Mr.ぴぃさんが投稿したオステリア デッロ スクード(東京/四谷三丁目)の口コミ詳細

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閉店オステリア デッロ スクード四谷三丁目、曙橋、四ツ谷/イタリアン

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2019/02 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

Quattro passi tra le nuvole

店名に小さく sapori antichi と表記されている。「昔ながらの味」と云う意味だそうだ。
広尾時代からの拘りでもある「土着」をもっと意識して、さり気無く「洗練」を提供してくれる店だ。
そんな洗練を
プロだから当然
さらりとこんな風に言葉にしてくれて、格好良いったらありゃぁしない(笑)
イタリアを愛し手記を認めたとする文豪と同じ情景を思い浮かべて欲しいと云う今宵のイタリアはウンブリア州だ。

Was ist Beschauen ohne Denken?

思考を伴わぬ観察は意味があるのだろうか?
ふむ、此れだと格好つけ過ぎだな。
何も考えずに見ているのか?
シェフが考える文豪が一致しているのか如何か判らないが、年寄りが辿り着いた文豪がイタリア訪問の記録を遺した手記の一節に書かれた言葉に対し、凡人たる此の年寄りは、其の通りだと答えるに違ない。
だがしかし、季節を変えて訪問すべき佳店だと思う。
シェフの料理には、イタリア各地の情景を心に刻むだけの力強さが十二分にあるのだから。

aperitivoにSpumanteを撰び、乾杯。
Dolceを含めて6皿のプリフィクス…えっとぅ、prezzo fissoなんて云い方、あんのかな? 笑…を選択し、品書き撰びに集中する。イタリア半島の略真ん中に位置し、全州で唯一海にも国境にも接さない完全なる内陸州ウンブリア州はイタリアの緑のハートと称されている。したがって、品書き撰びとなると、肉中心で、主な特産品は黒オリーブ、トリュフ、オリーブオイル、此の辺を如何組み合わせていくかってことなのね…って、請売りだけど(笑)

店内はゆったりとしている。結構、キャッキャした感じで、品書きを見ながら話が弾んだのだが、隣の話もうっかりでは聞こえてくることは無いだろう。
ゆったりしている分、他の客も余裕あり、優雅な感じで過ごしているようにも見えるのは不思議なものだ。

ウンブリア式前菜の盛り合わせ
チポッラータ ポーチドエッグ添え カンナーラ風
ウンブリッチェリ モンテファルコ式イノシシのラグー
チリオーレ テルニ式ほんのり辛いトマトと大蒜のスープ
コラトゥーラでマリネした豚のアッロスト 古代ローマ風の仕立て

前菜は、ノルチャ産の生ハム、サラミ、レバーペーストにペコロス、カリフラワーのピクルス、パプリカのマリネと云った感じかな。
ローマに続く塩の道の途中にあるノルチャは塩蔵貯蔵をする技術を昔から貯え、医学技術として豚の屠殺や解体技術を身に付けた職人が集まったとされるノルチャには肉を如何貯蔵するのかを伝承してきた訳だから、そりゃぁ旨いよね、
 生ハムとサラミだけで一晩中呑んでいても不自由しないね
連れ合いの台詞だが、確かにイタリア産の生ハム、サラミの中では外れなし、そして、ワインとの相性も抜群に宜しい(笑)

パンは三種類。地元のパンは塩が入っていないものが主流らしい。
レーズンや無花果の入ったパンも良いのだが、一番感心したのは栗の粉で作ったパン。頼んだ料理との相性は大層良い。

ワインはウンブリア産の白。ワイン醸造の歴史は浅いが、今の時代では却って珍しいシンプルな工程で出来たワインは、お洒落感は全くなくて、でも朴訥な中にエレガントが潜む素敵な味わい。なんて表現しようか、顔見知りの酒飲みが其の店の自慢の料理をワイワイ歓談しながら煽って呑んでいたなんて云うノスタルジックな雰囲気を呼び起こしてくれそうな味わい、って、分かりづらいか(笑)

玉葱好きなら是が非でも味わって欲しいズッパで、玉葱の自然な甘さが身も心も蕩けさせてくれる。最近では、最後迄食事を愉しむ為にパン自粛気味であるのだが、其の禁忌を何処かに忘れて思う存分愉しんでしまったぐらい。

パスタは味が重ならないように、ラグーとトマト風味にした。
何方もシンプルだけど、深い味わいで満足以外の言葉が見当たらない。

パスタに限らず、なんとか「風」、なんとか「式」と品書きに踊る名前は地域の名前で、特産だったり、修業した先での調理法や味付けが其処彼処にふんだんに使われているのだろう。
ひと口目は家庭風、気が付くと虜になってしまう工夫に満ち溢れた料理に飽きることなく、沈黙と溢れんばかりの賞賛が交互に訪れる、素敵な会食になった。

コラトゥーラはイタリア版の魚醬で、古代ローマにもガルムと云う魚醬があったことから料理名に古代ローマを使ったのかな。コラトゥーラでマリネした肉を焼き、イベリコ豚の焼汁に蜂蜜とレモンで作ったソースで食べる。白インゲン等の豆類で作られた付け合わせが優しく肉を包む。

〆の甘味も優しさいっぱいで、エスプレッソが身に沁みる。

大満足を言葉にして、店の皆さんに見送られ、店を出る。嗚呼、なんて幸せなんだろう。

2019/03/30 更新

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