まるでRPGのような喫茶店

まるでRPGのような喫茶店

勇者が世界を救う為に冒険をするのは、何もゲームの中だけとは限らない。まるでRPGの世界のように喫茶店を旅してみよう

更新日:2023/06/23 (2018/03/21作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる3999の口コミを参考にまとめました。

冒険は喫茶店に潜んでいる

昭和の風情を残す店や常連が通う、日常使いの店など喫茶店もさまざま。しかし、その枠には収まりきらない「やりすぎな異空間」の喫茶店がある。さあ今こそ RPGの世界のように冒険者となって魔王を倒す旅に出よう

パペルブルグ

「よく来たな、冒険者よ。魔王を倒せるのはそなたしかいないのだ!」

冒険の始まりはいつも王様の城と決まっている。パペルブルグはまるで中世ヨーロッパのお城のような喫茶店。壁に描かれたフレスコ画、まるで衛兵のように飾られた騎士の甲冑、革表紙のメニューなど。。
どこを切り取っても非の打ち所のない、こだわりの喫茶店なのだ

「その城に呼ばれた時、不遇な生い立ちが宿命だったと悟った」

アイスウィンナーコーヒーは滑らかなクリームに、苦味のある本格コーヒー
これから生死のわからぬ冒険に向かう者への、王様からの最高の手向けなのかもしれない

邪宗門 世田谷店

冒険者はまず装備を整えるのが定石
王様から貰ったわずかな金貨で、まず向かったのは街の武器屋である
「魔王を倒しにいく?それが本当なら、これを持っていけ。金なんぞいらん。その代わり娘の仇を討ってくれ」

邪宗門には門主が集めた本物の武器が飾られている。長い時間の中で黒光りする火縄銃を見ながら珈琲を飲めるのはここぐらいのもんだろう

「それは 剣と呼ぶにはあまりにも大きすぎた」

あんみつコーヒー。寒天とあんこに濃い珈琲をかけていただく。苦味と甘さが深いデザートだ

「あの娘もこれが好きだった」
そう言った武器屋の主人は、こぶしを固く握り締めた

COFFEE HALL くぐつ草

RPGといえばダンジョン。
暗く湿った地下の迷宮では、もそもそとうごめく怪物たちが待ち受けている。ゆっくりと進む地下道の遠くで何かが高く叫んだ
冒険者は腰の剣を、強く握りなおすのだった

まるで地下迷宮の入口のような階段を下ると、そこに広がる喫茶店。「くぐつ草」という名前の由来にも注目したい喫茶店だ

「迷宮はまるで生き物のように 冒険者を飲み込んだ」

アイスウィンナーは固めのホイップが渦を巻く伝統のスタイル。銀製のカップにはくぐつの人形が描かれています

ダンジョンの底には必ず宝箱がある。かつての冒険者たちはそれを目指し、怪物たちの牙に散っていったのだ

サザ コーヒー 本店

冒険者は決して一人ではない
時には仲間を加え、パーティーを組むことがある。その中でも重要なのが回復呪文を使える僧侶である。まるで部族の村のように仮面が飾られたサザ本店。珈琲を飲んでいる間も、あちこちから視線を感じるのは気のせいだろうか?

「そろそろ来る頃だと占いに出ていた。さあ、行こう。とっくに支度は出来ている」

「1%でも生きてさえいれば すぐに回復してやる」

ミルキーなホイップと酸味が強いウィンナーコーヒーは、好みが大きく分かれるもの

ちょっと酸味の苦手な冒険者に、壁にかかった精霊たちはバカにしたように笑っているのかもしれない

六文銭

開かずの扉や宝箱を開けられる盗賊は、パーティーに欠かせない職業だ。ここ六文銭には変装の為では無いだろうが、壁に沢山のお面がかかっており、どこの国とも知れない調度品が飾られている

すべての国に所属しないと言われている<盗賊都市>は、すべての国とつながっている。と言われている
「世界を救う事に興味なんかあるか。さあ、魔王さまのお宝ってやつを拝みにいくか」

「三途の川の渡し賃の六文銭だって、船頭からスってみせらぁ」

アイスコーヒーが銅製のカップで出てくると、その火照った唇を押し付け冷ましたくなる。男は昔から、火照った女の身体でたかぶりすぎた己の魂を冷ましたくなり、女はなお火照る。熱い唇の間から流し込んだすっきりとしたコーヒーを飲み干して、フードを被った盗賊は言うのだった

「錠前だって鍵穴だって、所詮は人が作ったもんじゃねーか。なら、人に開けられない道理はないってもんだろ?」

エセルの中庭

その森は訪れる者を迷わせる。
自分が失ってしまった大事な人や、裏切った人。それらを追って、深く深く森の奥に入った者たちで帰ってきたものはいない

そんな森のような幻想的な空間が広がる喫茶店が「エセルの中庭」
朗読で流れる物語が、冒険者それぞれに違うのかもしれない

「迷いの森は 弱きものほどよく迷うのよ」

エセルの中庭

カフェ・コアントローはオレンジリキュールの効いたウィンナーコーヒー。水槽の前の席は人気で、古代魚が泳ぐ姿には愛らしさがある

「邪心のある者はみんな迷ってしまうの。でも、あなたは違ったわ。この道をまっすぐ行きなさい。目指す場所にたどりつくから」

さぼうる

火・水・土・金・木。これを五行という
この五行を操るものは、古くから魔法使いと呼ばれ忌み嫌われてきた。しかし魔法には魔法で対抗するしかないのだ
「一緒に来て欲しい。究極呪文が使えるあなたの力が必要だ・・」

都会の神保町に突如として現れる異空間。そこはさぼうる。その不思議な喫茶店は、もしかしたら日本一有名なのかもしれない

「この魔法には わたしの命が必要だ」

生イチゴ。ピンクのスライムのような、このジュースはさぼうるの名物だ

「これを飲むと精神は肉体を離れ、大銀河のかなたに飛び・・・」

まったく。。魔法使いってのは理屈っぽいのが玉にキズだ。

七つ森

七つの森の 七人の賢者から 七つの言葉を教えてもらわなければ、魔王の城を見ることは叶わない。賢者たちはフクロウの森や、珊瑚の森など多彩なフィールドにおり、冒険者をあっちこっちに振り回すのだ

七つ森は老舗の喫茶店
宮沢賢治の詩が由来の店名通り、店内も童話的ムードにあふれている

「まさかワシらの中から裏切り者が出るとはのう。。頼む!ヤツの魂だけでも救ってやってくれ」

ちょっと大きめのカスタードプリンは、やっぱりちょっと大きめ。冒険者の到着を待ちわびた賢者の一人は、まいにちプリンを食べていたので、自分もちょっと大きめになったとボヤいた

「ウスノロめ。二百年待ちくたびれたぞい」

カフェ・鈴木

冒険者がたどり着くのは、何も田舎町だけとは限らない。
-宗教国家ハルシオン-
巨大な力をもつ教皇が支配する宗教国家はその見た目の清廉さとは裏腹に、胎の中に矛盾や疑念を抱えているものだ。教皇の剣と呼ばれる聖騎士の中にも「行動する事」を望みだしたものがいる

暗がりの中のカフェには鷲が、まるで象徴のように光り輝いている
視覚を奪われ、味覚を研ぎ澄ませて飲むエスプレッソは格別だ

「私の目の前で飢えて死んだあの子供は、祈りよりもパンを欲しがっていたのだ」

賞味期限30秒
刻一刻とその姿を変えるエスプレッソゼリーは、バニラアイスにコーヒーのほろ苦さが加わった大人のデザート

刻一刻と姿かたちを変える世界に聖騎士は野に下ることを決意する
「盲目の聖騎士は今、死にました。これからは活きた剣として貴方を支えましょう」

古城

魔王が住むのは古の城と相場が決まっている。長い道のりを経て想像以上に強くなった冒険者たちだが、その扉に入る前にはセーブすることが一種の儀式である

まるでヨーロッパの古城の様な内装を遺す純喫茶。入口の騎士のステンドグラスを皮切りに、こだわり抜いたこの雰囲気は、他ではお目にかかれない昭和の遺産と呼んでもいいだろう
「まさか人間に産ませた戯れの子だけが、ここまでやってくるとはな。。おのれ、出来損ないめ」

「なんだその目付きは?母親と同じ、その眼でワシを見るんじゃない!」

高級喫茶のアイスウィンナーは期待以上のものではなかったようだ。しかし、目の前のステンドグラスの圧倒的スケールの前では、それも問題じゃない

長い旅路を経て辿り着いた最後の城に待ち受けるのは、傍若無人の殺戮者だろうか?それとも信念を持った反逆者だろうか?それとも自分と同じ顔をした父親だろうか?どんな相手だろうと引き返すことは出来ないのだ
「呪われた血筋はここで消滅させる!母もあの世で褒めてくれるだろう」

※本記事は、2023/06/23に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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