この口コミは、早稻田の文士さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数：5.0
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￥1,000～￥1,999 / 1人
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料理・味 5.0
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味も接客もお店の雰圍氣も全てが素晴らしい新宿の老舗
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2020/08/16 更新
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五月の事です。新宿驛南口から徒歩數分の場所にございます新宿割烹中嶋さんにランチを食べに伺ひました。當店は、新宿の名店とだけで説明する訣には行かない歴史あるお店であります。
公式サイトから引用致しますと、當店の「店主の祖父、中嶋貞治郎は、北大路魯山人の主催する『星岡茶寮』の初代料理長を勤め、昭和六年（1931年）銀座に割烹『中嶋』を創業しました。星岡茶房その後、昭和三十七年（1962年）に、父の中嶋貞三が分家獨立し、新宿『中嶋』を開店。 現在の店主、中嶋貞治（1956年東京生まれ）は、魯山人や貞治郎の創案による中嶋貞治郎料理を繼承しつつ、關西割烹の基本と傳統を踏まへ、自ら工夫した新しい試みにも意欲的に挑んでゐます。四季折々の旬の味を、ご賞味頂ければ幸ひです。」との記載がございます。左記した料理の髄を味はふならば、恐らくは夜の部に行くべきなのでせうが、當然ながら中々の良いお値段のやうであります。
一方で今囘訪れたランチの部でございますが、鰯料理を提供されてをられ、誰もがお求め易い値段でございます。以下に定食のメニューを示します。新宿割烹中嶋 晝の獻立 午前十一時半より午後二時迄 鰯 いわし彩々 一、刺身定食880圓税込 二、フライ定食880圓税込 三、煮魚定食880圓税込 四、當日はなし 五、柳川鍋定食990圓税込 料理の一品追加660圓税込（柳川鍋は770圓税込） 刺身又はフライのハーフ追加385圓税込 おひたし330圓税込 冷奴330圓税込 ご飯二杯目までサービス、三杯目より110圓税込 支払ひは現金のみ。
上述しましたやうにランチは11時半からの營業でございますが、少し早く着いたものゝ、既に營業されてをられました。地下一階に降りて行くと、割烹らしい高級感あるお店の造りが玄關からも伺へます。既にテーブルに通されてゐる複數名のお客樣がいらつしやり、私は一人ですので、カウンターの奧に通されました。清潔感のある店内、厨房やカウンター内のスタッフさん、ホールのスタッフさん、何れも落着いた接客をされるのが好印象です。フライ定食と刺身のハーフを註文しました。先づはお茶と香の物が運ばれて來ます。暫くして、ごはんとお味噌汁が提供され、お客である私の手元に運ばれて來ます。それから程なくしてメインのフライ、刺身のハーフと運ばれて來ました。フライには「下味が付いてゐる爲、そのまま召し上がつて下さつて結構ですが、お好みでお醤油を付けて下さい」と説明を受けます。先づはお味噌汁を飮みましたが、割烹らしい上品で且つ味はひ深い一杯です。フライは一枚目は何もつけずに食べます。飽く迄も鰯自體の風味を味はふ事が主眼とされてゐるフライで、下味はその風味を支へてゐると云ふ感じがします。二枚目からはレモンを振りかけ、和辛子を付けて食べると、その風味が一層引立つやうに感じられ、頗る美味です。また、付け合せのキャベツの酢漬け、もやしのカレー味もとても美味しく、フライが主人公であるならば、付け合せの二種類はその兩脇を固める名脇役と云ふ感じです。ハーフのお刺身ですが、こちらはレモンを振りかけ、生姜を添へて、醤油を適量付けて食します。筆者は廣島出身の爲、故郷でよく食べた小鰯のお刺身を思ひ出し、少しばかり望郷の念にかられてしまひました。臭みなど一切なく、新鮮な鰯の旨味と食感とを感じられて、こちらも頗る美味です。ご飯は一杯ほどお代りしました。最後はお茶と香の物を頂きましたが、全てのお料理が美味しく、これで上述したお求めやすいお値段であれば、何だかお店の方々に申し訣ないやうな氣さへ致します。客單價の低いランチの客であつても、料理や接客に一切手拔きはなく、お店を出るまで、非常に細々としたお心遣ひを受けて、本當にこのお店に來て良かつた、機會があれば、夜の部にも來てみたいと思つたのが私の正直な感想でございます。まさにスタッフの方々の全員がプロであるお店でございます。