ガレットブルトンヌさんが投稿したnoma(デンマーク/コペンハーゲン)の口コミ詳細

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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nomaコペンハーゲン/ヨーロッパ料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥100,000~/ 1人

      訪問時点の為替レート換算での金額になります。
      • 料理・味 5.0
      • サービス 5.0
      • 雰囲気 5.0
      • CP 5.0
      • 酒・ドリンク 5.0
1回目

2024/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥100,000~
    / 1人訪問時点の為替レート換算での金額になります。

やはり、世界No1の圧倒的独創性

ここに帰ってこられた幸せを噛みしめた宵でした。


移転前の「noma」を訪れたのは、9年前。

その翌年のマンダリンオリエンタル東京でのpopup、

そして、記憶に新しい京都でのpopupを経て、

今回で4回目の「noma」。

毎回、驚くべき進化が見られ、驚嘆の一言です。


すでに、レストランというカテゴリーを超越し、

フードビジネスそのものの概念まで変えているといっても

過言ではないのでしょうか。

例えば、従業員の雇用の改善や、インターンシップの

考え方まで、一歩先をいっています。

後述しますが、発酵ラボは、企業のそれのようで、

レストランができることの領域を越えています。


世界のベストレストラン50では、5回、世界一に

輝き、目下、ミシュランは3つ星。

世界からゲストが殺到するので、

超予約至難なお店のひとつです。

そして、従業員も世界中から。

目下、日本人は5名います。


移転した「noma」ですが、

コペンハーゲンの中心地から、タクシーで

わずか10分ほど。

それなのに、傍らには、川が流れ、

周囲には、菜園や温室があり、

のどかな空気が流れます。


ホスピタリティが際立っているのは、

まず、タクシーを降りた瞬間から。

敷地内を見て回りたいと思い、30分ほど

早く到着しましたが、すでに、スタッフが

外で待っていて出迎えてくれたのです。

5分前でも、中に入れてくれないレストランとの

差を見せつけられます。

入り口付近の温室で、お茶が供されます。

続々到着するお客さんは、国際色豊か。


予約時間になると、テーブルごとに呼ばれます。


一番奥にあるレストラン棟へ。

貝でびっしり埋め尽くされたドアを開くと、

いつものように、スタッフ全員が、並んで

歓迎してくれます。

ここで、すでに、テンションはマックスです。

17:15の予約ですが、4月のデンマークの

日の入りは、8時過ぎ。 まだ真昼のように

青空が広がり、屋根の中心部を貫くガラス窓から

空を流れる雲を見ることができます。


「noma」の冬は、オーシャンシーズン、といって、

魚介中心のメニュー構成です。

テーブルには、なんと、見たことのない魚と、

驚くべきディスプレイが。

魚は、スウェーデン産のカワメンタイ。

バーボットという魚ですが、たぶん人生で初めて

お目にかかりました。

もう一つは、箱に入っていて、なんと、

鱈の目、のど、アゴが並べられています。

インパクト絶大です。

これが後ほど、登場します。


ディナーは、3995 クローネ(88000円ほど)

ノンアルベアリングは、1550クローネ (34000円ほど)

税別です。


今回のディナーですが、

今までの「noma」の中で、最もわかりやすかった

というのが、印象です。

ですが、サプライズに満ちていて、

好奇心を大いに刺激されました。

いつものように、いろいろな料理人の方が、

お料理を供しに来てくれるのですが、

皆さんが、とてもユーモアのセンスがあり、

話も面白く、

昨年、京都に来ていたスタッフたちとは、

京都の話で盛り上がり、大笑い。


では内容です。

*は、ペアリング。

1,手長海老
  「noma」のお料理で、見ただけでなにか
  わかるものが珍しいですが、
  一皿目から、一目でわかりました。

  お皿に広げられた手長海老の全体。
  ノルウェー産です。
  ボディはさっとボイルに、
  頭はグリル、
  サワーベリーソースにアリを加えたもので。
  手は、サフラン、ケルプソルトとバターで。

  羅臼昆布ソースとスモークバターが、
  巻貝を縦割りにした器に入っています。
  ちなみに、コペンの他のレストランでは、
  北海道の昆布とは言っていましたが、
  羅臼、とまで限定していたのは、こちらだけ。
  なにしろ、京都のとき、昆布がテーマでも
  ありましたから。
  
  添えられた器には、たっぷりの海藻が。
  実は、その下に、ムール貝のスープが
  忍ばせてあり、海藻の風味を嗅ぎながら、
  下のスープを飲む、という仕掛け。
  ベルガモットの香りが爽やかさを
  運びます。

  *蕎麦茶、ホワイトピオニー茶、
   発酵させた蜂蜜

2,海藻サラダ
  3種類の海藻が登場
  ・アオサー 
  ・ダルス (紅藻類の海藻)
  ・樺太昆布、オイスターリーフ、
   山わさび
  
  発酵させた海老のソース
  昆布をローストしたオイルで。

  *桜
   ストーンフルーツブロッサム
   エルダーフラワーの昆布茶
   ガス入り

3,ブルームール貝、ゴールデンビーツ

  真っ黒なお蕎麦のように見える海藻の
  塊の上に、ムール貝がひとつ。
  蓋が、石で押さえられています。
  石を動かし、蓋を開けると、
  中には、美しく整列した、
  ムール貝、カリン、火入れしたビーツが。
  ムール貝も軽く調理されています。

  お蕎麦のような海藻は、
  スパゲッティ シーウィードだそう。

  素敵な演出です。

4,生雲丹、ヘーゼルナッツ

  高さのある蓋付の陶器が登場。
  高さがありますが、底はすぐそこに
  あり、平たい設計。
  そこに、生雲丹とスライスした
  生ヘーゼルナッツ。
  オイル漬けしたローズのソースと。

  *カリン、水出しジャスミン、
   レモンバーベナの昆布茶

5,烏賊 麹

  これぞ、「noma」の真骨頂。
  大きな木箱にいれた大麦麹を見せてくれます。
  その塊をグリルしたものの上に、
  ローストしたうす切りの烏賊を。

  麹は、日本人にとっては、あまりにも身近すぎる
  ゆえに、麹が発酵に果たす役割や、そもそも麹って
  なに、という人が多いと思います。
  しかも、こうして、麹の塊を料理に使うとは、
  想像の彼方・・・・。
  これが、烏賊の旨味と相まって、
  実に美味。

6,たらこ  ワッフル

  たらこのタルトです。
  タルトの中には、
  エルダーフラワーの味噌と、
  わさび菜。
  その上に、生のたらこを。
  たらこの上には、
  ビーチナッツという種
  ミラベルの花びら
  山椒、モリタチリのオイル。
  モリタは、スペイン語で、小さな桑
  という意味。

7,帆立貝

  まるで、それは真珠貝のように
  美しく登場しました。
  帆立貝のシェフの淵を、
  ソルという海藻のパウダーで飾り付けし、
  その中に、
  片面だけ軽く火入れし、片面は生の
  帆立貝が。
  煎茶クリームと。

  *ほうじ茶、カカオニブ

8,鱈

  最初にディスプレイされていた鱈が
  登場。
  木箱に塩を枯山水のように敷き詰め、
  鱈の料理2点が。
  ・舌  鱈のアゴの中に、カットされた骨が。
      その先に、舌の部分がついています。
      ゼラチン質で、
      卵黄ソース、シード、ハーブと。

  ・目  ディスプレイされていたときは、
      本物の目でしたが、
      目を模した海藻のタルトレットが
      登場。
      ナスタチウム、マスの子、
      ジャスミンのジュレ

   なかなか思い切ったプレゼンテーションです。
   が、通常、鱈を食べるときには
   いただかない部位ばかり。

   *トマトのアイストラディフィケーション
    冷凍にしてエキスだけにしたウォーター
    ベルガモットと。
    
9,鱈の喉とアゴ

  アゴ下の筋肉質な部位を、
  パセリ、ニンニク、グリーンガーリック
  のソースで。

  別皿に、アゴの部位を、
  ドライトマト、燻製南瓜と。

  さらに、別皿に、ラムスの葉。 

  鱈を食べ尽くしました。

10、バチコとスコビー

  スコビーは、乳酸菌、酢酸菌、酵母の集合体
  で、菌の集合体です。
  海藻とバチコと合わせ、
  ムール貝のスープを。

  *ローズヒップベリー
   レッドグーズベリー
   ミラベルプラム
   ローズの昆布茶

  お料理の酸と、ドリンクの酸で、
  なんとマイルドになる、というミラクル。

11、カワメンタイ
   これも、冒頭で、ディスプレイされて
   いた魚。
   スウェーデン産の淡水魚です。
   チェリーリーフの香りをつけながら、
   炭火焼に。
   
    ローズビネガーに漬けた桜の葉の中に、
    オランデーズソースと
    クラムソース。

    小さなトリ貝  卵黄ソースで。

12、ヘーゼルナッツ 海藻

  殻をむいたフレッシュヘーゼルナッツの
  ミルクのムース 
  海藻とキャビア  
  ベルガモットのゼストを。

  *クラウドベリー
   イエローオレンジ
   マリーゴールドの花

13、スイートオイスター

  これ、デセールです。
  まったく、牡蠣そのものに見えますが、
  殻ごとアイスクリーム。
  ガンメルダンスクというデンマークの
  お酒を使用。

14、ブレッド、クラムジェル

   乾燥させた海藻のブレッドを
   串刺しにして。
   クラムの殻には、発酵させたクラムと
   クラウドベリー、セミドライチェリー。


デセールに至るまで、テーマ「オーシャン」で

一気通貫させているところが、やはりさすがです。


さて、食後、キッチンツアーです。

かなり開放感のあるキッチンで、

どのパートをどこで作るか説明してくれます。

その後、建物の奥に。

魚介類や海藻のストック、

食器の収納庫。

これまでの受賞歴は、かなり

さりげなく、飾られています。笑

スタッフ用の大きな食堂を

通り抜けると、

「noma」の心臓部とも呼べる

発酵ラボです。

発酵担当シェフのKevinが、

目下、研究段階の、様々な発酵中食品を

見せてくれました。

この研究の奥深さが、「noma」の食の

根幹をなしています。


ちょうど、デザートの少し前、

ようやく、夜のとばりが降りてきて、

あたりは闇に包まれ、

コペンハーゲンの初春の宵とともに、

「noma」のめくるめくディナーが

終わりを告げました。

圧倒的な感動と驚きを、私の胸に残して。


  • 外観

  • 敷地の中

  • 敷地の中

  • 温室

  • 敷地の中

  • 敷地の中

  • レストラン棟の入り口

  • 貝のドア

  • レストラン棟

  • 敷地

  • 敷地

  • レストラン棟 内部

  • 鱈のディスプレイ

  • カワメンタイ

  • 鱈のディスプレイ

  • 鱈の目

  • テーブル上

  • 店内

  • 屋根

  • 店内

  • 蕎麦茶、ホワイトピオニーティー

  • 手長海老

  • 手長海老のソース

  • スタッフがする金継ぎ

  • さくら

  • 海藻

  • 海藻

  • ブルームール貝

  • ブルームール貝

  • ブルームール貝

  • カリン、水出しジャスミン

  • 生雲丹、ヘーゼルナッツ

  • 生雲丹、ヘーゼルナッツ

  • 烏賊、麹

  • 烏賊、麹

  • 烏賊、麹

  • たらこ

  • たらこ

  • 漆のカトラリー

  • ほうじ茶、カカオニブ

  • 帆立貝

  • 帆立貝

  • 鱈のアゴ下

  • 鱈のアゴ下

  • 鱈の目

  • 鱈のアゴ下

  • 鱈のアゴ下

  • ラムス

  • 鱈のアゴ

  • カトラリー

  • ローズヒップ

  • スコビー

  • スコビー

  • 店内

  • キッチン

  • キッチン

  • キッチン

  • カワメンタイ

  • トリ貝

  • ソース

  • カワメンタイ

  • トリ貝

  • クラウドベリー

  • ヘーゼルナッツ、海藻

  • ヘーゼルナッツ、海藻

  • スイートオイスター

  • 店内

  • ブレッド、クラム

  • 店内

  • キッチン

  • キッチン

  • 食材

  • 食材

  • 食材

  • 食材

  • 受賞歴

  • スタッフ用食堂

  • 発酵ラボ

  • 発酵ラボ

  • 発酵ラボ

  • 発酵ラボ

  • 外観

  • お土産のマッシュルームがラム

2024/04/21 更新

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