レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2016/07訪問 2016/09/27
今年の7月に初めて行きました
スペイン料理といっても、モダンガストロミーという先鋭的な分野で、イメージが俄然変わります
サンパウの料理は全体的に見て、美しいです
味の繊細さ
味のバランス
食感の繊細さ
盛り付けの美しさ
色々な面で驚かされます
特に驚いた料理は...
シラス 静岡
そば粉のガレッタがすごく薄い仕上がりになっています。サク、ではなく小さく音で「サラサラ」と細かく砕けながら、シラスと交わります
それが「な、なんか違う!」という繊細な食感を作っています
じゅんさい 秋田
じゅんさいとマジパンを浮かせたひよこ豆のスープです。豆をスープにすると、小さな粒が出来るはずですが、普通に裏ごししたり、布で絞っただけではないだろうなぁ...と感嘆します
食べてて「どうやって作ったの?」という疑問符が駆け巡ります
枝豆 新潟
カマボコを切るようにスーッと切れる石鯛のソテーがとろけるような味わいもさすがですが、枝豆のソースが滑らか過ぎて、凄すぎて笑ってしまいます
枝豆の味はしますが、独特のコクがあるので、マカダミアナッツをこれまた形も粒も消し去って隠れていると思います
枝豆の形に固めたゼリーがつるんとして、食べてて気持ちいいです
イチジク 佐賀
イチジクが私の知らないイチジク。形は原型をとどめていますが、ペーストしたような滑らかさで口の中で広がっていきます
舌の上で崩すガローチャチーズがイチジクの中に沈んでいく様が、旨いとか美味いとかではなく、すごいです
八丁味噌 愛知
ヌガティーヌが紙のように薄くて、どうやって焼いたのか、割らずに盛り付けたのか、全然作りかたが想像できない
食べると簡単に、細かく砕けるんですけどね
この薄く、細かく作れる高い技術が、サンパウが味だけではなく、独特の食感を作れるのでしょうね
点数に「テクニカル」ってあったら、5.0付けたい
世の中には、こんな凄い料理があるんだな、という感嘆の連爆でした
気軽に行けるほどの経済力ではないので、気軽に行けないですが、ぜひ、また行きたいです
3位
4回
2021/04訪問 2021/05/03
お友達が「ウシマル行ってみたい」ということで、再訪しました。仕事が休みの平日、空いてるかな?と思ったら満席でした。恐るべしウシマル。お友達を途中で乗せて、千葉東金道路->銚子連絡道路の松尾横芝ICを降りたら、あと10分たらず...と思っていたら、ミスってスルーして横芝光へ直行、10分ほどロスりました...
今回はランチ6000円コースにノンアルコールペアリング(友達はアルコールペアリング8000円台)6000円台を追加しました。全部お茶で6000円は、ちょっと高いかな?と思いつつ、都内でワイングラス1/3で1200円の烏龍茶を、その店へ行くたび飲んでるので、そういうクオリティに期待しました
今回のコースは以下のとおり
ペアリングは、最初にぶどうジュースが出てきます。ほんのり甘めな味わい
生ハム、わらび - 味わい濃い目のわらびにマヨネーズソースの酸味がいいですね。ペアリングの袖ヶ浦産水出し緑茶がクリアでかなり力強いお茶の味わいに驚きます
新玉ねぎ、アミカサダケ - 玉ねぎの甘みが印象的なスープにアミカサダケのフワッとした食感。ペアリングの港口茶(沖縄)は沖縄らしいクセのある味が意外なマッチング
コノシロ - 比較的淡白な味わいの魚でしたが、添えてあるチーズのコクと凄く合いますね、唸ります
ここでフォカッチャ(おかわり自由でこの日は5個食べました)が来ます。香りがいつもいいですね~
孟宗竹、ヤングコーン - 孟宗竹は味わいがタケノコに似ていますが、味の濃さが全然違いますね、これも唸りました。ヤングコーンの穂先がいい感じの柔らかさ。ペアリングのコーン茶とも合います
飯岡産イイダコ - プルプル食感のタコにさやえんどう(?)の青みがいいコントラスト。ペアリングは、アルコールを飛ばした無農薬レモンサワーがスッキリとした味わい
モクズガニ、自家製カラスミ - カニの味わいと辛くないマイルドなカラスミがいいマッチング。ペアリングは玄米茶で、クセがなくて飲みやすかったです
鴨、ささみ、子牛レバー - メインの肉と勘違い。レバーはプルプル食感で比較的クセは無いです。鴨は肉の味が濃く、ささみはさっぱりと仕上げたコントラスト。ペアリングのよもぎ茶はクリアなよもぎの香り
イシダイ - 昨日上がった石鯛で、身の弾力が印象的でワイルドな白身。添えてある昆布でまったり。ペアリングに出てきた昆布茶の濃厚な香りに唸ります
ダイヤモンドポーク、イカスミラビオリ - 豚肉は濃厚な味わいにイカスミのコクがいい相性ですね。茨城県猿島産の烏龍茶はスッキリながら力強い味わい
ウシマル畑のサラダ - 今回はしっとりとしたサラダで、ドレッシングのほのかな酸味
ジャージー牡のグリル、ソーセージ - ワイルドな食感と味わいで、ソーセージも肉感がしっかりしています。ペアリングは炙り烏龍茶で、目の前で茶葉をバーナーで炙ります。スモーキーな香りの烏龍茶は斬新な味わいで、想像よりも苦味がなく唸ります
山椒のシャーベット - 山椒は柔らかい香りでスッキリとした味わい
フルーツトマトと花山椒のパスタ - 今回のパスタは全粒粉かな?しっとりとした食感で、トマトの甘みと花山椒の爽やかな香りに唸ります
ミルクアイスとヨーグルト - スッキリとしたミルクアイスにヨーグルトのコクがとても合います。いつ食べても美味しい
ウシマルならでは!っていう破壊力あるオリジナリティの料理が出てきますね~。ペアリングのお茶がなかなか飲めない味わいで、前からあったみたいなのですが、ここの麦茶が好きでそればっかり飲んでました。次来たときも、このペアリングは外せないなぁ~。お友達は感動してました。また、来ると思いますので、よろしくおねがいします。ごちそうさまでした
久しぶりのウシマルです。かれこれ30ヶ月経つので、黒毛和牛なら出荷しているブランク。今回はマイレビさんと待ち合せて家から車で1時間半ちょっと、いつもの畑が見えるのどかな風景のお店
今回はランチ6000円コースを事前予約しました。今回のコースは以下のとおり、それにしても内容が6000円とは思えない品数はさすがのコスパ
飲み物は無農薬麦茶。スッキリかつ滑らかな味わいで子供の頃に母親が作った麦茶を思い出します
あや姫自家製からすみ - 糖度の高いあや姫という品種のサツマイモにからすみを合わせています。甘さと塩のコントラストにしっとりとした食感
ホシガレイ - ふんわり食感の身が厚いカレイのカルパッチョ。エンガワの歯切れがいいですね
真鴨コルテッティ、自家製フカヒレ、クレソン - これは追加の一品。鴨の出汁がしっかりした一品で塩加減が絶妙
アンコウグラタン - 小さくカットしたぷるぷるのアンコウに旨味が乗って、スッキリとしたチーズのコクがいいコントラストです。これ旨い...
千葉県産ハマグリ、蕾菜、ロマネスコ、プンタレッラ - ハマグリの濃厚な旨味が野菜に乗った味わい深い一品。滑らかに仕上げたソースのとろみもいいですね
ここで自家製パン(湯気が撮れなかった)登場、旨味が濃い
スミイカラビオリ - イカスミで黒に染めたラビオリをカリッと焼いて、スミイカのソテーに載せた一品。前の一品から食感を変えてパリパリの仕上がりで軽い食べ心地
メバチマグロ、赤大根、山ワサビ - メバチマグロのジュレな食感に山ワサビの辛味が味わいのインパクト
ヒラメ、ふきのとう - ホロッとほぐれるヒラメのソテーに、ふきのとうを使ったクリームソースで滑らかに仕上がっています
サラダ - 温度感、ドレッシング感のいいサラダですね
ジャージー、真鴨、ゴールデンポーク - メインの肉料理。ジャージーは黒毛和牛のエサで育てた旨味を感じる一品。真鴨は薄くしっとりとした皮のコントラスト。ゴールデンポークのソーセージも旨味がしっかりしていますね
白子産幅海苔のパスタ - この日のパスタは幅海苔の食感とムッチリとしたパスタ生地のコントラスト。さっぱりとした海苔の出汁
セロリとホエー - 口直しはセロリのさっぱり感が印象的なホエーで作ったシャーベット
ミルクアイスとヨーグルト、チョコあずき - デザートは二段構成の器で、上は絶妙な温度感のアイスミルクにヨーグルトのほのかな酸味がハーモニー。下はチョコにあずきを合わせた不思議な味わいですが、意外に合いますね
いい雰囲気のお店でいい雰囲気の食事が出来ました、ホントいいお店。ごちそうさまでした
去年12月から再訪問です。ウシマル~。今まで、暮れるのが早い時間しか行ったことないので、道中「こんな感じの道だったんだ」などと思いながら到着。まだ、明るいお店には雲のない空が広がっていました
キンメの鱗パリパリ焼き - しっとり食感のキンメにカリッカリな鱗のコントラストが効いてます
トコブシ、アワビ、鱈の目 - トコブシとアワビの食べ比べ。どちらも柔らかい。アワビが特にみずみずしく、肝ソースは透明感があります
新玉ねぎスープ、ウニ、海藻 - 玉ねぎの甘味が出ていましたね。ウニの甘みといいハーモニーで、海藻の歯ごたえもいいですね
ワタリガニ - カニの旨味がしっとり濃厚。とにかく濃厚。ガッツリ濃厚。
天然キノコとジャージー牛トリッパ - 天然キノコがツルッとしっとり。トリッパのほのかな旨味がバランスを取っています
朝掘りタケノコ、ワラビ - 香りの高いタケノコの味が濃いぃ~ですね。もっと驚いたのは、ワラビが普段食べているのと異なり、とても旨味が強くて驚きでした
ヒラメと山菜 - 柔らかくほぐれるヒラメにとろみのあるソース、そして5種類の山菜が絡みます。ウド、ウルイ、こごみ、ノビル、三つ葉。山菜の味がしっかりしていますね
勝浦朝採れスズキのタルタル - しっとりもっちりのスズキは厚みがあって柔らかい味わい。香草の風味が爽やかに広がります
鹿のハンバーグ、キジ、ジャージー牛 - 鹿のハンバーグは肉の旨味が効いてます。キジは締まった味わい。ジャージー牛は柔らかい食感で、コントラストの効いた一品。サルサベルデ、柚子胡椒、塩が添えられていて、サルサベルデはどれにも合いますね
山椒の葉を使ったシャーベット - 辛味はきつくなく、緑の感じが軽やかに広がります
生パスタ - しっかりとしたコシで味わい深い。かすかな辛味が不思議な広がりをみせます。ソースに唐辛子オイルが入っているそうです
ミルクアイスとヨーグルト → ヨモギ、ピーナッツペースト - ミルクアイスとヨーグルトはシンプルな一品ですが、ストレートなミルク感が爆発します。ヨーグルトの旨味と酸味がサポート。前回まではカカオでしたが、今回はモチモチとしたヨモギにピーナッツペースト。ピーナッツの旨味が凄く濃い味わいでした
毎度、ウシマルならではの素材を出してきますね。また、来ます
-----2016/12訪問-----
初訪問で驚きのパフォーマンスを魅せたウシマル。年内にもう一回行きたい、ということで再訪です
全部に書くとうざいので、それぞれでは書きませんが、素材そのものの旨みが濃いです(各料理でリピートお願いします)
あや姫と生ハム - 何食ったらこんなに甘くなるのか?という位、あや姫さまが今回も濃厚な甘みです。生ハムとのコントラストが見事。先制パンチがズドンと来ます
伊勢海老 - 海老の頭はしっかりと火入れをして、しっぽにかけてグラデーションに火入れがしてあり、食感の移り変わりが楽しめます。味噌が濃くて笑っちゃいます。「うははは、すげ~」と心のなかで高笑い。海老塩はそのまま食べてもいい塩加減で、煎った海老の風味が広がります
そうめんかぼちゃとほっき貝 - ほっき貝がものすごく柔らかかったです。シャキシャキのそうめん南瓜との相性がいいですね
赤西貝 ジャージーチーズ - 赤西貝が柔らかいですね~。チーズ旨みがしっかりしていて、しっとりとした食感です
スミイカ - 今回はイカ墨のソーセージにイカのボイルを合わせています。臭みなんて野暮、野暮
鴨のつみれスープ - 今回最も旨みの破壊力があったと思います。スープはコンソメスープのような力強さがありましたが、つみれでこの味が出るそうです
ハマグリ - 豆をペーストしたソースが新緑のような味わいが、いい餌食ってるな感満載のハマグリに合っていますね
がんぞうヒラメパイ包みトリュフがけ - 潮風がふわっと香る一品。ヒラメの弾力がパイ生地とマッチしています
サラダ - 野菜の甘みと大豆のドレッシングの組み合わせは、本当に食べやすいな、と感心します
ジャージー牛 真鴨 小鴨 - 子鴨ではなく小さい鴨で、そういう種類なんだそうです。ジャージー牛はしっとりとした食感。真鴨は脂身の広がりに悶絶。小鴨は今まで食べた鴨の中でトップクラスの柔らかさにフリーズです。鴨の大群が一斉に横切りました(幻覚です)
口直し 柚子 - ぴりりと口がリセットされますが、後を引かずに走り去っていく感じのすっきり感でした
パスタ - 麺は前回同様、コシが強いかみ心地のいいパスタ。味付けはバターと塩でシンプル...ではない、濃厚な深みでサポートされています
チーズ盛り合わせ - 前回はグリルで満腹でしたが、今回はチーズへゴーしました。フレッシュブルーチーズがやたら旨かったので、少し追加で切ってもらったのは内緒です。鈴木さんに聞いたら、どこかのコンクールで優勝したチーズらしいです
アイス - ミルク感の広がりが凄いです。下にひかれたヨーグルトの軽やかな酸味との組み合わせに悶絶
いや~、やっぱり凄い。うん、凄い
-----2016/10訪問-----
千葉県イタリアンランキング1位
ウシマルへ行ってきました
このあたりは初めて走る土地
期待と不安を交錯させながら...
基本的に千葉県内の素材を使った千産千消の料理を出し、プレフィックスのメニューです
あや姫のオーブン焼き キャビア乗せ - あや姫という品種の芋。凄く濃い!甘み、旨み、そしてテンションも上昇。「素材が良い」カットインが入りました。そして、キャビアの淡い塩味とのコントラスト
生ハムとマコモ茸 - 生ハムの旨みが濃いですね。しっとりさらりのマコモ茸との相性が良いです。ソースは白雪を感じるふんわり感でした
ほっき貝、おおもみ茸、シークワーサー - 海のプリプリ感と山のプリプリの融合体。ほっき貝は、貝が嫌いな人でも食べられると思われる、みずみずしい天然モノ。おおもみ茸の焼き目が香ばしいです
藻屑蟹 トリュフがけ - 千葉県産のトリュフがある、ということにまず驚き。蟹味噌がクリアで強いです。トリュフのほのかな香りが追いかけてきます
イカスミソーセージ むかご - イカスミの濃い旨みが印象的なプリプリ食感のソーセージ。柔らかいむかごが砕ける食感がたまりません
ここで焼きたてパンがカットされます
焼きたての激熱パンは、小麦の香りが香ばしく、冷めてくると周りのカリッとした食感が良くなり、中がモチっとしてきます
天然鰻 山ワサビ - びっくりするほど軽い仕上がりに焼き上げた天然鰻は、透明感のある脂が広がります。山わさびの優しい辛みが二段階攻撃を繰り出してきます
黒ムツ 天然キノコ そば粉 - 香りの良さが第一印象。キノコのツルッとした食感から、黒ムツが旨みとクリアな脂を放ちながら雲のかなたに消えていきます
ヒラメ 山ワサビ - (恐らく)低温調理でしっとりと仕上げたヒラメを凍らせたガラスに乗せています。ひんやりとしっとりのハイブリッドに悶絶
大豆ドレッシングのサラダ - 運ばれてきた時、見た目の鮮やかに、まず驚く一品。生野菜と湯通しした野菜で、シャキッと食感としなやか食感。旨みを主張する大豆ドレッシングのまとまりが凄いです
最初はぶどうジュース、次にペリエ、それから千葉県産無農薬麦茶を飲んだのですが、この麦茶、大麦の味が濃い。大麦畑を力強く疾走する蒸気機関車。過ぎ去った後に見えるのは、碧鮮やかな九十九里浜が見える錯覚
つかの間のタイムトリップ
ゴールデンポークとジャージー牛のグリル - ジャージー牛はオスの去勢です。ゴールデンポークは旨みが強くジューシーです。ジャージー牛は柔らかで黒毛和牛に負けない旨みを放ちます。脂身のあたりがヤバい
山椒とホエーのシャーベット - 山椒がほのかに広がって、後からホエー(チーズの初期段階)の香りが二段階で来ます。
パスタ - コシが強い手打ちパスタで、噛めば噛むほど、美味しい。唐辛子の細やかな辛みにくすぐられます
ミルク ヨーグルトのシャーベット - シンプルですが奥深い一品。すーっと入ってくるミルク感と鮮やかなヨーグルトの酸味のハーモニー。シャーベットの器は凍っていて、器を載せている皿に広茸のムースにチョコが隠れています。広茸のムースはゴマに似た味ですが、少ししっとりした感覚です
コーヒー用の黒糖は九十九里で作られたもので、そのまま食べるとサラサラと崩れる食感で、黒糖のエグみが抑えられています
千葉県内にあるクオリティの高い食材を集めているのを強く感じます。全体的に素材の味が濃いです
生産者との強いパイプを持っているんだろうな、と感心しました
食感の作り込みをかんがみると、シェフがいい素材にターボをかけているな、という感想です
ちなみに、冷蔵庫の食材を見て、日替わりでメニューを決めているそうです
ガラスの食器は全て千葉県産sghr(すがはら)の食器で、質感が凄く際立っていて料理が映えますから、なおのこと美味しく感じます
次回予告!シメのコーヒーに黒糖を入れる!グリルの肉を大きく切ってもらったためにチーズが食べられなかった。次回はチーズを食べる!
先週末、食べログアワードでシルバー獲得が発表されました。食べログアワードは2016年に美味しいと感じた上位3店を投票します。この店は席数が14席しかありません。席数が倍あれば投票できる人は倍いますから、アワード取るには大型店は有利なわけです。席数が少ない小さな店ほど、アワードでの価値は高いといえます。この店に来たお客さんが「一番美味しい!」と思わせるハイレベルな料理を提供する力があるわけです。(内緒ですが、私は1位に入れました)
今回も悶絶でした
生ハム - ハムの旨みがじんわり広がる、最初のジャブ、という感じの一品でした
カカオ - 絶妙な固さのカカオドームから広がるマッシュルームのほのかな甘みに今回も悶絶でした
洋なしとフォアグラ - 弾力が心地よい一品。一見「合うの?」と思わせる洋ナシが、フォアグラを上品な甘みと柔らかな酸味で切れ味のいい後味に仕上げています
グリーンピースとスナップえんどう、つぶ貝、クルトン - 春の芽吹きをイメージした料理。少し冷製仕上げから弾けるようなグリーンピースが、まだ冷たい地面から芽吹くような錯覚を起こさせる、ぶっ飛びの食感。目の前に静かな高原で小さな芽吹きを見ているような錯覚に陥ります。細長く切ったつぶ貝のしっとり&プリッ感に、高原の爽やかで少し冷たい風を見る感覚
鱈の白子 - ミルキー感を感じる白子の甘いコクにフリーズです。上にかかったフリットが少し柔らかさを残して揚げていて、もさっとした食感を消すために、大根(?)か何かを湯通ししてシャクッとした食感を与えています。妖精が羽根を広げて舞い始めるような感覚。人生の危機に走馬灯が流れた時、この料理が出てきそうな気がしました
鰆、押し麦、大根、春菊ソース - 43度で火を通したサワラはしっとり、押し麦がプリッとした食感。生姜のピリッとした辛みが流星群のように弾けながら、はかなく消えていく感覚。じっと星空を見つめてしまう
京鴨、金時人参、発酵にんにく - 発酵によりニンニクのにおいが消せて、旨味だけを出せるそうです。鴨が上品で柔らかかったですね。皮もしっとりと歯切れがよく、驚きました。鴨の上品さと金時人参の甘さが合います
ピロシキ - 同じ鴨から作ったピロシキですが、上品過ぎて笑っちゃう一品。揚げた衣の食感が独特の低反発で、これが驚きでした
オレンジ、レモングラスのムース、菊の花、生姜のスプレー - オレンジの甘味と酸味に、キリッとしたレモングラスのムースが乗せてあり、菊の花、そして仕上げにしょうがで作ったスプレーをかけてあります。冷たい湖の湖面に花びらが流れるような感覚を受けます
カカオのデザート、じゃがいも、玉ねぎ - 説明で「砂糖を使っていません」という前置きに、カカオを使いながらもさっぱりとした味わいかな?と思ったら、甘みがしっかりあります。玉ねぎから作った甘みは他のデザートとは異なるコクの甘み。カカオのドライな食感とジャガイモムースの織りなす食感の融合も凄かったです。感動しました
ビーツ - 形は洋なしとフォアグラに似ていますが、下に薄いビーツ、中のムースは爽やかな酸味で、満腹な人には最後の一品に相応しく、私には「コースをもう一周したい」と感じる一品
シェフが作る食感と味の組み合わせには、これは夢?魔法?という感覚になります。味覚神経をブンブン揺さぶられる演出には、ひたすらに凄いな、と...感嘆するのみです
私への影響度がトップレベルに強いレビュアー様の、高評価レビューに惹かれたお店
私は呑まないので大概車で来ますが、19時で止まるパーキングメータがあって、宝町ランプも近くてアクセスいいです
入り口はクリスマスツリーが飾られ明るいですが、お店の中はシックな照明抑えめな雰囲気です
飲み物はミネラルウォーターが主ですが、良い銘柄があると嬉しいですね。シャテルドンスパークを頼みました
オリーブ - 形が面長なフルーティーなオリーブです。なんか、気分はイタリアン
マッシュルーム - 写真を間違って削除してしまい、載せていません...硝子の器に白い石が詰められていて、上に白い真円の玉が乗っています。殻はカカオバターで、ムーズのマッシュルームが入っており、一口で行きます。甘くないですが、割れる食感はまさにチョコレートで、マッシュルームの旨みとトリュフの香りが広がります。カカオの薄さにテクニカルの高さを伺わせる一品
豚の皮揚げ - 3日間乾燥させた豚の皮を揚げて、上にホタテを削ったパウダーをかけています。ややしっとりとした食感で、後から豚の香りがやってきます
このあたりまでは、結構冷静に「うん、美味しい」という感覚でした
香箱蟹 - 香箱蟹の旨み強いです。一緒に入っている角切りの野菜と泡立てたムースの一体感。際立った味付けはないのですが、香箱蟹の味一辺倒という訳ではなく、得体の知れない美味しさに体がざわつく感覚を覚えます。百聞は一食にしかず、ということわざが脳裏をよぎります
鰆 - 42度のオリーブオイルで一時間低温調理した鰆。上はコリアンダーです。食感は生のしっとり感ですが、味は火が通った感じに仕上がっています。鰆の旨みを爽やかなコリアンダーが引き出しています。キッチンで黙々と造っているシェフが「どう、美味しいでしょ?」と、私の味覚神経を直接触れてきた錯覚に陥るような絶妙な一品
タラの白子 - 今まで一番旨いと感じた白子は、トロッとして旨みが溶け出す感じでしたが、この白子はフワッと軽く舞い上がるような食感で、初めての感覚でした。上に乗った揚げたもの(何だか忘れた)が見た目の想像よりも軽く柔らかく、天空への誘なわれるような錯覚
ナメタカレイ - ケールを揚げて載せています。下にしいたけのソースがひいてあり、丸いのは卵黄のソースです。しいたけのソースは柔らかい風味のしいたけが心地よく、卵黄は低温調理で火が通り切る直前で、半熟卵のようなストレートな味ではなく、ほのかにスパイスが効いた感じで卵黄のコクが引き出されています。このソースがカレイの旨みによく合います。今週、平日に食べたものの記憶が飛び、天使が祝福するかような幸福感に包まれます。生きててよかった、神様ありがとー
猪 - 猪でここまでキメの細かくて柔らかい肉があったのか?と驚きました。隣に脂身がカットされていて、甘さに二度目の驚き。ソースで引き出されたのか、本来の甘さなのか?今までで、最も甘さを感じる脂身でした。また、知らない世界へ足を踏み入れた...
猪の肉が柔らかすぎて、ナイフに押されてしまったので、ナイフに切れ味がもっと欲しいなと感じました
オレンジ - 炭酸につけてマリネしたオレンジのプレデセールです。上にビールの泡で作ったムースがあり、お店の方の説明では「これ単体では凄く苦い」というのを確かめました。確かに苦い、でも、オレンジの甘味と不思議なくらい一体感を出しながら、ほのかな炭酸が広がります
アンデスカカオ - インカのめざめなどで作ったペーストに炒ったアンデスカカオを乗せたデザートです。かすかな甘味とカカオの優しい風味、ペーストとパウダーが融合する瞬間、脳内で雷鳴を聞く衝撃が走りました
今まで、衝撃的に美味い!!!と最も感じたのは、今は閉店したブルガリカフェ表参道のカクテルグラスに入った小さなパンケーキでしたが、その衝撃波再びでした
さつまいもにシナモン - 中はペースト状のサツマイモで、シナモンで周りを固めたお茶菓子です。アンデスカカオでパンチドランカー状態だったので、記憶がほとんどありませんが、サツマイモの甘みとシナモンの爽やかさが印象的でした
他のレビューでも、柔らかい食感とか、優しい味とか、同じ言葉を使ってしまいますが、シック プッテートルの料理はプラスアルファを感じます。複数の論理で一つの答えを出すような、集中した一点の濃密な世界へ誘ってくれます
すっかり、この店のとりこになったかもしれません。これはシック プッテートルの料理への、恋かもしれません
お店を出るときにシェフが挨拶してくれて、いい年してテンション高めに褒めちぎる私は、はたから見たら、変かもしれません