ガレットブルトンヌさんが投稿したレストラン ナズ(長野/信濃追分)の口コミ詳細

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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レストラン ナズ信濃追分、御代田/イノベーティブ、イタリアン

10

  • 夜の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 5.0
10回目

2024/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

料理の神様が見守る才能

無名のころから通っているレストランです。

3年前の同じ時期に初めて訪れ、

そのときの感動は今でも鮮明に覚えています。

あれから3年。

あっという間に予約至難なレストランになり、

嬉し、悲し。

数か月ぶりの訪問です。

相変わらず、爽やかな夏輝シェフと

優しいお母様が、満面の笑みで

迎えてくれました。


来年の移転の話などをしていると、

シェフが、

「ずっと見守ってね」と、一言。

私、

「うん、ずっと見守る」

天才的な料理を創り出すシェフですが、

こんな人間的なかわいさが、なんとも言えません。

私ではなく、間違いなく、料理の神様に

見守られています。


コースの内容は、この3年も進化著しいものが

ありましたが、

この日、また格段なる飛躍を目の当たりにしました。


では、内容です。

ペアリングは、ノンアルで。*印です。

1,菜の花畑
  菜の花畑をイメージした一皿。
  まさに、眼前に畑が出現。
  菜の花が敷き詰められたプレートに、
  菜の花のキッシュ。
  生地は、菜の花オイルの搾り滓で
  できている、極薄の生地。
  中には、茎などを有機辛子で和えたもの。
  菜の花の蜂蜜
  菜の花のオイル
  1年熟成金柑

  一言、ものすごく美味。

  *シェフの家にある20年のエルダーフラワー
   それに、生の文旦、ノンアルビールを。

2,月の輪熊のスープ
  鰹と昆布、熊の赤身、2か月生から発酵した
  蕗の薹の出汁。
  熊肉、自生のクレソン、うるい、こごみ、
  竹の子
  
  発酵蕗の薹が、一味違う出汁を醸しています。

  *タラの芽の樹皮と葉を乾燥させたもの
   桜の花びらの酢
   桜の香りがグラスに漂います。

3,タヤリン
  発酵させたホワイトアスパラガス
  蛤、バターのソース
  スライスしたホワイトアスパラガスは、
  ほんのり酸味を帯び、味を引き締めます。

  *杏ベース
   モッツァレラのホエイを発酵させたもの
   ローストしたヘーゼルナッツ
   
   ヨーグルトの香りがし、
   タヤリンのバターとの繋がりを。

4,信州サーモン
  スペシャリテです。
  繊細で美しい仕上げ、これは、最初から
  変わらず。
  艶のある、信州サーモンです。

  *発酵苺、薔薇の花びら
   赤紫蘇のシロップ、ダージリン
   ワインのような雰囲気

5,雪ノ下人参
  立派な大ぶりの人参が登場。
  雪ノ下で甘味を蓄えています。
  これを、デクリネゾンに。
  一人分で、2.5本を使用しているとのこと。

  下には、丸ごと燻製にし、90度で3~4時間
  乾燥させ、表面をキャラメリゼしたもの。
  その上に、発酵人参のアイス。
  チーズのような風味になっています。
  さらに、火入れして燻製した人参のチップスを
  人参ジュースで戻したもの。
  パウダー
  葉のソース

  人参の持ち味と甘みが混然一体になって
  溶け合います。

  *ここは、ワインで。
   RKATSITELI
DRY AMBER
ジョージアのオレンジワインです。
   ワイン単体だと、舌がしびれるような
   味ですが、人参とマリアージュして
   その姿を変えます。マジック!!!

   *ノンアルもトライ
    和歌山のみかんとアサミのゼリー

6,いわな
  これまで近くの小川から取って
  きていましたが、豪雨の影響を受ける
  とのことで、井戸の湧き水で飼育し、
  料理の直前に捌いたもの。
  これができるので、当然、お味が
  全く違います。
  250度でフリットにし、
  発酵キャベツ、キャラメリゼしたクリーム、
  文旦、
  3か月発酵させたキャベツ塩を。
 
  猛烈に進化したお料理でした。
  これまで、こちらでいただいたいわなの
  中で、ダントツに美味でした。

  *青いメロン、ライチジュース、コブミカン

7,峯村牛のカイノミ
  シンプルに安曇野の山葵と塩で。
  ジューシーです。

  *ラプサンスーチョン
   ノンアルメルローとカベルネソーヴィニヨン
   なんと、牧草地の香り。

8,挽きたて、打ち立て蕎麦
  この日は、これがシェフの渾身の作。
  納得できるまで、ずっと温めてきた
  とのこと。
  挽きたて、打ち立てのこだわり。
  長野なんだから蕎麦、とずっと
  考えていたそう。
  本当に、たった今の打ち立てです。

  蕎麦のクオリティにも驚きますが、
  ツユがタダモノではありません。
  3か月発酵させた大根のジュースに、
  辛味大根のおろし、大葉のオイル、
  パウダーを。
  ものすごくよくできています。

  蕎麦には、発酵させた大根の天ぷらも。

  「蕎麦 夏輝」がオープンできそう。

  *棒茶、花椒、2年ものの梅シロップ
   蕎麦と棒茶の醸す香りがよく合います。

9,赤米のアイス
  小諸の有機赤米を使い、
  桜餅のイメージで。
  丸1日浸水させ、2~3時間かけて
  炊くと、とろみが。
  田口さんの苺を桜の酢で炊いたものを
  添えて。
  クランチがいいアクセントです。

10、ヘーゼルナットのケーキ

11、ハーブティー

来店10回目を飾る渾身の作で、


なんだか、シェフの成長を見守る

母のような気分になってきました。笑


  • エルダーフラワー

  • 菜の花畑

  • 菜の花畑

  • タラの芽のお茶

  • 月の輪熊

  • 月の輪熊

  • タヤリン

  • タヤリン

  • タヤリン

  • フォカッチャ

  • シェフのお母様

  • フォカッチャ

  • 発酵いちご

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 雪ノ下人参

  • オレンジワイン

  • オレンジワイン

  • 雪ノ下人参

  • 雪ノ下人参

  • 青メロン

  • いわな

  • いわな

  • ラプサンスーチョン

  • 峯村牛

  • 峯村牛

  • 棒茶

  • 打ち立て蕎麦

  • ちょっとドヤ顔

  • 打ち立て蕎麦

  • 打ち立て蕎麦

  • 赤米のアイス

  • 赤米のアイス

  • ハーブティー

  • ヘーゼルナッツのケーキ

  • ヘーゼルナッツのケーキ

2024/03/26 更新

9回目

2023/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

さらなる極に

定期訪問しているこちら。

ますます、予約至難になっていますが、

それも頷けるほど、技に磨きがかかっています。

期待感をもって、ずっと、5点を付けるのを

控えていましたが、もう付けざるを得ない

完成度の高さでした。

現状で満足しない挑戦する意欲、

あふれるクリエイティビティ、

郷土への愛、

そのすべてが、お料理全体から感じられます。

定番のお料理もすべて進化が見られ、

細部まで文句の付け所がありません。


では、紅葉も終盤になった軽井沢の秋の宵。

いつものように、満面の笑みで迎えてくれた

夏輝シェフとお母様、そして、スタッフさんたち。


晩餐の始まりです。

今回は、ノンアルペアリング。

ノンアルの進化も著しいです。

*は、ノンアルペアリング


1,長野パープル
  長野県 坂城の長野パープル。
  薄くスライスしてドーム状に。
  ストラッチャテッラの水分を抜き、
  焼いた茄子と合わせ、
  発酵させた茄子のエキスとブドウ
  をゼリー状にしたソースを。
  さらに、クローブをローストしたオイル。

  *サニールージュ(ブドウ)を皮ごと搾り、
   焙煎したコーヒー豆とガスで。
   スパイスつながりのマリアージュ。
   クローブが増幅します。

2,鼈
  嬬恋の浅間雪解け水で育てた鼈。
  身がしまっています。
  3時間前に、米麹で漬け、
  炭火で低めに火入れ。
  そこに、グラっパで香りつけし、
  鮎魚醤とジュニパーベリーを
  まとわせ、3層の味覚に仕立てるという
  離れ業。
  レバーも添えられています。
  鼈のレバーの力強さを感じます。

  *ノンアルビール、エルダーフラワーの香り、
   エルダーベリーを火入れしたもの。
   単体で飲んだときと違い、
   この鼈と合わせると、
   ベリーが鉄分に感じ、マリアージュの極致。

3,ラビオローネ
  生地は究極に薄く伸ばしています。
  これが厚いとますいのだそう。
  2種のエノキと、平飼い卵の卵黄を。
  キャラメリゼしたエノキのリエットソース
  泡は、生エノキを発酵させたものを
  ミルクで煮だしてカプチーノ仕立てに。
  1か月発酵させた乾燥エノキはパウダーに。

  ナイフを入れると、卵黄がとろーりと溶け出し、
  シズル感抜群。

  *生ほうずき、カモミールティー、
   シェリー酒
   樽の香りが、卵黄の奥行きを出しています。

4,信州サーモン
  シグネチャーです。
  八千穂漁業のクリアーな水で育った
  信州サーモン。
  通常2年のところ、3年育ててもらっています。
  2日間塩漬けにし、22~23日熟成。
  腹をカットして、40度ほどで火入れし、
  中の柔らかい身だけを使用。
  発酵させた蕪を花弁のように仕立て、
  サーモンを包み、
  発酵トマトと無花果の葉の香りのオイル、
  大葉、柘榴の香りを纏わせたソースを。

  別皿に、
  ・1か月熟成させたサーモンに
   奈良漬。
  ・表面のスキンの部分は、
   発酵金柑とスグリを添えて。

  *発酵プルーン、蒸留した薔薇の花、
   紫蘇、ダージリン

  なんとも、華やぐ信州サーモンです。

5,ビーツの再構築
  いろいろな調理法で作り上げたビーツを
  ひとつの料理に。

  ビーツは、丸ごとオーブンで焼き、
  燻製にして1日休ませます。
  90℃の熱風でドライに。
  発酵させたブルーベリー
  溶かしバター
  ローストしたくるみのアイス
  (これが接着剤の役割を)
  火入れして燻製したスライスや
  チップスと。

  *発酵させたラズベリー、カカオの殻のティー、
   カカオニブ
   香ばしさとコクを感じ、単体だと強いですが、
   料理と合わせると、溶け込みます。

6,ハヤ
  佐久のきれいな井戸水で育ったハヤです。
  初めてこちらでハヤの料理をいただいたときの
  衝撃は記憶に新しいですが、
  今回は、さらに進化して驚愕。

  まず、ハヤをレストランで使うこと自体、
  ほぼお目にかかりません。
  食べたことがある人でも、あまり美味な魚では
  ないので、佃煮にすることが多いのです。
  ですが、こちらのハヤは、まったく違います。

  今回は、なんと、郷土料理にヒントを得て、
  すずめ焼きに。
  開いて香ばしく焼き、甘辛ダレでいただくもの。
  りんご
  ドライコリアンダーシード
  フレッシュコリアンダーシード
  バクチー
  ポテトのソース

  *ルレクチェ、シナモン、
   アニス、レモングラス
   「青さ」のつながりを。

7,ダボス牧場のホゲット
  短黒のレバー

  2か月のホゲット
  まったく臭みがなく、最高の状態で、
  火入れも抜群。
  肉のジュと五香粉のソース
  原木椎茸と。

  *メルロー、カベルネ、発酵ブルーベリー

8,ミニビビンバ
  生野菜を発酵させたナムルを。
  短黒のタルタル
  はぜ掛け米
  自家製コチュジャン

  攻めてます。

  *瓶内熟成させたサトウ柿
   発酵トマト、リコリス

9,アイス
  詰めたミルクと生無花果
  乾燥させた黒無花果
  茎のオイル

10、ヘーゼルナッツのケーキ

11、ハーブティー


*フォカッチャ


料理の進化もですが、

ノンアルとのペアリングも

ますます精度を増しています。

アルコールペアリングより、

ノンアルのほうが、はるかに難しいと

感じていて、納得できるノンアルペアリングには

なかなかお目にかかりませんが、

もうかなり極めています。

しかし、ここで満足する夏輝シェフでは

ありません。

次回、どんなサプライズを用意してくれるのか、

その成長が、本当に楽しみです。


   

  • サニールージュ

  • 長野パープル

  • 長野パープル

  • ノンアルビール、エルダーベリー

  • 生ほうずき、カモミールティー

  • ラビオローネ

  • シェフ

  • ラビオローネ

  • ラビオローネ

  • ラビオローネ

  • フォカッチャ

  • 発酵プルーン、薔薇の花

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 発酵ラズベリー、カカオの殻のティー

  • ビーツの再構築

  • ビーツの再構築

  • ルレクチェ、シナモン

  • ハヤ

  • ハヤ

  • メルロー、カベルネ

  • ホゲット

  • ホゲット

  • さとう柿、発酵トマト

  • ビビンパ

  • ビビンパ

  • アイス

  • アイス

  • ハーブティー

  • ヘーゼルナッツケーキ

2023/11/10 更新

8回目

2023/07 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

佐久が生んだ天才、どこまで伸びる、この才能

3年前、初めてこちらを訪れたときは、

だれも知らないレストランでした。

それからわずか1年で、予約至難店に。


定期訪問していますが、回を重ねるごとに、

その技が進化していて、どこまで伸びるのやら、

とワクワクします。

とはいえ、今回は、そろそろ、疲れも見え始めて

いるかな、などと思い、

「きょうは、絶対褒めないから」と、シェフに一言。笑

すると、夏輝シェフ、なんと、

「絶対負けない」と、真顔で返してきました。

この負けん気こそ、夏輝シェフのモティベーションとも

言えます。

その言葉どおり、今回もまた、飛躍的なる進化で、

一皿ごとに、驚きの連続。

奇しくも、大谷翔平選手と同じ年。

日本が生んだ至宝です。

サービスを務めるお母様に感謝。


それでは、夏のコースです。

基本は、ノンアルペアリングですが、

シェフが、ときどきアルコールに変えてくれます。

ペアリングドリンクは、すべて単体でいただくときと、

食事に合わせたときと、はっきりその役割が

異なり、見事すぎるマリアージュ。

特に、ノンアルペアリングは納得できるお店が

少ない中、こちらのは脱帽モノ。


1,玉蜀黍
  朝採れ玉蜀黍をミネラルウォーターで炊き上げ、
  エアリーなムースに。
  下には、熟れたマンゴーを乳酸発酵させたソース。
  (私のマンゴー好きを、熟知していてくれます)
  砂糖なしのキャラメルを。  
  砂糖なしで、どうやって?と思いましたが、
  焼き玉蜀黍のエキスを詰めています。
  そこに、カカオニブ。

  *蓼科の白樺を低温乾燥して煮だし、
   梅酒のシロップと。

2,キタアカリ
  1年半低温熟成したキタアカリ。
  氷温で保存すると、水分を含んだまま、
  甘みが増加するそう。
  障泥烏賊の肝の塩漬けを和え、
  4日熟成した障泥烏賊、
  ブランデー、魚醤を。
  2か月熟成したポテトのチップスを
  トッピング。

  *芙蓉酒造の金宝
   甘さと肝の香りにとても合います。

3,岩牡蠣
  オイスターピッツァ、とのこと。
  岩牡蠣に、濃厚な生クリームソースを。
  パプリカを天日干しし、ロースト。
  発酵唐辛子で旨味を。
  発酵ラズベリーパウダーと、エストラゴンを。

  ピッツァというには、あまりに、奥行きのある
  味わい。
  岩牡蠣のミルキーさを、ソースが包み、
  発酵唐辛子の旨味の合わせ方が、想像を超えました。

  *燻製したラズベリーとルバーブの煮だしシロップ
   発酵トマトとアニス
   発酵唐辛子に合わせています。

4,信州サーモン
  スペシャリテです。
  まずは、サーモンの大きなカットをテーブルで
  プレゼンテーション。
  八千穂漁業のサーモンを、2日間塩漬けにして、
  10~12日熟成し、旨味と香りを引き出します。
  腹をカットして、40℃~42℃で1時間半火入れ。
  中の柔らかい身だけを供します。
  発酵させた蕪を花弁のように周囲に並べ、
  発酵トマトとイチジクの葉の香りを映したオイル、
  大葉、柘榴の香りをまとわせたソースをあとから注ぎます。

  複雑な味わいになりがちですが、いずれもが、
  サーモンの味を引き立てます。

  別皿には、
  ・1か月熟成させたサーモンに、
   3年物の奈良漬。
  ・表面のスキンの部分は、
   発酵金柑とすぐりの塩漬けを。
  
   スペシャリテですが、少しづつ進化あり。

  *乳酸発酵させたラズベリー
   赤紫蘇、蒸留させた薔薇の花、
   ダージリン(渋みを)

5,ズッキーニ
  これも、こちらのスペシャリテ。
  ひとつの野菜のデクリネゾン。
  昨年の夏も、ズッキーニですが、
  飛躍的な進化が。
  
  まず、土地の持つメリットを最大限に
  活かし、
  採りたてでなければ、食べられない、
  生ズッキーニを極細切りに。
  旨味が詰まっています。
  300℃で焦がして布で絞った茶色の
  ズッキーニはジュレに。
  ズッキーニの成分とミルクをアイスに。
  焦がしたズッキーニを。

  ズッキーニの旨味をここまで感じさせて
  くれたのは、初めてです。

  *白ワイン
   Rolly Gassman
アルザスの白で、ズッキーニの
   旨味と甘みに合わせています。

6,鮎
  これも夏のお楽しみ。
  上田市で、井戸の湧き水で半養殖されて
  いる鮎を、さらに近くの小川で、調理する
  直前まで飼っています。
  鮎を万願寺唐辛子と肝で巻き、
  春巻きに。中の鮎はレアで
  火入れが素晴らしいです。
  いかった状態で火入れすると、
  中にゆっくり火が入る、とのこと。

  蓼酢に見えるものは、
  蓼と太白胡麻油、酢橘、鮎の魚醤。
  苦みは活かして、まろやかに鮎を包みます。

  *もみの新芽を乾燥させて煮だしたものに、
   はっさくを加え、
   個性の強さを、グリーンピースの甘みで
   つなぐ、という離れ業のノンアル。

   もみで旨味が倍化し、合い過ぎて、コワイです。

7,短黒和牛
  おなじみダボス牧場の牛肉です。
  穀物30%に、林檎やワイン用ブドウなどを
  乳酸発酵させた飼料で育てている経産牛。

  今回は、
  ・ザブトン
  ・ホゲットのロース
  ・レバー
 
   レバーの新鮮さ、味の濃厚さが際立ちます。
   ザブトンの脂のきれいさも唸ります。

  *赤ワイン
   フランキーシャトー
   入手至難です。

8,つけ麺
  なんと、こんなことをやり始めたとは。
  もちろん、普通のつけ麺ではありません。

  麺は無農薬、山椒入りうどん。

  つけダレは、鯉の身、骨、内臓、血を
  2か月火入れし、あえて雑味を取らず、
  旨味に転嫁したタレ。
  まさに、鯉のビスクです。

  タレには、あとから、一番出汁を入れて。

  *昆布茶
   ノンアルビール

9,デザート
  ミントの新芽とミルクのアイス
  火入れしたメロン
  発酵レモンと炭酸のソース

  「クリームメロンソーダです」とシェフ。

10、ヘーゼルナッツのケーキ
  ヘーゼルナッツのみで作っています。

11、ハーブティー


フォカッチャも進化著しい。

  
これだけ、多忙な日々の中で、

果敢に、新しいチャレンジをし、

試行錯誤を重ねていることに、

言葉がありません。

「絶対、負けない」と宣言した夏輝シェフ。

はい、素直に脱帽。

いやはや、素晴らしすぎて、次回の

軽井沢詣でが今から楽しみです。


  • 白樺

  • 玉蜀黍

  • 玉蜀黍

  • 日本酒

  • 日本酒

  • キタアカリ

  • キタアカリ

  • ラズベリーとルバーブ

  • 夏輝シェフ

  • 岩牡蠣

  • フォカッチャ

  • フォカッチャ

  • 信州サーモン

  • ラズベリー、赤紫蘇

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • ズッキーニ

  • 白ワイン

  • 白ワイン

  • ズッキーニ用ノンアル

  • ズッキーニ

  • ズッキーニ

  • もみの新芽、はっさく

  • もみの新芽

  • 赤ワイン

  • 赤ワイン

  • ザブトン、ホゲット、レバー

  • ザブトン、ホゲット、レバー

  • ソースを

  • 昆布茶

  • 昆布茶

  • つけ麵

  • 鯉のつけダレ

  • デザート

  • ハーブティ

  • ヘーゼルナッツケーキ

2023/08/03 更新

7回目

2023/01 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

天からの恵み、自在な発想力

何色もの糸を紡いでいくと、想像もできない

素晴らしい織物が誕生し、それは芸術作品と

呼ばれます。

お料理も、限りない素材や香りを組み合わせ、

お皿の上で完成します。私は、これも

芸術作品と呼びたいです。

しかも、食べてしまえば、その姿を消す、

儚くも贅沢な芸術。


それは2年前の3月でした。

まだ、名前も知られていないこのレストランに、

興味を惹かれ、伺ってみました。

そのときの衝撃を今も鮮明に覚えています。

それから丸2年。 7回目の訪問となります。

鈴木夏暉シェフの飛躍と進化は、

私の想像をはるかに越えて、突き抜けています。

今では、1年以上予約至難になっていますが、

ある意味、当然の結果ともいえます。


明るい笑顔、活舌の良さ、この若さと思えない人間力。

お料理は作れても、人間力を作るのはなかなか

至難です。

あ、あまりほめ過ぎるのはやめておきますが、

なにしろ、人に好かれるタイプです。

そして、私も、彼に魅了された一人。


軽井沢駅に到着すると、雪が横向きに吹いていて、

東京とは段違いの寒さです。

しかし、お店に着くと、シェフとお母様、そして

3名のスタッフさんが、勢ぞろいして、満面の笑顔で

迎えてくれました。

もうこの瞬間から、心が温かくなります。

そして、この冬も、夏輝シェフは、また成長していました。

柔軟な発想力からくる食材の扱いと組み合わせ、

そして、ワインやノンアルとのマリアージュの繊細さ。

特に、今回は、単体では個性ありすぎというワインを

マリアージュすることで、見事に、ワインを料理のソースに

仕立て、完成させる、という仕事を見せていただきました。

いったい、いつ、どこで、このコース構成と

ワインとのマリアージュを考え、完成度を上げているのか、

夏輝シェフの脳内探索をしたいぐらいです。

では、冬のメニュー、始まりです。

ペアリングは、ワインとノンアルのミックスを

お願いし、どうペアリングするかはシェフにお任せを。

1,ピッツァ フリッタと生ハム
  八ヶ岳工房の生ハム
  30か月熟成で、塩分3%という優しい
  繊細さ。
  「真澄」の麹で熟成発酵させています。
  2日寝かせたピッツア生地を揚げて、
  中には、ボスケソのリコッタチーズを。
  発酵させたラズベリーのパウダーをかけて。

  イタリアンからそのキャリアをスタートさせて
  いるので、回帰ともいえるスタート。

  *ノンアルペアリング
   無農薬ローズヒップベリーが
   きれいにディスプレイされて登場。
   言われるまで、ローズヒップベリーとは
   わかりません。想像より大きいので。
   この果肉とスパークリングのドリンク。

2,ルブロ
  デンマークの黒パンで、大麦、ライ麦、麦芽で
  できています。
  なんと、スモーブローと寿司を合わせたイメージ
  で。
  ルブロを焼いて、山葵の茎と合わせたサワークリーム、
  生山葵、そして、氷温で2~3日熟成させた鰊を、
  生醤油と紫蘇の葉で
  
  今回あえて、周辺で捕れない素材にもチャレンジ。
  鰊の皮目が香ばしく、まさに、
  スモーブロー寿司。

3,鮟鱇
  中華のイメージで構築。
  干して脱水させた鮟鱇を、レアに火入れ。
  ゆり根ソース
  発酵させた生ポルチーニを
  1年熟成させて酢にし、バルサミコ酢と
  合わせて。
  九条葱と、ローストしたヘーゼルナッツを。
  
  本当に、中華料理のように思えてくるので、
  不思議です。

  *ワイン
   Pax Gamay Noir 2018
ソノマコーストのガメイで、
   苦みを紹興酒に見立てて。
  *ノンアル
   発酵ラズベリー、ノンアルラム酒、
   スパークリング
   こちらも紹興酒のイメージ

4,信州サーモン
  スペシャリテで、これだけは、
  毎回変わりません。
  が、真冬のこの時期が、水温が低く、  
  キュッとしまって、身質がよい状態。
  2日間塩漬けにして、16日間熟成させた
  八千穂漁業のサーモンです。
  40℃ほどで1時間火入れし、
  2週間熟成させた蕪を花弁のように周囲に。
  発酵トマト、柘榴、生無花果のソースで。

  別皿には、
  ・1か月熟成させたサーモンに
   3年ものの奈良漬
  ・表面のスキンのハムのような部位
   金柑の皮とルバーブのピクルスで。

  *ノンアル
   発酵させた苺、ダージリン、赤紫蘇
   ダージリンの渋みをタンニン替わりに。
   苺ですが、発酵しているので、ベタ甘さはなく、
   カクテルのよう。

5,根セロリ
  野菜の再構築は定番です。
  今回は、北海道と軽井沢の根セロリを使用。

  根セロリは、トロピカルな香りがする、とシェフ。
  お皿の左には、
  薄くスライスして、折り畳み、澄ましバターで
  まわりをカリっと、中はジューシーに仕上げた
  根セロリ。
  右には、
  蒸してミルクを加え、アイスにしたものに、
  ローストしたヘーゼルナッツ、発酵させて
  半干しにしたパイナップル、
  マイクロパセリとそのオイルを。
  
  このアイスを左の薄くスライスした根セロリに
  包んでいただきます。 
  両方の食感の違いと、ほのかな甘みが官能的。

  *オレンジワイン
   Ageno LA STOPPA
マルヴァジア100%
   クヴェブリ
   これは単体では、かなり独特の味覚なのですが、
   なんと不思議、このお料理と合わせると、
   甘みとバターがタンニンを包み込み、
   丸くなります。

  *ノンアル
   発酵パイナップルとミントティー
   根セロリのトロピカルなテイストに合わせて

6,鯉
  井戸の湧き水のみで育った鯉なので、
  通常の土臭さはまったくありません。

  蓋付の器で登場し、
  上には、鯉の腹を4日熟成して旨味を出し、
  干トマト、胡麻、胡瓜でたたきに。

  器の中には、1週間熟成し、脂を馴染ませ、
  皮目を炭火焼に。
  鯉の骨は、Y字型をしていて、骨切が
  難しいため、薄切りにして骨を除き、
  またそれを1枚1枚くっつけ、4日間乾燥させた
  皮も元に戻します。
  一番出汁にしじみを加えることで、
  鯉の旨味とつなげています。
  
  昨冬にもいただきましたが、進化しています。

  *白ワイン
   TENDU 2021 コルテーゼ100%
   スキンコンタクト
   
   出汁にいれたトマトが、酸と出汁をつないで
   います。

  *ノンアル
   紅玉のプレスジュースと五郎兵米の玄米茶

7,ダボス牧場の短角牛 ザブトン
  11歳の経産牛
  ダボス牧場では、ワインのブドウの搾り滓や
  りんごを飼料として育てています。
  2か月ウェットエージング。
  牧草で香りつけしています。
  骨の髄、筋などのソース

  黒トリュフをたっぷり削っていただきました。
  歯ごたえのあるザブトンです。

  *赤ワイン
   長野 Funky Chateau
滅多に入手できないカベルネフランです。

  *ノンアル
   ワイン用のメルロー、カベルネフラン、
   発酵したブルーベリーエキス

8,煮え花
  シェフは、「煮え花リゾットです」と
  言っていましたが、私は、あえて、
  「煮え花」でいいのでは、と思いました。
  じゃこ、実山椒、ワサビ菜、
  2年発酵させた野沢菜の古漬けを乾燥させ、
  パウダーにしたものを。

  これは初めていただきましたが、
  力作。 あえて、煮え花でトライしたところに
  面白さがあります。

  *ノンアル
   昆布茶と発酵させた金柑の皮
   実山椒にあわせて。

9,松
  緑の松ぼっくりをミルクで炊いた
  アイス。
  松ヤニの香り。
  落葉松の葉のパウダー。
  モミの新芽のピクルスをのせて。

  下には、ローストしたりんごを
  キャラメリゼしたもの。

  森林浴なデザートです。
 
  スプーンは、軽井沢彫。

10、小麦粉を使用しない焼き菓子

11、ハーブティー

*フォカッチャ


久々に会った、夏暉シェフは、一回り大きくなって

いました。

からだもですが、技も・・・。


  • ローズヒップベリー

  • ローズヒップベリーのノンアル

  • 生ハムのピッツァフリッタ

  • ルブロ

  • ルブロ寿司

  • ルブロ寿司

  • 発酵ラズベリーのノンアル

  • 赤ワイン

  • 鮟鱇

  • フォカッチャ

  • 鮟鱇

  • フォカッチャ

  • 信州サーモン

  • 発酵苺のノンアル

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 根セロリ

  • 白ワイン

  • 根セロリ

  • 根セロリ

  • 発酵パイナップつのノンアル

  • オレンジワイン

  • 白ワイン

  • 紅玉のノンアル

  • ダボス牧場のサブトン

  • トリュフ

  • 赤ワイン

  • ぶどうと発酵ブルーベリー

  • ザブトン

  • ザブトン

  • ザブトン

  • ザブトン

  • 昆布茶

  • 発酵金柑の皮のノンアル

  • 煮え花

  • 煮え花

  • 軽井沢彫りのスプーン

  • 森林浴のデザート

  • 森林浴のデザート

  • 焼き菓子

  • ハーブティー

2023/02/05 更新

6回目

2022/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

軽井沢の新星は、さらなる飛躍を

初めてお邪魔してからわずか1年足らずで、

予約至難なレストランに登りつめたこちら。

しかし、鈴木夏暉シェフは、それに甘んじることなく、

日々進化しています。

通算6回目となり、夏のメニューです。

いつものように、爽やかな笑顔で迎えてくれました。

今回調理スタッフは3名になっていました。

発酵と熟成の追及は、ますます進んでいます。


前回に続き、今回も、ペアリングは

アルコールとノンアルのダブルでお願いしました。

こうすると、それぞれに新しい発見があり、

料理要素のどこと合わせにいっているかの違いが

出て、興味深いです。

ノンアルペアリングは、苦戦しているお店が多い中、

地の利を活かした素材をフル活用し、完成度が

高いです。


では、夏のメニューの内容です。

*は、ペアリング。

1,ウチダザリガニ
  大きな平皿の中で、元気に動く
  ザリガニがテーブルの上に。
  シェフが説明しているときも、お皿から
  飛び出そうなほど、元気です。

  千葉から取り寄せたウチダザリガニを
  キッシュに。
  極薄の生地に、フルーツトマトのセミドライと、
  キャラメリゼしたクリーム。
  発酵させたラズベリーを塗って。
  
  一皿目から目が覚めるような旨味攻撃。

  *シャンパーニュ ロゼ
   Gaston Chiquet

  *赤紫蘇、乳酸発酵させたカシス、生カシスのオイル

2,発酵させた茄子と大門素麺
  この素麺は以前にもいただきましたが、
  全国の素麺を食べて、これが最も美味だった、と
  シェフ。
  焼きたての茄子、アオリイカ、メギスの魚醤に
  2週間発酵させた茄子酢とキャビアを。
  酸味の出し方に、夏を感じます

  ガラスのお皿は、富山のガラス作家、安田泰三さん
  の作品。美しいです。

3,五郎兵衛米の焼きリゾット
  素揚げした桜海老と三つ葉、
  2週間乳酸発酵させた胡瓜の皮と
  干したトマト、白胡麻。
  1年発酵させた生ポルチーニと一番出汁を
  かけて。

  *白ワイン
   Gradis' Ciutta Collio
フリウリのワインで、丸みがあり、
   これは出汁に合わせています。

  *乳酸発酵させたフルーツトマトと
   蒸留した薔薇
   薔薇の香りが華やかです。

4,ズッキーニ
  鮮やかな花や花ズッキーニに囲まれ、
  中央に丸ズッキーニの器が。
  依田さんのズッキーニとのこと。
  絞って90%脱水させてムースに。
  細いズッキーニは、乾燥してチップスにして
  紅玉で戻してあります。
  皮目をローストして詰めたジュレ。
  雲丹でコクを加え、
  発酵レモンの皮と、エルダーフラワーの蕾を。
  ズッキーニ丸ごと、楽しめます。

  *Suman Sun Drop
   スロベニアの古代ワインで、
   オレンジワイン。ソーヴィニヨンブラン。

  *コンブチャきのことエルダーフラワーの花
   ほうじ茶の香りとつけて。

5,信州サーモン
  シグネチャー
  2日間塩漬けにし、
  16日熟成させた八千穂漁業のサーモン。
  桜のチップで燻製に。
  40℃くらいで1時間火入れ。
  2週間熟成させた蕪を花弁のようにカットし、
  サーモンに蓋をします。
  発酵トマト、柘榴、生いちじくのソースで。

  別皿には、
  ・1か月熟成させた生サーモン
   3年物の奈良漬と
  ・表面のスキン
   ルバーブと金柑の皮と。

  *オレンジワイン
   PARASCHOS Not VOL.1 2018
   フリウリ
   リボッラ・ジャッラ、フリウラーノ

  **ラズベリーの発酵エキス  
    赤紫蘇、ダージリン

6,鮎の春巻
  すぐそこの小川で鮎を飼っています。
  獲りたての新鮮そのもの。

  素揚げした万願寺唐辛子と
  鮎の魚醤、肝で春巻に。
  春巻の皮は、極薄。
  スイカを詰め、カラブリアの唐辛子と
  酢で。

  *白ワイン
   Churton Marlborough
ソーヴィニヨンブラン 2020

  *胡瓜の皮、ミント、紫蘇のトニック

7,短黒和牛
  ダボス牧場です。
  2か月熟成の肩三角
  3か月熟成のカイノミ
  レバー
  この日のレバーの状態が尋常ではなく
  旨味の塊でした。
  
  野菜は別皿で。
  
  *Funky Chateau
   長野産の赤ワイン。
   カベルネフラン100%
   入手困難な希少品。
  
  *メルロー、グルナッシュに
    発酵ブルーベリーエキス

8,ローズマリーを練りこんだタリアテッレ
  極薄です。
  短黒和牛2か月熟成の赤身のラグー

  *MOVIA
   スロヴェニア ゴリスカ・ベルダ産。2018
   カベルネソーヴィニヨン100%
  *ノンアルジントニック
   ジュニパーベリー、発酵ライム、トニック
   この仕上がりが抜群で、シェフも会心の笑み。

9.カシス
  軽井沢で一人だけカシスを育てている人が
  いるそう。
  そのカシスを木、葉、実と全部使ったデザートです。
  カシスを牛乳で煮だしたアイス。
  赤ワインで炊いたソース。
  カシスの木のオイル。
  生の葉は、リンゴ酢で漬けたもの
  
  カシスの木まで使えるとは、
  これぞ、地の利です。

10、小麦粉を使わない焼き菓子

11、ハーブティ
  レモンバーベナ、カモミール、レモンバウム

*フォカッチャ


毎回そうなんですが、

夏暉シェフのお料理をいただくと、

からだが浄化され、みるみる元気になって

いくのを感じます。

とどまるところを知らない進化。

期待感が募ります。


  • シャンパーニュ

  • ウチダザリガニ

  • 赤紫蘇、カシス

  • ウチダザリガニ

  • ウチダザリガニ

  • ウチダザリガニ

  • 大門素麺

  • 大門素麺

  • 大門素麵

  • フルーツトマト、バラ

  • 白ワイン

  • 焼きリゾット

  • 焼きリゾット

  • 焼きリゾット

  • 古代ワイン

  • コンブチャきのこ

  • 古代ワイン

  • ズッキーニ

  • ズッキーニ

  • 信州サーモン

  • ラズベリー、ダージリン

  • オレンジワイン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • フォカッチャ

  • 胡瓜の皮、ミント

  • 白ワイン

  • 鮎の春巻

  • 鮎の春巻

  • 短黒和牛

  • グルナッシュ、メルロー

  • 赤ワイン

  • 野菜

  • 野菜

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • 夏暉シェフ

  • ノンアルジントニック

  • 赤ワイン

  • タリアテッレ

  • タリアテッレ

  • カシスのデザート

  • ハーブティ

  • 焼き菓子

2022/07/24 更新

5回目

2022/04 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

さらなる進化に驚愕

昨年の春、初めて訪問し、1年で四季4回訪問

させていただきました。

訪問ごとに、私の想像をはるかに凌駕する

夏暉シェフの技と、その進化。

ただただ、うなるばかりです。

今回嬉しかったのは、予約確認の際、

シェフが、「早く食べてほしい」と一言。

ふーむ、これは自信満々なんだな~~と

もうワクワクになりました。

27歳という若さで、技術だけでなく、

シェフのお人柄の良さにも毎回驚きます。

天からいただいたもの、という以外、言葉が

見つかりません。

今回も、一見、昨年の春と同じ、と思える

お料理を、きちんと飛躍させ、さらに美味しくして

いました。

とどまるところを知らないようです。


さらに、今回は、ちょっとわがままを言って、

ペアリングをワインとノンアルの両方にして

いただきました。

ワインとノンアルでは、まったく合わせ方の

方向性が異なることもわかりました。

とても興味深いです。

そうそう、フォカッチャさえ、毎回進化しています。


なぜ、ここまで惹かれるのか考えました。

毎回、夏暉シェフのお料理をいただくと、

からだがすがすがしく、浄化されているのを

感じます。

発酵と熟成を基調にしているので、それはそうな

のですが、なにか、まるで魔法を使っているかの

ような心地よさです。


それでは、この日の内容です。

*は、ワインペアリング
**は、ノンアルペアリング

1,発酵させたじゃが芋パンケーキ
  10日寝かせた生地の上に、
  ラクト発酵させた生ポテトをのせて、
  カリっと。
  生クリームを発酵させたクリームと、
  アンチョビ、イタリア産キャビアを。

  とても軽やかなパンケーキです。

  *スパークリングワイン
   GUSBOURNE 2015
イギリス産です。

2,ホワイトアスパラガス
  地元産とロワール産を使い分け
  地元産はグリルに。
  ロワール産はソースに。
  泡は、生のホワイトアスパラガスを
  2か月ラクト発酵させたエキス。
  ハーブオイル
  はっさくを散らし、
  ストラッチアテラ(チーズ)
  セルフィーユを。

3,信州サーモン
  スペシャリテ
  2日間塩漬けにし、
  16日熟成させた八千穂漁業のサーモン。
  桜のチップで燻製に。
  40℃くらいで1時間火入れ。
  2週間熟成させた蕪を花弁のようにカットし、
  サーモンに蓋をします。
  発酵トマト、柘榴、生いちじくのソースで。

  別皿には、
  ・1か月熟成させた生サーモン
   3年物の奈良漬と
  ・表面のスキン
   ルバーブと金柑の皮と。

  *オレンジワイン
   PARASCHOS Not VOL.1 2018
   フリウリの白
   リボッラ・ジャッラ、フリウラーノ

  **ラズベリーの発酵エキス  
    赤紫蘇、ダージリン

4,雪ノ下人参 再構築
  飯山産。
  
  下には、燻製してセミドライし、味を濃縮して、
  蜜をキャラメリゼした人参。
  ソースは人参の葉とくるみ。
  人参の皮とバターはクランブルに。
  発酵させた人参をバターで揚げ、
  それをアイスクリームに。
  以前は、ここは発酵させていませんでした。
  燻製した人参のチップスを、発酵させた人参の
  エキスで戻し、それを花弁状に。

  *Rostomaant Marani
RKATSITELI Qvevri White Dry
ジョージア Telavi産の白ワイン
   品種 ルカツェテリ

  **人参とオレンジ
    セトカジュース&人参エキス

5,いわな
   飼っているいわなです。
   海の魚と違って、川魚は鮮度が命。
   シェフ曰く「今、そこでとってきました。
   だから、身がいかっています」
   酵母を加えた衣で揚げて登場。
   ソースは、レモンを発酵させた皮ごとの
   エキスと新玉葱。

   もうこれには脱帽です。
   あまりの「きれいな」いわな。
   衣もカリサク。

   *La Marea 2020
カリフォルニア モントレーの
    アルバリーニョ

   **グレープフルーツのエキスと
     発酵させたカリン。

6,リゾット
  はぜ掛けして天日干ししている
  信州佐久五郎兵米です。
  芹、新生姜。
  焼いた蛍烏賊に鮎の魚醤を塗ったもの。
  発酵させた生の独活。

  *日本酒
   佐久市の「金宝 芙蓉」
   純米吟醸
  **紅玉と発酵させた金柑の皮

7,鹿
  美ヶ原産。 3か月ウエット熟成。
  燻して香りづけ。
  牛の骨と鹿のソース。
  発酵させた菊芋のピュレとソテー。

  究極に攻めた火入れです。

  *Funky Chateau
   長野産の赤ワイン。
   カベルネフラン100%
   入手困難な希少品。
   力強く、鹿と最高のマリアージュです。
  
  **東御市のフラン、メルロー、グルナッシュに
    ブルーベリーエキス

8,ローズマリーを練りこんだタリアテッレ
  極薄です。
  短黒和牛2か月熟成の赤身のソース

  *MOVIA
スロヴェニア ゴリスカ・ベルダ産。2018
   カベルネソーヴィニヨン100%
  **発酵レモンとノンアルビール

9,苺
  バルサミコ酢と黒糖で漬けた
  フレッシュなとちおとめ。
  やよい姫と発酵させたミルクのソース
  アニスを練りこんだ白玉。
  神津牧場のミルクジェラート

10、小麦粉を使用しない焼き菓子

11、ハーブティー

*フォカッチャ
 さらに、軽やかに、進化しています。


新しい器やお皿も登場。

いったい、これだけのことを

いつの間に、考え、試行錯誤しているのやら。


次回が楽しみで仕方ありません。


  

  • コンブチャ菌

  • スパークリングワイン

  • コンブチャ菌

  • スパークリングワイン

  • じゃが芋のパンケーキ

  • じゃが芋のパンケーキ

  • じゃが芋のパンケーキ

  • ホワイトアスパラガス

  • ホワイトアスパラガス

  • 信州サーモン

  • オレンジワイン

  • オレンジワイン

  • ラズベリー&ダージリン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • ソース

  • ソースを

  • 信州サーモン

  • フォカッチャ

  • フォカッチャ

  • ジョージアのワイン

  • ジョージアのワイン

  • 人参とオレンジ

  • 雪ノ下人参の再構築

  • 雪ノ下人参の再構築

  • モントレーのワイン

  • モントレーのワイン

  • グレープフルーツとカリン

  • いわな

  • いわな

  • 日本酒

  • 日本酒

  • 紅玉と金柑

  • リゾット

  • リゾット

  • 鹿

  • 長野のワイン

  • 葡萄とブルーベリーエキス

  • 鹿

  • 鹿

  • シェフ

  • ソースを

  • 鹿

  • タリアテッレ

  • スロヴェニアのワイン

  • スロヴェニアのワイン

  • レモンとノンアルビール

  • タリアテッレ

  • タリアテッレ

  • いちご

  • ハーブティ

  • 焼き菓子

2022/04/23 更新

4回目

2021/12 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ハート鷲掴み度、日本一

今年春、初訪問をし、衝撃の出会いでした。

それから、夏、秋、に続いて、今回は冬メニューと

初年度で4シーズンのメニューをコンプリート。


料理のオリジナリティとクリエイティビティー。

その発想力については、何度も書いていますが、

その上に、なつきシェフの人間力に、毎回

驚かされます。

サービスを担当するお母さまに、

「どうやって、こんな子が育つんですか?」と

聞くと、

「ワルやっている時代もありましたが、

ひたすら、この子を信じて、見守ること」とのこと。

なかなかできることではありません。

しかし、そうやって、日本の料理界に新星を

登場させてくれたことに、ひたすら感謝。

2022年「Gault&Millau」で、「期待の若手シェフ賞」が

決まったそうで、それはさもありなん、と思います。


さて、この日も、私の期待は軽々と越えてくれました。

すでに、予約至難店となり、超多忙な日々の中、

一体、いつ、どこで、どうやって、これだけの発想を

思いつき、また試行錯誤するのか。

しかも、きょうのお料理の素材は、すでに半年以上前に

仕込んだものも多数。 


それでは、軽井沢の冬、なつき料理の冬です。

熟成と発酵の技が光ります。

今回から、ペアリングになりました。

ワインハーフのペアリングで。 *印

1,寒鰤とカリフラワー

  氷見13㎏の寒鰤の腹を20日寝かせ、
  藁蒸しに。
  2週間ラクト発酵させたカリフラワーのスライスと
  ドライ発酵させたカリフラワー。
  カリフラワーを蒸したソース。
  上には、キャビアを。

  酸味と塩味の饗宴。

2,スモーブロー
  デンマークで学んだ当地の郷土料理を
  なつきシェフ流に。
  バターソテーしたルブロ(黒パン)に、
  安曇野の山葵の茎を発酵させたもの。
  ダボス牧場の短黒和牛のとうがらしを
  2か月熟成させ、炙ってタルタルに。
  ルバーブ、マスタードシード、24か月の
  コンテ、山葵の葉のパウダー。
  
  ルブロを持って、かぶりつきます。
  目の前に、デンマークの冬景色が
  現れます。
 
  木彫のお皿は、デンマーク製。

  *HAMBLEDON
イギリス ハンプシャーの
スパークリングワイン
1と2のペアリング
  
3,信州サーモン
  スペシャリテ
  2日間塩漬けにし、
  16日熟成させた八千穂漁業のサーモン。
  桜のチップで燻製に。
  40℃くらいで1時間火入れ。
  2週間熟成させた蕪を花弁のようにカットし、
  サーモンに蓋をします。
  発酵トマト、柘榴、生いちじくのソースで。

  別皿には、
  ・1か月熟成させた生サーモン
   3年物の奈良漬と
  ・表面のスキン
   すぐりと金柑の皮と。

  *QUINTO QUARTO
自然派のオレンジワイン
   ピノグリージョ100%
   前回と、ペアリングも変更し、
   新鮮さを。

4,野菜のデクリネゾン
  これも定番ですが、野菜が毎回変わります。
  今回は、思いっきり根がついた生の物体が
  テーブルに登場。
  「なんだと思います?」というなつきシェフの
  楽しそうなこと。
  あまりに根が何本も付いていたので、俄かには
  わかりませんでしたが、
  セルリアック。

  これが、あっと驚く形で登場。
  一つ目(写真右)
  セルリアックの芯をミルクで炊いてアイスに。
  乾燥させたパイナップルを、発酵させたパイナップルで
  戻したもので皮を作り、アイスを包みます。
  カカオニブ、ハーブオイルをかけて。

  二つ目(写真左)
  焼いたセルリアックをパイのように層にして。
  火入れして甘みを出して。
  この層を一枚一枚はがし、アイスを包んでいただきます。

  未知の領域です。
  少なくとも、なつきシェフよりは、数百倍いろいろな
  ものを食べているはずの私ですが、
  それでも、このデクリネゾンには、脱帽。
  またしても、果敢に挑んでこられました。笑

  *Ageno 2016
エミリアロマーニャ、ラ・ストッパの
   オレンジワイン。古代ワイン。
   パイナップルの風味がいいマリアージュ。

5,鯉
  井戸の湧き水で育てられ、
  神経〆にして、10日熟成させることで、
  脂を馴染ませています。
  もちろん、臭みは一切ありません。
  鯉の骨はY字型をしていて、骨切が難しいため、
  薄切りちして骨を除き、またそれをくっつける
  という途方もない作業を施しています。
  やさしく火入れし、厚い皮目は3日間乾燥して
  パリっと。
  言われなければ、鯉とは気づかないほど。
  バルサミコ酢、ポルチーニ、
  なんば葱(九条葱の元)、アリッサムで。
  バルサミコとナッツを焼いた香りが、
  ワインとつながります。

  上野焼(あがのやき)のお皿で。

  *ONOYAMA BIKKI
無添加、メルロー100%
   上田 トゥモローワイン
   鯉に上田のワイン、しかもメルロー。
   ですが、どちらも負けていません。

6,リゾット
  兵庫県の1年ものの牡蠣。
  味が濃く、凝縮しています。
  芹と。
  信州佐久五郎兵米

  *SANCERRE 2020
LES BOUCAUDS
CLAUDE RIFFAULT
ここはセオリー通りに。

7,熟成させた短黒和牛
  ・2か月半ウエット熟成させた肩さんかく。
  ・150日ウエット熟成させたササミ
   1頭から150gしか取れないレアもの。
  
   骨と髄のソースに、乾燥ビーツを。
   トリュフをたっぷりかけて。

   ものすごくいい火入れです。
   前々回に、10か月熟成ササミをいただき、
   レア感を味わいました。
   今回の150日熟成は、西京焼き感がそこまで
   いっていず、ちゃんと牛肉だとわかります。笑
   つまり、熟成度合いが適切なのでしょう。
   どちらも個性があり、好きですが。

   ガルニは、焼きリンゴやマッシュルーム。

   *Funky Chateau
カベルネフラン100%

8,タリアテッレ
  ダボス牧場の熟成短黒和牛を
  極薄の手打ちタリアテッレで。

  *GANTO
Podere Il Santo RIvanazzano
  

9,松がテーマのデザート
  松の、木、枝、葉、ヤニ、松ぼっくり
  すべてを使ったデザート。
  松ヤニに加糖して作ったアイスは、
  松ヤニという概念を変えます。
  赤松の木のオイル
  ドライにした葉
  紅玉のコンポート
  もみの枝の先には、松ぼっくりをシロップで
  煮たもの。 春先に、緑のうちの小さな
  松ぼっくりを取っておいたそう。

  ウッディなお皿は、ほのかに、キラキラを
  放っていて、霜が降りる感じを演出。
  もう心憎すぎて、なにも言えません。

10,ハーブティと焼き菓子
  いつもの、小麦粉を一切使わない焼き菓子です。

*フォカッチャ


楽しんでいる人の仕事ほど、

人を幸せにするものはありません。

この3時間、どんなワールドにいざなわれたか、

これは体験しなければ、わかりません。

久々に、本当に、ときの過ぎるのを忘れ、

夢中になりました。


  

  • ハーブティ

  • 店内

  • 店内

  • スパークリングワイン

  • 寒鰤とカリフラワー

  • 寒鰤とカリフラワー

  • スモーブロー

  • スモーブロー

  • 信州サーモン

  • オレンジワイン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • フォカッチャ

  • 生のセルリアック

  • オレンジワイン

  • セルリアック

  • セルリアック

  • 赤ワイン

  • 白ワイン

  • 牡蠣のリゾット

  • 牡蠣のリゾット

  • 短黒和牛

  • 赤ワイン

  • トリュフ

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • パスタ

  • なつきシェフ

  • 赤ワイン

  • タリアテッレ

  • タリアテッレ

  • 松のデザート

  • 松のデザート

  • 焼き菓子

2021/12/23 更新

3回目

2021/11 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.6
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

この豊かな感性に感謝

すでに予約至難となりました。

幸運にも、3度目の訪問となり、

どんなサプライズを見せてくれるのか、

ワクワクが止まりません。

弱冠27歳の鈴木夏暉シェフ。

1回目の訪問のときから、その非凡な才能に

驚かされ、

2回目の訪問では、驚きを超える料理のクオリティと

ホスピタリティを見せつけられました。

発酵と熟成を基軸にしている夏暉シェフの

お料理は、まるでシェフの爽やかさが乗り移ったような

清涼感さえ感じ、コースを食べ終わっても、

デトックスされたような心地よさが残ります。

そして、毎回、よくこんなことを考えるな~~と

思わせるほどの「旨味」を生み出しているのです。

これほど人気店になって、いつ考える暇があるのか、

心配になります。笑


さて、今回も、そんな私の期待を、軽く凌駕してくれました。

それでは、内容です。

*印は、ワインペアリング


1,焼き茄子と鮪

  極薄のタルト型の生地に、
  焼き茄子の皮のムースと、
  カラマンシーに漬けた焼き茄子。
  6~7週間熟成させた大間の鮪のタルタル。
  仏産キャビアと紫蘇の葉

  鮪のタルタルに負けない茄子の主張。
  カラマンシーのほのかな酸味。
  キャビアのほのかな塩味。

  最初から衝撃的です。

  *シャンパーニュ
   Champagne Thienot 2008

2,発酵ポルチーニのスープ
  ソテーしたポルチーニ
  地元産キタアカリ
  卵黄
  サマーポルチーニを7月からラクト発酵 
  させ、泡に酸味を。

  なんとも深い味わいで、これらの素材が
  溶け合います。

3,熟成させた信州サーモン
  これはスペシャリテなので、
  毎回いただいています。
  神経〆です。
  今が最も旨味がある、とシェフ。
  八千穂漁業のサーモンを2日間塩漬けに。
  その後15日ほど熟成させ、桜のチップで燻製に。
  40℃くらいで1時間半ほど火入れ。
  2週間熟成させた蕪を花弁のようにカットし、
  サーモンを覆います。
  発酵トマト、柘榴、生いちじくのソースで。

  これと同時に供される2品は、
  ・1か月熟成させた生サーモン  
   3年ものの奈良漬と炭火で焼いた昆布をオイルに。
  ・表面のスキン
   すぐりと金柑の皮を。

  そのねっとり感といったら、未知の領域。

4,野菜のデクリネゾン
  毎回異なる野菜で、今回は、
  無農薬のビーツ。
  まず、丸ごとの畑から届いた状態が
  プレゼンテーションされます。
  お料理は、ビーツの花畑のよう。

  ・火入れして燻製にしたビーツ
  ・ローストしたくるみ、塩のムース
   きび糖で少し甘くして
  ・燻製したビーツのチップス
  ・発酵させたビーツのエキスを
   ビーツに戻して 
   これらが、一つになって完成。

  *Scheuermann
Rose Trocken 2019
ドイツ ファルツ産のロゼワイン

5,ハヤ
  なんと、ハヤが素材として登場。
  これには驚きました。
  なにしろ、かなり以前、山奥の旅館で
  ハヤの佃煮のようなものをいただいた記憶
  があります。が、それはけして美味では・・。

  こちらのハヤは、佐久の井戸の湧き水で
  育てられたもの。
  シェフ曰く、
  「ニガッパヤと呼ばれ、胆のうが苦いので、
   一部取り除いています」
  これを揚げて、揚げたケールを添えて、再び
  苦みを足す、という念の入れよう。
  紅玉、アボカド、発酵させたキャベツのピュレ

  素直に、きれいな魚というイメージ。
  かつていただいたものとは比べようもありません。

  *白ワイン
   Podere Saliceto Bi FRi
ドライな白です

6,新米のリゾット
  信州佐久五郎兵衛米
  焼いたトランペット
  カボスを少し
  ポルチーニの出汁で漬けたいくら

  新米をリゾットにするのは、
  なかなか難しいと思いますが、
  いい食感。
  いくらはプチプチ感を残して。

  *白ワイン
   Sabbia gialla
Cantina San Biagio Vecchio
アルバーナ種で辛口

7,ダボス牧場のホゲット
  楽しみにしていたメインです。
  なんと、90日熟成のロース芯と
  1年2か月熟成の肩ロース芯

  ホゲットの価値観が変わります。
  1年2か月のほうは、もはや西京焼き・・。
  ヴィンテッジリンゴ酢のソースで。

  *赤ワイン
   Macchiona 2016 La Stoppa

8,タリアテッレ
  ダボス牧場の2か月半熟成短黒和牛
  極薄のタリアテッレです。

9,無花果
  葉はミルクで煮だしてアイスクリームに。
  黒無花果を叩いて、赤紫蘇の香りを。
  乾燥させた無花果
  茎、枝、葉のオイルは、アイスの中央に。

  と、無花果のすべてを味わうデザート。
  ミルクにさえ、無花果をとても感じます。

10、ヘーゼルナッツのケーキ

11、ハーブティ

ローズマリーのフォカッチャが

前回から飛躍的な進化を遂げていました。

発酵時間を変えたそう。


ワインのマリアージュも秀逸でした。


お姉さまとしか見えない、お母様の

サービスも、つかず離れずな感じがとても

いいです。

このお母様あってこそ、夏暉シェフは自由に羽ばたき、

探求を極められるのだと、確信します。

3回目の訪問。

感動とか、感心とかのレベルを超え、

心に深く突き刺さるものを感じました。


  

  • シャンパーニュ

  • 茄子と鮪

  • 茄子と鮪

  • ポルチーニ

  • ポルチーニ

  • フォカッチャ

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • ビーツ

  • ロゼワイン

  • ビーツ

  • ビーツ

  • 白ワイン

  • ハヤ

  • ハヤ

  • 白ワイン

  • 新米

  • リゾット

  • リゾット

  • ホゲット

  • ホゲット

  • ホゲット

  • ホゲット

  • ホゲット

  • 赤ワイン

  • タリアテッレ

  • タリアテッレ

  • タリアテッレ

  • 無花果

  • 無花果

  • ヘーゼルナッツのケーキ

  • ハーブティ

2021/11/13 更新

2回目

2021/06 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

これは、天性というしかありません。

今年春、初めて伺って、あまりに感動したので、

この度、2度目の訪問。

何度か書いていますが、2度目のジンクスというものが

あります。

初回があまりに素晴らしいと、期待値がマックスまであがり、

2度目に伺ったとき、あれ?ということがままあるからです。

しかし、鈴木夏暉シェフにおいては、そんなことは杞憂でした。

それどころか、これほど長年食べてきて、これまで味わったことのない

技とホスピタリティを体験しました。

弱冠26歳のシェフに、ここまで打ちのめされるとは、

感動を越えて、言葉を失います。

この日、シェフは、前回と同様、いい笑顔で迎えてくれました。

お料理は、最初から期待を上回るサプライズに満ちたもの。

しかし、2品、3品と食べ進んでいると、

「まだまだあります。きょう、絶対出そうと決めていたものが

あるんです。」とシェフ。

それが想像を絶する逸品でした。

私のために、ここまで考えつくして、時間をかけて準備していてくれた、と

知ったとき、シェフの料理人としての、またニンゲンとしての資質の豊さに

落涙寸前でした。


シェフの経歴については、第1回を読んでいただきたいのですが、

コンセプトは、発酵と熟成。

発酵と熟成のお店は数々ありますが、もちろん夏暉シェフのそれは、

一味も二味も違います。

地の利をフルに活用したうえで、いったいどれだけのトライ&エラーを

重ねて、ここにたどり着いているんだろうと、頭の中がグルグルします。


ともあれ、この日の内容です。

コースは、16500円です。

1,玉蜀黍のムース
  地元の初採れ。初採れが一番美味とシェフ。
  玉蜀黍の水分とミネラルウォーターのみで仕上げています。
  発酵させた宮崎マンゴーを入れ、
  カカオニブと、燻製オイルをトッピング。
  
  玉蜀黍の自然の甘みから夏の大地の力を感じます。
  乳を使用せず、ここまでのムース感。脱帽。

2,大門素麺
  素麺、ときましたか!! という一品。
  しかも、全国から素麺を取り寄せ、これに
  たどり着いたそう。
  熟成麺です。
  青森産の雲丹と和え、発酵させた胡瓜と酢橘のソース。
  仏産キャビアと、
  2か月発酵させた胡瓜をトッピング。
  この胡瓜、ぬか漬け的なお味。
  美味と懐かしさの融合的一品。

3,信州サーモン
  スペシャリテです。
  大きな切り身がボードにのってプレゼンテーション
  されます。
  八千穂漁業のサーモンを2日塩漬けにし、
  15日熟成し、桜で燻製。
  40℃~42℃で1時間半火入れし、
  保湿された中の柔らかい身を、
  2週間熟成した蕪を花弁のようにカットし、
  サーモンを覆います。
  発酵させたトマト、ざくろ、紫蘇のオイルで。

  乾いた表面の皮目付近は、四角にカットして、
  別皿で。
  発酵させた金柑の皮
  フレンチマリーゴールドの葉
  をトッピング。
  金柑がわずかなのに、きちんと主張し、
  全体の輪郭を際立たせます。

4,ズッキーニのデクリネゾン

  味の個性が乏しいズッキーニを
  ここまで豹変させた料理に拍手。
  まずは、フレッシュな色とりどりのズッキーニが
  カゴに入って登場。

  料理は3層になっています。
  下から
  ・ズッキーニを焦がした茶色のジュレ
  ・黄緑のアイスクリーム
   ズッキーニは90%は水分なので、
   脱水し、あとの10%をアイスに。
   甘みがあります。
  ・細くカットして、火入れし、乾燥させたチップスを
   詰めたリンゴジュースで戻し、
   くるくる巻いたもので、上部を覆います。
   アイスが溶ける前の格闘。
   エルダーフラワーの蕾のピクルスを。

   どれひとつをとっても、言われなければ、
   ズッキーニと気づきません。
   でも、ズッキーニって、こうなんだ、という
   ある意味、本質に気づかせてくれる料理です。
   この一皿に、なんという情熱が込められているのか・・。
   しかし、驚くのはまだ早かった。

5,鮎
  前回は、ヤマメを近所の川をせき止めて飼っている、
  と言っていましたが、
  今は、鮎。
  素揚げした万願寺唐辛子と肝で回りを包み、
  春巻き状に。
  鮎がしっとりと仕上がって、ほろ苦さも効いています。

  スイカのソースには、詰めたビンテージ赤ワイン酢を
  加え、4~5時間煮込んで、カラブリアの唐辛子を。

  ソースも美味ですが、鮎は、ソースなしでも
  十分楽しめます。

6,兵庫のさざえ
  ものすごく、ニコニコしながら、シェフが
  テーブルに置いたのは、巨大なさざえ。
  こんな巨大なものは滅多に手に入らないそう。
  ちょっとドヤ顔です。笑
  貝の出汁で、リゾットに。
  身はふっくらと炊けて、旨味の宝庫。
  アスパラソバージュと新生姜を。

7,小鴨
  真っ黒な塊がテーブルに置かれました。
  きょとんとしていると、「鴨です」と。
  発酵させたブルーベリー、黒ニンニク、プルーンを
  まとわせ、キャラメリゼ。
  オーブンで焼いてから、薪焼し、干し草で仕上げ。
  ふじりんごのソースと、
  生黒胡椒の塩漬けで。

8,短黒和牛
  これが、時間をかけて用意して、「きょう、出す」と
  決めていてくれたものです。
  ダボス牧場の牛で、穀物1/3  ブドウの搾り滓 2/3 という
  極上のエサで育ちます。

  お皿には、大きな切り身と、小さな切り身が。
  まずは、大きな切り身のほう。
  2か月半熟成した肩三角です。
  豪産黒トリュフをたっぷりかけて。

  そして、お皿の隅っこにひっそり乗っている
  小さな切り身。 これがすごかった・・・。
  なんと、10か月熟成させたササミです。
  ウェットエイジングなので、この熟成期間は
  通常ありえません。
  ダボス牧場の牛に、生命力があるから成せる業なのだそう。
  ササミという希少部位なので、わずかな量。 
  3組分だけの用意で、その中に選んでくれました。
  10か月熟成ですから、開店以前から仕込んでいたのです。
  それは、まるで、西京味噌漬けのような奥行きのある
  味わい。 もちろんですが、これまで経験のない
  まろやかで、品のあるお肉でした。

  骨のジュのソース
  椎茸、採ったばかりの人参、リンゴ

  (あまりの興奮に、ササミのアップを撮影するのを
   忘れたことが痛恨)
  
  このあと、シェフが、今熟成中のお肉をいろいろ見せて
  くれました。 まるで、宝物を見せる子供ようで、
  またまた温かい気持ちになりました。

9,タリアテッレ
  3か月熟成のホゲットのソース
  ローズマリーを練りこみ、極薄にしたタリアテッレです。

10、カシス (中軽井沢産)
  カシスの木全体を一皿に表現。

  ・カシスの香りを映した牛乳のアイス
  ・生カシスの赤ワイン煮込み
  ・カシスの木のオイル
  ・葉のチュイール

   この発想力にも驚きます。

11、グルテンフリーのヘーゼルナッツの焼き菓子
  販売してほしいほどの美味さ。

12、ハーブティ
  シェフ自ら摘んできた、レモンバーム、カモミール、
  ミント3種、レモンバーベナ


お供は、
・Lusenti Azzi
エミリアロマーニャのノンフィルター
 スパークリングワイン
 オルトルーゴ、シャルドネ
・白ワイン
 Praepositus
リースりイング 2018
・赤ワイン
 Funky Chateau
 La premiere Fois Cabernet Franc
カベルネフラン

パンは、ローズマリーのフォカッチャ

料理のために、発注したお皿は、さらに増え、

そのデザイン性の秀逸さも楽しめます。


レストランには、味、ホスピタリティ、サプライズ、

オリジナリティが必須と思っています。

そのどれもが、この若き天才シェフによって、達成されて

いて、この日は、あまりの感動に言葉少なになってしまいました。

心から料理を楽しんでいるオーラ。

人をどうもてなすか、に真剣に取り組む姿勢。

ますます、今後が楽しみです。


  

  • セッティング

  • スパークリングワイン

  • 玉蜀黍

  • 玉蜀黍

  • 大門素麺

  • 大門素麵

  • 大門素麵

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • フォカッチャ

  • 白ワイン

  • ズッキーニ

  • ズッキーニ

  • ズッキーニ

  • ズッキーニ

  • さざえ

  • さざえ

  • さざえ

  • さざえ

  • 小鴨

  • 赤ワイン

  • 小鴨

  • シェフ

  • 小鴨

  • 小鴨

  • 短黒和牛

  • 豪産トリュフ

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • 短黒和牛

  • タリアテッレ

  • ホゲットのタリアテッレ

  • ホゲットのタリアテッレ

  • カシス

  • カシス

  • 焼き菓子

  • ハーブティ

2021/07/01 更新

1回目

2021/03 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

信濃追分に若き鬼才、現る

「わざわざ行く価値のあるレストラン」、とは、

某フランスのタイヤ会社が言っておりますが、

「わざわざ行く価値のあるレストラン」といわれても、

なかなかお目にかかれません。


が、今年は、食の女神様に、本当に微笑まれている年でして、

お目にかかってしまいました。

弱冠26歳の鈴木夏暉シェフ。

日本での経験はほぼなく、

「noma」「kadeau」で数か月修行したのみ。

師匠といえる人もいません。

それを逆手にとり、まさに、既成概念に囚われない

豊かでのびのびした発想に加え、

信濃という地の利を活かした料理の数々。

「noma」にいらしたことは知っていたので、

ある程度予想はしていましたが、

「noma」とも違う、独創性です。


サービスを担当するお母さまが語りました。

「小さいころから、変わった子だったんですよ。

ゲームなんか見向きもせず、学校が終わると、

小麦粉で餌を作って、近くの川で鮒を釣り、

それを持って帰ってきて、料理してたんです」

と。

そうそう、ご出身は、こちらの近くの佐久です。

佐久の自然に育まれた感性なんですね。

それに、シェフのおじい様も、レストランをやっていた

とのこと。 DNAも手伝って、才能を作り上げているようです。


お母さまは「変わった子」と謙遜していましたが、

シェフが自らお皿を供するときに、毎回、

ニコニコ満面の笑みを浮かべて、持ってきます。

「ぼくは、この仕事が楽しくてたまらない」オーラを

発散させながら・・・。

なかなかいないですね~~、こういうシェフ。

そして、「これ、火入れ、完璧です」と、

満足げ。

こちらまで、その笑顔を見て、温かい気持ちになります。


昨年9月にオープンしたばかり。

東京で開業したかったそうですが、コロナ禍で、

致し方なく、故郷に戻ったそうですが、

結果、こちらで開業して、本当に良かった、と

早くも利点を見出しています。

これは、絶対、東京ではムリ、という料理も

登場します。

コンセプトは、発酵と熟成。

かなり試行錯誤している様子です。


ウッディな一軒家で、こじんまりとした店内。

自然に溶け込むような、センスのいい内装です。

テーブルが2つとカウンター席。

昼は3組、夜は1組のみ。

その理由は、料理をいただけばわかります。


夜は、12000円と15000円のコース。

この日は、15000円のコースをお願いしました。

1.グリーンピースのキッシュ

  かなり繊細な極薄の生地に、
  ピゼッリ(グリーンピース)のムースと
  発酵キャベツを。
  その上に、ピゼッリと仏産キャビア、ディルを
  敷き詰め、グリーンと黒のコントラストが見事。
  あまりに繊細な造りなので、手でもって一口で。
  豆と発酵キャベツのほの甘さに包まれます。

2,酒粕、熟成牛、チーズの旨味

  ワインレッドの半球形のものが登場。
  1年熟成させたインカのめざめをカリっと焼いた
  ものの上に、
  羊のチーズと、
  2か月半熟成したダボス牧場の短黒和牛のタルタル、
  奈良漬けと酒粕のソース、
  酒粕の刻んだものをフラットな球形にし、
  24か月もののコンテチーズ、
  火入れして細かくしたビーツを散らして。

  この小さなワールドに、これだけの仕事。
  各具材がどれも、過度に主張することなく、
  各々のマリアージュが素晴らしい。

3,雪ノ下人参

  飯山の太い雪ノ下人参をいろいろな調理で。
  見た目は、人参の花びらのタルトのようです。
  蒸した人参でアイスとムースの間のような
  テクスチュアに。 コリアンダーの香りを。
  その上の花びらに見えるものは、
  丸ごと火入れして、燻製し、セミドライにして、
  旨味を際立たせた人参を、バターソテーしたものと、
  薄くチップにして、
  オレンジジュースと発酵人参のジュースで
  戻したもの。
  人参の葉のソースと、発酵させた金柑の皮、
  人参の花、皮を煮だして造ったパウダーを。
  人参の旨味成分そのもの、です。

4,信州サーモン
  スペシャリテです。
  まずは、サーモンの大きなカットをテーブルで
  プレゼンテーション。
  八千穂漁業のサーモンを、2日間塩漬けにして、
  10~12日熟成し、旨味と香りを引き出します。
  腹をカットして、40℃~42℃で1時間半火入れ。
  中の柔らかい身だけを供します。
  発酵させた蕪を花弁のように周囲に並べ、
  発酵トマトとイチジクの葉の香りを映したオイル、
  柘榴の香りをまとわせたソースをあとから注ぎます。

  複雑な味わいになりがちですが、いずれもが、
  サーモンの味を引き立てます。

  以上は、サーモンの身の部分。
  表面の皮の部分は、炭火焼し、昆布の香りを映した
  オイルと、マイクロパセリで。
  これは、四角にカットして別皿で。

5,ヤマメ

  これが絶対東京では無理な一品。
  なにしろ、そこの川で釣ってきた(飼っているらしいですが)
  ヤマメなのです。 鮮度が格段に違います。
  一見、ただのフリットに見えますが、
  周りを網脂で巻いて、さらに発酵させた生地で巻いて
  揚げてあります。 ハーブとともに。
  中央がくぼんだ皿で供されるのですが、
  中央には、ソースが。
  ソースは、発酵させた胡瓜を絞ったジュースと
  スダチ、雌鱚の魚醤、カラ松の香りを映したオイル。

  付け合せは、発酵させた黒大根、昆布、蛍烏賊。

  あまりの仕事っぷりに、唸ることしきり。

  ヤマメは、一見元気に見えても、中身がダメなものも
  多いほど、繊細な魚。
  二人分用意するから2匹釣ればいいというわけではないそう。

6,リゾット

  田芹と、刻んだ茎と、五郎兵米を、
  田芹の根と貝の出汁で炊き、
  北海道産の雲丹をバターの替わりに使用。
  発酵させた生の独活で酸味をつけ、
  田芹の葉を。

  雲丹のほのかな塩気とコクが素晴らしい演出。

7,信州純血黒豚

  たっぷりの干し草の上に、
  1か月半熟成させた黒豚の塊を置き、
  まずは、プレゼンテーション。
  この状態で8割火入れが終わっています。
  その後、またキッチンに戻して、
  干し草を纏わせて火入れ。
  見事な薄ピンク色。 

  付け合せは、
  ・リンゴジュースで炊いたリンゴ
  ・バターで火入れしたゆり根
  ・焼き芋
  ・生の黒胡椒の塩漬け

  あまりに完璧な火入れなので、
  その旨告げると、
  シェフ「はい、豚に気づかれないように焼きました」笑

8,蝦夷鹿

  3週間熟成させています。
  鹿の熟成がいかに難しいかというTV番組を昨年
  見たばかりだったので、興味津々。
  なんでもトライするシェフです。
  発酵させたブルーベリー、プルーン、黒ニンニクの
  ソースを塗って、薪で焼いたもの。
  付け合せは、葱と、木ごとのタラの芽とトリュフ。
  この木ごとのタラの芽は初体験。
  世界中食べていても、まだまだ初めての経験が
  ある、ということが、食文化の奥行きであり、
  興味のつきないところ。
  棘をはずした木の部分をもって、タラの芽を
  いただきます。 わくわくしっぱなしです。

  あ、タラの芽に夢中になって、鹿を忘れていましたが、
  この熟成も完璧でした。 ふんわりとした火入れで、
  魅惑的なルビー色。 鹿の旨味が際立ちます。

9,パスタ

  ローズマリーを練りこんだ極薄のパスタ。
  生麺と乾麺の間の半乾燥状態。
  2秒で茹で、2か月熟成した短黒和牛のスネ肉と
  赤ワイン、香味野菜で。

  こんな薄いパスタも初めてです。
  あえて、難を言えば、薄すぎて、具材との
  絡みがあまり良くなかった点。
  お味はとてもいいです。

10、アイスクリーム
 
  神津牧場のジャージー牛のミルクに
  たっぷり空気をふくませ、ふんわりとした
  テクスチュア。

  カリっと感マックスの自家製かりんとう
  桜の葉のオイル
  凍らせた苺のパウダー
  生の苺に発酵苺の液体を浸透圧でいれたもの。
  う~~ん、もう想像を超えます。が、
  苺が苺以上においしい。

11、焼き菓子

  イタリア産ヘーゼルナッツのローストを
  パウダーにしたものと、卵とバターのみ。
  シンプルな最後のお菓子も美味。

12、アールグレイ


お供は、3種のペアリング
・PURO Movia
 スロベニアのスパークリングワイン
シャルドネとリボッラ
 どっしりしていながら、シャープな味わい

・白ワイン
 Sancerre 2018
Les Boucauds Claude Riffault
ソーヴィニオンブラン
 品と格調高い白

・赤ワイン
 Funky Chateau
La Premiere Fois Cabernet Franc
カベルネフラン100%は、ちょっとペラペラな
 イメージがしていたので、どうかな~~と思って
 飲み始めたところ、なんと、素晴らしいバランス
 でした。 Funky Chateau の実力をみました。


パンはキューブに仕上げたローズマリーのフォカッチャ。


ちなみに、皿や器類にもこだわりが。

デンマークの職人さんに作ってもらった木の器や、

オリジナルの陶器の皿など、センスが光ります。


翌日起きたら、あれは、山の中の一夜の夢だったのでは?

なんてことになっているかも・・・などと思いをめぐらすほど、

久々に、エキサイティングなディナーでした。

鈴木シェフが、今後、どんな進化を遂げていくのか、

見届けるため、信濃路に通うことになりそうです。


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2021/04/01 更新

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