口福ヤマトモさんのマイ★ベストレストラン 2016

福岡口福倶楽部のレストランガイド

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

趙楊 (新橋、内幸町、汐留 / 中華料理、四川料理、火鍋)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2016/11訪問 2016/11/08

趙楊(新橋) 四川料理の頂点の一つ

●訪問回数1回  移転前4回

常連さんの宴席「発酵料理を楽しむ会」に混ぜてもらいました。

衝撃の料理のオンパレード 中華って深い。

前菜は、芝海老の和え物、ブロッコリーのトリュフ和え。キュウリの漬物、鶏の発酵したものの山椒煮。雪蒟蒻と黄金ピータン。湯葉と鯛の発酵したものの煮込み。クラゲの巻物、豚肉の納豆漬け焼き。
胡瓜一つ手をかけてました。

スープは、13種のキノコだけで10時間以上出汁を取り、アガリクス、モリーユ、キヌガサタケの胎盤、燻製した椎茸を入れて蒸したスープ。茸の旨味爆弾。

ナマコとラオジャン、ドウジャン、チントウラージャン(青唐辛子の醤)で煮込んだもの。衝撃的

鶏の発酵したものと、バードウジャン(ソラマメを発酵したもの)と煮込んだもの
キムチのような乳酸発酵の香りが凄い。

発酵魚の干焼煮込み 自家発酵させたものを素揚げして煮込んだもの
 発酵で溶けた身が凄まじい香りと旨味を出すウォッシュチーズのようだ。

発酵豚肉の回鍋肉 中国のトリュフを入れて
 冷めてくると酸味と旨味が押し寄せる。ご飯が進む

陳麻婆豆腐香りが素晴らしい。四川料理は香りが命

坦々麺 混ぜれば混ぜるほど香りが出てくる不思議な麺。

黄金粥 上海蟹みそとクワイと干し貝柱とフカヒレを入れたお粥 絶品

金木犀と紅薔薇の香りの饅頭餡は緑豆で香りが素晴らしかった。生地の香りも重層的に色々な花の香りが出てくる。

これで少し飲んで17000円ほど。申し訳ないくらいです。

今回は特別な宴席で、いつもとは少し違うらしいから、次回は、なんとか自分でセッティングします。

四川の奥義を体験したい人は是非行かれてください。荻野さん連れて行きたいな~。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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2位

避風塘 みやざわ (大江橋、北新地、東梅田 / 中華料理、海鮮)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2016/06訪問 2016/06/09

最高の職人が作る広東料理の名店

●訪問回数1回

いやーいいもの見せてもらいました。そして食べさせていただきました。
自分の経験した中で、最高の広東料理の一つです。

10000円のおまかせコースをお願いしました。

前菜4種 
 鱧の揚げたもの 沙茶醤絡め
 アボカドとホタテの和え物 生クリームとレモンを使ったということだがバランスが素晴らしかった。
 叉焼 下に二種類の豆 緑豆の甘く煮たのは初めて食べたがすごく旨い もちろんチャーシューはジューシーで素晴らしい(火入れもギリギリのところを狙ったものでジャスト)
 トコブシの炊いたもの 干しトコブシだったかもしれない。ネギとショウガをアクセントに

点心2種 
 叉焼包の餡を胡麻団子に入れて作ったもの すごい発想 参りました
 ルー水で煮たウズラの卵を入れた焼売 これも絶品、ちょっと燻製香のような卵の香りが癖になります

くみ上げ湯葉の二種類のウニ和え 湯葉が清々しい味 これに先ほどの乾燥鮑の戻し汁を使ったソースをかける 旨みが重層的になります
 ウニはバフンウニとムラサキウニ

マグロの腐乳ソース この腐乳ソースが素晴らしい深みがあって魚の旨みを何倍にも増幅する。ついている揚げネギがまたいい仕事してます。

フカヒレとシラサ海老の煮込み あっさりとした味。広東と上海のハイブリットの作り方とのこと。フカヒレも贅沢に使っていて味は極めて淡味。

赤ヒユ菜のスープ キスの子と身の素揚げが入っていて、旨みを補強している。スープは淡味の極み。まるで自分が試されているような、澄み切った繊細な旨みを感じました。

北京ダック 皮の食感が素晴らしかった。そして春餅の薄さ、こんなに薄いものは見たことがない。ご主人によれば、北京ダックの味は皮と春餅の生地と甘味噌が調和して初めて完成すると言われていたが、生地が薄いのでもっさり感がなく、皮の食感と旨味を存分に味わえます。

野菜の卵白の茶巾包み 白エビと賀茂ナスとグリーンアスパラを薄く焼いた卵白の皮で包み岸和田のそら豆のソースを添えたもの
 野菜の甘味香りが素晴らしく、これも繊細な料理でした。

カエルのハムユイ風味炒め ハムユイの香りを見事に引き出し、カエルは中低温で火入れされ、ぷりぷりの食感が初めての味でした。

ワタリガニの避風塘風味 スパイスと衣が全然油っこくない。バランスの良い味

イサキの清蒸 ソースがよく見るものと違ってすごくマイルドで旨すぎる 豆腐も美味しく食べられるがそのあとに驚愕のメニューが!!

目玉焼きご飯 残った清蒸のソースをこれにかけて混ぜて食べるように言われる。この目玉焼きは、ご主人が一つ一つ丁寧に焼いていた。
 黄身と白身のやわらかさが同じようにとろとろに仕上げられていて混ぜると、陶然となる味だった。生涯忘れられない味でした。

デザートは三種から選択
 杏仁豆腐は表面のパチパチしたお菓子が面白かった
 ウーロン茶のシャーベットはかなりお茶の濃さがあって食後にさっぱりさせる。桃の種をしっかり炊いて柔らかくしたコンポートにも驚愕しました
 マンゴープリン 濃厚で旨かったです。

この方の料理の哲学、技術が素晴らしく、未経験な方は絶対に行くべきです。 

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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3位

初音鮨 (蒲田、蓮沼、京急蒲田 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2016/01訪問 2016/01/10

ここでしか食べられない江戸前鮨、伝統と革新の融合が素晴らしい

●訪問回数3回

蒲田の初音鮨 前日に電話したら、たまたまキャンセルが出て6年ぶりに行ってきました。いやー凄かった。全国に何人かいる「変態鮨職人」の一人です。

特に面白かったのが、シャリの変化に対する考察と、ネタの提供温度に徹底的にこだわります。
食べ方も、ネタから舌の上に載せて5秒まって、魚本来の味わいを確かめて噛んでくださいと言われます。確かにこの食べ方だと、魚の味、香りが直接分かって目からうろこでした。煮切りもネタの半分くらいしかつけないので、意図してやっていると思います。

まず炊き立ての合せたばかりのシャリだけでてきます。水気を含んで、シャリと塩や酢もまだなじんでない。これが徐々に水分が取れてきて、なじんでいく過程でベストな相性のネタを合せていくのだとか。

まずコハダ 少しフレッシュな感じ。ネタを先に味わうことで、コハダ本来の味がわかります。酢はそれほどきつくなく、むしろコハダの野趣を感じます。コハダは年明け4日から揚がっていて、今日のは〆て3日目のものなのだとか。4日目5日目がベストと言っていました。中骨が酢で溶けて、身の方に旨味として残るのだとか。

赤貝は宮城県の物。貝柱とヒモと握ることによって、香りを際立たせたいとのこと。
クエ(4キロ) はきれいな熟成をしてます。大皿の上にネタを並べてしばらく置いていて、30度くらいで脂を活性化させて握ります。脂も程よく臭みの無いきれいな熟成です。
焼き牡蠣の握り カキバカ三代という会社の牡蠣で、取った牡蠣を一旦50度くらいの水で洗って海に戻しているのだとか。そうすると、表面に着いたものが取れて、牡蠣が餌を取り込みやすくなる。これを低温で焼いて、握る。臭みが一切ない、牡蠣の鮨で一番感動した。
カワハギの鮨は、肝の合せて握る。肝はクリアーで濁りひとつない。カワハギも天然もの(5%しかないらしい)で食感と旨味がよかった。

鮪は塊で仕入れて、それだけで100万弱とのこと。赤身とヅケ、中トロとヅケ、大トロとヅケの炙り と他の鮨の合間に出てくる。漬けは古法で湯霜にして漬けにする。もともと天平年間でマグロが取れすぎて、保存処理するために生まれた技法とのこと。 切り出した赤身や中トロ 漬けにすることで旨味が高まったものも素晴らしかった。そしてマグロを舌の上に乗せることによって、直に鮪の味が感じられたのも良かった。

鱈の白子と白トリュフ 白トリュフを使うのはこれが最後とのこと。これはもう凄いとしか言いようがない。香りも素晴らしく極上の白子の純度の高い味と溶け合い声も出ない。

1.5キロくらいの毛ガニを丸のまま蒸して、味噌はシャリと合わせて、身はその上にほぐして載せた握り これも毛ガニの魅力を余すところなく伝えた逸品だった。

ブリヅケは15キロ超の寒ブリを漬けにしたもの。これも味わいが素晴らしかった。

鮪の木端のすべての部位を入れた巻物も凄かったし、干瓢巻も甘口できちんとしていた。最後に芝エビのたっぷり入った香りのよい玉子で終了。

鮨代21000円 原価率は実に8割だそうだ。再訪必至の店だ。

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ちょっと間隔が空いているので、近日中に再訪しなくチャと思っているのですが、なにせ予約が取れないことが多くて困っています
若い主人の進取の気質あふれる江戸前寿司です。

剣先イカ イカの甘味を感じる。塩だれで食べさせる
マコガレイ 真子を加えて旨みを増しています
マグロのヅケ 大間の良質なもの ヅケは湯霜にして漬け込む
本ミル貝 香りよく美味
シマアジ 脂がのっている
コハダ 〆方が浅め
カツオ 香りが素晴らしい 3BH
甘海老の昆布締めと内子の握り 旨みが増幅され美味
金目鯛 皮をつけたもの
小柱 大粒の小柱
鱧と真子 旨み増幅
煮蛤 蛤の出汁をしっかり感じるあっさりとした味付け
アジ 普通にうまい
〆サバ 全体的にしめものは好みより少し浅めだったかも

二種類の北海道のウニ 軽く蒸して握ったもの とろける食感
蒸しアワビと肝のソース 肝の旨みが昆布の旨みを凝縮した味
マグロの各種漬けの巻物 海苔の旨みが素晴らしい 青海苔が少し入ったための旨みだそうです
干瓢巻き 普通にうまい
玉子 芝エビの甘味が素晴らしい

シャリは赤酢を少しつめて、濃くしたもの。米は旨い。握り方も上手だ。新たな息吹を感じさせる味。私の好みよりシャリの酸味がやや少な目かな?あー早く再訪しないと!!

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

近松 (薬院大通、桜坂、薬院 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥8,000~¥9,999

2016/09訪問 2016/09/18

円熟の境地

●訪問回数20回以上

予約がとにかく至難になっているので行くのも大変です。

半年ぶり位に伺った。

開店してすぐに行き始め、しばらくは年に4-5回ペース、ここ数年は予約が困難になってきたことから年に2回行くのがやっとである。

 開店して14年になるそうだが、7-8年目を過ぎた頃から、寿司が完成されてきた。季節によって、いくつかの品々は入れ替わるが、大筋のつまみ4-5品 握り14-5カンというおまかせコースの流れはほとんど変わらない。

 しかし行くたびに完成度が上がっている、同じように見えるものでも別ものと感じるレベルまで磨き上げてきている。

 仕事をしたネタは滋味あふれる味で、調味料や素材の旨味が尖がった味のものが一つもなく、優しく かつ 深い。

派手な素材やパフォーマンス一切なくて、これほどまでに感動させるというのは、相当な修練と細かな作業の見直しを長年途方もないほど繰り返してきた結果だろう。あたかも クラシック音楽やバレエの基礎動作の途方もない反復が芸術を作り上げる様に似ている。

 自分はこの4-5年の間でこれほどの完成度の寿司を果たして食べただろうか? それくらいの境地に達していると思った。
(写真NGなので写真が何もなくてすみません 想像してください)

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5位

中華杉本 (橋本、次郎丸、下山門 / 中華料理)

2回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥8,000~¥9,999

2017/02訪問 2017/03/04

中華杉本(西区生松台) 福岡の至宝の広東料理

杉本さんとはもう16年の付き合いだが、福岡でここの料理が食べられるのは奇跡だ。
香港でも稀ではなかろうか?
自分が広東料理店(SESSION)のプロデュースしているので良くわかるが、このレベルを維持ししかも進化しているのは大変なことである。

いつもの胡桃の麦芽糖炒めからスタート ラードで炒めてあるのでうま味がすごく、シャンパーニュによく合う。

活けヤリイカの海老包み揚げ 

ヤリイカを皮に見立てて海老すり身を包んであげてある。ニンニクの香りと赤パプリカのアクセントが素晴らしい。このソースは広東の古い技法とのこと。

スープは乾燥キヌガサタケの上湯スープ

 あーもう肉のエキスが詰まっているのに、えぐ味や嫌な部分が微塵もない 脱帽。

活けアカハタの蒸し物

 活けものを前日に神経抜きして今日蒸したもの 身質が素晴らしく圧巻の存在感。
 ソースも旨く、買ってきたパンで拭ってむさぼり食べた。

活け鮑とつぼみ菜の自家製豆鼓醤炒め

 豆鼓がうま味がしっかりしているがどこか優しい味 鮑の食感も最高

魚の浮袋と穴子、冬菇の土鍋煮込み

 うま味爆弾。穴子の質もよく冬菇もジューシー 浮袋の食感が超絶

赤鶏のルー水風味 パリパリ揚げ

 肉質が素晴らしく皮の処理も素晴らしかった。

ハムユイとオリーブ醤のチャーハン

 ジャスミン米を使ってパラパラでしっとり。うま味が深い。

ローストしたカシューナッツのスープ

 ほっとするデザート。スタバのヘーベルナッツ風味のマキアート的な味 もっと上品ですけど。

正直なところ、杉本さんは、広東料理の根幹と言われる 和味と鮮味を上手に取り入れていると思う。

和味 調和の取れた味 五味すべての場合といくつかの味の構成の場合がある
鮮味 新鮮な素材のうまみを引き出した味

この店が評価できない人は、広東料理のことがわかってないと 自分は思います。
一緒に行った、東京の一流和食店の若手料理人は、もう感動・感激しきりでした。
あるミシュラン二つ星の和食シェフは、鮨など含めてトータルで「福岡で一番に行くべき店」と評価してくれた。
東京にもこのレベルの広東料理を出す店は、思いつかないとか。


●訪問回数20回以上

 この店の味の深みは、香港や日本の名だたる中華を経験してなお、経験したことのない調理・料理が多数ある点である。そのため、中華の深遠を経験したい人は、是非行くべき店である。(一般的な日本の中華が好きな人には合わないかもしれません)

2016年 7月再訪問 やはり凄い。年々複雑さが進化している。

皮つき生ピーナッツのルー水煮

弥生豚 桂花梅醤風味 杉本さんには珍しく前半戦でガツンと濃い味付けで旨い

フカヒレの姿煮スープ 出汁は濃厚な旨み 若干塩辛いが金華ハムからでた塩味だけとのこと
フカヒレは最近食べてない吉切サメのもの

活けアラの清蒸 1.5キロもの脂と旨味の乗ったアラ。ぷるっぷるのゼラチン質 ソースもたまらない。

天然車エビとヤリイカのニンニク風味蒸し。繊細な味つけで滋味深い、素材の良さが際立っている

糸島さんゴーヤと黒豚と棒葱 オリーブ醤と自家製豆鼓醤のソース
 バランスが取れたいい味。ゴーヤの軟らかさが印象的

佐賀赤鶏の南乳風味 定番の味 皮はパリパリ 肉はしっとりで 胸肉もジューシーな仕上げで脱帽

ご飯ものは干し貝柱と和牛ほほ肉の煮込み 濃厚な味 お米がぱらっぱら

デザートは杏仁の温かいスープ これも癒しのデザート 体の中に染みわたる 薬膳的

 杉本氏が香港そのほかで経験した多彩な料理を、彼の独自の解釈で表現したその料理は、唯一彼だけが作れるもので、他のお店の料理とはまるで趣を異にする。行く度に新たな発見があり、中国料理の深さを思い知らされている。

ある日のメニュー 料理1万円 変わった味の調味を中心に。スープと上湯煮込みはメニュー指定でお願いした。

胡桃の麦芽糖を使ってキャラメリゼして白ゴマをあえたもの 定番もの 濃厚な風味

久山豚のスペアリブの揚げ物 自家製乾燥イチジクの醤和え どことなく洋風の料理のようだが、スパイスの使い方などが中華である。イチジクの醤も素晴らしい味

長崎産内腿肉と青絹豆腐の上湯スープ 福臨門の西湖牛肉豆腐羮を彼なりのアレンジで作られている(今回リクエスト)。牛肉の味がより凝縮し、やわらかく、独自の味となっている。出汁は旨み爆弾

玄海産黄アラの欖角入り自家製オリーブ醤蒸しレモンの風味
 欖角というオリーブを発酵して固めたような調味料に自家製オリーブ醤とトウチを魚の上に塗って蒸してある レモンの風味を入れて仕上げてある。ものすごく旨い

活けヤリイカの自家製蝦膏醤炒め
 オキアミを発酵させて固めたような醤で、旨みが素晴らしい。イカもぷりぷりで旨い

糸島産ズッキーニのスープ蒸しと春雨の大地魚粉末入り上湯かけ
 これもリクエスト。大地魚はカレイの干したようなもので魚の旨みが凄い。スープが極上で、ズッキーニと春雨がスープの旨みを吸って超絶。そこに大地魚の香りと旨みが乗ってダブルコンソメとなる

佐賀麓赤鶏 漢方香辛料煮(滷水)の紅茶風味燻製 自家製たまねぎソース添え
 いったん滷水にしたものを紅茶で瞬間薫製している。写真を見ると分かるが骨髄が赤いぎりぎりの火入れだ

乾燥牡蠣とどんこ椎茸の金華ハム蒸し 黒豚入り自家製鮑汁 伊府麺
 牡蠣や干し鮑の旨みがすばらしい 旨みをしっかりすった極上の煮込み麺

緑豆と乾燥百合根の陳皮(10年もの)と乾燥どくだみ風味のお汁粉
 陳皮は他の料理でも使われているが、時折顔をのぞかせて口の中を爽やかにさせて消えていく
 甘み控えめで滋味のあるお汁粉。

うーん どの料理もすさまじく旨いのです。しかも自分の知らない調理法などを駆使してくるので、自分にとっては唯一無二の存在です。

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個人的な嗜好の問題もあるが、杉本さんの作る(中国)料理は日本で食べられるものとしてはトップクラスのものと考えている。

東京や大阪のどの店でも味わえないものが味わえるし、香港に行ったとしても、ある部分は超えている特に日本人に合うという点では。

丁寧に取った上湯(出汁)を武器に、薄味で素材の持ち味や香りを生かす料理、多種の調味料や漢方素材(生薬)を駆使して、多彩な味を堪能できる料理を混在させた、バラエティに富んだメニュー構成となっている。

あえて地元の食材を使って挑戦し、ある部分では本場のものを越えていると思わせる(特にアコウの清蒸やツガニの料理)ところも優れた点である。

訪れる度に感銘を受けるのはスープである。

冬瓜と朝引き鶏の摺り流し上湯スープは繊細かつ深みのあるスープで、残り香がどこまでも続き深みが全く違った。

冬瓜はぶつ切りと摺り流しの二種類の形で入れられていて食感の対比が素晴らしかった。

ヤリイカと白瓜の生姜ソース和えは、イカの歯応えがプリプリで素晴らしい。生姜と乾姜を使い、香りをより複雑化していて鮮烈な味だ。

豚スペアリブの黒酢煮込みは、排骨にバラの花のリキュールと五香粉で下味をつけ、熟成させた黒酢のコクのある香りと旨味が素晴らしかった。

長粒米を使った炒飯もこの店の名物。

定番のハムユイと鶏肉の炒飯や干し貝柱と卵白の炒飯、磨鼓風味の牛ほほ肉の煮込みと自家製XO醤の炒飯などバラエティに富んでいる。

このような中国料理の奥深さを堪能できる店が福岡にあることを私は誇りに思う。

注 この店の料理は、広東料理を昇華したものも多いので、香港の人や中国の人にはわからないかもしれない。味付けも繊細すぎるし。ただこのようなぎりぎりの日本人向けの味付けで出されるのを貶している人はちょっと理解不能である。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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6位

パティスリー オー フィル ドゥ ジュール (桜坂、薬院大通、六本松 / ケーキ、洋菓子)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2016/03訪問 2016/03/06

パリの工夫を凝らした華麗なケーキを楽しめる店

●訪問回数2回

パリの一流ホテル(ブリストル)の三ツ星レストラン(エピキュール)で働いていたパティシエが福岡に戻ってきて始めたお店のようです。

一度は友人からお土産にもらったので一個だけ食べましたがかなり美味しく気になっていました。
ケーキに詳しい友人や家人も絶賛していたので、今回は開店直後に行って6種買ってきたのですが、どれも素晴らしい味でして、また見た目や食感にアクセントをつけたりといった工夫が素晴らしいと思いました。

バニラのムースのようなものはミルクの風味とバニラの香りが素晴らしく、食感も滑らかでよかったです。
上に載っているのはホワイトチョコのボールで中が空洞でケーキと相性が良かった。

キャラメルのタルトは表面は金の色の層仕立て、内部も中間に一層薄いチョコのような層があり、パリパリした食感と濃厚なキャラメルをさらに高めていて、タルト生地も素晴らしいです。

洋ナシのお菓子も素晴らしかった。生地と上の部分の食感の違いが楽しい。生地はクロッカンというパリの人が好きなカリッカリのちょっと硬めの食感なんだとか。

個人的には自宅近くの徒歩圏内にこんな素晴らしいケーキ屋さんができて、大変うれしく思います。
あ、あとイートインがあれば 言うことないのですが、今の所持ち帰りのみのようです。

焼き菓子も数種買ったので、あとで食べるのが楽しみです。

  • (説明なし)

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7位

天祐 (香春口三萩野、旦過、平和通 / 居酒屋、寿司、そば)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2016/08訪問 2016/08/27

天祐(小倉)上質な魚・肉料理と極上の日本酒が楽しめる居酒屋 

●訪問回数1回

食べ歩き仲間にすこぶる評判の良い居酒屋です。

上質な魚、肉料理と極上の日本酒が楽しめます。

刺身の盛り合わせは圧巻

オコゼ、オコゼの肝、さっと湯通しした鮑、鮑の肝、ミョウバンを使っていない口の中で溶ける赤ウニ、イクラ、海老は踊り(生)と茹で、海老の二種類の握り、質の良いクロマグロ
 途中で、海苔とシャリが用意され、刺身を巻いて食べるように言われます。飽きさせない工夫です。

海老の頭の塩焼き。香ばしくて美味

オコゼの身と皮の部分の残りを唐揚げに これがまた絶品。

牡蠣フライとうちわ海老のフライもよかった 牡蠣がミルキーで絶妙

日本酒のあてに生しらす

薩摩黒毛和牛のヒレ ステーキ とろける柔らかさで、肉のうまみもしっかりしていて美味

海老クリームコロッケ これもクリームが軽やかで旨い

最後に和牛のヒレの残り汁でガーリックライスを頂いた。おこげの部分が香ばしく。これもすごい

日本酒は、希少なものがズラーっと揃っていて圧巻。

北九州屈指の素材系料理を食べられる極上居酒屋です。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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8位

照寿司 (戸畑、九州工大前、枝光 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2016/06訪問 2016/06/12

極上素材の旨い寿司店

●訪問回数2回

戸畑の郊外にありながら、超級素材を集めて供することで有名な照寿司再訪しました。

いつもながら凄い素材のオンパレード。
今回も、二種類の鮑、天然鰻、毛ガニの味噌を塩で熟れさせたもの、巨大な赤貝、4種類のマグロ、巨大な城下カレイ などに圧倒されました。
少しずつシャリも変えているとのこと。

最初の山口県の殻付き赤ウニの繊細な味も感動的でした。

あ、そうそう、最後の穴子は、ほとんど醤油を入れず甘味をわずかに入れて煮ているらしいのですが、アナゴのゼラチン質と身の旨みを最大限に味わえるものでした。普通の煮穴子を期待する向きには賛否あるかもしれませんが、自分は初めて食べる、アナゴのもう一つの面(本来の味)を体験できて面白かったです。

ワインは日本のものがメイン だけど 色々揃ってますので楽しめます。
日本酒は圧巻の品ぞろえです。料理に合わせてもらうと、どんどん出てきて楽しめました(写真あり)。

それと支配人のサービスが素晴らしかったです。帝国H上りは伊達じゃない!!

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いやーすごいお店を見つけました。この店の近所に住んでいる友人からの情報です。

戸畑駅から1キロ以上離れているので、行きにくいのですが、その価値は十分にある店だと思います。

店は三代続いている大店で、仕出しなどもしています。
カウンターのおまかせコースは12000円、15000円、20000円 テーブル席でのコースは5000円くらいからあるので二面性をもった店です。

昼はおまかせはあまりしていないとのことですが、予約時にお願いすれば可能のようです。
追記 今回は15000円のおまかせコースでした。

まず、素材そのものがもの凄いです。色々な仕入れルートを確立されているようです。

摘み
トリ貝、バカ貝、赤貝の肝 どれも素材が素晴らしい 特に肉厚のトリ貝が印象的
 酢味噌で食べさせるが 酢味噌の味付けも旨い
マガタ鮑と朝堀の筍 鮑は1.5キロ超の大きなもの。筍の香りや旨みも素晴らしい。鮑の肝は蟹味噌を思わせる旨み。
 筍との相性も抜群だ。肝にシャリを入れて混ぜて食べるとまた絶妙。
自家製カラスミ ねっとりしたもの。
関門の蛸 蒸し加減と隠し包丁が見事で食感が素晴らしい。蛸の香りを存分に味わえる。
済州島の鯖の棒寿司 超肉厚で美味 
天然鰻の蒲焼 鰻の質が素晴らしい。


巨大車エビ 茹でて温かい状態で。シャリは赤酢。
ササイカ 食感も旨みもよかった。
トリ貝 肉厚で素晴らしい。
赤貝 巨大で一口で入りきれないくらい。
ウニ 北海道産 甘みが強い。
甘鯛の昆布〆 ねっとりして旨みもある。
サヨリ 包丁が鮮やか。
平目の昆布〆と縁側 これも質が良い。平目は白酢で縁側は赤酢
鯵 しっかりした肉厚のもの
鮪トロ 90キロくらいのもの。脂が乗って旨い。
ミル貝 食感がよかった。
玉子 ホタテ入りでふわっふわ。

もともと仕出しもやるお店なので、握り方は大変すばやくて上手。シャリも赤酢と白酢を使い分けます。
あわせて素材が極上となれば、申し分ない寿司店といえます。
サービスはホテル出身の人が入っていて、すごく良かったです。
お酒は日本酒、焼酎ともよく揃っているし、ワインは日本のものが主体で取り揃えています。


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9位

奴寿司 (天草市その他 / 寿司、海鮮)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥10,000~¥14,999

2016/08訪問 2016/08/07

奴寿司(熊本天草) 創作性のある天草の名店

●訪問回数1回

10年前から存在を聞いていたが、今回初めての訪問です。

昼の利用ですが、夜と同じおまかせコースです。

素材の良さは言うに及ばず、様々な独自の工夫が素晴らしく、天草の名寿司店の筆頭に上がる店と思いました。

まず今の季節最盛期の赤ウニ そのままでももちろん極上だが、ウニの塩が添えられていてこれが絶妙HRメニュー

金目鯛の山葵添え 少し炙って脂ののりが凄い これも天草近海ものとのこと

鯖 ワサビの和え物 脂がのり、食感も素晴らしい

鯛のカマの拍子切り 噛めば噛むほど味が出る旨味と甘味 脂ののりが素晴らしい

これより握り
シャリは少し甘味を感じるがすっきりしている。握り方は空気を入れるようにふわっと握る。ちょい好みよりもやわらかめ。

ウニの握り 質がものすごく良く、イヤミな味が一つもない

鯛 天草のレモンと梅塩で 素材がいいのに加え、工夫も素晴らしかった

ヤリイカ ウニ塩とレモン これも面白い工夫

蛸 黒七味と塩 蛸の味がよく出ていた。黒七味がぴりっと味を引き締める

鯛の昆布締め 刻み山葵と出汁で調味した薬味 昆布と鯛の旨味と調和が素晴らしかった

コハダ 白板昆布のせ 〆加減も良かった

イワシ 柚子胡椒 脂と旨味がよかった

鯵 薬味はワサビの和え物 〆た鯵との相性を考えられている

車エビ 香り甘味が素晴らしい

石鯛の焼き締め 素材が飛びきりで、これも凄い

トロ 脂がのったもの やや脂が多いか これだけ五島産のもの

カンパチ 少し炙ってガーリックチップで モダンなアプローチ イタリア料理のようだ

新子 4枚付け きちんとした仕入れをしている この時期に天草で新子があるのに驚いた

シャコ かなり大きなもの、身が軟らかく、火入れがぎりぎりの浅さでとろける食感

デザートはコーヒー風味のブランマンジェ

お酒は色々なタイプが揃っていて楽しい店である。

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