ガレットブルトンヌさんのマイ★ベストレストラン 2017

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

昨年もたくさんの美味しいものとの出会いがありました。

順位は関係なく、ただただ、日々精進し、おいしいものを作ってくださる

シェフ、料理人の皆さんに感謝です。

マイ★ベストレストラン

1位

グルマンディーズ (広尾、六本木、乃木坂 / ビストロ)

18回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2024/02訪問 2024/02/28

グルマンディーズ 賛歌

7年前、初めて訪問したときのことを

今でもよく覚えています。

パリの友人から、凄腕シェフが、帰国してお店を

出した、という話を聞いたのが、きっかけでした。

まだだれも知らないレストランでした。

初めて、海老のパスタや、お肉をいただいたときから

すっかり魅了され、そのころは月1で通っていました。

数年前から、人気が爆発し、今では超予約至難なお店に。

そして、今年は、食べログゴールドアワードも

受賞。

なんだか、我が子の成長を見守っているような

気分になってしまいます。

予約至難店になった途端に、

天狗になってしまうシェフもいらっしゃいますが、

北斗シェフは、7年前となんら変わらず、

真摯に料理と向き合い、ディテールまで配慮し、

腰が低いまま。

できそうで、なかなかできないことです。

「毎回、同じメニューで、飽きませんか?」

と冗談まじりに質問されます。

飽きるどころか、毎日でもいただきたいです。

世界のどこにもない、北斗料理。

さらりと、出してきますが、実は、どれだけ

手がかかって、考えつくされているか、

あまり多くは語られません。

もう20回以上通っているとは思いますが、

この日、初めて聞く話も多々登場。

食後も、ソーテルヌをサービスして

いただきながら、この日のフーディーメンバーと

楽しい会話は尽きることなく、いい宵でした。


いただいたもの。

1,キャビア
  ブリニに、ハーブをいれたクリームチーズ。

2,メカジキのベニエ
  リンゴや多種類の野菜を使った
  サラダと。
  この日のベニエには、クミンを忍ばせて。
  オリジナルのグリビッシュソースも相変わらず、
  素晴らしいです。

3,三田牛のカルパッチョ
  メロンと湯剥きトマト、
  細かくシュレッドしたチーズと。

4,海老のパスタ
  ベニエがスペシャリテ、だと、
  食べログ受賞ムービーで語っていましたが、
  どう見ても、こちらがスペシャリテ
  と思えます。
  パスタを出すなんて、フレンチじゃない、と
  言った人がいるそうですが、
  イタリアンのシェフでは、こういう
  パスタは作りません。

5,三田牛 
  この日は、ラムシンです。
  フライパンだけで焼き上げる、
  至極の技。
  お肉の旨味を閉じ込め、
  口の中で、爆発します。

6,ロールケーキ
  美しい黄色で、しっとりと焼きあがった
  生地に、クリームのテクスチュアが
  合います。

7,ティー

パンが、自家製になっていました。

お供は、
赤ワイン
La Pousse d'Or
Les Caillerets Volnay 1er Cru
2014
とてもエレガントで気品があります。


北斗シェフの話は、この日もまた

結構深く、夜が更けるのも忘れるほど、

楽しい時間でした。



こちらに通って、6年の歳月が流れました。

その間、お邪魔したのは、20回を超えます。

ここ数年、超予約至難なお店になり、

なかなかお席がとりにくくなりました。

それでも、初めと変わらず、いつも謙虚な

姿勢を忘れず、進化を続ける北斗シェフには、

感心させられます。

開店当初から通っていても、予約至難になるにつれ、

当初のことは忘れてしまうシェフたちも多いですし、

それが世の常です。

実るほど頭を垂れる稲穂かな、

は、なかなかできることではないと、

これまであらゆる分野の方と接してきて、

実感しています。

さて、これまでも、いろいろ書いたので、

今回は、少し別の視点から書いてみたいと

思います。

北斗シェフは、男前ですが、気概も男前そのもの。

いつもいただくワインは、私の好みも把握

していただいているので、おまかせしています。

このワインのセレクトが、とにかく素晴らしく、

実は、この価格ではとても合わないのでは、と

心配になるほど。 いや、心配です。

ですが、お料理とのマリアージュを考えると、

妥協をしたくない、と思っていらっしゃる様子。


そんな北斗シェフの思いと技に、

この日も存分に浸ってきました。

コースは、いつも通りですが、

冬は、牡蠣のリゾットを追加で

リクエストしています。

これはもうかなりお勧めです。

では、内容です。

1,キャビアとブリニ

2,メカジキのベニエとサラダ

3,三田牛のカルパッチョ

4,海老のパスタ

5,三田牛ランボソのステーキ

6,牡蠣のリゾット

7,ロールケーキ

8,紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
La Pousse d'Or
Chambolle Musigny 2019

いつもはボルドーですが、
今回は、珍しくブルゴーニュ。
エレガントなワインを選んで
いただいたことに、感謝。


こうして変わらぬ味をキープし続けることも

並大抵のことではないはずですが、

キープどころか、進化させているのに、

涼しい顔です。

そうそう、この日は、帰りがけに、

ちょっとお茶目な表情を見せてくれたので、

ぱちり。

もう次が待ち遠しいです。



初めてこちらを訪れたのは、今を去ること6年前。

ネットにも載っていない、誰も知らないお店でした。

しかし、北斗シェフの実力を知り、衝撃を受けたのを

昨日のことのように覚えています。

当時、北斗シェフは、あまりにもお客さんが来て

くれないので、「もう辞めようかと思っています」と

ポツリと話していました。

今や、1年以上先まで予約が取れない超人気店になりましたが、

計らずも、この日、その当時の思い出話に花が咲きました。

今は、1か月以上休みなく働いています、という北斗シェフに、

同席者の一人が、

「どうして、そんなに働けるんですか?」と質問すると、

北斗シェフが語り始めました。

開店して2年、お客さんがほぼ来ない日が続き、

食材も無駄にし、家賃や人件費などがかさんで、

絶望に苛まれていた日々。

そこから、いろいろなご縁があって、たくさんの応援して

くれる人たちとの出会いがあり、今があるので、

こんなに1年以上予約をいただいて、感謝あるのみ、

なので、頑張れます、と。

北斗シェフの実力なら、当然といえますが、

諦めず、やり続けたシェフの思いと意志の強さに

改めて、感動しました。

という心温まる思い出話を織り交ぜながらも、

いつものように、ワンオペと思えないほど、

魔法のように素晴らしいお料理が登場します。

毎回、ほぼ同じメニューです。

何度でも書きますが、何度でもいただきたくなる

お料理です。

さらりと供していますが、

例えば、人気の海老のパスタは、

一人に2㎏の海老を使用しています。

素材の贅沢さに加え、北斗シェフの技が冴え、無敵。


この日、いただいたもの。

1,ブリニ、クリームチーズ、キャビア

2,鰆のベニエとサラダ
  相変わらず、サラダのきめ細かな作業に
  感嘆し、
  鰆は、ムースのようにふっくらと包まれています。
  ソースは、グリビッシュに似ていますが
  シェフオリジナル。

3,三田牛のカルパッチョ
  なんだか、すごく厚切りになっていました。

4,海老のパスタ
  「悶絶のパスタ」と命名したいです。

5,三田牛
  相変わらず、驚嘆を通り越す、いい焼き加減。
  天才です。

6,牡蠣のリゾット
  1年待ちました。これが食べたかった~~。
  リクエストしておきました。
  北斗シェフ、ほかのことは忘れますが、
  こういうリクエストだけは、けして
  忘れません。笑

7,ロールケーキ
  ものすごく厚切りで出してくださいました。
  スポンジのしっとり感と、クリームのテクスチュアが
  とても合っています。
  「お兄様の作ですか?」とジョークで言ったら、
  怒ってました。笑

8,紅茶

お供は、赤ワインをグラスで。
もう好みを完全に把握してくださっているので、
おまかせです。


だんだん、シェフズサロンのような雰囲気を

帯びてきました。

この日も、北斗シェフのフィロソフィーに

改めて触れ、

ああ、ここが人気店になってくれてよかった、と

思うと同時に、

予約至難になってしまったことを

ちょっとだけ、憂いながら帰途についたのでした。



15回目の投稿になります。

レビューを書いていない回もあるので、

たぶんもっとお邪魔しています。

が、本当に人気爆発で、年々予約至難に。


毎回ほぼ同じメニューですが、

毎日でも食べたい、と思わせるほどの

完璧なクオリティ。

しかも、今回、心底、驚いたのは、

さらに進化を遂げていたのです。

もともと、超ストイックで、妥協をしない

北斗シェフではありますが、

この人気に甘んじないで、自己鍛錬を

続けていることを目の当たりにし、

もう無言になっていましました。

今回は、最後の牡蠣のリゾットが

特に進化著しく、感涙。

では、内容です。

1,キャビア、クリームチーズ、ブリニ

2,鰤のベニエ
  リンゴをアクセントにしたサラダ

3,三田牛のカルパッチョ
  いつもながら、艶々した抜群の仕上がり。

4,海老のパスタ
  これもさらに進化しています。
  次にいただくのが、数か月後になるかと
  思うと、泣けてきます。涙涙

5,三田牛 シンシンのステーキ
  焼きの技は、どこまで進化するのでしょうか。
  抜群です。

6,牡蠣のリゾット
  あまりの旨味に、
  作り方を詳細まで尋ねました。
  挑戦するつもりですが、
  これをいただいたあとでは、
  撃沈が目に見えます。笑

7,焼き菓子
  ・シュトーレン
  ・杏のケーキ
  ・トリュフショコラ

8,紅茶

お供は、
赤ワインをグラスで。
もう好みを完璧に把握していただいています。


数か月ぶりにお邪魔したら、

バゲットがチャバタになっていたり、

お皿の新作が使用されていたり、

ディテールも刷新。


シェフが幸せだと、まわりも幸せオーラに

包まれるのでしょう。

北斗シェフと出会ってから、この日が

最高の満足感でした。
  


こちらに通いだして5年が経ちました。

すっかり、予約至難のお店になり、

嬉し悲しですが、人気になったのはいいことです。


北斗シェフの技もさらに円熟味を増してきました。

毎回、ほぼ同じメニューをいただくわけですが、

何度いただいても、満足度が高く感心します。


北斗シェフのストイックなまでの集中力と、

クラシックの確たる技法のうえに成り立つオリジナリティ。


またいつものように、よもやま話から始まり、

コースが開始。

1、キャビア
  ブリニと、クリームチーズのペーストと。
 
2、鰆のベニエ
  ハーブのサラダと。

  ベニエのアイテムは季節で変わります。
  ケッパーベースのソースで。

3、三田牛 外腿のカルパッチョ
  相変わらず 怪しいまでの美しさ漂う
  一品。

4、海老のパスタ
  お肉もさることながら、このために
  通っていると言っても過言ではありません。
  他では絶対に味わえない秀逸さ。

5、三田牛 内腿とランボソのステーキ
  今回は、部位2種。
  相変わらずの焼きの技。
  外側は、心地よいまでにカリッカリで、香ばしく。

  今回は、自家製マスタードで。
  ピクルスが効いていて、お肉とのマリアージュが
  抜群です。
 
6、カヌレ
  バスクチーズケーキ
  ショコラ
  杏のケーキ

8、紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
北斗シェフは、私の好みを完璧に把握してくれているので、
いつも美味な赤。
Chateau d'Armailhac Pauillac 1996
完璧です。


毎回、思うのですが、

一人で、仕込み、料理をし、サービスをしているのに、

まったく焦ったりすることはなく、

淀みなく、料理が登場し、

しかも、おしゃべりも楽しく、

いい時間を過ごさせていただきます。

さて、次はまた、かなり先になりそうですが、

今から楽しみです。



初めてお邪魔したのは、2017年夏でした。

まだ、だれにも知られていないお店で、

情報もほぼなく、パリ在住の知り合いからちらっと聞いた

北斗シェフの話を頼りに、伺ってみました。

あまりの感動に、その年は、ほぼ1か月に1度のペースで

伺っていました。

以来3年半。

今では、1年後まで予約がいっぱいの人気店になりました。

人気になってくれたのは、うれしいですが、

予約が取れないのは、悲しいです。

北斗シェフのお料理には、彼のストイックさ、真摯さが

そのまま表出されています。

なので、何度でもいただきたいお料理ばかり。


この日は、北斗シェフから幸せオーラがいっぱいに醸され、

こちらまで、うきうきするようなムードです。


いつものコースですが、季節感を反映し、

ちょっと変化球。


1、キャビア
  ブリニと、クリームチーズのペーストと。
 
2、アブラガレイのベニエ
  ハーブのサラダと。

  ベニエのアイテムは季節で変わります。
  ケッパーベースのソース

3、白子のブイヤベース
  お皿に、白子が。
  ブイヤベースのソースをあとから
  注いでくれます。
  蟹、穴子、イカなどが贅沢に使用された
  ブイヤベース。

4、三田牛 外腿のカルパッチョ
  相変わらず 繊細なチーズとの相性抜群

5、牡蠣のクリームリゾット
  今回は、海老のパスタに変わり、
  季節を映し、これです。
  これまた、抜群の旨味。
  牡蠣のエキスがクリームに染み出て、
  幸せそのもの。

6、三田牛 外腿 ステーキ
  相変わらずの焼きの技。
  ルビー色に輝く身質。
  外側は、心地よいまでにカリッカリで、香ばしく。

  なんと、今回は、ベロネーズソースを用意して
  おいてくれました。
  ステーキと、ベロネーズソース。
  まさに、パリのビストロにいざなわれます。

7、カヌレ
  フィナンシェ
  ショコラ
  杏のケーキ

8、紅茶


お供は、赤ワインをグラスで。
北斗シェフは、私の好みを完璧に抑えてくれているので、
いつも美味な赤。
Chateau d'Armailhac Pauillac 1996
完璧です。


なにも言うことなし。

このお店と出会って、本当によかった、と思えます。


自粛中ではありますが、

半年前に入れていた予約なので、ここは万難を排し

お邪魔しました。

もともと、オオバコではないので、いたって安心。

しかも、北斗シェフの細やかな気づかいとストイックなまでの

注意力を存じているので、心配無用でした。


いつものコースに加え、新作も登場し、

相変わらずの向上心に驚きます。

海老のパスタやお肉をいただくと、

フレンチにこだわらないおいしいもの、という印象が

強いですが、

この日登場した料理は、THEクラシック。

やはり、こういうものを作らせると、抜群な実力を

発揮します。

では、この日の内容です。


1、キャビアとブリニ
  いつものスタートです。
  クリームチーズをたっぷり。

2、鯵のベニエ サラダ仕立て
  前回の鯵のベニエとちょっと衣の作り方を
  変えていました。
  ケッパーなどのソースと。

3、三田牛のカルパッチョ
  毎回ですが、繊細なチーズのカッティング。
  三田牛のしっとり感と艶。 文句なしです。

4、ボロボン
  クラシックフレンチのラインアップです。
  本来は、大きな丸いパイ生地にチキンなどの
  クリーム煮を詰める料理ですが、
  シェフは、一人用の小さな円形パイに、
  魚介を詰め、外側にもたっぷりの具材とソース。
  クラシックフレンチ好きにはたまりません。

5、海老のパスタ
  これが食べたくて、通っているようなものです。
  やはり、何度いただいても、他には絶対にない、
  素晴らしさ。

6、三田牛
  この日は、腿とハラミ
  はい、今回も完璧なおいしさ。

7、サーモンとトマトのオイルパスタ
  ここでコースとは別に追加。
  「まかないみたいですが、すみません」なんて
  言いながら、シェフがちゃちゃっと作ってくれました。
  これがまたとんでもなく美味。

8、デセール
  焼き菓子 4種
  いつもより、1種類多いです。
  ・いちごのタルト
  ・フィナンシェ
  ・カヌレ
  ・ショコラ

9、紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Simard
サンテミリオン 2007


シェフは、ルールをきちんと守って営業中。

この日も、スタートを5時半に繰り上げてもらいましたが、

ついついおしゃべりが弾み、長居してしまいました。


北斗シェフの探求心に、毎回感動します。


早くこの事態が収束し、安全な日々が戻りますように。


<自粛前の訪問です>

昨年秋に続き、14回目の訪問です。

初めて訪問したころは、ほぼ毎月伺えていたのですが、

このところ、次の予約が遠い先になってしまったのが

残念です。

しかし、北斗シェフのお料理は、日に日に進化を遂げ、

安定感さえ感じてきました。


この日は、定番のコースに加え、

マンステールチーズのムースが初登場。

もうすっかり私の好みも把握してくださり、

このチーズのムースもしっかりと心に刻み込まれました。

相変わらずの肉の火入れの秀逸さ。

海老のパスタの奥行き感。

あやしく輝く三田牛のカルパッチョの魅惑。


こうして「グルマンディーズ」アディクトとなるのです。


では、この日の内容です。

1、キャビア、ブリニ、クリームチーズ

2、鯵のベニエのサラダ

3、三田牛のカルパッチョ

4、海老のパスタ

5、三田牛腿肉のロースト

6、マンステールチーズのムース
  しっかりとしたテクスチュアに見えますが、
  いただくと、柔らかく、かといって、
  ムースほどふわりとせず、心地よい食感が
  あります。
  マンステールですが、マスカルポーネと合わせ、
  クセを消して、マイルドに。
  技ありの新作。

7、焼き菓子
  ・フィナンシェ
  ・カヌレ
  ・ショコラ

8、紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Calon Segur
ハートが心に残ります。


いつもながら、非の打ち所がない、

真摯、誠実、一点の曇りもないパーフェクトな

料理とホスピタリティ。

ますます磨きがかかっています。



13回目の訪問となりました。

初めてこちらにお邪魔したのは、2年前の夏。

そのころは、ほぼ知られていないレストランでした。

長谷川北斗シェフのことを知ったのは、

3年ほど前のこと。 パリ在住の友人からでした。

詳しい話はなにも聞かされず、ただ天才的なシェフだ、

ということだけ。

パリの「トゥール・ダルジャン」を経て、2つ星レストランの

シェフや、大統領のおかかえシェフを歴任したことを、

あとで知り、その力量に深く納得したのでした。

が、13回を数え、この日というこの日は、

北斗シェフの奥行きの深さ、尋常ならざる探求心、

料理への情熱を、痛いほど実感したのでした。


半年ぶりの訪問。

予め、いつもと同じものが食べたい旨、伝えてありました。

淡々と供される一品一品ですが、

そこには、変化球もあり、

いつもの三田牛の焼きもさらに進化。

細やかな神経が行き届いたディテールの

完璧な仕上がり。

一点の隙もないその技に、頬が緩みます。


では、この日の内容です。

1、ブリニ、キャビア、チーズのペースト
  ここから始める北斗シェフのフィロソフィーを
  やっと理解できたような気がします。

2、鶏レバーのパテとブリオッシュ
  濃厚なパテとふわりと仕上がった
  ブリオッシュのクラシックな
  マリアージュ。 大好物です。

3、鯖のテリーヌ
  身厚な鯖を白ワインビネガーでマリネし、
  マッシュポテトとテリーヌに。
  美しい鯖の色のグラデーション。
  添えられたサラダはナッツがアクセントで
  鯖の味を引き立てます。

4、三田牛のカルパッチョ
  相変わらず、上質な三田牛と
  繊細な美しさのチーズ。

5、海老のリゾット
  パスタがリゾットになっていました。
  パスタもいいですが、リゾットだと
  一層海老の濃厚さが際立ちます。

6、三田牛 内もも
  何度いただいても、感動します。
  フライパンのみで焼いているとは
  思えない、天才的な火入れ。
  微妙な火入れに、ますます技が
  冴えていました。

7、焼き菓子
  ・フィナンシェ
  ・トリュフショコラ
  ・カヌレ

紅茶

バゲット

お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Croizet-Bages Pauillac 2003
三田牛との相性は最高です。


ストイックなまでの料理との向きあい。

それでいて、そんなことは全く感じさせない

温かさ。

予約至難になってしまったのも、うれし悲し・・・。



2年前、初めてお邪魔して以来、

もう何度通ったでしょうか。

久々のレビュー更新です。

いつも、ストイックなほど、真面目に料理と向き合う

長谷川北斗シェフ。

お客様への感謝の気持ちをかたときも忘れない、という

姿勢が、ホスピタリティにもにじみ出ています。

昨今、予約至難になってきたのが、悩みですが、

シェフは、活気のあるオーラを放ち、

元気全開の様子。


すっかり、私の好みも覚えてくださり、

ワインも、なにも言わなくても、飲みごたえのある

フルボディを用意してくれます。

いつも通り、6500円のコースに、

デセール、お茶をつけたものを。

この日は、上質なホワイトアスパラガスがあり、

プラス料金でいただきました。

では、内容です。

1、キャビア
  伝統的なブリニと、ハーブ入り
  クリームチーズで。

2、白魚と筍のフライのサラダ
  このフライは、いつも具材が季節に応じて
  変わります。
  それに伴って、下のサラダの具材も変化。
  ディテールがますます充実しています。

3、ホワイトアスパラガスとセップ茸
  ジュドヴィアンドのソースのコクが
  あまりにも素晴らしい。

4、三田牛のカルパッチョ
  繊細にカットしたチーズに包まれて、
  三田牛が艶々に輝いています。

5、海老パスタ
  夢にまで出てくる、この史上空前のおいしさ。
  やはり、おいしい。 その一言です。

6、三田牛ロースト
  いつもより、大きなカットで焼いて
  いただきました。
  相変わらず、天才的な火入れ。
  三田牛の滋味を余すところなく、伝えて
  くれます。

7、焼き菓子3種
  フィナンシェ
  フルーツケーキ
  ガナッシュ

8、紅茶

バゲット


お供は、赤ワイン
Chateau d'Armailhac
Pauillac 2013
凝縮した果実味があり、しっかりしたコク。
好みです。


はい、今回も、文句なしの最高な

出来栄え。

これだけいただいても飽きず、

またすぐいただきたくなる料理は

なかなか少ないです。

日々の精進がどれほど大事か、

シェフのお料理を通じて、学ばせていただきます。



広尾駅から徒歩7分ほど。

初めて訪れたのは、ちょうど1年前。

まだ、まったく知られていないレストランでした。

それから1年。 あれよあれよという間に、TOP500入りし、

超人気店へ。 このところ、予約も取りづらくなり、

嬉しいやら、悲しいやら。

とはいえ、お気に入りのこちら。

月1回ペースでお邪魔しています。

このところ、アップが滞っていたので、たまには

進化の様子をお伝えします。

定番の海老のパスタとお肉は何度食べても

いいですが、シェフが気を使ってくださり、

前回は、そば粉のタリアテッレのジェノベーゼや、

お肉の一部をリゾットと供してくださったり、

鮎のフライのサラダが登場したり、多彩でした。

さて、今回は、また定番に戻しつつ、

実は、シェフが少しづつ、改良を加えていることが

わかります。

今回は、それに加え、スペシャルオーダーで、

大好物のパテ・アンクルートを作っていただきました。

それでは、コースの内容です。

コースは、メインまでが6500円。

デセールとお茶をいれると、8000円。

スペシャルオーダー入りで、10000円でした。


1、キャビア

  丁寧に作られたブリニに、ハーブ入りの
  クリームチーズとキャビア。
  こだわりのアミューズです。

2、パテ・アンクルート

  リドヴォー、鴨肉、フォアグラ、豚肩ロース、
  マッシュルームなどが混然一体と溶け合って、
  パイの中に旨味が閉じこめられ、極上のコクと
  食べごたえ。 
  付け合せのサラダには、セロリやドライのアンズが
  使用され、これまた考え抜かれたガルニ。

3、三田牛のカルパッチョ

  定番です。
  最上の三田牛のねっとりした旨味。
  繊細にカットされたパルミジャーノ。
  何度でもいただきたい美味しさ。

4、海老のパスタ

  これぞまさしく、このために通っている
  といっても、過言ではないのですが、
  今回、さらに進化していました。
  シェフに聞くと、
  「わかりました?
   ちょっと作り方を変えてみました」と
  言って、どこが変わったか説明もしてくれました。
  くっきりとしたコクと、香味が高くなっています。
  日々、進化し、料理と向き合うシェフの真摯な姿勢を
  目の当たりに。

5、三田牛ロースト

  外腿肉とリブロース。
  三つ星シェフたちが焼き方を習いにくる、
  という、もはや伝説の三田牛の焼きです。

6、焼き菓子

  フルーツケーキ
  フィナンシェ
  ショコラのガナッシュ

7、紅茶

お供は、赤ワインを。
Saint-Julien 2012
カシスのような果実味があり、
フルボディの上質なコク。好みでした。

 フランスでは、2つ星のシェフや要人のおかかえシェフも

 経験し、惜しまれつつ帰国。

 料理へのひたむきな姿勢、

 真面目な性格、

 細部へのこだわり。

 まだまだ進化するシェフから目が離せません。


  
昨年より、私の最も愛するレストランのひとつで、

ヘビーリピートしています。

そして、今年も足しげく通っています。

コースとアラカルトがありますが、

ほぼ毎回、海老パスタと牛肉のカルパッチョと

シェフ特製ステーキが食べたくて、コースに。

何度いただいても、いつも、深く感動。

そして、毎回、初めての友人を連れていくと、

皆、感動してくれるので、 

シェフを差し置いて、私がドヤ顔になってしまいます。笑

この日も、とても長時間かけて作るという海老のソースのパスタも、

お肉の天才的焼き加減も、いつにも増して進化がありました。

さらに、変化球として、いちじくのベニエを作ってくださいました。

つい最近、房総半島で、たまたま入ったカフェが、いちじく農園の

経営するもので、いちじくについて、いろいろ勉強したあとだったので、

シンクロニシティを感じます。

この日の内容です。

1、キャビア

  自家製ブリニに、クリームチーズとキャビア

2、いちじくのベニエと生ハム

  下には、ナッツ類のたっぷり入ったサラダ
  とりわけ時に、ゴルゴンゾーラのクリームをトッピング

3、三田牛のカルパッチョ

  上質な三田牛で、とろけるテクスチュア。
  繊細なパルミジャーノのカットがコクを
  添えます。

4、海老のパスタ

  はい、これは、もう毎日でもいただきたいです。

5、三田牛

  フライパンだけで焼く、天才的火入れ。
  この日も、長谷川シェフの焼きに関する考え方を
  じっくりと聞きながら・・・。

6、焼き菓子 3種
  ラムレーズンのパウンド
  フィナンシェ
  パトリック ロジェのショコラのガナッシュ

7、ミントティー

バゲット

お供は、赤ワイン。
Les Fiefs de Lagrange 2012
カベルネ60%、メルロー34%、プティヴェルド6%
AOCサンジュリアン
ボディ感があり、品もあり、こちらのお肉には、
とてもいい相性です。

 この日も、満点の出来。

 毎回、期待以上のパフォーマンスです。

 シェフの誠実で、真面目なお人柄の成せる業。

 また、すぐいただきたくなります。


  
昨年、私の中ではベスト1に輝いたこちらに

今年も早速お邪魔しました。

いつも折り目正しく、清潔感あふれる長谷川北斗シェフが

笑顔で迎えてくれました。

皆が集まる前に、年末年始の話で盛り上がり、

早速今年も定番のラインアップから。

今回は、それに加え、リゾットもトライしてみました。


1、キャビア           自家製ブリニに
                

2、鱈の白子のフライ       サラダの上に、揚げたての鱈の白子。
                 旬真っ盛りで、トロっとして濃厚。
                 松の実やナッツ、マッシュルームが            
                 たっぷりで、ほのかにシトラスが。

3、三田牛カルパッチョ      繊細なカットのチーズがよく合います。
                 

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 他にはない、旨味。
                 同席した皆が唸ります。

5、三田牛外腿          今回は外腿と内腿両方。
                 レアがNGな友人のために
                 ウェルダンの仕上げも作って
                 くれましたが、それまでも
                 友人が感動するほどの旨味。
                 3つ星レストランのシェフたちが
                 焼き方を聞きにくる、はずです。
                
              
6、帆立貝のクリームリゾット   お初です。
                 フレッシュな帆立貝をポワレし、
                 とろりとしたクリームリゾットの
                 上に。
                 品のあるコク。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

7、ハーブティ

ワインは、MOULIN D'ISSAN 2014。
     カベルネとメルローで、プラムのような
     風味。マイルドですが、しっかりボディ感
     もあり、好みです。

はい、今回も満足度高し。

今年も日参することになりそうです。


今年初めて伺ったレストランの中では、

超ド級に衝撃的だったこちら。

今回5度目の訪問に。

海老のパスタとお肉の焼きには、毎回唸らせていただきますが、

今回は、長谷川シェフからの提案で、ブイヤベースもあります、とのこと。

シェフは、海老のパスタのかわりにどうですか? とのことでしたが、

海老のパスタは外せません。 もちろん、コースにブイヤベースをオンして

いただくことに。 

いただいたもの。


1、キャビア           自家製ブリニに、キャビア
                 いつものスタートです。

2、鱈の白子のフライ       サラダの上に、揚げたての鱈の白子
                 旬真っ盛りで、トロっとして濃厚。

3、三田牛カルパッチョ      この日の三田牛は、いつにもまして、
                 艶やかでした。

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 他にはない、旨味。

5、三田牛外腿          前回の焼きも素晴らしかったですが、
                 日々成長を感じます。
                 言うことなし、です。

6、ブイヤベース         お初です。
                 濃厚なスープが銀器で登場。
                 えもいわれぬ芳香が・・・。
                 お皿には、牡蠣と鮃。
                 その上からスープ ド ポワソンを
                 たっぷり。
                 しっかりした塩味ですが、塩はまったく
                 使用していない、とのこと。
                 いったい、これにもどれだけの時間を
                 費やしたのか。
                 さすがの仕上がり。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

  ベルガモット入りルイボスティー

 お供は、Les Fiefs de Lagrange 2011 Saint Julien
 メルロー31%で、ふくよかでリッチなコク。
      シェフも、もう好みを覚えてくれました。

 今回も、満足度マックス。

 まだまだ通います。

今年、発見したお店の中で、最も気に入っているお店です。

というわけで、今回4回目。

通えば通うほど、長谷川シェフの奥深さが見えてきます。

初めは、シェフの経歴にも驚きましたが、

その経歴で訪れるのではなく、素にシェフの料理を味わってほしいと

思ったので、あえて、これまで経歴の詳細は書いていません。

料理に対するフィロソフィー、そして、真摯な向き合いの深さを

知れば、その味に納得ができます。

今回は、これからの構想の話などにも花が咲き、またまた楽しい一夜でした。


さて、この日は、特別に、パテ・ド・カンパーニュをリクエストして

再訪。

1、キャビア           自家製ブリニに、キャビア
                 いつものスタートです。

2、パテ・ド・カンパーニュ    長谷川シェフのものは今回初めて
                 いただきました。
                 「時間をかけて、丁寧に作りました」と
                 言う通り、しっとりした口当たり。
                 肉に旨味をぎゅっと閉じこめています。

3、三田牛カルパッチョ      滑らかで艶のあるカルパッチョ。
                 何度いただいても、またすぐ
                 恋しくなります。

4、海老のパスタ         これも何度でもいただきたい一品。
                 大量の海老を使用している、との言葉が
                 すべてを物語っています。
                 いやはや、これはもう他では絶対に
                 いただけません。

5、三田牛外腿          フライパンのみで焼いています。
                 これまでの4回で、今回は特に秀逸な
                 火入れでした。 外側のカリカリ感と
                 中のルビー色に光る肉質。
                 シェフ、渾身の作品。
                 三つ星シェフが習いに来るのも頷けます。

6、焼き菓子           フィナンシェ
                 ラムレーズンのケーキ
                 パトリックロジェのショコラのガナッシュ

  ベルガモット入りルイボスティー

 お供は、Branaire Ducru 2008.  ボディ感があり、気品のあるコク。


 さて、次は、なにをいただきに伺おうかな・・・・。
                 


あまりに気に入ってしまったので、3回目の訪問。

こじんまりした店内ですが、毎回、整然と片づけられ、

テーブルセッティングもきちんと。

長谷川シェフの真面目な性格がそのまま映し出されています。

さて、この日も、私があまりに絶賛したので、

「連れて行って~~~」という友人たちのリクエストにお応えしました。

そして、3回目も、まったく同じコースをいただきました。

海老のパスタとお肉は、秀逸すぎて、外すことは不可能です。

この日は、ものすごいsmall world 事件が起こり、店内で大盛り上がり

してしまいました。 

なにかエキサイティングなことが起こるこのお店。


さて、この日いただいたもの。

まずは、赤ワインを。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

お料理です。

1、アミューズ         ブリニ、キャビア、クリームチーズ

2、鮭の白子のフライのサラダ  珍しい、鮭の白子は前回と同じですが、
                フレッシュな桃と、たっぷりのくるみで。
             
3、三田和牛カルパッチョ    いちじくとたっぷりのパルミジャーノを。


4、海老のパスタ        これを作り始めると、店内にビスクの香りが・・・。
                けして、ぶれることのない、すごい技です。

5、三田和牛外腿とハラミ    今回は、外腿とハラミを食べ比べさせてくれました。
                ハラミは少し脂分が強いですが、
                両方、素晴らしい焼きです。
                これも安定感、抜群。
               
6、デザート          カヌレ
                フィナンシェ
                ショコラ

紅茶

バゲット

 次回は、「こんなものもありますよ」と、またまたすごい提案をシェフから

 いただいてしまったので、近々、伺おうと思います。



1か月前に、初めて訪れた感動を、周囲に語りまくり、

たくさんの友人たちから、「行きたい~~」という熱いラブコールが。

というわけで、再訪してきました。

実は、2回目というのは、いつもドキドキします。

というのも、1回目の感動が大きければ大きいほど、期待が勝手に一人歩きし、

2回目にいただいたときに、「あれ??」と思うことも少なからず。

しかし、長谷川シェフには、そんなことは関係なかったです。


以前と同じ、実直で、腰の低い、謙虚な物腰。 

シェフの部屋に招かれたような、落ち着く空間です。

今回も、前回と同じコースに。

海老のパスタとお肉は変えないでください、というリクエストだけして、

あとはお任せです。

まずは、赤ワインを。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

お料理です。

1、アミューズ         ブリニ、キャビア、クリームチーズ

                 前回は自分で盛り付けるように供してくれましたが、
                 今回は、きれいに盛り付け済み。

2、鮭の白子のフライのサラダ  これは、珍しい、鮭の白子。
                揚げることで、お味がしっかり。
                サラダのドレッシングは、
                オレンジ、レモン、GF、柚子をつめて、はちみつと
                合わせたもの。 穏やかな酸味が素晴らしい。

3、三田和牛カルパッチョ    いちじくとたっぷりのパルミジャーノを。

                 繊細に切ったパルミジャーノとお肉が絡まって
                 奥深い味わいに。

4、海老のパスタ        前回いただいて、夢にでてきそうなぐらい感激した
                一品。
                海老のソース、というより、これはビスクです。
                やはり、これはすごい、としかいいようがありません。

5、三田和牛外腿        「前回は内腿だったので」といって、外腿を用意して
                くれていました。
                実は、早めに来て、キッチンを覗かせていただいたのですが、
                生の状態では、かなりサシが入っていましたが、
                焼き上がると、サシは気にならず、むしろ赤身に近い
                くらいで、抜群の塩梅。
                この焼き、シェフがこだわっているだけのことはあり、
                唸ります。
                一人 150g。
                この間は、某有名日本料理店の方々がきて、一人
                600g召し上がったとか。

6、デザート          カヌレ
                ガトーブルトンヌ
                フィナンシェ
                ショコラ

コーヒー


  ピカピカに磨き上げられた卵型の銀器の蓋を開けると、クリストフルのカトラリーが。

  シェフは、黒手袋をして、フォークを取り出してくれました。

  毎日、磨くのだそうです。

  
  このお店によく来る、某有名シェフたちの話で、ひとしきりシェフとなごやかな

  時間を。

  今回も大満足。

  大事にしたいお店です。
それは昨年秋のこと。 

ある会食で、こちらのお店の話がチラっと出ました。

お肉がおいしいビストロとのことで、詳しい情報はなし。 しかし、なぜかずっと

気になって、BMしていました。

そして、この日、満を持してお邪魔しました。

料理はどれもシンプルながら、あまりの美味しさに、これはタダモノではない、と思い始めたのは、

コースの中盤戦。

食後、シェフといろいろお話しし、輝かしい経歴と、ドラマティックな人生にひたすら驚愕と感心。

7年の在仏中、「トゥール・ダルジャン」では、ソース、魚、肉の担当をしたとのこと。

オープンにしたくないとのことで、ここでは書くのは控えますが、それ以上に、かの地で素晴らしい

バックグラウンドをお持ちの、正真正銘の実力派です。

正当派エスコフィエの料理をやっていらしたわけですが、こちらでは、

肉をメインとしたビストロ料理を供しています。 キャリアに裏付けられた、唸る一品ばかり。


お店は西麻布の交差点から徒歩2分ほどのビルの2Fにあります。

店内は、4人掛けのテーブルが1つ。

2人掛けのカウンター席が2か所と、こじんまり。

壁には、大きな鏡や、絵画。

なんとソファとハンガーラックは、シェフの手作りだそうです。

コースは、アラカルトと、シェフお任せコース 6500円。(デセールは別)

コースの内容を聞いたところ、好みだったので、コースを選択。

まずは、赤ワインをグラスで。 マルゴー シャトー ローザン・ガシー 2010.

しっかりしたボディで、美味。


では、料理です。

1、アミューズ            ブリニ、キャビア、クリームチーズ

                   ロシアに花開いたフランス文化のような器で登場。
                   クリームチーズには、エシャロットとパセリが。

2、鯵のフライのサラダ        さくっと揚がった鯵が美味      

3、三田牛のカルパッチョ       フルーツトマトと無花果を牛のカルパッチョで覆い、
                   周囲には、極細に刻んだパルミジャーノを。

                   このカルパッチョが、あまりに美味だったので、
                   このあたりから、かなりテンションがあがってきました。

4、海老のフェデリーニ        これには、絶句。
                   海老のソースの奥行のある旨み。
                   どんな技を駆使すれば、こうなるのか・・・。
                   これで、ハートをグイっとつかまれました。

                   シェフによると、ソースは、フレンチの技法で。
                   しかし、麺好きの日本人にあわせ、ここでパスタを、とのこと。

5、三田牛 内腿肉          これには、脱帽。
                   一口いただいて、あまりの美味しさに止まらなくなりました。
                   シェフは、「フライパンで焼きました」とのことですが、
                   この焼き方、三つ星シェフまで聞きにくるそうです。
                   外は薄くかりっと、そして、大きな塊なのに、中まで
                   均一に火が通って、ジューシーそのもの。
                   火入れをしたり、休ませたりをせず、供するまで、ずっと火を入れ続ける
                   のが、決め手とか。

                   塩、こしょうだけ、ガルニもなし、のシンプルさ。
                   それでも、十分満足です。
                   ちなみに、300gを二人でシェア。

6、デセール             ここからコースとは別で、デセールは、焼き菓子です。
                   フィナンシェ、クイニーアマン、シナモンデニッシュ、チョコの
                   ガナッシュ(パトリック・ロジェのチョコ)

7、紅茶               ピエール・エルメ  (ジャルダン ド ピエール)
                   ちょっとキームンのような香りのする花弁の入った紅茶

パンは、沢村さんのバゲット

アミューズのクリームチーズを足してパン用に。


シェフが、一人で、料理とサービスを担当します。

食中、友人と私の話がシェフに聞こえていたらしく、

「かなりフレンチに詳しく、いろいろ食べ歩いていらっしゃるんですね~~」とシェフ。

普段は、滅多にお客さんと話さない、とのことでしたが、ここからいろいろ話が弾み、

シェフの生い立ちや、料理人を目指したきっかけ、「北島亭」に入った壮絶な経緯、そして、

冒頭にも書いた経歴、凱旋帰国からこちらのオープンに至ったいきさつに至るまで、

訥々と語るシェフの話は、まるで、一冊の本のようでした。

「人より、がんばる。それは、ただのがんばり、じゃない」がシェフをここまで突き動かしてきた原動力。

物腰柔らかで、繊細そうに見えるシェフからは、想像もつかない激動の半生です。

料理には、そうしたシェフが積み上げてきたもの、培ってきたもの、が如実に表れていました。

なんだか、今年一の感動の出会いでした。

次回は、コースもリピートしたいですが、アラカルトも興味津々です。


  • メカジキのベニエ
  • カルパッチョ
  • 北斗シェフ

もっと見る

2位

銀座 しのはら (銀座一丁目、銀座、東銀座 / 日本料理)

15回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.9 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 ¥40,000~¥49,999

2023/05訪問 2023/05/28

端午の節句を愛でる

5月の「しのはら」さんです。

節句月には、そのテーマに即したお料理が

登場し、背景のストーリーまで詳細に

お話してくださるので、自らの不勉強を

思い知ると同時に、知識欲に火がつきます。


新しいお弟子さんも増え、

ますますパワー漲る大将です。

いつお邪魔しても、最高のホスピタリティ、

そして、気持ちのいい対応。

お弟子さんたちにも、その姿勢は息づいて

います。


端午の節句のお話では、

菖蒲や鬼瓦が邪気を払うことや、

菖蒲が勝負と掛けていること、

あたりまでは、既知でしたが、

粽ではなく、笹巻きで、それは

なぜか、という話は勉強になりました。

中国戦国時代の政治家、屈原の話が

由来なのです。


さて、この日の内容です。

1,香煎茶

2,白芋茎、車海老、雲丹
  加減酢

  菖蒲の葉を立てて登場。

3,お椀
  加茂茄子の油煮
  雉ハタ、生姜

  4年蔵囲いの利尻、沓形産昆布を
  使用。 完璧な加減です。

4,琵琶湖の鮎
  蓼酢

5,四万十川の鮎
  2種類の鮎の食べ比べ、
  琵琶湖は小ぶり。
  四万十川はわりと成長しているので、
  頭と尾は切って。
  食べている藻により、お味に差が
  出ます。

6,雉つくね
  鼈の出汁餡
  うるい、山葵

  鼈の出汁の得も言われぬコクが
  忘れがたいです。

7、フォアグラ最中
  フォアグラとマンゴー。
  定番です。

8,八寸
  名物の登場です。
  ぼんぼりに灯りを灯し、
  店内の照明を暗くして。

  鬼門に置かれるという
  鬼瓦の鬼がこちらをにらんでいます。

  菖蒲を見る池にかかる八つ橋を模した
  器の上に、
  それぞれのお料理が置かれています。

  その上には、菖蒲の葉。

  ・笹巻き寿司
   中は、穴子です。
  ・帆立貝、ほうれん草、海苔
  ・三度豆、どんこ椎茸
  ・蛸の湯引き、梅肉
  ・胡瓜と大徳寺麩
  ・鰻の八幡巻
   中は、牛蒡ではなく、山独活
  ・庄内麩の蒲焼とクリームチーズ
  ・玉子真薯
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・島らっきょう
  ・岩茸
  ・ガリ
  ・伊勢海老のブランデー漬け
   雲丹ソース
  ・鴨と黄韮

9,握り
  ・赤身の漬け
  ・こはだ

10,オプション
  この日のオプションは、
  ・トリガイの炭火焼き
  ・飛騨牛
  友人とシェアしました。
  このトリガイ、生涯でいただいたもので、
  ベストでした。
  各4300円

11、猪豚、じゅんさい、クレソン(福井)
  豆餅(高山)

  猪豚は、野生の猪と、雌のバークシャー種の
  1代交雑。
  出汁の旨味が素晴らしく、
  ちり酢が不要でした。

12、白御飯
  おかずは、
  ・鼈のタレまぶし
   スペシャリテの鼈の炭火焼を
   さらにタレまぶしにし、
   ご飯とベストマッチ。
  ・鯛の胡麻和え
  ・泉州 水茄子

  豆腐の赤出汁

13、蓬の練りこみきんとん

14、お薄

お供は、梅酒のソーダ割


毎回のことですが、

いつも、とことん楽しませていただき、

学びがあります。

これだけのことを、継続的になさるのは、

どれだけ、人知れずの努力があることか。

そんなことは、微塵も感じさせない、

大将の爽やかさ。

日本の宝です。


  
1年ぶりの訪問です。

なぜか、昨年も同じ3月でした。

相変わらず、素晴らしい温かなホスピタリティと、

大将の人間性に感動します。

八寸の登場時には、照明を落とし、

ぼんぼりの灯りで、春の夕を演出。

居ながらにして、日本の春を満喫できます。

それでは、この日の献立です。

1,香煎茶

2,先付
  貝寄せ
  まず大将から、なぜ貝寄せか、という
  お話が。
  昔、大阪の難波の浦に季節風が吹くと、
  その風で、貝が吹き寄せられ、
  この風が吹くと、春が来た、と、
  言われたそう。

  木の箱の蓋の上には、貝殻が。
  蓋を取ると、
  貝殻で囲まれたお皿に、
  北寄貝、赤貝、若芽。
  春の風を感じながら・・・。

3,お椀
  帆立真薯  
  木耳
  ばちこ

4,近江鴨
  滋賀の合鴨です。
  いい火入れで、素晴らしいテクスチュア。

5,柚子釜
  酢飯に、白海老、白魚、
  菜の花に餡。
  柚子の内側の白いところも
  取って、混ぜながら。

6,焼き鼈
  先ほどから、大将が炭火で
  串刺しにした鼈を焼き始めて
  いました。 こちらの名物です。
  ぷりっぷりの身は、焼くとさらに
  美味。

7,太巻き
  3種の鮪入り。
  ・赤身の漬け
  ・中トロ
  ・剝き身、胡麻とべったら漬け

8,飛騨牛 飛び牛
  A5ランクの中でも、飛びぬけて優れた牛。
  これは、オプションです。
  コース以外に、3種類ほどの追加アイテムが
  あります。
  
9,河豚の白子
  磯部巻き
  これもオプション。

10、八寸
  ぼんぼりの灯りが、春の夕べを
  連想させます。
  3月3日、上巳の節句で、
  もともとは厄払いだった経緯や、
  ピンクは桃で邪気払い、
  白は、雪で、清廉潔白、
  緑は、生命の息吹、
  二枚貝はふたつとして、同じ形が
  ないことや、
  流し雛の謂れも
  大将から説明されます。

  ・甘鯛の唐揚げ 甘酢あんかけ
  ・筍の木の芽和え
  ・七切り餅
  ・鯛の子 こごみ
  ・菜の花の酢の物
  ・このこ
  ・子持ちヤリイカ
  ・玉子真薯
  ・蕗

11、牡丹海老
   酢飯、
   牡丹海老の紹興酒漬け、
   雲丹。
   別皿で、焼き河豚も。

12、フォアグラ最中
  これも名物となっています。
  最中の中に、フォアグラ、
  ピスタチオ、あんぽ柿、
  ウイスキーゼリー。

13、炊き合わせ
  蛤、鯛、芹、木の芽
  葱ポン酢で。

14、蟹コロッケご飯
   蟹の甲羅がお釜の中に
   鎮座しています。

  ・香の物
  ・赤出汁

15、葛饅頭

16、お薄


お供は、日本酒
・新政 No6
・磯自慢
・満寿泉(フォアグラ最中用)
 樽熟貴醸酒


毎回、満足度が頂点です。

日本が誇れるお店ですね。


  
久々のお邪魔です。

もう何度も書いていますが、

いつもながら変わらぬ大将の素晴らしい人間性と、

お弟子さんたちとの和気あいあいとしたやり取り。

今回も、お店中が、盛り上がりました。

日本の文化や伝統、風習をお料理に組み込み、

丁寧に説明していただきます。

今ではほとんど供されなくなった技も登場。


それでは、3月の献立です。

*香煎茶

1,先付
  木箱の上には、壇香梅が一枝。
  それに、五色の紙。これは、聖徳太子の
  命日、四天王寺の精霊会に、能を奉納したところから。
  そして、貝殻が。
  これは、その精霊会に供える貝で、
  難波の浦に貝を吹き寄せる西風を、
  貝寄せ、といいます。
  蓋をとると、中の栄螺の器に、貝寄せが。
  帆立、平貝、ホッキ貝、つぶ貝、
  菜種、独活、カリフラワーと独活のすり流し。

2,蒸し寿司
  塗りのお椀で。
  トラフグの白子を伸ばしたものに、
  白海老、雲丹、白海老の唐揚げが。

3,お造り
  ・桜鱒 藁燻し
  ・障泥烏賊
  桜の葉
  ちり酢、醤油、昆布醤油で。

4,煮物椀
  大原女が頭に積んた芝の大原木を模した、
  具材。
  筍、ゼンマイ、京湯葉を干瓢で巻いたもの。
  甘鯛真薯

  完璧なお出汁です。

  お椀は、山中塗で、大将自らのデザイン。

5,鼈の唐揚げ
  定番ですが、タレに進化が。

6,太巻き
  漬け、中トロ、胡麻とべったら漬けの和え物、
  胡瓜の千切りが、ぎっしり巻かれています。

7,八寸
  名物です。
  桜をあしらって。

  ここで、節句について大将からお話が。
  1月、3月、5月、7月、9月の節句。
  それぞれ禍いが降りかからないよう、
  厄除けのためのもの。
  3月の桃の節句は、ひな人形に変わり身になって
  もらい、流し雛をしたというのがもともと。
  で、菱餅型の皿に、以下。
  ・筍と烏賊の木の芽和え
  ・編み笠柚子のゼリー寄せ
   これは伝統の料理で、皮の部分を使ったあとの
   柚子を取っておいて作るもの。
   今ではほぼ見なくなりましたが、
   昔からSDGs だったことがよくわかります。
  ・あぶらめの木の芽焼き
  ・花蓮根
  ・玉子真薯
  ・黄檗豆腐に、チーズ(醍醐味)
   今では、神奈川で1軒しか作っていない
   黄檗豆腐です。
  ・鯛子、白魚、蕗
  ・鴨ロース、鮑、花山葵
  ・子持ち飯蛸 こごみ
  ・蟹の酢の物 浜防風、

8,フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーの最中
  名物です。
  さらに、これに、満寿泉の貴醸酒を
  合わせて。
  満寿泉の蔵元と、このウイスキーの醸造所の
  緯度が同じ、と大将。

  フォアグラのクオリティもますますよく
  なっています。

8,虎河豚の白子
  +4000円で、追加です。
  極上の海苔に包んで。
  レモンを少し。

9,鹿島の蛤と師崎の若芽
  うるい
  
10、蟹コロッケご飯
  窯の中央に、毛蟹が・・。
  お揚げを入れることから、コロッケを発想したそう。
  なんとも柔軟な発想力がいいですね。

  香の物

11、半田素麺のにゅう麺

12、若もえ
  粒あんとつくね芋のお菓子

13、お薄


日々、これだけのことを、完璧にやり遂げることが

どれほどのことか。

年末は、大将の家に、お弟子さんとその家族が

集合したそう。 その話をおもしろおかしく

語ってくれましたが、そういったリーダーシップと

人間力、チームワークがあってこその、

このお料理だと思います。


  
3か月ぶりにお邪魔しました。

こちらに伺うと、季節の移ろいと日本文化の美を

改めて感じます。

と同時に、大将とお弟子さんたちの日々の努力に、毎回頭が下がります。

「僕は天才肌ではないので、その分、努力をしなければ」と

大将は謙遜しておっしゃいますが、

いやいや、天才なうえに、ストイックなまでの努力を積み上げ、

無敵です。


今回は、5月ということで、端午の節句にちなんだ演出。

それでは、内容です。

1,香煎茶

2,先付
  入店したとき、大将が、目の前で、
  葉菖蒲と蓬の飾りを作っていました。
  剣に見立てた葉菖蒲は、邪気払いとされていた、
  とのこと。
  その飾りとともに、供されたのは、
  鮑、みる貝、平貝 
  加減酢のジュレ
  独活と茗荷

  皐月らしい爽やかな先付です。

2,お椀
  鮑、鱧、じゅんさい、こも豆腐
  
  毎回感動しますが、いいお出汁です。

3,お造り
  青森 平目
  玄界灘 アオリイカ
  おかひじき
  
  アオリイカのねっとりとした質感に
  唸ります。

  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪になる前の形の
  備前の器で。
   あまりに美しい造形で、飽きたらお引き取り
   したいものです。笑

4,お凌ぎ
  太巻き寿司
  具だくさんです。
  鮪の剝き身とべったら漬け
  穴子、このしろ、烏賊、卵真薯

5,八寸
  今月の八寸も圧巻です。
  美しいヤマボウシがあしらわれて。

  ・海老の治部煮 加茂茄子 芋茎
  ・本蕨粉で練った胡麻豆腐
   芝海老、雲丹、山葵
   本蕨粉、希少だそうです。
  ・胡瓜、大徳寺麩、海月の白和え
  ・鯛の笹巻き寿司
  ・皐月鱒
  ・合鴨ロース
  ・新丸十の栂ノ尾煮
  ・蓮根の酢漬け
  ・蛸の柔らか煮
  ・三度豆の胡麻汚し
  ・赤蒟蒻
  ・万願寺唐辛子にバチコ

6,フォアグラ最中
  今回は、マンゴーに加え、さくらんぼも。
  ウイスキージュレと。

7,鼈の竜田揚げ
  なんと、炭火焼あらため、
  竜田揚げとは!!
  カンボジアの塩と胡椒で。
  
  旨味がギュッと凝縮され、
  これはまた食べ応えがあります。

8,九十九里の蛤
  そら豆とゆり根の飛龍頭
  新玉葱
  コザサうるい(山形産)

  目の前で大将が鍋に、これらを順次投入。
  もう、お出汁の旨味がいただく前から伝わります。

9,新生姜の炊き込みご飯
  香の物

10、小鍋
  山菜、小芋、猪、牛蒡
  卵とじで。

11、鰻の炭火焼

  ご飯に、卵とじをかけたり、
  鰻をおかずにいただいたり、
  贅沢な〆です。

12、蓬の葛饅頭
  つるりと仕上がった葛饅頭
  中には粒あん。

13、おうす

お供は、
・ジャスミン茶
・凍頂烏龍茶


毎回、パーフェクトな接客。

楽しい会話。

日本文化を改めて呼び覚ましてくれる

料理の数々。


大将がどれほど細やかな神経か、というエピソード。

飲み物のお替りを、お弟子さんが聞いてくれました。

が、お弟子さんたちも忙しいので、数分、私のグラスが空いた状態に。

すると、大将、すかさず、裏に回り、

どうなっているのか、チェック。

ちゃんと、私がなにをオーダーしたのかも、

記憶してくれていました。

11名分に目配りを欠かさず、

大将自ら、隅々まで気をつかう、この姿勢。

脱帽です。

いつも、変わらぬ、この満足感と幸福感。

余韻に浸りながら、帰路につきました。


  
何度お邪魔しても、いつも新鮮な驚きがあり、

大将のお人柄に、心から感動します。

料理の随所に、日本文化とその美が表現され、

忘れ去られようとしている伝統を思い起こさせてくれます。


2月は、節分と初午。

いつもの八寸には、春が間近なことが感じられ、

心なごみます。

では、この日の内容です。


1,香煎茶

2,節分の升
  升には、鬼が嫌うと言われる柊の葉が。
  中には、
  菜の花、平貝、赤貝、車海老、白魚、ほっき貝
  生姜酢で。

3,お椀
  東寺湯葉をアレンジし、
  引き上げ湯葉で、蛸、白子、銀杏、白木耳を
  包んであります。
  周囲には、蕪を散らして。
  相変わらず、品のいいお出汁です。

4,お造り
  淡路の鯛
  玄界灘のアオリイカ
  塩釜の鮪
  
  芽甘草を添えて
  煎り酒とちり酢、昆布醤油の煮凝りで。

5,虎河豚の白和え
  鉄皮、白子、河豚の身、遠江、
  白菜、白葱を和えてあります。

6,せこ蟹の甲羅に
  松葉蟹、余市の鮟肝、酢飯
  出汁餡で。
  
  このあたりから、あまりの至福に
  脳内が思考停止に陥ります。

7,虎河豚の磯辺焼き
  オプション 4000円で。
  巨大な白子を、炭火焼し、
  海苔を添えて。

8,初午の八寸
  初午は稲荷のお祭りで、五穀豊穣を祝うもの。
  梅の花をあしらい、春の足音が聞こえるような 
  見事な演出。

  ・稲荷寿司
  ・蛸
  ・卵真薯
  ・クリームチーズのかつおまぶし
  ・きんこ(なまこ)の辛子黄身寿司
  ・蕗の薹の辛煮
  ・編み笠柚子
  ・からすみ大根
  ・慈姑
  ・煮大豆
  ・赤貝の紐の柚子和え
  ・伊勢海老昆布〆 花山葵 梅酢

  別皿で、鶉の焼き鳥
  タレまで美味。

9,フォアグラとべったら漬けの手巻
  いつものように、お弟子さんの笑顔とともに

10、フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーゼリーの最中
  これも、お弟子さんの笑顔とともに

11、焼き鼈
  こちらの名物です。
  脂の甘みがたまりません。

12、煮物
  滋賀県三雲の青首鴨
  そのつくね
  
  炭火焼した鴨で、身がふわっと感じるほど
  柔らか。

13、節分鰯
  大ぶりで立派な鰯の炭火焼
  鬼おろしと

14、飛騨牛のしぐれ煮

15、ご飯
  大根入り
  香の物

16、にゅう麵

17、ぜんざい
   餅、ゆり根、さつま芋

18、お薄


お供は、梅酒のソーダ割


柊鰯(ひいらぎいわし)は、節分の魔除けとして

使われるもので、柊の小枝と、鰯の頭。

日本の各地での習慣で、門口に立て、

鬼が入れないようにしたのです。

柊の葉の棘が鬼の目を刺し、鰯の焼く臭気と煙で

鬼が近寄らないと言われていました。


確かに、そんなことを昔昔、教えてもらった気がします。

そんな懐かしい思い出が蘇りました。


非の打ち所がないお料理をいただき、

日本文化に思いを馳せる、

そんな極上の時間でした。


オープンして早4年となりました。

私も通い始めて4年になります。

毎回、そのクオリティと温かいホスピタリティに感動しますが、

今回は、なんといいましょうか、魂に訴えかけてくるような

大将渾身の思いを感じました。

新作の八寸は、日本の野山の秋景色。

あたかも、その野山に連れて行ってもらったような

錯覚に。

お椀には、美しい菊花が舞い、

名残の鮎は、きりっとこちらを見据えています。

3時間、まさに、日本の秋を満喫させていただきました。

今年は、コロナ禍の中、殺伐とした話題に終始しましたが、

このときだけは、ただただ、四季を映す日本料理と向き合い、

大将の温かさにふれる、心癒されるひとときでした。

改めて、この店の実力を実感。


さて、秋の献立です。

この日は、オプションで飛騨牛のシャトーブリアンも

いただきました。

1、菱蟹と毛蟹
  甲羅の中に、2種の蟹、オクラ、いくら、
  もってのほか菊、玉子豆腐

2、お椀
  ぐじ、松茸
  その周囲に、菊花が。

3、お造り
  鳥羽産の鰆の藁燻し ちり酢で。
  淡路産もみじ鯛   梅肉で

4、お凌ぎ
  巨大な鮪の太巻き
  3種の鮪が入っています。
  ・漬けの山葵和え
  ・中トロ
  ・すきみ
  胡麻、葱、べったら漬け

5、天竜川 子持ち鮎の唐揚げ
  カリっと揚がって、サクサク。
  頭からがぶり、です。

6、炊き合わせ
  蓮根餅、石川小芋

7、八寸
  日本の秋を映す圧巻の八寸。
  生の菊花も添えて。
  ・無花果の胡麻味噌焼き
  ・海苔、菊菜、しめじのお浸し
  ・子持ち昆布、おかワカメ
  ・ばちこ、万願寺唐辛子
  ・蛸
  ・蝦夷鮑、エリンギ、栗
  ・柿、大徳寺麩、胡瓜の白酢和え
  ・小肌と長芋、とんぶり、菊のみぞれ和え
  
   ここまでが、盛りつけで登場。

  その後、温かいものは温かいうちに、で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・まなかつおの西京焼き
  ・合鴨

8、あんぽ柿とフォアグラの最中
  今回からまた担当が替わり、
  とびっきりの笑顔。

9、長崎の天然の鼈焼き
  定番です。
  季節なので、今回は天然もの。

10、鍋
  クエ、原木なめこ、車海老の真薯
  お出汁がえもいわれぬ高貴なまでの品のよさ

11、飛騨牛シャトーブリアンの炭火焼
  これは+4000円でオプションです。

12、松茸ご飯

13、お雑炊

14、焼き栗きんとん

15、お薄

お供は、梅酒のソーダ割。


間違いなく、世界に誇れる日本料理の名店です。



3か月ぶりの訪問です。

いつもながら、お料理のクオリティはもとより、

大将とお弟子さんたちの温かなホスピタリティには、

感動すら覚えます。

これだけ、毎回、一定以上のクオリティを保つのは、

並大抵なことではないと思います。


おかげさまで、今回も、本当に気持ちよく、

初春のお料理を満喫し、居ながらにして、

お花見をさせていただきました。

ちなみに、時節柄、大将もお弟子さんたちも

マスク装着。

お料理が登場する前に、大将は、立派な

鮪の仕込みを目の前で始めました。

青森 深浦産。

こうして食材が調理されるのを見ていると、

否応なく食欲を掻き立てられます。笑


では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、蝦夷鮑、車海老、平貝、胡麻豆腐、
  千社唐(茎レタス)を煮こごりで。

  車海老の赤が鮮やかで、春らしい一皿。
  胡麻豆腐は、ふだん蕨粉を使用するそうですが、
  今回は葛で。

3、お椀
  芝海老と蛤の2層の真薯
  バチコ、春蘭をトップに、
  若芽をたっぷり。

4、お造り
  ・鮪(福浦)  塩と酢橘で
  ・鮃(玄界灘)

5、対馬の穴子としば漬けの飯蒸し
  梅酢で。
  梅が春の香り。

6、八寸
  名物、八寸。
  枝付きの桃の花があしらわれ、
  菱餅の形のお皿で、まさに春爛漫。

  ・子持ち昆布
  ・蛸
  ・蕗とこのわた
  ・ぬた和え
  ・梅紫蘇人参
  ・梅肉の甘煮長芋
  ・菜の花
  ・蓮根酢漬け
  ・鴨のロースト
  ・白魚
  ・卵真薯
  ・みる貝と独活の酒煮

  別皿で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・鮪とべったら漬けの手巻き寿司
  ・フォアグラとあんぽ柿の最中

7、虎河豚の白子焼き
  立派な白子で、海苔と一緒に。

8、焼き鼈
  名物です。
  下仁田葱と。

9、伊勢海老、蛤、若芽(師崎)
  海老の味噌の出汁が秀逸です。
  蛤の塩気だけで、
  出汁の旨味が活かされています。

10、氷魚と蕨の炊き込みご飯
  香の物

11、半田素麺
  伊勢海老の二番出汁で。
  卵とじで。

12、菓子
  うすいえんどうとつくね芋

13、お薄


お供は、梅酒のソーダ割。


本当に、気持ちよく完食させていただきました。

永遠に通い続けたいお店です。


  
半年ぶりの訪問です。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの

気持ちのよい接客に感動します。

東京に移って3年。

初心を忘れることなく、いつも

きめ細かい配慮と笑顔を忘れない大将の

姿勢には脱帽のみ。


この日も、里の秋を感じさせる八寸を初め、

秋の素材を存分に使った料理の数々。

それでは、内容です。


1、香煎茶

2、雲丹豆腐
  大きな芋の葉にのって登場。
  雲丹豆腐の上には、-60度で瞬間冷凍した
  牡丹海老が。
  雲丹の固さと、豆腐の固さを合わせるための
  工夫が施され、はかない柔らかさに。

3、お椀
  くみ上げ湯葉を引き上げ湯葉で巻いて
  揚げたもの。
  明石の鯛
  蓮根
  佐久の松茸を千切りにし、香りを
  出しています。

4、お造り
  ・塩釜の鮪
  ・北海道の鮃

5、渡り蟹の飯蒸し
  たっぷりのいくら、銀杏、菊花

6、子持ち鮎のから揚げ
  かぼす
  

7、八寸
  秋草と虫籠をあしらって。
  ・戻り鰹 玉葱醤油
  ・菱蟹(渡り蟹)とラフランス
  ・海老芋のから揚げ
  ・無花果の胡麻和え
  ・玉子真薯
  ・丸十
  ・蓮根の酢漬け
  ・トマトと黄身酢
  ・エリンギから煮
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・サーモンの長芋巻き
  ・合鴨ロース
  ・丹波の黒豆
  ・小芋
  ・大徳寺納豆
 
8、鮪の手巻き寿司

9、ポルチーニの揚げ物
   粉とチーズで
   菜種油なのですっきり

10、フォアグラとあんぽ柿の最中
   ウィスキーのジュレ入り
   いつものですが、担当が変わりました。

11、焼きスッポン
   元祖、です。

12、鱧と松茸
   ちり酢で。
   出汁がえもいわれぬ旨味。

13、鰻のから揚げご飯
  香の物

14、にゅう麵
    12の出汁で。

15、栗きんとん

16、お薄


お供は日本酒
・醸し人 九平次 純米大吟醸 2018
・高砂 純米大吟醸 生酛


コースは、26000円。


料理の美しさ、おいしさだけではなく、

終始、飽きさせることなく話かけてくれる

大将の優しいお人柄が、心にしみます。
  
   
東京一の人気店になったこちら。

東京移転のときから定期的にお邪魔していますが、

これだけの高い評価を得ながらも、まったく変わらず、

謙虚な姿勢と勉強熱心な大将の姿勢に、毎回感銘を受けます。

お弟子さんたちとの、和やかなやり取りも、ほほえましく、

名実ともに、日本を代表する名店です。


この日は春爛漫。

お料理も、日本の春を愛でる、素晴らしい内容でした。

感動、その一言。

今回は、通常のコースに、大将のおすすめを2品追加

しました。

では、内容です。

1、香煎茶

2、山口の赤貝、北海道の雲丹、葉の花
  鮃とボタン海老の出汁のジュレ

3、お椀
  ホワイトアスパラガス(ペルー産)
  バチコ (淡路で特注で作っているもの)
  毛ガニ真薯

  相変わらず、研ぎ澄まされた、そしてなおかつ
  優しいお出し。

4、お造り
  紅葉と桜の結びの器で。
  青森の鮃
  八丈島の鮪 (中トロ)
  北海道 ボタン海老

  土佐醤油(九州チョーコー醬油、大分の酒、鰹節)
  酢橘醤油
  海藻と醤油のジュレ

5、トラフグの焼白子と蒸し寿司
  一番出汁の餡、ちり酢

6、八寸

  いつ見ても、こちらの八寸は圧巻。
  今回は、桜を見事にあしらって、まさに春そのもの。

  *筍の木の芽和え
   木の芽100%ということで、しっかりした味わいと香り
  *平貝、ほっき貝、本みる貝、独活、浜ぼうふう
   黄身酢
   合わせ蛤の器で

  *2本の串に
   ・赤蒟蒻
   ・金山寺味噌ときゅうり 
   ・富山滑川の蛍烏賊の藁炙り
   ・卵真薯

   ・蓮根の酢漬け
   ・鯛の子
   ・蛸の桜煮
   ・スナップエンドウ豆

7、マンゴーとフォアグラの最中

8、手巻き寿司
  鮪とべったら漬け

9、京都衣笠の白子筍と花山椒
  まだそれほど白くないものの、さすがの仕上げ

10、トラフグの焼白子

10、焼すっぽん
  「これだけ、毎日すっぽん焼いている人、
   いないんじゃないかな」と大将。大爆笑
  と、おっしゃるとおり、滋賀のお店のころから
  始まった名作です。

11、徳島美馬郡の半田素麺
  山菜天ぷら
  柚子出汁

  美馬郡は、大将のお父様の出身地とのこと。
  鰹、味醂、薄口しょうゆの出汁が素晴らしい。
  父上へのオマージュでしょうか。

12、アカモク、蛤、花山椒
  蛤の出汁で。

13、滋賀三雲の尾長鴨
  大将の出身地の鴨です。
  もう季節は終わりですが、極上。

14、生姜飯
  まずは、そのまま。
  その後、フカヒレと伊勢海老の餡をかけて。

15、桜きんとん
  つくね芋と粒あん、桜の葉

16、お薄


お供は、日本酒
1、しのはら 
  土浦、廣瀬商店のものですが、こちらのために、
  特別に、150本だけ火入れしてもらっているもの。
2、煌凛
  純米大吟醸 蔵出し数量限定
  無濾過生原酒
3、五橋
  西都の雫 純米吟醸 生原酒 しぼりたて

  それぞれに個性際立つお酒でした。


まさに、「神は細部に宿る」料理の数々。

この瞬間に全力投球する大将の姿勢に感銘を受けます。


  
4か月ぶりの訪問です。

相変わらず、爽やかで、にこやかな篠原さんの笑顔に

迎えられ、もうそれだけで、極上な気分になります。

この日は、秋真っ盛りの料理。

日本の秋の風景が眼前に広がります。

いつものことながら、お弟子さんたちとの掛け合いが

面白すぎました。 そして、大爆笑になってしまった瞬間が。

あの最中が登場したときのこと。

いつも満面の笑顔で出してくれるお弟子さんと

最中を一緒に撮影させていただいていますが、

画面の中に、急に篠原さんがす~~~っと入って

きたのです。しかも、憮然とした表情で。

「なにげに、お茶目じゃないですか!!」と言うと、

「こいつばかりが、最近めだっちゃって」とのこと。

ここで、わかる人はわかったので、大爆笑。

本当に、こうして和ませてくれる気遣いに脱帽です。

そんな和気あいあいとした雰囲気で楽しませて

いただきました。

この日秀逸だったのは、鼈の炭火焼き。

篠原さんが滋賀時代に始めた、とのことで、

これはもう、文字通り骨の髄までしゃぶりたくなる

美味しさです。

では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、秋茄子のいりこ出汁煮

  落ち茄子と言われる時期。
  ここで味が濃くなってきます。

3、穴子の苞蒸し
  藁の器に、栗と銀杏の入った飯蒸し
  その上に穴子が。

4、鮑
  茨城産の蝦夷鮑。
  真空にして蒸し、鮑の出汁だけで作っています。

5、お造り
  伊勢海老のあらい 日向産
  黒まぐろ     三厩
  はり烏賊     明石

6、冬至湯葉のお椀
  引き揚げ湯葉で汲み上げ湯葉をくるんだもの。
  紅ずわい蟹の真薯
  松茸

  篠原さんの師匠は、湯葉で真薯をくるんでいたそうですが、
  これはオリジナル。

7、八寸
  今回は、鈴虫の籠に、すすき。
  籠を開けると、
  *トマトの浅漬けに黄身酢
  *丹波黒豆の紹興酒漬け
  *きぬかつぎに塩
  *万願寺唐辛子の焼きびたし
  *菊の花ととんぶりの酢の物
  *岩茸 (断崖の岩に生息し、成長するのに100年
       かかる、とのこと)
  *栗の甘露煮
  *柿の胡麻ダレ

  別の器に
  *毛蟹の酢の物
  *もどり鰹の玉葱醤油漬け

7、最中
  フォアグラとあんぽ柿

8、鮪とべったら漬けの手巻き寿司

9、松茸
  これはオプションで、+3500円
  もう季節的には遅いのですが、
  この開きの松茸のほうが味がいいと。

10、鼈つけ焼き
  骨つきで焼くとこの味が出るそうです。
  脂身までコクと甘味があります。

11、無花果のごま味噌焼き

12、合鴨の治部煮
  新潟の合鴨。
  土鍋で仕立てていきます。
  白麗茸、トキイロ平茸など9種類の茸と、
  鴨とつくね

  鴨は、塊のまま炭火で周りに焼き目をつけ、
  氷水に。 それをカットします。
  出汁は茸から。

13、子持ち鮎 から揚げ

14、上海蟹土鍋ご飯  
  丸ごとの上海蟹が3つ並んで登場。
  これはもう反則的美味。

15、新蕎麦の鴨南蛮
  さきほどの鴨汁と。

16、栗きんとん

17、お薄

お供は、日本酒
*江戸開城
*神指蔵 中取り

このクオリティを持続していくことが

どれだけの精進の賜物か、と思うと、

頭が下がります。

日本が誇るお店ですね。
  
  
何度お邪魔しても、毎回、驚きと感動を味わうことが

できる、篠原さんの料理。

この日は、憂鬱な梅雨さえ、「美」と「雅」に

変えてくれました。

相変わらず、温かなホスピタリティと

お弟子さんたちとの和やかなやり取り。

食事の最中にも、お客さんたちから

しばしば笑いがおこり、楽しい宵です。


では、この日の内容です。

まずは、香煎茶。 
金継ぎのしてある茶碗で。
東京にいらしてからの歳月を感じます。

1、氷室の神事

  器の中には、2月から氷室で保存した氷と
  榊。 暑気払いです。
  榊を取ると、銀のかわらけに、
  長芋羹と一寸豆、
  少し炙った伊勢海老。
  割り醤油の煮凝りで。

2、大原の鮑
 
  鮑の水分を水蒸気に変え、鮑の旨味だけを
  閉じこめています。
  独活の酒煮と。
  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪の子供の形の
   備前焼の皿で。

3、お椀

  アコウ、新蓮根、加茂茄子、
  黄韮、実柚子

  相変わらず、秀逸なお出汁。
  アコウの旨味も感じます。

4、お造り

  境港 巻き網の鮪
     鮪不毛の時期ですが、
     大将は、この時期がいいと。
  鳥貝
  おあり烏賊  玄界灘

  昆布醤油と、すだち塩で。

  器は、140年前のバカラ

5、夏越しの祓
  茅の輪くぐりの八寸

  最近、これをいただくと、夏の到来を
  感じます。
  「茅の輪に、手だけでも通してくださいね」
  と、大将。 

  *滋賀 日野町(大将の出身地)の天然じゅんさい
   とシュガートマトの酢の物
  *茗荷と鯛の寿司
  *香茸の辛煮
  *ウズラ卵の麹味噌漬け
  *才巻のキャビア詰
  *オクラ 芥子味噌漬け
  *胡瓜に金山寺味噌
  *玉蜀黍のかき揚げ
  *佐島の蛸
  *卵真薯
  
  *くじらベーコン うねす(顎下)

  ひとつひとつ手間暇をかけ、
  高い技と美意識を感じます。

6、フォアグラとマンゴーの最中

  お約束の最高の笑顔。  
  写真、昨年との違いをみてください。

7、長良川、郡上八幡の鮎

  この時期の鮎は、まだ苔を食べていない
  ので、香りにはちょっと早い、との
  ことでしたが、たっぷりの蓼酢をつけ、
  頭からがぶり。
  火入れが抜群です。
  
  琵琶湖天然鰻の八幡巻と。

8、鮪、烏賊とべったら漬けの手巻き寿司

  赤酢2種に千鳥酢のしゃり

9、あげまき貝 炭火焼き

   福岡産
   生醤油で。

10、すっぽんのから揚げ

   一度炊いて下味をつけ、皮を柔らかくして
   粉をつけて唐揚げに。  
   味が凝縮しています。

11、新作「蛤と鱧」
  
   「先週、ふと思いついた」と、大将。

   桑名の蛤と淡路の鱧のしゃぶしゃぶ
   玉ねぎで出汁。
   出汁は玉ねぎの甘味と、蛤、鱧の
   出汁で、えもいわれぬ旨味。
   玉ねぎでつなぐのがミソ。
   この組み合わせ、最強です。
   蛤がぷっくりして、焚いてもなお
   大きさが変わりません。
   ちり酢で。

   ちなみに、この日は、大将が、目の前で
   鱧の骨切りを。

12、新生姜ご飯

   新生姜はゆがいて、さらし、
   さらに、新生姜を炊いたスープで、
   ご飯を炊いています。

13、半田麺のにゅう麺

   スッポン、蛤、鱧の出汁に、
   アローカナと烏骨鶏の卵をかけて。
   卵の殻は、水色です。

14、また、ご飯

   上記の麺を食べ終わったお出汁に
   また、新生姜ご飯を。
   止まりません。

15、あじさいのきんとん

   見目麗しいあじさいのお菓子
   最後まで、「梅雨の美と雅」を
   楽しませていただきました。

16、お薄

17、メロン


お供は、
1、梅酒のソーダ割り
2、NOTO  純米大吟醸
  口当たり柔らかで、ふくよか。

 
 毎回思いますが、いつも、心豊かに、穏やかな

 気持ちにさせてくれる篠原さんの料理。

 大将のお人柄が、そのままお料理に映されています。



この日も、爽やかな篠原さんの笑顔に迎えられ、着席。

前回、前々回は私の隣りが某有名シェフだったのですが、

なんと、またもや、ジンクス勃発。 今回は、知り合いのレビュアー様でした。

そんなことで、またまた和気あいあいと篠原劇場の始まりです。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの掛け合い漫才(?)も

おもしろすぎで、店内が笑いに満ちます。


今回の八寸は、過ぎてゆく里の秋。 なんとも哀愁に満ちて、抒情豊か。

ため息がでます。

今回初めていただたい藁苞蒸しには、守備範囲の奥深さを改めて実感。

本当に毎回楽しませていただきます。

では、この日いただいたもの。

1、先付           厚切りの子持ち昆布、おか若芽、
               伊勢の車海老、あわび茸、大間の蝦夷鮑、とんぶり、
               菊花を酢でよせたもの

2、煮物椀          境港の松葉蟹真薯、大根

3、お造り          明石の鯛
               舞鶴のアオリイカ
               長崎のとらふぐ 身厚です。チリ酢で。
               大間の釣りの黒鮪
               浜防風

4、藁苞蒸し         藁の中に栗と銀杏の飯蒸し、
               その上に、対馬の大穴子

               かつて、献上品を藁で包んでクッションがわりに
               したとのこと。
               藁の香りが飯に移り、鼻腔をくすぐります。

5、八寸           逝く秋を惜しむ里の風景です。
                柴垣に照葉が散っています。
               
               紅白柿なます
               白髪海老 (伊勢海老の蒸したもの)
               いちじくのゴマダレ
               海老芋のから揚げ
               茄子、キャビア、スコティッシュサーモン、
               長芋、柚子を巻いたもの
               上海ガニとほうれん草のお浸し
               大徳寺麩と芥子
               水口かんぴょう
               丸十
               卵真薯

6、鮪とべったら漬けの手巻き寿司  

7、フォアグラとあんぽ柿の最中    お弟子さんの笑顔、かわいいです。
                   (写真、見てください)

8、焼き白子のあんかけ     2つの白子をいただきますが、
                ひとつには、葱と黒七味。
                これをいただいたあとに、もうひとつに、
                白トリュフをあとからのせてくれます。
                最初からトリュフの香りだけにならないように、
                との配慮。 増量までしていただきました。笑

9、本もろこ          岐阜産を泳いだままお店まで。
                まだ泳いでいるところを見せていただきました。

                篠原さんのお子様たちが河原で集めた平たい石を
                アツアツに熱し、その上に、本もろこを。
                まるで泳いでいるかのように。
                千鳥酢と赤酢で。

10、柚釜焼き         大きな柚子の中には、雲丹、原木なめこ。
                柚子ごと目の前で焼き、供されます。
                苦みを楽しむ一品。
                実は、雲丹も原木なめこもそれぞれ個別に仕事が
                してあります。
                これも、唸ります。

11、ぼたん鍋         滋賀、湖南の三雲産猪に、芹を鍋で。
                 まず、鍋を火にかけたとたんに漂うお出汁の芳香。
                 猪をいれたあと、また漂う別の芳香。
                 猪は、わずかなかみごたえを感じつつも、
                 柔らかく仕上がり、芹のシャキシャキと
                 素晴らしい相性。

12、ご飯           土鍋に蟹の甲羅。
                よく見ると、甲羅の下には、真ん丸の蟹コロッケ。
                それを混ぜて、
                1杯目  生卵と
                2杯目  スッポンのスープで炊いたフカヒレ餡と
                3杯目  ぼたん鍋の出汁の雑炊
                香の物 3種

                いくらでも入ってしまう美味しさです。

13、丹波の栗きんとん

14、お抹茶

お供は、

梅酒のソーダ割り
日高見
土浦 小野の里の40%の精米の山田錦で吟奏の会の大吟醸
        極寒の時期に長期低温発酵させながら、じっくり
        醸しだしたという極上品です。米の旨味がまったり、と
        しかしキレもある、素晴らしい日本酒です。

 またもや、実に楽しい時間でした。

 この温かさ、えがたいものがあります。

3回目の訪問となりました。

いつもながら、入った瞬間から、気持ちのよい挨拶と大将の笑顔。

東京に出店して、こんな猛スピードで超人気店になったわけですが、

大将の温かなホスピタリティと気配りは微塵も色あせることなく、感心します。

前回、たまたま、某有名料理人さんが私の隣りだったのですが、

今回も、TVによく出演されている某有名料理人さんが隣りでした。

という話をしたら、

大将 「あ~~、偶然ですね~~」

某有名料理人さん 「あなたが席、決めてるんじゃない!!」 

一同、大ウケでした。

さて、この日もどんな篠原劇場が展開するのか、ワクワクします。

大将から最初に一言。 「きょうは、とてもいい素材が入ってますよ~~~」といって、

活きボタンエビをたくさん抱えて見せてくれました。

それでは、始まりです。

1、活きボタンエビ         つるべ落としの箱を開けると、中にギヤマンガラスの丸皿。
                  活きボタンエビ、玉子豆腐、天然じゅんさい、長崎の赤雲丹
                  軽く酢をしてあります。
                  活きボタンエビが限りなく透明。

2、煮物椀             噴火湾の毛蟹真薯
                  オクラのすり流し
                  毛蟹の味の凝縮感と、オクラのさっぱりがマッチング

3、お造り             宮城のマコガレイ
                  釜石の黒まぐろ  
                  五島のアオリイカ

                  まぐろは、昆布と醤油の煮凝りで。

4、鮑               この日の目玉は、鮑なのでしたが、これは、メガイでまだまだ、とのことで、
                  あとで、もっとすごい鮑がでます、とのこと。
                  柑橘のソースで炒めた鮑と、スッポンスープの焼き粥。
                  もう、頬が落ちます。 なのに、「まだまだ」だそうです。

5、八寸              いつものように、すごいラインアップです。
                  しかも、今回は、6月ゆえ、大皿に、茅の輪くぐりを模した飾りを。
                  目を見張ります。 はは~~~、こうくるか!!です。

                  里山の風景の中は、

                  *白和え    胡瓜、クラゲ、大徳寺麩
                  *岩もずくと白瓜  (サザエの器に)
                  *一寸豆 このわた (琵琶の器に)
                  *卵真薯
                  *琵琶湖のすっぽんと、北海道のドジョウの揚げ物
                  *明石の穴子
                  *三雲の天然いのししのロースト
                  *菜の花のからし和え
                  *佐島の蛸の柔らか煮
                  *椎茸と庄内麩とチーズ
                  *トマト
                  *車海老

                   満喫です。

6、最中              フォアグラとマンゴーです。

7、鮎と鰻             近江八幡の鮎と、琵琶湖の鰻の木の芽焼き

8、とり貝             舞鶴産をフライに。
                  なんと、とり貝のフライ!! 味がぎゅっとします。

9、鮑と鱧の鍋           この鮑がこの日の目玉。 勝浦の黒鮑。
                  ものすごく上質なものを築地で選定、とのこと。
                  大将、ちょっとドヤ顔でした。
                  生の鮑と蒸した鮑の2種を盛り付け。
                  蒸した鮑が圧倒的に美味ですが、生を入れないと
                  出汁がでない、とのこと。 考えつくされています。

                  露地のうるい。 春のハウスのうるいとはまったく味が異なり、
                  ほろ苦さが心地よいです。

10、ご飯3種           1、新生姜の炊き込みご飯
                       立ち上る香気がすばらしい。
                  2、スッポンスープで炊いたフカヒレあんかけご飯
                  3、鮑と鱧の鍋の出汁で炊いた雑炊

                  これを全部いただいたあと、新生姜ご飯のおこげを少し。
                  おこげを盛り付けている大将の頭をじーっと見ていたら、
                  視線を感じたようで。笑

11、ご飯のお供          1、飛騨牛の時雨煮
                  2、賀茂ナスと石川小芋の炊き合せ
                  3、香の物

12、お菓子            あじさいきんとん
                    透明なしずくのような羹に、きれいな薄紫のあじさいが。

13、お抹茶


お供は、  1、梅酒のソーダ割り
      2、江戸開城   港区の日本酒
      3、愛しぼり
   
        日本酒用のオールドバカラコレクションが素敵なものばかりです。


 またまた期待をはるかに超えてくれました。

 これだけの技量と接客。 表にはでない計り知れない努力の賜物かと。

 大事にしたいお店です。


破竹の勢い、というのは、今の篠原さんのためにある言葉でしょうか。

あれから3か月。 楽しみに再訪しました。

そして、また、その天才ぶりを目の当たりにしてきたのです。

「2回目の関門」がある、と私は思っていますが、1度目があまりにいいと、

期待がものすごく膨らんでいて、「あれ?」ということがままあるのですが、

そんな関門を心配する必要はまるでなかったです。

さて、この日のお料理です。

まずは、香煎茶でお浄め。

1、胡麻豆腐     胡麻豆腐の上に、雲丹、伊勢海老、蝦夷鮑、
           岩茸、白魚、土佐酢の煮凝り
           大根と人参、それに、環柳といって柳を輪にした
           ものを添えています。
           鶴が羽を広げたお皿で、1月らしく。

2、お椀       焼き餅、松葉蟹真薯、青味大根、神馬藻
           金箔が光り輝いています。
           「しのはら」のお雑煮、だそうです。

3、お造り      明石の針烏賊  すだちで
           大間の黒まぐろ 昆布醤油の煮凝りで
           玄界灘の鰆   藁で炙り
           キャビア 

4、蒸し鮨      滋賀の米を蒸したものの上に、
           羅臼のこもこ
           餡
           これが柚子釜で。

5、八寸       琵琶湖の本もろこ 炭火焼き
           なまこ
           蕗をこのわたと
           とらふぐの白子
           蒸した玉子 真薯と熨斗梅
           佐島の蛸
           姫くわい
           酢蓮根
           穴子
           海老芋にこまき海老
           子持ち昆布

           本もろこは、泳がせてお店まで届くとのこと!!

6、最中       中身は、出汁で炊いてよせたフォアグラ
           と、あんぽ柿

7、春巻き      すっぽんのエンペラとフカヒレ
           すっぽん出汁の餡
           中身アツアツで。

8、骨付きすっぽん  炭火焼きで。
           すっぽんは炭火焼きにすると、
           これまでいただいていたすっぽんの
           概念がかわります。
           京都一味屋の山椒がいい香り

9、月の輪熊     芹とともに、鍋で。
           きれいな脂身。 ほのかな甘味が。
           スープは、熊の赤身と脂を煮出したもの。
           もう、なにもいえません。

10、ご飯      赤アマダイと蕪の菜飯し
           1、まずは、そのまま
           2、次に、これに汲み上げ湯葉と餡をかけて
             餡は、最初に出た伊勢海老の頭の出汁

11、熊のスープ   かきたまで。

12、あけぼの    周囲は、つくね芋
           中身は、百合根と卵
           美しい薄紫です。

13、抹茶

力強さと繊細さをもって、真冬を表現する、天才の技でした。

お供は、梅酒のソーダ割り、「紀土」「日高見」



滋賀から銀座に移転して、わずか1か月で、予約至難なお店に。

驚異です。

しかし、篠原さんのお人柄を知る人は、これは不思議でもなんでもない、と思うでしょう。

まだ若き篠原さんですが、天から授かったなにかをお持ちだと確信するオーラを放っています。

この1か月、お店と家しか往復してないので、「渋谷ってどこ??」状態だとか。

そんなことを言って、笑わせてくれます。

着席すると、まずは、お香煎でお浄めを。 

さて、料理です。 コースは23000円。

フランチャコルタで乾杯。

1、玉子豆腐、活きボタンエビ、〆あかざ海老            その上に、赤雲丹、キャビア、白、青の海老の卵
                                 割り醤油のジュレ
                                 とにかく、卵のオンパレード。 これでもか・・・とスタート。
                                 あかざ海老の卵の青が、まるで人工物のように鮮やかな青です。

2、大原メガイの鮑                        真空で蒸し、調味は一切なし。 本当に鮑の旨みだけです。
                                 肝和えご飯と。
                                 なるほど、鮑の旨み直球勝負はすごい。

3、お椀                             冬瓜、舞茸、噴火湾の毛蟹のしんじょ、
                                 利尻一等昆布の出汁
                                 さすがのお出汁でした。
 
                                 お椀は、表千家、不審庵の欄間の踊り木を椀に写したもの。
                                 すばらしいお椀です。

4、お造り                            ひらめ 昆布をあてたもの
                                 明石の針烏賊  深めの包丁で、甘味を引出しています。
                                 ちり酢

5、天然の琵琶鱒                         藁で燻してあります。
                                 東京では、こちらでしか、食べられないとか。

6、大間 120kgの赤身                    昆布と醤油の煮凝りで。
                                 これは、特上品。
                                 「鮪が一番おいしかったと言って帰った人がいたんですよ」と
                                 篠原さんが嘆いていました。

7、八寸                             美しい信楽焼きの大皿に。
                                 まるで、秋の野山のような演出です。

                                 鮟肝
                                 銀杏揚げ
                                 琵琶鱒しらこ和え
                                 ほうれん草としめじのお浸し
                                 サツマイモ
                                 卵しんじょ
                                 かんぴょう
                                 穴子
                                 生麩(庄内麩)に、醤油焼きのクリームチーズ
                                 柿なます
                                 蛸のさくら煮

                                 これは、ひとつひとつに丁寧な仕事がしてあり、本当に楽しめます。

8、琵琶湖の鰻                          白焼きとタレ焼きで。 地焼き、と言われる焼き方。
                                 きぬかつぎ、大徳寺納豆

9、賀茂茄子                           落ち茄子と言われる時期のものを、いりこの出汁で。

10、いのしし                          原種に近いいのししを、うずらの焼き鳥のタレで。
                                 滋賀、三雲あたりの深い山の中のイノシシだそうです。
                                 鬼おろし、菊の花、モンゴルの塩
                                 原種に近いわりには、臭みはまったくなく、やわらか。

11、最中                            フォアグラと杏

12、いちじくの胡麻味噌焼き                   いちじくと胡麻味噌がものすごくよくあいます。

13、すっぽん鍋                         鱧と松茸たっぷりと。
                                 

14、上海蟹ご飯                         上海蟹まるごとを炊き上げ、きれいに身と味噌をほぐして、ご飯に。

15、栗きんとん

16、抹茶

お酒は、「鍋島」と「角右衛門」。

オールドバカラのコレクションから、バカラらしいデザインをチョイス。

料理はもちろんですが、登場するお皿、器、お椀の美しさに目を奪われました。

信楽が多いのですが、篠原さん曰く、信楽のいい土は、全部たぬきになってしまって、もういい土がありません。

残念なことです。

大いに笑い、心行くまで、滋賀由来の日本料理を楽しみ、秋の宵が更けていきました。

もちろん、次回の予約も忘れずに。


                                 

  • 八寸
  • 漬けの握り
  • 琵琶湖の鮎

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3位

鮨 さいとう (六本木一丁目、神谷町、虎ノ門ヒルズ / 寿司)

8回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 ¥20,000~¥29,999

2022/03訪問 2022/03/21

春の「さいとう」さん

久しぶりの訪問です。

相変わらず、凛としながらも、なごやかなムードの

「さいとう」さんです。

タネとシャリのバランスは、いつも感心しますが、

この日も抜群でした。

では、この日の春の海です。

<つまみ>
・白魚
・メジマグロ
・蛍烏賊 串に差して
・子持ちヤリイカ
・そのたれにシャリをいれて
・毛蟹
・桜鱒の幽庵焼き

<握り>
・平目
・細魚
・こはだ
・マグロ(勝浦)
・中トロ
・大トロ
・墨烏賊
・車海老
・鯖寿司
・バフン雲丹
・煮蛤
・穴子
・太巻き
・玉子
*お味噌汁

握りの美しさに惚れ惚れします。

日本の至宝です。



数か月ぶりでお邪魔しました。

いつものように最高の笑顔で出迎えてくれた大将。

この日、最後の巻物を手渡してくれたときの

笑顔は、いつも以上にとびっきりでした。

ちゃんと、カメラに収めさせていただきました。

ちなみに、頭を全部剃って、皆にいじられていました。笑


相変わらず、流れるようなリズムで握る姿の美しさ。

出来上がった握りの姿の美しさ。

魅了されます。


では、この日の内容です。

<つまみ>
・白海老
・とり貝
・蒸し鮑
・蛸の桜煮
・鱒の焼きもの
・毛蟹とじゅんさい
・太刀魚の塩焼き

<握り>
・ほし鰈
・しまあじ
・こはだ
・漬け
・中トロ
・大トロ
・赤イカ
・鯵
・車海老
・煮蛤
・雲丹
・穴子
・玉子
・とろたく巻

お椀

お供は、梅酒のソーダ割。


間違いなく、日本が誇るお店です。


久々の再訪です。

いつも感心するのは、大将のブレのない技と

ホスピタリティ。 そして、記憶力。

商売の基本ともいえることですが、

この基本が完璧にできるお店は、意外と少ないです。


この日も、唸りながら、大将の美しい所作と

寿司の美と旨味を楽しませていただきました。


この日、いただいたもの。

つまみ
・愛媛の赤雲丹と北海道のバフンの食べくらべ
・クエ
・煮蛸と鮑
・鮑の肝に酢飯を
・鰹  
 神津島の地海苔と
・毛蟹
・のどぐろと水茄子

握り
・しんこ
・白河 昆布〆 輪島産
・金目鯛
・づけ
・中トロ
・大トロ はがし
・アオリイカ
・車海老
・鯵 浜田
・煮蛤
・穴子 塩
・穴子 タレ
・巻物
・玉子

お椀

お供は、梅酒のソーダ割


それにしても、この時期の浜田の鯵は、

驚愕の旨味。 


何度来ても、間違いなく、

日本を代表する名店です。


久々の訪問でした。

カウンターには、全員が揃っています。

大将は、奥から出てくるやいなや、

いの一番に声をかけてくれました。

満面の笑顔。

このホスピタリティには、いつもながら

頭が下がり、ギュっと心を鷲掴みにされます。


さらに、磨きがかかっている握る所作の

隙のない美しさ。 

出来上がった握りの造形美。

まさに、日本が誇る寿司です。


ちょうど、秋らしい陽気になってきたこの宵。

店内には、笑いと陽の気が漂います。


内容です。

つまみ
1、出汁いくら
2、蛸と鮑
3、鱈の白子
4、鯖寿し
5、ほっき貝
6、毛蟹、蟹味噌
  出汁と酢で。
7、長芋 山葵漬け
8、穴子白焼き 辛味醤油

握り
1、鰈の昆布〆
2、しまあじ
3、こはだ
4、漬け 戸井
5、中トロ
6、大トロ
7、あおりいか
8、車海老
9、青森の鯵 葱醤油
10、バフン雲丹 余市
11、穴子
12、トロタク
13、玉子

味噌汁

お供は、日本酒
・農口尚彦研究所 純米大吟醸 無濾過生原酒


この日、心に残ったのは、鯵。

身厚で、鯵ならではの旨味がたっぷり。

大将も、「きょうの鯵、いいでしょう」と自慢げでした。
予約至難なこちらですが、ご縁あって、

再訪です。

この日もまた、大将の目の前の席です。

なんだか以前より、若々しくなられたような印象です。

笑顔がとても素敵で、お話ししているだけで、

人間力を感じます。

この日は、お昼ですが、夜のコースでお願いしました。

秋の味覚満載。

そして、相変わらず、美しい握りの姿。

本当に見惚れます。

それでは、この日、いただいたもの。

つまみ

1、いくら
2、蛸の柔らか煮と蒸し鮑
3、もどり鰹
4、鱈の白子
5、毛蟹にわり酢
6、クエの煮物
  出汁のコクが素晴らしいです。

握り

1、しまあじ
2、ぶり 漬け
3、こはだ
4、大間の鮪 漬け
5、中トロ
6、大トロ
7、スミイカ
8、車海老
9、鯵 (出水)
10、馬糞雲丹 (余市)
11、穴子
12、とろたく
13, 玉子

お供は、
黒龍
仙禽一聲


 お弟子さんには、仕事をしながらも、

 かなり厳しく指導。 

 こうして一流の師匠に育てられたお弟子さんは

 幸せですね。 

 そして、隅々まで厳しい目を注ぎ、

 極上を追求してくださる姿勢は感動的でさえ

 あります。

 この日も、すべて唸るほど美味でした。

 至福です。
ご縁あって、またまたお邪魔することができました。

そして、またもや、大将の正面のお席。

嬉しい限り。

猛暑にも負けず、気合いの入った大将。

プロそのものです。

この季節だというのに、気仙沼 巻き網の鮪が

素晴らしかったです。脂のほのかな甘みを感じます。

雲丹もおつまみ2種、握り1種で、すべて産地が

異なり、それぞれ、おつまみ、握りに向いたものを

選んでいます。

やはり、最上のものがここに集まります。

いつもながら、朗らかで、気さくな大将。

話も弾んで、楽しいひとときでした。

では、この日の内容です。

おつまみ

1、富山の白エビ
2、大原の鮑
3、佐島の蛸
4、鰹
5、淡路と壱岐の赤雲丹 食べ比べ
6、毛蟹
7、太刀魚の塩焼き  水茄子

握り

1、干しがれい
2、しまあじ
3、小肌
4、鮪   気仙沼 巻き網 120kg
5、中トロ
6、大トロ
7、アオリイカ
8、車海老
9、鯵  出水
10、煮蛤
11、利尻 馬糞雲丹
12、穴子
13、ネギトロ巻
14、玉

お椀

お供は、梅酒のソーダ割り。

真夏の昼の夢。

極上の時間でした。


日本一予約至難なこちら。

前回は橋場さんの個室にお邪魔しましたが、

今回は、大将の目の前というプラチナシートに。

ランチタイムでしたが、夜と同じコースを出していただきました。

大将とは、共通のある話題で盛り上がり、気さくなお人柄に

惚れ惚れです。

握っているときの、独特な流れるような所作、そして、そこから

繰り出されるなんとも美しい姿の寿司。 

所作から握りの姿までが、一連の芸術作品のようです。

寿司は、本当に好みが出るところですが、この日の大将の

握りは本当に好みでした。 シャリとタネの神業的な合わさり方

とでもいいましょうか、無言になりました。

そして、本当においしいものをいただいているときには、

いただけばいただくほど、お腹がすいてくる、という現象が起きます。

フシギです。

さて、この日の内容は。

つまみ

1、生いくら        柚子が忍ばせてあり、さわやか。

2、蒸し鮑         千葉産。
              最高の蒸しかげんです。

3、蛸の桜煮        伝統の技

4、鯖寿司         大好物です。
              酢がやさしい。

5、かつおのたたき     長崎産
              
6、鱈の白子        とろけます

7、青柳の小柱       串刺しで。ぎゅっぎゅとした食感が
              小気味よさを。

8、鮟肝          これはもう最高に濃厚です。

9、喉黒とべったら漬け   皮と身の間の上品な脂が最高です。
              いい焼き加減。

握り
1、ひらめ
2、鰤           余市産
3、こはだ          
4、づけ          
5、中トロ         
6、大トロ         大間
7、スミイカ        出水  身厚で食べごたえ十分
8、車海老
9、鯵           出水  大好物です。
              この時期にして、最高品質。
10、馬糞雲丹       昆布森
11、穴子
12、とろたく       海苔の質にも感動
13、太巻き
14、玉子         トロトロして、シルキー

 この日のために、風邪をひかないよう、万全に体調を整えて臨みました。

 いや、本当に惚れましたが、次回は今生で訪れるのか・・・・。
 
予約至難な寿司屋の筆頭ともいえるこちらに、お誘いいただき、伺うことができました。

この日は、個室で、橋場俊治さんが担当。

神津島出身で、幼いころから魚が好きだったとのこと。

目がきらきらして、目力があります。

その上、目配りも素晴らしい。 若くして、任されるだけのことはありますね~~。

かねさかでの修業をへて、こちらに。

かねさかとこちらでは、なにが違うのか、という質問に、一言「親方の哲学」とのことでした。

深く納得。

二人の寿司界の巨匠の哲学をどう受け継いでいくのか、これからが楽しみです。

さて、この日いただいたもの。

ほしかれいとその肝
初鰹の漬け
大原 鮑
佐島 蛸
ほしがれいの縁側の炙り
富山 白エビ
のどぐろ 焼き物
水茄子

ここから握り

鮪 漬け  境港 1週間熟成
中トロ
大トロ
銚子 金目鯛
いさき 漬け
こはだ
出水 すみいか
出水 根つき鯵
車海老

礼文 雲丹
穴子
干瓢巻
玉子
お椀

お供は、日高見

  • 細魚
  • こはだ
  • 中トロ

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4位

日本橋蛎殻町 すぎた (水天宮前、人形町、茅場町 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.4
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/07訪問 2017/07/20

江戸前の本流、大将の技とお人柄に感動

私が初めて「都寿司」に伺ったのは、今を去ること10年以上前。

当時は、この店の名を知る人も少なく、予約しなくても席は取れました。

その後、あれよあれよという間に、人気が出て、あっという間に予約至難に。

そして、現在の場所に移ってからはさらに予約はむずかしく・・・。

今回は、ある方のご厚意により、お席を取っていただきました。 感謝!!

黒塀風の風情のあるエントランス。

地下におりると、真新しく、凛とした空気感のある店内。

お席は、大将の目の前。 

都寿司のときとは、格段に進化した技、はらはらと口の中でほどけるしゃりの塩梅、選び抜かれたネタ。

特に、この日いただいた浜田の鯵は、強く印象に残りました。

握っているときの大将の佇まい、そして、握りの姿の美しさは秀逸です。

大将は、お客さんへの目配りが素晴らしく、常にリラックスして、楽しませてくれようと

します。 この温かいお人柄に、皆、吸い寄せられてくるのですね・・・。


さて、この日、いただいたもの。

まずは、梅酒をソーダ割りで。

つまみ

1、枝豆           枝豆まで厳選されていて美しいです。

2、青森のあいなめ      焼き霜で

3、銚子のまこがれい

4、佐島の蛸         「ご存じないかもしれませんが、タコです」と言って蛸を供す大将に
               一同大笑い。

5、鰯            大葉、あさつき、ガリを巻いています。
               光物好きの私には、こたえられません。

6、鮟肝           スペシャリテとのこと。 なるほど。

7、数の子の味噌漬け     数の子が心底美味しいと思ったことはありませんが、
               味噌漬けにすると、こんなに旨みが・・・。

               **ここだけ、新政の貴醸酒 陽乃鳥 が供され、マリアージュ。
                 深いコクが鮟肝の旨味を増幅。

8、太刀魚          塩焼き
               
握り

1、コハダ          美しい仕事です。
               「芝浜」の枕に、人形町にコハダを売りに行くという話をする落語家が
               いましたが、ふとそれを思い出しました。「芝浜」では、1月ですが、
               夏にもこれだけのコハダをいただけることに、うれしさをかみしめつつ。

2、イサキ

3、鯛            皮目の切り込みが芸術的

4、さごし

5、ほっき貝

6、かすご          昆布〆

7、大トロ          腹上のお腹側
               もうビジュアルがすごすぎます。

8、鯵            浜田のどんちっち。
               脂肪の乗りが、他産地の倍以上というすぐれものです。
               他店でも浜田産をいただいたことはありますが、これはもう別格。

9、車海老

10、金目鯛

11、雲丹          壱岐のもの、とのことで、トロトロです。

12、穴子          タレ

13、玉子

あさりの澄まし汁       ほんの少しだけ、味噌をいれているとのこと。


満足でした。

  • 鰯巻
  • こはだ
  • 鯵

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5位

木山 (丸太町(京都市営)、烏丸御池、京都市役所前 / 日本料理)

2回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 昼の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 3.9
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

2018/05訪問 2018/05/17

黄金の出汁を目の前で

8か月ぶりの再訪です。

今回はお昼で。

時節柄、店内には、葵が活けられ、風情を感じます。

相変わらず、黄金のお出汁の透明感、奥行き、

研ぎ澄まされたコク。 申し分なしです。

1年もの鰹の荒節、2年もの黴付けした鰹節、

2年もの鮪節の3種を大将が目の前で、

丁寧に削り、その削り節を1切れづつ

お味見させてくれます。

芸術品のように薄く削られたものを

目の前でお出汁に。 きらきら輝き、

ひとこと、美しい。

お猪口で、引き立てを一杯。

沁み渡る滋味です。


今回は、大将と離れた席だったので、

ほとんどお話しできなかったのが、ザンネンでした。

お弟子さんに質問してみたものの、

あまり答えられず、でした。

昼の1万円で、この内容はかなり頑張っていると

思います。 

1、白湯

2、酒
  伏見 松の翠

3、先付
  新湊の白エビの昆布〆
  青森のとげぐり蟹
  白ずいき
  トマト
  水玉胡瓜
  金針菜
  追い鰹と酢のジュレ

4、椀
  とり貝
  胡麻豆腐
  椎茸
  アスパラソバージュ

  お出汁の旨味がすべてを包みこんで
  います。

5、お造り
  駿河湾のあおり烏賊
  和歌山の石鯛

6、すずきの塩焼き
  たで酢
  菜種の古漬け

7、しどけ(山菜)
  スナップエンドウ
  蕨 
  白ばい貝
  胡麻酢和え

  この器は、大分 菊池克さんの作品。
  
8、揚げ物
  いさき 梅おろし
  山菜  赤こごみ、こしあぶら
      独活
  甘エビ酢で。

9、京都牛サーロイン薄切り
  加茂茄子
  花山椒

  亀岡 平井牧場の牛です。
  柔らかなテクスチュアと
  花山椒の愛称が秀逸。

10、ご飯 3種
  
   *雲丹玉
   *蓮根粥 浅利出汁
   *じゃこと鰹節 卵黄のせ

   香の物
    水茄子の昆布〆、大根、長芋、
    胡瓜

   赤だし

11、絞りたてブラッドオレンジジュース

12、蕨餅

13、抹茶


 ご飯3種類は、満足感があります。

 今回は、雲丹玉丼をリクエストしてありました。

 緩急のある構成。

 見事でした。



今年、京都、日本料理界で最もホットなお店ではないでしょうか。

ここ数か月だけで、数名からこちらの話を聞き、

急遽伺うことに。 といっても、もうすでに予約至難になりつつある

のですが、本当に運よく予約を取ることができました。

「和久傳」出身の大将は、経験に裏付けられた技もさることながら、

その人間力に惚れます。

終始、カウンター正面で、大将を拝見させていただいて、気づいたのは、

お弟子さんたちを、さんづけで呼び、とても丁寧に接しています。

そのせいか、店内には、やさしい「気」が漲り、ものすごく気持ちよく

食事ができました。

鰹節を目の前で削り、一番出汁を目の前で用意する、という

試み。 斬新なプレゼンテーションです。


夜は、15000円と20000円。

20000円でお願いしました。

まずは、梅酒をソーダ割りで。

それでは、お料理です。

1、白湯            堀った井戸から組んだ水です。
                坂井直樹さん作の鉄瓶の造形美が目をひきます。

2、黒鮑柔らか煮        三重産の黒鮑を、銀杏と飯蒸しに。
                鮑の出汁だけで餅米を炊いています。
               
                もう最初からなにも言えません。

3、酒             杯に、伏見の「松の翠」を。

4、お椀            オクラ、このわたのすり流し
                魚の出汁です。

                このわたや魚の出汁を使いながら、
                この洗練された味は・・・

5、酢の物           蛸の卵、小芋、つる紫、車海老
                加賀太胡瓜の揚げ煮
                土佐酢のゼリー
                あられの生姜

                ここで、酢の物が登場する打順にも
                意表をつかれます。

6、出汁            このあたりから、大将が目の前で、鰹節を削り
                始めます。
                本枯れ節、荒節、鮪節の3種を使用。
                配合は、その状態や、お椀の具によって、変える
                そうです。
                1枚1枚、削りたてを試食させてくれます。
                井戸水に2日間つけた4年ものの香深の昆布と合わせ、
                目の前で濾すと、黄金に輝く一番出汁の出来上がり。
                お猪口に一口。 自信作です。

7、お椀            その出汁に、岩手産松茸と湯葉真薯

                「たまたま、岩手産が入りました。頑張りました」
                と、大将。

8、お造り           ぐじ    丹後のぐじ、5日寝かせて、一塩
                本鮪    三重産 かまと大トロ
                剣先烏賊  4日寝かせたもの。 ねっとり
                      海苔の佃煮
                      モロヘイア
                      芥子おろし

9、鰻の印籠焼き        浜名湖産の天然。 
                庭の池で、寸前まで泳がせたもの。
                700gもある大物で、ものすごい弾力と
                筋肉を感じます。
                塩だけでいただきましたが、気が付くと、
                タレも供されていました。笑
                三度豆、モロッコ豆の胡麻和え

10、白和え          さつま芋のレモン煮
                だだ茶豆、菊花、菊葉、大徳寺麩、

11、子持ち鮎の天ぷら     琵琶湖産。 頭から、カリっと。
                秋田の天然舞茸もカリカリ。
                 「秋田の天然もたまたま入りました」と大将。
                 「え? ひょっとして、毎回、たまたま、と
                  言ってません?」
                 すると、横からお弟子さんが、
                  「うちの大将、ウソいいません」と
                  ナイスフォロー。
                 大将とお弟子さんの笑顔が最高でした。

12、クエ           三重県産の11kg。10日寝かせて酒蒸しに。
                冬瓜と椎茸と。
                皮目の脂が究極に美味。

13、ご飯           「お腹、大丈夫ですか?」と聞かれ、
                「もちろん」とお返事。
                 で、4種類のご飯いただきました。
                 いくら
                 梅紫蘇
                 じゃこ
                 卵

                 中川一辺陶さんの釜が目の前に置かれ、
                 炊きたてご飯。
                 上質ないくら、梅紫蘇と2杯いただき、
                 3杯目のご飯には、黄身を。
                 山盛りのおじゃこを自分で、かけて
                 いただきました。
                 ご飯がおいしすぎて、いくらでも入ります。

14、搾りたて洋梨        ショットグラスに一杯でしたが、
                 おいしすぎて、お替りしたかったです。

15、百合根の茶巾

16、抹茶


 満足度、頂点です。

 玄関先まで見送ってくださった大将の優しさを

 背後にいつまでも感じていました。


  • 大将
  • お椀
  • しどけ(山菜)ほか

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6位

比良山荘 (大津市その他 / 日本料理、オーベルジュ)

1回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.6 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/12訪問 2017/12/13

山中で味わう月鍋の、想像を絶するとろける旨味

こちらのことは、十数年前から聞いていましたが、

遠いうえ、肉の脂があまり得意ではない私には、皿に美しく盛り付けられた

白い熊脂のビジュアルはあまり魅力的には見えませんでした。

しかし、周囲から評判を聞くにつれ、興味津々に。

そもそも、熊肉は古来から食用にされ、その脂は、融点が低く、

ものすごくいい出汁がでるだではなく、

滋養強壮効果も高い、とのこと。

そればかりか、コラーゲン豊富で、お肌ぷりっぷりに。

動物性蛋白質だけでなく、食物繊維とビタミンも豊富とか。

もう、これは行くしかありません。


そんなとき、幸運にもいいお誘いを頂戴しました。

京都駅から車で1時間半ほど。 

山村の中の立派な日本家屋で、エントランスには、「山の辺料理」と書かれています。

広い座敷に、テーブル席が。

まずは、女将のご挨拶から。

梅酒のソーダ割りをいただきながら、いよいよスタートです。

ワクワク!!

まずは、ドクダミ茶

1、先付         琵琶湖産たてぼし貝のお浸し
                 初めて食しました。食感がいい貝です。
             鮎の熟れ寿司  
                 酸味の塩梅が素晴らしい。
             あおぼしぜんまいの寿司
                 これもお初にいただきました。
             みず
             鹿のロースト
             もろこ、むかご、銀杏、川海老、松茸の佃煮風

2、お造り        鯉   庭の清水で泥を吐かせた極上な鯉
                 酢味噌で
             鰻の焼き霜
             紅化粧大根
             黄人参
             高島のゆるぎ蕪
             黒皮茸
                ツマまで珍しいものばかり

3、鯉の白子蒸し     白子はいろいろ食べてきましたが、鯉の白子・・は
             これも初。 とろりまったりですが、後味あっさり。
             香茸の餡と香茸   さすが、和製トリュフだけあり、
                       香りと旨味が素晴らしい。

4、月鍋         さ~~~て、いよいよ、あの何度も写真で見た、
             脂身が花のように咲いた大皿が登場。
             盛り付けが実に美しいです。
             今回は、湖北、長浜で獲れたツキノワグマ。
             ここからは、大将がつきっきりで、鍋を仕立ててくれます。
             大将は、こまめに手を動かしながらも、熊について
             いろいろなことを話してくれました。
             目下、近畿エリアでは、滋賀と兵庫のみが狩猟許可地域。
             最近、熊が里に降りてきて、被害が多いが、実は、
             いい熊を確保するのは、毎年悩み・・だそう。
             というのも、ハンターの高齢化、その技量などが原因。
             良質な熊の条件は、その個体そのもの、玉の当たり方、
             血抜きの方法、捌き方、で決まります。
             いただく部位は、背中。雄雌はあまり関係なく、
             個体の大きさも50~100kgくらい。
             冬眠に入る前の時期が脂が豊富。

             さて、鍋に注がれた出汁に、一切れ目が投入されます。
             ありがたいことに、それを私がいただくことに。
             一口、感想。 「甘い」。 えもいわれぬ熊脂から
             の自然な甘みが口中一杯に広がります。
             この瞬間、私の不安は、すべて払拭されました。
             これは、どの動物の脂ともまったく別物。
             食べ続けても、脂むせのようなことはなく、
             後味も、さらさら。 フシギです。
             
             大将は、熊脂をきちんと人数分、数えて投入し、
             その合間に、原木なめこ、天然芹、葱、
             雑茸(猪口茸、なめ茸、虚無僧、しめじなど)
             を。

             熊肉の焼物も登場。

5、猪肉         出汁を白味噌に変えて、今度は、猪肉を。
             こちらには、クレソンを。
             臭みはまったくない猪肉で、白味噌仕立ての
             出汁に、猪のエキスが加わり、これまた旨味たっぷり。

6、栃餅         猪を食べ終わった白味噌に、栃餅を入れ、
             雑煮に。 栃の香ばしさが美味。

7、長芋雑炊       これまた、驚きました。
             白味噌出汁に、ご飯をいれたあと、長芋を入れるのですが、
             この長芋の粘り方が半端なく、傾けてもなかなか
             落ちません。 この雑炊、食べ終わるまで、言葉に
             ならず、ひたすら唸っていました。 

8、柿のアイスクリーム  柿のソースをかけて。
             冬いちご
             

 いやはや、こうして書いていると、あのときの、旨味が脳内に蘇り、

 無性にお腹が空いてきます。 罪作りな月鍋です。笑

 実は、この日の前日、食べすぎで、かなり胃が不調だったのですが、

 熊と一口いただいた途端、なんと、胃が復活。 

 う~~~~ん、熊パワー、オソルベシ。

 同席のメンバーも楽しい方ばかりで、終始、なごやかに、

 熊の旨味を共有させていただき、実に心に残る日となりました。

 取り仕切っていただいた幹事様の多大なるご苦労のおかげと、

 この場をおかりして、お礼申し上げます。


             

  • 熊
  • 鍋
  • 猪肉

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7位

セララバアド (代々木上原、代々木八幡、代々木公園 / イノベーティブ、スペイン料理、フレンチ)

15回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2023/08訪問 2023/08/26

夏の思い出、セララバアドの夏

「エルブジ」「ノーマ」での修業経験がある橋本シェフが率いるお店。

1年で4回のメニューチェンジ。

季節を映した独創的、クリエイティブな料理です。

詩情豊かで繊細な料理には、いつも感動します。
セララバアドでは、四季でメニューが変わります。

創業以来、お邪魔し続け、

橋本シェフの優しいお人柄に触れるとともに、

その優しさを映す、ノスタルジー香る、

心温まるお料理に、いつも感動を新たにします。


夏のメニューは、

あるときは、高原に、

あるときは、海辺にいざなってくれます。

そして、小さいとき、そんなことしたよね、

と思い出させてくれることも。


今回は、ノンアルペアリングを

お願いしました。

では、セララバアドの夏、

始まりです。


1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に
  見立てています。
  その枝には、秋田産の生ハムと
  香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、
  ポップコーンムースと
  その粉末と塩。 一口で!!
  繊細そのもの、儚さを感じる一品。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、
  じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、
  オレンジ色と黄色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるトマトコンソメジュレ
  で作られた雨紋の料理に、
  先ほどの黄色の花弁をちぎって
  浮かべます。

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  まずは、大きな巻貝を耳にあて、
  海の音を楽しみます。
  ムール貝の殻の塊の上に、カレー風味の
  ムール貝のフライが。
  甘海老。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、大穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、
  大穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  マーガオをアクセントに。

10、玉手箱
  
  青いリボンのデザインがあしらわれた
  陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、スモークが。
  帆立貝の瞬間燻製と、
  細くカットして揚げたズッキーニ。

11、和牛 野菜の涙     

   低温調理した和牛のロース。
   赤ピーマン、茄子、トマトと
   その焼き汁のソースで。
   サワークリームと西洋山葵を
   添えて。
  
12、檸檬
   国産レモンのジュレを、
   美しいメレンゲで包んで。
   お皿の淵には、抹茶を散らしています。

13、トマト、蛍、木漏れ日   

  いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *トマトのマカロン
   *シークワーサーの琥珀糖(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーの
    シロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、
    レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ
 
2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、キウイとホップのスパークリング

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


まるで、3時間で、夏休みを体験させて

いただいたかのようなディナー。

いつものように、温かい気持ちを

お土産に。
14回目の「セララバアド」です。

あ、書いていない回もあるので、もっとかもしれません。

年4回、季節ごとに変わるメニューは、

四季を反映すると同時に、橋本シェフ独特の

心温まる、ノスタルジーを感じるお料理です。

特に、冬は、

「あ、そういえば、子供のころ、こんなことが

あったよね」とか、「そうそう、冬ってこうだった」

という、冬景色を思い起こさせてくれて、

なんとも心がほっこりするのです。


この日もシェフズシートへ。

アクリル板が設置されましたが、

キッチンで、お料理が作られ、盛りつけがされるのを

目の前で見ることができ、

ワクワクします。


さて、冬メニューのスタートです。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  花瓶に活けられた枝には、雪に見立てた
  綿と綿あめ。もちろん、綿あめだけ食べられます。
  樹氷を表現しているのです。
  綿あめの中には、塩とクローブとナッツを
  キャラメリゼしたものが。
  
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  塩漬けのラルドを巻いたもの。

  1品目から、真冬の世界へ。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  この感性に、毎回酔います。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴチーズ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、Gift
なにかが紙で包まれて登場。
  紙を広げると、そこには、手のひらが
  モノクロで印刷されていて、
  その上に、小さなタルトが。
  タルトの中には、牡丹海老、根セルフィーユ、
  グレープフルーツ。
  エディブルフラワーを美しくトッピング。

  手のひらは、橋本シェフの愛娘とか。


5、折り鶴
  
  もう代表作ともいえる、根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事で、毎回ため息です。
  隣りには、岩手産ホロホロ鶏の白レバー。
  根セロリをコンソメで炊き、生姜ときのこの
  ソースと。
 
6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  いつ見ても、キュートそのもの。
  

7、帆立貝 カルドッソ 

  煮込んだスープの米料理。
  大麦、米、葉にんにくに、
  帆立貝。
  貝の出汁のコクがたまりません。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9,アンコウ チョリソ

  じゃが芋とくるみで包んだアンコウを
  ソテー。
  トマトとチョリソーをシート状にし、
  レザーを表現。
  玉葱ソース。
  燻製ベーコンの泡を。

  なんと、チョリソーをそう使うとは・・・。

10、紀州鴨
  低温調理してから、黒ニンニク、スパイス、
  赤ワインのタレを皮目に塗って、サラマンダーに。
  
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  プチベールのソテー
  
  滋味豊かな鴨です。
  
 
10、対照 カカオ
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  一瞬、こんなにたくさん食べられるかしら、
  と思いますが、軽いので、スイスイです。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのタルト

フレッシュハーブティ(ミント、レモングラス、生姜)

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、薔薇の香りのノンアルマティーニ
  Japanese Craft Gin 欅
2、りんごスパークリング
  ホップの香り
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、知覧茶 ゆたかみどりと漬けた金柑
5、ひとつだけ、赤ワインをいただきました。
  信州たかやまワイナリー 2018
  メルロー&カベルネ


毎冬ですが、橋本ワールドに魅了されました。

シェフの優しいお人柄が成せるファンタジーの世界。

しばし、子供のころに戻り、幸せな世界に

浸らせてくれます。

そして、帰り際。

寒くないようにと、ホッカロンがプレゼントされます。

温かさに包まれる冬の宵。


創業以来通い続けているこちら。

今回は初めてランチタイムに伺いました。

ちなみに、ランチは土曜日のみです。


橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

前回は、シェフズシートとキッチンの間には、

ビニールが吊り下げられた状態でしたが、

今回は、アクリル板が設置され、対策も万全。

このシートだと、キッチンの様子が手に取るように

見えるので、シェフとスタッフさんたちの無駄のない

整然とした動きを見るのも、楽しみのうち。


さて、冬メニューのスタートです。

橋本シェフの冬のワールドは、

幼いころの冬景色を思い起こさせてくれて、

本当に、

心の芯まで温めてくれます。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  キッチンでは、スタッフの一人が、
  綿あめを作っています。
  花瓶に活けられた枝に、その綿あめをつけます。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  もうひとつは、塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いたもの。

  真冬の景色が広がります。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  これを初めて見たときは、心底感動しました。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、ボタン海老とグレープフルーツのタルタル

  コースとは別に、シェフからプレゼントの一品。
  セルフィーユの根の上に、ボタン海老と
  グレープフルーツのタルタル。
  セルフィーユの根の甘さが感動的。
  焼き石にのせて登場します。

5、折り鶴 根セロリ
  
  開店当初はこれが話題になりました。
  根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事に脱帽です。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラと
  キノコと生姜のソース。
  

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。
  キュートそのもの。

7、蟹  カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、大麦で。
  蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9、紀州鴨
  焼き目がきちっとついた鴨。
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  
 
10、カカオ対照
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  大きいのに、軽いので、すんなり食べられます。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのマカロン

フレッシュハーブティ(ローズマリー、レモングラス、アップルミント

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、ベリー入りのノンアルシャンパーニュ
2、りんごとジャスミン
  りんごの氷のヘタは、クローブで、
  溶けてくると、香りが。
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、八女茶と漬けた金柑
5、澱紅(てんこう)という中国の紅茶に
  花梨、カカオ、苔桃

  ノンアルのブラッシュアップされています。


 今回も、橋本シェフの詩情豊かな日本の冬に魅了されました。

 シェフのお人柄そのもの。

 寒い冬。 今年は、温かさがより一層身に沁みます。
開店以来、四季折々にお邪魔しています。

6年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートですが、

コロナ対策で、キッチンとの間にビニールシートが。

テーブルは、16席を12席に減らしての営業です。


始めに渡される小冊子には、シェフ作「セララバアドの旅」が綴られています。

このストーリーに沿って、お料理が登場するのです。

しかも、今回は、ストーリーにかわいい女の子が登場。

さて、彼女はだれでしょう。


橋本シェフの夏メニュー、開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや

  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。

  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。 一口で!!

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、オレンジ色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるしじみの出汁で作られた雨紋の料理に、
  先ほどのオレンジの花弁をちぎって浮かべます。
 

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

10、玉手箱
  今回の新作です。
  青いリボンのデザインがあしらわれた陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、
  帆立貝の燻製と、細くカットして揚げたズッキーニ。

11、那須高原和牛 マコモダケ       

   低温調理し、さらにローストした和牛。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルのはずですが、
   収穫が極めて短く、昨年はタイムリーだったのですが、
   今年はダメでした。
   で、ゴールデンパイナップルで。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   刻々と変わる暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                      
13、よもぎ  蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、シャンパーニュ
  ここだけお願いして、アルコールのほうに。

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


世界的な未曾有の事態と、

2か月に及ぶ自粛で、

陰鬱になりがちな昨今ですが、

橋本シェフのお料理は、そんな気分を

吹き飛ばしてくれるほど、

温かさと懐かしさと癒しをもたらしてくれます。

「人は人を旅する」

セララバアドの旅。

まだまだ、これからも楽しみです。


今年も「セララバアド」の春が巡ってきました。

この春も、すべての料理に、和歌をペアリングさせ、

より、料理の感性を深く味わうことができます。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。


何度いただいても新鮮な感動がある橋本シェフの

お料理には、繊細な感性と、心のやさしさを感じます。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。

コースは、11000円

そのほかに、アルコールかノンアルのペアリングを

選びます。

今回はノンアルペアリングを選びました。

*印は、ドリンクペアリング


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

 *桜スパークリング
  岩手県くずまきワイン
  ソメイヨシノ酵母

  グラスに、タグがついていて、
  料理名とペアリングドリンク名が
  書いてあります。

2、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

  *きよみ、リンデン、炭酸のドリンク

3、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダを
    揚げたタピオカの上に。

4、白魚 スマック タコス

  いつも、小菓子を入れるエンボスの缶に、
  白魚のタコス
  根セロリチップ
  チコリ
  文旦
  スマックは、中東のゆかりのようなスパイス
  
5、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、ビーツと
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、棚田 八海山サーモン 蕪

  昆布〆したうす切りの蕪で、
  八海山の虹鱒を包み、
  段々状にすることで、棚田をイメージ。
  虹鱒のいくらを散らして。

7、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

 *ルバーブ
  カルダモンとアーモンド
 
8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

9、筍 蛍烏賊

  筍の先っぽでカバーされた料理が。
  カバーを取ると、中からは、
  トマトベースの蛍烏賊


10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

 *抹茶 林檎
  点茶
  抹茶が入った茶碗が登場。
  あとから、温かいリンゴジュースを注ぎ、
  茶筅で混ぜます。

11、春霞 鮎魚女  
        
   皮目をパリっと焼いた鮎魚女の入った
   器が登場。
   あとから、シェフがひとつひとつ、
   そこに霞をたなびかせます。

12、ホロホロ鶏   

   岩手のホロホロ鶏を低温調理。
   空豆、アスパラガス
   キノコのソース

  *薫香和紅茶
   ウィスキー樽と文旦
   グラスの淵に、文旦を添えて、
   香りを楽しめます。

13、檸檬
   
  レモンムース
  六(ジン)のジュレ
  きれいにメレンゲで飾って
  周囲には、抹茶を。

14、小菓子 ガラス箱で

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
   
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   薔薇     マカロン
   蕗の薹    焼き菓子

*スペシャル
 この日は、友人たちの中に、  
 バースデーの人がいました。
 シェフ特製ガトーショコラでお祝い。
   

15、ハーブティー
  カモミールとオレンジ

パンとオリーブオイル


相変わらず、めくるめく橋本ワールド。

まるで、童話の中を旅しているような

時間です。
開店以来、ずっとお邪魔しています。

5年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートで、

シェフや、新人くんたちとお話をしながら。


新作も加わり、「セララバアドの旅」はますますわくわく度を

増しています。

始めに渡される小冊子には、「セララバアドの旅」が綴られています。

これだけでも、なんとも心温まる詩情豊かさを感じられるのですが、

その上に、そのポエムと同じお料理が登場するのです。

物語は、こう締めくくられています。

「この旅で見つけた素敵なものは、全部誰かにあげて

しまったので、手元にはただのひとつも残りませんでした。

みんなの喜ぶ姿が、セララバアドにとって一番の

「素敵なもの」だったのです。

最後に見つけた素敵なものは、心の中にありました。」

シェフの気持ちが投影されています。

そんな温かな心をもつ、橋本シェフの夏メニュー、

開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。

  ・新作の沖縄の作家さんのガラス皿に、
   稚鮎のフリットと透明なガスパチョのゼリー。
   オレンジの花弁をちぎって、ちょっとほろ苦くして。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、海 森 循環          
                      
  新作です。
  シェフが、宮城県唐桑で出会った帆立貝。
  森が豊かになると、海も芳醇になる、という循環で
  生まれた帆立貝。
  身が厚く、しっかりした旨味があります。
  大きな帆立貝の殻で蓋をして、登場。
  皿の底には、燻したお茶の葉を敷り、森のイメージ。
  その上に、焼き石と帆立貝。
  ロメスコソースで。

  素敵なお皿は、珍しい鉄製。
  でも、とても薄いのです。
  実は、森の養分を吸収するには、鉄分が
  必要だそうで、そこから新作の鉄皿にしたそう。


10、那須高原和牛 マコモダケ       

   今回は、イチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   今回は、とってもタイムリーでした。
   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルが
   入荷していたのです。時期が短いので、滅多に
   お目にかかれません。
   旨味と甘みがギュっと詰まっています。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                     
13、よもぎ 蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルコールシャンパーニュ

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


温かな雰囲気に包まれて、

セララバアドの旅は終わり、

そして、初夏の宵も暮れていきました。
  
4年目の秋となりました。

落ち葉を踏みしめる秋の森に連れていって

くれるかのような、ロマンティックで、ポエティックな

演出。 この夜も、深まる秋を実感できる

素晴らしいお料理とプレゼンテーションでした。


コースは、10000円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 6000円、 ノンアルコール  5400円。

この日は、アルコールペアリングでいただきました。

それでは、秋の森へ。


テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ

  生け花が登場。
  白く焼き上げた生地で枝を作り、
  そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
  本物の枝には、香川産オリーブが刺さっています。

2、スパークリングマスカット
  
  マスカットとマスカットワインのゼリーを
  エスプーマし、二酸化炭素を加えて、
  シュワシュワに。

3、根セロリ カンナ

  と、メニューに書かれていて、カンナ?と
  花なのかと思いきや、
  登場したのは、鉋屑のカンナ。
  そのカンナのように、根セロリを薄くして
  ロール状にし、サワークリームと生粒胡椒、
  フェンネルを。
  繊細そのもの。

4、森の朝 

  苔と朝霧を演出しています。
  アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
  減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
  テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
  朝霧がふわーっと。

  タイムの泡をのせた、茸の出汁のスープがつきます。

5、落葉の森

  いつものガラス箱の中には、落ち葉が。
  上部には、森が表現されています。
  トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
  トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
  つめた豚ちゃんが。
  アスパラのソテー
  揚げ銀杏
  巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
  ポルト酒。
  赤すぐりをあしらって。

6、烏賊 茸

  白烏賊に茸を詰めて焼き上げています。
  マッシュポテト、甲殻類のソース
  マイクロセルフィーユを添えて

7、マジャク

  有明産 穴シャコを皮ごと揚げたもの。
  地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
  アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
  あり、ちょっと酸味がします。
  シャルドネビネガーの泡
  酸味のあるマンゴー

8、丹波黒鶏 ほおずき 藁

  丹波黒鶏を瞬間燻製したもの。
  藁とスモークをつめたガラスの器の上に
  シートが張られ、鶏を少し動かして、
  シートを叩くとスモークが漏れてくる、
  という凝った演出。
  丹波黒鶏の極上の旨味が楽しめます。
  紅芋とさつま芋を薄くシートにして、
  葉の形に。   
  枝に見立てたシュー生地も。

9、セレ豚

  セレ豚に、ジャガイモのピュレ、マコモ茸、
  ドリイイチジクを。

10、栗 どんぐり カカオ

  栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
  中には、どんぐりリキュールのアイスと
  チョコレートのムース。
  何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

11、松ぼっくり

  アーモンドにチョコレートをコーティングし、
  松ぼっくりの形に。 

12、お菓子の缶 

   いつものエンボスのある楽しい缶には・・
   栗のケーキ
   オリーブオイルゼリー
   あんぽ柿とシナモンのマカロン

** サプライズで、バースデーケーキが登場。
   これは驚きで、本当にうれしかったです。

最後に、ハーブティ(ミント、レモンバウム、レモングラス、生姜)

パンはいつもの焼き立て。

飲み物は、

ペアリング  それぞれ2種からのチョイス
*シャンパーニュ  
 Gran Reserva Jean de Villare
① 星
  岩手くずまきワイン
  凍結果汁仕込み
② ASAHIMACHI WINE
シャルドネ 2017
  1735本限定醸造
③ 山の井
  会津の日本酒。純米造り。
④ 赤ワイン
  Farmer's Merlot
City Farm
農場は大阪ですが、醸造は清澄白河

ペアリングとは別に、

*食後酒
 Kogyoku Dessert 2015
紅玉のアイスワイン
 これが最高に美味でした。
*ガス入りウォーター

橋本シェフのクリエイティビティ、繊細さが

ますます全開で、

毎回、大満足です。

秋の宵、心温まり、静かに更けていきました。
 


4年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔しているので、

通算14回目となりました。

このごろは、「セララバアド」に夏のメニューをいただきにいく、

というより、「セララバアド」の夏メニューをいただくと、

夏が来た、と感じるようになりました。


「エルブジ」「マルティン・ベラサテギ」「ノーマ」での修業を経た

橋本シェフ。 日本でも、素材を追求する旅に頻繁に出かけ、

生産者さんと直接会って交流を深め、

素材に一切の妥協がないです。


いつものように、シェフズシートが用意されていました。

卓上には、「セララバアドの旅」と記された小冊子と、

ラベンダーが一輪。

セララバアドの旅が、コースの内容とシンクロし、

まさに、ストーリーとともに食事を楽しめます。

幼いときの記憶、夏の高原、夏の海、そして、夏の夕暮れ。

日本の夏をいながらにして詩情豊かに体験させてくれます。

料理に合わせて音楽も変わります。

風の音、さざ波・・・。


では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

  ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
  別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、
  オレンジの花弁をちぎって
  浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、はも 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、はものフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            
                      
  いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
  木の蓋つき容器。
  中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
  ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
  鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
  炒り番茶の風味を鮎に移しています。
  蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛        

   栃木牛のランプとイチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ものすごく上質で、柔らか。
   ごぼうとまこも茸のフリット、ポテトのピュレ。

11、ピニャコラーダ 

   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   メニュー名はこれで、私が最も気に入っているデセールですが、
   今回、リピーターには、新作を用意してくれていました。
   チョイスできましたが、新作にトライ。

   きれいに細工した半球のメレンゲで覆われた
   レモンムースと、国産ジン「季の美」のジュレ、
   抹茶パウダーと、金箔を散らして。
  
   オトナのデセールです。ジンのほろ苦さが素敵。
                     

13、よもぎ、木漏れ日、蛍 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、デコポン、胡瓜、ういきょう 
   刻んだ果肉がざくざく入っています。       

3、黄パプリカとしょうが 
  低温でローストしたパプリカにしょうがのスパイスです。           

4、スイカジュースに和薄荷の氷 
  鮎には、これ。         

5、凍頂烏龍茶にグレープフルーツの香り


最後は、ハーブティで。
スペアミント、ペパーミント、レモンバーベナ、レモングラス。

シェフズシートだと、キッチンの動き、連携などが

真近で見られます。

メインのお肉を出し終わると、デセールに入る前に、

シェフは、キッチンの焼物をするパートを、きれいに

片づけ、磨きあげます。 毎回のルーティンですが、

いつも、感心します。

今回も、新たなスタッフさんが入りました。

相変わらずの居心地の良さ、

シェフの優しいお人柄、

見事な夏の宵への誘い。


大満足でした。


4回目の「セララバアド」の春が巡ってきました。

毎回、橋本シェフのクリエイティビティの高さには驚きますが、

今回は、心底驚きました。

なんと、すべての料理に、和歌をペアリングさせました。

より、料理の感性を深く味わうためです。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。

作者名だけ書くので、どの作品か想像してみてください。


メニュー構成は昨年とほぼ同じなのですが、

何度いただいても新鮮な感動があります。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

2、蛍烏賊 タピオカ

  揚げたタピオカの器の上に
  グリーンピース、いくら、蛍烏賊。

3、ここでサプライズサービス

  シェフから特別に一皿のサービスが。
  カダイフで作った鳥の巣の上に、
  アーティチョーク、チョリソーソース、
  ウズラ卵が。

4、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

5、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダ
   

  <和歌>
   紀貫之 古今和歌集

6、枯山水

  四角のガラス箱の中が枯山水に。
  本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
  苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
  ふわふわに仕上げたもの。

  <和歌>
   作者不明 古今和歌集  

7、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、青い苺のピクルス、と
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

  <和歌>
   春の野に
   霞たなびき咲花の
   かくなるまでに逢はぬ君から

8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

  <和歌>
   光孝天皇  古今集

9、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

  <和歌>
   柿本人麻呂 万葉集

10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

   <和歌>
    与謝野蕪村

11、春霞 美雪鱒    
        
   新潟産の美雪鱒を低温調理し、
   鱒の骨でとった出汁と、クレソンオイルを。
   そこに、霞をたなびかせます。
   美雪鱒は、ニジマスとイワナの掛け合わせ。
   レアなテクスチュアがすばらしい。
   そして、霞の演出には、息を飲みます。

   <和歌>
    和泉式部  後拾遺集春上

12、ホロホロ鶏 空豆    

   岩手のホロホロ鶏に、
   筍、空豆、アスパラガス
   ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。
   胸肉は低温調理
   腿肉は、フライパンで焼き、天火で。
   砂肝も。

   <和歌>
    行基菩薩 玉葉和歌集

13、芽吹き

   チョコレートと貴醸酒ムース
   バニラで甘く煮た牛蒡
   ココアメレンゲ
   生姜のアイスクリーム
   ミントで芽吹きを

   <和歌>
    藤原家隆  壬二集

14、小菓子 (エンボスの缶の中に)

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
    <和歌> 柿本人麻呂 万葉集

   苺      薄くした苺の飴

    <詩> 宮沢賢治
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   桜      マカロン
    <和歌>  伊勢物語

15、ハーブティー

パンとオリーブオイル

お供は、

最初は、シャンパーニュ
Jean de Villare Grande reserve brut


ソフトドリンクペアリング

1、リンデンと清見オレンジ        

2、八海山甘酒とジンジャーエール
  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース
  抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、ラプサンスーチョンのスモーク
  と、日向夏のパウダー

 今回の満足度は、いつにも増して、素晴らしかったです。

 シェフとマダムのいい笑顔に見送られて、

 帰路につきました。

3年目の冬がまた巡ってきました。

今回も満席。

橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

料理人の一人が交代し、ニューフェイス登場。

コース全体の手順を覚えるのは、なかなか大変かと

思いますが、すっかり慣れた様子。

さて、冬メニューのスタートです。

昨年のものと比べ、半分くらい新メニューになっています。

美味しいものは何度でもいただきたいので、

半分チェンジくらいがいい頃合です。

1、樹氷 コットン

  花瓶に活けられた枝に、コットンがついています。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  もうひとつは、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いてあります。

  出だしから真冬の景色で、幻想的。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。

  美しいだけでなく、本当に美味。そして繊細。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤なリンゴが丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、馬肉 雲丹 黒米

  黒米のチップスの上に、
  馬肉のタルタルと雲丹。
  その上に、シャルドネビネガーの泡

  これは、初でしたが、クリスマスの特別
  メニューに登場したようです。
  ねっとりしたタルタルと雲丹が美味。

5、折り鶴 フォアグラ

  根セロリの折り鶴。
  オープンしたときは、これが話題になりました。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ。
  花梨ジャムが底に。

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。

7、蟹 ホワイトアスパラガス カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。

  蕪蒸し、とは、またまた驚かせてくれます。

8、百合根 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。
  
  シェフズシートは準備の段階をすべて
  目の前で見られるので、臨場感たっぷり。
  視覚だけでなく、鶏スープの芳香は
  作っているときから、立ち上ります。

9、鮟鱇 チョリソ スモーク 

  いつものように、パッキン付きのコンテナーで
  瞬間燻製。
  中身は、ジャガイモを纏わせて焼いた鮟鱇と、
  チョリソ。
  ソースは、玉ねぎ。
  コンテナーの隣りには、金柑のコンポートが。

  とても立派な鮟鱇の切り身で、食べでがあります。
                

10、紀州鴨 黒にんにく 紅玉

   紀州鴨は合鴨なので、ものすごく大きいです。
   橋本シェフが皮目に焼き色をつけるところや、
   焼き上がった肉をきれいに掃除するさまを
   じっくり拝見。
   鴨と下仁田葱がたっぷり盛り付けられます。
   輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
   いれてあります。 
   りんごのピュレも。
   黒にんにくのチップと。

11、白い吐息

   鼻からスモークがでるマカロン
   これも冬メニューの定番で、
   橋本シェフが各テーブルでやって
   みせる度に、爆笑が。

12、モンブラン

   栗のクリームを白いメレンゲの壁で
   囲ってあります。
   いちごの上には、雪の結晶

13、ミニャルディーズ 

   いつも途中に登場するガラスケースが
   今回は、最後に。
   このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
   その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   エルダーフラワーのシロップのスノーボール
   みかんとカモミールのマカロン
   封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   パチパチオランジェット

ハーブティ

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング

1、りんごとセロリ、カルダモン
2、黄ビーツと生姜
3、みかん、ジュニパーベリー、ローズマリー
4、ベリーとローズティー

  ノンアルのラインアップも進化して、ますます
  美味に。

今回は、「蒼」という山ブドウで作ったワインを試飲させて

いただきました。 確かに、山ブドウの味ですが、

そこはワイン。 ベリーのテイストに、奥行きとほのかな苦みを

感じます。 超レアなワインとのこと。


 コースの前半は、かなりイノベイティブな要素が多いですが、

 単に奇を衒った斬新さではなく、すべてに味の組み合わせが

 考えつくされ、本当においしく仕上がっています。

 メインの魚や肉は、ボリューミーで、しかも、肉の仕事は

 3つ星での経験を如実に感じさせる仕上がり。

 今回も、橋本シェフが、日本の真冬を謳い上げてくれました。

 シェフのお人柄を反映してか、いつも、心が温かくなります。

3年目の秋となりました。

1年に4回のメニューチェンジ。 11回目の訪問となります。

新作も次々登場し、橋本シェフのクリエイティビティの引出しの

多さに、いつも感動します。

特に、秋は私が大好きな季節。

詩情豊かな里の秋を彷彿とさせてくれる作品に、心が温まります。

コースは、9800円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 4500円、 ノンアルコール  3800円。


さて、今回も、落ち葉を踏む、サクサクという音が聞こえてきそうな

橋本ワールドの始まりです。

いつものように、シェフズテーブル。

料理人の二人も、かなり動きがよくなっていて、すっかりベテラン。

ニューフェイスも入っていました。

テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ      生け花が登場。
            白く焼き上げた生地で枝を作り、
            そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
            本物の枝には、国産オリーブが刺さっています。

2、オブジェ      米のスナック
            海藻と雲丹風味で、まさに造形が現代アート

3、スパークリングマスカット  マスカットとマスカットのワインゼリーに
                エスプーマで、二酸化炭素を注入。
                つるんとして、喉にすべりこみます。

4、森の朝       苔と朝霧を演出しています。
            アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
            減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
            テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
            朝霧がふわーっと。

5、落葉の森      ガラス箱の中には、落ち葉が。
            上部には、森が表現されています。
            トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
            トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
            つめた豚ちゃんが。
            アスパラのソテー
            揚げ銀杏
            巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
            ポルト酒。
            赤すぐりをあしらって。

6、マジャク      穴シャコを皮ごと揚げたもの。
            地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
            アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
            あり、ちょっと酸味がします。
            シャルドネビネガーの泡
            マンゴー

7、スケット      スペインの魚介の煮込みのことですが、
            これをアレンジし、帆立とジャガイモのピュレ
            海老、蟹、鯛の出汁で。
            アーモンドミルクの泡
            ニンニク、パセリ、アーモンドオイルのソース

8、茸 ハツ      きのこと大麦を炊いたもの
            牛ハツのカツレツ
            生姜のソース

9、丹波黒鶏      黒鶏を瞬間燻製に。
            ローストしたほおずきをずらすと、
            下の穴から燻製の香りが・・・。
            紅芋とさつま芋のチップス
            枝に見立てた、カレー風味のシュー生地

10、セレ豚 紅玉   セレ豚に、りんごのピュレ、マコモ茸、フェンネル

11、サルベージされた月  ラム酒につけた柿のジュースの球体
              カカオニブとミント
              液体からすくい上げるので、サルベージ
              秋の月です。

12、どんぐり カカオ   これが大変。
              前回は、慣れていなくて、初日はかなり焦がした、と
              シェフ。
              今回は、かなり慣れた手つきに。
              栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
              中には、どんぐりリキュールのアイスと
              チョコレートのムース。
              何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

13、松ぼっくり      新作のデザート
              アーモンドにチョコレートをコーティングし、
              松ぼっくりの形に。 美しい・・・。

14、お菓子の缶      いつものエンボスのある楽しい缶には・・
               栗のケーキ
               オリーブオイルムース
               ジャスミンティーとライチのマカロン

最後に、ハーブティ(フレッシュレモングラス、ローズマリー、しょうが)

パンはいつもの焼き立て。


ペアリングノンアルコール

1、松の葉のシロップとジュニパーのソーダ割り

         森の朝と最高にマッチング

2、オレンジ、人参、パッションフルーツ、しょうが

         オレンジの味が勝っています。

3、梨、ベルベーヌ、塩

         ジューサーで搾りたての梨が美味

4、ざくろジュース、緑茶のタンニン、クローブ
      
         ほろ苦さが効いています。

 ノンアルコールもかなり充実し、一段と美味になってきました。

 シェフは忙しく動きながらも、いろいろ話もしてくださり、

 楽しい限り。

 中学生のきのこ博士から預かっている国産トリュフ、なるものを

 見せてくれました。米漬けにしてあります。 ものすごくいい香り。

 うーむ、これが登場する日も近いか・・・。


                    
3年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔し、橋本シェフの詩情豊かな世界と

その進化を楽しませていただいています。

今回も、新作がいろいろ登場。

そして、料理に合わせて音楽が変わりました。

何度いただいても感心するのは、「夏の夕暮れ」。

青紫の夕空にぽっと浮かんだ満月。 そして、刻々と暮れゆく夏の空。

ノスタルジックな気分に浸らせていただきました。

今回も、シェフズシートで、臨場感も満載。

さて、では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン            ピザ生地にジュニパーベリーや松の葉の粉末を練りこんで
                       枝を。
                       その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

                       ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン          キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露                   大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜                   小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
                       レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
                       ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
                       そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
                       まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
                       別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、花弁をちぎって
                       浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原                 ハーブを内部に入れた透明な皿に、
                       沖縄から取り寄せた山羊乳で作った自家製チーズと、
                       レモングラス風味のミルク、青草の香りのするオリーブオイル、
                       りんごを薄くしたシートを。
                       クセのないクリーミーな山羊チーズです。

6、渚                    いつものガラスボックス。
                       ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
                       カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
                       砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
                       波は、蛤のジュで。
                       蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

                       ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海                   新作です。
                       炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
                       器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン           雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
                       クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            新作です。
                       いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
                       木の蓋つき容器。
                       中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
                       ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
                       鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
                       炒り番茶の風味を鮎に移しています。
                       蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛  マコモ茸         ランプを低温調理
                       ものすごく上質で、柔らか。
                       ごぼうのフリット、ポテトのピュレ、マコモ茸

11、ピニャコラーダ             少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
                       スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
                       ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ               これは昨年初めていただいて感心しましたが、
                       やはり、何度いただいても秀逸。
                       青紫蘇のシロップに、琵琶のコンポート。  
                       夏の夜空に浮かぶ満月を表現。
                       添えられたトンカ豆の香りのレモンシュガーを落とすと、
                       空が紫から群青へ。 暮れゆく夏の夜空です。

13、よもぎ、コーン、蛍           いつものエンボスのお菓子の缶に。
                       よもぎのマカロン
                       ホワイトチョコとコーンのエアチョコ
                       
                       透明なレンゲに、
                       エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
                       中に、黄色の粒をいれてあり、
                       レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火                福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
                       作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。


ドリンクペアリング

1、シャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、トマトのエキスとオリーブオイル        4に合わせて

3、パプリカとしょうが              6に合わせて

4、スイカジュースに和薄荷の氷          9に合わせて

5、烏龍茶にグレープフルーツの苦みと香りを    10に合わせて

6、桃酒                     これは、追加で。
                         大きな一升瓶に「桃酒」と書かれていておいしそうなので
                         注文してみました。 オトナのネクター。

最後は、ハーブティで。

パンとオリーブ


若手料理人さんたちも、成長著しく、連携がよくなっています。

橋本シェフの奥様も、とてもよく気が付く方で、仲睦まじくて微笑ましい限り。

ノンアルコールペアリングが、かなり進化してきました。

大満足な夏の宵でした。


「セララバアド」にも春がめぐってきました。

3回目の春メニューには、また新たな要素が加わり、ワクワクします。

1、桜          桜の枝に見立てたグリッシーニに、
             馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたもの、と
             どろぶたの生ハムを巻きつけて。
             他の枝には、香川のオリーブの生姜風味が。

2、フィトンチッド    新作です。
             ドーム型のガラスケースが登場。
             上部に渡された枝には、松が。
             ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
             下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
             サブレに、柚子の花のピクルス。

3、トペニ ワッカ    アイヌ語で、楓の樹液という意味。
             ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
             ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
               それで炊いたりんご、と
               揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
               野草のサラダ

4、枯山水        四角のガラス箱の中が枯山水に。
             本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
             苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
             ふわふわに仕上げたもの。

5、春の高原       清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
             ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
             美しいピンクの泡。
             皿の縁には、青い苺のピクルス、と
             リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

             カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、春の大地       アボガドと蕗味噌で作った大地に、
             ブラックオリーブを。
             そこに、山菜のフリット。

7、雨紋         春って、そういえば、なにげに雨が多いですよね。

             水面に打つ雨をイメージ。
             しじみの出汁ジュレに、甘エビと豆。
             ジュレの表面に雨紋を作っています。

8、桜海老、海藻、うど  あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
             揚げた桜海老をたっぷりかけて。

9、山女魚 野芹     瞬間燻製で。
             奥多摩の山女魚
             うずらの温泉卵
             ホワイトアスパラガス、野芹 
             チョリソのパン粉
             焼きみかんのピュレ

             蓋をあけると、ふわりと煙があがり、鼻をくすぐる燻製香が。

10、ホロホロ鶏     岩手のホロホロ鶏に、
             アスパラガス、小蕪、マッシュルーム
             ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。

11、芽吹き       チョコレートと貴醸酒ムース
             バニラをココアで甘く煮た牛蒡
             いちご
             生姜のアイスクリーム

12、小菓子       ヤラズノ雨     エルダーフラワーゼリーに雨を
                          *最後の一品なので、この名前
             苺ミルク      薄くした苺の飴に、ミルクボトル形状の小さな紙。
                       その紙に、ミルクの香りが。
             和紙        綿あめを平らにして、和紙のように。
             桜         マカロン

13、ハンドドリップ煎茶      今回から初登場。
                  鹿児島産の煎茶。
                  2椀でて、右が一煎目、左が二煎目。

ソフトドリンクペアリング

1、ぶどうのビネガー        たっぷりのハーブをいれ、周囲にもあしらって。

2、八海山甘酒とジンジャーエール  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース         抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、緑茶              グレープフルーツ果肉を液体窒素で凍らせたものを浮かべて。

  ソフトドリンクも精度がアップしてきました。 凝ってます。


いつもながら、本当によく考え抜かれています。

「神は細部に宿る」そのものです。

最後まで、深く頷かされました。    
             
3周年目を迎えられました。

相変わらずの人気です。

1年に季節ごと4回のメニューチェンジがあり、

開店以来お邪魔しているので、今回で9回目となりました。

橋本シェフが、シェフズシートに案内してくれます。

この席、目の前で、調理と盛り付けが展開するので、臨場感抜群。

橋本シェフと二人の料理人による、連携プレイが見事。

昨年と重なるメニューもあるのですが、今回は、

「冬」をモチーフに、なんだか心がほっこりするストーリー性のある

構成で、またまた橋本シェフのクリエイティビティに脱帽でした。

特に、最後に登場したミニャルディーズの演出には、心底感動。

さて、いつものように、

シャンーパーニュと、生ハムで。

シャンパーニュは、CHEURLIN.

生ハムは、久々に入ったという、どろ豚の腿とロース。

それに、香川のオリーブと、オリーブオイルが注入されたパフが。

さて、コースの開始です。

1、柚子 日本酒 H&C     グラスの中に、ホットとクールの日本酒が、 
                 濃度のせいで、交じりあわずに。
                 柚子の風味がきいていて、アペリティフがわり。

2、毛玉 ビーツ         毛玉をイメージした、という作品。
                 レフォールで香りをつけたサワークリームを
                 繊細にカットしたビーツで包んであり、
                 本当に毛玉のようで、口にいれると溶けました。

3、林檎 チーズ         真っ赤なリンゴが登場。
                 その中央が垂直にくりぬいてあり、
                 りんごで巻いたマンチェボチーズが。

4、折り鶴 フォアグラ      根セロリの折り鶴。
                 これが美しいだけでなく、美味。
                 フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
                 上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ

5、冬の大地           パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
                 大地を表現。
                 その上に、ミニ冬野菜が並びます。
                 テーブルに供されてから、シェフが、
                 雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

6、豚 栗 カルドッソ      スペインの煮込んだスープの米料理。
                 豚ほほ肉と栗が入っています。
                 清水牧場のバッカスというチーズをかけて。

7、百合根 トリュフ       百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
                 つけたミルクの泡。
                 鶏の出汁のソース。
                 そして、黒トリュフをたっぷり散らして。
                 準備しているときから、トリュフの芳香が。

8、帆立貝 洋梨 スモーク    いつものように、パッキン付きのコンテナーで
                 瞬間燻製。
                 中身は、立派な帆立貝と洋梨。
                 ソースは、トマト、ピーマン、アーモンドに、
                 新潟のかんずり。
                 ものすごく熱くした石に海藻をのせ、
                 磯の香りを漂わせながら、登場。

9、紀州鴨 黒にんにく 紅玉   鴨と下仁田葱。
                 輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
                 いれてあります。
                 葱を真っ黒に焼いたパウダー
                 りんごのピュレ
                 黒にんにくのチップと。

10、白い吐息          鼻からスモークがでるマカロン
                 これは昨年も登場し、橋本シェフが
                 各テーブルでやってみせる度に、爆笑が。

11、モンブラン         栗のクリームを白いメレンゲの壁で
                 囲ってあります。
                 いちごの上には、雪の結晶

12、ミニャルディーズ      いつも途中に登場するガラスケースが
                 今回は、最後に。
                 このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
                 その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
                 「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
                 これは、もうやられました。 なんて、ポエムなのか・・・。
                 しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
                 中身は、
                 スノーボール、京人参といよかんのマカロン、
                 ラズベリーソーダとホワイトチョコ、
                 パチパチオランジェット

13、レオンマートルティー

パンとオリーブオイル


飲み物は、ノンアルコールペアリングで、

1、りんご、セロリ、カルダモン

2、みかん、ローズマリー、ジュニパーベリーの実をこしたもの

3、レモンマートルとエルダーフラワーのシロップに、生姜を漬け込み

4、ミックスベリー、ざくろ、クランベリー、ピンクペッパー、クローブ

初期よりも、ノンアルコールのクオリティがかなりよくなりました。


相変わらず、手間暇をおしまない、繊細な仕事とオリジナリティ。

これだけの多忙な日々のいつ、考えているんだろう・・・・、と

作業を見ながら、思いました。

次回、どんなに驚かせてくれるのか、楽しみです。
<2016年11月>

 早いもので、もうすぐ開店2年です。 そして、私は季節ごとに伺い、8回目の訪問となりました。

 毎回、橋本シェフの技とクリエイティビティが楽しみです。

 そして、今回もシェフズシート。 料理を作る過程をつぶさに見られてワクワクします。

 秋メニューは、昨年と半分ほどかぶっていましたが、今回の圧巻は、デセール。

 ま、なんと、手の込んだデセール。 これ、フツーやらないでしょ!! と思える技です。

 では、今回のコース「秋の森」です。

 毎回、メニューの出し方も凝りまくっていますが、今回は、白い葉がたくさん盛り付けられていて、

 それを一枚一枚ひっくり返すと、メニューになっていて、なおかつ、糸でつながっています。 おしゃれです。

 まずは、シャンパーニュ「エドモンド シュルラン」を。

 料理の間は、ノンアルコールドリンクペアリングで。  これがまたかなり進化していました。

1.アミューズは、 ① 海藻風味の米菓子
          ② 和歌山産鴨の味噌漬けを昆布のタルトにのせて
            糸瓜のピクルス、 いちじく


2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

*ドリンク1   ジュニパーベリーと松の葉   ちょっと甘めです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。 豚の中には、ハーブオイルが。

         豚足、豚の耳、しっぽのトリュフコロッケ。

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースにポルト酒をいれて。

         土に見立てたのは、オリーブ、パン粉、玉葱で、これも美味。

*ドリンク2   梨とバジルを塩で仕上げたもの   ちょっと塩味。

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで。 8種類の茸を使っています。

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、リゾット   にんにく、パセリ、アーモンドオイル、海老の出汁で炊いた大麦と米のリゾットの上に、

         才巻海老を。

*ドリンク3   人参とパッションフルーツ  甘味と酸味

7、丹波黒鶏   焼いて燻製に。 

         ガラスの深皿のくぼみにラップを貼り、その上に料理が。

         ラップの穴から燻製の煙を注入してあり、穴にはほうずきが。

         ほうずきをどけると、燻製の煙がもくもく出てくる仕掛け。 本当によく考えられています。

         添えられた枝は、シュー生地で作られていて、食べられます。

*ドリンク4   柿のミントティー

8、セレ豚    「セレブー」というらしいですが・・・・。

         全国の種豚を作っている人が手掛けている豚で、最高の肉質です。 かなり希少とのこと。

         玉ねぎ、まこも茸、ジャガイモのピュレ。

9、デセール   なにやら、キッチンが慌ただしくなりました。

         パイ生地を伸ばすようなゴム製のシートに、薄い膜状のものが挟まっています。

         器にその膜状のものを蓋のようにかぶせ、上部をバーナーで炙ります。

         中身にアイスクリームがはいっているので、溶けないように、なんども冷蔵庫に出し入れを繰り返し、

         蓋の端をきれいにカット。 それをまた冷やして、供します。

         その膜はなにか、橋本シェフに聞いたところ、

         「北欧で海老芋を素材に作られているものを、栗でアレンジしました。 寒天などで作り、一度、

          乾かしています」 とのことでしたが、気の遠くなるような手間です。

          しかも、初日には、蓋をするとき全部落ちて、失敗したとのこと。 

          しかし、この果敢なチャレンジに脱帽です。

          中には、どんぐりのアイスクリーム、チョコレートムース。

10、ミニャルディーズ   ジャスミンとライチのマカロン
              オリーブオイルのグミ
              栗のチーズ
              トリュフ風味のチョコ

              いつものお菓子箱で。

ますます、予約至難ですが、次回が楽しみです。


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<2016年7月>

 7回目の訪問となりました。

 またもや、驚かされました。

 橋本シェフのとどまるところを知らないクリエイティビティ。

 進化を続けています。

 今回は、夏の高原、山羊、そして夏の夕暮れのお話しです。

 一番乗りで到着しました。 今回もシェフズシート。 うれしい限り。

 時間があったので、橋本シェフともいろいろお話しできました。

 シャンパーニュをいただきながら、鴨の味噌漬けを。

 さて、いよいよスタートです。

1、キャラメルポップコーン

2、朝露          大きな蓮の葉の上に、じゅんさいを閉じ込めた梅こぶ茶のジェル

3、花蜜 トマト      昔、つつじの花の根本をチューチュー吸った思い出。
              ナスタチュームの花の根本をチューチューし、
              その後、花弁を、水信玄餅に見立てた
              トマトの透明な液体のジュレ に散らして
              いただきます。 ちょっとビターな花弁の味がアクセントに。 

4、夏の高原        自家製山羊のチーズ 、レモングラス風味のミルク
              香川産オリーブオイル
              ラベンダーの香り

5、渚           いつものガラス箱
              夏の海岸になっています。
              ムール貝のクリーム煮
              しらす、アンチョビ、藻塩でできた砂
              蛤のエスプーマで波を
              シェフが先週石垣島でとってきた貝が中にたくさん。
              ちなみに、ムール貝の上半分の貝殻は、砂糖で作られていて食べられます。
              ディテールまで本当に驚きます。
              そして、ボトルの中にはメニューが。

6、深海          イカ墨のカプセル
              白いかのソテー
              イカのスープ、イカ墨のパエリアのチップ
              枝豆、フェンネル
              イカ墨のカプセルを割ると、スープが真っ黒に。

7、穴子 雑穀 クレソン  雑穀のリゾットの上に、穴子のフリット
              黒酢をつめたソースと、クレソンのソースで

8、鮎の燻製        木製の長方形ボードの上に、唐揚げにした鮎の頭。
              その口に、唐揚げの背骨とみょうがのピクルスが立てかけてあります。

              ガラスボトルに、鮎の身と、鮎の魚醤であえた茄子のピュレ
              これを燻製に。

9、短角牛         55度で2時間半低温調理したもの
              もも肉ですが、ちょっと脂感もある部位
              ポテトのピュレ、牛蒡のフライ、 静岡のマッシュルーム屋さんの巨大マッシュルーム

10、ピニャコラーダ    フレッシュなパイナップルをミキサーでジュースに。
              液体窒素でその場で固めた究極にフレッシュなパイナップルのソルベに、
              ココナッツとラム酒

11、夏の夕暮れ      赤紫蘇のシロップに、桃のコンポート
              夏の夜空に浮かぶ三日月です。
              トンカ豆のスティックにのったレモンシュガーをいれると、
              夏の夜空は、赤から紫に。
              昨年も感動した作品。

12、お菓子箱       エンボスのお菓子箱に、ミニャルディーズ
              よもぎのマカロン
              コーンとホワイトチョコを軽く仕上げたもの
              梅のケーキ

13、線香花火       福岡の花火屋さんとのコラボ
              本物の線香花火の脇に、先っぽに球形のチョコとパチパチキャンディがついた線香花火

ソフトドリンクペアリング

1、トマト、バジル、エキストラバージンオリーブオイル

2、パプリカ、しょうが

3、スイカ、和はっかの氷

4、凍頂ウーロン茶にグレープフルーツの皮

今回も新作が数点登場していて、本当に楽しめました。

シェフが休暇で石垣島に行っていらしたので、そこからインスパイアされたアイテムも。

シェフズシートだと、目の前で繰り広げられる段取りを見るのも、実に楽しいです。

日本の夏を、高原や海、そして、夕暮れと多彩に表現。

詩的情緒あふれる構成でした。
                 
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<2016年3月>

 先月に引き続き、またまたお邪魔しました。

 今回は、メニューも春バージョンに。

 昨年とかぶっているものもありますが、ディテールがちょっとづつ進化しています。
 
 それにしても、橋本シェフは、本当に、勉強熱心。

 先月、私が教えたレストランにもう行っていて、話が弾みました。

 さて、春全開の料理です。

 この日は、赤ワインをグラスで。 大阪の合名山という銘柄で、メルローです。

1、鯛茶漬け         これは意表をつかれる出だしです。

               梅こぶ茶の玉に、昆布〆した鯛。 スプーンの上にのっているので、一口で。

               かなり、梅こぶが効いています。

2、枯山水          いつものガラスケースが、今回は、枯山水に。

               インカのめざめを石に見立て、

               アンチョビバターソースを軽く仕上げたものを苔に見立てて。

3、春の高原         清水牧場のチーズムース

               ローズウォーター、クランベリー、はちみつでできた薄いピンクの泡。

               リンゴでできた蝶々が飛んでいます。

4、春の大地         アボガドと蕗味噌の大地に、ライ麦パンとブラックオリーブで土を。

               その上には、山菜のフリット

5、ホタルイカ、小玉葱    これに、グリーンピースを加えて、ミントのオイルで

6、マテ貝、ウド、海藻    大麦を、マテ貝の肝ソース、海藻と昆布のオイルで。

               海藻の香りが口いっぱいに広がります。

7、ヤマメ、芹、ホワイトアスパラガス    いつもの、瞬間燻製です。ウズラ卵の温泉卵で。

                      ヤマメがあまりに大きいので、あとでシェフに聞いたところ、

                      奥多摩で養殖されているもので、産卵などをしないよう、かなり成長させるそうです。

8、ホロホロ鶏、クレソン、筍        和歌山のホロホロ鶏です。 素晴らしい火入れ。ジューシーです。

                      パースニップのピュレ、プティベールと。

9、春の大地 Ⅱ        デセールです。

                バニラで甘く煮た牛蒡、ガトーショコラとナッツで、大地を。

                日本酒とチョコのムース、 竹炭とココアのメレンゲ

                生姜のアイス

10、ミニャルディーズ     いつもの缶で。

                オリーブオイルグミ、桜のマカロン、パチパチチョコ、

                和紙 (綿あめを平たくし、エディブルフラワーをはさんで、押し花に)

ハーブティ

満足度の高い構成と内容でした。


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<2016年2月>
 
 5回目の訪問です。

 2016 Winter Menu。 またまた、期待を軽く上回ってくれました。

 サプライズの連続なので、それを期待される方は、これを読まずにお出かけください。

 今回は、シェフズテーブルでした。 作っているところの写真も満載です。

 この席だと、橋本シェフともかなりおしゃべりができるし、キッチンの臨場感たっぷりで、楽しめます。

 今年から、ソフトドリンクペアリングも登場。 仏やスペインのレストランでは、かなり見受けましたが、日本では、

 まだまだ珍しく、早速注文。 

 それでは、お料理から。

1、生ハム、オリーブ、オリーブオイルボール        コースとは別に

2、柚子 日本酒 H&C                 なにかと思ったら、グラスに液体が登場。

                             柚子の風味の日本酒が、グラスの中で、Hot & Cool に分れています。 あら、不思議。

3、薄氷 チーズ                     本当にポエムの世界です。

                             ピューレにして低温で揚げた透明の極薄ポテトチップス。

                             パルメザンチーズの泡をつけていただきます。

4、セロリアック 折り鶴 フォアグラ           この折り鶴は昨年オープン当初も登場したようですが、

                             根セロリで作られた折り鶴は、おいしく、かつ優美。

                             初めて、「なんだか、食べるのがもったいない」と思いました。

                             フォアグラの脂で揚げたインカのめざめの上に、フォアグラがのっています。

5、冬の大地                       大地は、パースニップのピュレと、黒オリーブ。

                             そこに、小さな根菜たちが植わっています。

                             雪に見立てた発酵バターのパウダーをテーブルでかけてくれます。

6、才巻海老  菜の花                  オマールや蟹の出汁で炊いた大麦の上に、才巻海老と菜の花、トリュフ。

                             鮮やかなコントラスの色使いがきれい。

7、百合根 トリュフ                   百合根のエスプーマムースに、トリュフ風味のミルクの泡

8、豚 蕪 金柑                     イベリコ豚の赤身、栗、胡桃 アスパラガス、小玉葱

                              リンゴのピューレ。

                             金柑をソースがわりにいただきます。

9、白い吐息                       ここからデセールですが、これには、お店全員が笑いました。

                             液体窒素で軽く凍らせた円柱状のミント。

                             「食べ方をお見せします」と橋本シェフ。 口にいれたとたんに、鼻から煙が。

                              みんな、マネして食べて、大笑い。

10、モンブラン                     ホワイトチョコとベリーをホワイトチョコの壁で覆って。

                             添えられた苺の上には、雪の結晶が。 細部まで本当に、こだわっています。

11、スノーボール                    中に、真っ白な雪の結晶と雪に見立てたものが入っていて、プルンプルン揺らすと、

                             まさにスノーボール。

12、ラズベリーソーダ                  いつものガラス箱に、上記のスノーボールのほか、
                          
                             ラズベリーソーダ、パチパチチョコ、京人参とオレンジのマカロンが。

ハーブティ

ダッチオーブンのパン

シャンパーニュ

ソフトドリンクペアリングは、
1、ベリー
2、リンゴジュースにセロリの風味をつけたもの
3、ハーブティ、しょうが、かりんシロップ
4、白菜+梅シロップ

橋本シェフは、「ソムリエさんと試行錯誤しながら作りました。白菜のは、ちょっとアヤシイでしょ?」 と。

ハーブティと白菜あたりから、ちょっとアヤシイですが、「noma」のソフトドリンクペアリングは、もっとアヤシイものもかなりあるので、

これは、お遊びとして、おもしろいです。 かなりの試行錯誤の末という様子がわかります。

いやはや、今回も、おいしく、楽しく、感動させていただきました。

次回が楽しみです。

 
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<2015年11月>

 4回目の訪問となりました。

 さらに進化していました。

 いったい、橋本シェフのクリエイティビティの源泉はなんなのか。 唸ります。

 秋は、「森」がテーマ。  夏に使用していたガラス箱がすっかり深い秋となって登場し、そこには・・・・。

 毎回楽しませてくれるうえに、料理としての美味しさをはずしていません。 

 さて、今回は。

まずは、ワイン。 リストを見たら、カーブドッチのモグラがあったので、これにしました。

シャルドネですが、個性のある風味。 好みです。

1、生ハム    コースが始まる前に、オプションで。

         今回は、埼玉の杜仲高麗豚。 

         パドロン   スペインではふつうにある野菜ですが、日本では入手困難。 生ハムの生産者が作っているとのこと。

         オリーブ

         オリーブオイルのキューブ

2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 中央の牧の中にメニューが入っています。

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。  もう脱帽のクリエイティビティ。

         豚足、豚の耳、ハーブオイルのトリュフコロッケ

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムース

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、どろ豚 栗   どろ豚のほほ肉と葉にんにくを米と雑穀で炊いたもの

7、スモーク 野菜の涙   毎回登場する密閉容器。 今回は、帆立と焼いた茄子、揚げたズッキーニの瞬間スモーク。

              赤ピーマンと玉ねぎのジュで。

8、紀州鴨 リンゴ 山ぶどう   リンゴピュレ、さるなし、九条ネギ、山ぶどうソースで。

9、柿 マスカルポーネ どんぐり  柿とマスカルポーネのエスプーマ

                  ドングリのリキュールのアイス
            
                  柿リキュールのキャビア

10、お菓子の缶の中に       トリュフチョコ、 バラとライチのマカロン、栗のケーキ、オリーブオイルのゼリー

ハーブティ   べにふうき&レモンマープル

 満足でした。 まさに魅了されます。

 食後、橋本シェフと、9月に訪れたバスクの「マルティン・ベラサテギ」の話で盛り上がりました。 

 スタッフの一人、ホセが橋本シェフのことを覚えていたのですが、とんだ爆笑話があったのです。 

 
今後がますます楽しみになりました。


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<2015年7月>

 3度目の訪問です。 夏メニューになりました。

 まず、お断り。 こちらに予約ができていて、当日のサプライズを期待する方は、番号がついている行からは、読まないほうがよりワクワクすると思いますので、老婆心ながら。

 天才には、自らそのオーラを放っているタイプの人と、フツーに見えて実は天才というタイプがいます。 橋本シェフは間違いなく、後者のタイプ。

 3度目にして、改めて、橋本シェフの天才ぶりを確信しました。

 私の専門分野は、マーケティングおよびブランディングです。 ブランディングには、背景に流れるストーリーというものが目下大変要になってきており、
 
 大企業もそれには大きな労力を費やしています。  橋本シェフは、そんなことは知らずに(?)、たぶん天性の感性でやってしまっている、のでしょうね。

 ただただ驚くばかり。

 さて、新たなメニュー。  春に続き、2番目というのは、最も難しいです。 なぜなら、1回目でぐんと上がった期待値を凌駕しなければならないから。

 結論からいいますと、橋本シェフ、あっさりクリアしてくれました。

さて、いつものように、まずは、赤ワインをグラスで。  新しいソムリエくんが入っていて、フランス コレス島のサンジョベーゼ(仏語もあります)を勧めてくれました。

お料理です。

1、キャラメルポップコーン          7時までに到着した人のみ。 

                       液体窒素で凍らせたポップコーンのムースの中に、ポップコーンのパウダー。 一口で。

2、朝露                   鮮やかなハスの葉に、朝露が一粒。  美しいです。

                       「傳」でも似たようなものをいただきました。

                       露の中には、じゅんさい。 露は、梅こぶ茶でできています。

3、夏の高原                 ハーブがたくさん詰まったガラス容器に、

                       沖縄から取り寄せた山羊ミルクで作った自家製チーズと香川の青味のあるオリーブオイル

                       山羊独特の臭みはなく、美味。

                       一房のラベンダーの香りを楽しみながら。

4、渚                   実は、前の料理を食べているときに、目の前のキッチンで、次の料理が着々と準備されているのが見えます。

                      前回にはなかったガラスの箱が用意されています。

                      運ばれてくると、ガラスケースの中は、貝殻と、ガラスのボトル。

                      ガラスケースの上には、ムール貝が一つ、とムール貝の殻が数個。 殻のうちのひとつがなんと、食べられます。

                      砂に見立てたジャコ。 渚に見立てた海藻と昆布オイル。 波は、はまぐりのジュースです。

                      ムール貝を食べ終わって、ケースの蓋を開け、ボトルを取り出すと、その中に、メニューが入っています。

                      なんと今回のメニューの裏には、セララバアドとヤギの物語が書かれているのです。 その物語こそ、今回のメニューの

                      構成そのものです。 しかも、途中で終わっているところが、また心憎い。

5、牡丹海老 柚子             日本酒でマリネし、頭だけボイルしています。 なので、頭の味噌も食べられます。

                      柚子の泡の香りがたちます。

6、穴子 雑穀 クレソン          雑穀のリゾットのうえに、フリットした穴子。 クレソンとポルト酒、黒酢のソースで。

                      温かくて、ホッとします。

7、鶏 ほおずき  スモーク        これは前回も登場した密閉容器で。  瞬間スモークした鶏肉が入っていて、柔らかいほおずきをつぶしてソース替わりに。

                      ゴーヤとみょうがのピクルス。

8、ラム スパイス ヨーグルト       骨付きラムの中に、ラムのジュが入っているので、一口で、と言われました。

                      う~~~む、まさに、ラムの小龍包です。 これは格別美味。

9、ピニャコラーダ            キッチンで、パイナップルが次々ジューサーにかけられ、ジュースと実に分けられていきます、

                     それが入ったボールに、液体窒素を何度も投入しながら、目の前で、超フレッシュなソルベができます。

                     ココナッツとラム酒をいれて、ピニャコラーダに。

10、桃 紫蘇 トンカ          これは、「夏の夕暮れ」を表現。

                     鮮やかな紫色の赤紫蘇シロップに、桃のコンポートが浮かびます。

                     添えられたクッキーの上の、レモンシュガーをとかすと、なんと、紫から紅色へ変化。 夏の夕景が目の前に。

                     もう、ブラボーです。

11、夏野菜  オリーブオイル      エンボスのクッキー缶に入ったミニャルディーズ。

                     赤ピーマンのマカロン、 オリーブオイルのグミ、トマトのマドレーヌ、コーンとホワイトチョコ

ヴェルヴェーヌで〆。

手の空いた橋本シェフと、今度行くバスクの話で、かなり盛り上がり。 橋本シェフが修行した「マルティン・ベラサテギ」のベラサテギシェフによろしく伝えてください、

と、いろいろ伝言もお預かり。

さて、それを聞いていた、新人ソムリエくんが話しかけてきました。 彼は、「ミッシェル・ブラス」で修行後、「TIRPSE」にいたそうで、私のことを覚えていてくれました。

数か月前に、バスクを旅したそうで、またまたその話で盛り上がり。 なんと、「カン・ロカ」にも行ってきたという強者でした。

そして、彼は、来週弾丸で、バルセロナの「エルブジ」再来といわれる「Disfrutar」にも行くそうです。 私も秋にブッキングしているので、楽しみ。

食事中も五感だけでなく、一編の物語で、脳内まで楽しませてくれたうえ、シェフやスタッフとの話でさらに悦楽の宵となりました。

次回は11月に。   どんな秋の宵になるのか、今から楽しみです。


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<2015年6月>  2回目
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<2015年5月>

「エルブジ」「ノーマ」「マルティン ベラサテギ」などで修行をしてきたシェフのお店で、モダーンガストロノミーを楽しめる、ということで、

この1月にオープンして以来、話題沸騰。  すでに、予約もかなり取りにくい状況です。

当然興味津々でしたが、一方で、「なんちゃってノーマ」という酷評もあり、ある人からは、「ノーマに行ったことがあるんだったら、行くことないんじゃない」とまで

言われました。 が、賛否両論なほど、好奇心は掻きたてられるもの。 というわけで、この日、過度な期待はまったくせず、伺いました。

結果、実に楽しく、満足度高く、シェフのフィロソフィーを体感した宵となりました。

世界のトップクラスで修行をした、という勲章が、時には重荷になるのだと、同情します。

橋本シェフは、けしてマネをしているのではなく、 きちんとモダンガストロノミーを自分のものにし、なおかつ、日本の身土不二を取り入れ、さらに、細部に至るまで、細やか

な神経を使っているということがよくわかります。

店名「セララバアド」は、シェフが幼いときに読んだ宮沢賢治の「学者アラムハラドの見た着物」に登場する子供の名で、その童話から感じた誠実さを料理でも表現したい、

と語っていました。 そう語るシェフの表情、物腰は、誠実そのもの。  お人柄に惚れました。

さて、店内は、北欧調のシンプルな内装。 キッチンはシェフと男性が一人。 サービスは、ソムリエールと女性が一人。  

2か月ほど前に予約をしたので、前日お店から電話がありました。 「明日、来ていただけますか?  7時から全員ご一緒のスタートになります。 早めに来ていただければ

生ハムなどもご用意してあります」 とのこと。

生ハムにつられて、20分前には到着。 笑

十勝産ドロ豚の生ハムには、球状カプセルに入ったオリーブオイルが。 すでに、モダーンガストロノミーが始まっています。

広島三次のメルローをお供にしました。

さて、この日の全13品がスタートです。 

1年で4回しかメニューが変わらないとのことなので、サプライズがなくなると困りますから、あまり詳細は書きません。 

1、ホタルイカと昆布のタルト        エンボスのクッキーの缶に入れて登場。 これ、「ノーマ」でもデセールでやっていました。

2、ストーンポテト             ホンモノの石の中に、どれかひとつ、食べられる石が・・・。

3、春の高原                フレッシュハーブをたくさん詰めたガラス容器に、フロマージュブランのムースと、ローズウォーターなどの泡

                      お皿の淵には、小さな小さなリンゴの蝶々が止まっています。 芸コマ。

4、春の大地 ①              ライ麦パンとブラックオリーブを大地に見立て、中には、アボガドとふき味噌。

                      そのうえに、山菜などのフリット で、芽吹きを表現。

5、スモークエッグ             モダーンガストロノミーの真骨頂。 燻製の煙を温泉卵と一緒に閉じ込めて登場。

6、北寄貝 ウド 海藻           岩のりとうどのリゾットに、北寄貝

7、才巻海老 葉の花            ビスクを焼いています。 70度のくらいのエスプーマで仕立ててあります。

                      スプーンに1cm角のゼリーが。  焼酎のはなたれと柚子ジューズだそうです。芸こま。

8、短角牛 蚕豆  筍           真空調理です。

9、春の大地 ②              デセール

                      ゴボウのガトーショコラを大地に見立て、生姜のグラス、苺にリキュールと、苺ミルクをいれたもの

10、ミニャルディーズ 4種        フランボワーズと山椒

                      パチパチオレンジ

                      オリーブオイルグミ

                      よもぎ マカロン

カモミールブレンド

生ハムと最後のお茶は別料金ですが、コースが6800円。 これはもう破格です。 

1か月に1回くらい内容が変われば、毎月行きたいところですが、シェフに尋ねたら、「二人しかいないので、季節ごとの年4回が精いっぱいです」とのこと。

深く納得。  二人で、これを考え、毎日作り上げている、と想像しただけでも気が遠くなります。 「だれか手伝ってあげて~~」と言いたいくらいです。

ヨーロッパにおけるモダーンガストロノミーは、「サプライズ」にかなり走っていて、脳を驚かせることに注力しているため、「ノーマ」でもすべてが美味、というわけ

ではありませんが、 こちらでは、「サプライズ」と「旨さ」のバランスがよく取れています。 

ツッコミどころも多々ありましたが、 それよりも、まだまだこれからがとても楽しみです。 

夏メニューになったころの予約をとって、帰ってきました。

                     

  • 夏の高原
  • 檸檬
  • 和牛 野菜の涙

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8位

祇園にしむら (祇園四条、京都河原町、三条京阪 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/12訪問 2017/12/12

胡麻豆腐と鯖寿司、そして大将と常連さんの抱腹絶倒な京の夜

かねてより、伺いたかったお店です。

祇園花見小路から数分。

風情のある白い暖簾に、細筆書体で「祇園 にしむら」と。

カウンター席に案内されました。

初めてお邪魔したのですが、大将がとても親切で、

親しみのある笑顔。  とても和みます。

2万円のコースをお願いしておきました。

私の大好物である胡麻豆腐と鯖寿司が特筆すべき美味しさで感動。

久々に、王道といえる京料理をいただきました。

ちょっとだけひねり技を加えた料理にも唸ります。


まずは、梅酒のソーダ割りを。

1、胡麻豆腐          胡麻豆腐の周りに、胡麻だれがたっぷり。
                とてもコクがあり、濃厚で、好みです。
                もう、これだけでも、再訪確実です。

2、スッポン          卵豆腐の間にすっぽんを挟んであり、
                その上に、黄身をお月様に見立てて。
                焼き葱も添えてあります。

                「日月椀ですね?」と言うと、
                「そう、月とすっぽん」と。 爆笑
                 大将、かなり三の線です。

3、お造り           佐渡の鰤
                大間の鮪
                長崎の烏賊
                明石の鯛

                 とてもクオリティがいいです。
                 大将は、カウンター越しに身を乗り出して、
                 ひとつひとつ説明してくれました。

4、鯖寿司           酢がまろやかで、鯖と酢飯が溶け合い、
                えもいわれぬ美味

4、八寸            柚子窯  下仁田葱、白子、帆立
                鰤の焼物
                慈姑  マッシュして揚げてあります。
                海老芋 揚げてあります。
                菊花蕪
                なまこ
                からすみ   このからすみ、去年のものとのこと。
                       つまり1年熟成で、究極にまったりして
                       頬が落ちます。

5、白味噌雑煮         実は、これも大好物。
                なにか、一足先にお正月がきたようで、
                とても華やいだ気分に。

6、蕪蒸し           この蕪、ほんのり色気のある紅色です。
                蕪と赤蕪の両方を使用しているそう。
                中には、鯛の身、百合根、牡蠣、銀杏。
                そして、上部には、松葉蟹。

                蕪の甘みと、具材の豊かな旨味に恍惚とします。

7、海老かき揚げ丼       ぷりっぷりの海老がたくさん入ったかき揚げが。

                香の物と。


  カウンターでお隣になった芸子さん連れの紳士2名と

  話が弾み、大盛り上がりに。

  そこに大将も加わり、ギャグ連発に。

  この夜だけで、皺が100個増えたような・・・・。笑

  芸子さん 「そんな簡単にウケはったら、この人たち、調子にのりまっせ」

  と、それを聞いて、また爆笑。

  
  とても好みのお料理をいただきながら、お腹をかかえて笑い、

  なんとも心地よく、初冬の宵は更けていきました。

  こちらは、すぐにでも再訪したいです。


  • 胡麻豆腐
  • スッポン
  • 鯖寿司

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9位

乙女寿司 (野町 / 寿司)

1回

  • 昼の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2017/12訪問 2017/12/10

腕よし、素材よし、唸ります

金沢は香林坊にある人気店です。

1か月以上前に予約しましたが、希望の日は、12時から50分で握りだけ、

ということで、その条件で了承しました。

カウンターと奥に座敷があります。

大将の目の前の席でした。

とても爽やかな大将で、再度、握りだけでいいかと確認してくださり、

50分しかないのに、最後には、お替りのリクエストも聞いてくれるなど、

抜群のホスピタリティ。

そして、なによりも一口いただいたときの衝撃。

最初は素材の旨味だと思いましたが、他のタネを食べるうちに、

シャリとタネのバランスの良さがこの旨味を醸し出しているのでは?と。

シャリはツンツンしていない、おだやかでまろやかなタイプ。

とにかく、握りひとつひとつに唸りました。

この日、カウンター席と座敷は満席。

大将はとても手際よく、かつ素早く握っていき、しかも、握りの姿が美しい。


大将の前には、タネの入った木箱が3つ。

その一つの蓋を開けた途端、あまりにきれいにタネが並んでいるのを見て、

数人が立ち上がって、写真撮影。 もちろん、私もそのうちの一人です。

すると、大将。 3箱全部の蓋を開けてくれたのです。

なんという神対応。 


この日、いただいたもの。

1、甘エビ      いきなり、唸りました。本当に甘い。
2、真ハタ      唸りっぱなし。
3、鰤        これ、日本海側だからなのか、大将の腕なのか、
           もう悩みまくりなほど、旨味の塊です。
4、赤烏賊      塩と酢橘で。 包丁の入れ方で、ふわっとしています。
5、トロ       
6、のどぐろの炙り  脂がのっています。
7、雲丹       上質です

8、穴子       タレで。

ここで、おまかせが終わりで、追加です。

9、鯖        輪島産
           この鯖を追いかける鰤が上述です。

10、鯵       富山湾 新湊産

 最後に、お味噌汁。

 
 かなり気に入りました。

 次回は夜にぜひとも参上させていただきたいものです。
           

  • 甘海老
  • のどぐろ
  • 赤烏賊

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10位

アコルドゥ (近鉄奈良 / イノベーティブ、スペイン料理)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2017/09訪問 2017/09/24

世界遺産の中で体験するバスク

富雄にあった旧店舗がビルの老朽化により休止し、

復活したのが、なんと、世界遺産、東大寺の旧境内跡地という、

驚きのロケーション。

こんなことが可能なのも、奈良ならでは。

6時半の予約に間に合うよう、タクシーで到着。

あたりは、鬱蒼とした木々に囲まれ、こちらのレストランだけが

スポットライトに浮かび上がり、しーんと静まり返っています。

門をくぐると、青い扉が。

早速、サービスの方が迎えてくれました。

まずは、ウェイティングルームへ。

まさに、バスクの3つ星レストランのような出迎えです。

手荷物を預けたり、しばし、お庭を愛でていると、

レストランスペースに案内されます。

広々して、インテリアもシンプルで、とても洗練されています。

お庭をむいて着席するのかと思いきや、なんと椅子が逆を向いています。

廊下を隔てて見えるガラス貼りのキッチンを向いて、食事をする、という趣向。

キッチンも広々して、黒と白を基調にし、未来を意味しているとのこと。

つまり、これから、未来をむいて、食事を楽しむ、のだそうです。


川島宙シェフは、東京、大阪のホテルなどを経て、バスクの名店「ムガリッツ」で

修業。 

奈良の素材を駆使し、歴史的背景を組み込み、バスクのエッセンスを効かせ、さらに、

いろいろなプレゼンテーションが。 

メニュー構成にも、ストーリーとテーマがあり、ワクワクします。

いやはや、予想をはるかに上回るパフォーマンスで、脱帽。


さて、まずは、スパークリングワインを。

GIRO del GORNER CAVA

テーブルの上には、黄緑の箱が。

中には、トランプのようなカードが入っていて、

これから始まるお料理が、1シートに1品書かれており、

サービスの方が、ひとつひとつ取り出してくれます。

ディナーは、13000円。

では、お料理です。

1、奈良ほうじ茶とハーブ      ショットグラスに冷たいほうじ茶
                  ハーブのせいで、清涼感があります。

2、オリーブ            ① ショットグラスの底に、
                    マリネしたシチリアのグリーンオリーブ、
                    ピッコロが。
                  ② 葛城、大和鶏のスモークしたハツ 
                    ブラックペッパーで。

                   シンプルながら、吟味した素材です。

3、野迫川のアマゴ         炙ったアマゴに、なんと、
  砕き胡瓜とディル        ディルのアイスクリームが。 
                  アイスにすることで、川の水の冷たさを
                  表現。
                  なんという詩情豊かな一品。

4、大和肉鶏のレバーコンフィと   「生命をいただく」がテーマの一品。
  生イカ              和と洋の融合。
  古代ひしおとトリュフ風味     ひしおで和えたイカは、塩辛のような造り。
                   これにレバーを合わせる、という発想の
                   飛んでいること。

5、まくわうり            奈良の伝統野菜、まくわうりを冷たい
  アホブランコとペドロヒメネス   スープに。
                   オリジナルは、アーモンドミルクを使用する
                   アンダルシア料理ですが、こちらでは豆乳を。
                   アホブランコは、スペイン語で、白いにんにく、
                   という意味です。
                   ペドロヒメネスのゼリーを浮かべて。

6、三輪山本の海藻麺         これも奈良の老舗。
  磯の香りとアワビ         和歌山産のアワビのソースを絡め、
                   奈良の緑茶と当帰を粉末にしたものをかけ、
                   アワビとともに。
                   もう、説明の必要もないほど、美味。

7、水辺のエビ            水田の葉の下に潜んでいる海老をイメージ。
  稲藁とハーブ           稲藁の香りのスープを、テーブルで注いで
                   くれます。
                   海老のレアさが完璧。

8、焼きハモとビーツのタルタル    「ハモですが、大地のイメージ」とのこと。
  山葵、グリーンハーブのモヒート  土の香りの根菜、ビーツと、ハーブのソースで。
                    ショットグラスに、山葵のグラニテと
                    グリーンハーブのエスプーマを。
                   この組み合わせも、どうしたらこんな発想が??

9、大和牛と護摩木          役行者(えんのぎょうじゃ)が修業で使用する
  ひもとうがらしと松の実のおが屑  護摩木で肉を燻しています。
                   四角の木の箱を開けると、スモークが。
                   まさに、呪術が始まるかのよう。
                   中身は、大和牛と護摩木。
                   役行者が連れていた鬼に見立てた、
                   ひもとうがらし。
                   役行者が食べていたという松の実、
                   玉葱のシェリーマリネと。
                   役行者は、玉葱は食べてはいけないと
                   されていたが、本当は食べたかったんでは、と
                   考えたシェフの遊び心がすてき。

                   部位は腿で、しっかりした滋味があり、
                   肉の旨みを存分に楽しめます。

                   大和肉に役行者、というストーリーが秀逸

10、五條の小麦もち         小麦もちに、雲丹。
   うにと乾いた醤油        香川のフリーズドライの醤油を削って。
                   なんだか、これがご飯がわりみたいで、
                   うれしい一品。

11、夏野菜のフラン         滑らかな夏野菜のフランですが、
   ほうじ茶と焦がれた実      プリンのような仕上がり。
                   焦がしたスイカの種が・・・。

12、地のくだものと野菜       風景をサラダに見立てた、そうです。
   ラヴェンダーの冷たいソバ    柿や梨、レモングラスのソルベ
                   ラヴェンダーのソースをテーブルで
                   注いで。

13、ほうじ茶  

パンは、ロゴ入りキューブ型の全粒粉パンと、

バターを練りこんだパン

オリーブオイルは、 NATURVIE。


 各料理が登場するまで、カードに書かれたメニュー名を見て、

 想像を膨らませるわけですが、すべてにおいて、私の陳腐な

 創造力を上回ってくれました。

 
 食後は、またウェイティングルームに移動して、シェフとお話し。

 2Fも見ますか? とのお誘いで、階上へ。

 かなり広いパーティスペースで、披露宴ができるようになっています。

 また、廊下の奥には、ツインルームが1室だけあり、

 来年から宿泊できるようにするそうです。

 しかも、この1組だけのために、スタッフ全員で、朝食を作るのだとか。

 そんなことを聞いたら、そんな世界一贅沢な朝食を食べるために、

 またお邪魔したくなります。 

 おだやかなシェフの笑顔、丁寧でテキパキしたマダムの接客。

 やさしいサービス陣。

 荘厳なる雰囲気の中、めくるめく時間を過ごさせていただきました。

 奈良の奥行を実感した日となりました。


  • 大和牛と護摩木
  • 大和牛と護摩木
  • 水辺のエビ

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