『うを徳(東向島)2016年10月』やっぱりモツが好きさんの日記

春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

お店のカウンターを覗くと巨大なフィッシュヘッドが鎮座。
この日は幻と言われる「アラ(佐渡産)」を仕入れたようです。
九州で珍重されるアラ鍋のアラはクエのことですが、こちらは正真正銘アラ。
クエより上品な味わいの超高級魚(キロ1万円、3.6キロものなので4万円近く)。

01 対馬穴子とば、埼玉深谷キュウリ浅漬け
02 昆布森牡蠣燻製
03 佐渡アラお造り
04 京都小芋、茨城落花生、京都丹波黒枝豆
05 星鰈の肝刺し、アラの肝刺し
06 明石星鰈お造り(エンガワ付き)、厚岸浜中バフンウニ
07 岩手松茸と徳島海老芋のお椀
08 根室茹で毛蟹 蟹味噌和え
09 網走キンキ煮付け
10 三重伊勢サワラ藁焼き
11 岩手松茸と明石の鯛の潮汁
12 天草天然鰻 肝焼き
13 天草天然鰻 白焼き丼
14 広島太田川天然スッポン 内臓ソテー
15 佐渡アラのアラ鍋
16 佐渡アラのアラ鍋 〆雑炊
17 痛風丼(昆布森牡蠣、標津いくら、根室雲子)
18 広島太田川天然スッポンお椀
19 大間本鮪大トロ(握り)
20 大間本鮪赤身(握り)
21 能登〆鯖(握り)
22 福岡白イカ(握り)
23 明石の鯛の昆布〆(握り)
24 石川ルビーロマン
25 チリ産チェリモヤ
26 愛媛中山栗銀寄 渋皮煮
27 福岡白イカ ゲソ巻き

本日も1品目の穴子「とば」からスマッシュヒット。
鮭とばのように干してあって旨味がギュッと凝縮されて素晴らしい。
キュウリの浅漬けも抜かりなく美味しいです。

昆布森の牡蠣の濃厚さを燻製で味わった後は本日の主役「アラ」。
キロ1万円の高級魚を厚切りでお造りにしてくれます。
醤油に少し浸しただけで醤油に油が広がるほどオイリーでノドグロのよう。

しかし刺身で食べるには脂っ濃すぎるノドグロとは異なり、
アラは刺身で美味しいバランスの良い脂ノリで上品な味わいながら力強い。
魚のお造りとして横綱級の美味しさかも知れません。

星鰈は今季最後のようです。
肝刺しの食べ比べを楽しみましたがアラの肝のほうが濃厚。
参加者はアラの肝をカニミソのようと評していました、星鰈は意外とアッサリ。

そして星鰈のお造りはバフンウニと一緒に出てきたので、
贅沢にも星鰈のウニ巻きにして山葵と塩で食べてしまいました。
牛肉のウニ巻きが巷では流行っていますが星鰈とウニの合わせ技はそれ以上。
こんな組み合わせを楽しめるのも同店ならではでしょう。

素揚げした海老芋と松茸をドッサリ入れたお椀は相変わらずハイレベル。
吸い地は鮪節と羅臼昆布で吸い口が柚子の皮のようですが絶妙な味わい。
香り高い松茸とも合って鮨屋なのに高級和食店のお椀を超える美味しさ。

毛蟹、キンキと北海道の恵みが続きます。
キンキは実山椒たっぷりの煮漬け、脂が乗って蕩ける身が堪りません。
目玉の周りのゼラチン質も素晴らしい味わい。

ここで久しぶりの鰆(サワラ)の藁焼きが登場。
魚に春と書く鰆は春が旬と言われますが冬のほうが脂は乗っています。
その脂が藁で燻されて適度に火を入れることで抜群の美味しさに。
去年は火入れがレアーに過ぎるように思いましたがその点もきっちり改善。
日進月歩でお店もパワーアップしているようです。

秋の味覚の王様「松茸」は明石の鯛の潮汁にもプラスされていました。
明石の鯛と松茸の共演なんて上手くいくのか半信半疑でしたが、
これが美味しいのだから驚きです。

天草の天然鰻(海鰻)は捌き立て。
新鮮なので肝も美味しいですし白焼きはいつも通りの絶品。
鮨屋ならではの赤酢のシャリと合わせた白焼き丼に。
白焼きに関しては鰻専門店の中でもトップクラスの魚政(四つ木)以上。

同じく捌き立ての広島太田川の天然スッポン。
内臓のソテーが純な味わいかつ旨味濃厚で最高でした。
身やエンペラなどを生姜とシンプルに合わせたお椀も流石の美味しさ。

アラのアラは鮪節、鰹節、羅臼昆布の出汁でアラ鍋に。
目玉の周りのゼラチン質を口にするとネットリ蕩けて旨味が爆発。
先ほどのキンキの目玉を凌駕する美味しさで驚愕しました。
清蒸にしたネズミハタの目玉にも匹敵する美味ではないでしょうか。
〆はシンプルに米だけで雑炊。

握りの前に、昆布森牡蠣、標津いくら、根室雲子で痛風丼(ヤケクソ丼)。
牡蠣も雲子も生なのですが生臭さはほとんど無くて美味しい。
これだけ個性的な食材が丼の上に揃っても不思議とケンカしないです。
海鮮丼専門店でこのクオリティの丼を求めたら何千円になるのでしょう。

天然鰻の白焼き丼に痛風丼とシャリを使い過ぎてしまったようで握りは5貫。
鮪は大間の本鮪、鯛は明石の鯛。
素材が一級品なのもあるでしょうが握りとして十分に評価出来る美味しさ。
シャリがこぼれていたりと見た目の美しさは高級鮨店に劣るとしても、
味に関してはそろそろ高級鮨店のレベルに近付いてきているのではないでしょうか。

水菓子はルビーロマン、チェリモヤ、そして中山栗銀寄の渋皮煮。
1粒(1房ではない)800円前後の最高級ブドウ。
森のアイスクリームとも呼ばれる世界三大美果の1つ。
中山栗の中でも選りすぐりの銀寄。
これらが一度に味わえるお店が他にあるのでしょうか。

シャリが少しだけ残っていたようで白イカのゲソでゲソ巻き(太巻き)に。
ゲソと海苔が容易に噛み千切れないので食べている途中で崩壊しましたが、
味に関しては超絶な美味しさで大満足、ゲソ丼以上かも知れません。
カレンダーがまだ無いのに来年の予約まで入れてしまいました。
訪れるたびに2万円を超える散財となりますが、それでも安く感じる稀有なお店。
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