蓼喰人さんが投稿したさ行(東京/六本木)の口コミ詳細

蓼喰人の「蕎麦屋酒」ガイド

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蓼喰人 (男性・東京都) 認証済

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移転さ行六本木、乃木坂、六本木一丁目/日本料理、創作料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2015/03 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

全ての面において、極めて満足度の高い佳店

 こちらは名立たるレビュアーさんが挙って高評価される、最近評判の和食割烹店。
 なかなか予約が取り難い人気店で、マイレビュアーさんにお骨折りいただいて、土曜日の夜に4名で訪れる。

 場所は今は一括りに六本木となっているが、かつての「龍土町」。
 ミッドタウンの向かい側を新国立美術館方向に斜めに入り、坂を下りつつ左手に曲がった先の、ちょっと判り難い場所に、ひっそりと暖簾を掲げている。

 店内はテーブル2卓とカウンター合わせて、14席ほどの小体の構え。
 調理を主に担当するお兄さんと、接客を担当する弟さんの、仲の良いご兄弟2人でやられていることなど、事前に情報が入っていた。

 料理は6,500円のコースをお願いしてある。
 内容は月ごとで変わるとのことで、今回は「弥生」と銘打たれた献立である。
 「生ビール」で乾杯の後、腰の低い弟さんにより細かな説明が添えられて、料理が運ばれてくる。

*八寸:まず下には3色の菱形の布が敷かれ、桜の一枝があしらわれた、設えの華やかさが目を引く。
 「盛り合わせ」は大きな蛤を模した器に盛られ、その内容は「唐墨大根・鰤南蛮漬け・生ハム湯葉巻・鮪浅葱のり巻・百合根カマンベールチーズ射込み・のし海老・鯛子らくがん・梅花大根・花びら生姜・空豆つや煮」で、一品ごとに実に繊細な仕事が確認できる。
 「茶巾ずし」は、穴子とほうぼうの握りが、手毬状に形作られている。
 「和え物」の小鉢は、鳥貝と小肌とめかぶの三杯酢和え。

*椀物:蓋を取った瞬間に桜の葉の香りが立ち昇る「桜蒸し」で、糯米を抱かせた「甘鯛の道明寺巻」と、名残りの「とらふぐ白子の湯葉巻」を椀種に、汁は軽く葛が引いてある。
 春爛漫の風情に、思わず顔がほころんだ。

*造り:「鯛のうす造り」で、ある程度の歯応えが楽しめるように心持ち、厚めに引いてあるとのこと。
 添えられているのは「からすみ塩」と「黄身醤油」(玉子の黄身を冷やして薄口醤油とあわせたもの)で、それに山葵と生海苔寄せがあしらわれている。
 どちらも鯛の身との相性が良く、感嘆する事しきりの味。

*焼肴:「鯛かま酒盗焼」「銀鱈焼き茄子包み」「牛たん山椒焼」の3種で、いずれもハイレベルな仕事。
 特に酒盗の風味をまとわせた、程良い塩加減の「鯛かま」は骨までしゃぶりつく美味さ。
 「鯛かま」にはライムが、「牛たん」にはボリビア塩が添えられていることなど、細かな技が光る。

*強肴:これも3種盛りで、まず「天然鰻のけんちん巻香草カツレツ」という創作的な一品。
 浸けるソースは自家製の「鰻のたれ」で、しっかりとした鰻の旨みが感じられる。
 「平貝とホタルいかの黄身酢かけ」で、添えはうるい・せり・菜花・といった春野菜。
 さっと炙った平貝はかなりの大きさで、食べ応えも有る。
 「のどくろと豆腐の煎り出し」で、のどくろの切り身と豆腐とこしあぶらを油で揚げたものに、醤油味の餡が掛かっている。

*蓋物:「胡麻豆腐のうぐいす仕立て」で、揚げた胡麻豆腐は表面はカリッと中はとろっとしており、これにたっぷりのグリーンピースの裏ごしの取り合わせ。
 これはグリーンピースが主役ともいえる、この時期ならではの優しい味わい。

 料理に合わせた酒は、次の4種類。
 日本酒に造詣の深いレビュアーさんに選んでもらったが、「澤屋まつもと 純米」「黒龍吟醸 いっちょらい」「ゆきの美人 純米吟醸」「天狗舞 純米」で、それぞれ2合ずつを注文したが、いずれもなかなか良かった。
 供される酒器も見事で、その都度猪口を替えてくれるサービスもゆかしい。

*食事:まず「白魚・竹の子・若布の柳川仕立て」は小鍋で供され、薄味でふんわりと玉子でとじられており、これに軽くご飯が一膳添えられた。
 続いてご兄弟の故郷料理の「だし」が掛けられた「こんにゃくそば」、さらに最後に自家製の「じゃこ山椒のせご飯」も出してくれた。

*デザート:これは何と5品盛り合わせ
 「かぼちゃのプリン」「4種の柑橘の白ワイン寄せ」「桜のアイスクリーム」「苺とカステラのロールケーキ」「エスプレッソババロア」。
 この時点でかなりの腹がきつかったが、どれも手が込んでいることが判る品々で、見た目の美しさと味のバランスの妙で、難なく平らげてしまった。


 一体このコースで、どれだけの種類の素材が使われているであろうか。
 品数の多さと、そのひとつひとつに掛けられている手間は、驚くべきもの。
 何れにも確かな技術力が窺え、器の選び方や、季節感を生かした盛り付けのセンスも見事。

 目で楽しめると同時に、舌にも嬉しい品々はまさに口福の極みである。
 個々の量は少ないものの、トータルすると男性でもかなり満腹となるボリューム。
 しかし全体的に過剰な味付けは抑えられいるため、素材の良さが素直に伝わり、いつの間にか完食していたというのが実感。

 これだけの充実した内容のコースを、この値段で出してくれることには、頭が下がる思いである。
 応対振りは丁寧過ぎるほど慇懃だが、押しつけがましさは一切無く、実に爽やかだ。
 帰り際には「鯛めしのおにぎり」と「じゃこ山椒」を、お土産に持たせてくれた。

 まことに満ち足りた気分である。
 改めてご手配下さったレビュアーさんに御礼するとともに、和やかに会話を交わしながら、この得難いひと時を共有して頂いた皆さんに感謝申し上げたい。  

  • 八寸一式

  • 八寸より「盛り合わせの品々」

  • 八寸より「茶巾ずし2種」

  • 八寸より「和え物」

  • 「生ビール」

  • 椀もの「桜蒸し」

  • 湯葉の中からは「とらふぐ白子」が

  • 「澤屋まつもと 純米」(華麗な酒器で供される)

  • 造り「鯛うす造り」、「黄身醤油」

  • 鯛を「黄身醤油」で

  • 「黒龍吟醸 いっちょらい」

  • 焼肴「鯛かま酒盗焼」「銀鱈焼き茄子包み」

  • 「鯛のかま」からは'鯛のたい'が

  • 焼肴「牛たん山椒焼」

  • 「ゆきの美人 純米吟醸」

  • 強肴3種

  • 強肴「鰻けんちん巻き香草カツレツ」

  • 強肴「平貝・ホタルいか」

  • 強肴「のどぐろと豆腐煎り出し」

  • 「天狗舞 純米」

  • 蓋物「揚げ胡麻豆腐 うぐいす仕立て」

  • 中からとろりとした「胡麻豆腐」が

  • 食事「白魚・竹の子・若布の柳川仕立て」

  • 薄味の優しい味わい

  • 'だし'かけの「こんにゃくそば」

  • 「自家製じゃこ山椒」の御飯

  • デザートは何と5種

  • 「かぼちゃプリン」

  • 「4種のかんきつ白ワイン寄せ」

  • 「桜のアイスクリーム」

  • 「苺のカステラロールケーキ」

  • 「エスプレッソのババロア」

  • お土産の「鯛めしおにぎり」と「じゃこ山椒」

2015/03/30 更新

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