5回
2022/06 訪問
葛原シェフのセンス炸裂★
もともと大好きなフレンチの「レミニセンス」。
場所がら頻繁には来られませんが、ここ数年は、年一ではお邪魔しています。
なんたって、土地の食材にこだわりつつ、品良く和テイストに仕立てるそのセンスが、毎度毎度素晴らし過ぎるのです!
この日はランチだったこともあり、フルよりも2皿ほど少ないというショートコース(15,000円)でお願いしましたが、何一つ物足りなさを感じさせない充分な質と量でした♪
◆ 雲丹
◆ あさり
◆ 鮎
◆ 天の岩戸 コーチンのスープ
◆ 鰻
◆ 肉 ビゴール豚
◆ 天使音メロン
◆ チェリー
◆ 茶菓子
これまでいろいろなお店でコースをいただく機会がありましたが、中でも本当に指折りの素晴らしさ。
いつもは、興味津々のペアリングワインのことが、いい意味でまったく気にならなくなるほど(^^)
いやぁ、本当に好みです♪
ただ、サービスだけはいつも、どうしても残念。
この日は、全般的に小声でよく聞き取れないし、カトラリーの落下音が客席に響くこと三度。
すでに2つ星を獲得しながら、さらなる高みを目指して移転も検討されているというお話ですから、併せて改善されるといいですね。
それでもやっぱり、お料理の素晴らしさは揺るぎません。
一口に「フレンチ」と言っても、昨今はいろんなスタイルがありますけど、そういえば私はフレンチがとても好きだったと思い出させてもらった気分です…
もっと機会を持たねば、です(^^)
「余韻と記憶」が残る料理、ごちそうさまでした。
2022/06/25 更新
2021/01 訪問
地の和食材を巧みに配して、熱のこもったフレンチ★
「フレンチ」と、ジャンルは一括りにされてしまいますが、そのスタイルはお店ごとに千差万別といってもいいぐらいに異なりますよね。
こちらは、そのスタイルが自分の好みにピッタリの一店。
場所柄、頻繁にはお邪魔できないですが、都内にあればふた月に一度は味わいたいぐらい。
お皿の中で、和食材の割合や主張を引き立たせながら、ちゃんとフレンチ。
見栄えは少し地味ですが、この日もよかった。
16,800円とリーズナブルなコース、12,000円のペアリング(8杯)でいただいたのは、↓の通り。
●雲丹
●白子
●車海老
●鰆
●天の岩戸
●鰻
●金目鯛
●蝦夷鹿
●蜜柑
●苺
●ミニャルディーズ
トリュフを合わせた白子、芳醇でふくよか。
真薯とタルトで仕立てた車海老。
濃厚なマデラ酒のソースと、爽やかな茗荷でいただく鰆はメインも張れます。
鰻にいたっては、なんと「なめろう」で。ブルーチーズや山葵などの組み合わせが驚き。
金目鯛は、桜海老のソース&贅沢にも神戸牛をブレザオラ(生ハム)にしたものを付け合わせで。
さっぱりしたイメージの蝦夷鹿のロースは、脂身と一緒に深みのあるメイン。豚の頭を使った付け合わせも、ブーダン・ノワールのようにハーブを効かせて美味。
ワインも、アメリカやオーストリア、ドイツなど産地を選ばずに、しっかり料理を引き立てていました。
特に、金目と合わせた、ブシャールのコルトン・シャルルマーニュ2010は秀逸でしたね。
ペアリングの割に、意外としっかり注いでいただけるので、私のようなお酒に弱い方は要注意です(笑)。
コースの合間に出てくる「天の岩戸」というコーチンスープに使う水を汲むためだけに、ほぼ毎日伊勢に行くというシェフの熱すぎる想いが乗った渾身のコース。
全国のフレンチで、食べログTOP10に入ろうかという評価にも納得。
また堪能する機会が楽しみです。
2021/02/16 更新
2020/03 訪問
東西の雄の遺伝子を、独自の世界観へ昇華★
3つ星を獲得している数少ないフレンチの日本人シェフの内、東京と大阪で輝く両店(Hajimeは近年フレンチの枠を外しましたが)での修行を経て、まさにその中間地点とも言える名古屋に構える「レミニセンス」。
その一番の特徴は、東海地方の食材を大切に生かした和テイストを、ふんだんに取り入れたモダンでしょうか。
16,800円のコースに、6種のワインペアリング8,500円をオーダー。
・雲丹
・白子
・牡蠣
・鮟鱇
・伊勢海老
・天ノ岩戸(シェフ自ら汲んでくる伊勢の水で作る、コーチンのスープ)
・鰻
・魚(鮎魚女)
・肉(小鳩)
・ブラッドオレンジ
・苺
どのお皿にも、土地の食材がふんだんに使われているし、かなり和に寄せつつも無理なくフレンチに仕上がっている印象ですね。
前菜の鮟鱇や伊勢海老は、メインの魚にもなりそうなので、コース全体のボリューム感はしっかり目です。
この日特に秀逸だったのは、50℃ほどの低音で3時間ほどじっくり火入れしたという「牡蠣」、とても柔らかくジューシーで旨味に溢れたメインの「小鳩」。
サーヴの間隔が少し間延びするのが玉に瑕ですが、おまかせのみのコースで、好き嫌いの分かれる鳩をメインに持ってくるあたり、なかなかチャレンジングなコースですが、個人的に大歓迎!
その他のお皿も、いずれも満足の出来栄えでした。
ただ、前回もコメントしましたが、サービスは普通かそれ以下。
ペアリングワイン6種類で、合わせる料理は実質8皿。
一皿に合わせて飲み干すと、次のお皿分も兼ねてたり、次のお皿に備えて残しておくと、別のワインが用意されたり…
メインの肉以外は魚介なので、何と合わせるかをこちらで判断するのは難しいというもの。
そのぐらいは説明してほしいし、料理とワイン名を唱えるだけなら誰でもできます。
ですが、それらを差し引いても、料理は素晴らしい。
是非またお邪魔したいですね。
2020/03/14 更新
2019/10 訪問
きれいな和仏の融合とバランス。見事に2つ星に輝くモダンフレンチ★
伏見駅から徒歩数分、程よく繁華街の喧騒を離れて、某有名食パン専門店の2階に構える「レミニセンス」。
場所柄、同伴と思しき2人連れもチラホラですが、店内は明るく趣味のいい内装で、とても落ち着いて食事ができます。
メニューには、それぞれのお皿のメイン食材のみが記され、調理法やソースなどの細かい説明はサーヴされる時に伺います。
最近では珍しくない和仏融合のモダンフレンチですが、こちらのクオリティは圧倒的でした!
奇をてらうわけでもなく、両者のいいところが美しくお皿の上で協調していますね。
訪れたこの日が新メニューのお披露目となったそうですが、晩夏と初秋の味わいを楽しめる充実のコースでした。
8種類のペアリングワインといただいた、おまかせのみの16,800円コースは↓の通り。
●雲丹 毛蟹
●鱧
●薩摩芋
●鮎
●鱶鰭
●松茸
●鰻
●魚(駿河湾の金目鯛)
●肉(シャラン産の鴨)
●巨峰
●無花果
●茶菓子
どれもこれも、甲乙つけがたい美味しさ。
特に、おかひじきなどと軽やかにいただく鱧のフリットは、清涼感のあるサンセールのソーヴィニヨン・ブランと。
また、子持ちで肝も上手に使った鮎は、カシのような軽やかなタイプではなく、タンニンの苦味を上手く効かせたサンセールのロゼ。
白黒のトリュフをまとった松茸には、腐葉土のニュアンスが充実した南アフリカのピノ。
白焼きの鰻も、弾力のある金目鯛も、鴨らしさをしっかり残した柔らかい肉メインも、どれも素晴らしい!
全体的に、スパイスやハーブを積極的に散らしてあって、アクセントもよく効いていますね。
ソムリエらしき人は見掛けませんでしたが、過去にいただいたワインペアリングの中でも、とてもシンプルに分かりやすく合わせてくれている印象です。
フロアスタッフに経験豊かなベテランが一人いると、全体的にさらに締まると思うのですが、サービスもまずまずソツなくでしょうか。
約12皿とボリュームが多くて、後半に少し疲れがやって来るのが玉に瑕ですが、料理のコンセプト、ワイン、空間、カトラリーなど、そのすべてが好み。
正直、名古屋でフレンチはあまり期待していませんでしたが、2つ星の価値十分ありの素晴らしい一軒です!
2019/10/01 更新
この日のメインの小鳩が、素晴らし過ぎた!!
茨城産の家禽の小鳩だそうですが、有名レストランで引っ張りだことの事。
シェフ曰く、数年掛けてようやく少しずつ確保できるようになったというほどの惚れ込みようにも、完全に納得です!
これまでいただいた、どの鳥類のお肉からも感じたことのない柔らかさと滑らかな食感。そして、なんとも妖艶で深みのある旨味。
もちろん、素材の素晴らしさだけではなく、シェフ独自の焼きの技も光っているのです。
コースのメインでこんなインパクトを残してくれると、全体の満足度がグッと引き上げられますよね!
設けられたコースの中のテーマ「〜記憶〜」に配されている通り、まさに忘れられない一皿です♪
〜余韻〜
■ 雲丹
■ ビワマス
■ 蛍烏賊
■ 天の岩戸
〜記憶〜
■ 鰻
■ 肉
〜安堵〜
■ ブラッドオレンジ
■ 苺
〜追憶〜
■ 茶菓子
メニューにはメイン食材しか記載がないのですが、もちろんそんな単純なはずはなく、どのお皿も東海エリアの素晴らしい食材を単層に重層にと、自在に操ってきれいまとめられています。
今年もゴ・エ・ミヨで高評価の葛原シェフのセンス、私の嗜好にはとても合っています♪
そして、これまでの訪問では、その都度不安を感じていたサービス面も、スタッフが一新されて、ようやく落ち着きがもたらされましたね。
この7月の車道への移転を控えて、体制も万全とお見受けしました。
本当は、私も通える都内にでも来ていただきたかったのですけど(^^)
またどこかで機会を作って、より素晴らしくなるであろう真新しい一軒家レストランにもお邪魔したいと思います。