辣油は飲み物さんが投稿した無名(長野/茅野)の口コミ詳細

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無名茅野/日本料理

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  • 夜の点数:4.6

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.2
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.5
2回目

2021/10 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.2
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

すしログ:全国から訪問する価値のある名店!長野県茅野の「無名(旧・から木)」

本記事はブログより転載しています。
すしログ:https://sushi-blog.com/entry/chino-mumyo

さて、茅野には僕が全国屈指の名店だと思うお店があります。

初めて訪問したのは2019年5月でしたが、即座に2020年に訪問したいと思う程に感動しました。

しかし、敢え無くパンデミックのため旅程を変更…結局、2021年10月の再訪となりました。


期待を胸に再訪したところ、感動は前回を凌駕!

「和食から木」から「無名むみょう」へと店名を変えるとともに、更なる進化を遂げておられました。

間違いなく、長野はもちろん、全国でも訪問すべき名店の一つです。

食べログのスコアは3.06~3.15となっており、ミシュランも獲得していませんが、個人的には「無冠の名店」だと断言します。

スコアが4.0を超えて「スタンプラリー」が起こって欲しくはありませんが、本当に食べるのが好きな方に強くオススメします!


「和食から木」改め「無名」、唐木正文さんの凄さとは?
無名内観01
「無名」のご主人である唐木正文さんは、東京都・目白に存在した料亭で7年間の修行をされ、2008年に茅野に「和食から木」をオープンされました。

唐木さんは1973年生まれで、下諏訪町出身とのこと。

ご自身の名前を冠した「和食から木」から「無名」に変更されるとは、どのようなご心境なのだろうか…?と少し不思議に思いましたが、理由はシンプルでした。

地元を含め長野の多様な食材を駆使するため、「和食」にとらわれない御料理を作るためとの事。

Pocket Conciergeに記載されている説明によると、以下のような想いがあるそうです。

「物の始まりは全てが無名。名のある物に囚われず、名のなき物に光を当てる」

実に素敵な志です。

僕はコースの後半に理由を伺ったのですが、「長野にある良質なバターやチーズを使いたいから」とストレートにお答え頂き、理由が日本料理人としてはぶっ飛んでいて素晴らしい!と感じました(笑)

そして、前回訪問時に感じた唐木さんの魅力としては、下記の通りです。

味覚の制御に長けている
食材の持ち味の引き出し方が巧み
全国のトップ生産者たちの食材を駆使する魅力

「上品でありながら心を鷲掴みにされる御料理」だと感じました。

しかし、今回お伺いして、より深いレヴェルで感じ入ることが多々ありました。

そして、唐木さんの御料理に「上品」と言う言葉は失礼かもしれないと感じたのです。


「繊細」でありながら、随所で「力強さ」を持つ唐木さんの御料理に、「上品」と言う形容は不適切。

食材の魅力を引き出しつつ、強弱をつけて変幻自在に編まれる唐木さんのコースは多様な表情を持っています。


また、長野県内の生産者さんもかなりの手練たちとお付き合いされているようです。

それは多少なりとも食べている人間ならば、味で分かるはず。

野菜もジビエも抜群に美味しいです。


異なる季節にまた来よう!と強く感じました。


「無名」の御料理の詳細について
それでは、「無名」さんの御料理をご紹介いたします。

2021年10月に頂いた【秋のお料理】の詳細
「和食から木」時代のコースは8,000円、12,000円、16,000円の3つに分かれていて、更に【季節のおまかせ】25,000~35,000円もご用意されていました。

そして、「無名」になり、ご用意されたのは季節ごとのコースです。

春夏のお料理(4月~9月中旬) 19,360円
秋のお料理(9月中旬~10月末) 30,250円
冬のお料理(11月~3月末) 24,200円
全て税サ込の価格です。

「季節ごとに価格が変わるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、食材が豊富な土地においては、季節に応じて価格を分けるのは至極当然だと感じます。


この度頂いた【秋のお料理】

空蒸し
水前寺菜、赤バイ貝
鹿タンのカツ
鰆の藁焼きと松茸
椀:真鯛の炭火焼きと松茸
里芋とキノコの炊き合わせ
アカムツ、二十世紀梨の白味噌和え
猪の炭火焼き
熊のソーセージ
お食事:白米、香の物、留め椀
自家製プリン

この度頂いたお酒(おまかせで頂きました)

宮坂醸造、真澄純米 スパークリング Origarami
宮坂酒造、真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし
ドメイヌソガ、ヴィーニュ サンシミ サンクセパージュ 2020
ドメーヌ長谷、FUKUIHARA ROSE 2019
唐木さんのお酒選びにはセンスが光ります。

一つ一つに説得力があり、ご提案の精度が高い。

なので、お酒が好きな方は是非ともおまかせで頼まれてください!

僕は前回車だったので、次回は絶対に茅野に泊まろう!と痛感したものです(笑)


それでは、御料理のご紹介をいたします。


空蒸し

具無しの茶碗蒸し。

卵の甘みと香りをストレートに楽しませてくれる。

使用されている山椒がフルーティーな香りが強く、痺れもしっかりとビリビリ!

出汁や塩分が茶碗蒸しが「卵料理」であることを気付かせてくれる塩梅だ。

火入れは強めだが全く野暮ではない。


宮坂醸造、真澄純米 スパークリング Origarami


水前寺菜、赤バイ貝

赤バイ貝は兵庫産。

お出汁と酢橘で炊いている。

赤バイ貝は甘みが強く、香りはバシッと磯!

長野で磯の香りを感じる体験は面白い。

水前寺菜のシャキシャキ食感と軽い苦みが赤バイ貝に彩を添える。

出汁の含ませ方がナチュラルで魅力。

実に力強い一品!

酢橘も主張しない。


鹿タンのカツ

美ヶ原の鹿で、しかもタンとは!

しかも、馬告(マーガオ)を合わせている!

衣はガリサクッ!と薄くともハードな食感で、鹿はむっちりと艶めかしい。

臭みは皆無。

牛タンよりも滑らかで、むちむちしている。

コリコリ感は低い。

このあたりは火入れで変わるかもしれない。

恐らく低温調理を掛けてから揚げていると踏む。

希少性が非常に高い鹿タンの個性を存分に楽しませてくれる。

菊花にはお酢を用いていて、香りから飯尾醸造のお酢かと思われる。

なお、鹿のタンは小さいため普通は市場に流れないが、付き合いのある生産者さんがパーツごとに分けて販売されているそう。

いやあ、面白い。


鰆の藁焼きと松茸

ソースは鰆の骨出汁で、明石産の鰆を藁火で焼き、南信濃産の松茸を合わせ、木曽のバターを澄ましバターにして使用。

これは確かに「和食から木」では出せない組み合わせ!

松茸は初手から香る。

そして頂くと甘みが広がる。

鰆は脂がじゅわりと滲み、感動した。

しっとり、ホロホロな身、そして藁によるスモーキーフレーバーがバシッと引き締め、上品にパンチを加える。

バターの存在もまた魅力。

決して香りで邪魔せず、あくまでもコクで支え、他の食材を活かした後に香る。


宮坂酒造、真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし


椀:真鯛の炭火焼きと松茸

真鯛は明石産。

吸い地に松茸の甘みと香りが滲み出ている!!

鯛も脂が乗っていて申し分無く旨い。

椀妻じゃなく蕪なのがお茶目。

しかし、小蕪は味わい強い。


里芋とキノコの炊き合わせ

キノコはショウゲンジで、地元名「こむそう」。

里芋は飯田産で、香りが良い。

しかも、干し海老の出汁を含ませていて、これが合う。

いざ頂くと昆布出汁が強めで、甘みと旨味があり、香りもそれなりに感じる。

ショウゲンジはジャクジャクした強い食感が魅力で、特有の苦みが後味を引き締める。

昆布は利尻昆布で、仙鳳趾で三年寝かせたもの。

炊き合わせで食材が2種と言うのも率直で良い。


ドメイヌソガ、ヴィーニュ サンシミ サンクセパージュ 2020


アカムツ、二十世紀梨の白味噌和え

二十世紀梨は地物で、白味噌と和えているのがユニークで、しかもアカムツに合う。

アカムツは浜田産(どんちっちノドグロ)。

アカムツは鮨種よりも焼き物の方が明らかに旨く、且つポーションが大きい方が美味しい。

そして、これは日本酒よりもワイン!

器は京都の廣野俊彦さんのもの。


猪の炭火焼き

飯田産の猪。

付け合わせは青唐南蛮味噌と、ついたキビ!

問答無用で美味い。

脂はサクッと切れて、とろとろっに良質な脂を滲ませる。

炭の香りも良い。

南蛮味噌は結構な辛口で意表を突いてくる。

キビってところもセンスが良く、魅了された。


ドメーヌ長谷、FUKUIHARA ROSE 2019


熊のソーセージ

唐木さんは熊を一頭買いするそうだ。

熊に愛着を持たれているため。

故に年中頂けるそうで、嬉しい。

赤身と豚の背脂を合わせてソーセージにされている。

細かい挽き方なので熊の香りを感じさせるところが良い。

とは言え、クセは無く、香りを野趣として味わわせる。

ハーブを用いつつ、かなり上品に落とし込み、熊の香りをマスキングしない点が粋だ。


お食事:白米、香の物、留め椀(ハナイグチ)

毎日自家精米すると言う上質なお米は香り自体が嗜好品である。

まずはそのまま頂き、お米の香りと甘みを堪能する。

その後は、楽しいご飯の二変化だ。


鰹節と安曇野の山葵ご飯


さらに、3つ目も凄い!


三年モノの鼈に、舞茸、八ヶ岳の山麓で作られる卵を絡めた鼈雑炊だ。

お食事は語弊無くパーフェクト!

本当に美味しい。


自家製プリン

濃密な口当たりで、旨い。

甘みも卵を活かすクリアな感じ。

茶わん蒸し出汁よりも卵黄を多めに使用されている。

2021/11/26 更新

1回目

2019/05 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

茅野で素材との邂逅を楽しませてくれるお店

某料理人さんと信頼する友人からオススメされ、
長らく訪問したかったお店です。
過去2度予約を試みたのですが、1ヶ月半前でも取れず、
今回は相当前に予約して訪問しました。
かなり前だったので何ヶ月前か忘れたほど(笑)
とにかく、今回の長野旅行で自身のメインとなるお店でした。

お店は2008年オープンとの事ですが、
食べログのスコアは3.06程度で、ネット上の情報も少ない。
料理写真を見て、この素材と技術で何故!?と思いましたが、
理由は明白で、食通の常連さんが多いと言う事かと思います。

お店は一軒家を活かされており、素晴らしい内装です!
内装だけなく、什器、器の全てに妥協無し。
ご主人の覚悟を感じさせます。
雰囲気は、落ち着けて、茅野にあって都会的です(笑)

お料理を頂いた感想としては、
1. 全国のトップ生産者たちの食材を駆使する魅力
2. 食材の持ち味の引き出し方が巧み
3. 味覚の制御に長けている
と言ったところ。
一言で述べると、上品でありながら心を鷲掴みにされるお料理です。
各所に郷土性を盛り込みつつ、それだけに留まらない上質な日本料理。
都会から訪問しても都会の人気店に匹敵する楽しさを与えてくれます。

コースは8,000円、12,000円、16,000円の3つが用意されており、
更に【季節のおまかせ】25,000~35,000円もあります。
今回は12,000円のコースを予約して訪問しました。

飲み物は【奥会津金山の炭酸水】を。
ちなみに、ワインの品揃えが非常に豊富で、
特に日本ワイン中心である点が嬉しいところ。
ここ数年、長野のワインはどんどん面白くなってきているので、
運転が無ければ頂きたいところでした(笑)

先付
茶わん蒸し、青森産海鼠生このこ添え。
お盆は広島県熊野町の「さしものかぐたかはし」の栗製漆器。
生このこの香りが抜群!
旨味もたっぷり。
塩気ならびに出汁の塩梅は大変上品。

鮎の揚げもの
鮎の産地は飯田。
稚鮎だが肝の旨味が強く、香りも良い。
小さいのに力強い味わい。
野菜は広島のスーパーファーム梶谷農園のもの。
そして、使用されているお皿は当初唐津の三島かと思ったが、
伺ったところ400年前くらいの朝鮮半島の三島(粉粧灰青沙器)であった。


椀種は蛤、筍、椀妻は菜の花、吸い口は木ノ芽。
蛤が立派だったので産地を伺ったところ、「島根」との事で、
更に突っ込んで伺ってみると、「浜田」とのご回答。
よって、間違いなく【鴨島はまぐり】と思われる。
非常に強い甘みの後、香りも力強く立ち上がり、軽やかな苦みが引き締める。
身質は非常に柔らかい。
高津川下流で育まれた当地の蛤は格別である。
筍は苦み無し。
肝心の吸い地はほぼ蛤と塩のみ!
ストレートに、旨い。

お造り
鳴門のアオリイカと鯛の昆布〆。
鯛は昆布を超える旨味と香り!
アオリイカも甘い…きめ細かい包丁も魅力。
醤油は和歌山の三ツ星醤油。

鰆の炭火焼き、山菜の天麩羅
醤油の絞り粕のパウダーを添えて、
山菜はウドの芽、コゴミ、タラノメ、行者ニンニク。
火入れはレアとなっており秀逸。
しっとり、それでいて全く水っぽくなく旨い。
対照的に皮はパリパリ。
鰆自体は脂がしっかりと乗りつつ、酸味もあり、香りも良い。
醤油パウダーはどちらかと言うと味噌っぽい香りが微かにある。

筍とアスパラガスの焼きもの
筍飯田の産で、アスパラガスは上諏訪産。
このシンプルな盛り付けも素晴らしいが、漬け地もまた酒、醤油、味醂とシンプル。
筍は力強い香りで、椀のものとは異なり苦みを楽しませてくれる。
この苦味によってアスパラガスの甘みが殊更引き立つ。
鹿子に入れた包丁は食感が良い。
こちらの醤油は糸島のミツルの薄口を使用されている。

信州牛の小鍋
牛肉の筋を使用し、あしらいはクレソン。
朝摘みの花山椒を添えて。

花山椒は東京では毎年値段が高騰しており、2019年春は何とキロ20万円を記録したが、本来は薬味である。
初めて具のように用いた麻布幸村さんの発想は見事だが、何処も彼処も追従したりお客が何処でも求めるのは、本末転倒。
食べ手は冷静になるべきである。
牛筋はホロホロ、とろとろ。
とろみを付けたツユは出汁が大変良い!
牛肉を完全に和食に落とし込んでおられ、これには大満足。

お食事
ホタルイカとえんどう豆のご飯、留め椀、香の物
ホタルイカは柔らかく、とろろんと身をよじらせる。
炊き加減も抜群だし、塩加減も控えめで美味。
留め椀は味噌汁で、コクが強く甘みある味噌を使用している。
香の物は生姜を利かせたキャベツと、もろみ。
もろみは味わい深い。
お食事後のお茶が凍頂烏龍茶と東方美人のブレンド茶で個性的!

水菓子
黒糖ゼリー。
非常に口どけが良いゼリーで、最後は口の中で溶ける。
黒糖の香りも上品に用いられている。

今度は是非とも秋のキノコや冬のジビエ肉を頂いてみたいところです。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

2021/05/05 更新

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