ガレットブルトンヌさんのマイ★ベストレストラン 2015

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

松川 (六本木一丁目、虎ノ門ヒルズ、神谷町 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2015/11訪問 2015/11/21

間人蟹つくし

秋も深まり、食材が豊富で、おいしくなるこの季節に伺えるとは、幸福そのものです。

アメリカ大使館の裏手、路地を入ったところに、入口があります。 なんの変哲もないシンプルな入口です。

この日は、個室へ。

個室からは路地が見えるのですが、幸美障子のようは設えになっていて、目線があわないようにできています。

太巻きのおしぼりで、一息ついて、早速食事に。

1、紫蘇茶       お猪口に1杯。  食前に。

2、間人蟹       甲羅の中は、メス。 足はオス。 焼いて登場。

            季節真っ盛りですが、まさかこの日は期待していなかったので、驚きです。

            旨みが凝縮していて、なおかつ繊細です。

3、飯蒸し       もち米に、蛤。

4、刺身        淡路島の鯛

5、間人蟹       しんじょがお椀で。 なんとも贅沢。

6、かわはぎ      肝醤油とポン酢で。

7、からすみ      大根おろしと焼いたお餅の上に、極上のからすみが。

8、間人蟹       刺身で。

9、まなかつお     昆布〆。 柿なます

10、鴨        揚げた葱と。

11、信州新蕎麦    たっぷりのなめこと。  

            酢の物がわりということで、柑橘がきかせてあります。

12、蕪とくちこ    大きなくちこです。 

13、ご飯       いくら、生からすみ、じゃこ、海苔

            生からすみが秀逸です。

14、焼いた栗

15、グレープフルーツゼリーと熊本の柿

日本酒は、鄙願と洗心。

間人蟹、からすみ、くちこ・・・・と、高級食材づくしに珍味が続々でした。

間人蟹は調理法を変えて3回登場。

そして、なによりも、食材の味をひきだす、究極の引き算の美学を感じました。

お椀はもちろんですが、こちらのじゃこはじゃこのほんのりした旨みを引出し、山椒の実がそれを引き立てる、という恐るべき繊細さです。

瓶入りをお土産に持たせていただきましたが、家でまたこの日の思いにふけることができました。

サービスの女性も、説明がシンプルで適切。 

お料理のテンポもきわめてよかったです。

そうです。 引き算は、料理だけではなく、設え、接客にまで踏襲されていたのです。 

  • 間人蟹
  • 間人蟹しんじょ
  • からすみ 

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2位

焼肉うしごろ 銀座店 (銀座一丁目、京橋、有楽町 / 焼肉、ステーキ、ホルモン)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2015/10訪問 2016/03/04

贅沢そのもの。黒トリュフまるごとと希少部位を味わいつくす肉割烹

<2016年2月>

 先月に続き、またまたお邪魔しました。
 今回も「トリュフの肉割烹コース」ですが、これに、さらにすき焼きを加えていただきました。
 やはり、これは満足度高し。
 基本コースは、12000円ですが、すき焼き、ワインをつけて、15000円程度。

 改めて、コースをご紹介。
まずは、赤ワインをグラスで。
1、蓮根と丹波しめじのナムル、和風チャンジャ

2、リブ芯と生ウニ、自家製ローストビーフ、ハツの炙りたたき、白センマイ刺し

3、シャトーブリアンのカツレツ  自家製トリュフ塩で。 究極に柔らかいです。

4、パクチーサラダ

5、エンピツ           焼きで。

6、シャトーブリアン  ミルフィーユ仕立て  焼きで

7、シャトーブリアン  卵と一口ご飯で、すき焼き仕立て

8、牛テールの酒蒸し

9、カイノミのステーキ  ゲランド塩とニンニク醤油

10、自家製水キムチ

11、トリュフとサーロインのしゃぶしゃぶ

12、トリュフ雑炊   大きな黒トリュフをふんだんにかけて

13、なめらかプリン


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<2016年1月>

 昨年、こちらの肉割烹をいただき、すっかり気に入ってしまったので、再訪です。

 基本は、12000円の肉割烹コースで、前回と同じです。

 ワインは、Infinitusをグラスで。 テンプラニーニョで、しっかりした赤です。

 さて、コース内容は、基本、前回とほぼ同じなので、下記をご覧ください。

 しかし、今回は前回にも増して、肉の質が良くなっていました。

 シャトーブリアンのカツレツも、口の中でとろけました。

 そして、なによりも、最後の黒トリュフが、これまでの中で最も良質でした。

 これまでは、一人ひとつでしたが、小ぶり。

 今回は、5名で2個でしたが、大振りで、黒光りしていて、香りも一層たつものでした。

 量もたっぷり。 肉厚な切り身と香りを雑炊とともに、存分に楽しめました。

 やはり、これは肉を楽しみつくすための究極な構成です。
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<2015年11月>

 前回の「黒トリュフ付肉割烹コース」があまりに秀逸で、忘れられず、またまたお邪魔しました。

 なにしろ、あまりに原価がかかっていて、お店としては、かなり限定メニューにしたい、のだそうですが、それは本当に

 納得です。 ということは、食べ手にしてみれば、こんなにお得なことはありません。

 しかも、細部まで緻密に味が計算されていて、飽きずにコースをいただけます。 

 お肉の品質といい、その部位ごとの楽しみ、また、焼き肉だけでなく、しゃぶしゃぶに至るまでの楽しませ方、どれを

 とっても非の打ちどころがありません。 

 さて、前回と同じコースではありますが、 少しづつ、変化もありました。

1、前菜         本しめじ、春菊、菊の花のナムル
             和風チャンジャ
             クリームチーズのポテトサラダ カシューナッツのせ

2、リブ芯と生ウニ、自家製ローストビーフ、ハツの炙りたたき、白センマイ刺し

             これらが大皿で登場。 圧巻です。 ウニは箱ごと。

             サービスの方が、真の前で、取り分けてくれます。

             リブ芯にウニを包んで。 

             白センマイも、繊細に調理されていて、食感も抜群。

3、シャトーブリアンのカツレツ    自家製トリュフ塩で。

                   衣が薄く、サクっと噛めてしまいます。

4、パクチーのサラダ         レモン塩で、あっさりと。

5、エンピツ             焼き肉で。

6、シャトーブリアン         この日は、常陸牛です。 本当にさっと焼いて、4つ折りにして、ミルフィーユ仕立てで。

7、牛テールの酒蒸し         ほろほろに煮込まれた牛テール。 これは、前回よりさらに美味に。

8、カイノミのステーキ        60°の低温調理で仕上げられて登場。

                   ゲランド塩とにんにく醤油、醤油漬けのニンニクとともに。

9、自家製水キムチ

10、トリュフとサーロインのしゃぶしゃぶ   ガラス容器に、黒トリュフが登場。

                       ガラスの蓋をあける前から、トリュフの芳香が漂います。

                       鍋に和風出汁。

                       まずは、手袋をしたサービスの方が、取り分けのお皿にトリュフをたっぷり削ってくれます。

                       この時点で、部屋はトリュフの芳香で満たされます。

                       その後、鍋で1枚づつ、サーロインをしゃぶしゃぶ。 ほんの2回ほど、出汁をくぐらす程度。

                       トリュフの上に、サーロインを乗せ、またその上から、トリュフを削ってくれます。

                       はい、おいしくないわけがありません。 

11、ザブトン                サーロインは、一人1枚でした。

                       すると、サービスの方が、「ザブトンのしゃぶしゃぶも召し上がりますか?」とのこと。

                       もちろんです。

                       ザブトンも同じように、しゃぶしゃぶに。 脂ののりはこちらがよかったです。

                       口の中で、とろけます。

12、トリュフ雑炊              さきほどの出汁で、雑炊です。

                       卵の上に、さらにトリュフを。 卵がみえなくなるまで、たっぷり削ってくれます。

                       どんなにお腹いっぱいでも、お替りしてしまいます。

13、デザート                スイートポテト
                       バニラアイスクリーム
                       ほうじ茶のプリン

この日の、ワイン。

1、アンリジロー エスプリ
2、ジュブレ・シャンベルタン
3、ナパヴァレー シェイファー  これが好みでした。 すばらしいボディ感。

2回目というのは、期待感が増幅しているので、期待を裏切られることも、ままありますが、そんな杞憂はなんのその。

1回目を上回るパフォーマンス。 あ~~~、秘密にしておきたいほど、素晴らしいコースです。

再訪、確実。


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<2015年10月>

銀座店には初めてお邪魔しましたが、10月から始まったたばかりの「肉割烹コース」がさく裂していました。 いやはや、これはすごい!!

この焼肉屋さんの底力、進化、たゆまぬ努力・・・・。 脱帽です。

希少部位が次々登場。 一人ひとつのまるごと黒トリュフ。 丁寧な接客。 

「肉割烹」ということで、焼き物は2種ほどですが、「肉」を楽しみながら味わえる素晴らしいコースです。 しかも、これが12000円。

ただし、1日1~2組限定。 病みつきになりそうです。

まずは、アンリ・ジローで乾杯。

さて、いよいよ魅惑のコース開始です。

1、前菜3種        和風チャンジャ、丹波のしめじと菊の花、 長芋と韓国海苔

2、リブシンの生、 クリのローストビーフ、ハツ、 白センマイ

              大皿にきれいに盛り付けられて登場。

              別皿で登場した箱ごとの雲丹。 どうするのかな、と思ってみていると、テーブルで、サービスの方が、生のリブシンに

              包んでくれました。 リブシンの雲丹巻。 すごい!!

              ハツは、ヅケにして表面を炙り、低温調理してあります。 柔らかい。

              白センマイには、コチジャンベースのソースを。

3、シャトーブリアンのカツレツ   自家製トリュフ塩で。 衣が薄く、中は柔らかくジューシー。 最高です。

4、国産パクチーときゅうりのサラダ   ライム塩のドレッシング

5、えんぴつ        希少部位です。 丁寧に焼いてくれます。 

              ゲランド塩と、ヤンニョンソースで。

6、シャトーブリアン薄切り  焼きで。 タレでいただきます。

7、牛テール酒蒸し      和風出汁で。 この和風出汁が美味。

               テーブルで、骨をスルっと抜いて取り分けてくれます。

8、かいのみ         焼いたあと、60°の低温調理をしてあります。

               ゲランド塩、にんにく漬け、にんにく醤油で、それぞれの味を。

9、水キムチ         この水にいい成分がでていて、絶対これは飲み干したほうがいいです。

10、黒トリュフ登場     ここで、ガラスの蓋つきトレーで黒トリュフが登場します。 思わず、歓声が。

11、土鍋登場        焼き肉の網を取ると、土鍋が設置できるようになっています。銀座店のみだそうです。

               ここに、和食出身の職人さんによる、えもいわれぬ風味の出汁が。 

12、サーロイン       この鍋で、サーロインの薄切りを3回くらいゆらゆらして、かなりレアで、引き上げ、そこに黒トリュフをありえない

               くらいたっぷりかけます。 

               出汁、牛のエキス、黒トリュフが混然一体となって、もはやこの世のものではありません。 頭、真っ白に。

               このサーロインが2切れ。 時間差で。

13、雑炊          その最強の出汁で、雑炊です。 さらに、またまた黒トリュフを、かける、かける。 もうその場の全員が、

               唖然!!

14、なめらかプリン

満足度、頂点です。 

1日1~2組では、激戦になりそうですが、これはまたすぐにでもいただきたいです。 あまりにお得です。


              

  • リブ芯、自家製ローストビーフ、ハツの炙りたたき、白センマイ刺し
  • シャトーブリアンのカツレツ
  • シャトーブリアン

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3位

セララバアド (代々木上原、代々木八幡、代々木公園 / イノベーティブ、スペイン料理、フレンチ)

15回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2023/08訪問 2023/08/26

夏の思い出、セララバアドの夏

「エルブジ」「ノーマ」での修業経験がある橋本シェフが率いるお店。

1年で4回のメニューチェンジ。

季節を映した独創的、クリエイティブな料理です。

詩情豊かで繊細な料理には、いつも感動します。
セララバアドでは、四季でメニューが変わります。

創業以来、お邪魔し続け、

橋本シェフの優しいお人柄に触れるとともに、

その優しさを映す、ノスタルジー香る、

心温まるお料理に、いつも感動を新たにします。


夏のメニューは、

あるときは、高原に、

あるときは、海辺にいざなってくれます。

そして、小さいとき、そんなことしたよね、

と思い出させてくれることも。


今回は、ノンアルペアリングを

お願いしました。

では、セララバアドの夏、

始まりです。


1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に
  見立てています。
  その枝には、秋田産の生ハムと
  香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、
  ポップコーンムースと
  その粉末と塩。 一口で!!
  繊細そのもの、儚さを感じる一品。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、
  じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、
  オレンジ色と黄色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるトマトコンソメジュレ
  で作られた雨紋の料理に、
  先ほどの黄色の花弁をちぎって
  浮かべます。

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  まずは、大きな巻貝を耳にあて、
  海の音を楽しみます。
  ムール貝の殻の塊の上に、カレー風味の
  ムール貝のフライが。
  甘海老。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、大穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、
  大穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  マーガオをアクセントに。

10、玉手箱
  
  青いリボンのデザインがあしらわれた
  陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、スモークが。
  帆立貝の瞬間燻製と、
  細くカットして揚げたズッキーニ。

11、和牛 野菜の涙     

   低温調理した和牛のロース。
   赤ピーマン、茄子、トマトと
   その焼き汁のソースで。
   サワークリームと西洋山葵を
   添えて。
  
12、檸檬
   国産レモンのジュレを、
   美しいメレンゲで包んで。
   お皿の淵には、抹茶を散らしています。

13、トマト、蛍、木漏れ日   

  いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *トマトのマカロン
   *シークワーサーの琥珀糖(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーの
    シロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、
    レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ
 
2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、キウイとホップのスパークリング

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


まるで、3時間で、夏休みを体験させて

いただいたかのようなディナー。

いつものように、温かい気持ちを

お土産に。
14回目の「セララバアド」です。

あ、書いていない回もあるので、もっとかもしれません。

年4回、季節ごとに変わるメニューは、

四季を反映すると同時に、橋本シェフ独特の

心温まる、ノスタルジーを感じるお料理です。

特に、冬は、

「あ、そういえば、子供のころ、こんなことが

あったよね」とか、「そうそう、冬ってこうだった」

という、冬景色を思い起こさせてくれて、

なんとも心がほっこりするのです。


この日もシェフズシートへ。

アクリル板が設置されましたが、

キッチンで、お料理が作られ、盛りつけがされるのを

目の前で見ることができ、

ワクワクします。


さて、冬メニューのスタートです。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  花瓶に活けられた枝には、雪に見立てた
  綿と綿あめ。もちろん、綿あめだけ食べられます。
  樹氷を表現しているのです。
  綿あめの中には、塩とクローブとナッツを
  キャラメリゼしたものが。
  
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  塩漬けのラルドを巻いたもの。

  1品目から、真冬の世界へ。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  この感性に、毎回酔います。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴチーズ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、Gift
なにかが紙で包まれて登場。
  紙を広げると、そこには、手のひらが
  モノクロで印刷されていて、
  その上に、小さなタルトが。
  タルトの中には、牡丹海老、根セルフィーユ、
  グレープフルーツ。
  エディブルフラワーを美しくトッピング。

  手のひらは、橋本シェフの愛娘とか。


5、折り鶴
  
  もう代表作ともいえる、根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事で、毎回ため息です。
  隣りには、岩手産ホロホロ鶏の白レバー。
  根セロリをコンソメで炊き、生姜ときのこの
  ソースと。
 
6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  いつ見ても、キュートそのもの。
  

7、帆立貝 カルドッソ 

  煮込んだスープの米料理。
  大麦、米、葉にんにくに、
  帆立貝。
  貝の出汁のコクがたまりません。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9,アンコウ チョリソ

  じゃが芋とくるみで包んだアンコウを
  ソテー。
  トマトとチョリソーをシート状にし、
  レザーを表現。
  玉葱ソース。
  燻製ベーコンの泡を。

  なんと、チョリソーをそう使うとは・・・。

10、紀州鴨
  低温調理してから、黒ニンニク、スパイス、
  赤ワインのタレを皮目に塗って、サラマンダーに。
  
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  プチベールのソテー
  
  滋味豊かな鴨です。
  
 
10、対照 カカオ
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  一瞬、こんなにたくさん食べられるかしら、
  と思いますが、軽いので、スイスイです。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのタルト

フレッシュハーブティ(ミント、レモングラス、生姜)

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、薔薇の香りのノンアルマティーニ
  Japanese Craft Gin 欅
2、りんごスパークリング
  ホップの香り
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、知覧茶 ゆたかみどりと漬けた金柑
5、ひとつだけ、赤ワインをいただきました。
  信州たかやまワイナリー 2018
  メルロー&カベルネ


毎冬ですが、橋本ワールドに魅了されました。

シェフの優しいお人柄が成せるファンタジーの世界。

しばし、子供のころに戻り、幸せな世界に

浸らせてくれます。

そして、帰り際。

寒くないようにと、ホッカロンがプレゼントされます。

温かさに包まれる冬の宵。


創業以来通い続けているこちら。

今回は初めてランチタイムに伺いました。

ちなみに、ランチは土曜日のみです。


橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

前回は、シェフズシートとキッチンの間には、

ビニールが吊り下げられた状態でしたが、

今回は、アクリル板が設置され、対策も万全。

このシートだと、キッチンの様子が手に取るように

見えるので、シェフとスタッフさんたちの無駄のない

整然とした動きを見るのも、楽しみのうち。


さて、冬メニューのスタートです。

橋本シェフの冬のワールドは、

幼いころの冬景色を思い起こさせてくれて、

本当に、

心の芯まで温めてくれます。


今回は、ノンアルコールペアリングで。


1、樹氷 コットン
  
  キッチンでは、スタッフの一人が、
  綿あめを作っています。
  花瓶に活けられた枝に、その綿あめをつけます。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  もうひとつは、塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  さらに、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いたもの。

  真冬の景色が広がります。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。
  これを初めて見たときは、心底感動しました。
  美しいだけでなく、本当に美味。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤な紅玉が丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、ボタン海老とグレープフルーツのタルタル

  コースとは別に、シェフからプレゼントの一品。
  セルフィーユの根の上に、ボタン海老と
  グレープフルーツのタルタル。
  セルフィーユの根の甘さが感動的。
  焼き石にのせて登場します。

5、折り鶴 根セロリ
  
  開店当初はこれが話題になりました。
  根セロリの折り鶴。
  あまりにも繊細な仕事に脱帽です。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラと
  キノコと生姜のソース。
  

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。
  キュートそのもの。

7、蟹  カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、大麦で。
  蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。
  
8、百合根 白子 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。

9、紀州鴨
  焼き目がきちっとついた鴨。
  揚げた海老芋  
  くるみのピュレ  
  春菊ソース
  
 
10、カカオ対照
  2つのカカオデセール。
  ひとつは、大きくて、冷たくて、軽い
  もうひとつは、小さくて、温かく、濃厚

  まず、一つ目。
  なんと大きなショコラのかき氷、に見えますが、
  エスプーマした氷だそう。
  カカオのパウダーがたっぷり。
  大きいのに、軽いので、すんなり食べられます。

  もうひとつは、
  蓋つきのフェルトの容器に入った
  チョコレートケーキ。
  隣には、雪の結晶をのせた苺。
  その上から、雪に見立てたホワイトチョコの粉末を
  シェフが目の前で、振りかけてくれます。


11、ミニャルディーズ 

   夏場には、海辺をあしらった料理に使用される
   箱型ガラスケース。
   その蓋に、曇らせたシートを貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   ・エルダーフラワーのシロップのスノードーム
   ・小さな小さな飴のドームの中には、極小のチョコレートケーキ
   ・封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   ・栗とフランボワーズのマカロン

フレッシュハーブティ(ローズマリー、レモングラス、アップルミント

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング
1、ベリー入りのノンアルシャンパーニュ
2、りんごとジャスミン
  りんごの氷のヘタは、クローブで、
  溶けてくると、香りが。
3、黄ビーツと生姜
  土の香りがします。
  冬の大地とベストマッチ
4、八女茶と漬けた金柑
5、澱紅(てんこう)という中国の紅茶に
  花梨、カカオ、苔桃

  ノンアルのブラッシュアップされています。


 今回も、橋本シェフの詩情豊かな日本の冬に魅了されました。

 シェフのお人柄そのもの。

 寒い冬。 今年は、温かさがより一層身に沁みます。
開店以来、四季折々にお邪魔しています。

6年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートですが、

コロナ対策で、キッチンとの間にビニールシートが。

テーブルは、16席を12席に減らしての営業です。


始めに渡される小冊子には、シェフ作「セララバアドの旅」が綴られています。

このストーリーに沿って、お料理が登場するのです。

しかも、今回は、ストーリーにかわいい女の子が登場。

さて、彼女はだれでしょう。


橋本シェフの夏メニュー、開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや

  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。

  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。 一口で!!

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  レンゲを編んだ花飾りの中央に、オレンジ色のナスタチウムの花が。
  その軸をとって、蜜を吸います。
  
5、ペトリコール ゲオスミン
  
  ガラス容器の底に、黒い艶々の石が。
  ペトリコールは、雨が降る前の匂い、
  ゲオスミンは、雨上がりの匂い。
  雨の匂いなのですが、実はとても科学的なもの
  なのです。
  ガラスをとって、黒い石の香りを。

  その後供されるしじみの出汁で作られた雨紋の料理に、
  先ほどのオレンジの花弁をちぎって浮かべます。
 

6、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  今回は、ここに、桃を合わせています。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズと、
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

7、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

8、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

9、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

10、玉手箱
  今回の新作です。
  青いリボンのデザインがあしらわれた陶器の蓋つきの器。
  蓋をとると、
  帆立貝の燻製と、細くカットして揚げたズッキーニ。

11、那須高原和牛 マコモダケ       

   低温調理し、さらにローストした和牛。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルのはずですが、
   収穫が極めて短く、昨年はタイムリーだったのですが、
   今年はダメでした。
   で、ゴールデンパイナップルで。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   刻々と変わる暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                      
13、よもぎ  蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、シャンパーニュ
  ここだけお願いして、アルコールのほうに。

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


世界的な未曾有の事態と、

2か月に及ぶ自粛で、

陰鬱になりがちな昨今ですが、

橋本シェフのお料理は、そんな気分を

吹き飛ばしてくれるほど、

温かさと懐かしさと癒しをもたらしてくれます。

「人は人を旅する」

セララバアドの旅。

まだまだ、これからも楽しみです。


今年も「セララバアド」の春が巡ってきました。

この春も、すべての料理に、和歌をペアリングさせ、

より、料理の感性を深く味わうことができます。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。


何度いただいても新鮮な感動がある橋本シェフの

お料理には、繊細な感性と、心のやさしさを感じます。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。

コースは、11000円

そのほかに、アルコールかノンアルのペアリングを

選びます。

今回はノンアルペアリングを選びました。

*印は、ドリンクペアリング


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

 *桜スパークリング
  岩手県くずまきワイン
  ソメイヨシノ酵母

  グラスに、タグがついていて、
  料理名とペアリングドリンク名が
  書いてあります。

2、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

  *きよみ、リンデン、炭酸のドリンク

3、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダを
    揚げたタピオカの上に。

4、白魚 スマック タコス

  いつも、小菓子を入れるエンボスの缶に、
  白魚のタコス
  根セロリチップ
  チコリ
  文旦
  スマックは、中東のゆかりのようなスパイス
  
5、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、ビーツと
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、棚田 八海山サーモン 蕪

  昆布〆したうす切りの蕪で、
  八海山の虹鱒を包み、
  段々状にすることで、棚田をイメージ。
  虹鱒のいくらを散らして。

7、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

 *ルバーブ
  カルダモンとアーモンド
 
8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

9、筍 蛍烏賊

  筍の先っぽでカバーされた料理が。
  カバーを取ると、中からは、
  トマトベースの蛍烏賊


10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

 *抹茶 林檎
  点茶
  抹茶が入った茶碗が登場。
  あとから、温かいリンゴジュースを注ぎ、
  茶筅で混ぜます。

11、春霞 鮎魚女  
        
   皮目をパリっと焼いた鮎魚女の入った
   器が登場。
   あとから、シェフがひとつひとつ、
   そこに霞をたなびかせます。

12、ホロホロ鶏   

   岩手のホロホロ鶏を低温調理。
   空豆、アスパラガス
   キノコのソース

  *薫香和紅茶
   ウィスキー樽と文旦
   グラスの淵に、文旦を添えて、
   香りを楽しめます。

13、檸檬
   
  レモンムース
  六(ジン)のジュレ
  きれいにメレンゲで飾って
  周囲には、抹茶を。

14、小菓子 ガラス箱で

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
   
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   薔薇     マカロン
   蕗の薹    焼き菓子

*スペシャル
 この日は、友人たちの中に、  
 バースデーの人がいました。
 シェフ特製ガトーショコラでお祝い。
   

15、ハーブティー
  カモミールとオレンジ

パンとオリーブオイル


相変わらず、めくるめく橋本ワールド。

まるで、童話の中を旅しているような

時間です。
開店以来、ずっとお邪魔しています。

5年目の夏となりました。

いつもの、シェフズシートで、

シェフや、新人くんたちとお話をしながら。


新作も加わり、「セララバアドの旅」はますますわくわく度を

増しています。

始めに渡される小冊子には、「セララバアドの旅」が綴られています。

これだけでも、なんとも心温まる詩情豊かさを感じられるのですが、

その上に、そのポエムと同じお料理が登場するのです。

物語は、こう締めくくられています。

「この旅で見つけた素敵なものは、全部誰かにあげて

しまったので、手元にはただのひとつも残りませんでした。

みんなの喜ぶ姿が、セララバアドにとって一番の

「素敵なもの」だったのです。

最後に見つけた素敵なものは、心の中にありました。」

シェフの気持ちが投影されています。

そんな温かな心をもつ、橋本シェフの夏メニュー、

開始です。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンムースと

  その粉末と塩。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。

  ・新作の沖縄の作家さんのガラス皿に、
   稚鮎のフリットと透明なガスパチョのゼリー。
   オレンジの花弁をちぎって、ちょっとほろ苦くして。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  今回は、大きな巻貝が添えられています。
  耳に近づけると、はっきり海の音が。
  不思議です。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレース状チップスが。
  繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、海 森 循環          
                      
  新作です。
  シェフが、宮城県唐桑で出会った帆立貝。
  森が豊かになると、海も芳醇になる、という循環で
  生まれた帆立貝。
  身が厚く、しっかりした旨味があります。
  大きな帆立貝の殻で蓋をして、登場。
  皿の底には、燻したお茶の葉を敷り、森のイメージ。
  その上に、焼き石と帆立貝。
  ロメスコソースで。

  素敵なお皿は、珍しい鉄製。
  でも、とても薄いのです。
  実は、森の養分を吸収するには、鉄分が
  必要だそうで、そこから新作の鉄皿にしたそう。


10、那須高原和牛 マコモダケ       

   今回は、イチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ジャガイモのピュレ。
   マコモダケと。

11、ピニャコラーダ 

   今回は、とってもタイムリーでした。
   沖縄の島本爺が作った伝説的な極上パイナップルが
   入荷していたのです。時期が短いので、滅多に
   お目にかかれません。
   旨味と甘みがギュっと詰まっています。
   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   私が最も気に入っているデセールです。
   中央には、満月に見立てた琵琶のコンポート。
   赤紫蘇のシロップに、レモンシュガーを落とすと、
   紫から群青に。
   暮れなずむ夏の空。
   詩情豊かで、胸がキュンとします。
                     
13、よもぎ 蛍 木漏れ日 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ノンアルコールドリンクペアリング

1、ノンアルコールシャンパーニュ

2、オレンジとパッションフルーツのソーダ
  胡瓜とフェンネルがたっぷり

3、ノンアルコールビールとジンジャー
  レモングラスの香り

4、スイカジュースに、日本薄荷の氷

5、凍頂烏龍茶とグレープフルーツ
  苦みが効いています。

食後は、ミントとレモングラスのフレッシュハーブティ


温かな雰囲気に包まれて、

セララバアドの旅は終わり、

そして、初夏の宵も暮れていきました。
  
4年目の秋となりました。

落ち葉を踏みしめる秋の森に連れていって

くれるかのような、ロマンティックで、ポエティックな

演出。 この夜も、深まる秋を実感できる

素晴らしいお料理とプレゼンテーションでした。


コースは、10000円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 6000円、 ノンアルコール  5400円。

この日は、アルコールペアリングでいただきました。

それでは、秋の森へ。


テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ

  生け花が登場。
  白く焼き上げた生地で枝を作り、
  そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
  本物の枝には、香川産オリーブが刺さっています。

2、スパークリングマスカット
  
  マスカットとマスカットワインのゼリーを
  エスプーマし、二酸化炭素を加えて、
  シュワシュワに。

3、根セロリ カンナ

  と、メニューに書かれていて、カンナ?と
  花なのかと思いきや、
  登場したのは、鉋屑のカンナ。
  そのカンナのように、根セロリを薄くして
  ロール状にし、サワークリームと生粒胡椒、
  フェンネルを。
  繊細そのもの。

4、森の朝 

  苔と朝霧を演出しています。
  アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
  減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
  テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
  朝霧がふわーっと。

  タイムの泡をのせた、茸の出汁のスープがつきます。

5、落葉の森

  いつものガラス箱の中には、落ち葉が。
  上部には、森が表現されています。
  トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
  トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
  つめた豚ちゃんが。
  アスパラのソテー
  揚げ銀杏
  巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
  ポルト酒。
  赤すぐりをあしらって。

6、烏賊 茸

  白烏賊に茸を詰めて焼き上げています。
  マッシュポテト、甲殻類のソース
  マイクロセルフィーユを添えて

7、マジャク

  有明産 穴シャコを皮ごと揚げたもの。
  地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
  アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
  あり、ちょっと酸味がします。
  シャルドネビネガーの泡
  酸味のあるマンゴー

8、丹波黒鶏 ほおずき 藁

  丹波黒鶏を瞬間燻製したもの。
  藁とスモークをつめたガラスの器の上に
  シートが張られ、鶏を少し動かして、
  シートを叩くとスモークが漏れてくる、
  という凝った演出。
  丹波黒鶏の極上の旨味が楽しめます。
  紅芋とさつま芋を薄くシートにして、
  葉の形に。   
  枝に見立てたシュー生地も。

9、セレ豚

  セレ豚に、ジャガイモのピュレ、マコモ茸、
  ドリイイチジクを。

10、栗 どんぐり カカオ

  栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
  中には、どんぐりリキュールのアイスと
  チョコレートのムース。
  何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

11、松ぼっくり

  アーモンドにチョコレートをコーティングし、
  松ぼっくりの形に。 

12、お菓子の缶 

   いつものエンボスのある楽しい缶には・・
   栗のケーキ
   オリーブオイルゼリー
   あんぽ柿とシナモンのマカロン

** サプライズで、バースデーケーキが登場。
   これは驚きで、本当にうれしかったです。

最後に、ハーブティ(ミント、レモンバウム、レモングラス、生姜)

パンはいつもの焼き立て。

飲み物は、

ペアリング  それぞれ2種からのチョイス
*シャンパーニュ  
 Gran Reserva Jean de Villare
① 星
  岩手くずまきワイン
  凍結果汁仕込み
② ASAHIMACHI WINE
シャルドネ 2017
  1735本限定醸造
③ 山の井
  会津の日本酒。純米造り。
④ 赤ワイン
  Farmer's Merlot
City Farm
農場は大阪ですが、醸造は清澄白河

ペアリングとは別に、

*食後酒
 Kogyoku Dessert 2015
紅玉のアイスワイン
 これが最高に美味でした。
*ガス入りウォーター

橋本シェフのクリエイティビティ、繊細さが

ますます全開で、

毎回、大満足です。

秋の宵、心温まり、静かに更けていきました。
 


4年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔しているので、

通算14回目となりました。

このごろは、「セララバアド」に夏のメニューをいただきにいく、

というより、「セララバアド」の夏メニューをいただくと、

夏が来た、と感じるようになりました。


「エルブジ」「マルティン・ベラサテギ」「ノーマ」での修業を経た

橋本シェフ。 日本でも、素材を追求する旅に頻繁に出かけ、

生産者さんと直接会って交流を深め、

素材に一切の妥協がないです。


いつものように、シェフズシートが用意されていました。

卓上には、「セララバアドの旅」と記された小冊子と、

ラベンダーが一輪。

セララバアドの旅が、コースの内容とシンクロし、

まさに、ストーリーとともに食事を楽しめます。

幼いときの記憶、夏の高原、夏の海、そして、夏の夕暮れ。

日本の夏をいながらにして詩情豊かに体験させてくれます。

料理に合わせて音楽も変わります。

風の音、さざ波・・・。


では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン 

  ピザ生地にジュニパーベリーや
  松の葉の粉末を練りこんで枝に見立てています。
  その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

  ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン

  キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露 

  大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜 

  小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
  レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
  ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
  そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
  まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
  別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、
  オレンジの花弁をちぎって
  浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原

  ハーブを内部に入れた透明な皿に、
  清水牧場のプティニュアージュチーズと、
  レモングラス風味のミルク、
  青草の香りのするオリーブオイル、
  りんごを薄くしたシートを。
  ミルクの自然な甘みを楽しめるチーズです。
  ラベンダーの香りを楽しみながら。

6、海辺               

  いつものガラスボックス。
  ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
  カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
  砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
  波は、蛤のジュで。
  蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

  ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海 

  炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
  器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、はも 雑穀 クレソン

  炊き上げた雑穀とトウモロコシの上に、はものフリット。
  フリットの衣は、エスプーマしています。
  クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            
                      
  いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
  木の蓋つき容器。
  中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
  ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
  鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
  炒り番茶の風味を鮎に移しています。
  蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛        

   栃木牛のランプとイチボを低温調理し、
   さらにロースト。
   ものすごく上質で、柔らか。
   ごぼうとまこも茸のフリット、ポテトのピュレ。

11、ピニャコラーダ 

   少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
   スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
   ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ              

   メニュー名はこれで、私が最も気に入っているデセールですが、
   今回、リピーターには、新作を用意してくれていました。
   チョイスできましたが、新作にトライ。

   きれいに細工した半球のメレンゲで覆われた
   レモンムースと、国産ジン「季の美」のジュレ、
   抹茶パウダーと、金箔を散らして。
  
   オトナのデセールです。ジンのほろ苦さが素敵。
                     

13、よもぎ、木漏れ日、蛍 

   いつものエンボスのお菓子の缶に。

   *よもぎのマカロン
   *シークワーサーと琥珀糖のゼリー(木漏れ日にみたて)
   *透明なレンゲに、
    エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
    中に、黄色の粒が入っていて、レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火 

   福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
   作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。
   本物の方は、お持ち帰りです。

パンとオリーブオイル


ドリンクペアリング

1、ノンアルシャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、デコポン、胡瓜、ういきょう 
   刻んだ果肉がざくざく入っています。       

3、黄パプリカとしょうが 
  低温でローストしたパプリカにしょうがのスパイスです。           

4、スイカジュースに和薄荷の氷 
  鮎には、これ。         

5、凍頂烏龍茶にグレープフルーツの香り


最後は、ハーブティで。
スペアミント、ペパーミント、レモンバーベナ、レモングラス。

シェフズシートだと、キッチンの動き、連携などが

真近で見られます。

メインのお肉を出し終わると、デセールに入る前に、

シェフは、キッチンの焼物をするパートを、きれいに

片づけ、磨きあげます。 毎回のルーティンですが、

いつも、感心します。

今回も、新たなスタッフさんが入りました。

相変わらずの居心地の良さ、

シェフの優しいお人柄、

見事な夏の宵への誘い。


大満足でした。


4回目の「セララバアド」の春が巡ってきました。

毎回、橋本シェフのクリエイティビティの高さには驚きますが、

今回は、心底驚きました。

なんと、すべての料理に、和歌をペアリングさせました。

より、料理の感性を深く味わうためです。

メニューの裏のバーコードを読み取ると、

スマホで、料理ごとの和歌を読めます。

厳選された和歌ばかりで、情緒豊か。

桜に始まり、桜で終わる、日本の春。

作者名だけ書くので、どの作品か想像してみてください。


メニュー構成は昨年とほぼ同じなのですが、

何度いただいても新鮮な感動があります。

春に登場するメニュー「トペニ ワッカ」は、

楓の樹液を球体にしているものですが、

シェフが厳寒の冬、秩父の山奥にある楓の生産者の

ところまで足を運び、実際に樹液が採取されるところを

見て、仕入れをしています。 まだ、生産量も少ない

国内産の楓の樹液です。 そんなたった2cmの球体に

労を惜しまない橋本シェフの思いが詰まった料理なのです。

では、春の世界スタートです。


1、桜 

  桜の枝に見立てたグリッシーニに、
  馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたものを
  巻きつけたものと、
  香川産オリーブが、
  桜の花とともに。
             
  <和歌>
  在原業平 古今和歌集

2、蛍烏賊 タピオカ

  揚げたタピオカの器の上に
  グリーンピース、いくら、蛍烏賊。

3、ここでサプライズサービス

  シェフから特別に一皿のサービスが。
  カダイフで作った鳥の巣の上に、
  アーティチョーク、チョリソーソース、
  ウズラ卵が。

4、フィトンチッド

  ドーム型のガラスケースが登場。
  上部に渡された枝には、松が。
  ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
  下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
  サブレに、柚子の花のピクルス。

5、トペニ ワッカ 

  アイヌ語で、楓の樹液という意味。
  ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
  ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
    それで炊いたりんご、と
    揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
    野草のサラダ
   

  <和歌>
   紀貫之 古今和歌集

6、枯山水

  四角のガラス箱の中が枯山水に。
  本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
  苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
  ふわふわに仕上げたもの。

  <和歌>
   作者不明 古今和歌集  

7、春の高原 

  清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
  ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
  美しいピンクの泡。
             
  皿の縁には、青い苺のピクルス、と
  リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

  カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

  <和歌>
   春の野に
   霞たなびき咲花の
   かくなるまでに逢はぬ君から

8、春の大地 

  アボガドと蕗味噌で作った大地に、
  ブラックオリーブを。
  そこに、山菜のフリット。

  <和歌>
   光孝天皇  古今集

9、雨紋

  水面に打つ雨をイメージ。
  しじみの出汁ジュレに、甘エビと小さな青野菜。
  ジュレの表面に雨紋を作っています。

  <和歌>
   柿本人麻呂 万葉集

10、桜海老、海藻、うど

   あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
   揚げた桜海老をたっぷりかけて。

   <和歌>
    与謝野蕪村

11、春霞 美雪鱒    
        
   新潟産の美雪鱒を低温調理し、
   鱒の骨でとった出汁と、クレソンオイルを。
   そこに、霞をたなびかせます。
   美雪鱒は、ニジマスとイワナの掛け合わせ。
   レアなテクスチュアがすばらしい。
   そして、霞の演出には、息を飲みます。

   <和歌>
    和泉式部  後拾遺集春上

12、ホロホロ鶏 空豆    

   岩手のホロホロ鶏に、
   筍、空豆、アスパラガス
   ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。
   胸肉は低温調理
   腿肉は、フライパンで焼き、天火で。
   砂肝も。

   <和歌>
    行基菩薩 玉葉和歌集

13、芽吹き

   チョコレートと貴醸酒ムース
   バニラで甘く煮た牛蒡
   ココアメレンゲ
   生姜のアイスクリーム
   ミントで芽吹きを

   <和歌>
    藤原家隆  壬二集

14、小菓子 (エンボスの缶の中に)

   ヤラズノ雨  エルダーフラワーゼリーに雨を
          *最後の一品なので、この名前
    <和歌> 柿本人麻呂 万葉集

   苺      薄くした苺の飴

    <詩> 宮沢賢治
   和紙     綿あめを平らにして、和紙のように。
   桜      マカロン
    <和歌>  伊勢物語

15、ハーブティー

パンとオリーブオイル

お供は、

最初は、シャンパーニュ
Jean de Villare Grande reserve brut


ソフトドリンクペアリング

1、リンデンと清見オレンジ        

2、八海山甘酒とジンジャーエール
  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース
  抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、ラプサンスーチョンのスモーク
  と、日向夏のパウダー

 今回の満足度は、いつにも増して、素晴らしかったです。

 シェフとマダムのいい笑顔に見送られて、

 帰路につきました。

3年目の冬がまた巡ってきました。

今回も満席。

橋本シェフがにこやかに、シェフズシートに案内して

くれます。

料理人の一人が交代し、ニューフェイス登場。

コース全体の手順を覚えるのは、なかなか大変かと

思いますが、すっかり慣れた様子。

さて、冬メニューのスタートです。

昨年のものと比べ、半分くらい新メニューになっています。

美味しいものは何度でもいただきたいので、

半分チェンジくらいがいい頃合です。

1、樹氷 コットン

  花瓶に活けられた枝に、コットンがついています。
  樹氷に見立てているのです。
  そのうち、ひとつは本物のコットン。
  塩とクローブとナッツをキャラメリゼして、
  綿あめにくるんでいます。
  もうひとつは、ピザ生地で作った枝に
  ラルドを巻いてあります。

  出だしから真冬の景色で、幻想的。

2、毛玉 ビーツ 

  毛玉をイメージした、という作品。
  レフォールで香りをつけたサワークリームを
  極細切りにして揚げたビーツで包んであり、
  本当に毛玉のよう。

  美しいだけでなく、本当に美味。そして繊細。

3、林檎 マンチェゴ

  真っ赤なリンゴが丸ごと登場。
  その中央が垂直にくりぬいてあり、
  りんごのチュイールで巻いたマンチェゴチーズの
  アイスクリームが。

4、馬肉 雲丹 黒米

  黒米のチップスの上に、
  馬肉のタルタルと雲丹。
  その上に、シャルドネビネガーの泡

  これは、初でしたが、クリスマスの特別
  メニューに登場したようです。
  ねっとりしたタルタルと雲丹が美味。

5、折り鶴 フォアグラ

  根セロリの折り鶴。
  オープンしたときは、これが話題になりました。
  フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
  上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ。
  花梨ジャムが底に。

6、冬の大地 

  パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
  大地を表現。
  その上に、ミニ冬野菜が並びます。
  テーブルに供されてから、シェフが、
  雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

  定番ですが、冬野菜にすべて仕事が施されています。

7、蟹 ホワイトアスパラガス カルドッソ 

  スペインの煮込んだスープの米料理。
  今回は、蟹とホワイトアスパラガスをふわふわの
  蕪蒸し仕立てにしたものが中央に。

  蕪蒸し、とは、またまた驚かせてくれます。

8、百合根 トリュフ

  百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
  つけたミルクの泡。
  鶏の出汁のソース。
  白子のフリットを浮かせ、
  黒トリュフをたっぷり散らして。
  
  シェフズシートは準備の段階をすべて
  目の前で見られるので、臨場感たっぷり。
  視覚だけでなく、鶏スープの芳香は
  作っているときから、立ち上ります。

9、鮟鱇 チョリソ スモーク 

  いつものように、パッキン付きのコンテナーで
  瞬間燻製。
  中身は、ジャガイモを纏わせて焼いた鮟鱇と、
  チョリソ。
  ソースは、玉ねぎ。
  コンテナーの隣りには、金柑のコンポートが。

  とても立派な鮟鱇の切り身で、食べでがあります。
                

10、紀州鴨 黒にんにく 紅玉

   紀州鴨は合鴨なので、ものすごく大きいです。
   橋本シェフが皮目に焼き色をつけるところや、
   焼き上がった肉をきれいに掃除するさまを
   じっくり拝見。
   鴨と下仁田葱がたっぷり盛り付けられます。
   輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
   いれてあります。 
   りんごのピュレも。
   黒にんにくのチップと。

11、白い吐息

   鼻からスモークがでるマカロン
   これも冬メニューの定番で、
   橋本シェフが各テーブルでやって
   みせる度に、爆笑が。

12、モンブラン

   栗のクリームを白いメレンゲの壁で
   囲ってあります。
   いちごの上には、雪の結晶

13、ミニャルディーズ 

   いつも途中に登場するガラスケースが
   今回は、最後に。
   このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
   その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
  「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
   あまりの抒情豊かなプレゼンテーションに感動します。
   しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
   中身は、
   エルダーフラワーのシロップのスノーボール
   みかんとカモミールのマカロン
   封印の蝋を象ったラズベリーソーダとホワイトチョコ
   パチパチオランジェット

ハーブティ

パンとオリーブオイル

お供は、ノンアルコールペアリング

1、りんごとセロリ、カルダモン
2、黄ビーツと生姜
3、みかん、ジュニパーベリー、ローズマリー
4、ベリーとローズティー

  ノンアルのラインアップも進化して、ますます
  美味に。

今回は、「蒼」という山ブドウで作ったワインを試飲させて

いただきました。 確かに、山ブドウの味ですが、

そこはワイン。 ベリーのテイストに、奥行きとほのかな苦みを

感じます。 超レアなワインとのこと。


 コースの前半は、かなりイノベイティブな要素が多いですが、

 単に奇を衒った斬新さではなく、すべてに味の組み合わせが

 考えつくされ、本当においしく仕上がっています。

 メインの魚や肉は、ボリューミーで、しかも、肉の仕事は

 3つ星での経験を如実に感じさせる仕上がり。

 今回も、橋本シェフが、日本の真冬を謳い上げてくれました。

 シェフのお人柄を反映してか、いつも、心が温かくなります。

3年目の秋となりました。

1年に4回のメニューチェンジ。 11回目の訪問となります。

新作も次々登場し、橋本シェフのクリエイティビティの引出しの

多さに、いつも感動します。

特に、秋は私が大好きな季節。

詩情豊かな里の秋を彷彿とさせてくれる作品に、心が温まります。

コースは、9800円。

ドリンクマリーアジュコースがマストで、

アルコール 4500円、 ノンアルコール  3800円。


さて、今回も、落ち葉を踏む、サクサクという音が聞こえてきそうな

橋本ワールドの始まりです。

いつものように、シェフズテーブル。

料理人の二人も、かなり動きがよくなっていて、すっかりベテラン。

ニューフェイスも入っていました。

テーブルには、落ち葉型に切り抜いたメニューのネックレス。


1、イケバナ      生け花が登場。
            白く焼き上げた生地で枝を作り、
            そこに、和歌山産鴨の生ハムが。
            本物の枝には、国産オリーブが刺さっています。

2、オブジェ      米のスナック
            海藻と雲丹風味で、まさに造形が現代アート

3、スパークリングマスカット  マスカットとマスカットのワインゼリーに
                エスプーマで、二酸化炭素を注入。
                つるんとして、喉にすべりこみます。

4、森の朝       苔と朝霧を演出しています。
            アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースのムースを
            減圧して気泡を大きくし、苔に見立てています。
            テーブル上で、森の香りのエッセンスを注ぐと、
            朝霧がふわーっと。

5、落葉の森      ガラス箱の中には、落ち葉が。
            上部には、森が表現されています。
            トリュフを探す豚。 豚足、耳、尻尾を使った
            トリュフ風味のコロッケの隣りに、ハーブオイルを
            つめた豚ちゃんが。
            アスパラのソテー
            揚げ銀杏
            巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースと
            ポルト酒。
            赤すぐりをあしらって。

6、マジャク      穴シャコを皮ごと揚げたもの。
            地元で、「マジャク」と呼んでいる、とか。
            アムチュールという青マンゴーのスパイスを塗って
            あり、ちょっと酸味がします。
            シャルドネビネガーの泡
            マンゴー

7、スケット      スペインの魚介の煮込みのことですが、
            これをアレンジし、帆立とジャガイモのピュレ
            海老、蟹、鯛の出汁で。
            アーモンドミルクの泡
            ニンニク、パセリ、アーモンドオイルのソース

8、茸 ハツ      きのこと大麦を炊いたもの
            牛ハツのカツレツ
            生姜のソース

9、丹波黒鶏      黒鶏を瞬間燻製に。
            ローストしたほおずきをずらすと、
            下の穴から燻製の香りが・・・。
            紅芋とさつま芋のチップス
            枝に見立てた、カレー風味のシュー生地

10、セレ豚 紅玉   セレ豚に、りんごのピュレ、マコモ茸、フェンネル

11、サルベージされた月  ラム酒につけた柿のジュースの球体
              カカオニブとミント
              液体からすくい上げるので、サルベージ
              秋の月です。

12、どんぐり カカオ   これが大変。
              前回は、慣れていなくて、初日はかなり焦がした、と
              シェフ。
              今回は、かなり慣れた手つきに。
              栗のシートで器を覆ってから、バーナーで焼きます。
              中には、どんぐりリキュールのアイスと
              チョコレートのムース。
              何度も冷蔵庫に入れたり出したりしながら作成。

13、松ぼっくり      新作のデザート
              アーモンドにチョコレートをコーティングし、
              松ぼっくりの形に。 美しい・・・。

14、お菓子の缶      いつものエンボスのある楽しい缶には・・
               栗のケーキ
               オリーブオイルムース
               ジャスミンティーとライチのマカロン

最後に、ハーブティ(フレッシュレモングラス、ローズマリー、しょうが)

パンはいつもの焼き立て。


ペアリングノンアルコール

1、松の葉のシロップとジュニパーのソーダ割り

         森の朝と最高にマッチング

2、オレンジ、人参、パッションフルーツ、しょうが

         オレンジの味が勝っています。

3、梨、ベルベーヌ、塩

         ジューサーで搾りたての梨が美味

4、ざくろジュース、緑茶のタンニン、クローブ
      
         ほろ苦さが効いています。

 ノンアルコールもかなり充実し、一段と美味になってきました。

 シェフは忙しく動きながらも、いろいろ話もしてくださり、

 楽しい限り。

 中学生のきのこ博士から預かっている国産トリュフ、なるものを

 見せてくれました。米漬けにしてあります。 ものすごくいい香り。

 うーむ、これが登場する日も近いか・・・。


                    
3年目の夏となりました。 

オープン以来、1年4シーズン毎回お邪魔し、橋本シェフの詩情豊かな世界と

その進化を楽しませていただいています。

今回も、新作がいろいろ登場。

そして、料理に合わせて音楽が変わりました。

何度いただいても感心するのは、「夏の夕暮れ」。

青紫の夕空にぽっと浮かんだ満月。 そして、刻々と暮れゆく夏の空。

ノスタルジックな気分に浸らせていただきました。

今回も、シェフズシートで、臨場感も満載。

さて、では、夏のメニューです。

1、イケバナ  ハモン            ピザ生地にジュニパーベリーや松の葉の粉末を練りこんで
                       枝を。
                       その枝には、北海道どろ豚の生ハムと香川のオリーブ。

                       ドウダンつつじの葉とともに、花のように活けられて登場。 

2、キャラメルポップコーン          キャラメルの薄い膜の中に、ポップコーンの粉末。

3、朝露                   大きな蓮の葉に、朝露に見立てた、じゅんさい入り梅こぶ茶の玉

4、花蜜                   小さいときに、つつじの軸の蜜を吸ったり、
                       レンゲの花を編んだり、そんな思い出を料理に。
                       ガラスボトルの上には、レンゲを編んだ花飾り。
                       そのガラスボトルには、ナスタチウムのオレンジ色の花。
                       まず、その花の蜜を吸ってみます。 ほんのり甘い。
                       別皿で供される透明なガスパチョのゼリーに、花弁をちぎって
                       浮かべて、いただきます。花弁のほろ苦さを楽しめます。

5、夏の高原                 ハーブを内部に入れた透明な皿に、
                       沖縄から取り寄せた山羊乳で作った自家製チーズと、
                       レモングラス風味のミルク、青草の香りのするオリーブオイル、
                       りんごを薄くしたシートを。
                       クセのないクリーミーな山羊チーズです。

6、渚                    いつものガラスボックス。
                       ムール貝の殻の塊の中に、ひとつだけ食べられるムール貝が。
                       カレー風味で、中身は、ムールのエキス。
                       砂に見立てたのは、しらすとアンチョビ。
                       波は、蛤のジュで。
                       蓋を開けると、細いボトルに、この日のメニューが。

                       ここで、音楽が渚の音に。

7、夜海                   新作です。
                       炭火で炙った白烏賊と、小玉葱、枝豆。
                       器の蓋に、イカ墨のレースが。 繊細そのもの。

8、穴子 雑穀 クレソン           雑穀とトウモロコシの上に、穴子のフリット。
                       クレソンのソースと黒酢のソースで。

9、鮎 茄子 いり番茶            新作です。
                       いつものガラス容器の瞬間燻製から、これに変わりました。
                       木の蓋つき容器。
                       中には、炒り番茶がたくさん詰められ、その中央に焼き石。
                       ヒマワリの種をつけて揚げた鮎のロールに
                       鮎の魚醤で味付けした茄子のピュレと、万願寺唐辛子。
                       炒り番茶の風味を鮎に移しています。
                       蓋の上には、みょうがのピクルス

10、とちの木牛  マコモ茸         ランプを低温調理
                       ものすごく上質で、柔らか。
                       ごぼうのフリット、ポテトのピュレ、マコモ茸

11、ピニャコラーダ             少し凍らせたフレッシュのパイナップルを、
                       スクイーズして、液体窒素で凍らせた究極の
                       ピニャコラーダ

12、夏の夕暮れ               これは昨年初めていただいて感心しましたが、
                       やはり、何度いただいても秀逸。
                       青紫蘇のシロップに、琵琶のコンポート。  
                       夏の夜空に浮かぶ満月を表現。
                       添えられたトンカ豆の香りのレモンシュガーを落とすと、
                       空が紫から群青へ。 暮れゆく夏の夜空です。

13、よもぎ、コーン、蛍           いつものエンボスのお菓子の缶に。
                       よもぎのマカロン
                       ホワイトチョコとコーンのエアチョコ
                       
                       透明なレンゲに、
                       エルダーフラワーとマローブルーのシロップをゼリーにしたもの。
                       中に、黄色の粒をいれてあり、
                       レンゲを下から見ると、蛍のよう。

14、線香花火                福岡の花火屋さんの線香花火と、そこからいただいた和紙で
                       作った線香花火に見えるパチパチキャンデー。


ドリンクペアリング

1、シャンパーニュ              

ここからノンアルコールペアリング

2、トマトのエキスとオリーブオイル        4に合わせて

3、パプリカとしょうが              6に合わせて

4、スイカジュースに和薄荷の氷          9に合わせて

5、烏龍茶にグレープフルーツの苦みと香りを    10に合わせて

6、桃酒                     これは、追加で。
                         大きな一升瓶に「桃酒」と書かれていておいしそうなので
                         注文してみました。 オトナのネクター。

最後は、ハーブティで。

パンとオリーブ


若手料理人さんたちも、成長著しく、連携がよくなっています。

橋本シェフの奥様も、とてもよく気が付く方で、仲睦まじくて微笑ましい限り。

ノンアルコールペアリングが、かなり進化してきました。

大満足な夏の宵でした。


「セララバアド」にも春がめぐってきました。

3回目の春メニューには、また新たな要素が加わり、ワクワクします。

1、桜          桜の枝に見立てたグリッシーニに、
             馬肉の味噌漬けを生ハム仕立てにしたもの、と
             どろぶたの生ハムを巻きつけて。
             他の枝には、香川のオリーブの生姜風味が。

2、フィトンチッド    新作です。
             ドーム型のガラスケースが登場。
             上部に渡された枝には、松が。
             ドームをとって、内部を鼻に近づけると、森の香り。
          
             下部には、茸、松の葉、松の実をパウダー状にした
             サブレに、柚子の花のピクルス。

3、トペニ ワッカ    アイヌ語で、楓の樹液という意味。
             ① 球体に仕上げたものをスプーンで。
             ② その楓の樹液を煮詰めたのがメープルシロップなので、
               それで炊いたりんご、と
               揚げた豚の皮にブーダンノワールを塗ったもの。
               野草のサラダ

4、枯山水        四角のガラス箱の中が枯山水に。
             本当の石のうち、一個だけが石に見立てたジャガイモ。
             苔に見立てたものは、アンチョビパセリバターを
             ふわふわに仕上げたもの。

5、春の高原       清水牧場のクアルク(チーズ)をムースに。
             ローズウォーター、クランベリー、はちみつで仕上げた、
             美しいピンクの泡。
             皿の縁には、青い苺のピクルス、と
             リンゴで作られた小さな蝶々が3匹。

             カラフルな草花を詰め込んだガラス容器で供され、春爛漫。

6、春の大地       アボガドと蕗味噌で作った大地に、
             ブラックオリーブを。
             そこに、山菜のフリット。

7、雨紋         春って、そういえば、なにげに雨が多いですよね。

             水面に打つ雨をイメージ。
             しじみの出汁ジュレに、甘エビと豆。
             ジュレの表面に雨紋を作っています。

8、桜海老、海藻、うど  あさり出汁で炊いた大麦、押し麦、うど
             揚げた桜海老をたっぷりかけて。

9、山女魚 野芹     瞬間燻製で。
             奥多摩の山女魚
             うずらの温泉卵
             ホワイトアスパラガス、野芹 
             チョリソのパン粉
             焼きみかんのピュレ

             蓋をあけると、ふわりと煙があがり、鼻をくすぐる燻製香が。

10、ホロホロ鶏     岩手のホロホロ鶏に、
             アスパラガス、小蕪、マッシュルーム
             ホロホロ鶏のジュとクリームのソースに、木の芽オイルを。

11、芽吹き       チョコレートと貴醸酒ムース
             バニラをココアで甘く煮た牛蒡
             いちご
             生姜のアイスクリーム

12、小菓子       ヤラズノ雨     エルダーフラワーゼリーに雨を
                          *最後の一品なので、この名前
             苺ミルク      薄くした苺の飴に、ミルクボトル形状の小さな紙。
                       その紙に、ミルクの香りが。
             和紙        綿あめを平らにして、和紙のように。
             桜         マカロン

13、ハンドドリップ煎茶      今回から初登場。
                  鹿児島産の煎茶。
                  2椀でて、右が一煎目、左が二煎目。

ソフトドリンクペアリング

1、ぶどうのビネガー        たっぷりのハーブをいれ、周囲にもあしらって。

2、八海山甘酒とジンジャーエール  塩漬けのペッパーをそえて

3、りんごジュース         抹茶とグリーンピースの泡を浮かべて

4、緑茶              グレープフルーツ果肉を液体窒素で凍らせたものを浮かべて。

  ソフトドリンクも精度がアップしてきました。 凝ってます。


いつもながら、本当によく考え抜かれています。

「神は細部に宿る」そのものです。

最後まで、深く頷かされました。    
             
3周年目を迎えられました。

相変わらずの人気です。

1年に季節ごと4回のメニューチェンジがあり、

開店以来お邪魔しているので、今回で9回目となりました。

橋本シェフが、シェフズシートに案内してくれます。

この席、目の前で、調理と盛り付けが展開するので、臨場感抜群。

橋本シェフと二人の料理人による、連携プレイが見事。

昨年と重なるメニューもあるのですが、今回は、

「冬」をモチーフに、なんだか心がほっこりするストーリー性のある

構成で、またまた橋本シェフのクリエイティビティに脱帽でした。

特に、最後に登場したミニャルディーズの演出には、心底感動。

さて、いつものように、

シャンーパーニュと、生ハムで。

シャンパーニュは、CHEURLIN.

生ハムは、久々に入ったという、どろ豚の腿とロース。

それに、香川のオリーブと、オリーブオイルが注入されたパフが。

さて、コースの開始です。

1、柚子 日本酒 H&C     グラスの中に、ホットとクールの日本酒が、 
                 濃度のせいで、交じりあわずに。
                 柚子の風味がきいていて、アペリティフがわり。

2、毛玉 ビーツ         毛玉をイメージした、という作品。
                 レフォールで香りをつけたサワークリームを
                 繊細にカットしたビーツで包んであり、
                 本当に毛玉のようで、口にいれると溶けました。

3、林檎 チーズ         真っ赤なリンゴが登場。
                 その中央が垂直にくりぬいてあり、
                 りんごで巻いたマンチェボチーズが。

4、折り鶴 フォアグラ      根セロリの折り鶴。
                 これが美しいだけでなく、美味。
                 フォアグラの脂でソテーしたインカのめざめの
                 上に、味噌をかくし味にしたフォアグラ

5、冬の大地           パースニップピュレの上に、黒オリーブのパウダーで
                 大地を表現。
                 その上に、ミニ冬野菜が並びます。
                 テーブルに供されてから、シェフが、
                 雪にみたてた発酵バターのパウダーをかけてくれます。

6、豚 栗 カルドッソ      スペインの煮込んだスープの米料理。
                 豚ほほ肉と栗が入っています。
                 清水牧場のバッカスというチーズをかけて。

7、百合根 トリュフ       百合根のエスプーマに、トリュフの香りを
                 つけたミルクの泡。
                 鶏の出汁のソース。
                 そして、黒トリュフをたっぷり散らして。
                 準備しているときから、トリュフの芳香が。

8、帆立貝 洋梨 スモーク    いつものように、パッキン付きのコンテナーで
                 瞬間燻製。
                 中身は、立派な帆立貝と洋梨。
                 ソースは、トマト、ピーマン、アーモンドに、
                 新潟のかんずり。
                 ものすごく熱くした石に海藻をのせ、
                 磯の香りを漂わせながら、登場。

9、紀州鴨 黒にんにく 紅玉   鴨と下仁田葱。
                 輪切りにした葱の中に、葱の緑の部分のソースを
                 いれてあります。
                 葱を真っ黒に焼いたパウダー
                 りんごのピュレ
                 黒にんにくのチップと。

10、白い吐息          鼻からスモークがでるマカロン
                 これは昨年も登場し、橋本シェフが
                 各テーブルでやってみせる度に、爆笑が。

11、モンブラン         栗のクリームを白いメレンゲの壁で
                 囲ってあります。
                 いちごの上には、雪の結晶

12、ミニャルディーズ      いつも途中に登場するガラスケースが
                 今回は、最後に。
                 このケースの中にミニャルディーズが入っているのですが、
                 その蓋に、曇らせたシートをひとつひとつ貼ってあります。
                 「冬の曇った日の窓ガラス」をイメージとのこと。
                 これは、もうやられました。 なんて、ポエムなのか・・・。
                 しかも、曇ったガラスを指でなぞると、バラの香りが。
                 中身は、
                 スノーボール、京人参といよかんのマカロン、
                 ラズベリーソーダとホワイトチョコ、
                 パチパチオランジェット

13、レオンマートルティー

パンとオリーブオイル


飲み物は、ノンアルコールペアリングで、

1、りんご、セロリ、カルダモン

2、みかん、ローズマリー、ジュニパーベリーの実をこしたもの

3、レモンマートルとエルダーフラワーのシロップに、生姜を漬け込み

4、ミックスベリー、ざくろ、クランベリー、ピンクペッパー、クローブ

初期よりも、ノンアルコールのクオリティがかなりよくなりました。


相変わらず、手間暇をおしまない、繊細な仕事とオリジナリティ。

これだけの多忙な日々のいつ、考えているんだろう・・・・、と

作業を見ながら、思いました。

次回、どんなに驚かせてくれるのか、楽しみです。
<2016年11月>

 早いもので、もうすぐ開店2年です。 そして、私は季節ごとに伺い、8回目の訪問となりました。

 毎回、橋本シェフの技とクリエイティビティが楽しみです。

 そして、今回もシェフズシート。 料理を作る過程をつぶさに見られてワクワクします。

 秋メニューは、昨年と半分ほどかぶっていましたが、今回の圧巻は、デセール。

 ま、なんと、手の込んだデセール。 これ、フツーやらないでしょ!! と思える技です。

 では、今回のコース「秋の森」です。

 毎回、メニューの出し方も凝りまくっていますが、今回は、白い葉がたくさん盛り付けられていて、

 それを一枚一枚ひっくり返すと、メニューになっていて、なおかつ、糸でつながっています。 おしゃれです。

 まずは、シャンパーニュ「エドモンド シュルラン」を。

 料理の間は、ノンアルコールドリンクペアリングで。  これがまたかなり進化していました。

1.アミューズは、 ① 海藻風味の米菓子
          ② 和歌山産鴨の味噌漬けを昆布のタルトにのせて
            糸瓜のピクルス、 いちじく


2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

*ドリンク1   ジュニパーベリーと松の葉   ちょっと甘めです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。 豚の中には、ハーブオイルが。

         豚足、豚の耳、しっぽのトリュフコロッケ。

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムースにポルト酒をいれて。

         土に見立てたのは、オリーブ、パン粉、玉葱で、これも美味。

*ドリンク2   梨とバジルを塩で仕上げたもの   ちょっと塩味。

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで。 8種類の茸を使っています。

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、リゾット   にんにく、パセリ、アーモンドオイル、海老の出汁で炊いた大麦と米のリゾットの上に、

         才巻海老を。

*ドリンク3   人参とパッションフルーツ  甘味と酸味

7、丹波黒鶏   焼いて燻製に。 

         ガラスの深皿のくぼみにラップを貼り、その上に料理が。

         ラップの穴から燻製の煙を注入してあり、穴にはほうずきが。

         ほうずきをどけると、燻製の煙がもくもく出てくる仕掛け。 本当によく考えられています。

         添えられた枝は、シュー生地で作られていて、食べられます。

*ドリンク4   柿のミントティー

8、セレ豚    「セレブー」というらしいですが・・・・。

         全国の種豚を作っている人が手掛けている豚で、最高の肉質です。 かなり希少とのこと。

         玉ねぎ、まこも茸、ジャガイモのピュレ。

9、デセール   なにやら、キッチンが慌ただしくなりました。

         パイ生地を伸ばすようなゴム製のシートに、薄い膜状のものが挟まっています。

         器にその膜状のものを蓋のようにかぶせ、上部をバーナーで炙ります。

         中身にアイスクリームがはいっているので、溶けないように、なんども冷蔵庫に出し入れを繰り返し、

         蓋の端をきれいにカット。 それをまた冷やして、供します。

         その膜はなにか、橋本シェフに聞いたところ、

         「北欧で海老芋を素材に作られているものを、栗でアレンジしました。 寒天などで作り、一度、

          乾かしています」 とのことでしたが、気の遠くなるような手間です。

          しかも、初日には、蓋をするとき全部落ちて、失敗したとのこと。 

          しかし、この果敢なチャレンジに脱帽です。

          中には、どんぐりのアイスクリーム、チョコレートムース。

10、ミニャルディーズ   ジャスミンとライチのマカロン
              オリーブオイルのグミ
              栗のチーズ
              トリュフ風味のチョコ

              いつものお菓子箱で。

ますます、予約至難ですが、次回が楽しみです。


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<2016年7月>

 7回目の訪問となりました。

 またもや、驚かされました。

 橋本シェフのとどまるところを知らないクリエイティビティ。

 進化を続けています。

 今回は、夏の高原、山羊、そして夏の夕暮れのお話しです。

 一番乗りで到着しました。 今回もシェフズシート。 うれしい限り。

 時間があったので、橋本シェフともいろいろお話しできました。

 シャンパーニュをいただきながら、鴨の味噌漬けを。

 さて、いよいよスタートです。

1、キャラメルポップコーン

2、朝露          大きな蓮の葉の上に、じゅんさいを閉じ込めた梅こぶ茶のジェル

3、花蜜 トマト      昔、つつじの花の根本をチューチュー吸った思い出。
              ナスタチュームの花の根本をチューチューし、
              その後、花弁を、水信玄餅に見立てた
              トマトの透明な液体のジュレ に散らして
              いただきます。 ちょっとビターな花弁の味がアクセントに。 

4、夏の高原        自家製山羊のチーズ 、レモングラス風味のミルク
              香川産オリーブオイル
              ラベンダーの香り

5、渚           いつものガラス箱
              夏の海岸になっています。
              ムール貝のクリーム煮
              しらす、アンチョビ、藻塩でできた砂
              蛤のエスプーマで波を
              シェフが先週石垣島でとってきた貝が中にたくさん。
              ちなみに、ムール貝の上半分の貝殻は、砂糖で作られていて食べられます。
              ディテールまで本当に驚きます。
              そして、ボトルの中にはメニューが。

6、深海          イカ墨のカプセル
              白いかのソテー
              イカのスープ、イカ墨のパエリアのチップ
              枝豆、フェンネル
              イカ墨のカプセルを割ると、スープが真っ黒に。

7、穴子 雑穀 クレソン  雑穀のリゾットの上に、穴子のフリット
              黒酢をつめたソースと、クレソンのソースで

8、鮎の燻製        木製の長方形ボードの上に、唐揚げにした鮎の頭。
              その口に、唐揚げの背骨とみょうがのピクルスが立てかけてあります。

              ガラスボトルに、鮎の身と、鮎の魚醤であえた茄子のピュレ
              これを燻製に。

9、短角牛         55度で2時間半低温調理したもの
              もも肉ですが、ちょっと脂感もある部位
              ポテトのピュレ、牛蒡のフライ、 静岡のマッシュルーム屋さんの巨大マッシュルーム

10、ピニャコラーダ    フレッシュなパイナップルをミキサーでジュースに。
              液体窒素でその場で固めた究極にフレッシュなパイナップルのソルベに、
              ココナッツとラム酒

11、夏の夕暮れ      赤紫蘇のシロップに、桃のコンポート
              夏の夜空に浮かぶ三日月です。
              トンカ豆のスティックにのったレモンシュガーをいれると、
              夏の夜空は、赤から紫に。
              昨年も感動した作品。

12、お菓子箱       エンボスのお菓子箱に、ミニャルディーズ
              よもぎのマカロン
              コーンとホワイトチョコを軽く仕上げたもの
              梅のケーキ

13、線香花火       福岡の花火屋さんとのコラボ
              本物の線香花火の脇に、先っぽに球形のチョコとパチパチキャンディがついた線香花火

ソフトドリンクペアリング

1、トマト、バジル、エキストラバージンオリーブオイル

2、パプリカ、しょうが

3、スイカ、和はっかの氷

4、凍頂ウーロン茶にグレープフルーツの皮

今回も新作が数点登場していて、本当に楽しめました。

シェフが休暇で石垣島に行っていらしたので、そこからインスパイアされたアイテムも。

シェフズシートだと、目の前で繰り広げられる段取りを見るのも、実に楽しいです。

日本の夏を、高原や海、そして、夕暮れと多彩に表現。

詩的情緒あふれる構成でした。
                 
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<2016年3月>

 先月に引き続き、またまたお邪魔しました。

 今回は、メニューも春バージョンに。

 昨年とかぶっているものもありますが、ディテールがちょっとづつ進化しています。
 
 それにしても、橋本シェフは、本当に、勉強熱心。

 先月、私が教えたレストランにもう行っていて、話が弾みました。

 さて、春全開の料理です。

 この日は、赤ワインをグラスで。 大阪の合名山という銘柄で、メルローです。

1、鯛茶漬け         これは意表をつかれる出だしです。

               梅こぶ茶の玉に、昆布〆した鯛。 スプーンの上にのっているので、一口で。

               かなり、梅こぶが効いています。

2、枯山水          いつものガラスケースが、今回は、枯山水に。

               インカのめざめを石に見立て、

               アンチョビバターソースを軽く仕上げたものを苔に見立てて。

3、春の高原         清水牧場のチーズムース

               ローズウォーター、クランベリー、はちみつでできた薄いピンクの泡。

               リンゴでできた蝶々が飛んでいます。

4、春の大地         アボガドと蕗味噌の大地に、ライ麦パンとブラックオリーブで土を。

               その上には、山菜のフリット

5、ホタルイカ、小玉葱    これに、グリーンピースを加えて、ミントのオイルで

6、マテ貝、ウド、海藻    大麦を、マテ貝の肝ソース、海藻と昆布のオイルで。

               海藻の香りが口いっぱいに広がります。

7、ヤマメ、芹、ホワイトアスパラガス    いつもの、瞬間燻製です。ウズラ卵の温泉卵で。

                      ヤマメがあまりに大きいので、あとでシェフに聞いたところ、

                      奥多摩で養殖されているもので、産卵などをしないよう、かなり成長させるそうです。

8、ホロホロ鶏、クレソン、筍        和歌山のホロホロ鶏です。 素晴らしい火入れ。ジューシーです。

                      パースニップのピュレ、プティベールと。

9、春の大地 Ⅱ        デセールです。

                バニラで甘く煮た牛蒡、ガトーショコラとナッツで、大地を。

                日本酒とチョコのムース、 竹炭とココアのメレンゲ

                生姜のアイス

10、ミニャルディーズ     いつもの缶で。

                オリーブオイルグミ、桜のマカロン、パチパチチョコ、

                和紙 (綿あめを平たくし、エディブルフラワーをはさんで、押し花に)

ハーブティ

満足度の高い構成と内容でした。


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<2016年2月>
 
 5回目の訪問です。

 2016 Winter Menu。 またまた、期待を軽く上回ってくれました。

 サプライズの連続なので、それを期待される方は、これを読まずにお出かけください。

 今回は、シェフズテーブルでした。 作っているところの写真も満載です。

 この席だと、橋本シェフともかなりおしゃべりができるし、キッチンの臨場感たっぷりで、楽しめます。

 今年から、ソフトドリンクペアリングも登場。 仏やスペインのレストランでは、かなり見受けましたが、日本では、

 まだまだ珍しく、早速注文。 

 それでは、お料理から。

1、生ハム、オリーブ、オリーブオイルボール        コースとは別に

2、柚子 日本酒 H&C                 なにかと思ったら、グラスに液体が登場。

                             柚子の風味の日本酒が、グラスの中で、Hot & Cool に分れています。 あら、不思議。

3、薄氷 チーズ                     本当にポエムの世界です。

                             ピューレにして低温で揚げた透明の極薄ポテトチップス。

                             パルメザンチーズの泡をつけていただきます。

4、セロリアック 折り鶴 フォアグラ           この折り鶴は昨年オープン当初も登場したようですが、

                             根セロリで作られた折り鶴は、おいしく、かつ優美。

                             初めて、「なんだか、食べるのがもったいない」と思いました。

                             フォアグラの脂で揚げたインカのめざめの上に、フォアグラがのっています。

5、冬の大地                       大地は、パースニップのピュレと、黒オリーブ。

                             そこに、小さな根菜たちが植わっています。

                             雪に見立てた発酵バターのパウダーをテーブルでかけてくれます。

6、才巻海老  菜の花                  オマールや蟹の出汁で炊いた大麦の上に、才巻海老と菜の花、トリュフ。

                             鮮やかなコントラスの色使いがきれい。

7、百合根 トリュフ                   百合根のエスプーマムースに、トリュフ風味のミルクの泡

8、豚 蕪 金柑                     イベリコ豚の赤身、栗、胡桃 アスパラガス、小玉葱

                              リンゴのピューレ。

                             金柑をソースがわりにいただきます。

9、白い吐息                       ここからデセールですが、これには、お店全員が笑いました。

                             液体窒素で軽く凍らせた円柱状のミント。

                             「食べ方をお見せします」と橋本シェフ。 口にいれたとたんに、鼻から煙が。

                              みんな、マネして食べて、大笑い。

10、モンブラン                     ホワイトチョコとベリーをホワイトチョコの壁で覆って。

                             添えられた苺の上には、雪の結晶が。 細部まで本当に、こだわっています。

11、スノーボール                    中に、真っ白な雪の結晶と雪に見立てたものが入っていて、プルンプルン揺らすと、

                             まさにスノーボール。

12、ラズベリーソーダ                  いつものガラス箱に、上記のスノーボールのほか、
                          
                             ラズベリーソーダ、パチパチチョコ、京人参とオレンジのマカロンが。

ハーブティ

ダッチオーブンのパン

シャンパーニュ

ソフトドリンクペアリングは、
1、ベリー
2、リンゴジュースにセロリの風味をつけたもの
3、ハーブティ、しょうが、かりんシロップ
4、白菜+梅シロップ

橋本シェフは、「ソムリエさんと試行錯誤しながら作りました。白菜のは、ちょっとアヤシイでしょ?」 と。

ハーブティと白菜あたりから、ちょっとアヤシイですが、「noma」のソフトドリンクペアリングは、もっとアヤシイものもかなりあるので、

これは、お遊びとして、おもしろいです。 かなりの試行錯誤の末という様子がわかります。

いやはや、今回も、おいしく、楽しく、感動させていただきました。

次回が楽しみです。

 
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<2015年11月>

 4回目の訪問となりました。

 さらに進化していました。

 いったい、橋本シェフのクリエイティビティの源泉はなんなのか。 唸ります。

 秋は、「森」がテーマ。  夏に使用していたガラス箱がすっかり深い秋となって登場し、そこには・・・・。

 毎回楽しませてくれるうえに、料理としての美味しさをはずしていません。 

 さて、今回は。

まずは、ワイン。 リストを見たら、カーブドッチのモグラがあったので、これにしました。

シャルドネですが、個性のある風味。 好みです。

1、生ハム    コースが始まる前に、オプションで。

         今回は、埼玉の杜仲高麗豚。 

         パドロン   スペインではふつうにある野菜ですが、日本では入手困難。 生ハムの生産者が作っているとのこと。

         オリーブ

         オリーブオイルのキューブ

2、スパークリングマスカット   マスカットとマスカットの間に、エスプーマの機械で二酸化炭素を注入し、プチプチした食感に。

3、森の朝    苔を表現しています。 アボガド、ピスタチオ、オレンジジュースを液体窒素で、スポンジ状に。

         本物の植物の上にあしらわれ、そこに森のエッセンスを注ぐと、白いスモークが・・・。 朝もやです。

4、落葉の森   ガラス箱。 夏はこれが砂浜だったのですが、今回は、たくさんの落ち葉を入れて。 中央の牧の中にメニューが入っています。

         ガラス箱の上には、トリュフを探す豚が。  もう脱帽のクリエイティビティ。

         豚足、豚の耳、ハーブオイルのトリュフコロッケ

         巨峰に見立てたのは、フォアグラと砂肝のムース

5、Heidi ネーミングからチーズかな、と想像しました。

         清水牧場の「山のチーズ」を焼いたもの。 

         別皿に、茸のスープと茸のソテー  ひばのオイルで

         両方、木の肌の優しい丸皿で供されました。

6、どろ豚 栗   どろ豚のほほ肉と葉にんにくを米と雑穀で炊いたもの

7、スモーク 野菜の涙   毎回登場する密閉容器。 今回は、帆立と焼いた茄子、揚げたズッキーニの瞬間スモーク。

              赤ピーマンと玉ねぎのジュで。

8、紀州鴨 リンゴ 山ぶどう   リンゴピュレ、さるなし、九条ネギ、山ぶどうソースで。

9、柿 マスカルポーネ どんぐり  柿とマスカルポーネのエスプーマ

                  ドングリのリキュールのアイス
            
                  柿リキュールのキャビア

10、お菓子の缶の中に       トリュフチョコ、 バラとライチのマカロン、栗のケーキ、オリーブオイルのゼリー

ハーブティ   べにふうき&レモンマープル

 満足でした。 まさに魅了されます。

 食後、橋本シェフと、9月に訪れたバスクの「マルティン・ベラサテギ」の話で盛り上がりました。 

 スタッフの一人、ホセが橋本シェフのことを覚えていたのですが、とんだ爆笑話があったのです。 

 
今後がますます楽しみになりました。


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<2015年7月>

 3度目の訪問です。 夏メニューになりました。

 まず、お断り。 こちらに予約ができていて、当日のサプライズを期待する方は、番号がついている行からは、読まないほうがよりワクワクすると思いますので、老婆心ながら。

 天才には、自らそのオーラを放っているタイプの人と、フツーに見えて実は天才というタイプがいます。 橋本シェフは間違いなく、後者のタイプ。

 3度目にして、改めて、橋本シェフの天才ぶりを確信しました。

 私の専門分野は、マーケティングおよびブランディングです。 ブランディングには、背景に流れるストーリーというものが目下大変要になってきており、
 
 大企業もそれには大きな労力を費やしています。  橋本シェフは、そんなことは知らずに(?)、たぶん天性の感性でやってしまっている、のでしょうね。

 ただただ驚くばかり。

 さて、新たなメニュー。  春に続き、2番目というのは、最も難しいです。 なぜなら、1回目でぐんと上がった期待値を凌駕しなければならないから。

 結論からいいますと、橋本シェフ、あっさりクリアしてくれました。

さて、いつものように、まずは、赤ワインをグラスで。  新しいソムリエくんが入っていて、フランス コレス島のサンジョベーゼ(仏語もあります)を勧めてくれました。

お料理です。

1、キャラメルポップコーン          7時までに到着した人のみ。 

                       液体窒素で凍らせたポップコーンのムースの中に、ポップコーンのパウダー。 一口で。

2、朝露                   鮮やかなハスの葉に、朝露が一粒。  美しいです。

                       「傳」でも似たようなものをいただきました。

                       露の中には、じゅんさい。 露は、梅こぶ茶でできています。

3、夏の高原                 ハーブがたくさん詰まったガラス容器に、

                       沖縄から取り寄せた山羊ミルクで作った自家製チーズと香川の青味のあるオリーブオイル

                       山羊独特の臭みはなく、美味。

                       一房のラベンダーの香りを楽しみながら。

4、渚                   実は、前の料理を食べているときに、目の前のキッチンで、次の料理が着々と準備されているのが見えます。

                      前回にはなかったガラスの箱が用意されています。

                      運ばれてくると、ガラスケースの中は、貝殻と、ガラスのボトル。

                      ガラスケースの上には、ムール貝が一つ、とムール貝の殻が数個。 殻のうちのひとつがなんと、食べられます。

                      砂に見立てたジャコ。 渚に見立てた海藻と昆布オイル。 波は、はまぐりのジュースです。

                      ムール貝を食べ終わって、ケースの蓋を開け、ボトルを取り出すと、その中に、メニューが入っています。

                      なんと今回のメニューの裏には、セララバアドとヤギの物語が書かれているのです。 その物語こそ、今回のメニューの

                      構成そのものです。 しかも、途中で終わっているところが、また心憎い。

5、牡丹海老 柚子             日本酒でマリネし、頭だけボイルしています。 なので、頭の味噌も食べられます。

                      柚子の泡の香りがたちます。

6、穴子 雑穀 クレソン          雑穀のリゾットのうえに、フリットした穴子。 クレソンとポルト酒、黒酢のソースで。

                      温かくて、ホッとします。

7、鶏 ほおずき  スモーク        これは前回も登場した密閉容器で。  瞬間スモークした鶏肉が入っていて、柔らかいほおずきをつぶしてソース替わりに。

                      ゴーヤとみょうがのピクルス。

8、ラム スパイス ヨーグルト       骨付きラムの中に、ラムのジュが入っているので、一口で、と言われました。

                      う~~~む、まさに、ラムの小龍包です。 これは格別美味。

9、ピニャコラーダ            キッチンで、パイナップルが次々ジューサーにかけられ、ジュースと実に分けられていきます、

                     それが入ったボールに、液体窒素を何度も投入しながら、目の前で、超フレッシュなソルベができます。

                     ココナッツとラム酒をいれて、ピニャコラーダに。

10、桃 紫蘇 トンカ          これは、「夏の夕暮れ」を表現。

                     鮮やかな紫色の赤紫蘇シロップに、桃のコンポートが浮かびます。

                     添えられたクッキーの上の、レモンシュガーをとかすと、なんと、紫から紅色へ変化。 夏の夕景が目の前に。

                     もう、ブラボーです。

11、夏野菜  オリーブオイル      エンボスのクッキー缶に入ったミニャルディーズ。

                     赤ピーマンのマカロン、 オリーブオイルのグミ、トマトのマドレーヌ、コーンとホワイトチョコ

ヴェルヴェーヌで〆。

手の空いた橋本シェフと、今度行くバスクの話で、かなり盛り上がり。 橋本シェフが修行した「マルティン・ベラサテギ」のベラサテギシェフによろしく伝えてください、

と、いろいろ伝言もお預かり。

さて、それを聞いていた、新人ソムリエくんが話しかけてきました。 彼は、「ミッシェル・ブラス」で修行後、「TIRPSE」にいたそうで、私のことを覚えていてくれました。

数か月前に、バスクを旅したそうで、またまたその話で盛り上がり。 なんと、「カン・ロカ」にも行ってきたという強者でした。

そして、彼は、来週弾丸で、バルセロナの「エルブジ」再来といわれる「Disfrutar」にも行くそうです。 私も秋にブッキングしているので、楽しみ。

食事中も五感だけでなく、一編の物語で、脳内まで楽しませてくれたうえ、シェフやスタッフとの話でさらに悦楽の宵となりました。

次回は11月に。   どんな秋の宵になるのか、今から楽しみです。


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<2015年6月>  2回目
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<2015年5月>

「エルブジ」「ノーマ」「マルティン ベラサテギ」などで修行をしてきたシェフのお店で、モダーンガストロノミーを楽しめる、ということで、

この1月にオープンして以来、話題沸騰。  すでに、予約もかなり取りにくい状況です。

当然興味津々でしたが、一方で、「なんちゃってノーマ」という酷評もあり、ある人からは、「ノーマに行ったことがあるんだったら、行くことないんじゃない」とまで

言われました。 が、賛否両論なほど、好奇心は掻きたてられるもの。 というわけで、この日、過度な期待はまったくせず、伺いました。

結果、実に楽しく、満足度高く、シェフのフィロソフィーを体感した宵となりました。

世界のトップクラスで修行をした、という勲章が、時には重荷になるのだと、同情します。

橋本シェフは、けしてマネをしているのではなく、 きちんとモダンガストロノミーを自分のものにし、なおかつ、日本の身土不二を取り入れ、さらに、細部に至るまで、細やか

な神経を使っているということがよくわかります。

店名「セララバアド」は、シェフが幼いときに読んだ宮沢賢治の「学者アラムハラドの見た着物」に登場する子供の名で、その童話から感じた誠実さを料理でも表現したい、

と語っていました。 そう語るシェフの表情、物腰は、誠実そのもの。  お人柄に惚れました。

さて、店内は、北欧調のシンプルな内装。 キッチンはシェフと男性が一人。 サービスは、ソムリエールと女性が一人。  

2か月ほど前に予約をしたので、前日お店から電話がありました。 「明日、来ていただけますか?  7時から全員ご一緒のスタートになります。 早めに来ていただければ

生ハムなどもご用意してあります」 とのこと。

生ハムにつられて、20分前には到着。 笑

十勝産ドロ豚の生ハムには、球状カプセルに入ったオリーブオイルが。 すでに、モダーンガストロノミーが始まっています。

広島三次のメルローをお供にしました。

さて、この日の全13品がスタートです。 

1年で4回しかメニューが変わらないとのことなので、サプライズがなくなると困りますから、あまり詳細は書きません。 

1、ホタルイカと昆布のタルト        エンボスのクッキーの缶に入れて登場。 これ、「ノーマ」でもデセールでやっていました。

2、ストーンポテト             ホンモノの石の中に、どれかひとつ、食べられる石が・・・。

3、春の高原                フレッシュハーブをたくさん詰めたガラス容器に、フロマージュブランのムースと、ローズウォーターなどの泡

                      お皿の淵には、小さな小さなリンゴの蝶々が止まっています。 芸コマ。

4、春の大地 ①              ライ麦パンとブラックオリーブを大地に見立て、中には、アボガドとふき味噌。

                      そのうえに、山菜などのフリット で、芽吹きを表現。

5、スモークエッグ             モダーンガストロノミーの真骨頂。 燻製の煙を温泉卵と一緒に閉じ込めて登場。

6、北寄貝 ウド 海藻           岩のりとうどのリゾットに、北寄貝

7、才巻海老 葉の花            ビスクを焼いています。 70度のくらいのエスプーマで仕立ててあります。

                      スプーンに1cm角のゼリーが。  焼酎のはなたれと柚子ジューズだそうです。芸こま。

8、短角牛 蚕豆  筍           真空調理です。

9、春の大地 ②              デセール

                      ゴボウのガトーショコラを大地に見立て、生姜のグラス、苺にリキュールと、苺ミルクをいれたもの

10、ミニャルディーズ 4種        フランボワーズと山椒

                      パチパチオレンジ

                      オリーブオイルグミ

                      よもぎ マカロン

カモミールブレンド

生ハムと最後のお茶は別料金ですが、コースが6800円。 これはもう破格です。 

1か月に1回くらい内容が変われば、毎月行きたいところですが、シェフに尋ねたら、「二人しかいないので、季節ごとの年4回が精いっぱいです」とのこと。

深く納得。  二人で、これを考え、毎日作り上げている、と想像しただけでも気が遠くなります。 「だれか手伝ってあげて~~」と言いたいくらいです。

ヨーロッパにおけるモダーンガストロノミーは、「サプライズ」にかなり走っていて、脳を驚かせることに注力しているため、「ノーマ」でもすべてが美味、というわけ

ではありませんが、 こちらでは、「サプライズ」と「旨さ」のバランスがよく取れています。 

ツッコミどころも多々ありましたが、 それよりも、まだまだこれからがとても楽しみです。 

夏メニューになったころの予約をとって、帰ってきました。

                     

  • 夏の高原
  • 檸檬
  • 和牛 野菜の涙

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4位

美山荘 (京都市左京区その他 / 日本料理)

6回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥30,000~¥39,999

2023/04訪問 2023/04/08

春を待つ、摘み草料理

数年ぶりでお邪魔しました。

京都から車で1時間半ほど。

深い山の中にある、旅籠兼日本料理のお店です。


京都市中は、桜が満開でしたが、

こちらへ来る道すがら、みごとな野生のつつじの

群生は見られたものの、

まだこちらでは、桜の蕾がかたいまま。


お座敷からは、真下に流れる川のせせらぎと、

鳥の声だけが聞こえ、

テラスに出ると、瞑想でもしたいような

心地よい微風を感じます。


この日も、大将と女将が、久々の再会を

喜んでくれました。

では、初春の献立、内容です。

1,あけび茶

2,一献
  竹野酒造 八栄鶴

3,先付
  手つきの籠に。
  ・蕗の薹白和え
  ・こごみのくるみ味噌和え
  ・猪の燻製
  ・栃餅の衣で揚げたこんにゃく
  ・うるいに包んだ独活の梅肉和え
  ・蕨の海苔巻き
  ・川海老
  ・山吹の煮凝り

   ここまでは、栗の木の箸でいただきます。

   山菜ひとつひとつに、丁寧な仕事がしてあり、
   感心します。

4,鯉のお造り
  大悲山の、きれいな水で育った鯉です。
  くさみが一切なく、鯉の概念が変わります。
  揚げた皮
  菜の花の酢味噌和えと。
 
  菜種油と塩で。

5,白味噌椀
  よもぎ豆腐入り

6,山菜の天ぷら
  これが摘み草料理のひとつ。

  ・すじ海老とこごみのかき揚げ
  ・つつじ
  ・行者にんにく
  ・タラの芽
  ・のびる
  ・酸葉

   これを、土塩でいただきます。
   山菜が育った「土」というわけです。

7,筍
  へしこ
  花山椒
  揚げた姫皮をまぶして。

8,猪
  杉板の上に、春キャベツ。
  その中に、猪と焼いた蕗の薹、
  焦がし醤油。
  杉の香りが映っています。

9,蒸し寿司
  ひうお
  鱒の卵
  つくし
  錦糸玉子

10、煮物椀
  朱のお椀の蓋をとると、
  中には、鮮やかな緑の汁が。
  うすいえんどう豆の翡翠仕立てです。
  ぐじ、胡麻豆腐、
  独活の千切りと。

11、あまごの炭火焼
  蕗の薹の天ぷら
  蕗味噌

  石を焼き、その上に、蕗味噌と、
  煮切酒。

  すばらしいプレゼンテーションです。

12、炊き合わせ
  餅巾着
  椎茸
  蚕豆
  蕪餡で。

13、ご飯
  芹と鴨の炊き込みご飯
  香の物

14、水物
  酒粕とミルクのアイスクリーム
  日向夏のメレンゲ
  いちご

15、焼いたよもぎ餅
 
16、お薄

お供は、
・能登 宗玄 純米酒


毎回思いますが、

こちらでしか味わうことができない

唯一無二のお料理です。

美しい大地、美しい水、澄んだ空気の

恵みを感じます。

また、すぐお邪魔したいほどです。


  
日本料理は、四季を映し、皿の中に四季を表現するのが、

特徴的ともいえます。

こちらは、四季が表現された料理を楽しむだけでなく、

すぐそこに、その四季を感じることができる、

稀有な場所でもあります。

というのも、京都市内から山道をうねうねと車で1時間半ほど。

人里離れた山間にひっそりと佇む料理旅館です。


今年の紅葉は例年より遅く、まだ枝先のほんの僅かでしたが、

それでも、山間の息を飲むような紅葉の美しさと、

清流のせせらぎの音だけに囲まれていただく

美山の料理は、市中では体験できない貴重なものです。


もうこちらにお邪魔するようになって、何年か経ちますが、

いつも美しい女将の楚々とした品の良い接客に

心が癒されます。

今回は、いつにも増して、料理に進化が見られ、

きわめて満足度の高い内容でした。

では、お献立です。

まず、あけび茶がふるまわれます。
山間で摘んだあけびを干して造る自家製です。

1、一献
  朱塗りの丸盆に、
  手ぬぐいと、酒杯。
  銀杏みその朴葉炉
  姫大根 あちゃら漬け
 
  本醸造の生酒がふるまわれます。

2、向付
  鯉造り
  薬味おろし

3、汁
  新米餅
  水からし
  白味噌仕立て

  この、えもいわれぬコク。
  これにつられて、やってきます。

4、八寸
  ・ぽろたん 栗
  ・本黒豆 共和え
  ・川海老  脇の清流でとれたもの
  ・栃もちこんにゃく
  ・地玉子味噌漬け
  ・鮎一夜干し
  ・小豆かるかん
  ・生落花生  丹波 蒸し焼きに。

5、強肴
  焼き松茸
  かぼす

  女将が炭火に炙ったまま、持ってきて、
  取り分けてくれます。

6、お凌ぎ
  岩魚 にぎりすし
  わらいぶし仕立て

7、土瓶蒸し
  松茸、雉丸、水菜、柚子

8、焼物
  子持ち鮎の杉板焼
  すだち

9、炊き合わせ
  名物、きのこ鍋
  舞茸、虚無僧茸、なめ茸、れんこん餅
  むかご、ねぎ
  
  いつも思いますが、この出汁、
  他ではけして味わえません。

10、御飯
  栗御飯
  香の物

11、水物
  大城柿 キャラメリゼしてあります
  ナッツアイス
  さる梨

12、菓子  
  くるみ葛焼き

13、お薄


こちらのきのこ鍋をいただくと、

本当に、日本の秋を実感します。

毎回いただく料理のクオリティはもちろん

ですが、

今回、例えば、土瓶蒸しの中に入っていた

雉丸(雉団子)には、はっとするほどの

旨味と滋味があったり、と

ディテールが確実に進化していることが

わかります。


帰りには、美男美女カップルである

大将と女将が、見えなくなるまで、

見送ってくださいました。



昨年秋に続き、お邪魔しました。

京都市内は、桜が満開でしたが、市内から1時間半

山間に入ったこちらは、1か月以上季節が戻ります。

まだ、桜の芽も固いですが、お料理には、もう春が近いことが

感じられます。

毎回、訪れるごとに、こちらの実力には驚かされます。

まず、その独創性。

山間ならではの地の利を生かした山菜や魚。

プレゼンテーションの妙は相変わらず。

そして、女将をはじめとした皆さんの心温まる

ホスピタリティ。

今回も、右手にある個室で、

川のせせらぎを聴きながらの食事です。


それでは、今回の内容です。

まずは、あけび茶。


1、地酒
  丹後の「八坂鶴」亀寿ハイブレンド
  昔ながらの製法で作られているもので、
  かなり限定品です。

2、春の摘み草籠

  地元の人が、この籠をもって、山菜取りに
  行く、という籠に、八寸が。
  その美しさにしばしみとれます。

  
  ・うるい 梅ゼリー
  ・こんにゃくの栃餅あられ揚げ
  ・川海老 素揚げ
  ・のびるの根
  ・こごみ
  ・猪ベーコンと三つ葉
  ・蕨の干瓢巻き
  ・いさぎ (琵琶湖の魚)

3、鯉の刺身 
  皮は湯引き。

4、お椀 
  白味噌、鯨ベーコン、三つ葉

5、山菜天ぷら
  ・蕗の薹
  ・タラの芽
  ・つくし
  ・酸葉
  ・こごみと車海老のかき揚げ
  ・山つつじ
  ・行者にんにく
  ・こしあぶら

6、筍 
  竹を半分に割った器に、
  筍の皮をかぶせて、登場。
  皮を取ると、
  中から、炙った筍、からすみ、木の芽、むら芽が。
      
7、京都牛
  京都牛のバラ、芽独活、花山椒
  醤油のタレ
  

8、しのぎ 
  蒸し寿司(ちらし寿司)
  こごみ
  氷魚(ひうお) 稚鮎です。
  いわなの卵

9、煮物 
  うすい豆
  揚げたまじか(にごい)
  桜餅
  独活
  柚子の花

10、アマゴの炭火焼き
  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
   眼下を流れる川でとれたもの。
  葉山葵の甘酢漬け

11、炊きあわせ
  筍、蕗、餅、若芽、蚕豆の茶巾

12、ご飯
 蕗味噌
    
   香の物

13、日向夏ゼリー

14、よもぎ餅

お薄

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


こちらの白味噌のお椀には、いつも感心させられます。

そして、今回は、山菜の天ぷらの仕上がりの良さに驚嘆。

からりとした食感と、山菜の香り高さ。 素晴らしいです。

あまごの炭火焼も秀逸でした。


帰りは、女将と3名の中居さんたちが、整列して、

いつまでも見送ってくれました。


もう何度もお邪魔している「美山荘」ですが、

今回は、ことのほか秀逸でした。

いつものように、向かって右側の川に面した

建物の個室へ。

月見台と呼ばれるテラスがついていて、

そこからは、美しい紅葉とせせらぎの音を

楽しむことができます。

しーんと静まり返った山の中。

さらさらと流れるせせらぎの音以外、なにも聞こえません。


そこへしずしずと料理が運ばれてきます。

それでは、この日の食事です。

日本酒をいれて、30000円ほど。

1、アケビ茶
  燻製香の利いたお茶からスタートです。

2、一献
  朱塗の杯に弥栄鶴がふるまわれます。

3、銀杏

  七輪の上に、棒葉が。
  そこには、たっぷりの味噌に生姜、椎茸、銀杏が。

4、鱒のお造り

  皮は湯引きで。

5、お椀

  白味噌に、新米のお餅と芥子
  
  毎回、これがお目当てなほど、好みです。

6、八寸

  *枝豆の和え物
  *菱の実
  *川海老の天ぷら
  *茹で落花生
  *黄身の味噌漬け
  *蒟蒻の揚げ物
  *かるかん (副料理長が鹿児島の出身なので)
  *鮎
  *紫芋のチップスを葉の形に。
  *さつま芋を銀杏の形に。

7、松茸

  炭火の上に、たくさんの松茸をのせて、
  女将登場。
  本当にいつお会いしても、楚々とした品のある
  美しい女将です。
  
  名残の松茸をかぼすでいただきました。

8、おこわ

  黄色に色づいた蔓と葉を巻きつかせた
  竹かごに、おこわの入った竹の皮が
  並びます。
  竹の皮を開けると、
  むかご、百合根、椎茸、しめじの入った
  おこわが。

9、土瓶蒸し

  松茸と鯉です。
  こちらの池で飼っている鯉で、
  とても洗練されたお味。

10、子持鮎の杉板焼き
 
   この時期の鮎は、卵をもっていて、
   栄養がぞちらに行くので、身には一仕事。
   味噌幽庵焼きで、杉の香りを移していました。
   これが秀逸。
   かぼすをちょっと絞っていただきます。

11、きのこ汁

  この時期の「美山荘」の真骨頂。
  舞茸、なめ茸、虚無僧茸、黒皮茸に
  海老芋を入れた、えもいわれる汁です。
  粉山椒と。

12 、栗ご飯

   大好物が続いて登場。
   ほくほくの栗がたっぷりです。

   香の物

13、代白柿
  柿の葉茶アイスクリームに、さるなし
  くるみの葛餅

14、お薄

お供は、早瀬浦。


秋の味覚満載な時期ですが、

それにしても、それ以上に今回はどれも

仕事が際立っていました。

深山ならではの秋。

満喫させていただきました。


  
昨年秋に引き続き、お邪魔しました。

京都市内は桜が満開ですが、この山の中はまだ春はもう少し先。

道中、山の中に、たくさんの紫の花の群生が見えました。

なんだろうと運転手さんに聞くと、つつじ、とのこと。 珍しい野生の紫のつつじです。

山の中も、春の足音が少し聞こえています。

さて、今回も川のせせらぎの聞こえる和室です。

月見台に出ると、ちょっと肌寒さを感じ、桜のつぼみはまだ固いです。

しかし、お料理は春爛漫でした。 そして、「美山荘」ならではの、山菜が盛りだくさん。

1、地酒         まずは、丹後の地酒を

2、八寸         蕗の薹 白和え
             うるい 梅ゼリー
             こんにゃくの栃餅あられ揚げ
             琵琶湖のもろこ
             黄身の味噌漬け
             えんどう豆 豆腐 (黄身の味噌漬けと串に刺されて)
             川海老 素揚げ
             のびる
             こごみ 松の実

3、お椀         白味噌  蚕豆葛寄せ

4、鯉の刺身       皮は揚げてあります。
             蕨の昆布〆
             のびると辛み大根をおろしたもので。

5、自然薯        酢をきかせたタレで。

6、天ぷら        野草   酸葉(すいば、と読みます)
                  行者にんにく
                  こごみ
                  タラの芽
                  こしあぶら
                  タンポポの葉
                  つつじの花

7、筍          筍のプレゼンテーションが秀逸でした。
             外見は、筍が土から出てきたような状態で、皮つきでお皿に。
             しかし、皮はかぶせてあるだけで、ぽこっと上に引き抜けます。
             中から、本体が登場。
             付け焼きにしてあり、究極に柔らか。

8、いのししのコンフィ  油漬けにしてあります。
             野三つ葉
             蕗の薹
             椎茸   と一緒にすき焼き仕立てに。

9、しのぎ        蒸し寿司
             こごみ、いたどり、ぜんまい、つくし
             氷魚(ひうお) 稚鮎です。
             湯葉の錦糸をかけて。

10、煮物        薄切りの蕪で、甘鯛、ウド、たんぽぽ、わさびの花を覆っています。
             すまし汁で

11、アマゴの炭火焼き  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
             美しいプレゼンテーションです。

             夏みかんの入った酢で。

12、炊きあわせ     筍、菜の花、うずら団子

13、ご飯        鱒とせりの炊き込みご飯

             香の物   蕪、菜の花、沢庵、昆布

14、牛乳ゼリー     美山町の牛乳です。
             はっさくのマーマレード
             クコの実
             野人参の葉

15、よもぎ餅

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


いつもながら、完璧なホスピタリティ。

静かな山あいの里の落ち着いた時間。

美しい女将の笑顔。

もうすぐ来る春を力いっぱい感じさせてくれる料理の数々。

とことん楽しませてくれるプレゼンテーション。

いい時間でした。



<2016年11月>

 1年ぶりの再訪です。

 急速に色づいた紅葉が青空に映え、まさに錦絵の世界を創りだしてくれました。

 思いがけず、ちょっと早い紅葉の見ごろとなり、この幸運に感謝です。

 昨年同様、通常は宿泊棟となる座敷を使用させていただきました。

 月見台に出ると、小川のせせらぎだけが聞こえ、なんとも風流です。

 さて、この日は、ランチで、25000円のコースをお願いしてありました。

 京の山の秋を表現したお皿には、登場するたびに、ため息がでます。

 そして、この時期の名物、きのこ鍋は、想像をはるかに超える美味さ。

 本当にこの時期に来られてよかったです。

 さて、料理です。

1、銀杏の朴葉焼き      大きな朴葉に、味噌和えの銀杏がたっぷり
               蕪の甘酢を添えて

2、鯉の刺身と皮

3、白みそ椀         豆腐、香草

4、八寸           菊菜と菊葉のお浸し
               地卵の黄身の味噌漬け
               川海老の素揚げ
               ひしの実
               生らっかせいの塩ゆで
               こんにゃく
               栃餅のあられまぶし
               紅葉に見立てた芋チップ

5、松茸の炭火焼き      京北町の松茸です。 すだちで。

6、おこわ          むかごと百合根と椎茸

7、土瓶蒸し         松茸とぐじ

8、子持ち鮎の杉板焼き    味噌幽庵漬けの鮎です。 卵がたっぷり。

9、虚無僧茸         トマトと麹を和えた酢で。
               虚無僧のかぶりものに形が似ているから、この名前が。

10、きのこ鍋        土鍋に、舞茸、なめ茸、ねずみ茸、そして、蓮根餅が。
               かつお、昆布の出汁に、茸からの出汁が出て、えもいわれぬ旨みが。
               3種類以上の茸だと、出汁が相乗効果になってより美味、と
               女将が説明してくれました。
               これは、噂には聞いていましたが、聞きしにまさる美味しさ。

               山椒の粉。 これについていたスプーンがなんと栗で作ったスプーンなのです。
               栗のいがが爆ぜると、中から3つか4つの栗が出てきますが、いくつかにひとつ、
               実が入っていないものがあり、その皮だけのものをとって、土地の老人がスプーンに、
               作ったきたそうです。 
                

11、栗御飯         土鍋に栗がたっぷり

12、香の物         はやと瓜、たくあん、柴漬け、昆布

13、柿、柿の葉アイス、さるなし(キィウイの原種で日本で自生)

14、栃餅

15、抹茶

お供は、まず、エビスビール。

食事の前に、丹波の地酒、「弥栄鶴」

途中で、長野の大吟醸「夜明け前」

 美しいプレゼンテーションに魅了されました。

 まさに、これは夢か現か・・・・・。

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<2015年10月>

京都市内から車で1時間ほど。 北山杉を愛でながら、山深く分け入っていきます。

秋の晴天に恵まれ、真っ青な空に、色づき始めた紅葉が映えて、輝きを放っています。

かねてより、訪問したかったので、わくわくです。 想像以上のすばらしいロケーション、料理、ホスピタリティ、すべてに満足しました。

今回は、通常宿となるお部屋で食事をいただきました。 床の間には、季節の掛け軸とお花が。 

外には、テラスが。 聞けば、これは「月見台」と呼んでいるそうです。 さすが、風流。 その月見台の外には、渓谷のせせらぎ。 対岸の紅葉も

ほのかに色づいています。 爽やかな秋空。  静かにしていると、聞こえるのは、川のせせらぎだけ。 これ以上の舞台があるでしょうか。

こんな素晴らしい環境でいただけるとは、それだけで、テンションが上がります。

この日のお献立。

あけび茶

弥栄鶴 (丹後の地酒)

1、一献      銀杏みそ  
          蕪 あちゃら漬け(柑橘の甘酢漬けです)
          朴葉炉

          大きな朴の葉で、銀杏を味噌焼きに。

2、向付      鯉造り   琵琶湖の鯉をこちらの山水の生簀で越冬させた、とのこと。 臭みまったくなしです。
          共皮    皮せんべいです。
          間引大根  昆布〆

3、汁       香茸とうふ
          からし
          白みそ仕立て

4、口取      むかご  葛よせ

5、八寸      菱の実
          鮎風干し
          虚無僧茸 味噌漬け
          川海老
          生落花生 塩焼き
          はつか大根  柿ゆべし入り
          地卵味噌漬け オレンジ色に輝いてました
          栃もちこんにゃく

6、強肴      焼き松茸     炭火入りの大きな器の上に、松茸がたっぷり。 プレゼンテーションが素晴らしい。
                   福井、名田庄村のもの。

7、お凌ぎ     鯖寿司
          大徳寺生姜   
          鯖の皮目を炙ってあります。 中に山椒が。

8、土瓶蒸し    松茸、鰻、水菜、柚子

9、焼き物     子持ち鮎  杉板焼き  すだちで。

10、炊合     ひろうす
          舞茸
          紫ずきん
          庵仕立て

11、ご飯     栗ごはん  柴栗を天日干ししたもの
          香の物

12、水菓子    木の実アイス、柿のすり流し

13、菓子     栃餅

お薄

京の山郷の秋、満喫の献立でした。 

食事の終わりに、女将さんが挨拶にきてくださいました。 聞きしに勝る美女です。 いろいろな方からこちらの女将さんのことは伺っていましたが、

なんとも楚々とした艶のある方でした。 

京都市内に戻ってきて、振り返ると、なんともこの3時間半に及ぶ午餐が夢の中のできごとのよう。 山の中で、なにかの魔法にでもかかっていたかの

ような、そんな気分にさせてくれるほど、心地よい時間でした。


          

  • 先付
  • 鯉のお造り、白味噌椀
  • 猪

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5位

ル スプートニク (六本木、乃木坂、六本木一丁目 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.9 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/09訪問 2015/09/24

美しいバラの一皿、魅了されました

代官山「ル・ジュー・ド・ラシエット」のシェフだった高橋さんが、新たなお店を。 

代官山のときから大好きなお店だったので、早速伺いました。

六本木の裏路地。 

とてもシンプルな店内で、ウッディなテーブルに、クロスはありません。 ビストロのようなカジュアルな雰囲気です。

しかし、料理は以前をはるかに上回る秀逸なものでした。 高橋シェフ、さらにバージョンアップ。

さて、まずは、ワインを。 赤をグラスでお願いすると、赤白グラスにハーフづつはいかがですか? との提案。 いいですね。

ソムリエールも代官山のときからいらっしゃった方。  

コースは1万円をお願いしていました。

1、スティックの先に真綿のような球体が          中身は帆立と蕪で、蕪とライムの泡で包んでいます。

2、さつま芋のシュロス
  紫芋チップスのコルネの中に、りんごのコンフィチュールとブーダンノワール

3、ごぼうのフリットの上に、稚鮎のフリット        ごぼうのフリットはまるくまとめられ、鳥の巣のよう。

                             稚鮎もカリっと揚がっていました。

4、カクテルグラスに3層                 下からパプリカのムース、中層はオマール、上部が、パッションフルーツとマンゴーの
                             エスプーマ
                             きれいな色合いで、なめらかな舌触り。 パッションフルーツの味がちょっと勝っていまし
                             た。

5、球体のガラスの蓋にスモーク              テーブルで蓋をあけると、スモークがスっと抜けて、中から鯖のスモークが。
                             ロックフォールのソースに、ピンク玉葱。
                             上質な鯖で、スモーク加減のころあいがいいです。

6、ビーツのバラとフォアグラ               これは実に美しい一品。 感動しました。
                             ビーツをいろいろな角度にカーブをつけて、バラに仕上げてあります。
                             バラの下には、アガーシートでカバーされたフォアグラのテリーヌ。 バラのジャムを
                             添えて。
                             これは作るのが大変、と想像できます。 同じ日でもお客様全員に出すことはできない
                             とのこと。

7、鱧のムースとしんじょ                 松茸が添えられ、鱧と松茸のエキスでいただきました。 「和」の世界。

8、きのこのクレープ                   きのこのパウダーを練り込んだクレープ。 花びら茸、まいたけ、マッシュルームに、
                             きのこのアイスとポーチドエッグ。 温と冷を楽しめます。

9、大岩魚と鮑                      大岩魚には、鮑の肝ソースが芸術的にあしらってあります。
                             皿の左奥には、岩塩の上に置かれた鮑の殻。 その中に、鮑のヴァプール、黒米、
                             キャベツ。

10、茨城県産鳩の胸と腿                 それぞれの食感を楽しめます。 上質な鳩です。
                             いちじくのキャラメリゼ
                             赤ワイン、チョコレート、鳩の血のソースで。

11、桃のコンポート                   ジュレグラニテ、紫蘇のグラニテとともに。
                             紫蘇が散らされていましたが、ちょっと紫蘇が強すぎでした。

12、チョコレート&オレンジ               チョコレートでオレンジソースとチョコムース、フィアンティーヌ、アーモンドのカクラン
                             をコートしたお菓子 
                             濃い抹茶ソルベがよくあいます。

13、紅茶クリームのシュー

コーヒー

パンは、メゾン・ド・カイザーのバゲット

本当に満足感の高いディナーでした。

芸術性の高いお皿。 味もしっかり伴っていて、見て驚き、食べて満足。

細部まで神経が行き届いているのが、わかります。

シェフのこれからがますます楽しみです。                

  • ビーツのバラとフォアグラ
  • きれいなバラの造形
  • 大岩魚、鮑のヴァプール

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6位

日本料理 太月 (表参道、明治神宮前、渋谷 / 日本料理)

2回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥10,000~¥14,999

2021/02訪問 2021/02/07

安定の懐石料理

表参道の路地の奥。

ビルの地下にあります。

開店直後は何度かお邪魔していましたが、

数年ぶりに伺い、入った途端に、アウェイ感を感じました。

お弟子さんたちの顔ぶれもすっかり変わり、

以前は夜しか来たことがありませんでしたが、

初めてのランチタイム。


カウンターに席を取りました。

昼は、5000円と8000円の2種類。

8000円のコースを予約しておきました。

内容です。

*まず、塗りの盃に、昆布出汁がふるまわれます。

1、落花生豆腐の揚げ出し
  白味噌仕立て
  辛子菜、和辛子

  白味噌がやさしく、いいお味です。

*ここで、大将から、削りたての鰹節が
 手のひらに渡されます。
 その後、御猪口に一番出汁。

2、八寸
  ・花菜と切干大根の胡麻酢和え
  ・牡蠣の西京漬け
  ・白魚 割醤油と生姜
  ・升大根 天豆の蜜煮
   大根の上を升型に開けて、そこに天豆
  ・あん肝 煮含め
  ・くるみ柚餅子
  ・車海老 黄身寿司

  盛りつけも美しく、手がかかっています。
  車海老の黄身寿司は、江戸前の伝統的な仕事だと
  思います。

3、お椀
  ひげ鱈の酒蒸し
  朧昆布
  うるい

4、お造り
  ・メジマグロ
  ・鯖 (松輪)
  ・真鯛 (明石)

5、瀬戸内の鰆の蕗味噌田楽
  花山葵の醤油漬け

  春の息吹を感じる一品

6、煮物
  ブリ大根
  ブリは氷見
  大根は、源助大根
  壬生菜、針柚子

7、子持ちヤリイカと三つ葉の炊き込みご飯
  味噌汁
  香の物

8、抹茶プリン
  白玉しるこ
  チョコとアーモンドアイスの最中

9、お抹茶
  別料金

お供は、ほうじ茶 


8000円のお昼としては

納得感はあります。


修行に入ってまもないお弟子さんは、

まだまだコミュニケーションとしては未熟なものの、

一生懸命ぶりがみえます。

お持ち帰りの炊き込みご飯を上手に俵に握って、

竹皮に包み、竹の皮の紐で器用に結ぶのを

じっと見つめてしまいました。



<2016年4月>

 久々にお邪魔しました。

 相変わらず、誠実、繊細そのものの料理の数々。

 春の味覚を楽しみました。  

 15000円のコースです。

 まずは、自家製梅酒のソーダ割りを。

1、タラの芽の天ぷら         静岡産。 さくさくです。

2、八寸               つくしとうるいの胡麻和え
                   茄子の茶筅
                   車海老のちまき
                   蛸の柔らか煮
                   蕗の薹の当座煮
                   蛍烏賊の生の沖漬け (本当の沖漬けは一度冷凍にするそうですが、これは生)

3、ばちこ              半生を炙ってあります。 抜群の美味さ。

4、お椀               ふっこの揚げ物
                   玉子豆腐
                   こしあぶら
                   柚子の花  (初めて見ました。苦いそうなので、浮かべて楽しむだけ)

5、お造り              千葉のひらまさ
                   宇和島のいさき
                   どちらも、体調がかなり大きなものとのこと。
                   厚切りで。

6、焼物               岩手のさくらます   炭火焼き
                   ウドの芽のはくせん揚げ
                   木の芽酢で。

7、煮物               青森 あいなめの吉野煮
                   京都 物集女のたけのこ
                   わらび

                   たけのこは、さすが、としかいいようのない、柔らかさと風味

8、蒸し物              サクラエビの飯蒸し
                   雲丹
                   グリーンピース
                   サクラエビのビスク

                   中央に飯蒸しの上にのったオレンジ色の雲丹、
                   周囲には、きれいな桜色のサクラエビのビスク
                   配色がなんとも美しいです。
                   ビスクをもってくるところが驚き。

9、しゃぶしゃぶ           仙台A5和牛と、たっぷりの花山椒
                   出汁は、鶏と鴨。 それに、牛からの出汁が合わさり、濃厚ですが、
                   花山椒ですっきりとした読後感。

10、ご飯              あさりの炊き込みご飯  土鍋で。
                   生海苔のお味噌汁
                   香の物

11、水菓子             さくらアイス
                   日向夏のゼリー
                   抹茶プリンに黒蜜

 
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<2015年8月>

 久々の再訪です。

 カウンターで、ご主人、望月さんの目の前の席。 もちろん、特等席です。

 この日は、15000円のコースでお願いしておきました。

 お盆過ぎの夏。 まだまだ外は猛暑ですが、「日本料理」の世界はすでに初秋。 

 「はしり」の料理を満喫しました。


 まずは、自家製梅酒のソーダ割りを。  辛口の旨味のある梅酒です。

1、生うにしゃぶしゃぶ        利尻昆布の出汁でしゃぶしゃぶしています。 上質な雲丹。

                   黒の漆に、金のバッタの蒔絵のお椀で登場。 季節を感じます。

2、前菜8点             サワガニ
                   ほうれん草のアーモンド白和え
                   穴子の八幡巻
                   ゴリ飴煮
                   キスの風干し
                   銀杏
                   

3、お椀               ブータンの松茸
                   コチのオランダ揚げ
                   茄子
                   
                   相変わらず素晴らしい滋味豊かなお出汁。 そして、なんと、松茸はブータン産。 最近、入手できるそうです。 きちんと風味もあり、歯ごたえもいいです。

4、お造り              那智勝浦の本鮪
                   山口のアオリイカ
                   下関のクエ 昆布〆

                   醤油と酒盗で。

5、焼き物              香川のまながつおの塩焼き
                   新さつま芋のレモン煮

6、煮物               石川小芋
                   車海老
                   ししとう
                   みぞれ餡

7、うどん              オクラとろろ
                   帆立天ぷら

                   鮮やかなオクラの緑が美しい

8、松茸すき焼き           たくさんのブータン産松茸と仙台牛

                   ご主人が目の前の土鍋で、作ってくれます。 

                   寿雀卵(じゅじゃくらん)  贅沢なエサで育てた鶏の卵で、伊勢原産です。

                   濃いめの出汁に、牛肉と松茸をさっとくぐすだけです。 出汁の色が濃いのですが、お味はあくまで控えめ。 松茸の風味がいきています。

9、生姜ご飯             土鍋で炊きたて。 少し大振りにカットした生姜がたっぷり。 

                   じゅうさい入り味噌汁、香の物

10、鰯の生姜煮           ご飯のおかずは、3品からのチョイス。 この日は、豚の角煮、鮪のカマの塩焼きからでした。 ちょっとづつ、お味見しましたが、どれも美味。

                   これはきちんと濃いめの味がついていて、ご飯とのバランスが考えつくされています。

11、デザート3品          桃のパンナコッタ
                   アールグレイのアイスクリーム
                   黒胡麻羊羹

望月さんとのお話も弾み、改めて、ご主人がいかに勉強熱心か、を痛感しました。

料理との向き合いに、「真摯さ」を感じます。

しかも、他のお店の情報もかなりキャッチアップされているのには驚かされました。

初秋の宵にいざなっていただいた、楽しい時間でした。


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<2014年10月>

噂はかねてよりいろいろな知人に聞いており、早く行ってみたいと思っていました。

この日、念願かない、いそいそと訪問。

表参道から、紀伊国屋の脇の小道を曲がって数分。 コンクリート打ちっぱなしのビルの地下です。

カウンター席に案内されました。ご主人、望月さんの真ん前です。  とても実直で、まじめそうなご主人です。

まずは、お酒のリストから白ワインをグラスでお願いしました。 オーストリアのソーヴィニオン・ブランです。

ワインリストにはかなりいいものがありました。 もともとご主人が持っていらしたそうです。

さて、この日のメニュー。

1、スッポンの茶碗蒸し      もう1品目から、深く頷ける味です。 スッポンのコク、やわらかな味わい。 最高です。

2、八寸             菊菜   松の実の胡麻和え

                 子持ち鮎  

                 子持ち昆布

                 銀杏

                 海老芋の唐揚げ

                 もって菊 酢浸し

                 鱧寿司

                 朱の四角本に、赤くなった紅葉があしらわれて、秋の演出。

3、お椀             若狭ぐじ 葱、 聖護院蕪  松茸  めかぶ

4、お造り            明石の鯛

                 九州出水のすみいか

                 銚子の金目鯛 焼き霜 

                 この金目鯛の焼き霜のとろとろ加減は、人生初でした。 おいしい!!

                 鯛も金目鯛も、2日間寝かせているそうです。 さすがの熟成感。

                 お醤油と酒で炒りあげた酒とうで。

5、きんきの焼き物        北海道産のきんきのタレ焼き

                 誕生日が近かったので、金粉付お赤飯も一緒に出していただきました、

6、煮もの            余市のブリと大根 白菜

7、酢の物            青森 渡り蟹の蟹酢ととろろ芋

8、サプライズ          自家製からすみ

                 ご主人が、目の前で、巨大からすみをカットし始めました。 もう目が釘付けです。 本当に巨大。

                 東京に入ってくる最も上質なからすみをカチカチにすることなく、塩も極限まで控えめで作ってあり、なんと柔らかです。

                 コースとは別に一皿厚切り 2000円也でお願いしました。

9、焼き物            北海道鵡川の生子持ちししゃも    
       
10、鯛ご飯           これもお誕生日バージョン

                 釜炊きです。 鯛の滋味がご飯に浸みていて、これは美味。

11、とろろ昆布のお椀、香の物

12、デザート  3種      粟ぜんざい

                 わらび餅

                 紫芋アイスクリーム

                 3品それぞれに3種類のスプーンがついています。 こんな演出がすてきです。

お料理すべて満足でした。 噂以上の秀逸さに脱帽です。 

ご主人の味覚のセンスは際立っています。

誘ってくださった仲良しマイレビュアー様が、誕生日ということを予めお店に言っておいてくださって、いろいろサプライズがあったことも、とてもうれしかったです。

こちら、気に入りました。

再訪確実です。


  • 八寸
  • お造り
  • お椀

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7位

SATOブリアン 本店 (阿佐ケ谷、南阿佐ケ谷 / 焼肉)

2回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.6 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2017/06訪問 2017/06/17

ブリめしにブリかつ、満足度頂点

半年ぶりに再訪しました。

いつも爽やかな佐藤さんの笑顔。

つい先日6周年を迎えたとのこと。 今や、押しも押されぬ超人気店です。

相変わらず、安定感抜群の肉のラインアップです。

まずは、赤ワインをグラスで。ハーディーズ・スタンプ・シラーズ・カベルネ。

さて、この日もこんな感じで。

1、キムチ、カクテキ

2、タン            いつにも増して、厚切りのタン

3、ハラミ

4、フィレ

5、シンシン

6、糸島のフルーツトマト、塩ダレきゅうり

7、カメノコウ

8、フィレすき焼き風       上質な黄身に絡まって、最高です。

9、シャトーブリアン

10、ブリめし          やはり、このために、来ている、と実感。
                 ご飯に、シャトーブリアン、そして雲丹のせ。
                 応えられません。

11、フィレ  again

12、ブリかつ          シュクレクールのパンとの相性抜群。
                 さらに、バージョンアっプしているような。

13、シャーベット

 
 佐藤さんの研究熱心ぶりは、拍車がかかっています。

 いつも最近行ったいいお店の話で、もちきり。

 やはり、探究心の熱い店主のお店は、間違いなし、です。

 
<2015年6月>

 3度目の再訪です。

 今回は、カツサンドもつくコースに。 大阪の名店、シュクレクールのパンで作ったカツサンド。 深く頷く美味しさです。

 佐藤さん自ら焼いてくれるシンシンも最高。

 タン元、はらみ、佐賀のいちぼ、亀の甲、ヒレげた、ヒレ、とも三角、伊万里のシンシン、特選ヒレ、シャトーブリアン、とどれも、

 毎回、厚切りになっていくような・・・・・。

 最高です。 ご馳走様でした。

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<2015年5月>

 再訪しました。

 いやはや、やはり満足度高いです。 またもや、佐藤さんの笑顔とお人柄、そして、焼きの技にほれぼれさせられました。

1、キムチ、カクテキ、オイキムチ

2、ビーフシチュー

3、海苔と白ごまのサラダ

4、タン

5、はらみ

6、ランプ

7、しんしん

8、亀の甲

9、サーロイン

10、特上ヒレ

11、糸島のトマト

12、シャトーブリアン   名物ぶり飯で  それに雲丹のせ

13、冷麺

14、シャーベット

前回と同じコースですが、少しづつアイテムを変えてありました。 

夏にむけ、肉の状態をチェックするため毎日食べてます、と佐藤さん。 やはり、牛も夏バテするので、毎日確認する必要があるとのことです。

品質チェックにも余念がなく、糸島の野菜や雲仙の赤卵など細部にもこだわりがあります。 

肉の種類によって、オリジナルスパイス、辛子醤油、ワサビ醤油、ポン酢、卵などを勧めてくれて、それが実によくマッチしています。

佐藤さんとのお話も弾み、心行くまで、極上肉を楽しみました。


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<2015年2月>

佐藤さんの笑顔と、シャトーブリアンに酔いしれた夜でした。

久々にものすごく満足度の高い食事となりました。

実はこちらには5度ほど予約をトライするも、いつもNG。 そんなとき、マイレビュアー様が、こちらの常連レビュアー様と行くということで、そのときに

予約をとってもらいました。 思いのほか、早く予約をとってもらいました。 さすが、常連パワー。

お店は、焼肉屋さんの造りです。 

席につくと、7000円コースの内容が解説されました。 

まずは、赤ワインをグラスで。ハーディーズ・スタンプ・シラーズ・カベルネです。

1、ビーフシチュー    小ぶりな深皿で登場

2、鹿児島黒毛和牛のタン   レモン汁で

3、キムチ

4、海苔サラダ

5、鹿児島黒毛和牛のハラミ   佐藤さんが自ら焼いてくれます。 焼きながらいろいろお話しました。 うちは、お肉大好きで、塊肉もよく焼く、と話すと、

                「じゃ、きょうも塊を用意しましょう。 赤身が好きなら、シンシンがお勧めです。」とのこと。 文句なしです。

6、ランプ

7、イチボ

8、シンシン 200g     「ちょっと厚めに切ってきました。」と佐藤さん。 家で上手に焼く方法も教えてくれました。

                 目の前で焼いてくれますが、すべて感覚、とのこと。 従業員にも感覚で焼き方を覚えさせているらしいですが、

                 味を覚えるため、賄いは、すべてお肉。 うらやまし・・・・。 だから、学生アルバイトはやめないんです、って。

                 若い従業員くんに、「ちなみに、賄いでシャトーブリアンも出るの?」と聞くと、「いえいえ、僕たちにはでません」とのこと。

                 大爆笑。  

                 弱火で焼き始め、途中で中火に。 その後、アルミホイルに包んでしばし休ませます。 そして、また焼きます。

                 15分くらいかけて焼き上がり。 見事です。

                 にんにく醤油、わさび醤油、特製スパイスで、味の変化も楽しみます。

9、トマト

10、ヒレかつ

11、ヒレすき           ヒレをタレに浸して、さっと焼いたものをご飯の上に。 卵黄をかけていただきます。 

12、ブリめし          名物シャトーブリアンのご飯のせ  

                 にんにくバターしょうゆで。 

                 これはもう至福以外のなにものでもないです。 唸ります。

13、冷麺

14、シャーベット

佐藤さんは、こちらのお店を始めて4年目。 20代のころから、九州中を歩いて、生産者のルートを確立したとのこと。 その信頼があってこそ、これだけの

クオリティのお肉が安定的に出せるのですね。 笑顔がステキで、お人柄もとてもよく、楽しませていただきました。

至難な予約を突破してでも、食べる価値ありです。

  • シャトーブリアン
  • シャトーブリアン
  • カメノコウ

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8位

レストラン ビオス (稲子、西富士宮 / フレンチ、野菜料理)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.6
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2015/05訪問 2015/05/13

富士山を愛でながら有機野菜の滋味に舌鼓

五月晴れのこの日、かねてより行きたかったこのレストランにお邪魔しました。 絶好の日よりです。

東京から見ているときとは正反対から見る富士山は、また格別の美しさ。

お店の入り口には、山羊の親子がのんびり草を食んでいます。 そして、なぜか、シトロエン2cvが廃車寸前の状態で置き去りになっています。

店内には、陽光が降り注ぎ、広々として、テーブル間もゆったり配置。

真正面に富士山が見える特等席に案内していただきました。 

私が、初めてこちらを知ったのは、何年か前、東麻布にあるフレンチ「ラ リューン」に行ったときでした。 料理に使われている野菜があまりに美味なので、どちらのものか

お聞きしたところ、ロブションでメートル ド テルをされていた松木さんが有機農業をされている、とのことでした。 そのときには、まだレストランはなく、農業だけを

されているときでした。

さて、今回は、ランチ8500円のコースです。

テーブルにあるメニューには、素材名だけが書いてあります。

まずは、白ワインをグラスでいただきました。

1、大浦牛蒡        大きな木の切り株に、牛蒡のフライとピューレが。

2、法蓮草 シラス     法蓮草とシラスのサブレです。

              たくさんのハーブの中に入って登場。

3、ベーコンエッグ     ネーミングからなにかな?と期待させます。

              スモークチーズの上に、燻製したウズラ卵、その上にベーコンがちょこっと乗っています。

              スモークが立ち込めるガラスで蓋をして、目の前でそれを開けてくれます。 素敵な演出。

4、ニンジン        人参のムースです。 黄色の本体と上部には、オレンジの人参。

5、三年物ニジマス、大根   50cmくらの大きなニジマスだそうです。 塩でマリネしています。

               ニジマスの卵、まびき大根、大根の葉と山葵のソース

6、芝川の筍  フォアグラ  芝川は、このレストランのあるエリアの名前です。 

               ナッツのソースに、マスタードリーフが添えてあります。

7、立夏の畑の野菜      ホワイトアスパラガス、葉タマネギ、エシャロットに、アスパラガスの泡のソース

8、金目鯛 青海苔 キャベツ  新鮮な金目鯛に、青海苔のソース、キャベツに、黒米と蛍烏賊添え

9、長谷川さんのマッシュルーム 岡村牛   近隣の岡村牧場の牛のサーロインなのですが、メニューには、「マッシュルーム」が先に書かれているところが、

                      こちらならでは。

                      マッシュルームは、生とピューレとコンフィで。

10、静岡茶          お茶のグラニテとマスカルポーネチーズ

11、清見オレンジ セリ    フレッシュな清見オレンジと、セリのアイスクリーム

12、小菓子          カカオのブードルネージュ

                松木さんの顔が刻印された小さなどら焼き レモンクリームがはさまっています。

                木の二段重で登場。 遊び心があります。

5種類のハーブティ。 すてきな鉄瓶で供されました。 

パン

バターは、バター+ヨーグルト+ホエー+竹炭 で、石の上に乗って登場。

シェフは、昨年まで「カンテサンス」にいた方です。 「カンテサンス」ほど、モダーンに行きすぎず、きちんと素材の持ち味を引出し、しかし、プレゼンテーションは

サプライズもあり、とても楽しめました。

どのお料理も丁寧な仕事でとても美味。 野菜は言うに及ばずですが、金目鯛と青海苔の美味しさは、ここが静岡であることを改めて実感させられます。

また、近隣の岡村牛も特上でした。 

松木さんともいろいろお話ができ、実にいい午後を過ごさせていただきました。

「こんなにずっと富士山が雲もかからずに見える日は珍しいんですよ」 の一言が、満足感にさらに花を添えました。


  • 大浦牛蒡
  • アップです
  • ほうれん草のサブレ

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9位

鮨 とかみ (新橋、内幸町、銀座 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥5,000~¥5,999

2016/08訪問 2016/08/06

親方 佐藤さんの腕と話に魅了された夜

<2016年8月>

 今年数回目の訪問となります。

 相変わらず、佐藤さんの仕事はアグレッシブで、気合い十分。

 このところ、必ず外国人のお客様がいらっしゃいます。

 さて、この夜のラインアップ。
まずは、いつもの鮪の手巻きから。

1、佐島真蛸、下北の海そうめん、蛇腹きゅうり
2、噴火湾毛蟹、白板昆布、有馬山椒、唐津の赤雲丹
3、金目鯛の燻製
4、加賀茄子素麺、穴子のから揚げ
5、ゴマサバの味噌かけ、豆板醤
6、あずきハタ酒蒸し、九条ネギ、メキシコ産マツタケ
7、宍道湖天然鰻白焼き

ここから握り
1、まこがれい
2、新烏賊
3、しんこ
4、づけ  大間
5、中トロ
6、大トロ
7、かすご
8、鱚の昆布〆
9、平貝
10、車海老
11、蒸し鮑  大原 1kg
12、煮蛤
13、馬糞雲丹
14、のどぐろ
15、穴子
16、玉子

お酒は、
1、DATE SEVEN 日本酒スパークリング
2、春霞
3、ひと夏の恋

鮪は大間がでていました。
鱚の昆布〆が出たときに、お酒の「ひと夏の恋」が用意され、
「なるほど、キスに恋ね」なんて、バカ話をしていたら、写真撮り忘れました。

ますます、活気のあるいい店になっていますね。


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<2015年11月>

 またまたお邪魔しました。

 目下、かなりお気に入りです。

 この夜は、まず、満寿泉で乾杯。

つまみ

1、まぐろの手巻き        いつものようにここから。

2、牡蠣             60度の低温調理で。 聖護院蕪。

                 低温調理に挑戦している寿司職人さん、珍しいです。

3、とらふぐ           刺身で。 醤油、ポン酢、竹炭の塩で。

4、香箱蟹            内子、外子を合わせて、ほぐした状態で。  これは抜群に美味。

5、ブリの燻製

6、白子とシャリ

7、クエの酒蒸し

8、かますの幽庵焼き、秋田の原木しいたけ   (写真忘れ)

握り

1、ひらめ           塩で〆て、8日目

2、すみいか

3、さより

4、まぐろ           三厩

5、中トロ

6、霜降り

7、小肌

8、車海老

9、キス

10、かすご

11、〆サバ

12、蛤          これも低温調理。 タンパク質が旨みに変わる温度をとらえています。

13、雲丹         冷と温が軍艦で

14、のどぐろ

15、穴子

16、マグロの筋のコラーゲン汁

17、玉子

香箱が二、白子、まぐろ霜降りなどなど、キラリと光るものが多々。

う~~~ん、やはり、佐藤さんはなにかもっています。


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<2015年10月>

 前回、伺って、とても気に入ったので、ランチに再訪しました。

 相変わらず、大将、佐藤さんの笑顔は優しく、本当に接客が素晴らしいです。

 この日は、軽めに10貫、5000円で。

1、そばがき    なんと新蕎麦のそばがきがでてきました。 う~~~ん、これ、ヘタな蕎麦屋さんのより、おいしい。

2、干しかれい

3、すみいか ゲソ

4、春子鯛

5、大間 ヅケ

6、大間 中トロ

7、小肌

8、秋刀魚

9、カマス

10、穴子

11、まぐろ 巻き

12、玉子 キャラメリゼ

この日は海外のお客様半分くらい。

秋刀魚は斜め交差に包丁をいれ、シャリに乗せると、きれいに花が咲いたように握られます。 今年は、水温が温かいため、旬が遅かったのですが、

早くももう終わり、らしいです。 大好きな秋刀魚の美しい握り。 名残惜しいです。

大間のヅケと中トロにいたっては、もうなにをかいわんや、です。

いやはや、やはり、ここのお寿司はおいしいです。 佐藤さんのホスピタリティも抜群。 再確認しました。
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<2015年7月>
初めて伺いました。 マイレビュアー様に連れて行っていただき、カウンター中央に着席。

こちらは、かの懐かしき「水谷」さんが入っていたところで、居抜きで使っています。

大将、佐藤さんが笑顔で迎えてくださいました、 初めてのお寿司屋さんというのは、緊張感が走るものですが、すっかりリラックス。

8品のつまみと17貫の握り。

3時間半ほど、このお店にいたでしょうか。

その間中、佐藤さんの話にすっかり引き込まれました。 まさしく、それは、佐藤さんの「人生劇場」ともいえる話です。

佐藤さん、寿司職人デビューは遅く、25歳とのこと。 なんと、それまでは、恵比寿の「ゼスト」でマネージャーをされていたのだそうです。 しかも、同時期に、

「レフェルヴェソンス」の生江シェフがキッチンにいらした、というかなりドラマティックな話が始まったのが、握りの2貫目あたりでしょうか。

ゼストのマネージャー時代に、思うところあって、寿司職人の道に。  神泉の「秋月」の門を叩いたのです。 親方は「久兵衛」にいらした方。 

かなり厳しい修行だったそうですが、今ではとてもいい関係値だそうで、エピソードからそれがよくうかがえました。 技術だけでなく、人としての道を教えてもらった、と。

2年前、この地でいきなり開店。 最初の半年ほどは苦戦をしたそうですが、いろいろな幸運に恵まれ、昨年にはミシュランも。

さらに、この日の数日後、BSの番組でオンエアされる、というのです。 しかも、その番組は、寿司の著書を多数書いている早川光さんの番組。 それを聞いて、

驚きました。 早川さんとは、長年の知己だったので。

などなど、つまみから握りをパクパク美味しくいただきながらも、興味深い話に頷くことしきり。 

というわけで、以下はいただいたものです。 しゃりは、赤酢。 好みです。

1、鮪の突先の手巻き      いきなり、手巻きから始まります。

2、卵豆腐と毛蟹

3、穴子のあらい        なんと、穴子をあらいにしています。 噛むほどに、コクがあります。

4、蒸しあわび         大原産

5、稚鮎            焼き南蛮

                その下には、北海道の鰯の塩と酢〆   南蛮酢ジュレで

6、松輪のごま鯖        塩〆してから炙っています。  これはもう感嘆。 やはり、松輪ですね~~~。

7、金目鯛 酒蒸し       つるむらさきと

8、太刀魚           塩焼き

ここから握り

まこがれい    2日寝かせています。

墨烏賊

とり貝

づけ、中トロ、大トロ   境港の巻き網漁

シンコ

かすご

車海老   鹿児島産

鱚 昆布〆

えぼ鯛  柚子で

雲丹 冷温       オリジナリティ炸裂。  なんと、「レフェルヴェソンス」で、ウーロン茶の冷温を味わったときに、インスパイアされたそうです。

            異なるカテゴリーにあっても、こんなヒントを巧みに応用しているところが、素晴らしいです。





のどぐろ

穴子 塩とタレ

卵 キャラメリゼ  (デザート風に)

まぐろの突先のスジのコラーゲンスープ

相当なボリュームです。 

素材も仕事もこだわりをもっていて、細部まで神経が行き届いていました。 とても好みです。 

おいしく、楽しく、いい宵を過ごさせていただきました。


  • 蒸し鮑
  • 大トロ
  • 加賀茄子素麺、穴子のから揚げ

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