季節の風物詩 : 金田

久々の金田。4月になったからおからがあるはずということで訪った。開口一番飲み物頼むよりも先におからを頼んだ。まだまだ気温の上がらない中では熱燗をお願いする。おからで燗酒をやることで季節を感じる。俺もいい加減ジジイになったものだ。あとは新じゃがの煮物と思ったが、売り切れ。おからも同じく売り切れ。季節ものは足が早いのだ。ごちそうさまでした

ビールを一杯飲みたくなったので、定期訪問も兼ねて金田へ。

焼きナスの煮びたし。夏っぽいメニューになった。焼きナスの香ばしい匂いが鼻孔をくすぐる。このナスがだしに浸されて涼感を生む。うまいなあ

山かけ。まぐろにたっぷりとろろがかけられている定番メニュー。まぐろのぶつ切りが比較的大きめなサイズで口に運ぶと口いっぱいにまぐろの風味がとろろと絡まりながら広がってくる。うまいなあ

チャーシュー。これ好きなんだよね。タレがしみ込んだチャーシューをからしをつけていただくと、フワッとトロっと食感と共に、タレの甘みとほんの少々の酸味とアクセントのからしが得も言われぬ満足感をもたらしてくれる。

本日はここまで。ごちそうさまでした

おからは5月末まで。なので、なくなってしまう前に食べに行かないと。再開した金田はソーシャルディンスタンシングを守って席は一つ飛ばしで座るというお店になっていた。客側からすると、ゆったり座れていいのだけど、これじゃあ商売にならないだろうな、と心配してしまう。

この日はおから、白エビの刺身、後串もの2本をいただくことにした。ビールをぐびぐび飲みながら食べるおからはやっぱり絶品。上品な甘さがいいねえ。白エビも相変わらずちょびちょび醤油に浸しながら食べるとおからとはコントラストになったしょっぱさをもたらしてくれる。

変わらぬ贅沢な時間。テイクアウトも対応してくれることのでおからとちりめん山椒を持ち帰ることにした。家に帰って一杯飲みながらとでも思っていたが、家人にぺろりと食べられてしまったのはご愛敬。いつものことながら、ごちそうさまでした

次の日からいよいよ緊急事態宣言ということで、金田もしばらく休業になるとのこと。これはなんとしても行かねばということで来店。店内は新型コロナの影響で自分以外は3人といった感じ。自然とソーシャルディスタンスが守られてしまう状況だ。

ついにおからの季節が始まった。心待ちにしていたおから。春から初夏にかけてのみ提供される。これを食べずして金田にあらず。ちょいと甘目の味付けが心地よい。そして意外にもこれがビールとも合うのだ。

カツオのヌタ。ねっちょりしたカツオを生姜を溶かした醤油でいただくのだ。ちびちび箸先にカツオをのせて、ぴちょっと醤油につける。これもビールが進むのだ。

最後は豚の角煮。しばらく食べられないのかもと考えるとやっぱり豚の角煮は外せない。これまた甘さが程よくうまい。そしてもちろんお肉はトロトロ。コロナの憂鬱をひと時でも忘れさせてくれる。

外食するのが億劫になりつつあるタイミング。リスクを冒してでも食べたくなる。そんなリスクを冒してはいけないのだろうから、お店も休業を選択したのかもしれない。ごちそうさまでした。

仕事帰りに銭湯に入って、それから一杯やる。我ながら粋だねえ。銭湯の世田谷スタンプラリーなんざでTシャツまで貰ったもんだから尚更ご機嫌だ。

風呂上がりにやることなんてビールを飲むことくらいだ。じゃ久々の金田で。ビールくんなよ、サッポロの大瓶だよ。お通しの小ぶりな冷奴もいいねえ。

サバのタタキと焼き茄子の煮浸しなんてもらおうか。茄子を炭で焼いた匂いがたまんないね。これがヒンヤリしたお出汁に浸かってるんだ。お出汁をチビチビ嘗めてるだけでもビールが進むんだよ。サバのタタキもね、たっぷりの大根おろしがのっかっていて涼感たっぷりだ。サバもしっかり脂のりしてるよ。

いやいや夏らしいアテたちだったね。それもいいけどさ、肉も欲しいじゃないか。じゃあ角煮お願い。しばらく経ってから出てきたけどさ、なんだいこれは？

見事じゃないかい。立派な豚肉がテカってるよ。ハァー、こいつは食いごたえがいりそうだな。ちょっと箸入れてみようか。トロっトロのフワフワだよ。しかもプルップルだ。味はどうだい。ウマっ！味がしっかりしている。甘みも強い。いやこのタレ最高だな。ちょっとごはんがあったらごはんにかけて食いてーな。今まで食べた角煮の中でも余裕で上位なんだろう。カクニオブカクニ。

いやいやあらためて金田の実力を感じるよ。ごちそう様でした

読書の時間。ビールで喉の渇きを癒しつつ、美味しいあてをつまむ。贅沢な時間。周りがガヤガヤしてくれるくらいがちょうどいい。周囲の雑音が己の存在を打ち消し、かえって自分の世界に没頭できる。

白えび。チビチビとワサビ醤油につけながら食べるとお酒が進む。

かもなす揚げ出し。素揚げされたでかい茄子に出汁、たっぷりのおろし生姜とかつお節でいただく。茄子に出汁をたっぷり吸い込ませて熱いうちに食べるのがいい。茄子ってうまいなぁ。

いわし生姜煮。想像とちょっと違ったのは冷たいこと。とはいえ、いわしの脂身と煮汁と生姜が確実に合う。骨の部分もバリバリといただく。しばらくカルシウム不足で悩むこともない。

しかし金田の一階、おじさんばかりかと思いきや男女カップルが多い。しかもおじさんと連れの女性という感じの組み合わせ。え、ここデートスポットなのか？まあ昭和のレトロ感はあるし、メシは美味いし、ある意味納得感はあるが。

ごちそう様でした

この日の金田は一人じゃない。人妻と一緒だよ。ただそれだけなのに何でもかんでもエロく思えるエロスコープを発動してしまう。

二人ということもあり、一階ではなく二階に通される。何でもこの人妻以前金田の一階で大はしゃぎをして怒られたらしい。大丈夫、二階なら騒いでも平気なのだ。そうどんなに声を上げても大丈夫なのだよ。エロい。

二階のシステムは紙に書く。オカラが食べたいと紙に記入するが、オカラは終わっちゃったんですよー、と言われてしまった。アーン、と人妻が艶っぽい声で残念がる。エロい。

先ずは、茄子の冷やし煮びたし（確かそんな様な名前だった）。炭の香りとほんのりひんやりお出汁が茄子を存分に引き立てる。茄子の皮がひん剥かれて生身の姿に。エロい。

しめ鯖。青光りした鯖にはほのかな酸味と塩分が加味されて魚の味わいを豊かに感じる。目前の人妻がちょんちょんと鯖を生姜醤油につけて口まで運ぶ所作が、エロい。

肉豆腐。いわゆるすき焼き的な肉豆腐ではなく、お鍋のような一品。薄味のお出汁が身体を温める。人妻が取り分けてくれる。一瞬アーンでもしてくれるのかと勝手に想像。エロい。

アスパラのお浸し。青々したアスパラが上品な味付けのお浸しとなっている。先っぽの方の美味しいところあげると言われ、え、先っぽ？と何気ない言葉なのになぜか反応。エロい。

さつま揚げ。巨大だがとても柔らかい食感のさつま揚げ。こんなに大きいの、たいへ〜ん、という人妻の言葉に反応する。エロい。

大満足の金田だった。ちなみにその後一つもエロいことなく店出た後バイバイ。ごちそう様でした。

2日続けて金田。前日より少し遅めの入りで比較的席の余裕がある。一階はマックス2名という感じか、騒いで飲む人もない落ち着いた場所。先ずは瓶ビール。黒ラベルでもないサッポロが渋い。

本日の三品セレクションはタコポン酢、胡麻豆腐に海老じんじょう。タコポン酢はコリコリとした歯ごたえとポン酢の酸味がビールをうまくしてくれる。胡麻豆腐は粘り気のある食感と胡麻のほんのりとした甘みで、暫し酒を休めて深く味わいたくなる。

海老じんじょうは練り込まれた海老がギュッと詰まったものがリング状に揚げられている。これは和風ドーナツだな。ソースにつけて食べると凝縮された海老がパンっと口の中で弾けるがごとく主張する。

3000円いかない。これは大人の遊園地、いやらしい意味ではなく。ごちそう様でした。

月曜日の18時30分。すでに店内は満員。偶然に退席した場所が一席空いて滑り込む。カウンターではこの日からバイトの学生さんが冷や汗をかきながら接客にあたっている。

久々の訪問。一人でちびちびビールをやる。大瓶一本に三品が目安だ。チャーシューに里芋の満月蒸しをお願いする。後、すぐ食べられるオカラ。

オカラは絶対食べるべき一品。美味いとしか言いようがない。人生でこれより美味いオカラにはお目にかかったことがない。

チャーシューは初めて食べたがタレに酸味があって面白い。とっかかりはクセがあるけど徐々ににクセになる。

満月蒸しはお腹にたまる。里芋でコーティングされた周辺を突き崩すと中の肉餡が顔を出す。里芋の甘みと出汁と肉餡が合わさって濃厚な和風シチューを食べているかのような錯覚を覚える。

ものの40分程度で十分な満足感を得て退散。ごちそう様でした。