1、キャラメルポップコーン

2、朝露          大きな蓮の葉の上に、じゅんさいを閉じ込めた梅こぶ茶のジェル

3、花蜜 トマト      昔、つつじの花の根本をチューチュー吸った思い出。
              ナスタチュームの花の根本をチューチューし、
              その後、花弁を、水信玄餅に見立てた
              トマトの透明な液体のジュレ に散らして
              いただきます。 ちょっとビターな花弁の味がアクセントに。 

4、夏の高原        自家製山羊のチーズ 、レモングラス風味のミルク
              香川産オリーブオイル
              ラベンダーの香り

5、渚           いつものガラス箱
              夏の海岸になっています。
              ムール貝のクリーム煮
              しらす、アンチョビ、藻塩でできた砂
              蛤のエスプーマで波を
              シェフが先週石垣島でとってきた貝が中にたくさん。
              ちなみに、ムール貝の上半分の貝殻は、砂糖で作られていて食べられます。
              ディテールまで本当に驚きます。
              そして、ボトルの中にはメニューが。

6、深海          イカ墨のカプセル
              白いかのソテー
              イカのスープ、イカ墨のパエリアのチップ
              枝豆、フェンネル
              イカ墨のカプセルを割ると、スープが真っ黒に。

7、穴子 雑穀 クレソン  雑穀のリゾットの上に、穴子のフリット
              黒酢をつめたソースと、クレソンのソースで

8、鮎の燻製        木製の長方形ボードの上に、唐揚げにした鮎の頭。
              その口に、唐揚げの背骨とみょうがのピクルスが立てかけてあります。

              ガラスボトルに、鮎の身と、鮎の魚醤であえた茄子のピュレ
              これを燻製に。

9、短角牛         55度で2時間半低温調理したもの
              もも肉ですが、ちょっと脂感もある部位
              ポテトのピュレ、牛蒡のフライ、 静岡のマッシュルーム屋さんの巨大マッシュルーム

10、ピニャコラーダ    フレッシュなパイナップルをミキサーでジュースに。
              液体窒素でその場で固めた究極にフレッシュなパイナップルのソルベに、
              ココナッツとラム酒

11、夏の夕暮れ      赤紫蘇のシロップに、桃のコンポート
              夏の夜空に浮かぶ三日月です。
              トンカ豆のスティックにのったレモンシュガーをいれると、
              夏の夜空は、赤から紫に。
              昨年も感動した作品。

12、お菓子箱       エンボスのお菓子箱に、ミニャルディーズ
              よもぎのマカロン
              コーンとホワイトチョコを軽く仕上げたもの
              梅のケーキ

13、線香花火       福岡の花火屋さんとのコラボ
              本物の線香花火の脇に、先っぽに球形のチョコとパチパチキャンディがついた線香花火

ソフトドリンクペアリング

1、トマト、バジル、エキストラバージンオリーブオイル

2、パプリカ、しょうが

3、スイカ、和はっかの氷

4、凍頂ウーロン茶にグレープフルーツの皮

今回も新作が数点登場していて、本当に楽しめました。

シェフが休暇で石垣島に行っていらしたので、そこからインスパイアされたアイテムも。

シェフズシートだと、目の前で繰り広げられる段取りを見るのも、実に楽しいです。

日本の夏を、高原や海、そして、夕暮れと多彩に表現。

詩的情緒あふれる構成でした。
                 
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<2016年3月>

 先月に引き続き、またまたお邪魔しました。

 今回は、メニューも春バージョンに。

 昨年とかぶっているものもありますが、ディテールがちょっとづつ進化しています。
 
 それにしても、橋本シェフは、本当に、勉強熱心。

 先月、私が教えたレストランにもう行っていて、話が弾みました。

 さて、春全開の料理です。

 この日は、赤ワインをグラスで。 大阪の合名山という銘柄で、メルローです。

1、鯛茶漬け         これは意表をつかれる出だしです。

               梅こぶ茶の玉に、昆布〆した鯛。 スプーンの上にのっているので、一口で。

               かなり、梅こぶが効いています。

2、枯山水          いつものガラスケースが、今回は、枯山水に。

               インカのめざめを石に見立て、

               アンチョビバターソースを軽く仕上げたものを苔に見立てて。

3、春の高原         清水牧場のチーズムース

               ローズウォーター、クランベリー、はちみつでできた薄いピンクの泡。

               リンゴでできた蝶々が飛んでいます。

4、春の大地         アボガドと蕗味噌の大地に、ライ麦パンとブラックオリーブで土を。

               その上には、山菜のフリット

5、ホタルイカ、小玉葱    これに、グリーンピースを加えて、ミントのオイルで

6、マテ貝、ウド、海藻    大麦を、マテ貝の肝ソース、海藻と昆布のオイルで。

               海藻の香りが口いっぱいに広がります。

7、ヤマメ、芹、ホワイトアスパラガス    いつもの、瞬間燻製です。ウズラ卵の温泉卵で。

                      ヤマメがあまりに大きいので、あとでシェフに聞いたところ、

                      奥多摩で養殖されているもので、産卵などをしないよう、かなり成長させるそうです。

8、ホロホロ鶏、クレソン、筍        和歌山のホロホロ鶏です。 素晴らしい火入れ。ジューシーです。

                      パースニップのピュレ、プティベールと。

9、春の大地 Ⅱ        デセールです。

                バニラで甘く煮た牛蒡、ガトーショコラとナッツで、大地を。

                日本酒とチョコのムース、 竹炭とココアのメレンゲ

                生姜のアイス

10、ミニャルディーズ     いつもの缶で。

                オリーブオイルグミ、桜のマカロン、パチパチチョコ、

                和紙 (綿あめを平たくし、エディブルフラワーをはさんで、押し花に)

ハーブティ

満足度の高い構成と内容でした。


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<2016年2月>
 
 5回目の訪問です。

 2016 Winter Menu。 またまた、期待を軽く上回ってくれました。

 サプライズの連続なので、それを期待される方は、これを読まずにお出かけください。

 今回は、シェフズテーブルでした。 作っているところの写真も満載です。

 この席だと、橋本シェフともかなりおしゃべりができるし、キッチンの臨場感たっぷりで、楽しめます。

 今年から、ソフトドリンクペアリングも登場。 仏やスペインのレストランでは、かなり見受けましたが、日本では、

 まだまだ珍しく、早速注文。 

 それでは、お料理から。

1、生ハム、オリーブ、オリーブオイルボール        コースとは別に

2、柚子 日本酒 H&C                 なにかと思ったら、グラスに液体が登場。

                             柚子の風味の日本酒が、グラスの中で、Hot & Cool に分れています。 あら、不思議。

3、薄氷 チーズ                     本当にポエムの世界です。

                             ピューレにして低温で揚げた透明の極薄ポテトチップス。

                             パルメザンチーズの泡をつけていただきます。

4、セロリアック 折り鶴 フォアグラ           この折り鶴は昨年オープン当初も登場したようですが、

                             根セロリで作られた折り鶴は、おいしく、かつ優美。

                             初めて、「なんだか、食べるのがもったいない」と思いました。

                             フォアグラの脂で揚げたインカのめざめの上に、フォアグラがのっています。

5、冬の大地                       大地は、パースニップのピュレと、黒オリーブ。

                             そこに、小さな根菜たちが植わっています。

                             雪に見立てた発酵バターのパウダーをテーブルでかけてくれます。

6、才巻海老  菜の花                  オマールや蟹の出汁で炊いた大麦の上に、才巻海老と菜の花、トリュフ。

                             鮮やかなコントラスの色使いがきれい。

7、百合根 トリュフ                   百合根のエスプーマムースに、トリュフ風味のミルクの泡

8、豚 蕪 金柑                     イベリコ豚の赤身、栗、胡桃 アスパラガス、小玉葱

                              リンゴのピューレ。

                             金柑をソースがわりにいただきます。

9、白い吐息                       ここからデセールですが、これには、お店全員が笑いました。

                             液体窒素で軽く凍らせた円柱状のミント。

                             「食べ方をお見せします」と橋本シェフ。 口にいれたとたんに、鼻から煙が。

                              みんな、マネして食べて、大笑い。

10、モンブラン                     ホワイトチョコとベリーをホワイトチョコの壁で覆って。

                             添えられた苺の上には、雪の結晶が。 細部まで本当に、こだわっています。

11、スノーボール                    中に、真っ白な雪の結晶と雪に見立てたものが入っていて、プルンプルン揺らすと、

                             まさにスノーボール。

12、ラズベリーソーダ                  いつものガラス箱に、上記のスノーボールのほか、
                          
                             ラズベリーソーダ、パチパチチョコ、京人参とオレンジのマカロンが。

ハーブティ

ダッチオーブンのパン

シャンパーニュ

ソフトドリンクペアリングは、
1、ベリー
2、リンゴジュースにセロリの風味をつけたもの
3、ハーブティ、しょうが、かりんシロップ
4、白菜+梅シロップ

橋本シェフは、「ソムリエさんと試行錯誤しながら作りました。白菜のは、ちょっとアヤシイでしょ?」 と。

ハーブティと白菜あたりから、ちょっとアヤシイですが、「noma」のソフトドリンクペアリングは、もっとアヤシイものもかなりあるので、

これは、お遊びとして、おもしろいです。 かなりの試行錯誤の末という様子がわかります。

いやはや、今回も、おいしく、楽しく、感動させていただきました。

次回が楽しみです。

 
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<2015年11月>

 4回目の訪問となりました。

 さらに進化していました。

 いったい、橋本シェフのクリエイティビティの源泉はなんなのか。 唸ります。

 秋は、「森」がテーマ。  夏に使用していたガラス箱がすっかり深い秋となって登場し、そこには・・・・。

 毎回楽しませてくれるうえに、料理としての美味しさをはずしていません。 

 さて、今回は。

まずは、ワイン。 リストを見たら、カーブドッチのモグラがあったので、これにしました。

シャルドネですが、個性のある風味。 好みです。

1、生ハム    コースが始まる前に、オプションで。

         今回は、埼玉の杜仲高麗豚。 

         パドロン   スペインではふつうにある野菜ですが、日本では入手困難。 生ハムの生産者が作っているとのこと。

         オリーブ

         オリーブオイルのキューブ

2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 中央の牧の中にメニューが入っています。

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。  もう脱帽のクリエイティビティ。

         豚足、豚の耳、ハーブオイルのトリュフコロッケ

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムース

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、どろ豚 栗   どろ豚のほほ肉と葉にんにくを米と雑穀で炊いたもの

7、スモーク 野菜の涙   毎回登場する密閉容器。 今回は、帆立と焼いた茄子、揚げたズッキーニの瞬間スモーク。

              赤ピーマンと玉ねぎのジュで。

8、紀州鴨 リンゴ 山ぶどう   リンゴピュレ、さるなし、九条ネギ、山ぶどうソースで。

9、柿 マスカルポーネ どんぐり  柿とマスカルポーネのエスプーマ

                  ドングリのリキュールのアイス
            
                  柿リキュールのキャビア

10、お菓子の缶の中に       トリュフチョコ、 バラとライチのマカロン、栗のケーキ、オリーブオイルのゼリー

ハーブティ   べにふうき&レモンマープル

 満足でした。 まさに魅了されます。

 食後、橋本シェフと、9月に訪れたバスクの「マルティン・ベラサテギ」の話で盛り上がりました。 

 スタッフの一人、ホセが橋本シェフのことを覚えていたのですが、とんだ爆笑話があったのです。 

 
今後がますます楽しみになりました。


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<2015年7月>

 3度目の訪問です。 夏メニューになりました。

 まず、お断り。 こちらに予約ができていて、当日のサプライズを期待する方は、番号がついている行からは、読まないほうがよりワクワクすると思いますので、老婆心ながら。

 天才には、自らそのオーラを放っているタイプの人と、フツーに見えて実は天才というタイプがいます。 橋本シェフは間違いなく、後者のタイプ。

 3度目にして、改めて、橋本シェフの天才ぶりを確信しました。

 私の専門分野は、マーケティングおよびブランディングです。 ブランディングには、背景に流れるストーリーというものが目下大変要になってきており、
 
 大企業もそれには大きな労力を費やしています。  橋本シェフは、そんなことは知らずに(?)、たぶん天性の感性でやってしまっている、のでしょうね。

 ただただ驚くばかり。

 さて、新たなメニュー。  春に続き、2番目というのは、最も難しいです。 なぜなら、1回目でぐんと上がった期待値を凌駕しなければならないから。

 結論からいいますと、橋本シェフ、あっさりクリアしてくれました。

さて、いつものように、まずは、赤ワインをグラスで。  新しいソムリエくんが入っていて、フランス コレス島のサンジョベーゼ(仏語もあります)を勧めてくれました。

お料理です。

1、キャラメルポップコーン          7時までに到着した人のみ。 

                       液体窒素で凍らせたポップコーンのムースの中に、ポップコーンのパウダー。 一口で。

2、朝露                   鮮やかなハスの葉に、朝露が一粒。  美しいです。

                       「傳」でも似たようなものをいただきました。

                       露の中には、じゅんさい。 露は、梅こぶ茶でできています。

3、夏の高原                 ハーブがたくさん詰まったガラス容器に、

                       沖縄から取り寄せた山羊ミルクで作った自家製チーズと香川の青味のあるオリーブオイル

                       山羊独特の臭みはなく、美味。

                       一房のラベンダーの香りを楽しみながら。

4、渚                   実は、前の料理を食べているときに、目の前のキッチンで、次の料理が着々と準備されているのが見えます。

                      前回にはなかったガラスの箱が用意されています。

                      運ばれてくると、ガラスケースの中は、貝殻と、ガラスのボトル。

                      ガラスケースの上には、ムール貝が一つ、とムール貝の殻が数個。 殻のうちのひとつがなんと、食べられます。

                      砂に見立てたジャコ。 渚に見立てた海藻と昆布オイル。 波は、はまぐりのジュースです。

                      ムール貝を食べ終わって、ケースの蓋を開け、ボトルを取り出すと、その中に、メニューが入っています。

                      なんと今回のメニューの裏には、セララバアドとヤギの物語が書かれているのです。 その物語こそ、今回のメニューの

                      構成そのものです。 しかも、途中で終わっているところが、また心憎い。

5、牡丹海老 柚子             日本酒でマリネし、頭だけボイルしています。 なので、頭の味噌も食べられます。

                      柚子の泡の香りがたちます。

6、穴子 雑穀 クレソン          雑穀のリゾットのうえに、フリットした穴子。 クレソンとポルト酒、黒酢のソースで。

                      温かくて、ホッとします。

7、鶏 ほおずき  スモーク        これは前回も登場した密閉容器で。  瞬間スモークした鶏肉が入っていて、柔らかいほおずきをつぶしてソース替わりに。

                      ゴーヤとみょうがのピクルス。

8、ラム スパイス ヨーグルト       骨付きラムの中に、ラムのジュが入っているので、一口で、と言われました。

                      う~~~む、まさに、ラムの小龍包です。 これは格別美味。

9、ピニャコラーダ            キッチンで、パイナップルが次々ジューサーにかけられ、ジュースと実に分けられていきます、

                     それが入ったボールに、液体窒素を何度も投入しながら、目の前で、超フレッシュなソルベができます。

                     ココナッツとラム酒をいれて、ピニャコラーダに。

10、桃 紫蘇 トンカ          これは、「夏の夕暮れ」を表現。

                     鮮やかな紫色の赤紫蘇シロップに、桃のコンポートが浮かびます。

                     添えられたクッキーの上の、レモンシュガーをとかすと、なんと、紫から紅色へ変化。 夏の夕景が目の前に。

                     もう、ブラボーです。

11、夏野菜  オリーブオイル      エンボスのクッキー缶に入ったミニャルディーズ。

                     赤ピーマンのマカロン、 オリーブオイルのグミ、トマトのマドレーヌ、コーンとホワイトチョコ

ヴェルヴェーヌで〆。

手の空いた橋本シェフと、今度行くバスクの話で、かなり盛り上がり。 橋本シェフが修行した「マルティン・ベラサテギ」のベラサテギシェフによろしく伝えてください、

と、いろいろ伝言もお預かり。

さて、それを聞いていた、新人ソムリエくんが話しかけてきました。 彼は、「ミッシェル・ブラス」で修行後、「TIRPSE」にいたそうで、私のことを覚えていてくれました。

数か月前に、バスクを旅したそうで、またまたその話で盛り上がり。 なんと、「カン・ロカ」にも行ってきたという強者でした。

そして、彼は、来週弾丸で、バルセロナの「エルブジ」再来といわれる「Disfrutar」にも行くそうです。 私も秋にブッキングしているので、楽しみ。

食事中も五感だけでなく、一編の物語で、脳内まで楽しませてくれたうえ、シェフやスタッフとの話でさらに悦楽の宵となりました。

次回は11月に。   どんな秋の宵になるのか、今から楽しみです。


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<2015年6月>  2回目
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<2015年5月>

「エルブジ」「ノーマ」「マルティン ベラサテギ」などで修行をしてきたシェフのお店で、モダーンガストロノミーを楽しめる、ということで、

この1月にオープンして以来、話題沸騰。  すでに、予約もかなり取りにくい状況です。

当然興味津々でしたが、一方で、「なんちゃってノーマ」という酷評もあり、ある人からは、「ノーマに行ったことがあるんだったら、行くことないんじゃない」とまで

言われました。 が、賛否両論なほど、好奇心は掻きたてられるもの。 というわけで、この日、過度な期待はまったくせず、伺いました。

結果、実に楽しく、満足度高く、シェフのフィロソフィーを体感した宵となりました。

世界のトップクラスで修行をした、という勲章が、時には重荷になるのだと、同情します。

橋本シェフは、けしてマネをしているのではなく、 きちんとモダンガストロノミーを自分のものにし、なおかつ、日本の身土不二を取り入れ、さらに、細部に至るまで、細やか

な神経を使っているということがよくわかります。

店名「セララバアド」は、シェフが幼いときに読んだ宮沢賢治の「学者アラムハラドの見た着物」に登場する子供の名で、その童話から感じた誠実さを料理でも表現したい、

と語っていました。 そう語るシェフの表情、物腰は、誠実そのもの。  お人柄に惚れました。

さて、店内は、北欧調のシンプルな内装。 キッチンはシェフと男性が一人。 サービスは、ソムリエールと女性が一人。  

2か月ほど前に予約をしたので、前日お店から電話がありました。 「明日、来ていただけますか?  7時から全員ご一緒のスタートになります。 早めに来ていただければ

生ハムなどもご用意してあります」 とのこと。

生ハムにつられて、20分前には到着。 笑

十勝産ドロ豚の生ハムには、球状カプセルに入ったオリーブオイルが。 すでに、モダーンガストロノミーが始まっています。

広島三次のメルローをお供にしました。

さて、この日の全13品がスタートです。 

1年で4回しかメニューが変わらないとのことなので、サプライズがなくなると困りますから、あまり詳細は書きません。 

1、ホタルイカと昆布のタルト        エンボスのクッキーの缶に入れて登場。 これ、「ノーマ」でもデセールでやっていました。

2、ストーンポテト             ホンモノの石の中に、どれかひとつ、食べられる石が・・・。

3、春の高原                フレッシュハーブをたくさん詰めたガラス容器に、フロマージュブランのムースと、ローズウォーターなどの泡

                      お皿の淵には、小さな小さなリンゴの蝶々が止まっています。 芸コマ。

4、春の大地 ①              ライ麦パンとブラックオリーブを大地に見立て、中には、アボガドとふき味噌。

                      そのうえに、山菜などのフリット で、芽吹きを表現。

5、スモークエッグ             モダーンガストロノミーの真骨頂。 燻製の煙を温泉卵と一緒に閉じ込めて登場。

6、北寄貝 ウド 海藻           岩のりとうどのリゾットに、北寄貝

7、才巻海老 葉の花            ビスクを焼いています。 70度のくらいのエスプーマで仕立ててあります。

                      スプーンに1cm角のゼリーが。  焼酎のはなたれと柚子ジューズだそうです。芸こま。

8、短角牛 蚕豆  筍           真空調理です。

9、春の大地 ②              デセール

                      ゴボウのガトーショコラを大地に見立て、生姜のグラス、苺にリキュールと、苺ミルクをいれたもの

10、ミニャルディーズ 4種        フランボワーズと山椒

                      パチパチオレンジ

                      オリーブオイルグミ

                      よもぎ マカロン

カモミールブレンド

生ハムと最後のお茶は別料金ですが、コースが6800円。 これはもう破格です。 

1か月に1回くらい内容が変われば、毎月行きたいところですが、シェフに尋ねたら、「二人しかいないので、季節ごとの年4回が精いっぱいです」とのこと。

深く納得。  二人で、これを考え、毎日作り上げている、と想像しただけでも気が遠くなります。 「だれか手伝ってあげて~~」と言いたいくらいです。

ヨーロッパにおけるモダーンガストロノミーは、「サプライズ」にかなり走っていて、脳を驚かせることに注力しているため、「ノーマ」でもすべてが美味、というわけ

ではありませんが、 こちらでは、「サプライズ」と「旨さ」のバランスがよく取れています。 

ツッコミどころも多々ありましたが、 それよりも、まだまだこれからがとても楽しみです。 

夏メニューになったころの予約をとって、帰ってきました。

                     

  • 夏の高原
  • 檸檬
  • 和牛 野菜の涙

もっと見る

7位

グルマンディーズ (広尾、六本木、乃木坂 / ビストロ)

18回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2024/02訪問 2024/02/28

グルマンディーズ 賛歌

7年前、初めて訪問したときのことを

今でもよく覚えています。

パリの友人から、凄腕シェフが、帰国してお店を

出した、という話を聞いたのが、きっかけでした。

まだだれも知らないレストランでした。

初めて、海老のパスタや、お肉をいただいたときから

すっかり魅了され、そのころは月1で通っていました。

数年前から、人気が爆発し、今では超予約至難なお店に。

そして、今年は、食べログゴールドアワードも

受賞。

なんだか、我が子の成長を見守っているような

気分になってしまいます。

予約至難店になった途端に、

天狗になってしまうシェフもいらっしゃいますが、

北斗シェフは、7年前となんら変わらず、

真摯に料理と向き合い、ディテールまで配慮し、

腰が低いまま。

できそうで、なかなかできないことです。

「毎回、同じメニューで、飽きませんか?」

と冗談まじりに質問されます。

飽きるどころか、毎日でもいただきたいです。

世界のどこにもない、北斗料理。

さらりと、出してきますが、実は、どれだけ

手がかかって、考えつくされているか、

あまり多くは語られません。

もう20回以上通っているとは思いますが、

この日、初めて聞く話も多々登場。

食後も、ソーテルヌをサービスして

いただきながら、この日のフーディーメンバーと

楽しい会話は尽きることなく、いい宵でした。


いただいたもの。

1,キャビア
  ブリニに、ハーブをいれたクリームチーズ。

2,メカジキのベニエ
  リンゴや多種類の野菜を使った
  サラダと。
  この日のベニエには、クミンを忍ばせて。
  オリジナルのグリビッシュソースも相変わらず、
  素晴らしいです。

3,三田牛のカルパッチョ
  メロンと湯剥きトマト、
  細かくシュレッドしたチーズと。

4,海老のパスタ
  ベニエがスペシャリテ、だと、
  食べログ受賞ムービーで語っていましたが、
  どう見ても、こちらがスペシャリテ
  と思えます。
  パスタを出すなんて、フレンチじゃない、と
  言った人がいるそうですが、
  イタリアンのシェフでは、こういう
  パスタは作りません。

5,三田牛 
  この日は、ラムシンです。
  フライパンだけで焼き上げる、
  至極の技。
  お肉の旨味を閉じ込め、
  口の中で、爆発します。

6,ロールケーキ
  美しい黄色で、しっとりと焼きあがった
  生地に、クリームのテクスチュアが
  合います。

7,ティー

パンが、自家製になっていました。

お供は、
赤ワイン
La Pousse d'Or
Les Caillerets Volnay 1er Cru
2014
とてもエレガントで気品があります。


北斗シェフの話は、この日もまた

結構深く、夜が更けるのも忘れるほど、

楽しい時間でした。



こちらに通って、6年の歳月が流れました。

その間、お邪魔したのは、20回を超えます。

ここ数年、超予約至難なお店になり、

なかなかお席がとりにくくなりました。

それでも、初めと変わらず、いつも謙虚な

姿勢を忘れず、進化を続ける北斗シェフには、

感心させられます。

開店当初から通っていても、予約至難になるにつれ、

当初のことは忘れてしまうシェフたちも多いですし、

それが世の常です。

実るほど頭を垂れる稲穂かな、

は、なかなかできることではないと、

これまであらゆる分野の方と接してきて、

実感しています。

さて、これまでも、いろいろ書いたので、

今回は、少し別の視点から書いてみたいと

思います。

北斗シェフは、男前ですが、気概も男前そのもの。

いつもいただくワインは、私の好みも把握

していただいているので、おまかせしています。

このワインのセレクトが、とにかく素晴らしく、

実は、この価格ではとても合わないのでは、と

心配になるほど。 いや、心配です。

ですが、お料理とのマリアージュを考えると、

妥協をしたくない、と思っていらっしゃる様子。


そんな北斗シェフの思いと技に、

この日も存分に浸ってきました。

コースは、いつも通りですが、

冬は、牡蠣のリゾットを追加で

リクエストしています。

これはもうかなりお勧めです。

では、内容です。

1,キャビアとブリニ

2,メカジキのベニエとサラダ

3,三田牛のカルパッチョ

4,海老のパスタ

5,三田牛ランボソのステーキ

6,牡蠣のリゾット

7,ロールケーキ

8,紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
La Pousse d'Or
Chambolle Musigny 2019

いつもはボルドーですが、
今回は、珍しくブルゴーニュ。
エレガントなワインを選んで
いただいたことに、感謝。


こうして変わらぬ味をキープし続けることも

並大抵のことではないはずですが、

キープどころか、進化させているのに、

涼しい顔です。

そうそう、この日は、帰りがけに、

ちょっとお茶目な表情を見せてくれたので、

ぱちり。

もう次が待ち遠しいです。



初めてこちらを訪れたのは、今を去ること6年前。

ネットにも載っていない、誰も知らないお店でした。

しかし、北斗シェフの実力を知り、衝撃を受けたのを

昨日のことのように覚えています。

当時、北斗シェフは、あまりにもお客さんが来て

くれないので、「もう辞めようかと思っています」と

ポツリと話していました。

今や、1年以上先まで予約が取れない超人気店になりましたが、

計らずも、この日、その当時の思い出話に花が咲きました。

今は、1か月以上休みなく働いています、という北斗シェフに、

同席者の一人が、

「どうして、そんなに働けるんですか?」と質問すると、

北斗シェフが語り始めました。

開店して2年、お客さんがほぼ来ない日が続き、

食材も無駄にし、家賃や人件費などがかさんで、

絶望に苛まれていた日々。

そこから、いろいろなご縁があって、たくさんの応援して

くれる人たちとの出会いがあり、今があるので、

こんなに1年以上予約をいただいて、感謝あるのみ、

なので、頑張れます、と。

北斗シェフの実力なら、当然といえますが、

諦めず、やり続けたシェフの思いと意志の強さに

改めて、感動しました。

という心温まる思い出話を織り交ぜながらも、

いつものように、ワンオペと思えないほど、

魔法のように素晴らしいお料理が登場します。

毎回、ほぼ同じメニューです。

何度でも書きますが、何度でもいただきたくなる

お料理です。

さらりと供していますが、

例えば、人気の海老のパスタは、

一人に2㎏の海老を使用しています。

素材の贅沢さに加え、北斗シェフの技が冴え、無敵。


この日、いただいたもの。

1,ブリニ、クリームチーズ、キャビア

2,鰆のベニエとサラダ
  相変わらず、サラダのきめ細かな作業に
  感嘆し、
  鰆は、ムースのようにふっくらと包まれています。
  ソースは、グリビッシュに似ていますが
  シェフオリジナル。

3,三田牛のカルパッチョ
  なんだか、すごく厚切りになっていました。

4,海老のパスタ
  「悶絶のパスタ」と命名したいです。

5,三田牛
  相変わらず、驚嘆を通り越す、いい焼き加減。
  天才です。

6,牡蠣のリゾット
  1年待ちました。これが食べたかった~~。
  リクエストしておきました。
  北斗シェフ、ほかのことは忘れますが、
  こういうリクエストだけは、けして
  忘れません。笑

7,ロールケーキ
  ものすごく厚切りで出してくださいました。
  スポンジのしっとり感と、クリームのテクスチュアが
  とても合っています。
  「お兄様の作ですか?」とジョークで言ったら、
  怒ってました。笑

8,紅茶

お供は、赤ワインをグラスで。
もう好みを完全に把握してくださっているので、
おまかせです。


だんだん、シェフズサロンのような雰囲気を

帯びてきました。

この日も、北斗シェフのフィロソフィーに

改めて触れ、

ああ、ここが人気店になってくれてよかった、と

思うと同時に、

予約至難になってしまったことを

ちょっとだけ、憂いながら帰途についたのでした。



15回目の投稿になります。

レビューを書いていない回もあるので、

たぶんもっとお邪魔しています。

が、本当に人気爆発で、年々予約至難に。


毎回ほぼ同じメニューですが、

毎日でも食べたい、と思わせるほどの

完璧なクオリティ。

しかも、今回、心底、驚いたのは、

さらに進化を遂げていたのです。

もともと、超ストイックで、妥協をしない

北斗シェフではありますが、

この人気に甘んじないで、自己鍛錬を

続けていることを目の当たりにし、

もう無言になっていましました。

今回は、最後の牡蠣のリゾットが

特に進化著しく、感涙。

では、内容です。

1,キャビア、クリームチーズ、ブリニ

2,鰤のベニエ
  リンゴをアクセントにしたサラダ

3,三田牛のカルパッチョ
  いつもながら、艶々した抜群の仕上がり。

4,海老のパスタ
  これもさらに進化しています。
  次にいただくのが、数か月後になるかと
  思うと、泣けてきます。涙涙

5,三田牛 シンシンのステーキ
  焼きの技は、どこまで進化するのでしょうか。
  抜群です。

6,牡蠣のリゾット
  あまりの旨味に、
  作り方を詳細まで尋ねました。
  挑戦するつもりですが、
  これをいただいたあとでは、
  撃沈が目に見えます。笑

7,焼き菓子
  ・シュトーレン
  ・杏のケーキ
  ・トリュフショコラ

8,紅茶

お供は、
赤ワインをグラスで。
もう好みを完璧に把握していただいています。


数か月ぶりにお邪魔したら、

バゲットがチャバタになっていたり、

お皿の新作が使用されていたり、

ディテールも刷新。


シェフが幸せだと、まわりも幸せオーラに

包まれるのでしょう。

北斗シェフと出会ってから、この日が

最高の満足感でした。
  


こちらに通いだして5年が経ちました。

すっかり、予約至難のお店になり、

嬉し悲しですが、人気になったのはいいことです。


北斗シェフの技もさらに円熟味を増してきました。

毎回、ほぼ同じメニューをいただくわけですが、

何度いただいても、満足度が高く感心します。


北斗シェフのストイックなまでの集中力と、

クラシックの確たる技法のうえに成り立つオリジナリティ。


またいつものように、よもやま話から始まり、

コースが開始。

1、キャビア
  ブリニと、クリームチーズのペーストと。
 
2、鰆のベニエ
  ハーブのサラダと。

  ベニエのアイテムは季節で変わります。
  ケッパーベースのソースで。

3、三田牛 外腿のカルパッチョ
  相変わらず 怪しいまでの美しさ漂う
  一品。

4、海老のパスタ
  お肉もさることながら、このために
  通っていると言っても過言ではありません。
  他では絶対に味わえない秀逸さ。

5、三田牛 内腿とランボソのステーキ
  今回は、部位2種。
  相変わらずの焼きの技。
  外側は、心地よいまでにカリッカリで、香ばしく。

  今回は、自家製マスタードで。
  ピクルスが効いていて、お肉とのマリアージュが
  抜群です。
 
6、カヌレ
  バスクチーズケーキ
  ショコラ
  杏のケーキ

8、紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
北斗シェフは、私の好みを完璧に把握してくれているので、
いつも美味な赤。
Chateau d'Armailhac Pauillac 1996
完璧です。


毎回、思うのですが、

一人で、仕込み、料理をし、サービスをしているのに、

まったく焦ったりすることはなく、

淀みなく、料理が登場し、

しかも、おしゃべりも楽しく、

いい時間を過ごさせていただきます。

さて、次はまた、かなり先になりそうですが、

今から楽しみです。



初めてお邪魔したのは、2017年夏でした。

まだ、だれにも知られていないお店で、

情報もほぼなく、パリ在住の知り合いからちらっと聞いた

北斗シェフの話を頼りに、伺ってみました。

あまりの感動に、その年は、ほぼ1か月に1度のペースで

伺っていました。

以来3年半。

今では、1年後まで予約がいっぱいの人気店になりました。

人気になってくれたのは、うれしいですが、

予約が取れないのは、悲しいです。

北斗シェフのお料理には、彼のストイックさ、真摯さが

そのまま表出されています。

なので、何度でもいただきたいお料理ばかり。


この日は、北斗シェフから幸せオーラがいっぱいに醸され、

こちらまで、うきうきするようなムードです。


いつものコースですが、季節感を反映し、

ちょっと変化球。


1、キャビア
  ブリニと、クリームチーズのペーストと。
 
2、アブラガレイのベニエ
  ハーブのサラダと。

  ベニエのアイテムは季節で変わります。
  ケッパーベースのソース

3、白子のブイヤベース
  お皿に、白子が。
  ブイヤベースのソースをあとから
  注いでくれます。
  蟹、穴子、イカなどが贅沢に使用された
  ブイヤベース。

4、三田牛 外腿のカルパッチョ
  相変わらず 繊細なチーズとの相性抜群

5、牡蠣のクリームリゾット
  今回は、海老のパスタに変わり、
  季節を映し、これです。
  これまた、抜群の旨味。
  牡蠣のエキスがクリームに染み出て、
  幸せそのもの。

6、三田牛 外腿 ステーキ
  相変わらずの焼きの技。
  ルビー色に輝く身質。
  外側は、心地よいまでにカリッカリで、香ばしく。

  なんと、今回は、ベロネーズソースを用意して
  おいてくれました。
  ステーキと、ベロネーズソース。
  まさに、パリのビストロにいざなわれます。

7、カヌレ
  フィナンシェ
  ショコラ
  杏のケーキ

8、紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
北斗シェフは、私の好みを完璧に抑えてくれているので、
いつも美味な赤。
Chateau d'Armailhac Pauillac 1996
完璧です。


なにも言うことなし。

このお店と出会って、本当によかった、と思えます。


自粛中ではありますが、

半年前に入れていた予約なので、ここは万難を排し

お邪魔しました。

もともと、オオバコではないので、いたって安心。

しかも、北斗シェフの細やかな気づかいとストイックなまでの

注意力を存じているので、心配無用でした。


いつものコースに加え、新作も登場し、

相変わらずの向上心に驚きます。

海老のパスタやお肉をいただくと、

フレンチにこだわらないおいしいもの、という印象が

強いですが、

この日登場した料理は、THEクラシック。

やはり、こういうものを作らせると、抜群な実力を

発揮します。

では、この日の内容です。


1、キャビアとブリニ
  いつものスタートです。
  クリームチーズをたっぷり。

2、鯵のベニエ サラダ仕立て
  前回の鯵のベニエとちょっと衣の作り方を
  変えていました。
  ケッパーなどのソースと。

3、三田牛のカルパッチョ
  毎回ですが、繊細なチーズのカッティング。
  三田牛のしっとり感と艶。 文句なしです。

4、ボロボン
  クラシックフレンチのラインアップです。
  本来は、大きな丸いパイ生地にチキンなどの
  クリーム煮を詰める料理ですが、
  シェフは、一人用の小さな円形パイに、
  魚介を詰め、外側にもたっぷりの具材とソース。
  クラシックフレンチ好きにはたまりません。

5、海老のパスタ
  これが食べたくて、通っているようなものです。
  やはり、何度いただいても、他には絶対にない、
  素晴らしさ。

6、三田牛
  この日は、腿とハラミ
  はい、今回も完璧なおいしさ。

7、サーモンとトマトのオイルパスタ
  ここでコースとは別に追加。
  「まかないみたいですが、すみません」なんて
  言いながら、シェフがちゃちゃっと作ってくれました。
  これがまたとんでもなく美味。

8、デセール
  焼き菓子 4種
  いつもより、1種類多いです。
  ・いちごのタルト
  ・フィナンシェ
  ・カヌレ
  ・ショコラ

9、紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Simard
サンテミリオン 2007


シェフは、ルールをきちんと守って営業中。

この日も、スタートを5時半に繰り上げてもらいましたが、

ついついおしゃべりが弾み、長居してしまいました。


北斗シェフの探求心に、毎回感動します。


早くこの事態が収束し、安全な日々が戻りますように。


<自粛前の訪問です>

昨年秋に続き、14回目の訪問です。

初めて訪問したころは、ほぼ毎月伺えていたのですが、

このところ、次の予約が遠い先になってしまったのが

残念です。

しかし、北斗シェフのお料理は、日に日に進化を遂げ、

安定感さえ感じてきました。


この日は、定番のコースに加え、

マンステールチーズのムースが初登場。

もうすっかり私の好みも把握してくださり、

このチーズのムースもしっかりと心に刻み込まれました。

相変わらずの肉の火入れの秀逸さ。

海老のパスタの奥行き感。

あやしく輝く三田牛のカルパッチョの魅惑。


こうして「グルマンディーズ」アディクトとなるのです。


では、この日の内容です。

1、キャビア、ブリニ、クリームチーズ

2、鯵のベニエのサラダ

3、三田牛のカルパッチョ

4、海老のパスタ

5、三田牛腿肉のロースト

6、マンステールチーズのムース
  しっかりとしたテクスチュアに見えますが、
  いただくと、柔らかく、かといって、
  ムースほどふわりとせず、心地よい食感が
  あります。
  マンステールですが、マスカルポーネと合わせ、
  クセを消して、マイルドに。
  技ありの新作。

7、焼き菓子
  ・フィナンシェ
  ・カヌレ
  ・ショコラ

8、紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Calon Segur
ハートが心に残ります。


いつもながら、非の打ち所がない、

真摯、誠実、一点の曇りもないパーフェクトな

料理とホスピタリティ。

ますます磨きがかかっています。



13回目の訪問となりました。

初めてこちらにお邪魔したのは、2年前の夏。

そのころは、ほぼ知られていないレストランでした。

長谷川北斗シェフのことを知ったのは、

3年ほど前のこと。 パリ在住の友人からでした。

詳しい話はなにも聞かされず、ただ天才的なシェフだ、

ということだけ。

パリの「トゥール・ダルジャン」を経て、2つ星レストランの

シェフや、大統領のおかかえシェフを歴任したことを、

あとで知り、その力量に深く納得したのでした。

が、13回を数え、この日というこの日は、

北斗シェフの奥行きの深さ、尋常ならざる探求心、

料理への情熱を、痛いほど実感したのでした。


半年ぶりの訪問。

予め、いつもと同じものが食べたい旨、伝えてありました。

淡々と供される一品一品ですが、

そこには、変化球もあり、

いつもの三田牛の焼きもさらに進化。

細やかな神経が行き届いたディテールの

完璧な仕上がり。

一点の隙もないその技に、頬が緩みます。


では、この日の内容です。

1、ブリニ、キャビア、チーズのペースト
  ここから始める北斗シェフのフィロソフィーを
  やっと理解できたような気がします。

2、鶏レバーのパテとブリオッシュ
  濃厚なパテとふわりと仕上がった
  ブリオッシュのクラシックな
  マリアージュ。 大好物です。

3、鯖のテリーヌ
  身厚な鯖を白ワインビネガーでマリネし、
  マッシュポテトとテリーヌに。
  美しい鯖の色のグラデーション。
  添えられたサラダはナッツがアクセントで
  鯖の味を引き立てます。

4、三田牛のカルパッチョ
  相変わらず、上質な三田牛と
  繊細な美しさのチーズ。

5、海老のリゾット
  パスタがリゾットになっていました。
  パスタもいいですが、リゾットだと
  一層海老の濃厚さが際立ちます。

6、三田牛 内もも
  何度いただいても、感動します。
  フライパンのみで焼いているとは
  思えない、天才的な火入れ。
  微妙な火入れに、ますます技が
  冴えていました。

7、焼き菓子
  ・フィナンシェ
  ・トリュフショコラ
  ・カヌレ

紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Croizet-Bages Pauillac 2003
三田牛との相性は最高です。


ストイックなまでの料理との向きあい。

それでいて、そんなことは全く感じさせない

温かさ。

予約至難になってしまったのも、うれし悲し・・・。



2年前、初めてお邪魔して以来、

もう何度通ったでしょうか。

久々のレビュー更新です。

いつも、ストイックなほど、真面目に料理と向き合う

長谷川北斗シェフ。

お客様への感謝の気持ちをかたときも忘れない、という

姿勢が、ホスピタリティにもにじみ出ています。

昨今、予約至難になってきたのが、悩みですが、

シェフは、活気のあるオーラを放ち、

元気全開の様子。


すっかり、私の好みも覚えてくださり、

ワインも、なにも言わなくても、飲みごたえのある

フルボディを用意してくれます。

いつも通り、6500円のコースに、

デセール、お茶をつけたものを。

この日は、上質なホワイトアスパラガスがあり、

プラス料金でいただきました。

では、内容です。

1、キャビア
  伝統的なブリニと、ハーブ入り
  クリームチーズで。

2、白魚と筍のフライのサラダ
  このフライは、いつも具材が季節に応じて
  変わります。
  それに伴って、下のサラダの具材も変化。
  ディテールがますます充実しています。

3、ホワイトアスパラガスとセップ茸
  ジュドヴィアンドのソースのコクが
  あまりにも素晴らしい。

4、三田牛のカルパッチョ
  繊細にカットしたチーズに包まれて、
  三田牛が艶々に輝いています。

5、海老パスタ
  夢にまで出てくる、この史上空前のおいしさ。
  やはり、おいしい。 その一言です。

6、三田牛ロースト
  いつもより、大きなカットで焼いて
  いただきました。
  相変わらず、天才的な火入れ。
  三田牛の滋味を余すところなく、伝えて
  くれます。

7、焼き菓子3種
  フィナンシェ
  フルーツケーキ
  ガナッシュ

8、紅茶

バゲット


お供は、赤ワイン
Chateau d'Armailhac
Pauillac 2013
凝縮した果実味があり、しっかりしたコク。
好みです。


はい、今回も、文句なしの最高な

出来栄え。

これだけいただいても飽きず、

またすぐいただきたくなる料理は

なかなか少ないです。

日々の精進がどれほど大事か、

シェフのお料理を通じて、学ばせていただきます。



広尾駅から徒歩7分ほど。

初めて訪れたのは、ちょうど1年前。

まだ、まったく知られていないレストランでした。

それから1年。 あれよあれよという間に、TOP500入りし、

超人気店へ。 このところ、予約も取りづらくなり、

嬉しいやら、悲しいやら。

とはいえ、お気に入りのこちら。

月1回ペースでお邪魔しています。

このところ、アップが滞っていたので、たまには

進化の様子をお伝えします。

定番の海老のパスタとお肉は何度食べても

いいですが、シェフが気を使ってくださり、

前回は、そば粉のタリアテッレのジェノベーゼや、

お肉の一部をリゾットと供してくださったり、

鮎のフライのサラダが登場したり、多彩でした。

さて、今回は、また定番に戻しつつ、

実は、シェフが少しづつ、改良を加えていることが

わかります。

今回は、それに加え、スペシャルオーダーで、

大好物のパテ・アンクルートを作っていただきました。

それでは、コースの内容です。

コースは、メインまでが6500円。

デセールとお茶をいれると、8000円。

スペシャルオーダー入りで、10000円でした。


1、キャビア

  丁寧に作られたブリニに、ハーブ入りの
  クリームチーズとキャビア。
  こだわりのアミューズです。

2、パテ・アンクルート

  リドヴォー、鴨肉、フォアグラ、豚肩ロース、
  マッシュルームなどが混然一体と溶け合って、
  パイの中に旨味が閉じこめられ、極上のコクと
  食べごたえ。 
  付け合せのサラダには、セロリやドライのアンズが
  使用され、これまた考え抜かれたガルニ。

3、三田牛のカルパッチョ

  定番です。
  最上の三田牛のねっとりした旨味。
  繊細にカットされたパルミジャーノ。
  何度でもいただきたい美味しさ。

4、海老のパスタ

  これぞまさしく、このために通っている
  といっても、過言ではないのですが、
  今回、さらに進化していました。
  シェフに聞くと、
  「わかりました?
   ちょっと作り方を変えてみました」と
  言って、どこが変わったか説明もしてくれました。
  くっきりとしたコクと、香味が高くなっています。
  日々、進化し、料理と向き合うシェフの真摯な姿勢を
  目の当たりに。

5、三田牛ロースト

  外腿肉とリブロース。
  三つ星シェフたちが焼き方を習いにくる、
  という、もはや伝説の三田牛の焼きです。

6、焼き菓子

  フルーツケーキ
  フィナンシェ
  ショコラのガナッシュ

7、紅茶

お供は、赤ワインを。
Saint-Julien 2012
カシスのような果実味があり、
フルボディの上質なコク。好みでした。

 フランスでは、2つ星のシェフや要人のおかかえシェフも

 経験し、惜しまれつつ帰国。

 料理へのひたむきな姿勢、

 真面目な性格、

 細部へのこだわり。

 まだまだ進化するシェフから目が離せません。


  
昨年より、私の最も愛するレストランのひとつで、

ヘビーリピートしています。

そして、今年も足しげく通っています。

コースとアラカルトがありますが、

ほぼ毎回、海老パスタと牛肉のカルパッチョと

シェフ特製ステーキが食べたくて、コースに。

何度いただいても、いつも、深く感動。

そして、毎回、初めての友人を連れていくと、

皆、感動してくれるので、 

シェフを差し置いて、私がドヤ顔になってしまいます。笑

この日も、とても長時間かけて作るという海老のソースのパスタも、

お肉の天才的焼き加減も、いつにも増して進化がありました。

さらに、変化球として、いちじくのベニエを作ってくださいました。

つい最近、房総半島で、たまたま入ったカフェが、いちじく農園の

経営するもので、いちじくについて、いろいろ勉強したあとだったので、

シンクロニシティを感じます。

この日の内容です。

1、キャビア

  自家製ブリニに、クリームチーズとキャビア

2、いちじくのベニエと生ハム

  下には、ナッツ類のたっぷり入ったサラダ
  とりわけ時に、ゴルゴンゾーラのクリームをトッピング

3、三田牛のカルパッチョ

  上質な三田牛で、とろけるテクスチュア。
  繊細なパルミジャーノのカットがコクを
  添えます。

4、海老のパスタ

  はい、これは、もう毎日でもいただきたいです。

5、三田牛

  フライパンだけで焼く、天才的火入れ。
  この日も、長谷川シェフの焼きに関する考え方を
  じっくりと聞きながら・・・。

6、焼き菓子 3種
  ラムレーズンのパウンド
  フィナンシェ
  パトリック ロジェのショコラのガナッシュ

7、ミントティー

バゲット

お供は、赤ワイン。
Les Fiefs de Lagrange 2012
カベルネ60%、メルロー34%、プティヴェルド6%
AOCサンジュリアン
ボディ感があり、品もあり、こちらのお肉には、
とてもいい相性です。

 この日も、満点の出来。

 毎回、期待以上のパフォーマンスです。

 シェフの誠実で、真面目なお人柄の成せる業。

 また、すぐいただきたくなります。


  
昨年、私の中ではベスト1に輝いたこちらに

今年も早速お邪魔しました。

いつも折り目正しく、清潔感あふれる長谷川北斗シェフが

笑顔で迎えてくれました。

皆が集まる前に、年末年始の話で盛り上がり、

早速今年も定番のラインアップから。

今回は、それに加え、リゾットもトライしてみました。


1、キャビア           自家製ブリニに
                

2、鱈の白子のフライ       サラダの上に、揚げたての鱈の白子。
                 旬真っ盛りで、トロっとして濃厚。
                 松の実やナッツ、マッシュルームが            
                 たっぷりで、ほのかにシトラスが。

3、三田牛カルパッチョ      繊細なカットのチーズがよく合います。
                 

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 他にはない、旨味。
                 同席した皆が唸ります。

5、三田牛外腿          今回は外腿と内腿両方。
                 レアがNGな友人のために
                 ウェルダンの仕上げも作って
                 くれましたが、それまでも
                 友人が感動するほどの旨味。
                 3つ星レストランのシェフたちが
                 焼き方を聞きにくる、はずです。
                
              
6、帆立貝のクリームリゾット   お初です。
                 フレッシュな帆立貝をポワレし、
                 とろりとしたクリームリゾットの
                 上に。
                 品のあるコク。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

7、ハーブティ

ワインは、MOULIN D'ISSAN 2014。
     カベルネとメルローで、プラムのような
     風味。マイルドですが、しっかりボディ感
     もあり、好みです。

はい、今回も満足度高し。

今年も日参することになりそうです。


今年初めて伺ったレストランの中では、

超ド級に衝撃的だったこちら。

今回5度目の訪問に。

海老のパスタとお肉の焼きには、毎回唸らせていただきますが、

今回は、長谷川シェフからの提案で、ブイヤベースもあります、とのこと。

シェフは、海老のパスタのかわりにどうですか? とのことでしたが、

海老のパスタは外せません。 もちろん、コースにブイヤベースをオンして

いただくことに。 

いただいたもの。


1、キャビア           自家製ブリニに、キャビア
                 いつものスタートです。

2、鱈の白子のフライ       サラダの上に、揚げたての鱈の白子
                 旬真っ盛りで、トロっとして濃厚。

3、三田牛カルパッチョ      この日の三田牛は、いつにもまして、
                 艶やかでした。

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 他にはない、旨味。

5、三田牛外腿          前回の焼きも素晴らしかったですが、
                 日々成長を感じます。
                 言うことなし、です。

6、ブイヤベース         お初です。
                 濃厚なスープが銀器で登場。
                 えもいわれぬ芳香が・・・。
                 お皿には、牡蠣と鮃。
                 その上からスープ ド ポワソンを
                 たっぷり。
                 しっかりした塩味ですが、塩はまったく
                 使用していない、とのこと。
                 いったい、これにもどれだけの時間を
                 費やしたのか。
                 さすがの仕上がり。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

  ベルガモット入りルイボスティー

 お供は、Les Fiefs de Lagrange 2011 Saint Julien
 メルロー31%で、ふくよかでリッチなコク。
      シェフも、もう好みを覚えてくれました。

 今回も、満足度マックス。

 まだまだ通います。

今年、発見したお店の中で、最も気に入っているお店です。

というわけで、今回4回目。

通えば通うほど、長谷川シェフの奥深さが見えてきます。

初めは、シェフの経歴にも驚きましたが、

その経歴で訪れるのではなく、素にシェフの料理を味わってほしいと

思ったので、あえて、これまで経歴の詳細は書いていません。

料理に対するフィロソフィー、そして、真摯な向き合いの深さを

知れば、その味に納得ができます。

今回は、これからの構想の話などにも花が咲き、またまた楽しい一夜でした。


さて、この日は、特別に、パテ・ド・カンパーニュをリクエストして

再訪。

1、キャビア           自家製ブリニに、キャビア
                 いつものスタートです。

2、パテ・ド・カンパーニュ    長谷川シェフのものは今回初めて
                 いただきました。
                 「時間をかけて、丁寧に作りました」と
                 言う通り、しっとりした口当たり。
                 肉に旨味をぎゅっと閉じこめています。

3、三田牛カルパッチョ      滑らかで艶のあるカルパッチョ。
                 何度いただいても、またすぐ
                 恋しくなります。

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 大量の海老を使用している、との言葉が
                 すべてを物語っています。
                 いやはや、これはもう他では絶対に
                 いただけません。

5、三田牛外腿          フライパンのみで焼いています。
                 これまでの4回で、今回は特に秀逸な
                 火入れでした。 外側のカリカリ感と
                 中のルビー色に光る肉質。
                 シェフ、渾身の作品。
                 三つ星シェフが習いに来るのも頷けます。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

  ベルガモット入りルイボスティー

 お供は、Branaire Ducru 2008.  ボディ感があり、気品のあるコク。


 さて、次は、なにをいただきに伺おうかな・・・・。
                 


あまりに気に入ってしまったので、3回目の訪問。

こじんまりした店内ですが、毎回、整然と片づけられ、

テーブルセッティングもきちんと。

長谷川シェフの真面目な性格がそのまま映し出されています。

さて、この日も、私があまりに絶賛したので、

「連れて行って~~~」という友人たちのリクエストにお応えしました。

そして、3回目も、まったく同じコースをいただきました。

海老のパスタとお肉は、秀逸すぎて、外すことは不可能です。

この日は、ものすごいsmall world 事件が起こり、店内で大盛り上がり

してしまいました。 

なにかエキサイティングなことが起こるこのお店。


さて、この日いただいたもの。

まずは、赤ワインを。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

お料理です。

1、アミューズ         ブリニ、キャビア、クリームチーズ

2、鮭の白子のフライのサラダ  珍しい、鮭の白子は前回と同じですが、
                フレッシュな桃と、たっぷりのくるみで。
             
3、三田和牛カルパッチョ    いちじくとたっぷりのパルミジャーノを。


4、海老のパスタ        これを作り始めると、店内にビスクの香りが・・・。
                けして、ぶれることのない、すごい技です。

5、三田和牛外腿とハラミ    今回は、外腿とハラミを食べ比べさせてくれました。
                ハラミは少し脂分が強いですが、
                両方、素晴らしい焼きです。
                これも安定感、抜群。
               
6、デザート          カヌレ
                フィナンシェ
                ショコラ

紅茶

バゲット

 次回は、「こんなものもありますよ」と、またまたすごい提案をシェフから

 いただいてしまったので、近々、伺おうと思います。



1か月前に、初めて訪れた感動を、周囲に語りまくり、

たくさんの友人たちから、「行きたい~~」という熱いラブコールが。

というわけで、再訪してきました。

実は、2回目というのは、いつもドキドキします。

というのも、1回目の感動が大きければ大きいほど、期待が勝手に一人歩きし、

2回目にいただいたときに、「あれ??」と思うことも少なからず。

しかし、長谷川シェフには、そんなことは関係なかったです。


以前と同じ、実直で、腰の低い、謙虚な物腰。 

シェフの部屋に招かれたような、落ち着く空間です。

今回も、前回と同じコースに。

海老のパスタとお肉は変えないでください、というリクエストだけして、

あとはお任せです。

まずは、赤ワインを。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

お料理です。

1、アミューズ         ブリニ、キャビア、クリームチーズ

                 前回は自分で盛り付けるように供してくれましたが、
                 今回は、きれいに盛り付け済み。

2、鮭の白子のフライのサラダ  これは、珍しい、鮭の白子。
                揚げることで、お味がしっかり。
                サラダのドレッシングは、
                オレンジ、レモン、GF、柚子をつめて、はちみつと
                合わせたもの。 穏やかな酸味が素晴らしい。

3、三田和牛カルパッチョ    いちじくとたっぷりのパルミジャーノを。

                 繊細に切ったパルミジャーノとお肉が絡まって
                 奥深い味わいに。

4、海老のパスタ        前回いただいて、夢にでてきそうなぐらい感激した
                一品。
                海老のソース、というより、これはビスクです。
                やはり、これはすごい、としかいいようがありません。

5、三田和牛外腿        「前回は内腿だったので」といって、外腿を用意して
                くれていました。
                実は、早めに来て、キッチンを覗かせていただいたのですが、
                生の状態では、かなりサシが入っていましたが、
                焼き上がると、サシは気にならず、むしろ赤身に近い
                くらいで、抜群の塩梅。
                この焼き、シェフがこだわっているだけのことはあり、
                唸ります。
                一人 150g。
                この間は、某有名日本料理店の方々がきて、一人
                600g召し上がったとか。

6、デザート          カヌレ
                ガトーブルトンヌ
                フィナンシェ
                ショコラ

コーヒー


  ピカピカに磨き上げられた卵型の銀器の蓋を開けると、クリストフルのカトラリーが。

  シェフは、黒手袋をして、フォークを取り出してくれました。

  毎日、磨くのだそうです。

  
  このお店によく来る、某有名シェフたちの話で、ひとしきりシェフとなごやかな

  時間を。

  今回も大満足。

  大事にしたいお店です。
それは昨年秋のこと。 

ある会食で、こちらのお店の話がチラっと出ました。

お肉がおいしいビストロとのことで、詳しい情報はなし。 しかし、なぜかずっと

気になって、BMしていました。

そして、この日、満を持してお邪魔しました。

料理はどれもシンプルながら、あまりの美味しさに、これはタダモノではない、と思い始めたのは、

コースの中盤戦。

食後、シェフといろいろお話しし、輝かしい経歴と、ドラマティックな人生にひたすら驚愕と感心。

7年の在仏中、「トゥール・ダルジャン」では、ソース、魚、肉の担当をしたとのこと。

オープンにしたくないとのことで、ここでは書くのは控えますが、それ以上に、かの地で素晴らしい

バックグラウンドをお持ちの、正真正銘の実力派です。

正当派エスコフィエの料理をやっていらしたわけですが、こちらでは、

肉をメインとしたビストロ料理を供しています。 キャリアに裏付けられた、唸る一品ばかり。


お店は西麻布の交差点から徒歩2分ほどのビルの2Fにあります。

店内は、4人掛けのテーブルが1つ。

2人掛けのカウンター席が2か所と、こじんまり。

壁には、大きな鏡や、絵画。

なんとソファとハンガーラックは、シェフの手作りだそうです。

コースは、アラカルトと、シェフお任せコース 6500円。(デセールは別)

コースの内容を聞いたところ、好みだったので、コースを選択。

まずは、赤ワインをグラスで。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

しっかりしたボディで、美味。


では、料理です。

1、アミューズ            ブリニ、キャビア、クリームチーズ

                   ロシアに花開いたフランス文化のような器で登場。
                   クリームチーズには、エシャロットとパセリが。

2、鯵のフライのサラダ        さくっと揚がった鯵が美味      

3、三田牛のカルパッチョ       フルーツトマトと無花果を牛のカルパッチョで覆い、
                   周囲には、極細に刻んだパルミジャーノを。

                   このカルパッチョが、あまりに美味だったので、
                   このあたりから、かなりテンションがあがってきました。

4、海老のフェデリーニ        これには、絶句。
                   海老のソースの奥行のある旨み。
                   どんな技を駆使すれば、こうなるのか・・・。
                   これで、ハートをグイっとつかまれました。

                   シェフによると、ソースは、フレンチの技法で。
                   しかし、麺好きの日本人にあわせ、ここでパスタを、とのこと。

5、三田牛 内腿肉          これには、脱帽。
                   一口いただいて、あまりの美味しさに止まらなくなりました。
                   シェフは、「フライパンで焼きました」とのことですが、
                   この焼き方、三つ星シェフまで聞きにくるそうです。
                   外は薄くかりっと、そして、大きな塊なのに、中まで
                   均一に火が通って、ジューシーそのもの。
                   火入れをしたり、休ませたりをせず、供するまで、ずっと火を入れ続ける
                   のが、決め手とか。

                   塩、こしょうだけ、ガルニもなし、のシンプルさ。
                   それでも、十分満足です。
                   ちなみに、300gを二人でシェア。

6、デセール             ここからコースとは別で、デセールは、焼き菓子です。
                   フィナンシェ、クイニーアマン、シナモンデニッシュ、チョコの
                   ガナッシュ(パトリック・ロジェのチョコ)

7、紅茶               ピエール・エルメ  (ジャルダン ド ピエール)
                   ちょっとキームンのような香りのする花弁の入った紅茶

パンは、沢村さんのバゲット

アミューズのクリームチーズを足してパン用に。


シェフが、一人で、料理とサービスを担当します。

食中、友人と私の話がシェフに聞こえていたらしく、

「かなりフレンチに詳しく、いろいろ食べ歩いていらっしゃるんですね~~」とシェフ。

普段は、滅多にお客さんと話さない、とのことでしたが、ここからいろいろ話が弾み、

シェフの生い立ちや、料理人を目指したきっかけ、「北島亭」に入った壮絶な経緯、そして、

冒頭にも書いた経歴、凱旋帰国からこちらのオープンに至ったいきさつに至るまで、

訥々と語るシェフの話は、まるで、一冊の本のようでした。

「人より、がんばる。それは、ただのがんばり、じゃない」がシェフをここまで突き動かしてきた原動力。

物腰柔らかで、繊細そうに見えるシェフからは、想像もつかない激動の半生です。

料理には、そうしたシェフが積み上げてきたもの、培ってきたもの、が如実に表れていました。

なんだか、今年一の感動の出会いでした。

次回は、コースもリピートしたいですが、アラカルトも興味津々です。


  • メカジキのベニエ
  • カルパッチョ
  • 北斗シェフ

もっと見る

8位

道人 (三条京阪、三条、東山 / 日本料理)

5回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2019/11訪問 2019/11/10

京都日本料理界の新星

昨年のオープン以来、5回目の訪問となりました。

淡々と仕事をする若き大将。

ちょっとはにかみながらも、

芯の強さを垣間見せます。

今回は、そんな大将の実力を、存分に感じた宵と

なり、これまでで最も素晴らしかったです。


ひとつひとつの仕事に、冴えと誠実さが見事に

表現され、この大将の底力を感じます。


では、この日の内容です。

1、新物のくもこ 白味噌仕立て
  湯葉、黒七味、あられ柚子

2、雄の渡り蟹
  加減酢

  今季だけでも、いろいろな名店で
  渡り蟹をいただきましたが、
  この仕上がりには、驚嘆です。
  ねっとりとしっとり。
  大将に聞くと、
  蟹のお腹に温度計を刺して、
  正確に温度を把握するとのこと。
  加減酢は、かけると全部その味になって
  しまうので、下に。

3、お造り
  ・淡路の鯛
  ・はり烏賊
  ・白甘鯛 5日熟成
  ・浜中のバフン雲丹

  白甘鯛を長めに切りつけ、
  雲丹を巻けるように。

4、お椀
  蟹真薯
  丹波の松茸

5、カマスの小袖寿司
  炙りバチコ

  お皿は、江戸期、柿右衛門二代目

6、京菊菜の白和え
  目の前で、豆腐を崩して和え、
  作り立て白和えを。
  豆腐は、服部豆腐

7、真名鰹 幽庵焼き

8、新物 富田林の海老芋
  極薄で炊いています。

9、伊勢海老と自家製胡麻豆腐
  カウンターに、鍋が登場。
  頭をとったかなり大ぶりの伊勢海老が。
  鍋で、伊勢海老と根三つ葉をさっと
  煮て、胡麻豆腐とあわせていただきます。
  反則的美味。

10、ご飯
  煮えばな
  香の物
  じゃこ
  削り立て鰹節

11、栗大福
   もうなにも言えないほど、満足です。

12、薄茶
  大将自ら、目の前でたててくれます。


お供は、日本酒
・風の森


いつもながら、趣味のよい骨董の器や皿には

感心しきり。

惚れ惚れします。


大将渾身の料理と、美術館級の器に囲まれ、

なんとも幸せな時間でした。


  
京都は、仁王門通りにある日本料理屋さんです。

昨年開店し、1年1か月。

あっという間に、予約至難店へ。

今回4度目の訪問となります。


前回は、果敢な挑戦も見られましたが、

今回は、伝統に忠実に、また楚々とした構成でした。

相変わらず、細胞に染み入るお出汁です。

では、今回の内容です。

1、玉蜀黍豆腐
  大きく鮮やかな緑の蓮の葉に、
  ひとひらのピンクの花弁。
  その下には、
  豆乳で作った玉蜀黍豆腐に、
  韓国南瓜
  赤万願寺唐辛子
  焼き蓮根
  道安宝珠喜(どうあんほおずき)

  見事な始まりです。

2、お造り
  明石のアマテガレイ
  淡路 由良の雲丹
  肝ポン酢で

3、中トロのお造り
  戸井の延縄 154kg
  そろそろ、こちらの季節になりました。
  やま幸さんのもの。

  器は、400年ほど前の古萩で、蔵六型。
  亀の形です。
  見惚れるほどの美しさ。

4、お椀
  噴火湾の毛ガニ真薯
  味噌を射こんであります。
  蟹身をのせて。
  えもいわれぬお出汁。

5、鬼鯵寿司
  淡路の大ぶりの鯵です。
  身が厚く、美味。

6、石垣貝
  焼き石にのせて、好みの焼き加減で、
  3枚。
  レアでいきましたが、甘味が心地よい。

7、城陽いちじく
  どんこ椎茸と胡瓜の和えもの

8、愛媛の白甘鯛の焼き物
  火入れが抜群で、脂がのっています。

9、淡路の天然車海老
  焼き茄子
  出汁で
  この車海老が巨大

10、あこう鯛のしゃぶしゃぶ
  分厚い切り身を目の前で、しゃぶしゃぶに。
  ぷりっぷりの身で、皮目のコクが
  なんともいえません。
  
11、ご飯
  まずは、煮え花。
  その後、お替りをしながら、
  ・香の物
  ・じゃこ
  ・削り立ての鰹節

12、桃の葛饅頭

13、お薄


お供は、梅酒のソーダ割。

壁には、邪気払いを意味する払子が。

季節を映した、料理、器、調度品。

すべてが、完璧でした。


  
開店1年未満にして、早くも予約至難店になったこちら。

3回目の訪問となりました。


相変わらず、人懐っこい笑顔と、同時に、凛とした真面目な仕事。

今回も、どんな進化を見せてくれるのか、わくわくでした。


「人と同じことをやっていてもしょうがないので」と、

次々新たな素材などに、果敢に挑戦している姿は、

私の考え方ともあって、好ましいです。

が、今回は、あれ、これはちょっと? というのも、

正直ありました。 

ま、果てしない挑戦を続ける以上、そういうときも

あるので、温かい目で見守りたいと思います。

では、あれ、ちょっと? も含め、

今回の内容です。


1、自家製胡麻豆腐
  出汁のジュレと穂紫蘇

  乳白色のきれいな胡麻豆腐。
  箸をいれてびっくり。切れません。
  ものすごい弾力です。
  胡麻を炒ってペーストにし、
  ここまで練り上げるのですが、
  一からやっているところは少ないそう。
  胡麻豆腐大好きな私としては、最高の
  出だしです。

  器は、百合の花を模した皿で、
  松平不昧公のお抱え陶工のもの。

2、お造り
  ・明石のアマテガレイ(マコガレイ)
   塩水に漬けて、もっちりさせています。
  ・由良の雲丹
   品のある甘味

   肝ポン酢と割醤油で。

   このお皿もまさにセンスが光る骨董。
   若手による、写しですが、
   中国の呉須を使用しているとのこと。
   藍のグラデが素晴らしく、うっとりします。

3、お造り
  ・剣先烏賊 
   旬真っ盛りで、ねっとりして、すごい旨味です。 
  ・境港の鮪の背肩
   この時期、烏賊を食べているので、烏賊と。
   
   塩酢、醤油、アロエ添え

4、椀
  淡路の赤穂鯛
  オクラの水玉
  これには、驚きました。
  オクラの輪切りを球体にしたものが、マリモのように浮いています。
  葛で寄せているのかと思いきや、ゼラチンで寄せ、企業秘密
  とのこと。 あとで、いろいろ種明かしをしてくれましたが・・。
  大将の研究熱心さの一端がわかります。

5、根室の毛蟹
  蟹みそと海苔のペーストで
  下には、少し酢飯を。

6、海うなぎ
  これです、初素材。
  間人産。
  まだ使っているところは少ないとのこと。
  私も初めてお目にかかりました。
  しかも、超巨大。
  鱗を取るだけで、30分はかかるそう。
  1週間熟成させ、ふっくら炭火で焼きあがっています。
  ものすごい弾力で、まるでうつぼのよう。
  皮目を焦げるほどかなり焼いていますが、
  皮の臭みはあり。
  「好みが分かれるところです」と大将。
  トライアル賞、ですかね。

7、白芋茎の胡麻酢
  ムラメと

  白芋茎の火入れがよく、さくさく。

8、煮鮑と上加茂の加茂茄子
  茄子の出汁の餡かけで。

  ここが茄子の出汁、というのが、潔い。

9、鱧
  目の前で、巨大な鱧の骨切りを。
  じ~~~~っと見ること数分。
  鱧の骨切り独特の音だけが、店内に響きます。

  1切れ目は、さっと出汁でゆがいて、
  割醤油で。
  2切れ目は、玉葱と出汁すきに。
  卵黄と、緋山椒を。

  季節の到来です。

10、ご飯
  滋賀の夢ごこち

  まずは、煮えばな。
  次から、ご飯のお供と。
  じゃこ、油揚げと割干し大根の煮つけ、
  漬物、生からすみ、削り節、水茄子。

  今回は、かなり御飯が柔らかめでした。

11、新ゆり根のきんとん

12、お薄
  辻利の「栂ノ尾の昔」
  お濃茶用を、かなりよく練ってお薄に。
  とても香り高く、いい時間の〆にふさわしいです。

お供は、梅酒をソーダ割で


研究熱心な姿勢が表れる品々。

大将の真摯なお人柄にほれ込んでいるので、

ここは、まだまだポジティブに受け取りたいと

思います。

次回も、またどんな進化を遂げているのか、

楽しみです。



昨年に続き、ご縁あって、2回目の訪問となりました。

予想どおり、超人気店になるも、大将、中島さんは、

いい笑顔で、元気そう。

やはり、「料理が好き」というオーラを放っています。

今回も、またもや、あっという驚きや、

細部へのこだわりを見せてくれました。

1回目を軽く凌駕する、天才肌の技。

やはり、京都、日本料理界の次代を担う人と

なるでしょう。

では、今回の内容です。

香煎茶

1、白味噌の椀
  ゆり根の茶巾
  慈姑のクルトン

  白味噌の品のあるコク。
  慈姑のクルトンが驚きの味。

2、三関のせりと干しカズノコのお浸し

3、お造り
  なんと、焼き石が登場。
  以下を石の上で軽く炙る、という趣向。
  冬ならでは、です。
  炙ると、海老の甘味が増し、
  香ばしい香りも。
  *昆布〆の伊勢海老
   海老味噌醤油で
  *黒みる貝
   柚子醤油

  ++ 皿は、天啓赤絵
     (400年前の中国のもの)

4、鮪のユッケ
  長崎、定置網144kg
  「きょうは、そのままか、ユッケの用意もありますが、
   どちらがいいですか?」と言われ、
   ユッケを選択。
   山中油店のごま油と鶉卵で。
  これも、ひねり技でいいですね。

5、お椀
  淡路産トラフグの身とかま焼きと白子
  芽ネギ

  具材の豪華さより、やはり、このお出汁の秀逸さに
  言葉を失います

6、からすみの飯蒸し
  自家製の半生からすみなのですが、
  登場したとき、あまりのぶ厚いカットに、
  私の乱視が進んだのかと、瞬きをして、
  見直してしまいました。
  厚さを確認すると、もう、母のような気持ちで、
  原価を心配してしまうほど。
  
  からすみの上には、板おみき。
  酒粕のことですが、カスというのはよくないので、
  とのこと。

7、若狭焼き
  和歌山のクエの木の芽焼きです。
  青み大根の味噌漬け

  クエの焼き加減もパーフェクト。
  青み大根の仕事に唸ります。

8、生しらす
  「これ、おまけです」と言って、登場。
  三重の生しらす

9、柴山の松葉蟹と菜の花のあんかけ
  その上に、新竹の子が。
  これがただものではない、新竹の子。
  これは、根ぶちの竹の子といい、
  春に根が出るように根切りしたあとに
  わずかに出る竹の子で、この日から3日間
  だけしかない、というラッキーな体験でした。

10、岐阜 網獲り鴨と大根の鍋

  ここで、鉄製の巨大な炭火用焼き機が
  中央に。 とにかく、大きいです。
  そこに炭をたっぷりいれて、土鍋を設置。
  大将、すごく楽しそう。
  品よく炊いた大根と鴨。冬ならではです。
  これを2回お替りしてから、
  「次、まながつおにしましょうか?」
  とのことで、これまた、鍋にさっと通して
  から、いただきました。
  まながつおは焼きだけではない、のです。

11、ご飯
  煮えばなから順に少しづつ。

12、ご飯のお供
  *天然海苔の佃煮
   マービーという甘味料でほのかに甘味が。
  *じゃこ
  *香の物
  *0.1mmの鮪節

13、生菓子
  丹波の大納言小豆
  備中白豆餡と山芋のきんとん
  ここに、徳島産の種なし金柑をあしらって.
かなり珍しい種なし金柑です。

お供は、自家製梅酒のソーダ割。
「濃くないですか?」としきりに気にしていましたが、
 濃くはなく、コクがあります。


 基本に忠実なのですが、

 どこかしらに、創意工夫を入れていて、

 驚かせてくれます。 しかも、それが
 
 やりすぎではなく、きちんと着地させている

 ところに、感心します。

 前回もそうでしたが、終始楽しそうな大将。

 料理と食への愛を感じます。

 これは、ますます目が離せません。



京都の底知れない日本料理界の奥行をまたもや

痛感した宵となりました。

こちらのオープンのことは半年前ほどから聞いており、

楽しみにしていました。

店名「道人」は、どうじん、と読みますが、

店主、中島道人さんの名前です。

「未在」で8年、その後、3年ほど老人ホームで食事を作っていた、

という異色の経歴。

そもそも、この道に進みたかったのは、自分が病気になり、

食事の大切さを思い知ったから、だそうです。

まだ若いながら、随所にきらりと光る技と、

自信に満ちたオーラ。

厨房にいるときが一番楽しい、そうで、

休日も市場を歩くのだそうです。

大宰府のご出身とのことで、この日もお母様から送られて

きた、かの地の素材が登場しました。

「未在」とは全く違う、独自のワールドを早くも形成。

一人ですべてこなしているので、カウンターは6名入れますが、

当面1組ほどしかとらない、とのこと。

大将は、茶道の心得もあり、奥には、茶室もあります。

さらに驚いたのは、私がお邪魔したある店の話になったときに、

その店名が、漢詩に由来することをすらすらと話されたのです。

あふれる教養が垣間見えました。

これは、楽しみなお店がまた増えました。


この日のコースです。 20000円。

1、白無花果

  皮が柔らかすぎて市場にはでないもの。
  向日町の農園まで買いにいくそうです。
  この農園、田んぼのように畑に水を入れて
  野菜を育てています。

2、太刀魚の炙り

  ポン酢生姜餡で。
  茗荷、葱、赤紫蘇

3、鮪

  なんと、お造りは、鮪だけで勝負。
  「やま幸」さんからの鮪で、ボストン産。
  昆布醤油で。

4、天然鱸 小吸物

  この出汁に唸りました。
  昆布出汁のみで、塩は不使用。
  薄い出汁に塩などを足すのではなく、
  濃いめに作って薄めるのが、道人流。
  昆布は、水出しで、一晩かかってます。

5、根室産赤雲丹の一口寿司

  根室の毛蟹と。
  味噌の替わりに雲丹を使うというアイデア

6、韓国南瓜(ほうば)と三島亭のヒレ

  韓国南瓜はかぼちゃとズッキーニの間のような
  食感。
  実山椒のソースにまたまた唸りました。
  実山椒をペーストにし、ご飯でとろみを。

7、煮鮑

  実家から送られてきた里芋を揚げ物に。
  赤と緑の万願寺唐辛子
  新銀杏
  栗をたっぷり削って。
  銀餡  (塩で鰹節の旨味を引出し、醤油を2滴)

8、出汁すき

  徳島産白ぐじと松茸
  希少な白ぐじですが、徳島産が最も美味と。
  卵をつけていただくと、すき焼きに。
  
*ここで、煮えはなを

9、伝助穴子

10、はぐら瓜、昆布、生からすみ

  はぐら瓜は、歯がぐらぐらしていても
  食べられるから。

 ご飯は、滋賀の「夢ごこち」。
 名前に惹かれたそう。

 *ここで、ご飯のお供に、鮪の漬けも
  登場。

11、呉豆腐

  豆腐に、八重山の黒蜜
  この黒蜜が美味なので、黒蜜を食べるための
  豆腐。

12、シャインマスカット

 
  一人ですべて仕切っていらっしゃるので、

  時間はかかりますが、その「間」さえ、楽しみです。

  考え抜かれた素材と素材の組み合わせ。

  しっかりした基礎がありながら、それに

  とらわれない柔軟な思考と発想。

  いや、もう実にこれからが楽しみです。


  • かますの小袖寿司とバチコ
  • 蟹真薯と松茸
  • 真名鰹の幽庵焼き

もっと見る

9位

INUA (飯田橋、九段下、牛込神楽坂 / イノベーティブ)

2回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 -

2019/06訪問 2019/06/09

inuaのさらなる旅

昨年に引き続き、2回目の訪問です。

なかなか真価が理解されないようですが、

1周年を過ぎ、どんな変貌を遂げているのか、

わくわくしながら伺いました。


オープニング時には、満席でかなり活気がありましたが、

今回は、かなり落ち着いた雰囲気。

残念ながら、シェフは、夏メニューのチェックのため、

コペンハーゲンに行っている、とのこと。

前回も見せていただきましたが、今回も、

別フロアーにあるキッチンとラボを見学させて

いただきました。

相変わらず、見たことのない、興味深い素材が目白押し。

それを乾燥させたり、発酵させたり、

まさに「研究所」の様相。

ここで、新たな、そして未知の味が生まれているのです。


新しいものには、拒否感を伴う人もいますが、

料理というものも、人類の歴史の中で常に進化を

遂げてきました。 

タルト・タタンのように偶然や失敗の産物もありますが、

多くは、料理人のあくなき探求心と努力によって、

創り出されたものでしょう。


数十年間、さまざまなレストランを食べ歩き、

多種多様な料理、食材に出会いましたが、

まだまだ、初めての素材にお目にかかることがあります。

「こんなものが、世の中にはあったんだ・・」と、

思える瞬間は、実にエキサイティングです。

そして、まだまだそんなことが起こる、この「食」の

領域の奥行きの深さに感動すらします。

そんな私の好奇心を満たしてくれるのが、こちら。

この日も、初めての食材、調理法、など、

想像をこえるものとの出会いがありました。

こんな探求心をもつ、こちらのフィロソフィーに

敬意を表したいと思います。


さて、では、この日の内容です。

1、鮟肝テリーヌ、アスパラガス、ブナの実

  もちろん、想像しているものとは、別物が登場。
  どうみてもテリーヌというより、スポンジです。
  
  鮟肝と豆乳を瞬間冷凍し、スポンジ状に。
  ブナの実や、ナツハゼというベリーと、
  北海道産アスパラガスと。

  お皿の周囲には、鮟鱇の歯をあしらい、
  鮟鱇の口の中を表現。

2、季節のシトラス、昆布オイル

  甘夏と紅まどかを、かんずりという
  新潟県に古くから伝わる発酵させた唐辛子の
  水に漬け、
  ローストした昆布のオイルで。
  柑橘の上には、自家製七味(トマト、ベルガモット、
  山椒など)と、
  カシスの芽や花を。

  昆布オイルには、昆布の海藻臭さがなく、
  あまりに洗練されていてびっくり。

3、花のタルト

  文字通り、パープルを基調とした花のタルトです。
  味噌のクリスピーの生地に、
  トリュフペーストを。
  その上に、香りの強いセージ、白と紫のロケット、
  キャットミント、タギリスの花々を。

  トリュフが主張しますが、花々が爽やか。

4、塩漬けいくらと香草サラダ

  2年もののすじこです。
  塩漬けしたものに火を通し、風にさらして
  乾燥させてあります。が、しっとり。
  辛子菜、グリーンマスタード、フレッシュなクルミ、
  ローズヒップの実、ルッコラの上に、すじこ。

  メニューには、「いくら」と書かれていますが、
  すじこ、ですね~~。 こう来たか、と思わせる一品。

5、熟成、燻製させた舞茸

  「パイン出汁」と、スタッフが呼ぶ、
  水出し昆布の出汁に、松の葉をつけ、
  味噌を合わせたソースで。
  別皿に、桜の花の塩漬けが供され、
  塩がわりに、くずして入れます。

  キッチンで燻製されているところを
  見ました。
  ソースは、色が濃いのですが、
  味は、濃すぎることはなく、
  昆布と松の葉のマリアージュ。

  これは前回もいただきました。

6、プラムレザーとアロマティックフラワー

  フォトフレームの中に入って登場。
  しかも、ちょっと使い込んだ感じの
  フォトフレーム。
  
  中の赤いシートは、
  プラムジュースをシート状にして乾燥
  させたもの。ゼリーのような感じです。
  実は、赤いシートの下に、蜜蝋が敷き詰められ、
  蜜蝋の香りを、プラムシートに移しています。
  赤のシートの上には、
  フェンネル、コリアンダー、バラが。
  赤いシートをくるくる巻いていただきます。

7、湯葉と山菜

  お皿の周りには、山菜。
  中央には、泡。

  山菜は、こごみ、浜ぼうふう、片栗の葉、
  山うど、しどけ、こしあぶら、しおで、など。

  中央には、
  湯葉と、イナゴの発酵ペーストと、
  麦の麹とバターの泡で。

  日本の山の風景が広がります。

8、ジュンサイとキャビア

  大ぶりの秋田産ジュンサイと、
  仏産キャビア。
  これは、もう素材そのもの。

  日本のキャビアの話をしたら、
  シェフが某地域のキャビアを試して
  気に入らなかった、とのことなので、
  別エリアのおいしいキャビアをトライする
  ことをお勧めしてきました。

9、金目鯛のスペアリブ

  私のお皿には、尾ヒレに近い部位が。
  手で持つところに、紐が巻かれ、持ちやすく
  する、という芸コマぶり。
  ハバネロと麹をつけて、グリルしているので、
  ちょっとピリ辛。
  ちなみに、連れの部位は、中央あたりでした。

10、枝豆とアーモンドのお澄まし

  枝豆のシチュー、と呼んでいました。
  土鍋には、味噌、出汁、蜜蝋、酒かすの
  スープと、アーモンド、谷中生姜、ハーブ、
  そして、枝豆が。
  お皿の傍らに、ハーブのブーケが添えてあり、
  このブーケをスープにつけて、香りをうつして
  いただきます。

11、炊き立てのななつぼしと蜂の子

  前回に引き続き、いただきました。
  長野産の蜂の子は、バターで揚げてあり、
  クリスピー。ふかしたものも入っています。
  お米は、ななつぼし。
  周囲には、ナスタチウム、マリーゴールド、
  あかしあの花が色鮮やかに。

  別皿に、出汁、バター、醤油のソースが。

12、パッションフルーツとトマト

  パッションフルーツの殻の中に、
  パッションフルーツ、トマト、ピタンガ
  のジュース。
  ピタンガは、ブラジリアンチェリーとも
  いいます。
  若い梅の塩漬けが入っています。

13、黒麹のアイスクリームと松ぼっくり

  カラメル化した麦の麹のアイスクリーム。
  アイスの中央のくぼみには、
  うわみず桜をたたいて香りをうつした油を。
  シロップ漬けした松ぼっくりを添えて。
  この松ぼっくりは、ちょっといがらっぽかったです。

14、サルナシと森の香り

  サルナシは、ワイルドキウイとも呼ばれています。
  サルナシの上に、実山椒を。
  うわみず桜の枝の楊枝でいただきます。

15、ヒロメのミルフィーユ

  ヒロメという海藻をオーブンで何度も
  焼いて乾燥させたものを、縦位置に。
  間には、北海道産生クリームと
  松の新芽と塩。

  ミルフィーユといっても、意表をつかれます。
  これも、海藻の海臭さが一切ないので、
  お菓子として成立するんですね。

16、豆乳ムースのケーキ

  これは、メニューになかったのですが、
  すごかったです。
  外観は、スクエアで、オキサリス(カタバミ)に
  覆われています。
  中は、豆乳のムースとサルナシのピュレ。

*ミントと小夏のハーブティー

お供は、赤ワインをグラスで。
・EAGLE VINES 2016
カベルネソーヴィニヨン
 好みとは違いましたが、
 ワインペアリングに出るアイテムは、
 興味深いものばかりでした。


この日が、新メニューの初日、ということで、

オペレーション的に、スムーズでないことが

いくつかありました。

スタッフは皆さん、がんばっています。


素材の組み合わせ、重層的な味の積み上げ、

しかし、着地なあくまでシンプルな味覚設計。

そのクリエイティビティにまたも感動でした。


この日も、未知なる体験をさせていただきましたが、

さらに、どう進化していくのか、楽しみです。



世界一予約がとれないレストラン、そして、

2010年から14年まで4年間連続「世界のベストレストラン50」で

1位に選ばれた「noma」の姉妹店が、KADOKAwAとのコラボで

飯田橋にオープン。

私がコペンハーゲンの「noma」を訪れたのは、4年前。

その独創性、フィロソフィーは唯一無二であり、

これだけ長く食べてきて、初めて出会う料理、いや、

”料理の概念”でした。

その翌年、「noma」は100名近いスタッフを率いて

日本橋マンダリンにてポップアップレストランを1か月半に渡り

オープン。 6万もの予約が殺到して、サーバーがパンクしたのは、

記憶に新しいところ。

そのときも、日本食材で「noma」を表現し、またまた

驚かせてくれました。

これをきっかけに、レネ・レゼピシェフは日本食材に大いに

魅せられ、日本開業を考え始めたとのこと。


正直、今回、お邪魔するまでは、いったいどういうことになっているのか、

ちょっと懐疑的な部分もありました。

どこまであの「noma」のフィロソフィーを再現できるのか、

KADOKAWAさんがどれほどその真価を理解しているのか、

オペレーションのクオリティは??? 

しかし、1皿目、2皿目と食べ進んでいくうちに、これらが

全て杞憂にすぎず、あまりにも、あっさりと、そして、

心地よく私の期待をいい意味で裏切り、それだけではなく、

想像だにしない領域まで凌駕してくれたことに、ただただ感動。

本店の「noma」も、「アリを食べさせるらしい」という表層的なことだけが

一人歩きし、その背景についてはほぼ語られることはありませんでした。

そして、今回も、

「蜂の子がでるんだって」とか、

「肉も魚もでないのにあの価格」など、これまた表層的な意見が

飛び交いました。 

今回、こちらのシェフを務めるのは、本店でレネの右腕だった、

トーマス・フレベルさん。

「この季節、肉や魚を使わなくても、これだけ豊富なタンパク源や

栄養素を持つ素材が、日本にはある。」

この一言を聞けば、すべて納得がいきます。

ここを開業するにあたり、数年をかけて、日本全国の食材を

探し、研究し、その食材にどう手を加えれば、美味なるものに

変身するのか、膨大な時間を費やして試行錯誤を重ねています。

例えば、デセールに登場した、かやの実。

日本人でさえ、これを食べるという発想はまったく

なく、唯一漢方薬の原料となっていただけ。

しかし、10回ほどあく抜きし、ローストをすると、

プラリネのような芳香を放つ実に変貌。 

ひとつひとつの素材に、おびただしい時間と人を投入して、

「美味」を探究しています。

日本素材の代表、海藻には、特に力が入っていました。

そこから引き出される旨味とその力。

その旨味を最大限に引き出したソースは、どれも

唸るほどの美味しさで、ソースだけお替りもしました。

食後、見せていただいた別フロアーのテストキッチンには、

驚くべき量の食材やその資料が集積され、まさにラボです。

その中で、海洋学者が作った貴重な海藻の資料も見せていただき、

さらに、探究の奥深さを目の当たりに。

トーマスシェフとも、テストキッチンでお話しでき、

その思想のいったんに触れることができました。


これだけの背景がありますが、

通常、供されるときにする説明はほんのわずか。

実は、各料理には、5ページにもわたるレシピがありますが、

たくさん話しても、お客様が混乱するので、シンプルな

説明のみにとどめている、とのこと。

しかし、質問すればするほど、1皿、5時間は語れる

背景をもっています。

そして、細かく手を加えられた素材の重層的な組み合わせで

構成されているにもかかわらず、

その仕上がりが、とにかくシンプル。

これだけ重ねたら、複雑すぎる味覚になるのでは?と

思いきや、真逆で、仕上がりは爽やかささえ感じる

シンプルさと、心底「おいしい」の一言。


「noma」のフィロソフィーと、日本の食材。

まさに、最強のカップリングとなりました。

それでは、「INUA」の世界、始まりです。


1、スナックパイン

  沖縄産パイナップルに高知産シトラス
  柚子の花の塩漬け(白い花)
  ヒハツ 胡椒に似た風味をもつスパイス
      (ロングペッパー)
  ケルプオイル (緑のソース)

  「爽やかさ」が駆け抜ける一皿。
   パイナップルの甘酸っぱさと、
   スパイス使いがスタートにふさわしい
   一品。

2、グリルド 枝豆

  オレンジと黄色の花弁で覆われ、
  烏賊の出汁
  アナスタシア、山葵、山椒、
  南瓜の種のオイル
  に、枝豆が。

  この出汁の旨味が、本当に烏賊だけ?と
  思うほど、コクがあります。
  この出汁と出会い、枝豆の新たな地平が。

3、島バナナのスライスと味噌クリスプ

  バナナの葉の形にカットされた、
  島バナナと、味噌のクリスピーなクッキー、
  海藻。
  レモングラスバウダーのオイルで。
 
  島バナナのねっとり感と、味噌の濃厚だが、
  クリスピーな対比を楽しめます。

4、レッドフルーツ

  スイカ、発酵したプラム、
  ピタンガ(ブラジリアンベリー)
  昆布
  これらが、トングで形作った花に。

  グリルドペッパー
  コリアンダー、フェンネル、マリーゴールド
  
  cold infuse 出汁
   味噌と水を凍らせて抽出した味噌ウォーター
   水で昆布を真空パックした出汁
  乳酸発酵した麹
  蜜蝋を溶かしたもの
  レモンタイム
  
  まず、花が浮かんだ器が、きれいです。
  小さな器にこれだけの要素。
  ですが、読後感は、いたってシンプル。

5、作りたての湯葉巻

  ナスタチウム、胡瓜の花、大根、わさび菜の花を
  湯葉で巻き、麦の麹の泡を。
  カシスの実のピクルス。

  出来立て湯葉のトロトロ感と
  麦の麹は、やはり日本人として心休まります。

6、舞茸

  5日間熟成し、3日間コールドスモーク。
  味噌ウォーターと醤油で土鍋で。

  この出汁が見た目、とても濃い色なのですが、
  えもいわれぬ旨味。
  出汁だけお替りしました。

7、丸茄子

  土鍋でローストした丸茄子
  生くるみの千切り
  ホースラディッシュ
  南瓜の種と、種のペーストと
  グリルした野菜のジュのソース

  まず、生くるみの新鮮さと白さ、に驚きます。
  「剥くのが大変なんです」と後で伺いました。
  南瓜の種のソース、と一口にいっても、
  種を挽くだけで、膨大な量が必要。

8、タラバガニと豆腐

  豆腐の上に、タラバガニ。
  ローストした昆布のバターソース
 
  昆布の出汁を煮詰め、乾かすと
  塩ができるので、その塩味と
  バターを合わせ、これもとてつもない 
  旨味。

9、能登の8種の海藻サラダ

  なんと、ピクルスにした海藻です。
  北海道産雲丹と、乳酸発酵したホワイトアスパラガスを、
  昆布出汁と、山椒、
  カシスの木から抽出したオイルで。

10、きのこ

  えのきの軸を炭で1時間じっくり火入れ。
  山梨の放牧卵の卵黄に、えのきを乗せ、
  黒トリュフをたっぷり。
  キノコの魚醤の香りを。

  えのきの軸を料理に使うので、
  賄いには、えのきの先が頻繁に出るとのこと。
  笑

11、蜂の子ご飯

  土鍋で登場。
  低温バターで揚げた小ぶりな蜂の子と、
  出汁で炊いた蜂の子がたっぷり。
  小さいものは、養蜂農家が捨ててしまうので、
  シェフはあえてそれを使用。
  カリカリに揚がっていて旨味の塊。
  アカシアの花、ハマナスの花、マリーゴールドを。

  別皿に、ピクルスが5種
   *梅を二つ割に
   *フェンネルの花
   *アカシアの花
   *桜の花
   *カシス

  ソースは、乳化した野菜の出汁。
  これは好みでご飯にかけますが、
  これがまたあまりに美味で、お替りを。
  リゾット状にしたいくらいでした。

  私も、蜂の子の姿がそのままだと、
  ちょっと引きますが、
  食感もクリスピーで、まったく 
  違和感はありませんでした。

お供は、
シラーをグラスで。

ここで、席を移してデセールに。

同じフロアーにあるソファー席です。

12、豆乳パルフェとさるなし

  四角にカットしたスポンジのような
  豆乳パルフェに、
  さるなしが。
  上には、トウヒ(蝦夷松の変種)。

  独特な香りです。

13、餅アイスクリーム
  
  ローストしない生の南瓜の種を
  クリーミーにした餅を、
  乾燥したポルチーニで覆い、
  さらに、かやの実や、
  10日間発酵させ、黒くなった麦を濾したもの。
  香気が漂います。
  かやの実は、先述したとおり、ものすごい手間が
  かかっています。

14、カモミールティー


  「noma」の思想や技はもちろんですが、

  今回、改めて感じ入ったのは、日本の食材の豊富さと多様性。

  日本人でさえ、気づかなかった食材にも着目し、

  それをどう美味しくするのか。 脱帽です。

  コペンの本店と違ったのは、スタッフがまだちょっと

  ぎこちなく、コミュニケーションが十分にとれていない
  
  様子でした。

  こちらから、質問すると、スタッフが答えてくれますが、

  それ以上の深い質問には、

  6人グループで編成される当該料理の担当者がきて、

  応対してくれます。

  
  私が本店を訪問したとき、バックヤードを見せてくれた

  高橋さんはすでにスーシェフに。 

  今回、3か月間、ヘルプで来日していました。
  
  またもや、高橋さんに、テストキッチンに連れていって

  いただき、感謝です。

  本店とは、また異なる、唯一無二の世界。

  秋には、鴨料理も登場するそう。

  楽しみです。

  (唯一残念だったのは、予約などオペレーションなどの

   部分でかなり問題がありました)


  

  • プラムレザーとアロマティックフラワー
  • 金目鯛のスペアリブ
  • 豆乳ムースのケーキ

もっと見る

10位

HAGI (内郷 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2018/09訪問 2018/09/15

福島愛に満ち溢れるフレンチ

いわき市にすごいフレンチがある、と聞いたのは、

数年前のこと。

なかなか訪問する機会がなかったのですが、この度

やっとお邪魔してきました。

昼夜1組のみの一軒家です。

シェフは、この地で生まれ育った萩春朋さん。

学校を卒業後、東京のレストランを皮切りに、

リヨンのビストロなどで修業。

オランド大統領や、モナコのアルベール大公に食事を

作ったこともあります。

コンセプトは、「福島風土料理」。

萩シェフの福島を愛する熱い思いが、終始一貫満ち溢れています。

福島といえば、海あり、山あり、そして、フルーツ大国でも

あります。

そして、驚くべきは、県外には出たことがない、素材の数々。

開店してから20年。

シェフが、一人一人の生産者と直接会って、その場で、

選別し、いいものだけを仕入れています。

この日も、満州黒豚というのをいただきました。

東条英機が満州から連れてきた豚だそうで、

今では、いわき市の90代の方が一人だけ飼育しているという

希少品。100㎏くらいの仔豚だそうです。

また、無農薬、無化学肥料の自然米で酒を造っている

仁井田酒造さんの甘酒をフォアグラと合わせた料理や、

震災後、生産者が一人だけになってしまった皇室献上の

羊など、福島の「恵み」を存分に楽しませていただきました。

福島といえば、気になるのは、放射能の汚染。しかし、

今でも全数検査を実施しているとのことで、安心して

いただけます。心無い風評被害のことはずっと聞いていたので、

微力ながら、応援したいという思いもありました。

オープンキッチンのリビングは心地よく、シェフが料理に

とりかかるたびに、いい香りが立ち込めます。

コースは、10000円、15000円、20000円。

ワインペアリングもあります。

この日は、15000円のコースで。


1、福島地豆
 
  満州黒豚、大豆、蚕豆、毛蟹、
  いちじく、会津地鶏、川俣シャモ、福島牛

  *牛、シャモ、黒豚はコンソメに。
  *満州黒豚は、フォアグラ、ピスタチオと  
   テリーヌに。
   力強い豚の味です。
  *いちじくは突然変異種で、枝の上で熟成したような
   状態になるもので、この木だけとのこと。
   身がジュレみたいになっていて、ソースがわりに。
  *大豆は豆乳にしてゼリーに。
   蚕豆の赤ちゃんのムースと。

2、MEHIKARI

メヒカリ、アスパラ
  
  100匹の水揚げから、いいものだけをその場で選別すると
  10匹のみ、とのこと。
  メヒカリは、いわきの市魚だそうです。
  骨も身も柔らかで、ふわふわ。
  炭酸水を入れた衣で、サクサクに揚げて。

3、仁井田本家

  糀、フォアグラ

  仁井田酒造の甘酒の泡と、それを液体窒素で固めたもの
  の上に、仏産キャスターフォアグラを。
  フォアグラも温かいところから冷たいテリーヌ状に
  火入れを変えてあり、両方を楽しめます。
  自然派の米とフォアグラのマリーアジュ。
  この糀が抜群に美味でした。

4、世界一の桃

  桃(黄貴妃)、ガストロパックホッキ貝、
  白ツブ貝

  世界一の糖度と言われる古山果樹園の桃を
  丸ごと少し冷凍してくり抜き、その中に、
  ガストロパックで海の味をいれたホッキ貝と、
  白ツブ貝を。
  ツブ貝よりずっと希少な白ツブ貝の旨味と、
  コリコリした食感を楽しみました。

5、漆黒からの感謝

  ホシガレイ、とうもろこし、在来きゅうり、
  キャビアライム

  「震災のときの想い出は、どれもモノクロ。
   でも、その真っ暗なときに、たくさんの生産者
   さんに助けてもらった。福島の魚はすべていなくなったが、
   そこから復活した魚に感謝」と語るシェフ。
  その感謝を表現した一品。

6、耕作放棄地に花を

  アワビ、ホタテ、オクラ、のどぐろ、ヤリイカ、
  サフラン、在来トマト、つるむらさき

  耕作放棄地に花を、と言って、サフランを育てている
  若者に出会ったそうです。
  そのサフランを使って、福島の海のエキスを閉じ込めた
  スープ。すべてミンチにしてコンソメをとるそう。
  海の幸ももりだくさん。

  素晴らしい出来のサフラン。香りがいいです。

7、皇室献上の羊

  羊、ハーブ

  震災前は生産者さんもたくさんいましたが、
  今では、この羊を育てているのは一人だけ。
  一頭買いして、いろいろな部位を挽肉にし、
  塩だけでいただきます。
  国産のルーサンという餌だけで育てているそうで、
  かなりコストもするそう。
  紫蘇とミョウガの風味がよく合います。

8、福島の大地

  福島牛、栗

  シェフの親友、草野純一さんが育てた牛。
  オーブン焼きにしてから炭火で。
  素晴らしい火入れ。
  ソースは、仔牛のフォンドボー。
  会津の焼き栗がたっぷりで、
  感涙もの。

9、砂糖不使用(福島の蜜)

  糀糖、ジャージー牛乳、葡萄、パッションフルーツ

  福島で集められる天然の蜜で作ったデザート。
  糀糖とジャージー牛乳はプリンに。

10、カモミールとシトラスのハーブティ

11、又兵衛さんの酒粕トリュフ


パンは、福島産小麦で焼き立て。
抜群に美味です。

バターは、福島のジャージー牛100リットルから
4kgだけできた福島産バター。
夏場のもので、あっさりしています。


食材、生産者について詳しく書いたメニューを

用意してくれているので、思いを馳せながら

食事を楽しめます。

食材を厳選していて、いいものだけを使っており、

その上、シェフの長年の経験と技で、

まさにここでしか経験できない極上の

福島風土料理を楽しめました。

シェフの謙虚なお人柄に接し、

あっという間に午後の時間が過ぎていきました。

生産者さんの日頃の努力を肌で感じ、

こうして楽しませていただきながらも、

消えゆく素材をなんとか復活できる一助に

なればいいな、と、そんなことをひしひしと

感じ、ただただ、福島の豊かさとそれを支える

生産者さんや関係する皆さまに感謝あるのみです。

また、ぜひお邪魔したいお店です。


  • 世界一の桃
  • 漆黒からの感謝
  • 仁井田本家

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