レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2016/08訪問 2016/08/14
今日の一品 ★殿堂メニュー 新子焼き ¥900
旭川の2軒目は、飲んべえには有名な「独酌三四郎」におじゃまします。1946(昭21)年創業の老舗です。実は先ほども訪問したのですが予約一杯で、1軒挿んで機を見ていました。20時を過ぎた頃、カウンターに空席があり、座る事ができました。チャキチャキの女将さんがメニューを手渡してくれました。経木に筆で書かれた趣きあるメニュー表です。
女将さんによると今日のイチ推しは「北海しまえび」だということなので、それをお願いします。海老は大ぶりなしまえびが4尾です。ボイルしてる海老なんて東京で初めて見た、と北海道人はみな言います。私からすれば、海鮮が生で供されることにいちいち感動します。このお店は珍しくボイルで出てきました。しかし同じボイルでも新鮮さが違います。プリンプリンの身です。これをもったいぶってチョボチョボいただきます。一口で喰えない、ショボい性格です。
合わせる酒は、旭川の地酒「国士無双烈」です。さわやかな辛さ。うん、いい。
そしてこのお店の名物「新子焼き」をオーダーしました。「新子」とは若鶏のことです。注文が入ると、まず女将さんが焼き場の網に肉をゴロッと乗せて焼き始めます。すごい煙!和服で炎と対峙しながら肉を焼く女将さん、かっこいいです。途中で、大旦那が出て来て焼き場交代です。本当は大旦那の役なのでしょう。次々と新子焼きのオーダーが入り、次々と若鶏が網に投入されます。再び上がる炎。焼き上がりを確認して、はさみで適当な大きさに刻み、そして創業以来の「秘伝のたれ」にドプッと浸けこみます。おお香ばしい。
ではいただきます。…美味い。美味いよう。鶏もタレも。旨味がぎゅっと凝縮された何とも言えぬ美味さです。鶏皮の香ばしさ。肉のソフトな食感。日本のグルマンたちにぜひ食べて欲しい一品です。お皿の底にたまったタレ、パックにつめて持って帰ってご飯にかけて明日の昼ごはんにしたいです。こちらはあっと言う間に食べ終えてしまいそうです。もう一皿、お願いしようかしら。ああ美味い。
興奮覚めやらぬ旭川の夜が更けていきます。旅の中途、いい酒場と出会えました。ごちそうさまでした。
最寄駅 JR函館本線・宗谷本線・石北本線・富良野線「旭川」
2位
2回
2017/03訪問 2017/03/16
ボリューミーで今日もハミ出しちゃってます。もう我慢できない。
今日の一品 海鮮どん ¥1,000
前レビューの反響の大きさには驚きました。にわかブームですね。そろそろネタが早春ものになったのではと妄想し、我慢できずに再びあのグラマーな丼をいただきにきました。今日は、禁断の「特上」を指名しようと心に決めてドキドキしながら歩いてきました。ご褒美下さい。
あれっ! 店先のメニューの様子が…違う。あれっ!「本日、都合により海鮮どん¥1,000のみのご提供となります」。あれっ! 特上は、出勤されてませんか…。がっくり…。ま、まあノーマルでも相当ハイクオリティなので、ここは我慢。男は我慢。
店内は先客1名、女将さんがどんどん盛っている最中でした。これならすぐ自分の順番もきそうだな、と心でニヤついていると、…なんだか今日の厨房は場が荒れているようです。そういえば、前回の筆おろし訪問は舞い上がっていて気がつきませんでしたが、ご主人は「いらっしゃい」も「ありがとうございました」も言いませんね。ポリシーなのでしょう。腕、目利き、廉価でサービスですね。
次の客が入店して、ようやく女将さんの手が動き始めました。気持ちがゆっくりと高揚してきます。やっとのことで、丼が手渡されました。すでに店内は満席です。若い女性も多いです。
さて今日も、ナニかはみ出していますよ。ネタを復唱してみましょう。かつお、カンパチ、まぐろ赤身、真鯛、キビナゴ、シマアジ、寒ぶり、サーモン、ホタルイカ、ミズダコ、生シラス、中落ち、わかめ、めがぶ、かんぴょう…、ちょっと違うかもしれないし他に何かまだ載っていたかも知れません。はみ出しているのは、カツオです。
めかぶやかんぴょう、中落ちなどサイドメニュー的なネタからいただいていきます。サイドとはいえあなどれません。そしてだんだんと肉厚なメインディッシュへと進めていきます。たっくさんあるのでケチケチ食べなくて大丈夫。ぜいたくにガツガツどんどん口へ放り込みましょう。いやあ、相変わらず美味しいですねえ。このボリュームも満足です。
厨房の様子が気になる昼食となりました。次回は気持ちよく、しかも今度こそ「特上」のバディを拝みたいものです。それより、夜来ないとなあ。
今日の一品 ★殿堂メニュー 海鮮どん ¥1,000
やっとこのエリアへご縁あって来ることができました。口コミで知り、気になってしょうがなかった「江戸富士」に訪問です。では失礼して入店します。
壁メニューは夜のものでしょう。入り口のメニューで決めていた「海鮮どん」をいただきます。女将さんが腕を振るいます。おお。美しい。すると奥から若旦那も出て来て二人で魚をさばきます。何が盛りつけられるのか、ドキドキして見とれます。すると…2人の手は止まりません。あっという間にご飯が見えなくなるほど具材が載せられました。しかし…なにぃ。まだ載せる気か。もう丼から魚介達たちがはみ出ているじゃないですか。ようやく若旦那の包丁が置かれ、奥へ去っていきました。フーゥ…。見ている方が疲れてきました。しかし、女将さんの手が止まりません。まだまだトッピング作業が続きます。本当にドキドキしてきました。1,000円ですよ。そんなに、ああ…。もうやめて。それにタレを塗るの?ああ。まだ?ねぎ、わさび、しょうが…最後はきざみ海苔がのって、ようやく完成です。丼は手渡し。手の中に、幸せな丼ぶりが。
さて、トッピングを復唱してみましょう。キビナゴ、カツオ、サーモン、アジ?、コハダ、ブリ、生ヤリイカ、生ケンサキイカ、生ミズダコ、ヒラメ、マグロ赤身、ホタテ、シラス、わかめ、めかぶ。海鮮は以上。それに干ぴょう、かいわれ、わさび、しょうが、ねぎ、ごま、タレ、刻み海苔。グラマラスな丼を目の前にしてどう手をつけていいのかわかりません。結局どう食べ進めたかもよく覚えていません。ただ、かなり食べ進めないとご飯が見えてこないことは覚えています。それと、ものすごく美味しかったことは覚えています。特に、ブリ、生イカ、コハダ。コハダが載るところが鮨屋ですね。とにかく解説不能、実況不要の丼ぶりです。
ちなみに隣の方が「特上」とオーダーしました。握りのことかと思ったら丼ぶりが出てきました。横目で確認すると、更に中トロ、ボイル海老、いくら、サバ、何かの貝、卵などが上乗せされていました。はあ…。降参です。
TVなどで紹介されないことを強く望みます。この丼ぶりは、このエリアの労働者の特権なんです。「江戸富士」、その名に恥じぬ気概の丼びりでした。噛んだ。丼ぶりでした。
最寄駅 JR「御茶ノ水」メトロ「本郷三丁目」(文京区)
3位
2回
2019/08訪問 2019/08/17
大阪に来る意義はここ「八重勝」に集約されます。今回で4度目の訪勝です。初めて夜に来たのですが、並んでますねー! 間に別の店を一軒挟んでから、少し列が短くなったの見計らっていよいよ並んでみました。ああ、楽しみ。新世界も最近はホントに外国の方が多いですね。
このお店のどこが好きなのか。店員が多いこと、店員のぶっきらぼうながら実は優しい対応、カウンターで串カツを揚げる劇場を目の当たりに出来ること、ころもが薄いのでオーダーしたらすぐに提供されること、ソースが少し辛味であること、ころもがそのソースを肌身離さず染み込ませてくること、そして…素晴らしく美味しいこと。あと、朝10:30からやっていること、油もころもも重くないので朝ご飯にも適していること、だからたくさん食べられること、ビールが冷えていること、安いこと、新世界で飲んでいることを実感できること…などなど挙げればキリがありません。
並ぶこと10分。八重勝は独り客だからといって一つ席が空いても入店はできません。公平に順番を待ちました。
いよいよカウンターへ。まるで高級なストリップでも見に来たかのような高揚感と罪悪感。また来ちゃった…。ストリップ、行ったことありませんが。
両隣とも初来店客らしいので、偉そうにレクチャーをしてしまいました。興奮を共有したかったんです。
で今夜いただいたのは…
・牛肉串かつ¥300
・なすび ¥100
・チーズ ¥150
・玉ねぎ ¥100
・玉子 ¥100
・きす ¥300
・ウィンナー ¥150
二軒目にしてはたくさんいただきました。先ほども述べたように、重くないのでスイスイ胃に入っていくんです。
しかし幸せな時間はそう長くは続きません。いよいよお腹が一杯になってきました。ああ…今夜はこれで終わりか…。残念でなりません。また次いつ来られるかわからない。遠距離恋愛の苦しみ。後ろ髪引かれてお勘定です。ああ…ショーの終わり
でもここはどんどん若い店員が引き継いでいるので、閉店してしまう恐れは少ないです。そこだけが頼みの綱なんです。
私にとってのディズニーランド、新世界「八重勝」。今回もありがとう。素晴らしきこの世界に。
最寄駅 地下鉄御堂筋線「動物園前」(大阪市浪速区)
今日の一品 串カツ(3本)¥300
大雨の新世界ジャンジャン横丁、3年ぶり2度目の訪問です。前回訪問時は午前11時から入店し、あまりの楽しさに舞い上がってしまって何を食べたかよく覚えていません。今回は落ち着いて咳をコホンとひとつしてから扉を開けました。
まずは生ビール。間髪いれず店員から「どうします?何にします?」と声がかかります。いやちょっと待って…ビール一口飲んでから…ん。どうやら東京人とは「間」が違います。急いで壁のメニューを見て、待っている店員さんのために早く決めなければ。え…っと、串カツと、チーズをお願いします。「どて焼はどうします?」あ、はい、それも下さい。という具合に完全にお店のペースです。3度目の訪問時はこうならないように、何日も前から大阪入りしてテンポを八重勝にシンクロさせてから来ます。
どぶづけソースが目の前にあります。秘伝のソースです。すぐに出て来たのはキャベツ。キャベツはソースをすくうスプーンの役割も果たします。続いてすぐに供された名物串カツを、ソースにどぶっと浸けて、いただきます。どんなに酔っても2度づけはしてはいけません。おお、これこれ。いいねえ。3本なんてアッちゅう間です。どんどんオーダーしましょう。ようやくリズムがつかめました。
本日いただいたのは、どて焼(3本)、きす、貝柱、ブロッコリー、れんこん、なすび、チーズ、
焼あなご、ウィンナー、かぼちゃ、です。きすは季節ものでしょうか。思いのほか美味しかったのは、なすび、れんこん、チーズですね。関西以西と北海道は「なすび」と呼ぶ地域が多いようです。このなすびが美味しいですね。なすは、もとい「なすび」は、油との相性が抜群です。油をすっかり吸収しますからね。秋田市内名物の「なすくじら」がいい例でした。
ソースとよく合ったのは、れんこんと貝柱。解説は不要でしょう。串揚げって、美味いなあ。ソースをよくしみ込ませる「衣」も、秘伝でしょうか。ふわふわなんです。
30分もあれば、お腹いっぱい満足。価格も満足。そして、味が大満足。新世界に行ったなら、他のお店に行くことはないでしょう。いつでもここに来ます。USJより新世界「八重勝」こそアミューズメント!ああ、ごちそうさまでした。
4位
1回
2016/09訪問 2016/09/17
今日の一品 ★殿堂メニュー まるハツ ¥おまかせ
さあ初めて来ましたよ、「鳥さわ」。1人で飛び込みです。20:00までなら、という条件付きで座らせていただきました。カウンターのみの、清潔感ある店内です。厨房内の壁に、串メニューが書かれています。価格は書かれていません。価格の話はあとでします。初めての客らしく振る舞っていると、「おまかせでいかがですか?」と聞かれます。はい、おまかせでお願いします。ストップをかけるまで、約30種類の串焼きが提供され続けます。楽しみです。
しばらくすると、角皿にのせられて、串が供されました。一人宴会のスタートです。
まずは、さびやきと、かしわです。むっ。これはっ。いいっ。美味いっ。一気にヴォルテージが上がります。さびやきのレア加減が絶妙です。
次に、うずら卵、血肝です。うずら、何ですかこれ。塩ふり加減が完璧。こんな美味いうずら串は初めてです。思わずニヤついてしまいました。
血肝。解説不能の美味さ。新鮮。皿に赤い液がにじみでますが、この後の串はその液を吸い取りながらいただけるのです。表現が稚拙で誤解を招いたかもしれませんが、女性や、もつが苦手な方でも、この血肝とにじみ出る液は、本当に全然大丈夫です、大丈夫どころか、これこそがレバーなんです。
ぎんなんを経て、はつもとが来ました。はつもとは大動脈です。ハロゲンライトに照らされて、紫煙をあげています。いちいち言いますが、美味いです。鶏はつもとは上品ですね。これだけ5本くらいいただきたいです。
次は、ぼんちり、せせりです。せせりが先ほどの赤い液を皿から吸い取っていきます。これが隠し味となって美味さ倍増。せせりは下手な店だと口に残るのですが、ここはそんなこと微塵も感じません。とろけて無くなります。
ここでビールから日本酒に変えます。最近 ハマっている「黒龍」の純米です。ワイングラスに、想像以上の量が注がれました。嬉しー。
しいたけ。そして鴨のささみ。鴨ささみはほぼレア。わさびがのって、日本酒とバッチリ。ささみというところがいいですね。さっぱりいただけます。
そろそろクライマックス、にしたいと思います。時間がせまってきたので。
ちょうちんがきました。卵黄がちょうちんのようです。まだ殻が出来る前の卵。口に入れると、「プチーぃっ」。なんだこれ!はじけたー!美味い。10個くらい食べたいですよこれ。トロトロですねえ。「丈参」以来の興奮です。
手羽先です。脂ノリノリ。でも上品。皮もいい。うーん、食べきってしまうのがもったいない。
最後にわがままで「はつ」をお願いしたら、ハツはないけど「丸ハツ」ならあります、とのことで、ぜひそれをお願いします。まるハツとは、心臓の内膜を裏返して焼いたハツです。見た目は牡蠣のようです。
口に入れると…濃い。ハツよりハツらしい濃い味です。そして、写真を見て下さい、この断面!なんでしょう、この赤黒い管のような部分て?わかりませんがとにかく美味しい!すげえ!わがまま言ってよかった。まるハツ、初めていただきましたが、降参です。こんなモツがあったんですね。
カウンター8席でオトナ達が静かに飲んでいます。にぎやかなもつ焼き屋に慣れてしまいましたが、やはり料理と雰囲気は関係が深いですね。美味い串を静かにいただける上品なお店。近いうちにまた来たいと思います。ごちそうさまでした。
ちなみに、お通しを500円と考えて、酒代を引くと、おそらく串1本250〜300円くらいだと考えられます。1本食べる度に300円、と考えるのがいいでしょう。そんな食べ方してると酔えませんけどね、でも大事なところですね。
最寄駅 JR総武線「亀戸」(江東区)
5位
1回
2016/03訪問 2016/04/08
今日の一品 ★殿堂メニュー 牛にこみ ¥500
憧れの牛煮込みをいただきに初訪問です!ちなみに「にこみ」の「こ」の字は「古」の旧かな文字です。出張が運良くこちら方面だったので、平日アタックできました。開店時間5分前の到着でしたが、32人目。26席の1回転目には入れませんでした。本でも読んでじっくり待ちましょう。待つ事1時間ちょうど。浮き足立って入店です。
東京に現存する最古の居酒屋は創業1905(明38)年の神田「みますや」といわれていますが、こちらは創業1900(明33)年だそうです。ただ、創業当初は甘味処で、居酒屋に変身したのは1929(昭4)年ということです。丸く面取りされた年季が入ったカウンター。元気なお店のお姉さんたち。そして魅惑のメニューたち。チビリますね。
まずはもちろん「牛にこみ」です。ねぎ入りで。それから、築地の隣なので当然魚介も美味しいはずなので、銀だらをいただきます。ここは煮付けを避けて、焼きでいただきます。これが正解なんです。あと、陰の名料理「ポテトサラダ」。さあ、パーティ開始です。チビリそうです。
煮込みは…うむううう。うんまいっ!別に三大煮込みだとは知らずとも、感動したと思います。やはりタレですよタレ。汁というのでしょうか。どちらでもいいです。健康のことは置いておいて、皿を口につけて汁を全部飲み干しましたよ。それからモツもいい。シロ、ハツ、もしかしたらギアラ、フワなどが入っているかも知れません。多くの部位が、乱れ交わっています。ああ、恍惚。一目惚れとは、こんな感じかもしれません。殿堂メニューは、この煮込みです。
ポテトサラダが、火照った頬を引っ叩いてくれます。しかしこれも絶品。胡椒がピリリと効いています。ツンデレ的存在で最後まで重宝しました。
それから、当たりは銀だら塩焼き。この後、肉どうふもオーダーするのですが、煮込みも豆腐も甘みのあるタレ料理。ここで煮付けだったら、味が濃すぎて舌が飽きてしまう恐れがあります。焼きで良かった…。脂ノリノリなので、焼きで充分です。やはり、魚、美味しいですね。
さて最後は、肉どうふです。これは煮込みとはまた違った味付けです。豆腐によく甘ダレが沁みています。そして柔らかく煮込まれた牛肉。部位はわかりませんが、ギュウ、という味です。これも美味いなあ。
周りの方は、もれなく〆におにぎりをオーダーしています。私は飲みながらお米でお腹一杯にするのは苦手なので頼みませんでしたが、すこぶる美味そうなのです。なので隣の方のおにぎりを盗撮しました。ああ、美味しそう、トッピングが目立ちますが、中にも具が入っているのです。2人客には2つに切るサービスもしてくれます。
長居はしたいが粋じゃない。チクッと喰ってサッと帰る。後ろ髪引かれながら、煮込みの味を思い出しながら、お勘定を済ませます。月島に、日本が誇る居酒屋がありました。必ずまた来る事でしょう。1時間並んで30分飲んで帰る、そんなお店があってもいいでしょう。
最寄駅 メトロ「月島」「勝どき」(中央区)
待ち時間 60分
6位
1回
2016/01訪問 2016/01/01
今日の一品 ★殿堂メニュー カキバター定食 ¥1,750
仕事納めの日。自分を讃えるシメのメシはここ「とんかつ万平」。今や全国に轟きわたる「カキバター」を収めにきました。寒風に暖簾がヒラヒラと、私を手招いている様です。
気をつけの姿勢で外に並ぶこと15分。いよいよご開帳です。ご相席、失礼します。迷わず「カキバター」嬢を指名します。しばらく目を中空に走らせて時間をやり過ごします。血圧器に腕を通したなら、見たこともないリズムが刻されそうです。
来ましたぁ…。かかきかきか…かきバター。まともに目を合わせるには時間が必要です。まずキャベツ千切りと戯れることにしました。牡蠣から流れる醤油バターが千切りに浸みて、四方上下往古来今の広がりを脊髄で感じる、そんな新しいキャベツ観を与えてくれます。前段の戯ごとがかくも大切であるか。
空を彷徨っていた水晶体と角膜を、その気高きシリコン体に集中して合わせます。おおっxxx。かかきかきか…かき。これがあの…。
その、やはらかな丸い突起部分から、口に含みます。バターの薫りが鼻腔を貫通し、舌の食感と溶け合って、心が火照ります。得も言われぬ恍惚。美味いっ…。くふぅ。ヤバいっ。
全部で6ピース。一口に含んだり、軽く噛んでその断面を眺め倒したり、舌の上で転がしたり、愉しみ方はいろいろです。さすがの神体です、苦味などありません。むしろ私の舌が融けてなくなりそうです。
こわれてもいい。汚れてもいい。遠のく意識。背中まで45分。ホーンが鳴ってラスト・ワンプレー。どうする、どう収める?そんな冷静なアクションは無理。このまま一気に、フィニッシュ。かはっ。
コトが終わったら、お皿の残り密を、ライスで拭き取ってブレイクダウン。
どうもありがとうございました。これはハマりました。次回もかきバター指名です。万平さん、ご馳走様でした。
誰でも一度は経験する、誘惑の甘い牡蠣です。みなさん、ハッピーニューイヤー。
そいうえば、万座プリンスホテルのことを「マンプリ」と呼んでたあの頃、ユーミンの「ハッピーニューイヤー」聴きながら雪道を抜けてマンプリに通ったなあ。
最寄駅 都営・メトロ「淡路町」「小川町」(千代田区)
訪問時間 11:25
待ち時間 20分
7位
1回
2016/04訪問 2016/04/10
今日の一品 ★殿堂メニュー パラク・パニール+ハーフナン ¥1,382+¥248
駐車場の地図の写真をアップしたので利用する方はプリントアウトすると便利です。
さて、1981(昭56)年3月、印度料理アジャンタで勉強をしたマスター増田氏が千葉の検見川に「手作りインドカレーの店シタール」をオープンしてから36年。こんなに長い間、私はこのお店を知らなかったのです。もったいない生き方でした…。
ちょうど一巡目のお客さんが全員入店を済ませたところに到着したようで、入り口前の台に名前を書くと2回転目の先頭でした。ひんぱんに女性店員が外を確認に出てきます。外にメニューがあり、入店前に店員がオーダーをとってくれます。
入店するとカウンターへ案内されました。すぐ横にはタンドールがあり、ひっきりなしにナンやチキンやら窯に入れられています。そういえば以前タモリ倶楽部でタンドールがテーマの時があり、あの時にこのお店のことを初めて知ったのでした。
まず配膳されたのはタンドーリローストチキンです。ヨーグルトとスパイスで一晩マリネして、それを炭焼きしたという骨付きチキンです。先ほどタンドールから出されたばかりです。はい、美味しいです。これ美味いです。ビールが欲しくなります。
カレーは、パラク・パニールをオーダーしていました。ほうれん草と自家製カッテージチーズのカレーです。見た目は、その辺の街のサグカレーとは一線を画す、荒々しいほうれん草カレーですね。味は、ほうれん草より、筆舌に尽くし難いスパイスの波、波。これは食べたことありませんねえ、美味いっ!チーズはスープにとろけて目に見えないものかと思っていましたが、キューブ形を残して4ピースほど入っていました。まろやか。生姜も一本入っています。パラク・パニールって初めて食べましたが、すごい料理です。これ、東京でも食べられるお店あるかしら。
チキンカレーもいただいてみましたが、こちらは少々クセのあるスパイスが使用されています。これもその辺の街のチキンカレーとは全然違います。インドカレー日本版、ではありません。インド料理そのものです。私はパクチーなどの香草が苦手なのですが、紙一重で苦手な香草とは違う繊細な葉っぱ系の味です。インドの風を感じることができるスパイスブレンドです。なるほどー、このお店、すごいな。
お店で使用しているスパイスは、店内で販売もしています。並んでいる時にもらって美味しかった、あめ12粒(¥200)と、唐辛子(¥162)をお土産で買ってしまいました。いやあ、美味しいお店でした。ごちそうさまでした。
最寄駅 京成千葉線「検見川」(千葉県花見川区)
待ち時間 20分
「印度料理シタール」ホームページ CLIC → http://www.sitar.co.jp/
8位
1回
2016/05訪問 2016/05/21
今日の一品 ★殿堂メニュー 竹の子の天ぷら ¥400
前回はお盆休み期に長蛇の列であきらめた「徳多和良」に、平日リベンジ成功です。開店10分前の15:50に到着。先客1名。開店時間には席数ぴったり位の客数が列をつくりました。さあ入店です。
順番に飲み物のオーダーを取り、また順番に肴のオーダーを聞いていきます。まずオーダーしたのは、さわらたたき、黄はた刺身、ひじきの煮物、里芋とふきに煮物。しばらくはビール片手に雰囲気を楽しみます。
ほどなく黄はた刺身とひじきが来ました。ひじき、いいですね。甘すぎずしょっぱすぎず。こんか量じゃ足りませんよ、美味しくて。きはだも美味い。鮮度抜群。
続いてさわらたたき。これが脂ノリノリ。薫してちょうどいい脂具合に。日本酒が欲しくなりました。
今日のお酒は「臥龍梅」の純米吟醸。これがすっきりして飲みやすいです。危険です。
今日のイチオシは、竹の子の天ぷらです。やわらかい、幼い竹の子をサラっと揚げて、これを抹茶塩でいただきます。これはいい。「割烹くずし」の肩書きがうなづけます。いえ、くずれていませんよ、割烹の味です。美味いなあ。そして貴重なのは、この抹茶塩です。この塩だけで一杯飲んでしまいました。
最後に本鱒の塩焼きです。添えられているのは、ふき味噌です。またこのふき味噌だけで一杯いけそうな気配です。鱒は小ぶりですが、脂がのっています。たしかに、ふき味噌合いますね。いいペアです。
約50分間の桃屋敷でした。こんなに楽しんで1,980円ポッキリ。早出特打して良かったです。再度言いますが、割烹くずしではなく、割烹ですよ。絶対また来ます。ごちそうさまでした。
最寄駅 JR・メトロ・京成・TXP「北千住」(足立区)
9位
1回
2016/03訪問 2016/03/15
今日の一品 タンシチュー定食 ¥1,000
ランチ開催日と仕事休みが一致しない限りお目にかかることができない、幻のシチューに再アタック!一昨年は列に加わろうとしたら開店時間前なのに「終了しました」の看板が…。ハードルが高すぎる、と膝をついて砂をかじったあの日から早2年。
今日は開店20分前に行列に転がり込みます。セーフなのか!?どうなんだ!?店員が列の前の方から伝票を配布し始めました。だんだん近づいてきます。ここで「@ほ~むカフェ」で覚えた例の呪文を(心の中で)唱えます。私の手元へは?…キュインキュイーン!来ました、ナンバー75の伝票。地下への招待状、ゲット!私は75人目なのか。席数は36となっているから、3回転目か。ようし。
並び始めから店内着席までちょうど1時間。腰が痛い。着席から待つこと7分。トレイに載せられてやってきたのは、ブラウンモンスター「たんシチュー」。おお、これか。うほっ。ライスは麦ごはん。盛りは「ふつう」でお願いしましたが、まさに多すぎず少なすぎず。いっただきます。
タンは、せいぜい3片程度入っていればまあ良しと……なにっ、ばかな。液体積より個体積の方が多いではないですか。何個入ってんだ、これ。しかもタンモトやトロタンなどいくつかの部位が混ざっています。おおありがたやありがたや。スープ、…アッツイ!一口目で上あごを火傷。しかし構わず食べましょう。トマトでしょうか酸味が少し効いて、タンの臭みを皆無にしています。そしてタンは、トロトロ。とはいえ、ちゃんと歯ごたえや舌触りを感じる、タンらしさを残しています。いやあ美味いなあ。食べている間、仕事のことも金のことも異性のことも向かいに他人が座っていることもすべて忘れて、本当に無我夢中です。しかし我に返ると、他の方はシチューをライスに掛けて食べている人もいます。うーむ。否、私は最後まで分けていただきました。意味もなく。
ああ、美味かった。しかもこれで1,000円ですか!ツォハッ!
次にいつ食べられるかまったくわかりません。思い出を上あごの火傷に残し、お店を後にしました。ごちそうさまでした。
最寄駅 JR・メトロ・TXP「秋葉原」(台東区)
訪問時間 11:10(開店11:30)
待ち時間 60分
衛生感・落ち着き度 7
価格設定の適正度 9
料理の味・誠実度 10
好き度・リピート感 7
「たん清」ホームページ CLIC → http://www.tankiyo.com/access/index.html
10位
1回
2016/11訪問 2016/11/23
シェフとソムリエが織りなす柔らかな空気感。心地いい2時間30分。
incanto プリフィクスコース ¥7,500
今日はイタリアンの巨星「インカント」に来ました。天現寺橋からほど近いビルの2Fにあります。ひと月ほど前に予約しておきました。お店に入ればすぐにウェイターが丁寧に応対してくれます。堅苦しい感じはありません。
スパークリングワインを飲みながらメニューを検討します。コースですが、各カテゴリーから自分で好きなものを選べます。ほぼアラカルトオーダーに近いです。好きな物を食べたいのでコース料理は気が引けるのですが、このシステムは本当にありがたいですね。しかも何と豊富なラインナップ!迷うなあ。散々悩んで5分ほど、ようやくオーダーが決まりました。一安心。他のテーブルのグループは、何と20分近く迷っていました。わかるけど…長すぎ笑。
メニュー写真をアップしたので、拡大して参考にしてみて下さい。お店でスムーズにオーダーできるかと思います。
突き出しはレバパテとパプリカ。パプリカがいきなり美味い。どうしたらこうなるの?
<アンティパスト>
「珍しいサンマリノ共和国産プロシュットコット」をセレクトしました。ソムリエによるとビールに合うそうです。一杯目ビールにしておいて良かった。サンマリノ産のハモンはかなり珍しいそうです。脂身が脂ぎってなくてサッパリした肉です。妙な塩っ気も全く無し。ナンテコッタ。ちょっと苦手のピクルスも、全然酸っぱくない。これならイケます。
<ミネストラ>
「プーリアの魂 乾燥空豆のピューレと季節青菜のソテー」をセレクト。そら豆のペースト状ピューレにケールのソテーがトッピングされています。家庭的な雰囲気があります。ケールをこう料理しますか。好物になってしまいそうです。絶品。
<パスタ2種類>
選ぶためにパスタの生標本を持ってきてくれるので、その中から食べたいパスタを選ぶと具材も大体決まるようです。せっかくなので食べたことがない「全粒粉のビーゴリ」、「かぼちゃのトルテッリ」をいただきます。
「全粒粉のビーゴリ カワスズキとカルチョーフィのインビアンコ ヴェローナ風」。麺は小麦の殻ごと練ったような黒い麺です。すごいコシです。これは美味い!モチモチしていい歯応え。スズキは少し水っぽい仕上げですがソースとよく合いますね。
「かぼちゃのトルテッリ マントヴァ風 ヒラ茸とサルヴィアのバターソース」。ラビオリのように中にかぼちゃなどの餡が入っています。初めての食感。ピールも入っていて柑橘の味も強めです。なるほど。不思議なパスタです。好みでいうともう少しスタンダードなパスタの味が良かったかも知れませんが、珍しもの好きなので、食べておいて良かったです。
<メイン>
ジビエが多いです。エゾシカ、仔鳩、ガチョウ、仔羊など。やはり珍しい料理を食べたくて「ガチョウのフィレ」をお願いしました。
「ガチョウのフィレのインパデッラ 季節のキノコとマルサラのフィナンツィエーラ風」。
いかにも「肉っ」というヴィジュアル。鼻が膨らみます。甘さと酸味のバランスがいいソースと共に、肉の旨みが口に広がります。ほぼレア。美味いっ。オーストリッチ!鞄や財布で見るあの革の見た目です。皮の脂感と野生的な赤身。うーん。美味だなあ。
ただ、噛み切れない。いつまでも肉と筋が飲み込めません。お年寄りには勧められない料理です。いつまでも口の中にあるので、いつまでも旨みが楽しめます。「噛み切れない」ことだけ除けば素敵なメインディッシュです。ワインは赤でも白でも合います。
<デザート>
別メニューで選び直しです。これも迷います。シュークリーム風のものをオーダーしたら、ソムリエからパリパリするパイ生地のものが私には合っているのではと勧められたので、そうしてみました。
「スフォリアテッラリッチャ」。
くるくる巻き巻きの薄生地ちゃん、という和訳の料理だそうです。クロワッサンのような見た目で、中身は説明がなければ何を食べているのかわかりません。セモリナ粉、リコッタ、ピール、シナモンが入っているそうです。不思議な食難。
フィニッシュは濃ーいエスプレッソと、三大チョコレートと評されるチョコをいただきました。砂糖を溶かさずにそのまま固めたものだそうです。堅いチョコレートでしたが深みがあって美味しいです。
堅苦しくなく、初めてのお客さんにも丁寧に説明して、食事に合わせていいワインを合わせてくれます。チーズのこともワインのこともパスタのこともほぼ素人の私ですが、肩肘張らずにリラックスして本場イタリアの料理をいただけました。居心地いいですねえ。料理とお店の方が織りなす空気感、素敵です。またいただきにきます。今夜はごちそうさまでした。
今からここで書いたイタリア語の素材や調理法を調べます。何をどう食べたのかよくわかっていないんです。調べ学習、時間がかかりそう…。
最寄駅 メトロ日比谷線「広尾」(港区)
「インカント」ホームページCLIC→http://incanto.jp/
食べログレビュアの皆さんのレビューを見ていなければ絶対知り得る事はなかったと思うお店に、昨年もたくさん出会いました。
今年は1軒でもいいから「ピックアップ!口コミ」に選ばれることを目標に、お店の良さが伝わるようレビューを書いていきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。