1万円前後で食べられる本格的な江戸前天ぷら5選

出典:tabelog.com

1万円前後で食べられる本格的な江戸前天ぷら5選

最近は鮨ほどではないですが、本格的な天ぷらも値段が上がっており、2万円以上のコースが当たり前になりつつあります。そんな中で、本格的な職人の技を堪能しつつ、1万円前後で味わえるオススメの天ぷら屋さんをピックアップしました。(2023.10 店舗情報更新)

更新日:2023/10/24 (2022/02/19作成)

2350view

このまとめ記事は食べログレビュアーによる1051の口コミを参考にまとめました。

本格的な江戸前天ぷら

天ぷらは「たね七分に腕三分」と言われ、素材自体の質と天ぷら職人の揚げの技で美味しさが決まると言われています。美味しさの大部分を決める質の良い素材を仕入れると結果的にはお値段も高くなるわけです。ちなみに、質の良い素材を仕入れいるには、お金だけでなく、鮨と同じで仲買人との信頼関係をきちんと作る必要があり、その辺も良い天ぷら職人のポイントになります。
しかしながら、ピンの素材ではなくとも、「腕三分」を駆使して、美味しい天ぷらに仕上げる職人もいます。今回は、1万円前後で美味しい本格的な江戸前天ぷらを堪能できるお店を紹介します。

なかがわ

みかわの早乙女氏に師事した中川氏の天ぷらは、高温を駆使して、焼きと蒸しが絶妙な塩梅に仕上げており、その腕前は天ぷら職人の中でもトップクラスだと思います。コースは松竹梅とあり、中川氏の腕で仕上げた天ぷらを1万円前後で味わうことができます。また、ピンの素材を使っているので、この価格帯で「腕三分」と合わせて「たね七分」も体現した天ぷらは、なかなか出会えないと思います。

高温でしっかりと焼きと蒸しを施すのが基本ですが、それ一辺倒ではなく、定番の種でも海老やイカはレア気味に仕上げるなど、種に合わせて火入れを変えており、特に岩がきや鮑の火入れ加減は絶妙で、他の調理法では味わえない仕上げ方となっています。

松竹梅のコース以外に「おまかせ」というコースがあり、こちらは時価となります。その日の種によっても違いますが、大体3万円以内にはおさまるような印象です。ただ、かなりのボリュームになるので、松コースを頼んで、種札を見ながら食べたい種を追加する食べ方がおすすめです。
(天ぷら職人:中川崇)

花むら

花むら

大正10年に創業した老舗で、お店曰く、最初にお座敷天ぷらを始めた天ぷら屋とのことです。初代は「天ぷらの奥義」を著した川部幸吉氏です。3代目の店主は80歳近い年齢で、職人歴はもうすぐ60年になる、まさに天ぷらの巨匠です。

天ぷらは、トラディショナルな仕上がりですが、素材ごとの火入加減、衣の付け方のメリハリが効いています。親方は淡々と揚げていますが、天ぷらは味わい深く、親方の腕を感じられます。

古き良きお座敷で、初代の思い出話を聞きつつ、3代目の天ぷらを食べていると不思議な時の流れが感じられます。
(天ぷら職人:3代目 川部幸二)

柳橋 大黒家

浅草にある大黒家天麩羅から暖簾分けした昭和23年創業の老舗です。本家は大衆的な天ぷら屋ですが、こちらは昔ながらのお座敷天ぷらです。現在の揚げ手は3代目ですが、ご子息が横でサポートしており、ゆくゆくは4代目となるみたいです。

本家の天ぷらは衣が厚めでトラディショナルな仕上りですが、こちらは衣は薄めでサクッと仕上げています。特に火入れは、種ごとにメリハリをきかせており、強めの火入れでしっかりと蒸しつつ衣を香ばしく仕上げたり、予熱で瑞々しく香りを感じさせるように仕上げるなど、火入れを駆使して、種に合った仕上げ方をしています。

お昼の天ぷら定食は4800円ですが、カウンターの前で一品毎に供され、歴史ある佇まいの店で本格的なお座敷天ぷらを手軽に楽しめます。
(天ぷら職人:3代目 丸山雄三)

天茂

天丼で有名な店ですが、天ぷらを味わうには夜のコースがおすすめです。現在は二代目の先代の娘さんと先代の女将が店を切り盛りし、一見でも馴染みのような雰囲気の良さがあります。
2代目は元々教師していましたが、30歳の時に先代の病気をきっかけにこの道に入ったそうです。そこから先代の教えをもとに研鑽し、2代目は既に職人歴30年近くのベテラン職人です。

ここの天ぷらは火入れ加減は蒸し過ぎず、レア過ぎずで、瑞々しく香りが立ち、衣もフワッと仕上がっています。特にフワッとした衣は、表現が難しいですが素直に美味しく、最近の薄衣でサクッと仕上げた天ぷらとはまた違った味わいがあります。

最後のかき揚げを天丼にすると、昼と同じタレを使うので、昼の天丼も味わうことができます。
(天ぷら職人:2代目 高畑粧由里)

天ぷら いのまた

2022年8月開業した店ではありますが、店主は天庄 湯島店別館で長年働いた職人歴30年以上のベテランで、お店の味もしっかりと確立しています。

夜は1万円を超えますが、昼は1万円以下で天ぷらを楽しめます。特に魚介系は、レアで仕上げる巻海老からしっかり蒸された穴子まで、種ごとの蒸し加減の塩梅が良く、店主の腕を感じます。

中でも、穴子は揚げる直前に捌いており、サクッとした衣、パリッとした皮目、フワッとした身の味わいが絶品。江戸前天ぷらの穴子のベンチマークといえる一品に仕上がっています。
(天ぷら職人:猪俣壽幸)

※本記事は、2023/10/24に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

ページの先頭へ