レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2009/01訪問 2009/01/28
江東区は森下、新大橋通りからちょっと入った静かな住宅街にある、ちゃんこ料亭です。年季の入った一軒家をそのままお店に使っています。4人で二階の座敷を利用しました。元幕内力士の時葉山の写真が飾ってあり、歴史を感じさせる落ち着く和室です。時葉山関はお父さんで、現在は長男と次男がお店をやっているそうです。
常連の人と行ったので、注文はおまかせしました。「ちゃんこ」のコースはいくつかランクがあるそうですが、「今日は美味い刺身で日本酒を飲みましょう」とのこと。
まずは出てまいりました、刺身の盛り合わせ。これはすごい!
メインの平目の活き造り。60cmはあろうかという、千葉産の大きな平目。目に紙をかぶせて暴れないようにしてあるのに、口をパクパク、エラをバクバク、ビクンと動いております。この平目の刺身、当たり前ながら鮮度抜群で、めちゃうまいです。レモンを絞った塩でいただきます。エンガワもとろっと脂がのって美味しい。
その横には、大間の鮪。さすがにトロはめちゃうまですね。かんぱち、帆立、鯖、赤貝、鳥貝、生蛸、蛸の吸盤に玉子焼きと明太子と、ちょっとした寿司屋でも食べられないような、美味しい魚で満載です。4人前でこのボリューム、お酒がいくらあっても足りません!
そうそう、お酒と言えば飲み放題を付けることができるのだそうです。出てくるお酒は、どの位常連なのかで違うようなのですが・・・ この日はなんと山形の銘酒「十四代」を二種類も出してくれました。なかなか手に入りにくい「十四代」、しかも2本が飲み放題です。一本は山田錦で造った「中取り純生吟醸」。物凄く澄んだ、すっきりした味わいのお酒です。美味いのひとこと! もう一本は「秘伝玉返し新本丸」。これも負けじと美味いです。おかみさんが気前よくどんどん注いでくれるので、いくらでも飲んじゃいます。
次に出てきた「手羽先」は甘いタレでカラッと揚げてあり、かじると肉汁がしたたる美味さ。こんなに美味しい手羽は食べたことがありません。
そしていよいよちゃんこ。4人なのですが醤油と味噌の2種類を用意してくれました。醤油はキャベツ、揚げ、しめじ、舞茸、しいたけにその場で鶏のつくねを入れて食べます。すごくすっきりの出汁がとても深い味わいで美味しい。
味噌は同じようにキャベツと茸類に豚肉が入っていました。この味噌味もすごく深くて美味しいです。とても上品な感じでどんどん食べられます。
〆にうどんが出ましたが、美味しいのにお腹いっぱいで少ししか食べられなくて残念。
デザートは金運デザートの金柑の砂糖煮です。金箔が載っていました。
出てくるものがすべて美味しかったです。刺身の質、ちゃんこの味付け、手羽先ですら。さすが料亭 時葉山と名乗るだけのことはあります。森下という場所は初めて来ましたが、こんなに美味い料理を出す店があるとは思いませんでした。
御馳走になったので、お会計はよくわかりません。HPには飲み放題¥11000とありますが、刺身の内容とお酒の種類でもう少し高いかも知れません。常連さんであることも、良いものを出してくれる条件かもしれないです。
3位
1回
2009/10訪問 2009/10/12
こりゃ美味い! ~ FELLOWS THE BURGER STAND
週末の遅めのランチで、駒沢のFELLOWSに行ってみました。
うわさ通りの小さなお店にウッドデッキが付いています。デッキは木の塀で囲まれていますので、中の様子は見えませんが、オープンデッキだったら食べてるのが丸見えなので仕方ないのかな。
デッキの外側にベンチが置いてあり、そこで待ちます。14:00過ぎに行ったら、待ちは3組6人でした。
待っている間にメニューをくれます。意外と回転が良く、15分くらいでウッドデッキに案内されました。カウンター形式のデッキは素朴でちょっとオンボロだけど、なぜか楽しい感じ。
ずいぶん迷ったんですが、「ダブルパティバーガー」にベーコンをトッピング。¥1600+¥200。
連れは「BBQバーガー」¥1000。 それとBudがあったので思わず注文。やっぱバーガーにはBudでしょ。
登場した「ダブルパティバーガー」、紙が敷かれた籐の籠に入っています。小皿のコールスローと太切りのフレンチフライが添えられて。
テカテカと輝くバンズの下から、炭で焼かれた厚いパティが2枚覗いています。ベーコンも炭焼きで美味そう。紙袋に入れたままわしづかみにしてガブリ!美味い! 炭焼きのとてもいい香りのパティとベーコンからあふれる肉汁と、トマト、レタス、グリルドオニオンが混じり合って、口の中で渾然一体となった旨味が広がります。味付けはパティの塩味だけなのが最高。
特筆すべきはやはりパティですね。挽き肉というよりは、肉を細かく刻んだ感じの細切れの肉の塊。これが肉の歯応えと旨味をたっぷり含むバーガーを作っています。そして炭焼きの美味さ。アメリカではCharbroiledという炭焼きが一般的ですが、日本ではなかなかこれが上手にできるお店が少ない。ここFELLOWSは実にうまくCharbroiledしています。 ミディアムレアで頼みましたが、こんなに肉汁あふれる美味しいパティは久しぶりに食べました。
このバーガーは肉の旨味と塩味だけで食べられます。バーガーの紙袋に肉汁がたまるほどジューシー。好みでマスタードをつけてもいいですが、ケチャップは不要の美味さです。
連れの「BBQバーガー」も一口味見しましたが、炭焼きにバーベキューソースが良く会ってとても美味しかったです。
アメリカでハンバーガーをずいぶん食べた僕としても、ここFELLOWSは最高に美味いと思います。ぜひ再訪して、いろいろなメニューをたべてみたいです。
余談ですが、隣のお兄さん、ベーコンバーガーとてりやきバーガーをふたつ注文し、ひとりでガツガツと両方とも完食して、フレンチフライも残さず平らげて、満足そうに帰って行きました。気持ちはわかるけど、ひとつでも結構なボリュームなので、凄かったです。
たしかに美味しかったですけどね。
4位
1回
2009/10訪問 2022/03/14
松陰神社を参詣がてら、鰻の一二三さんに行ってきました。松陰神社からほど近く、商店街を少し駅の方に戻って、横道を入っていくとあります。12時半過ぎにおじゃましました。
黒く塗られた板塀に囲まれたたたずまいは、「おっ、ただものではないな」と感じます。木が生い茂る飛び石を歩いて母屋へ。道端の木にアケビが実っています。
暖簾のかかる入口をはいると、かなり年代物の日本家屋です。こりゃ相当古いなあ。靴を脱いで、ギシギシと2階の大広間へ。6畳間みっつぶち抜きの大広間にはテーブルが4つ並んでいます。両側の窓から、そよそよと風が入ってきて気持ちよい昼下がりです。ちょうど前のお客さんが二組帰ったばかりのようで、大広間は貸し切りでした。
注文は、予約の電話をしたときに済ませておきました。11時半過ぎに電話したら、「焼きあがりは1時くらいになりますけどよろしいですか」と。もちろんです。
ちゃんと予習しておきましたので、「あの、半身を白焼きにできるやつを」「あ、はいはい松ですね」「それと竹をお願いします」「肝吸いは100円ですけど」「つけてください。それと肝焼きはありますか」「肝は肝吸いに使うので売り切れなんです」てな会話です。
エビスの中瓶をお願いしたら、うな重に付くお新香を先に持ってきてくれました。
そして「白焼き」がやってきます。小さめのお皿に大きな鰻。いい感じの焼き色です。箸を入れると、ふわっと身がほぐれ、湯気が上がります。口に入れると、柔らかく香ばしい鰻の身が口中に広がります。美味しい。生わさびをちょこっとつけて醤油で食べると、これまた美味い!鰻って美味しいんだなあ、と思える白焼きです。
そして「うな重」がやってきました。「松」は普通のお重のサイズですが、「竹」は一回り大きな立派なお重です。ふたを開けると、ふわっといい香りが立ちのぼり、美味しそうな蒲焼がびっしりと並んでいます。素晴らしい照りの、柔らかくてホクホクの鰻。蒸しと焼きのバランスが素晴らしいのでしょう。とてもうまいです。タレは、甘くないちょっときりっとしたもの。少し醤油が強いかなと思いましたが、さっぱりしているので、柔らかい鰻に良く合います。ご飯が少しだけ固めに炊いてあるのも好ましい。美味しいうな重です。
肝吸いにも大きな肝がゴロンと入っていて、薄味でいい出汁がでています。
うな重「松」の鰻は、1kg3.5尾の大きめの鰻の半身を白焼きにし、1kg4尾の鰻1尾分を蒲焼にしてあります。「竹」は1kg3.5尾の鰻1尾分を蒲焼にしているから、蒲焼は「竹」の方が大きいのです。連れの「松」の鰻を食べてみましたが、どちらも美味しく、あまり違いは感じませんでした。
しかし、「松」を白焼きでなく全部蒲焼にしたら、どんな風に出てくるんでしょう。2段重ねかな。
古い日本家屋の座敷は、とても静かで落ち着きます。ぽかぽか陽気ですっかりくつろいでしまった、贅沢なランチタイム。
後から来たカップルのお新香を食べる音が、ポリポリと聞こえるくらい静かで、おかしかったです。
お店の方に聞いたら、もう80年くらい続いている鰻屋さんだそうです。建物は50年くらいとも。こんな都会の真ん中で、時間を忘れるような落ち着く雰囲気で、美味しい鰻がいただける一二三。
大切にしたいお店です。
5位
1回
2009/05訪問 2009/05/31
これだけの料理が1000円で食べられる+夜もすごい! ~ 濱壹
09/5夜 写真12枚追加しました
NY時代の仲間で宴会。なんと濱壹を予約してくれました。数週間前に電話したのに、この日しか席が取れず、予約に合わせて宴会の日が決まりました。人気あるようですね。
9人だったので二階を貸し切り。ジャズの流れる照明を落とした店内はいい感じで落ち着きます。
¥6000のコースです。
☆河豚刺しと生蛸、トマトのマリネ
☆蛤の吸い物
☆黒鯛と大根の煮つけ
☆真鯛の塩釜
☆お造り 鯛、鰤、かさご、イサキ
☆揚げもの 魚失念!
☆鰻のあんかけ
☆カメの手
☆焼おにぎり茶漬け
☆デザート 柑橘ジュースに入ったメロン の10品!
魚、魚、魚!で唸らせてくれます。先付けからいきなりフグ刺し。しかもぶつ切りの歯応えあるフグ。フグは薄造りより、ぶつの方が絶対美味しいです。蛤吸いと黒鯛煮付けは、愛媛ご出身らしく関西風の薄味。これがいいんです。黒鯛のとろけるような白身の旨さが引き立ちます。
ここの名物「塩釜」は60cmオーバーの見事な真鯛。ホクホクの鯛の白身に、塩がじわっと染み込んで実に美味しい。最初はお店のおねえさんが取り分けてくれましたが、その後はみんなでほじほじ。骨だけになるまで食べつくしました。
お造りも素晴らしい。愛媛からクール便で直送されて来る魚ですから、文句なしです。
揚げもの、鰻のあんかけと続く美味しい料理に、焼酎のボトルが2本目に突入。焼酎は何があるか聞いたら、戸棚から色々出してきてくれました。大体一本4~5千円だそうです。
珍味カメの手。初めて食べました。蟹と海老と貝を足して3で割ったような味です。殻を手で剥いて、中の身を食べるのですが、酒のつまみに最高で止まりません。
〆のおにぎり茶漬けの上品な出し汁で満足、満足。デザートも愛媛の柑橘を絞ったジュースにメロンが入っていて美味しかったです。
魚好きにはたまらないコースですね。隠れた名店です。ほんとあまり有名になってほしくないくらい。焼酎がすすんで、すっかり酔いました。焼酎か日本酒か迷ったんですが、この料理で日本酒は危険でしょう。絶対飲み過ぎます。
近いうちにまたこのコース料理の魚を味わいに来たくなりました。
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09/5昼
連休前にまた行きました。刺身タワー!最高です。平政とかんぱち、刺身と酢締めと交互に積み重なって、一味がピリッと美味いです。煮付けに入っている、カレー風味の揚げた魚も香ばしい。
鯛飯はやっぱりおかわりしちゃいますね。写真5枚追加しました。
でもこの日は4番目に入店したら、入口に近いカウンターの端。この席はおばちゃんが通るたびに、カウンターが持ち上げられて、大変でした。トホホ・・・
でもそんなの許せちゃうくらい美味しい!
09/4
皆さんはランチにいくら位使われているでしょうか。
ここ濱壹の¥1000ランチは、間違いなく「上質」です。¥1000が絶対安いと思ってしまうランチ。
お店はとても狭く、そして結構くたびれています。4席のみの一階のカウンターは、ちょっと禿げかかっているし、椅子も破けています。でもこのカウンターの奥の席が調理場が全部見える特等席。
男性二人、御兄弟が調理し、接客係のおばちゃんと3人で所狭しと働いています。
黙って座ると出てくる「鯛飯定食」。
☆刺身タワー
☆魚の煮付け
☆奴
☆お吸い物
☆鯛飯
☆お新香
刺身タワーは、刺身のテンコ盛り。軽く酢で〆たブリが2切れ、鯛の刺身が4切れ、イナダの刺身が4きれ積み重ねられ、上からネギやポン酢の入った醤油たれをかけ、一味を振っておおばを載せたもの。一味で食べる刺身って美味しいですね。ちょっと〆てある魚も変化があって楽しいし。何より、魚の鮮度がいいから美味しいです。
煮付けは関西風の薄味の甘い出汁です。ブリや鯛、カサゴのような赤い魚の頭も入っていました。加えて鯖の唐揚げも一緒に入っています。これはカレー粉がちょっとまぶしてあって美味しい。思わず出し汁も飲んじゃいます。
鯛ご飯は中骨と一緒に炊いたんでしょう。身はほとんど入ってないけれど、鯛の出汁はしっかりついていて、とても美味しいです。おかわりしちゃいました。
お吸い物も魚の出汁ですっきりだし、冷奴かと思ったら、温められた豆腐で全体のバランスを崩さない心遣いが素晴らしいです。
これだけの魚尽くしの定食が¥1000というのは、本当に驚くべきCPです。あんまり人に教えたくないくらい。でもこの値段じゃほとんど利益が出ないでしょうから、カウンターや椅子をリニューワルする余裕はないんでしょうね。
夜は¥6000のコースのみだそうですが、これがまた凄い満足度の魚尽くしだそうで、夜も行ってみたいです。
6位
1回
2009/05訪問 2022/10/25
日曜祝日は、茶沢通りが歩行者天国になります。これは盲点でした。車で行こうと思ったら三軒茶屋側から入れず、環七~淡島通りとぐるっと遠回りをして、北から茶沢通りにはいったのですが、途中までしか行けませんでした。お店の真ん前にコインパーキングがあるのに、少し離れたところに車を停めて歩きました。
13.:30過ぎに着いたら14人もの行列。頑張って30分以上並んで入店しました。絶えず10人以上は並んでますね。すごい人気です。
店内は入口近くの窓があるコーナーと、奥の調理場の横にもテーブル席があります。窓がある方が明るくて気持ち良さそう。待ってる人の視線を感じるという問題はありますけど。奥のテーブルに案内されましたが、調理場の忙しそうな様子が見えて面白いのと同時に、ゴチャゴチャした雰囲気がちょっとイマイチ。
前置きが長くなりましたが、キルケニーのグラスを飲みながら、まずはオニオンリング。これ、ドーナツみたいですね。玉葱が主役じゃなくて、衣が主役。添えられたガーリックソルトと絶妙に合って美味いです。
空腹だったので、ダブルバーガー¥1554を食べました。310gの迫力パティ2枚に、自家製ベーコン、黄身とろりのフライドエッグ、チーズまでトッピングされた、お得なメニュー。厚みのあるベーコンは脂がジュワっとコクのある味で美味いです。ベーコンの塩気と、パティの肉汁だけで食べても相当美味いですね。 パティは中まで火が通っていますが、固くなっておらず肉の味が存分に味わえる素晴らしいバーガーです。
そして皆さん絶賛の自家製ケチャップ。トマトの甘みが凝縮された、酸味を抑えたケチャップは噂に違わず美味しいです。バーガーにもポテトにもたっぷり付けちゃいました。
バンズもパティも野菜も全て美味しい、これだけのハンバーガーが食べられるのは嬉しい限り。アメリカのハンバーガーより美味いと思いました。並んでも食べに行きたいバーガーです。
7位
2回
2017/11訪問 2021/04/20
ちょー久しぶりにランチ訪問しました。
お目当てはもちろんこのお店のシグニチャー、牛丼、牛肉飯です。
ひゃー、何と1300円!また値上がりしてました。大盛りにすると1400円。
なかなかです。
味の方は相変わらず刺激的な唐辛子の辛さと、スパイスたっぷりの痺れ感で美味かったですが、心なしか以前よりカレーっぽくなってました。前はもう少しラー油的なギラギラな感じがしたような。
まあ、食べ終わるころにはこめかみやうなじから汗がしたたり落ちるのは同じでした。
しかし大盛り1400円は高いですね。気のせいか牛肉飯を食べているお客さんは少なかったなあ。
09/6
ランチで「茄子と挽き肉の辛し煮」\800を。 写真2枚追加しました。
これも美味いですね。甘酸っぱくて、しかもビリッとくる辛さで。
中華の茄子は本当にうまいです。火力の強い中華鍋で加熱された茄子は、いい感じに柔らかいままものすごく熱くなり、そしていつまで冷めません。
美味くてガツガツ食べたいのに、熱くて火傷しそうになるのがたまりませ~ん。
09/5
ランチで「牛肉飯」を食べに。写真2枚追加しました。
柔らかく煮込まれた牛肉がたっぷり。この刺激的な味は病みつきになりますね。食べていると頭から汗が噴き出してきます。
暑くなると「牛丼」食べるのも大変ですが、中毒性のあるこの料理はやめられません。
08/12
この店をよく知る、超常連の方に連れて行ってもらいました。場所は芝パークホテルの真ん前、綺麗な青の「ty」のネオン、仏料理本ひとつ星タテルヨシノの向かいでありますが、あまりにも普通の中華飯店の風情に、かなりのギャップを感じながらの入店です。
店内は八角の香りが充満しており、満員状態。常連さんの電話で、かろうじて4人テーブルを確保。男も女も、ざわざわとした活気の中で、美味そうな料理を頬張っている、「食」のエネルギーを感じる雰囲気です。
常連さんの「おまかせで」「辛いやつも適当に」が本日のオーダー。さすがです。出てきたものは、
☆キャベツの酢漬け
唐辛子と山椒ですっぱ辛くて美味い。ねちゃっと糸を引くくらい漬かってます。
☆前菜
蒸鶏、クラゲ、ピータン
☆牡蠣のフリッター
大ぶりの牡蠣がカラッとホクホクに揚がってます。ケチャップか山椒塩で。メチャうま!
☆海老チリ
ソースの中の細かく刻んだネギ、生姜、ニンニクがとてもバランス良く、プリプリの海老にマッチして美味い。結構辛い!
☆ニンニクの芽牛肉炒め
ニンニクの芽の炒め方が絶妙。中華は実は野菜が美味いことを思い出させる一品。
☆重慶牛肉煮込み?
誰もが注文する「牛丼」の頭。黒豆、山椒、八角等の調味料に唐辛子を利かせた絶品。柔らかいホホ肉は美味いが、超辛い。食べているうちに、後頭部から汗が。病みつきになるウマ辛!
☆上海蟹
蟹味噌と内子の詰まった上海蟹。ここで食べられるとは思わなかった。甲羅に紹興酒をたらして味噌と混ぜたら、すっげえ美味い!たまりません。
☆麻婆豆腐
細かく刻んだ豆腐が特徴。山椒も辛いですが、唐辛子の辛さが際立っております。どんぶりめし一杯軽く食べてしまいました。食い過ぎ。
いやあ、美味かったです。どの料理も美味かったっす。何の事前知識もなかったのですが、「重慶牛肉煮込み」は、一度食べたら忘れられない味です。ハマりました。名物であるのも無理はありません。食べてるだけで汗をかくのですが、それが辛すぎて冷汗ではなく、体が暖まる感じで自然に汗が出るところが気持ち良いのです。さすが薬膳、というところでしょうか。
御馳走になってしまいましたので、正確なお勘定はわかりませんが、たぶんかなりリーズナブルだと思います。ハマりましたので、絶対再訪します。
8位
1回
2009/04訪問 2009/04/13
赤坂と乃木坂の中間、赤坂陽光ホテルの隣にある、和食の割烹です。ちょっと高級な寿司屋さんのような入口をはいると、大きな白木のカウンターが目に入ります。ずっと奥まで進むと、掘りごたつ式の個室があります。大きなテーブルに座椅子があり、とてもゆったりくつろげる和室です。
生ビールで喉を潤して、本日のお料理に。
~卯月コース~
☆座付き 蛤浸し 根三つ葉 唐墨 糸賀喜
ごく薄味の出汁で食べる蛤と三つ葉。唐墨がアクセントになります。和食のスターターとして上出来です。
☆温 物 飯蛸 筍甘煮 菜の花 梅人参 巻き湯葉 花山椒餡掛け
柔らかく煮られた蛸と、筍が美味しい。これも薄味の餡に花山椒がピリッときます。
☆志のぎ 佐賀牛サーロイン炙り寿司 洋山葵
牛の握りは美味しいですねえ。宮古島以来、久しぶりに食べましたが、佐賀牛の脂が甘くて最高です。山葵の代わりにちょっとホースラディッシュが乗っているのもグッド。
☆鮮 物 本日の鮮魚二種盛り 芽物一式 土佐醤油
この日は桜鯛とのどくろでした。のどくろは脂がのっていて、とても滑らかな舌ざわり。土佐醤油もいいです。
☆油 物 桜海老掻き揚げ 蛍烏賊 独活 たらの芽 酢味噌 桜塩
天ぷらの盛り合わせです。ホタルイカの天ぷら初めて食べました。桜海老のかき揚げは天丼で食べたい!
☆箸洗い あけぼの椀 煮穴子 天豆 桜花
なんだろう?卵のお吸い物のようなものの中に、穴子と梅干しが入っています。薄味で何とも言えない味。
☆主 菜 佐賀牛サーロイン新キャベツ巻き
上質の佐賀牛でキャベツをくるんで蒸した料理。胡麻だれでいただきますが、牛肉とキャベツの甘みの組み合わせがとても美味しい。牛肉の和食です。
☆食 事 本鮪漬け飯 黄身醤油 山葵 胡麻 赤出汁 香の物
鮪の漬け丼。美味しい鮪でした。鯛茶漬けとの選択でしたが、両方食べたい!
☆口直し 蜂蜜クリームマカロン だだちゃ豆のアイスクリーム
なかなか素晴らしい和食のコースでした。日本酒は「繁桝」をひとり3合以上飲んだでしょうか。辛口のお酒に合う、変化に富んだ料理に舌鼓を打ちました。
食後に挨拶に来てくれた、料理長の田中勝さん。とても人懐っこいかたです。なんでも仲居さんにはモデルの女の子が何人かいるそうです。道理で料理を運んできてくれる仲居さんが、みな若くて綺麗だと思いました。
美味しい料理だけでなく、そんな楽しみもあるお店です。
9位
1回
2008/12訪問 2009/02/18
丸の内オアゾは良く行きますが、丸の内ホテルを訪れるのは初めてであります。オアゾ1Fの雑踏から、専用のエレベーターホールに入り、ドアが閉まった瞬間、騒音が遮断され急に静寂が訪れたのにはちょっと感動しました。
7Fに上がると、フロントの奥にホテルのダイニングが4つほどあります。その一つがこの鉄板焼き大安くらぶです。店内は照明を落としたシックな雰囲気で、東京駅が見える窓に面した細長いカウンターが目に入ります。右手奥に個室があり、ここを7名で利用しました。L字型のカウンターの個室にも大きな窓があり、東京駅のホームから発着する新幹線が見え、夜景とともに郷愁をそそるなかなかのロケーションです。
コースは¥15,015の「櫻花」をいただきました。
☆前菜5種
☆焼野菜
☆茹で野菜
☆白子焼き
☆魚の炙り2種
☆和牛ロースまたはフィレ
☆ガーリックライス、赤だし、お新香+いわし丸干し
☆デザート
☆コーヒー
コースとしては一般的な鉄板焼きの流れですが、品数が多いのが特徴です。写真で見るとわかるように、前菜から一口サイズが5品。トマトとモッツァレラ、空豆の胡麻和え、黄ニラ、蛸の桜煮等々。
続いての焼野菜も、さつま芋、アスパラ、蓮根とすり身の3種。さらにしめじ、ニンジン、ベビーコーン、カリフラワー、ブロッコリーの温野菜が。これらは八丁味噌やクリームチーズにつけて食べるのが美味しく、ワインがすすみます。
そこから赤ワインソースをかけた白子焼を食し、めひかりの丸干しとカマスの焼き物と続くと、このあたりでもう相当お腹が良くなってきます。やっと肉にたどりついて、ミディアムレアのロースを胡麻だれ、塩と黒七味、おろしポン酢でいただきました。外側カリカリ、中は柔らかくジューシーな焼き加減はなかなか美味しくいただけました。
ガーリックライス、赤だしにお新香といわしの丸干しまで出てきて、もう満腹状態。ところが、デザートがまた5種類のテンコ盛りです。アイスクリーム、チョコケーキ、牛乳プリン・・・等々。
いろいろ出てきて、目にも美しく、美味しいなあと思ったものの、種類が一杯すぎて、メインの牛肉の印象が薄れてしまった気がします。前菜やデザートなど、料理の説明が何もなく、何を食べているのかわからないものがあったのも残念でした。
このままでも色とりどりの料理で豪華な感じはしますが、もう少し品数を減らして、メインの牛肉ともうひと品くらいインパクトの強い料理(例えば鮑とか)を出した方が、満足感は高いような気がします。
夜景が美しく、静かなホテルダイニングの雰囲気は素晴らしいので、なかなか使える店だと思います。なお、ワインのボトルは1万円~とちょっと高めです。
10位
1回
2011/01訪問 2011/01/26
「ゆる~い」感じでワインと仏郷土料理を ~ La Pitchouli de Loulou
2011/1 (最初の写真5枚追加しました)
何回目かの訪問です。
食事の後の二軒目でワインを飲みに。
カラフェでゆったりと赤ワインを楽しみ、つまみは軽ーく。
まったりとしていい雰囲気。
デザートをおすすめされたので、ふたりでひとつずつお願いしました。
客席の横で盛りつけてくれるパフォーマンスが楽しい。もちろん味も美味しくて・・・
すごーく良い雰囲気になったんですが、目の前で微笑んでいるのが・・・
おとこ友達だったなんて。あーあ。
2009/2
ロケーションがなかなか渋いです。広尾のはずれで。
外観もイケてます。パッと見ではなんの店かわかりません。和風っぽくもあるし。
店内は結構暗いです。雰囲気はいいけど、料理を食べるには暗すぎですね。やはりワインを飲む気分になるのに適した照明なのでしょうか。
ここを「ビストロ」と呼ぶ方が多いようですが、パリにはこんな暗いビストロはないと思います。パリの路地裏のビストロは、もっと明るくて賑やかな、大衆食堂に近い感じではないでしょうか。
ここは、もっとお洒落で気軽なワインバーで、料理にも力を入れていると言った方がしっくりきます。
さて、3人でおじゃましました。食前酒はシャンパンか洋梨の食前酒オーセンティック・エリック・ボルドレ。料理は、すべてアラカルトなので、食べたいだけ自由にオーダーできる「ゆるさ」が良いところです。食べたのは、
☆ポテトのチーズグラタン
☆縮みホウレンソウのキッシュ
☆ホワイトアスパラ
☆ブーダンノワール
☆腸詰ソーセージ
☆やり烏賊の墨煮
☆トリッパ
☆クスクス ロワイヤル
黒板に書かれた数々のメニューは、どれも美味しそうで目移りしてしまいますが、素朴なフランスの郷土料理といった味わい。腸詰ソーセージや、クスクスはフランスっぽくて美味かったです。シェ・トモとは対照的に、盛り付けにあまり気取ったところがなく、「ゆるい」感じがいいですね。
ワインリストは皆さん書いているように、スケッチブックに綺麗に印刷されたもの。これをじっくり読んでもいいのですが、料理をオーダーする時に、「これに合う赤を」とか言えば、お店の人がおすすめを選んでくれるので楽ちんです。この「ゆるさ」も心地よい。
ワインはグラスでもボトルでも、カラフェでもOK。これも「ゆるくて」うれしい。カラフェは3人で飲むのにちょうどよく、なんと5種類も飲んでしまいました。
客層は外国人も含め、デートやら女性同士やら、男同士なんていう人もいて、店員さん共々気さくな感じです。騒がしくなく、かといって静かすぎない心地良さがあります。
好きなものを好きなだけ頼んで、好きなワインを自由に楽しんで、リラックスしながら美味しい料理に話の花が咲く、そんな「ゆるさ」がこのお店の最大の魅力かもしれません。ただし料理の味は、決してゆるくはなく、しっかりとしていますので悪しからず。
友人と話していて、そうだ、斉須さんの料理を食べに行こうということになり、すごく久しぶりになってしまいましたがディナーで訪問しました。相変わらずとても落ち着いた佇まいの三田ハウス。その一階にひっそりとある「CÓTE D'OR」です。言わずと知れた、日本を代表するフレンチの老舗グランメゾン。
扉を開けると、松下メートルが柔らかい身のこなしで迎えてくれました。少し年取ったかなw
グラスの泡を飲みながらメニューを。
普段はアラカルトで好きなものを選びたい我々ですが、コースの内容を聞いてみたら食べたいものがほぼ入っていたので、コースをお願いすることにしました。
☆サワラの燻製 紅芯大根添え
このお店のシグニチャーのひとつです。サワラが繊細な火入れで絶妙にレアでぷりぷりとした食感。スモーキーな香りに包まれ、振りかけられた香辛料と相まって旨味が凝縮されて。紅芯大根は人参のよう。
ちなみにお馴染みの赤ピーマンのムースがメニューになかったので聞いてみたら、赤ピーマンにも旬があるそうで。知らなかった。
★Chablis Premier Cru Vaillons William Fevre 2020
この前菜のラインナップとクエなら白がいいよね、ということで、シャブリをボトルで。狙い通りドライな味わいがすっきりで、料理の味を引き立ててくれます。こういうドライな白ワインは好きだな。
☆鳥取産イノシシのテリーヌ フォアグラ入り
このメニューは初めて食べました。イノシシの肉の旨味がうまく引き出され、フォアグラの香りを纏って濃厚な味わいです。周りを脂身で包んでいて、「くどかったら外して召し上がってください」と松下メートルに言われたけど、そのままでも脂が甘かったです。キャベツのナッツソースも好きだなあ。
☆長崎産クエの蒸し焼き 魚のブイヨンスープ
これまたクエの火入れが素晴らしい。ぎりぎりレアなクエはぷりぷりとした食感を残しながら、旨味がすごい。クエって美味しい魚なんだと再認識させられます。しかしこのスープはターメリックの効いた、カレー味のようなブイヨンスープです。あまり冒険しない当店にしてはこれは珍しかった。
☆フランスシトロン産 仔羊の鞍下肉ロースト
もともとはコースのメインは仔牛だったのですが、仔羊が食べたくて代えてもらいました。これが大正解。しっとり柔らかながら、跳ね返るような弾力のある羊肉は、噛みしめると旨味たっぷりの肉汁が溢れ出てきます。脂身で周りを包まれているのもジューシーさを増幅します。これはほんとうに美味しかった。火入れのすばらしさを感じる本日一番のお皿でした。
★Bouchard Pere & Fils Gevrey Chambertin
仔羊にはブルゴーニュのピノを合わせます。グラスでいただきました。
☆ビターチョコレートのマルキーズ
当店のデセルで一番好きなのがこれ。重層的なチョコレートのコクと苦み、ナッツの風味が混然一体となって、口中に広がり幸せな気分。友人のモンブランも美味しいけどね。
☆プチフール カフェ
コースにすると、一皿のポーションはアラカルトより少なくなるようでしたが、それでもおなかいっぱい。バゲットが美味しくてどんどん食べると、どんどんおかわりを持ってきてくれたのもありますが、満腹です。
相変わらず斉須シェフの料理は、ド直球で全然ぶれませんね。丁寧な火入れや調理で、フレンチの基礎を貫いているのが感じられます。これは我々のような年代には支持される重厚感があるんじゃないでしょうか。
この重厚感は、最近の流行りのような、映える、奇をてらったような若者受けするフレンチとは完全に一線を画しています。
斉須シェフにはお目にかかれませんでしたが、あいかわらず前菜からデセルまですべて自身で作られているとのこと、お元気だと聞いて安心しました。長く続いてほしいフレンチの名店です。
2011/1 (写真を10枚追加しました)
母親の喜寿のお祝いで行ってきました。
相変わらず、真っすぐに美味しい素材を美味しく食べさせてくれる、斉須シェフの料理に感動。
青首鴨には、太ーい下仁田ネギが合わされていて、これまた憎い鴨ネギの一皿。サワラの燻製や、鱸のポアレなど、魚料理も素晴らしい。
食後、ずいぶんスリムになられた斉須シェフが来られて、長いこと話し込みました。
このデフレの時代に、優良な素材を美味しく提供することの難しさに頭を痛めておられるとのこと。質は落としたくないし、良い素材が手に入るよう頑張っていきますとおっしゃっていました。
2010/1 (写真を14枚追加しました)
レビューが500件になったら、またコート・ドールを書こうと思っていたら、こんなに時間が経ってしまいました。1月に母親の誕生祝いと、亡き妹を偲んで訪れました。今頃季節外れですいません。
ランチは割とお手軽なコースがあるのですが、やはりメニューを見ると食べたいものがいっぱい。結局ほとんどアラカルトで頼んだも同然でした。
1月なので「青首鴨」や「蝦夷鹿」のジビエはやはり素晴らしい。斉須さんの繊細な火の入れ方に唸ってしまいます。そしてあと一皿しかなかった「黒トリュフのかき卵。」見るからに味わってみたいと思わせるお皿のデコレーションもさることながら、強烈なトリュフの香りに、昼からワインを飲まずにいられませんでした。
やはりこのお店は特別です。たまにはこんな贅沢をしてもいいだろうと思わせてくれる、寛ぎの空間です。
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2009/9
レビュー400件という、一つの節目に、このお店のレビューを書かせていただくことにしました。というのも、このお店コート・ドールは少し特別な意味を持つお店だからです。
僕の最愛の妹が、大好きだったコート・ドール。彼女は斉須シェフの料理をとても愛していたようです。
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初めて訪れた僕等を、とても安らいだ気持ちにさせてくれる、松下メートル。まさに「静謐」という言葉が相応しい、気持のよい空間です。
料理はもちろん素晴らしい。僕の乏しい語彙で語るにはもったいない、斉須シェフの料理への想いが、じわっと伝わってくる感動があります。
ゆっくりと流れる時間を、ワインと料理の素晴らしさを、妹と共有しているような気分にさせてもらいました。
帰りに、母がどうしてもお礼が言いたい、というので、斉須シェフにお越しいただきました。飾らない、ちょっとぶっきらぼうとも言える、素朴な人柄のシェフは、じっと母の話を聞き、「じゃ、厨房を見ていってください」と我々を招き入れてくれました。
「これが二十何年も使っているオーブンです」と大切そうに見せてくれたシェフ。
周りでは、若い料理人達が隅から隅までピカピカに厨房を磨き上げる姿がありました。
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今回は感傷的な訪問になってしまい、このお店の素晴らしさを伝えることができませんが、写真だけは撮ってきましたので、それでお許しください。
そして、できたらどこか節目のレビューで、またコート・ドールを書きたいと思います。