7回
2023/05 訪問
北陸の雄
5月の片折さん。一般的に5月は食材の端境期に当たるので、素材ではなく料理人の技術と創意工夫がより求められると言われますが、技術はもちろんのこと食材にも一切の抜かりのない完璧な献立でした。
時期的にはもう終わりかな、と思っていたホタルイカが食べられたのは嬉しい誤算。あとは昨年いただいて感動した鱒寿司もさらにバージョンアップした形で出てきて大満足。
また次回が楽しみです。
【2023年5月のおまかせ】
★玄米茶
★新芽のよもぎで作ったよもぎ豆腐
★一番出汁
★アイナメのお椀
★ヒラメ、赤いか、サヨリ昆布じめ ちり酢
★紅ズワイガニの蟹焼売
★赤甘鯛 花ミョウガに叩いたワラビ
★スミイカの木の芽味噌和え
★原木椎茸 ほうれん草の白和え
★鱒寿司、葉山葵 鱒の子
★白えびのあられ揚げ 地物のグリーンアスパラ
★ホタルイカと菜の花のおひたし
★加賀大根の蓮蒸し ヒラメ うなぎ 百合根
★牛肉の八幡巻き
★お新香
★味噌汁
★煮えばな
★鰆の漬け丼
★稚鮎の天丼
★卵かけご飯
★おこげと梅干しのお茶漬け
★わらび餅 新生姜の香り
★お薄
(飲み物)
★瓶ビール
★お酒1合
2024/01/26 更新
2022/12 訪問
蟹と鰤
この日の金沢は記録的な大雪。交通機関は機能してましたが、海は恐らく大しけでさすがの片折さんをもってしても魚の仕入れは相当苦労なされたそうです。
そんな中でもしっかりとこの時期限定の香箱蟹はじめ加能蟹、氷見鰤などここでしかいただくことのできない食材を揃えておいてくださいました。
脇を固める野菜のお料理も素晴らしく、素材の目利きだけではなく調理技術の高さも国内トップレベルと言って間違いないでしょう。
香箱蟹は生きた雌の蟹を客が来てから低温で茹でると言い、内子と外子の半熟感が唯一無二。目の前で捌いて調理してくれる加能蟹も立派なサイズを1人でほぼ半杯という贅沢さ。
そんな蟹を差し置いてというわけじゃないけど、この日仕入れたという氷見の鰤がさらにビックリ仰天のおいしさ。鰤のハツなんて初めて食べたし、お造りでいただいた腹身の甘さとづけ丼でいただいた背のうまみは筆舌に尽くしがたく、カマ焼きでいただいた火を入れた身の瑞々しさは他のどの高級魚にも引けをとらない身質。これぞ寒い時期にわざわざ北陸まで来た甲斐があるというもの。
今年は運良く季節ごとにお邪魔させていただいたこちら。来年もまた楽しみにしています。
【2022年12月のおまかせ】
★煮出しの玄米茶
★源助大根
★一番出汁
★加能蟹のお椀
★香箱蟹
★甲羅酒
★新湊 ボタンエビ 氷見 寒平目
★氷見の鰤 ハツ
★焼き蟹
★春菊白和え
★鰤カマ焼き
★里芋の田舎煮
★茹で蟹と裏ごしした蟹味噌
★干しぜんまいの篠田巻き 水菜
★鰤のづけ丼
★卵かけご飯
★梅干しのお茶漬け
★氷見牛の八幡巻き
★お新香
2023/01/07 更新
2022/04 訪問
春の北陸の幸
4月の片折さん。
この日のお目当てはこの時期がまさに旬だというホタルイカ。
朝仕入れて生きたままのホタルイカを手際よく捌いて塩も使わずさっと湯がくだけ。まさにこの場所でしかできない食体験。
そして、この日そのホタルイカを差し置いてゲストが最も興奮したのが、試作に試作を重ねてようやく出せるようになったという鱒寿司。鱒の身の良さは言わずもがな、塩加減そして酢飯の甘みのバランスがとにかく秀逸。みんなおかわりをリクエストしてましたが、一人一切れ(笑)。
訪れるたびに何かしらの驚きがあるのが片折さんの強み。素材の目利きのみならず調理の引き出しの多さも間違いなく国内トップレベル。ずっと通い続けたいお店です。
【2022年4月のおまかせ】
★蓬豆腐
★柳ばちめのお椀
★サヨリの昆布締め、ヒラメ
★紅ズワイガニの蟹焼売
★墨烏賊の木の芽味噌和え、メジマグロ
★喉黒の蒸し寿司
★唐墨蓮根餅揚げ
★珠洲の新わかめと福井のムラサキウニ
★白海老のおかき揚げと壬生菜
★蛍烏賊と菜の花
★蒸し鮑とアスパラガス
★鱒寿司
★メジマグロのづけ丼
★柳ばちめの天丼
★梅干しのお茶漬け
★甘味
★お抹茶
2023/01/07 更新
2022/02 訪問
北陸の至宝
2回目の片折さん。
今回は2月の寒い時期に。前回来た時も痛切に感じましたが、とにかく魚の手当が素晴らしい。良いものを仕入れるだけじゃなく、その魚を口にして最高のタイミング、最高の切りつけ、最高の寝かせ方をしているのが本当によくわかります。
東京の名だたる料理人たちがここの料理を絶賛する訳が本当によくわかります。
また次回が楽しみです。
(2022年2月の献立)
焼き春菊と春菊豆腐
源助大根と赤鰈の一夜干しのお椀
平目と泥障烏賊
メジ
柳鰆と葱
あん肝
白子の酒粕仕立て
餅と香茸の茶巾
ヘラ鮒のあらい
鮟鱇、椎茸、クレソンの鍋
お食事(煮えばな、肉巻き牛蒡、お新子、味噌汁)
アカモクご飯
メジの漬けご飯
蟹のあんかけご飯
梅干し茶漬け
苺大福
(飲み物)
瓶ビール
お酒 x2
お会計:約39,000円
2022/10/04 更新
2021/09 訪問
ここ数年で最も楽しみにしていたお店
僕はお店選びに基本食べログの点数は一切参考にしないし、超予約困難でプラチナシートと言われるレストランも自分の嗜好・感性に合わないと思うところには見向きすらしません。
ただ、こちらは自分が定期で通う店の大将や舌に信頼のおける友人たちが手放しに絶賛することから、声をかけていただいた時は二つ返事で金沢行きを決定。初めてのお店に足を運ぶのをこれほど楽しみにしていたのは本当に久しぶりです。
お店は金沢駅からタクシーで10分ほど、市内を流れる浅野川の川沿いにあります。建物は片折さんがこの店を開く前から購入されていたそうで、開店時に改築して現在至るそうです。町家造りの趣のある建物で、屋内は縦に長く、奥には箱庭もあります。
ちょうど京都の日本料理店などによくある造りですが、中はかなりコンパクト。席は現在はカウンターのみ7席で、松茸の時期を除き昼夜1回転ずつの営業です(松茸の時期は昼間松茸を採りに行くのでお昼の営業ができないそうです)。
カウンターは横一列で、客席側が若干高くなっているように感じらます。カウンターから厨房を見ることはできませんが、出汁を取ったり、魚を切り分けたりする時などは目の前で調理をしてくれます。
料理は、西か東かで言うと関西テイストが強いですが、大きな特徴は近隣で取れる素晴らしい魚介を使った料理がふんだんに出されるところは京都、大阪のそれとは大きく異なる点だと思います。聞けば魚もご主人が直接目で見て仕入れられているとのこと。松茸の話といい、やはりやっていることが他とは違います。
盛り付けも少し変わっていて、付け合わせや飾り用の野菜などがなく、お皿の上にどんと魚介の料理が並ぶだけ。お椀にも薬味や香り付け用の柑橘すら添えられていません。なかなかの徹底ぶり。
出汁は鰹と昆布、魚が多く出ることもあり、より昆布の甘味や香りが顔を出すお出汁で、塩味の使い方も絶妙。ありきたりの表現を使うと、とにかく素材感をとても大事にする料理なのですが、その旨さを引き出す技術が恐ろしく高い。
皿数も数自体は多いものの、お腹にたまらない程度に抑えられていて、最後まで美味しくいただくことができました。そして、食事もバリエーションが豊富。量の調節も可能なので、たくさん食べる方はここでスパートをかければ大丈夫です(笑)
期待して3年ぶりに金沢までやって来ましたが、その期待を大きく上回る内容に久々に感動を覚えました。初訪ということで知らぬうちに緊張してしまったのか、あまりご主人とはお話もできませんでしたが、聞けば普段はお客さんとのおしゃべりも好きなご主人ということです。
今回は夏の面影が少し残る料理でしたが、できれば季節ごとに訪れてみたいお店です、なんて話をしてたらこの冬も声をかけてくれました(涙)。ということでまた半年後、楽しみにしてます。ご馳走様でした。
【2021年9月の献立】
★玄米茶
★焼き胡麻豆腐と木耳
★お出汁
★ワタリガニのお椀
★キジハタ、赤いか
★福井の小浜の赤雲丹
★氷見の迷い鰹
★太刀魚と大葉の揚げ物
★かますの幽庵焼きエリンギを挟んで
★胡瓜と木耳、子イカ(泥障烏賊の子)
★鼈出汁にシラサエビ
★千両茄子 宇出津の鮑 万願寺唐辛子の冷やし炊き合わせ
★煮えばな、おくらの味噌汁、お新香、氷見牛の牛蒡巻き
★鰹づけ丼
★ノドグロご飯
★マナガツオの天丼
★梅干し、お茶漬け
★蓮根餅
★抹茶
(飲み物)
★ビール
★焼酎
(お勘定)
★約38,000円
2021/09/10 更新
今年最初の遠出は金沢。北陸の雄、片折さんでの夕食です。元日に起きた能登半島地震の影響で営業されるか不安でしたが、予定通りお店を開けていただきました。
大将曰く、市場も開いていて食材も仕入れられているとのことでしたが、影響がまったくないわけもなく店の雰囲気も含めいつものような食事では少しなかったです。
ただ、出していただいた料理は、いつもと同じく完璧に手当ての施された食材を余計な手を加えることなく、シンプルに出汁などを効かせて程よい味付けで提供いただきました。
加能蟹は以前おっしゃられていたように今シーズンから取り扱いをやめたため食材の華がなくなったぶん、調理技術で魅せる料理がより増えた印象でした。
次回訪れる際はなるだけ多くのことが元通りになっていることを祈っています。
【2023年1月のおまかせ】
★玄米茶
★くぐみ豆腐の白味噌仕立て
★カラスミ餅
★ズワイ蟹のお椀
★ヒラメ、アオリイカのお造り
★クチコの羽二重蒸し(茶碗蒸し)
★メジのお造り
★鰤のカマ焼き
★あん肝 鮟鱇の皮と卵
★蕎麦がき 金沢春菊 百万石椎茸の炊き合わせ
★鮟鱇と加賀大根のお鍋
★ミンク鯨の畝の入った味噌汁
★ご飯
★メジの漬け丼
★蟹あんかけご飯
★梅干しのお茶漬け
★ころ柿とクリームチーズ
★お薄
(お酒)
★おまかせで3種類(半合ずつ)