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そば豆腐
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磯のりそば・十割
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鴨ごはん・仁多米
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蕎麦茶
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地元産七味
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なぜかシフォンケーキ
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ココア味
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プレーン味
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1番手前のカウンター席
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メニュー
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当日の追加メニュー
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器を眺めるのは愉しい
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店の前・ローソンが目印
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店は交叉点に面した角
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駐車場
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真ん中に列・奥も同じ
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駐車場奥から通りを見る
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出雲と名前の付いた蕎麦は大社のある出雲市と思われがちですが、発祥は殿様が信州から持ち込んだ松江市で、割子蕎麦は弁当の代わりだったようです。島根独自の釜揚げ蕎麦は、その後大社周辺で振るまう時に工夫したもの。出雲市ですね。
さらに、南の奥出雲では山の中で在来種の蕎麦を育ててそのままを食べる、挽きぐるみの十割の蕎麦、そういう店が点在します。また、献上米である仁多米が美味しくて、島根独特の、メニューにおにぎりがあるのも特徴。何年か通ってそんなことが判ってきました。
出雲蕎麦が好きになり通うようになったのはきっかけがありました。
昔むかしには大社前で数回食べましたが、その時は参拝ついでの昼食。
十年ほど前に、古い名画「砂の器」を観ました。YouTubeでもみられます。
松本清張の原作で、ストーリーの重要な場所が島根県奥出雲にある亀嵩(かめだけ)という木次線の駅と街。当時は列車のお客さんも多かったようで映画には昔の出雲の様子が美しく描かれています。そんな舞台に行ってみたくなり、その時に食べたのが、十割の美味しい割子と釜揚げでした。
山奥にこれほど美味しい店が幾つもあるなどとは衝撃で、さすがの鈍感舌にも魅力な味わい。以来通い続けております。
そうして、奥出雲だけではなく、蕎麦の中心はどうやら松江市のようだと最近気がついたもので、それまで松江は3軒だけでしたから、少しずつ食べ歩こうかと今回から新しいお店に出かけることに。
少しばかり長くなりましたがそんな蕎麦道中です。
京都からだと夜に新名神・中国道・米子道・山陰道を走れば、明け方には松江に到着。
9時頃までゆっくりと寝て、11時頃の開店に訪問。その後、市内を散策して午後17時には2度目の蕎麦。そういうスケジュールです。週末ならば金曜の晩に出て、土曜の夜には帰ってこられます。
しかし、このごろは口コミ情報が簡単に手に入る為に、混雑行列の店が増えましたね。
なのでできる限り有給などを使って平日、これですね、でなければ早めに出かけて開店と同時に1巡目に入ること、かなりの努力と忍耐も必要なのは覚悟をしておいてくださいませ・・・。
今回1軒目の東風。
春なので、匂いおこせよ梅の花・・・の東風(こち)の名を冠したお店です。
山陰道の松江中央ICから、市内に降りてきたところ、宍道湖・松江駅の手前にあります。
到着したのが金曜日の朝9時過ぎだったので、駐車場の場所を確認し、そのまま市内中心部の和菓子屋さんを数軒回ってから30分前に4台ある無料駐車場に停めました。まだ2台目でした。
お店までは20メートルほどです。
開店は11時30分。平日です。
15分前に店の前に行くとすでに数名の行列が発生しておりました。
27分には11名が並ぶことに・・。平日だというのに。
店の中はカウンターが6名、小さな2名用のテーブルが2つで、10名がMaxのようです。
運良く、1番手前のカウンターに案内されたもので店内がよく見える位置にお1人様着席。
こればかりは運ですね。カウンターメインの細長い店内です。
目前のカウンターにはメモのようにその日のオススメ、ご飯や蕎麦や天ぷらなどのメニューが貼られています。蕎麦茶が出ました。これが山椒の香りを感じるお茶でした◎。
本日はメニューから、初めての温かい「磯海苔そば」を十割で、さらに個人的定番の蕎麦豆腐、鴨ご飯をオーダーです。
口コミを拝見していると、蕎麦好き・蕎麦通の皆様は、たいてい冷たいせいろのようなシンプルなものを好まれるようで、かえしが良い、香りが素晴らしい、そば切りが巧い等々詳細な感想が並びます。が、当方は鈍感舌なもので拘りがありません。温かい蕎麦が好きな上に、その店のオリジナル、季節の蕎麦、土地の特色のあるものを選びます。これも旅なのですね。
出雲や松江では、釜揚げ・割子はすでに幾度も食べましたから、お初の店でも初物を探して食べ、2度目以降に定番メニューに移行する感じです。
ところで、東風はカウンターメインのお店と書きました。
これだけ島根に通ってはいても初めての体験、茹で、盛り、作る過程が目の前で見られること、これは新鮮でした。判ってはいても実際に目の前でゆで上がる蕎麦、見ていて飽きません。
都をどりを桟敷席から見物する贅沢のようでした。
▼カウンターには小さく、店内の撮影は食事のみ、その他はご遠慮下さいと書かれていました。
なので、目の前の写真以外は撮りませんでした。
また、奥の棚には無造作に置かれた陶器類。器を眺めるのも愉しい。京都の黒七味が並んでいるのにも気がつきました。目の前に置かれているのは地元産の七味です。
さらに、出口前にはお土産用にシフォンケーキが置かれていました。
そば屋さんのケーキ、1つ150円でココアとプレーンが2種類。帰りがけに求めましたが、どちらも超ふわふわ加減が絶品の素晴らしいお味でした。これ、京都だったら280円から320円くらいはするかなぁ、などと思いつつ。
10分ほどして提供されました。
磯海苔そば。
十割の釜揚げです。
そのままで蕎麦だけをいただきます。
いつものようなほくほくの食感。
ツユを加えて七味を振り、海苔と絡めて食べました。
島根半島の海の幸。
磯の香りと蕎麦って合いますね。
海苔もとても柔らかなもので口の中に海の香り。
ツユは甘めの淡い感じで、少し多めに入れて程よいくらい。
塩味を意識せずに柔らかい味わいのツユでした。
そんなツユなので、かもご飯にも少しかけていただきました。
かも肉は思ったほどの癖はなく、ネギと山葵と海苔の風味のご飯。
肉もさっぱりで一瞬で胃の腑の中へ。
蕎麦豆腐はずいぶん食べてはいますが、これほどの食感は初めて。
絹ごしと木綿の中間くらい、舌触りが秀逸でした。
葛が多いとプリプリになるものでなかなかこうしたものには巡り合えません。
一口運んでふつうの豆腐のような感触でした。
山葵が効いているのでツユを上からかけていただきました。
そうして〆はカツオとおろしと海苔、蕎麦が渾然一体に溶け出したツユ。
これが好きなのですね。すべてが蕎麦味に。
ラスト、冷めていたそば湯にツユをなみなみと加えて七味を少々。
まったりな飲み心地にふーっとため息。
ひとつだけ辛かったのは、この日は、口内炎のピーク。
蕎麦茶の熱さに痙攣し、山葵に絶句、温かいそばツユに悶絶。
根性で乗り切りましたが、店を出た瞬間に薬を2錠。
目の前のローソンでアイスクリームを頬張りました。
ご馳走さまです。
静かで気持ちの良い接客でした。
近い内にまた伺います。