2回
2018/05 訪問
俵屋の不思議を感じた
宿に宿泊する場合、どのような基準で泊まる
のか決めて選ばないと不満が残る。
小生は京都に宿泊する場合はホテルが基本。
ほぼ観光目的なので、ホテルだと交通の便が
最優先。それにホテルならほぼプライバシー
も守られて、それなりのホテルなら隣室から
の話声もしない。空調、アメニュティも問題ないから不満も生じない。
食事はホテルに申し訳ないが三食外食。
朝食は気に入った喫茶店でモーニング。昼食、夕食は京都は行き切れない程の美味い店でとる。一回は必ず馴染みの店に行く。
そんな小生が俵屋に泊まったのは、BSで俵屋の紹介の特集を見てやはり一度は泊まっておきたいと思ったから。家内は昨年11月に娘と炭屋に泊まったので、同じ様な宿はいいと言ったが、やはり俵屋は違うからと説得した。
多分もっと若ければ、この宿の価値が分からなかったろう。この宿の食事の内容、設備等に現代風の豪華さ、快適さを求めるときっと不満が残る。
しかし、それらを補って余りあるものがここにあった。
俵屋については、村松友視 著 [俵屋の不思議]にこと細かく書いてあるので、それ以外について記載してみた。
まず、宿泊当日俵屋の前まで来ると、宿の前にいた男衆と眼が合うや雰囲気を察してすぐ玄関に案内された。流石。
玄関には今では貴重になった年配の下足番の人がタタキに打ち水をして待っている。昔は老舗の料亭にも同様な迎えられたことを懐かしく思い出した。
部屋は初めてなので、JTB指定の一階の寿。
玄関右手奥。次の間は無いが、部屋に入ると大きな磨きあげられたガラス窓越しにこれまた大変良く手入れされた椿が植えられた庭が迎えてくれる。庭の手入れは箒を使わずに素手で手入れしていた映像を思いだす。(この宿は今では信じられない程人の手がかかっている。18部屋2人宿泊なら36人の客に、50人以上の人がいろいろ携わっている)
庭の翠が心を和ませる。次の間は無いが、ガラス窓の前はゆったりした三和土になっているので、思いのほか広く感じる。
この部屋は新館と違い平屋部分なので、上の階の足音が気にならないので本当に落ち着く。
丁度宿泊当日から夏仕様に簾がかけられていた。簾が額縁となり庭が一枚の絵のように映える。
風呂は今では滅多にお目にかかれない高野槇。
部屋に入ると既に湯が張られているのにビックリ。客室係りの人が退出すると、早速一番風呂に浸かる。お湯は地下から汲み上げた水を沸かしている。流石京都。地下水が豊富で柔らかく温まる。
夕食は黒川料理長が腕を振った一流の味で、部屋に居ながらタイミング良く供され大変美味しかったが、今回は割愛させていただく。
食事で一番驚いたのは朝食の湯豆腐❗️京都人は湯豆腐が好きだと言われるが、宿の近くにある平野豆腐店の豆腐がふわっとして誠に美味。土産に買ってしまった!
それ以上に驚いたのは、湯豆腐を入れた風呂。
檜(?)造りで湯豆腐が冷めないように炭で温めるように出来ている。合わせて湯豆腐に使う汁も専用の陶器で温める。一般的な土鍋を固形燃料で温める簡便なものでない。こんなところにも客をもてなす俵屋のこだわりを感じた。
もっともっと俵屋につい書きたいが、あまり多いので紙面が足りないので中途半端だが今回はここで筆を止める。
2018/06/15 更新
市内の中心部にありながら、静かさを感じる
2018/06/15 更新