美味しさに心までほぐされる。涼やかな創作和食 : 汐見

當店で食したお料理は、総て「とても美味しい」
と思えるもので、良い酒も手伝ったかもしれない
が、ホスピタリティも心地よいもので・・・・。

お店を辞したとき、僕には、爽やかで満たされた
気持ちしかなかったので、頼りない真冬の陽射し
ですら、暖かく、いごこち好く感じる。
そういう気分だった。

そして僕は今、ご店主から『お土産に・・・』と
手渡された「筍の炊き込みご飯」を頬張りながら
今日の口福感を追憶して、クチコミを書いている。

美味しくて、仕合わせだった。


＊ ＊ ＊

と、ぎゅっと圧縮すれば大体そんな感じです。

常連化したマイレビさんの、定例訪問クチコミを
見るたびに、美味そうだ、羨ましい、もう見たく
ない、などの複雑な感情を抱いていたお店（笑）
ふと見たら、ランチもやっているではないかと。
そして「ベビーカー入店可」の文字が…

ハイ予約！！と、念願の訪問。

オーダーは、「基本のコース」1.1万円。
（夜と一緒なのではないかと推断しております）
季節の食材をふんだんに取り入れており、月単位
で変わっていくのでしょうが、2024年2月の献立
は非常に素晴らしいものがありました（最下部述）

お店の方々の接客は、あくまで自然で、朗らかで、
配慮に深くて。小気味よく食卓へ提供される９皿、
そのピッチがとても快適でしたし、どれも美味。

食前茶的に出された、蕎麦茶。もうここから旨く。
とってもドロっとして、塩と胡椒がまぶされてね。
もはや蕎麦チャウダーですよ。

今日はソフトドリンクで行こうと思っていたけど、
２皿食べ終えた時、これは日本酒を注文しないと
嘘だと思い直し、十四代・播州山田錦・大極上生。
はい天国。ここからの人生、日本酒はこれでいい。
そう思っておったら、ご店主が「これ試飲を…」
とサービスでグラスに並々注いでくれたのは、
obuseワイナリーの、ソガペールエフィス6号酵母。
芳醇だけど後味さっぱりで、美味しいなぁぁ。


なぁんて、良いお酒にも恵まれながら、舌鼓を
打ったのは以下の献立。本当にどれもが旨い。

①早堀り筍の揚げ
　唐揚げとあるけど、かなり薄衣で素揚げに近い。
　ホクホクで、サクサクで、甘くて良い香り。

②桜のユッケ風
　熊本産の馬肉は新鮮で、温度も程よい冷たさ。
　臭みは当然なく、大分県「蘭王」の濃密な卵黄
　と絡めて頂けば…ネットリながら爽やかな旨み。

③そばがき椀
　千葉県産の地蛤で出汁をとったお椀。
　ハマグリがでっぷりと、ぷりっぷりです。
　そばがきも美味しいなあ。
　甘みがあって、出汁とも非常に合います。

④お造り
　五島から直送された、天然真鯛、間八、鮃。
　醤油は自家製の土佐醤油だそうです。

⑤寒鰤の橙みぞれあんかけ
　鰤の皮がね。もうパリッパリです。
　でも身質はふっくら、脂ノリも良いです。
　これを照り焼きつつ、みぞれの橙は、シトラス
　感よりも酸味勝ちで、ナイスコントラスト。旨。

⑥毛蟹と雲丹の手巻き寿司
　これを美味しくないと言っちゃう日本人はクビ！
　海苔がいい海苔です。千葉県産だそうです。

⑦天ぷら
　揚がるつど、わざわざ個室にも届けてくれました。
　・豊橋市のスナップエンドウ（あと１０本下さい）
　・解禁仕立て、富山の蛍烏賊（ワタ感最高です）
　・淡路島の新玉葱（あぁぁま！）
　・帆立の貝柱（レア！セクシーな断面だなぁ）
　・天然車海老（王道ど真ん中）

⑧蕎麦
　群馬県赤城産の手打ち十割とのことで、直接、
　畑を見に行って選ばれたそうです。
　細切りで、十割でも喉越し良好で、綺麗な味。
　「せいろ」はもう見たまんま美味しいです。
　「かけ」は子供用に別途注文。かけも旨いわ。
　「五島列島産・生あおさ蕎麦」は妻が注文。
　あおさが薄いわかめみたいで、激うまでした。

⑨甘味
　蕎麦茶のババロア、あまおうの大福、
　桜をイメージした羊羹・・・と豪華３品。
　全て手作りだそうですが、心が温まる甘さ。

番外編：だし巻き卵
　子ども用に何かお願いできませんか？と聞いた
　時に、出来るものとしてご用意いただいたもの。
　これが絶品でした。普通に売ったらいいですコレ。

おみやげ：筍の炊き込みご飯
　ご飯がもちっとして、時間が経っても旨い。
　でも時間差で當店の味を思い起こさせるのは罪。


というわけでして。とっても満足。
近くに住んでいたら僕も常連になりたい。
まぁ住んでないけど、来週くらい行きたい。
それくらい、良いお店でした。

でも、今日の献立から察するに、このお店は毎月
コンスタントに来た方が良いのではないだろうか。
ほんとに。
お一人様アリなのかな…