2回
2016/12 訪問
中治勝!この男、筆舌に尽くし難し!
友人のKさんから譲ってもらった席。
最初からウェルカムオーラを全開にしながら
魚の薀蓄を交えて軽妙に話し出したご主人中治さんは圧倒的な存在だった。
圧倒的なのは知識に終わらない凄み、
その実行力と研究に研究を重ねて実現してしまうその研究熱心さ
お客さんを楽しませようとするサービス精神の塊であるというところ。
情報化の時代、鮨屋の暖簾を125年繋いだこの初音鮨は
大将の腕でこの時代も光り輝く圧倒的な存在として君臨しているのだ。
「好きこそものの上手なれ。」とはよく言ったもので
探求心、研究熱心さは一つのキーワード
「うまい寿司」に向けて全身全霊を注いでいるからこそ
成立する。
もっと旨くなるんじゃないか
うちに来るお客さんはこれが好きなんじゃないか。
お客の目線になって考えつくしてどんどん変化していった。
過剰最適ともいえるほどにまで発展して
独自の世界観を構成する。
握りは大ぶり、ネタも凄まじく大きい。
つまり、僕が好んで食べる小ぶりな上品な寿司ではないのだ。
蒲田にあるすこし田舎っぽい大ぶりな握りで
これはおにぎりかっ!というようなものもある。
それでも、抜群の味わいで手の掛け方が素晴らしく、
仕込み、寝かし、仕上げ、見たことも聞いたこともない
最高、最上の寿司が目の前で仕上げられていく。
凄まじいほどのノウハウが構築され、それを既存概念を壊すことを怖れずチャレンジを繰り返す。
歴史あるものの変化して最適化し生き残る最強の考え方がここにあるんだなぁー。
この人に会っておいてよかった。
とてもありがたい出会いの席でした。
2016/12/08 更新
今回は更に素晴らしかった。
「これでもかっ!」というほどに贅を尽くした食材を
「なるほどー!そうくるかっ!」という組み合わせを作り、「ほんとだ!そうだったのかっ!」というほどの、食材のポテンシャルを引き出す調理方法で、なんとよく研究している。
圧倒的な「手をかけた鮨」を出してくれてそれだけでも大満足なのだけど、実は初音鮨の一番いいところは、「たのしんでもらおう!」という心なのだと思う。
今回はアワビ、伊勢海老、大間のマグロなど、いいネタはもちろんのこと、トリュフ、松茸を自在に操り、全ての一瞬一瞬を楽しみに変えてくれる。
ふざけているだけでなく、本当に楽しませてくれようとする気持ちが前面に出ているので、実に暖かい。
僕が大好きなのはご夫婦共にだが、素敵なのは奥様で、静かにしっかりと大将の中治さんと抜群の連携、並びに裏手で大活躍している。
サービスにもちょいちょい出てきてくれるが、お二人が本当に微笑ましい。
そして、それを上手にお客さんとの中でしっかりと奥様のフィーチャーをしながら、大事にしている大将。
もう、理想のご夫婦と言っても過言ではない。
このお二人の掛け合いを見れて感じるだけでも素敵!
初音鮨で一度やってみたいのは、仲間だけでの貸切。
みな、仲間が来たがっているので、すぐ集められるのだが、なにせ予約で埋まっている。
まあ、違う人たちとの相席もそれはそれで初音鮨の趣旨の一つではあるけれど…。