12回
2022/01 訪問
2022年の御年玉は小分けで粒揃い
再訪
「たかむら 」を訪問するうえで外せないのが、1月の御料理...オメデタイ感を表現した料理が登場します。
訪問1ケ月位前にTEL予約。
別13千円+オプション(お任せ追加素材)でお願いしました。
追加で2-3千円の賽銭を投げ込み(=オプションを追加)ますと、満足出来るリターン(=御年玉)があります...
過去には、
2020年:熊肉丼
2021年:ズワイ蟹
でした...
秋田空港への着陸前に、レアな現象(オマケに2枚載せておきます)が拝められ、今回も期待出来そうとの予感...
入店1805。先客1組2名様。本日は計:2組5名様です。オミ●ロンの影響で、県外客からのキャンセルが出たのでしょう...
ご登場したお料理は、
① 先付1(八寸)
・数の子
・ツクバネの酢漬
・チシャトウの味噌漬
・子持ちシシャモ
・茶ぶりナマコ
・特製卵焼き
・浅利と春菊の胡麻寄せ
・黒豆
② 先付2(御年玉1):秋田産虎河豚白子焼き
③ 先付3(御年玉2):富山産ミンク鯨フィレ刺身
④ 椀:大根の花びら餅仕立て、バチコ(御年玉3)
⑤ 造り:秋田クエ昆布〆、青森サヨリ、北海道ホッキ貝、メネギ、水前寺海苔
⑥ 進肴(御年玉4):秋田錦牛タン刺身
⑦ 鉢肴:秋田錦牛塩焼き、特製ネギ塩ダレ
⑧ 強肴:鶏大福、ホウレンソウとベステルキャビアのせ、鶏出汁餡掛け
⑨ 箸休:秋田ズワイ+菜花昆布〆の柚子釜仕立て、卵黄の塩漬けのせ
⑩ 追肴:牡蠣クリームコロッケと特製タルタルソース、???チーズ掛け、白神酵母のバンズ
⑪ 〆:たかむら麺の鶏そば仕立て
⑫ 甘味:百合根しるこ、焼き生麩と銀杏、京あられ
ドリンク
A:一白水成別誂
B:新政xNicolas Buffe 2021(御年玉5)
C:新政別誂
D:山本別誂
E:雪の芽社 美酒の設計 純吟
計2合+Bを1グラス飲んで、お会計は2.5万円にとどかずで、相変らずで驚異の仕上りでした。
以下、食した所感
・2022年の御年玉は②③④⑥と小分けに登場し粒揃いの内容。Bは流石に別会計ですが、ポン酒と云うよりはシャンパーニュのような風味です。Cが無くなりそうなので、4月の再入荷迄の繋ぎのようですが、一回飲んでみる価値アリでしょう。
・以前に食した献立を管理されているので、当店で食した事のない料理が登場してくることに改めて魅力を感じました。
・⑥⑦:肉の甘味を強烈に感じる料理。⑥は⑦の前座の皿と思われますが、⑦(レア焼き)で甘味が凝縮されて感じる演出でしょう。
・⑩:昨年の牡蠣フライから牡蠣クリームコロッケへ...蒸し牡蠣をペーストにしてベシャルメソースと和わせてコロッケに...手間が5倍位掛かっているような?
・当店へ通って4年になりますが、8、10、13千円のコースは据置き...地方の最優良店を継続されてます。
大将の高村氏はドンペリのアンバサダーに任命されたようで近々、料理に合うシャンパーニュをグラスで提供して頂けるとのこと。どんな料理が出てくるのか興味津々...
【オマケ】
ブロッケン現象:2枚
※ 搭乗時のインフォメーションでは、秋田空港の天気は雪との事で期待しておりましたがビンゴです。
自分は今回で2回目です。
御年玉6みたいなモノでしょう。
太陽の軌道の関係上、南北に運航する便に搭乗した際、降下時の雲海に入る直前に拝める確率が高いと思います。
2022/02/11 更新
2021/09 訪問
江戸料理改め中華料理「たかむら」
再訪
ご常連様にお誘い頂き「中華たかむら 」へお邪魔。
ご常連様は半年前位から試食を重ねて献立まで考えて頂いた熱の入れようで感謝、感謝。
入店1850。
本日は貸切り7名様。
以下、ご登場した御料理のラインナップ。
1. 唐墨和え春雨、ベステルキャビアのせ
2. 子持ち昆布
3. 炙り錦牛レバー、花ニラのお浸し、葱塩と胡麻油のせ、たかむら流レバニラ仕立て?
4. 甘鯛の香味醤油かけ
5. 鼈(スッポン)、搾菜(ザーサイ)、3種の茸(ハタケシメジ、ハツタケ、マイタケ)のスープ
6. ヒラメの香味醤油掛け
7. 焼豚、蓮根甘酢漬け、薩摩芋蜜煮、青南蛮味噌添え
8. 雌貝鮑、紫雲丹、枝豆のイチゴ煮
9. 車海老と青梗菜のエビチリ
10.炙り錦牛のタン、オクラのお浸し、万願寺、菊のお浸し、クラゲ、ヨダレ鶏のソース
11.イクラ春巻き
12.蟹餡掛け炒飯
13.たかむら麺の坦々麺仕立て
14.杏仁豆腐
オミヤ:ハガツオの香味漬け
以下、食した所感。
・ワガママ客の無茶振りに応えて頂いた大将に感謝、感謝。
・中華料理との事でしたが、シッカリとした和食をベースとした「たかむら 」流にアレンジされた御料理で、違和感が無いのが不思議です。
・5. 8. 12. のお出汁が絡む御料理は中華料理にはない深みのある出来栄えに脱帽。
・正直、本業ではない御料理を作って頂くのは気が引けましたが、何でも取り入れていくのが「たかむら 」流の江戸料理と認識しますと、今回の御料理は実験台みたいなモノなのでしょう。
・実際、11. は定番メニューでした...
・常連様の試食時には「茶禅華」の鱶鰭が出ていたようですが「たかむら 」からの注文が混んだようでして、今回は無し…残念。
人数が集まれば、イタリアン、洋食、鮨 もやって頂けるとの事で興味津々。
お会計はポン酒を1.5合頂いて29.5千円でした。
此の後、おでん居酒屋で2次回です...
2021/09/13 更新
2021/01 訪問
「たかむら 」からの御年玉
再訪
1月のお料理は、大将が1番気合いが入るとの事ですので、可能な限り訪問するようにしています。前回訪問時(7月)に予約です。
当初は羽田経由で秋田入りの予定でしたが、年初の大雪で、羽田発が欠航により急遽、伊丹発に切替え...
入店1820、先客無2組3名様。本日は4組8名様でした。
頂いたのは、 ※ 税別
13000円:お任せコース
3000円:お任せスペシャル素材
1250円:一白水成 大吟「たかむら」袋吊り 0.5合
550円:美酒の設計 純吟 0.5合
500円:山本 荒走り 純吟 0.5合
19886円:お会計
ご登場したお料理は、
【先付1:八寸】
・数の子、菜花の昆布〆+卵黄の塩漬
・ツクバネの酢漬
・チシャトウの味噌漬
・田作り(ごまめ)
・茶ぶりナマコ
・特製卵焼き
・浅利と春菊の胡麻寄せ
・黒豆
【先付2】※ スペシャル素材
・秋田ズワイ爪、山葵塩掛け
・蟹味噌和え
【先付3】
・秋田あん肝旨煮
【椀】
・車海老+京人参+牛蒡+蕪の花びら餅仕立て、ミツバ+ウグイス菜+柚子
【向付】
・秋田クエ
・大間大トロ
【鉢肴】
・秋田穴子蒲焼き
・付合せ:蓮根甘酢漬け、山桃ワイン煮
【炊合】
・鶏大福、ベステルキャビアのせ、鶏出汁餡掛け
【進肴】
・秋田毛蟹♀の身と内子+セリの酢物
【追肴】
・赤穂サムライオイスターの牡蠣フライ
【〆】
・特製ラーメン
具:特製焼豚、葱、玉葱
スープ:宮崎地鶏+鼈+鰹
麺:極細ストレート
・追い飯:五穀米
【甘味】
・百合根ぜんざい、銀杏+焼き生麩、京あられ
食した所感は、
・終始「献立」+「色合い」的に正月の「めでたい」感を演出。
・前日の大シケにも関わらず、1.3kgのズワイ+♀毛蟹等の貴重な素材を揃えて頂きました。御年玉を貰った気分...
・牡蠣フライのキメの細かい衣+〆ラーには、新たなチャレンジを感じます。「洋食たかむら」「食堂たかむら 」でも始めるのでしょうか?
・毎回、全国からの素材を取り揃えてますが、今回は秋田を中心とした東北モノでした。食べ歩きの旅に出た甲斐があります。
・其れにしても信じらないお値段設定...お料理に加えて、ポン酒も内容的に都市部の 1/3~1/2 の設定でしょうか?
・1月のお料理は、同店の訪問に於いて外せない月と再認識でした。
退店2030、残2組6名様。
日本一の居酒屋に寄ってみるつもりでしたが、腹パンにより、バー経由でホテルへ戻ってしまいました...
2021/04/01 更新
2020/07 訪問
オールマイティ「たかむら」の江戸料理
再訪
先週が京料理だったので、今週は江戸料理です...
昨年は逆だったような?
此方の店舗へ通って丁度2年が経過しました。秋田訪問は「たかむら 」を軸にいろんな美味しい店舗があり、楽しみが尽きない不思議県というのが此の2年の印象。
数ヶ月前に女将へ相談したスペシャル食材は、
① 鰻(八郎潟天然)
② 鱶鰭
電話越しに大将が即答で、
① 鹿児島養鰻、② 却下...
レビューをご覧になられているのか?食べたメニューを顧客毎に認識されていらっしゃるのでしょうか...?
寝坊で秋田入りが遅くなった事もあり入店1930、ラスト入店客で先客2組4名様?
都内で感染者が激増した事もあり、此の日はキャンセルが相次いだとの...
ご登場したお料理は、
【先付1:八寸】
・北海道数の子
・浅利と春菊の胡麻寄せ
・秋田枝豆
・田舎味噌もろきゅう
・キヌカツギ(里芋)京都錦胡麻掛け
・北海道バイ貝旨煮
・特製卵焼
【先付2】
秋田錦牛タン炙り(染めオロシ:大根オロシ+醤油 仕込み)、葉山葵、酢橘
【先付3】
蕪餅、キャビア(モルドバ スターレッド)のせ
【椀】
ゴールドラッシュ(玉蜀黍)の摺流し、秋田潤菜、温泉卵の黄身、鰹出汁ジュレ
【造り】
星鰈、アオリイカ(3日寝かせ)、水前寺海苔、山椒醤油、男鹿竹炭塩
【焼物】
マナガツオ幽庵胡椒焼き、椎茸南蛮漬け、蓮根甘酢漬け、山桃シロップ漬け、薬味(青唐辛子味噌、山椒、酢橘)
【炊合】
猪シチュー、マッシュポテト、伊サマートリュフ掛け
【一品】
三陸牡蠣白煮、静岡アメーラトマト、黒皮南瓜旨煮、大黒シメジ旨煮、芋茎(ズイキ)浸し
【揚物】
穴子のフライ、自家製タルタルソース
【〆】
霞ヶ浦天然鰻丼、鰹出汁のお吸物、お新香
【甘味】
秋田苺(アキヒメ)ジェラート、シャインマスカット、...忘れました。
食した所感は、
・初訪時は???でしたが、今回もキャビア、シチュー、トリュフ等の本当に和食でしょうか?と感じる食材+調理を散りばめてました。此れが革新的和食を突き進む「たかむら」流の江戸料理です。
・本日のMVD(皿)は「鰻丼」。14.5分も蒸されたとは思えない身のシッカリとした食感でした。
・準MVD1は「アオリイカ」。厚さ7-8mmにカットされていてもサクッと噛み切れ、纏わり付くようなネットリ感。星鰈の縁側も食べたかったな...
・準MVD2は「牛タン炙り」(写真は一切れですが、撮影前に二切れ食べてしまってます...)。シットリとした食感は自分史上最高の牛タンかもしれません。
・準MVD3は「猪シチュー」。牛には無いジューシーな旨味に驚き。
食後に客が居なくなったので、大将と料理談義...イロイロと木端されて生活指導も...此れも「たかむら」の魅力です。
ノリで「洋食たかむら」もできるのでは?と突っ込んだところ、既にイタリアンで実施済みでした...何でも出来るオールマイティ料理人のようです。
お会計は、地酒メニューを右から左へ5種 全部(半合ずつ)呑み干して、20,728円でした...CPが高過ぎます。
次回の予約をして、腹パン退店2155。ラスト客...
2020/07/12 更新
2020/01 訪問
手(調理)を替え、品(素材)を替え...
再訪
入店1800、先客無し。
大将は黙々と八寸の盛付けをされてました...
今回のスペシャル素材:(お任せ)長野熊ロース
ご登場したお料理は、
1. 先付1:八寸
① 北海道 数の子
② 浅蜊と春菊の胡麻寄せ
③ チシャトウ(茎レタス)西京漬
④ 茶ブリ赤海鼠
⑤ バイ貝旨煮
⑥ 特製卵焼き
2. 先付2:下関虎河豚白子磯辺焼
3. 先付3:秋田横手 本モロコ木の芽揚げ
4. 椀:車海老、京人参、牛蒡の奉書巻き、菜花昆布〆
5. 向付:下関虎河豚白菜巻+皮湯引、秋田水蛸、八戸〆鯖炙り胡麻油塗り、水前寺海苔、
6. 鉢肴:比内地鶏首皮包み焼、付合せ(椎茸の南蛮漬、蓮根、山桃)、薬味(青南蛮味噌、山葵)
7. 蒸:鶏大福、ベステルキャビア+山葵 添え
8. 酢肴:秋田八森(青森との県境)ズワイ磯辺巻、黄ニラお浸し
9. 揚:雲子、海老芋 自家製タルタル
10. 〆:熊丼、トロロ昆布のトメ椀、お新香
11. 甘味:百合根、生麩、丹波黒豆 の汁粉
印象的だったお料理は、
1.③:門松に見立ててますね。彩も鮮やか。
1.④:トロトロに仕上がってます。これで先付を一品張れるような出来映え。
2.:白子を餅に見立てた磯辺焼き...「たかむら」ならではでの変化球。本日の準MVP。
4.:「めでたい」を感じるお料理。昨年の「奉書巻き」よりもシンプルに...此方の方が好みです。
6.:仕上げの「焼」に入る前に「食べる?」との大将...看板料理を注文されてたご常連様が3名様だったようでオコボレを頂いてしまいました...
9.:一瞬、此れが和食か?と疑ってしまうような見映え。でも、斬新和食「たかむら」の真骨頂...タルタルをのせて食すると、口の中で雲子がチーズのようにトロけてグラタンになってしまいます...本日のMVP。
10.:「熊ロース」出てこないな〜と思ってましたら、〆に出てまいりました...一言で表現すれば、超ジューシー濃厚「牛丼」です。思い返すと、これ迄お願いしたスペシャル素材は、
熊ロース:鍋 → 丼
鱶鰭:揚げ → 餡掛け丼(凌ぎ)
鰻:蒲焼 → 丼
全て「ご飯モノ」に収束してますね...
次回は、鱶鰭、鰻 をお願いしてみましょう...どのように料理されるのか?楽しみ。
11.:ほぼ、百合根だけで汁粉の甘味に驚き...
今回も満喫したお料理でしたが、これ迄で一番楽しめたお料理の構成でした。
同じ素材でも調理法を変え、同じお料理でも素材を変えてご登場するのは、複数回通って初めて体験できる内容でしょう。
お会計はポン酒2.5合頂いて、驚きの2万円切りです...
退店2030、残3組6名様。
2020/01/13 更新
2019/09 訪問
たかむら秋の味覚
再訪
本日のスペシャル素材
・気仙沼フカヒレ
・お任せ:京都松茸 でした
ご登場したお料理
1. 前菜1(八寸):蛸柔煮、枝豆、海老ツヤ煮、新銀杏、衣カツギ、浅蜊と春菊の胡麻寄せ
2. 凌ぎ:鱶鰭ご飯
3. 前菜2:蕪餅、ベステルキャビア
4. 椀:鱧揚げ真薯、松茸、冬瓜
5. 向付:秋田九絵、秋田寛八、北海道帆立、水前寺海苔
6. 焼物:合鴨と松茸の筏焼き、山桃、椎茸
7. 炊合:秋田錦牛の牛タン、ヒラタケシメジ、自家製マッシュポテト
8. 一品:鰆磯辺巻き、静岡アメーラトマト、秋田木耳煮、鱧皮焼の酢の物
9. 揚物:イクラ春巻
10. 〆:たかむら麺、胡麻ダレ
11. 水菓子:玲瓏豆腐、黒蜜かけ
秋の味覚が散りばめられた、今回も完成度の高いお料理でした。印象的だったお料理は、
2. 分厚い素材で、噛む音がお隣まで響くホド...トロトロのお出汁との相性もヨクテンションMax。鱶鰭をご提供頂いた、仙台の有名中華「クロモリ」へも感謝、感謝。来年の訪問を目標にしましょう。
4. 手間の掛かった「鱧揚げ真薯」は「太古八」流のお料理。松茸も入り贅沢な椀でした。
7. 牛タンのお出汁の滲み出たスープが秀逸。汁好きには堪らない逸品。
9. 昨年、ヨウ分からんかったお料理。最後に濃厚でネットリした風味が広がりましたが、舌を火傷...揚げで風味が凝縮されているのでしょう。白くなっていないイクラは絶妙な火入れです。
ドリンクは、以下を頂いてます。 * 3人でシェア
飛良泉純米大吟醸(麹1801)4合瓶:持込み
一白水成純米大吟醸 2合
お会計は、込25,556円。
退店2125、最終客...大将にお見送りして頂きました...恐縮です。
2019/09/17 更新
2019/07 訪問
四代目太古八 たかむら流の江戸料理の楽しみ方
再訪
此方へ通い始めて丁度1年。今回はイロイロとご講義頂いた事もあり「たかむら」の料理を満喫するための「事前知識」「注文テク」等について、「聞いた」「感じた」内容についてご紹介。
先ず最初に、
【江戸料理、太古八、たかむら】
・江戸時代に参勤交代が始まった頃に、接待用のお料理として確立されていく。
・武家が顧客だったので「余計な飾りは無し」。
・飾りが無い分、お料理には隠れた手間を掛ける。
* 1番の特徴なのでしょうが、説明頂かないと分からないのが難点...初訪時は???と感じました。
・「太古八」は、かつて江戸料理の3名店とされた一つで革新的なお料理が特徴。新しい素材も積極的に取り入れる。「おでん」も提供されていたとの事で、練物系には特段の手間の掛けよう。
・江戸料理は一匹狼系が多く、京料理のような縦横の関係が薄い。結果、代替り出来ないケースが発生してしまう.。 *「たかむら」に弟子がいないのは...ヤメときます。
・「たかむら」=「江戸料理」ではなく、あくまでも色んな食材を現代風に江戸料理として組み込んでいくのが「太古八」流。ある意味、和食のフュージョン系のような気がします。
【たかむら の楽しみ方】* 個人的な見解です
・コースは、税別8000円、10000円、13000円の3種です。13000円のコースを選択すると、運が良ければ?その日に誰かが頼んだスペシャル素材にありつけるかも...?
・慣れてきましたら、食べたい食材をリクエストする。1素材あたり2000-3000円アップしますが、それでも都市部の人気店よりは安く仕上がりますし、自分のみにカスタマイズされたお料理の流れとなります。
・看板料理の「比内地鶏首皮包み焼き」を注文すると、目の前で仕上げの調理をやってくれます。その際に高村氏との会話をお楽しみ下さい。
という事で、今回のリクエスト素材&料理は以下となります。
・宍道湖天然鰻
・久六島鮑
・三陸フカヒレ
・比内地鶏首皮包み焼き
入店1900(ワケあって1時間遅刻...2部制であればアウトです)、2組のお客様が既にお料理中盤戦へ突入中...ご登場したお料理と ★所感は以下となります。
【前菜1:八寸:特製玉子焼、バイ貝旨煮、浅利と春菊の胡麻寄せ、五穀味鶏焼浸し、枝豆、ミニオクラ】
★ 美的センスの良さを感じる盛付け。毎回、食感の違いを感じる「浅利と春菊の胡麻寄せ」は、仕上げ(浅利の絡ませ方を変更している)との事。定番のお料理進化しています...
【前菜2:久六島鮑塩蒸と煮椎茸】
★ 高村氏が最上級と称する「久六島(秋田と青森の県境沖合30kmの岩礁)」の鮑は、黒鮑=雄貝に対し雌貝(メガイ)鮑となります。一般的には黒鮑が珍重されてますが、雌貝鮑の柔らかさと噛む程に溢れる旨味にはナルホドの逸品。
【前菜3:蕪餅、ベステルキャビアのせ】
★ 養殖キャビアが既に出回ってるんですね...ベステル蝶鮫は、大型の「ベルーガ」と成長の早い「スターレット」の交配種で、日本で最も多く養殖(今回は島根県産)されている品種のようです...以前に食した唐墨掛けから塩分補強の変更ですが、蕪餅の食感の軽さと粘りが増強されているような?確認すればよかった...
【椀:九十九里蛤、鱧揚げ真薯、冬瓜、蓴菜、姫チンゲン菜】
★ 此方の蛤料理では天麩羅も逸品ですが、今回はお出汁で...高村氏曰く、鱧真薯が「おでん」も提供していた「太古八」流 江戸料理の真骨頂との事...夏場の京料理ですと、骨切りして梅肉添えor 椀ですが、江戸料理では敢えて擂り身にして新玉葱と真薯にしているとの事です。ナルホド...
【造り:三陸星鰈、銚子鰹、北海道ツブ貝】
★ ツブ貝の張りのある食感が良かったですという事で詳細省略。
【焼物:比内地鶏首皮包み焼き】
★ 内蔵以外の全ての部位をミンチにして首皮に放り込んで焼きあげたお料理。仕上げに炭の香りを付けていく「たかむら」流の鶏ソーセージ。ランチで食した比内地鶏の食感を感じつつ、ジューシーな仕上りは看板メニューなってますが、相当な手間が掛かってるとの事...江戸料理の真骨頂なのでしょうが、通常メニューにはならないのかも知れません。
【煮物:スッポンと賀茂茄子の吉野煮、国産黒トリュフのせ】
★ 訪問2-3日前に、スッポンもリクエストしておけば良かったと後悔してましたら、期待を裏切りません...賀茂茄子のフェイク スッポンのような食感がアクセント。果敢に国産トリュフ(大分産だったかな?)も取り入れてます。
【一品:三陸紫雲丹、富山白海老、蓴菜、お出汁ゼリー寄せ】
★ 見慣れない涼しげな器でのご登場。雲丹の風味、海老の食感が良好なのですが、興味は器の方に...お料理、器のどちらが先か?と思わず確認したところ、夏季限定で「たかむら麺」用(是迄はつけ麺)の丼や甘味用に購入されたとの事...丼の「たかむら麺」のスープに興味深々...
【揚物:フカヒレのフライ、xxxソース】
★ 至近1ケ月で2回、天麩羅でフカヒレを食しましたが、比べ物にならない位、引き締まった食感に驚き。確認しますと、仙台の人気中華「クロモリ(4.21)」から、戻した状態で仕入れているとの事...乾物の戻しについては、中華の技には敵わないとの事で割り切ってらっしゃいます。ある意味、超の付く合理主義者です。
【御飯:宍道湖天然鰻丼】
★ 昨年の初訪時に、どなたかのリクエストにあやかって頂いたのが衝撃的でしたので、今回お願いしてみました。23千円/匹の仕入れとの事でしたので、4.5-5.0万円/kg ってとこでしょうか?
昨年(6.0万円/kg)は関西風の地焼きのでしたが、今回は丼にする為なのか?蒸しが入り関東風ながら、柔らか過ぎず風味豊かな逸品。
【甘味:玲瓏豆腐、黒蜜掛け】
★ 玲瓏(れいろう)とは「透き通るように美しい様」の意味のようです。涼しげな夏らしいお料理です。
お会計はポン酒1.5合(内、1.0合は「たかむら」仕様のプレミアム)頂いて、3万円超えを覚悟してましたが 25,594円...リクエスト素材&料理の課金内容は確認してませんので、次回に確認しておきます。
2019/07/15 更新
2019/04 訪問
「華美でなく、優美でなく、美しく」:他店を巡って実感する「たかむら」の凄み
再訪
「華美でなく、優美でなく、(でも)美しく」
あるお客さんが、「江戸料理」を一言で表現すると?との問いに対する高村氏の返答。
「京料理」は「華美に、優美に、美しく」だそうです。
前回訪問時(1月)に「他店を色々と巡ってみると、もっと面白いですよ〜」と言われてたのを思い出し、3–4月にかけて、懐石・割烹巡り...結果的に「たかむら」との比較になってしまい半分以上の店舗は、ストレスが溜まっただけでした。
他店を訪問して感じた違いは、
* お料理への手間のかけ具合、完成度、盛付けのセンスは、別として...
・調理〜盛付け までほぼ一人でやり切る。
お弟子さんは居ません...数少ない和食巡りで、一人で完結されていたのは、東京:「広尾一会」(2018年7月閉店、2019年4月「一会」として再開)位。
本日も満席でしたが、バラバラと入店する客の食べ具合に応じて、お料理が出てきますし、優雅に調理されます...
・素材と調理法に対する拘り
生産地、生産者の想いを配膳時に事細かにご説明頂けます。お料理の味わい方も変わります。
・スタッフのお料理に対する熟知度
お料理を配膳されるのは、女将とスーパー中居さんのお二人のみ(かなり舌が肥えてらっしゃいます)が、2. について詳しくご説明されます。お料理の風味や調理法を含めて熟知されており、店主に確認する事は皆無です。違った見解を示すと、微笑みながらピシャリ!と否定されますのでご用心を....
答え合わせはしませんでしたので、自分が感じた違いが正解かは分からず...と、いう事で入店1755、先客無し。
八寸の盛付けをされる高村氏にお料理の拘り等を教えてもらうのが楽しみの一つになってきました...
今回は、13000円のコースに、スペシャル素材が入荷したら?(+2000-3000円)でお願いしてみました。
ご登場したお料理と ★ 所感は、
1. 前菜1:八寸(A:玉子焼、B:バイ貝旨煮、C:蛍烏賊昆布〆炙り、D:数の子、E:浅蜊と春菊の胡麻寄せ、F:こごみ、G:空豆)
★ A、B、E :定番ながら、毎回、食感+風味を変えてきているような...聞いてみればよかった。
C、E :此処でしか味わえない手間のかけ方と風味と思われます。
2. 前菜2:富山白海老と蕨すり
★ 秋田の郷土料理の「蕨すり」(ご飯にのせて食べるそうです)を「たかむら」流にアレンジ。
「蕨すり」の仄かな苦味と、「白海老」のマッタリした食感+ 仄かな甘味 が口の中で絡み合います。
3. 前菜3:秋田鮟肝ペースト、花山葵
★ 鮟肝の血管等を取り除いた後にペースト状にされてます...カワハギを釣ったor購入の際に同様に調理してますが、更に濃厚です...ご飯にのせて肝丼にしてみたいところ。フォアグラのようにパンにのせても美味しそう!
30kgサイズの鮟鱇が入荷したとの事でのご登場でしたが、カワハギで同量の肝を確保するなら、軽く1万円位は必要でしょう...
4. 椀:蛤、筍、ムクロジ大根、姫小松菜
★ 平たく表現すると、蛤の潮汁に筍、野菜 の風味を追加。1-3. でポン酒を飛ばしただけに胃袋に優しい内容。
5. 造り:秋田桜鱒のルイベ、アイナメ、活牡丹海老
★ お醤油を使うのが勿体ない位の旨味...ほぼ、竹塩と酢橘のみで食せます。牡丹海老は氷水で〆ており、見事な海老反り...輝きと食感...思わず溜息。何時もより品数少なめですが、今回の方が好み。
尚、海老の頭はしっかりと脚を抑えないと、唇か舌に刺さりますので要注意です。* 実際、刺さりました...
6. 焼き:秋田比内地鶏の首皮包み焼き
★ テレビで紹介され、全国の食通が知る事となってしまったお料理。かなり手間がかかるようで、リクエストがなければ登場しないようです...内臓以外の全ての部位を首皮に詰め込むという荒業...比内地鶏の首皮でないと破裂するそうです。
今回、自分はリクエストしてませんでしたので、リクエストされた方のお晩酌にあがってしまいました...感謝、感謝。
前回(10月)に頂いたモノよりもお肉が荒々しくて好み。更に端っこの部分でしたので皮の旨味と食感を2倍楽しんでしまいました。
尚、リクエストされた方には最後に目の前で焼き上げるというパフォーマンス付き!手間の掛かるお料理なのにサービス精神旺盛過ぎです。
7. 煮:岐阜月輪熊ロース鍋 xxx葱、椎茸
★ 今回のスペシャル素材。1月訪問時に自分がリクエストしてたそうですが、記憶にありません...いずれにせよジビエに興味を持ち始めただけに丁度良かったです。
お肉は脂が全て溶け出しているのでしょう。意外とアッサリ系。一方、脂が溶け出したスープは、濃厚ながら、八角?の仄か風味でお上品に仕上がってます。
8. 一品:胡瓜とクラゲの酢の物、アメーラトマト、黒皮南瓜、大黒しめじ、生ばちこ
★ 初「生ばちこ」(ナマコ卵巣の干物)が酒をススませます...「かのこ」(卵巣の塩漬)は実家に常備されてるので、帰省の際に夜な夜なコッソリ一人晩酌してますが、「ばちこ」の方が、味は上品で濃厚です。
掌サイズで仕入れが5000円との事...高村氏、嘆きながらも採算度外視の出血大サービスです。
9. 揚げ:秋田毛蟹とズワイのクリームコロッケ 自家製タルタル添え
★ 蟹クリームの王様と言えるでしょう。2種の蟹の風味が融合し、更なる高みに昇華させます。初訪時に頂いた「蝦夷馬糞雲丹のコロッケ」は???でしたが、今回のは大満足!自家製タルタルをタップリ塗って食するようにとのご指導あります。
10. 〆:たかむら麺、胡麻ダレ、味玉
★ 今回の「胡麻ダレ」はバージョンアップしてました。初訪時は、胡麻ダレよりも塩の方が美味そうに感じたので、胡麻ダレは殆ど使いませんでした...今回は???何かが違う為、美味しく受け入れられました。
どうバージョンアップしたのか確認したところ、比内地鶏の鶏油を追加する事により、麺に絡みやすくしているとの事。 by スーパー中居さん
11. 甘味:マンゴープリンとゴールデンオレンジ
★ プリンは意外とアッサリ系ながら、オレンジを搾ると甘味が際立ちます。最初からオレンジを搾るより、先ずプリンを味見してから、味変を楽しむのがおススメでしょう。
今回は、完璧の内容に+α が多々あり、個人的には「味」だけでも「5.0」を突き抜けです。
お会計は、プレミアムなポン酒(酒蔵が「たかむら」の為に仕込んだ)を 0.5合x2 含む 計2合頂いて、驚きの 込20509円 です...「CP」は、「6.0」位でしょうか?
次回のプレミアム素材は、宍道湖の天然鰻がイイなぁ〜とリクエストしましたら、「保証できません」と、ピシャリ。初訪時に食せたのは、かなりツキがあったようです...「青森久六島の鮑」、「フカヒレ」かなぁ〜との事でした...鰻も鮑もお願いします!
退店2040。2番目の退店客でした...
2019/04/21 更新
2019/01 訪問
江戸料理のお正月
再訪
雪遊びを兼ねての訪問ですが、此方への訪問がメインになってきたような...10月の訪問時に2月の予約をお願いしたところ、1月のお正月料理がおススメとの事で、今回お邪魔です。
入店1745、毎度のフライング。先客無しで1845迄貸切り状態...お正月料理に使う素材の意味、メデタイ感の出し方等をご講義頂きました...恐縮です。
食材を揃えるのが1番厳しいとの1月で、新春のオメデタイ雰囲気を醸し出す本日のお献立は、
1. 先付1:田作り
2. 八寸(A:玉子焼、B:バイ貝旨煮、C:諸子タレ焼、D:浅利と春菊の胡麻寄せ、E:衝羽根(ツクバネ)酢漬け、F:真蛸の柔らか煮、G:スッポン金柑玉子)
3. 先付2:白子野菜餡かけ
4. 先付3:三陸産鮟肝旨煮
5. 椀物:大根、海老、牛蒡、人参の花びら餅仕立て、スッポンと菜花昆布〆出汁
6. 造り:秋田産平目+縁側、鱒ルイベ、蝦夷馬糞雲丹の槍烏賊巻 芽葱、水前寺海苔添え
7. 焼物:氷見寒鰤塩焼
8. 煮物:鶏大福 餡掛け
9. 一品:蝦蛄の磯辺巻き、黄ニラ、アメーラトマト、黒皮南瓜、大黒しめじ
10.揚物:蛤の磯辺揚げ
11.御飯:秋田産山芋掛け御飯、とろろ昆布の吸物
12.甘味:生麩と銀杏入り百合根のお汁粉
印象的だったお料理は、
1. 「ごまめ」ですね。フライングにより、2. が出るまでの肴として出して頂きました。自慢の逸品との事で、「田作り」の出来でお店の格が分かるとの事でした。自分にとってはポン酒が進む胡麻の風味が豊かなアテですが...
2A. いつもより柔らかめの半レア状態。此方が好み。
2B. 此方もいつもより、薄め味付けながら深みのある奥ゆかしい味わい。正月料理という事で変えたのでしょうか?聞いてみればよかった...
2C. シーズン最後の諸子で、琵琶湖産より格上との事です。一匹ずつ火入れされてました。身はアッサリ系です。
2D. 毎回、素材の風味の豊かさに驚かされます。一切れでもチビチビ食べればポン酒一合イケそうです。
2E. こんなメデタイ形をした植物があるんですね...まるで羽根突き用の羽根です。食べれるのは実の部分のみで羽根は食べれませんでした。
2G. 雌のスッポンを捌くと稀にあるとの事。プニュプニュの食感。初体験によりマッタリした風味は表現できません...
3. タップリ野菜餡で見えませんが、立派な白子が隠れてます。今が秋田産白子のベストシーズンとの事。
4. ネットリ鮟肝に対し強烈な風味の葱が主張します。細めの品種で、てっさにも使える葱との事でした。
5. 大根を餠に見たてながら、しっかり牛蒡も入ってます。スッポンの風味がお出汁に深みを...
6. 雲丹の烏賊巻きが兎に角、食感と風味が濃厚です。
7. ジューシーな身は勿論、ぶ厚い皮のパリッとした食感に驚き。塩焼ですが揚げたような感じです。
8. 知床どりを使用。餡と餠により風味と食感で鶏のジューシーさが際立ちました。
9. 磯辺巻きに蝦蛄と一緒に巻かれているシャキシャキした野菜(確認してません)が食感が面白いです。
10.九十九里産の殻が10cm位はありそうな立派な蛤でした。蛤を剥くところから調理が始まります...揚げにより風味が凝縮されてます。天麩羅の専門店でもなかなか頂けないような仕上り。
11.山芋はお味噌と醤油で薄っすらと味付けされており、半分位そのまま食べてしまい、後半慌てて薬味(梅、葱、山葵、海苔)を投入。お上品ではありませんが、全部のせがおススメかもしれません。浅草の専門店を再訪してみたくなりました...
12.うっすら生姜風味のお上品な仕上り。
今回のお料理が過去2回以上に好みでしたという事でポン酒もススミ、点数アップ。次回の予約を入れて退店2010。珍しく個室が空いてましたがカウンターは一杯です。
【オマケ】
退店時に、1. をお土産で頂いておりました...帰宅して改めて食しますと、甘さの中から芳ばしい鰯の苦味が鼻から溢れてきます。ナルホド渾身の逸品とはそういう事だったのですね...部屋呑みで頂ける幸せを満喫です。
2019/01/20 更新
2018/10 訪問
秋の味覚
再訪
前回7月に単訪した際に予約してましたが、長崎へ帰省した際に、両親が興味を示したので、此方で両親の結婚50年のお祝いを行う事に...8月に予約変更。カウンターは埋まっているとの事で、個室になってしまいました。
両親は秋田+青森観光、自分は山歩きを絡めての訪問となります。
今回も13000円(税抜)のコースとなります。
入店1745。先客無し。
自分はポン酒、両親は柚子酒ソーダ割、桃酒ソーダ割からスタート。
お料理と寸評は、以下となります。
1. 先付1
【角館そばの実と三陸産紫雲丹の茶碗蒸し 香茸の餡掛け】
香茸の餡掛けが奥ゆかしい香り。グダグダに混ぜて頂きました。蕎麦の実の食感と時々感じる雲丹の風味がイケてます。
2. 八寸 * 写真12時から時計周り
① 特製出汁巻き
② 浅利と春菊の胡麻寄せ
③ 三陸牡蠣の時雨煮
④ 秋田モロコたれ焼き
⑤ 秋田湯沢産枝豆
⑥ 愛知産銀杏
⑦ 石川小芋の京都香り胡麻掛け
☆ ①②⑤⑦は前回と同じですが、②の胡麻と春菊の風味と浅利の食感は逸品です。
③ 固くもなく柔らかくもない絶妙な時雨煮です。仄かに感じるお出汁の味が牡蠣の風味を際立たせます。
④ 琵琶湖周辺では高級魚です。秋田の休耕田で養殖された素材との事ですが結構な大きさです。内臓の仄かな苦味でポン酒がススミます。
⑥ 少々モッチリ感のある生涯1番の銀杏。他の銀杏と育て方が違うのでしょうか?
3. 先付2
【秋田ズワイ蟹の小丼】
此れは丼というよりはお寿司です。蟹の風味と酢飯が良い感じ。
4. 椀物
【なめ茸の豆腐粥】
細かく賽の目にカットされたお豆腐をお粥に見立てた驚きの逸品。なめ茸の食感と赤出汁の風味もイイです。素朴ながら、今回のお料理で1番好きかも知れません。
笑顔が素敵な仲居さんが、食器の椀についてご説明頂きました。旧家から引き取った150年前の輪島漆器との事。渋いモスグリーンの器は作家が全て違うとの事。思わず全ての器を撮影。単訪では味わえない楽しみです。
5. お造り
【秋田本鮪、秋田真子鰈、秋田アオリ烏賊】
・烏賊の身は結構な厚さの割に柔らかいです。よくよく見ると細かく包丁が入ってました。
・鮪は脂がのった一品。口の中で溶けていきます。
・初体験?締まった身の食感がいいです。
6. 焼物
【比内地鶏首皮包み焼き】
首皮に色んな部位のミンチを詰めて焼いたオリジナルのソーセージ。ジューシーな味に、パリっとした首皮が芳ばしく食感と風味にアクセント。山椒と辛味噌で味に変化を加えます。辛味噌は、単品でもポン酒がススみます...
7. 煮物
【龍眼穴子】
鶉の卵を龍の眼に見立てた煮穴子巻き。伝助穴子もビックリの東北産の立派な穴子です。お上品なお出汁がシミテます。
8. 一品
【満願寺、アメーラトマト、南京、大黒しめじ、天然子持昆布】
チョットしたおつまみセット。しめじの大きさと艶が目を見張ります。翌日の白神の山歩きで、同様のモノを拝めないか期待が膨らみます。
9. 揚物
【いくらの春巻、甘鯛松笠揚げ】
甘鯛の鱗が立ちまくりで思わず接写。素晴らしい食感です。この鱗の大きさから想像するに、かなりの大物だと思われます。
春巻は、素人には難解な一品でした...
10.〆
【たかむらつけ麺 比内地鶏のガラスープ】
糖度20の葱を使用したガラスープは超濃厚で、「たかむら麺」との相性もイイです。
11. 甘味
【子茄子の蜜煮、和風モンブラン】
茄子がデザートになるんですね。目から鱗。
モンブランは胡桃と焼酎が練り込まれた栗ペーストに、中に入っているイチジクの甘露煮がアクセント。何方も甘さ控えめなで、お上品な味わい。
前回の鮑や鰻のようなインパクトはなかったものの、全体的な構成は、今回が好みでした。両親も大層お気に入りになったようで再訪したいとの事でしたが、財布がスッテンテンになってしまうので「会員になれば?」と軽く聞き流してます...
次回の単訪予約して退店2015。アッという間の2.5時間でした。
2018/10/16 更新
2018/07 訪問
秋田で頂くライブ感満載の江戸料理
初訪
旅行(登山)で秋田を訪問してます。
食のメインは2日目の天麩羅でしたが、折角の遠出なので此方へ1ケ月程前にカウンター席の予約を入れて頂きました。
事前の予習では、都内では殆ど無くなったとされる江戸料理は、和食の原型だそうです。
レポが長くなりますので、最初に【まとめ】ますと、
・お料理:不思議なお料理もあり、掴み所無しの印象。まだまだで食べ歩きが足りないようです。和食の原型との事ですが、店主の創作料理?が途中で入ります。
・盛付け:店主が調理も含め、ほぼお一人でやられてます。カウンターから、まる見えですので、ライブ感満載です。
・食材:これでもか!っと高級食材が繰り出されます。
・CP:かなり高いです。都内や京都の6〜7割位の価格設定かもしれません。
・量:其々、少な目ですが、自分には丁度いい位でした。
と、いう事で、レポ詳細に移ります。
入店1745。
* ホテルでやる事もなかったので、フライングですが、快く入店許可頂きました。丁度、同時刻に個室のお客様が入店です。
お店の雰囲気は、
外観:雰囲気のある高級住宅って感じですね...
内観:和食屋さんとしては、少々モダンな雰囲気でしょうか?カウンター:8席、個室:6席?
コースは、お任せの8000円、10000円、13000円の3つで、13000円のコースをお願いしてます。
お料理とお料理の寸評は以下となります。
1. 八寸 * 写真12時の位置から時計回りです
① 特性出汁巻
② 北海道産バイ貝
③ アサリと春菊の胡麻寄せ
④ 秋田湯沢産枝豆
⑤ 子持ち昆布
⑥ キヌカツギ(石川早生:小振りの里芋)の京都香り胡麻掛け
⑦ マイクロトマト
☆ 印象的だったお料理は、
③ :アサリの食感と胡麻の甘味と春菊の仄かな苦味のコラボ。
⑥:粘りのある里芋と芳醇な胡麻の香り
他は長くなるのでお酒が進みましたという事で省略です。
2. 先付1:黒藻の紫雲丹のせ
☆ 見た目も食感もモズクですが、淡水に生息する植物だそうです...殆ど味付け無しだったと思います。最初は雲丹も存在感が薄いです。モズクのイメージが強いので、お酢を効かせて欲しいな〜と思って食してましたら、徐々に雲丹の存在感が増してきました...どんな仕掛けなんでしょうか?
3. 先付2:かぶら餅のトリュフ塩と炙りカラスミ掛け
☆ 食感は温かい蕨餅ってとこでしょうか。豪華な振り掛けですが、存在感は潜め、かぶの風味のみが引き立つ不思議なお料理です。
4. 椀:青森産メヌケ、冬瓜、秋田男鹿産車海老、じゅん菜
☆ 豪華な食材よりも、昆布と鰹節と思いますが、焦げたような風味のあるお出汁に感服です。
5. お造り:フッコ、甘エビ昆布〆、鮪
薬味:紫蘇花、山葵、水前寺海苔、葉山葵、酢橘
味付:山椒醤油、自家製竹塩
☆ みんな美味しいですが、フッコ(スズキの子供)の身が透き通っていて際立ちましたが、どの組合せが1番美味しいのか悩んでしまいます...自分は、竹塩が好みでした。尚、風味のある竹塩だけでもお酒が飲めます...
水前寺海苔(淡水藻)は一部の長崎県民にしか分からないと思いますが、プレーンのイギリス(イギス藻:海水藻)の味にソックリでした。
6. 焼物:宍道湖産天然鰻蒲焼、蓮根酢の物+山桃
☆ キロ6万円の鰻だそうです。調理前を見せて頂きました。太い棒の電磁調理器?の地焼きで登場しました。タレは軽く塗った位です。大きな天然鰻を食するのは、初めてなので興味津々。
脂:身と皮の間に薄っすらと付いてる程度。
身:養殖モノよりもフワフワ感はありません。
皮:地焼きという事もありますが、パリパリ感が強いです。
山桃はシロップ漬けとなります。そのままですと酸味が強烈ですし、シロップ漬けで日持ちもします。
7. 煮物:秋田由利牛のビーフシチュー、八丁味噌、マッシュポテト、賀茂茄子、オーストラリア産冬トリュフのせ
☆ お上品なミートソースのような風味で、賀茂茄子の食感が面白いです。味が強いので炭水化物系が欲しいところ。でも、これが江戸料理?
8. 蒸物:青森久六島産鮑、岡山穴子海苔巻、アメーラトマト、都南瓜、海老芋、秋田横手産アスパラ、オクラ、焼き玉蜀黍
☆ 厚さ1cm以上ある鮑でした。かなり柔らかい食感です。どのような調理をすれば、こんなに柔らかくなるのでしょうか?
9. 揚物:馬糞雲丹のクリームコロッケ
☆ コロッケも日本でアレンジされたお料理ですし、雲丹の風味がして美味しいですが、何もコロッケにしなくても...
10.〆:たかむら麺
☆ 秋田特産のギバサ海苔を使用したオリジナルの海藻麺のようです。特製胡麻ダレで頂きますが、何となく竹塩を所望。塩の方がイケてると思います。
途中からトリュフ塩も登場して、残った塩で追加ポン酒...
11. 水菓子:抹茶xxxx
☆ 抹茶入りの生麩のような食感。正体はタピオカとの事でした。
お会計は、ポン酒2.5合頂いて17千円チョット。ビックリです。評価は、途中まで【4.8】位の勢いでしたが、7+9. がイメージに合わず【-0.2x2】です。
退店2105、残客8名。
凡人には難解なお料理が一部ありましたが、夏の江戸料理を満喫でした。予約が取れそうにないので、秋の味覚を味わいに、次回の予約をしてしまいました。
2018/07/16 更新
再訪
2日間の全行程1327kmの676km地点。折返しです。
追加オプション無し?で、過去最高に充実したラインナップでした...
①【先付-1:八寸】
数の子、木耳、蛸柔らか煮、胡瓜+蕗の薹味噌、蕪餅+モルドバ産オシェトラキャビア、ハマボウフウお浸し、合鴨ロース、特製卵焼
②【先付-2】
黒ムツの酒蒸し、香味油掛け
③【先付-3】
空豆豆腐、空豆お浸し、鰹出汁ジュレ掛け
④【椀】
海老真薯、根曲り筍
⑤【造り】
アラ昆布〆、アオリイカ、サツキマス、水前寺海苔、芽ネギ
⑥【鉢肴】
比内地鶏の首皮包焼き、蓮根甘酢漬け、山桃
⑦【強肴】
セリと牛蒡の熊鍋
⑧【合肴】
鰯の磯部巻き+生姜ジュレと山葵のせ、山菜(シオデ、コシアブラ、ワラビ)のお浸し、アメーラトマト
⑨【止肴】
紫アスパラガスの春巻き
⑩【〆】
桜海老のかき揚げ丼〜焙じ茶入り出汁茶漬け
⑪【甘味】
パッションフルーツのアイスクリーム
以下、食した所感。
・ポン酒を1.5合頂いて、お会計は2万円に届かないという素晴らしい仕上り。
・コースの内容が充実していたと感じたのは、
①に蕪餅が組み込まれていた。
★ 通常は一皿として供されます。
①④⑦⑧で季節の山菜を投入。
⑥⑦のご登場。
★ 滅多に出ません...
②⑩⑪を初体験。
★ 共にメダル級の専門店で出されても遜色ない出来栄え
の4項目でしょう。
・③⑨:コースの流れの中で見た目は地味ながら、鰹出汁のジュレの風味やアスパラガスの甘みが光る内容。
通い初めて4年間、値上げ無しにも敬服した夜でした。お誘い頂いた常連様に感謝です。