2回
2022/11 訪問
二十年以上を經ての「麺屋 ごとう」さん(※追記あり)
昨日(令和4年11月8日、火曜日)、東京都豐島區駒込にあります「麺屋 ごとう」さん(以下、「ごとう」さんと記します)にて、夕飯を頂きました。
以前のレヴューにて、東京都は荻窪にある「丸長中華そば店」さんに就いて、記した際、二十年以上を經て、やうやく、たづねたと書きました。タイトルに記しましたやうに、「ごとう」さんに就いても、今囘、同じ事が云へます。
恐らくは九十年代後半か二千年ぐらゐ、私は高田馬場時代の「べんてん」さんにて、初めてつけ麺を食べました。世の中にこんなに美味しくて、滿腹にもなる食べ物があるのか、と感動しました。未だ、池袋には山岸氏に據る「東池袋大勝軒」が健在だつた時代です。
「べんてん」の店主さんは足繁く「大勝軒」を利用して、獨學で「大勝軒」の味をものにしたのだ、と云ふ情報を、私は當時、2ちゃんねるのラーメン板邊で得ました。同じく「ごとう」さんもその「大勝軒」をリスペクトされてゐるらしいとの情報を得てゐました(※一)。
が、私は專ら、「べんてん」さんに通ふのみであり、「大勝軒」や「ごとう」さんには一度も行かずでした。最近、世の中では「推し活」が逸りですが、「推しは推せる時に推して置け」と云ふ事がよく云はれるやうです。推しも人間であるがゆゑ、永遠ではないからです。
當然の事ではありますが、同樣の事が御店にも云へるやうです。殊に個人經營である飮食店に就いては。最早、山岸氏に據る「東池袋大勝軒」は存在しませんし、「ごとう」さんに關しては、池袋から駒込へと御店が移轉して、それなりの歳月が經過した模樣です。「食べログ」にてフォローしてゐる方の一人には、もう「ごとう」さんは池袋の御店ではないのだな、と實感された方がゐるやうです。
東京には正に星の數の如く、澤山のラーメン店が存在しますし、その種類も多種多樣であり、その味のクオリティも日進月歩です。ですから、さう云ふ新たな御店を食べ歩く事も、非常に樂しい事と思ひます。が、最近の私は二十年以上まへに出された宿題を、やうやく、提出しようと考へてゐます。九十年代後半や二千年邊と云ふのは、私にとつて、決していゝ時代とは云へませんが、あの頃が自分の青春だつた事もまた事實でありますから。
とまれ、「ごとう」さんですが、夜は17時30分に開店します。私は20分まへぐらゐに到著しました。駒込驛を利用するのは、今囘、初めてかも知れません。御店は驛の南口を出て直ぐ、「松屋」さんや「マクドナルド」さんの近くです。池袋時代同樣、御店は地下にあります。有名な御店だけに、開店を待つ方々が澤山ゐるかも知れない、と豫想してゐましたが、意外にも開店を待つ人間は私のみでした。開店して後も、後の御客は一名のみです。
定刻に御店が開店して、まづは券賣機でチケットを買ひます。「チャーシューメン」(1,050圓)、「(トッピング)ワンタン(4個)」(200圓)、「(トッピング)ねぎ多め」(80圓)を購入します。この邊、先述しました「食べログ」にてフォローしてゐる方の眞似です。私はいゝなと思ふ事は、何にせよ恥づかしがらずに眞似するやうにしてゐます。固より「學ぶ」とは「眞似ぶ」であると云ふ説もあると云ひますし。かう云ふ表記にしても、小林秀雄、福田恆存、松原正、留守晴夫さんの眞似ですし、仕事に於けるセールスに就いても、私は達人の樣子を横で見て、そのスキルを盗んで來ました。
處で、上述しましたメニューに就いて、詳しくは何時ものとほり、畫像を御覽下さい。「百聞は一見に如かず」と申しますから。
註文して8分くらゐで待望のラーメンが屆きます。大盛にするかどうか迷ひましたが、結果を申し上げると私には竝で充分でした。因みに店主さんにたづねた處、大盛は400グラムとの事です。之は茹でるまへか茹でた後かは分りませんが、繰返しですが、竝でも可也の量に感じました。此方のラーメンに就いて、私は分析的に語らうとは思ひません。何だか不粹なやうに感じますから。たゞたゞ美味しかつたですし、初めての御店なのに、初めてとは思へませんでした。御店の匂ひからして、何故か懷かしさを感じて了ひます。何だか高田馬場時代の「べんてん」さんと同じやうな匂ひを感じて、懷かしさが蘇つたものと思はれます。プルーストの「失はれし時を求めて」のやうな感じでせうか……?
とまれ、御馳走樣でした。
(※一)他の方に據る「食べログ」レヴューにて言及されてゐますが、「ごとう」さんの店主さんは、實際、山岸氏のもとで修行され、高い評價を得てゐた、との事です。
2022/11/10 更新
先日(令和6年3月14日、木曜日)、東京都豐島區駒込にあります「麺屋ごとう」さんで、御晝を頂きました。
之は以前のレヴューにも書いたかも知れませんが、「東池袋大勝軒」系の御店で、最も評價が高い御店と云へませう。
「自家製中華そばべんてん」さんや「自家製中華そばとしおか」さんも、「東池袋大勝軒」系と云へなくはないのですが、この二店は「べんてん」系と云ふのが嚴密な處です。
近年、私が最も通ふのは、その「としおか」さんですが、機會があれば「ごとう」さんを再訪したいと考へてゐました。そして、今囘の東京行きにて、その再訪が叶ひました。
地階にある御店のまへには、數名の竝びが生じてゐます。暫く待つてゐると助手の女性から、食券を買ふやうに促され、そんなに待たずして、席に案内されました。私の註文は以下のとほりです――。
「チャーシューメン」(1,150圓)
「わんたん4個」(200圓)
「ねぎ多め」(100圓)
――以上です。上述しましたメニューに就いて、詳しくは何時ものとほり、畫像を御覽下さい。「百聞は一見に如かず」と申しますから。
10分足らずで、待望のラーメンが屆きます。久し振りの一杯は、90年代の「例の味」を彷彿とさせる何處か懷かしい感じがする一方、未だに古びないと云ひますか、寧ろ、新しさをさへ感じます。
殊に東京都には星の數程のラーメン店が存在しますが、そんな中でも私が好きなのは、「としおか」さんや「ごとう」さんですね。とまれ、御馳走樣でした。