4回
2024/01 訪問
【出羽屋の季節の集大成、冬のシェフズテーブル】
※本投稿はシェフズテーブルでの評価となっております。
◾️特徴
・出羽三山の素晴らしい食材を、地域伝統と先人たちの食材調理や保存法を受け継いだ四代目当主佐藤氏の腕により、コース料理へと昇華。フーディーを満場一致で唸らせる創業95年の旅館
・美味しいものが食べれるだけではなく、自分の辞書にない事を毎回知り体験ができる奇跡のお店。
◾️シチュエーション
☑︎友達と
☑︎家族で
◾️雰囲気
☑︎落ち着いた雰囲気
☑︎カウンター席
◾️予約方法
現地で事前に予約
◾️レポート
昨年春に、山菜のシェフズテーブルに伺ってあまりの素晴らしさ(食事の美味しさ、体験としての完成度、学びの場として、ホスピタリティ等全て)に感動をして帰宅。以来、また出羽屋さんに来る日を心待ちにしてました。
「山菜料理」との名を冠するくらいなので、冬は何が出てくるんだろうか...と楽しみにしてましたが、伺ってみてビックリ。ジビエばかりの予想と違って、山菜キノコジビエ等が満遍なく楽しめる季節でした。まさに1年間の季節の集大成と言える時期です。
4代目佐藤治樹親方も「僕は色々楽しめる冬が一番好きなんですよねー」と。それも納得。
出羽屋さん初めて行くなら、満遍なく楽しめる冬を私としても推奨します。
出羽屋さんの位置する山形県西川町のある間沢の歴史にあります。歴史的にも「貧しい」地域である間沢では、山菜の立ち位置は、飢えをしのぐための“糧物(かてもの)”でした。
一方で、山岳信仰で出羽三山を訪れる行者様のお宿として歴史が深い地域でもあることから、行者への最大のおもてなしが山菜であったと言うことです。
当然、山菜の知見は蓄積され、食べれる山菜の種類や調理の仕方や保存法などが伝承されてきました。
なので、季節関わらずに、山菜やきのこが冬にも楽しめるというわけです!
冬の山菜は乾燥や塩漬けにしたものが提供されます。
出羽屋さんをはじめとした、地方の素晴らしいお店に伺うと、よく通説で言われる次の評価は、少なくとも僕にとっては、全く違うことに気が付かされます。そして今回の訪問で、それは確信に変わりました。
「東京が一番食材が高く売れるから一番良い食材が集まる。だから腕のある料理人が集まる」
この通説は〝市場に〟出回る事が前提。出羽屋さんで提供されるものは例外が多いように感じます。
山菜キノコなら自らの足で取りに行かれたり、ジビエ肉なら、マタギの方が食べて終わってしまう(美味しいから自分で食べる)食材を、信頼関係を築く事で、特別にわけていただいたり、鮮度の問題など。
そして何よりも忘れてはいけないのが、佐藤親方に「この伝統や文化を、正しい形で後世にしっかり伝承していきたい」という確固たる強い信念があること。
山菜やきのこは、定期的に採取することが大切であり、それぞれの季節が巡ってきたら、正しい方法で山菜きのこを採取し、食べる事。これにすごく意味があります。この行為自体が、山の生態系を保つことに繋がります。
だからこの場所に、山菜料理出羽屋が存在するわけです。まさに奇跡の店です。アスファルト地獄の都会では絶対に成立しない。都会のお店には都会のお店の別の良さがあります。
お宿の皆様のお出迎えやお見送りの接客、おもてなしの心、佐藤親方と奥様のコース中の客あしらいも素晴らしく、自分にとっては本当に大切なお店です。山形県まで一生通いたいと思えるお宿に出会えて幸せです。
次回は、春の山菜で。今から非常に楽しみです。
------------------
冬味覚のシェフズテーブルコース
(佐藤親方の話を聞いたり、みんなでワイワイ食べるのが非常に楽しく、2品ほどメニューを撮り忘れました)
・蕪
月山の水の美味しさを感じる事ができる一品。硬度は低め、透き通るような味わい。
・胡麻豆腐
墨に見立てた胡麻豆腐を西京味噌と。胡麻の風味と甘み。
・山人参の葉/仙人の霞(木生海苔)/香茸/こごみ
完全にワインの摘み。個人的に大好き好きなのが、仙人の霞との異名を持つ木生海苔。本当にまるで霞を食べてるような感じです。
・熊肉のしゃぶしゃぶ
人生一番の熊料理更新。熊のバター感のある脂の甘みと香りが段違い。そこに3種の茸の出汁がギュッと詰まって至高の味。
・子持ち鮎
パンパンに卵が詰まった子持ち鮎を甘めの味噌漬けにした西京焼きに。ワインとの相性が最高でした。
・百合根とたらのめ
裏漉しした天然百合根の甘さが素晴らしい。もはやスイーツ。コンテチーズとの相性も抜群。
・七草粥
正月明けでしたので時期柄。この時期にここまで山菜が食べれるのは本当に嬉しい。蕗の薹が程よいアクセント。
・さつまいも
じっくりと2時間揚げて火入れをした紅まさり。ホクホクというより、しっとりなめらか。
・雉羽のすき焼き
野生の雉羽のすき焼き。お野菜も甘い。
・真鴨
この時期の真鴨は、冬に向けてたっぷりと木の実を食べているため脂の乗り方と旨みが別格。マタギさんが仕留めた野生の肉で食べてて初めて当たり(何かは秘密です)が出ました!笑
突然鍬の形をした鉄板で焼き始めたので、何事かと思いきや、当初このあたりは貧しい地域であったことから、畑をたがした鍬でお肉を焼く文化があったので、その文化を取り入れたとのこと。
こんなことを知りながら食べれるのも出羽屋の醍醐味。
・とび茸ごはん
ササニシキで。締めのご飯まで抜かりないです。
・大福
目の前で作ってくれました。出来立ての大福の柔らかさと食感に感動。あんぽ柿とあんことマスカルポーネいり。
2024/03/17 更新
2023/05 訪問
【「山菜旅館出羽屋」の山菜シェフズテーブルコースが素晴らしすぎて感無量】
※本投稿はシェフズテーブルでの評価となっております。
結論から申し上げますと、食べログ5.0とかに収まる代物ではなく、5.5点をつけたいです。
過去色々なオーベルジュに足を運こびましたが、ダントツの1番です。
半年前に秋の味覚きのこのシェフズテーブルもすばらしくて大満足で帰りましたが、今回はその比ではありません。
季節による味覚なので、比較するものではないのは大前提ですが、
「山菜旅館出羽屋」と宿の前を冠する時期のコースの食体験としての完成度は異次元で、その素晴らしさは、是非直接伺って体験いただきたいです。
出羽屋さんの山菜コースが、圧倒的なクオリティとして確立されているのは、山形県西川町のある間沢の歴史にあります。
歴史的にも「貧しい」地域である間沢では、山菜の立ち位置は、飢えをしのぐための“糧物(かてもの)”でした。
一方で、山岳信仰で出羽三山を訪れる行者様のお宿として歴史が深い地域でもあることから、行者への最大のおもてなしが山菜であったと言うことです。
当然、山菜の知見は蓄積され、食べれる山菜の種類や調理の仕方や保存法などが伝承されていきます。
現代はインターネット社会なので、何が食べれるかなんて調べれば出てきますし、物流も発達しているので東京でも美味しい山菜を食べることはできます。
しかし、ここでの詳細説明は割愛しますが、上記理由を含めて、現地で食べれる山菜のクオリティや種類の多さは別次元です。
私が伺った日は20種類近くの山菜が出てきました。
宿の皆様の接客やおもてなし心、佐藤大将のコース中の客あしらいも素晴らしく、自分にとっては本当に大切なお店になりました。
お酒ののセレクトや料理との合わせ方も素晴らしいです。
山形県まで一生通いたいと思える宿に出会えて幸せです。
次回は雪深いジビエの時期に伺うことにしました。
まずは出羽屋さんの四季を全て体感したいと思います。
------------------
春の味覚のシェフズテーブルコース
宿泊&朝食付き 39,800円
20種類以上の山菜と春の月の輪熊のコース料理
2023/05/06 更新
2022/09 訪問
【出羽屋さんのシェフズテーブルで秋の味覚きのこを楽しむ】
以前より知人の間でも評判の良かった「出羽屋」さんのシェフズテーブルに伺いました。
予約を取ってから半年間待っている間に、Destination Restaurants 2022に選ばれたり、食べログの点数が3.93まで爆上がりしていました。それだけ評判が良いということですね。
出羽屋さんのある間沢は、山岳信仰で出羽三山を訪れる行者様のお宿として歴史が深い地域です。
出羽屋さん自体も、三山電鉄ができたころに創業し、約90年にもわたる歴史を誇ります。
今でこそ旬の味としてもてはやされる山菜ですが、さかのぼってみると、飢えをしのぐための“糧物(かてもの)”だったという側面もあるみたいです。
秋ということで、キノコたっぷりのシェフズコースを堪能してきました。
シェフズコースは4代目料理長自らが振る舞う、1日1組4名限定のコースとなっており、江戸時代から続く蔵の中でお料理を楽しみ、そのままその場で寝て泊まることができます。
美味しい料理を食べてその場で寝る。旅館の真骨頂です。
通常の宿泊ですと弟さんのお料理コースを、お昼だと山菜そばを食べることができ、様々な顔をした出羽屋さんを楽しむことができます。
シェフズコース(宿泊込み) 37,400円 (税サ込)
ペアリング 4,400円
◎豆腐料理
◎山菜小鉢
◎松茸の椀
◎天然鮎のお造里
◎焼き松茸
◎木通の焼物
◎きのこの天ぷら
◎月ノ輪熊の鍋
◎最上鴨と季節の野菜
◎締めのご飯
◎甘味
仙人の霞と呼ばれる苔のキブノリや、幻とも呼ばれる香茸、そして天然の舞茸など、山の恵みの素晴らしさに感動の連続でした。
自分の知らない世界が広がった時ほど、楽しく感動する瞬間はありません。
とにかく、山形の秋のキノコを堪能できた料理でした。
先人たちの紡いできた山の食材と調理法、山形県の肌身に感じることのできた貴重な機会です。
次回、春の山菜の季節の予約を取ってきました。
今からとても楽しみです。
2022/09/21 更新
※本投稿はシェフズテーブルでの評価となっております。
◾️特徴
・出羽三山の素晴らしい食材を、地域伝統と先人たちの食材調理や保存法を受け継いだ四代目当主の佐藤氏の腕により、コース料理へと昇華。
・フーディーを満場一致で唸らせる創業96年の旅館
・美味しいものが食べれるだけではなく、自分の辞書にない事を知って体験ができる奇跡のお店。
◾️シチュエーション
☑︎友達と
☑︎家族で
◾️雰囲気
☑︎落ち着いた雰囲気
☑︎カウンター席
◾️予約方法
現地で事前に予約
◾️レポート
ここ近年は出羽屋さんが僕のベストレストランとなっています。
2022年ごろに初めてシェフズテーブルに伺って以来?あまりの素晴らしさ(食事の美味しさ、体験としての完成度、学びの場として、ホスピタリティ等全て)に感動の連続。
毎日出羽屋さんに行ける日を心待ちにしています。
「山菜料理」との名を冠する春の出羽屋さんは圧巻。
今回も20種類近くの山菜を楽しませて頂きました。
おまけに今回は、翌日の昼の蕎麦ランチも食べて帰りましたので、三食出羽屋満喫コースとなりました。
出羽屋さんの位置する山形県西川町のある間沢の歴史にあります。歴史的にも「貧しい」地域である間沢では、山菜の立ち位置は、飢えをしのぐための“糧物(かてもの)”でした。
一方で、山岳信仰で出羽三山を訪れる行者様のお宿として歴史が深い地域でもあることから、行者への最大のおもてなしが山菜であったと言うことです。
当然、山菜の知見は蓄積され、食べれる山菜の種類や調理の仕方や保存法などが伝承されてきました。
出羽屋さんをはじめとした、地方の素晴らしいお店に伺うと、よく通説で言われる次の評価は、少なくとも僕にとっては、全く違うことに気が付かされます。そして今回の訪問で、それは確信に変わりました。
「東京が一番食材が高く売れるから一番良い食材が集まる。だから腕のある料理人が集まる」
この通説は〝市場に〟出回る事が前提。出羽屋さんで提供されるものは例外が多いように感じます。
山菜キノコなら自らの足で取りに行かれたり、ジビエ肉なら、マタギの方が食べて終わってしまう(美味しいから自分で食べる)食材を、信頼関係を築く事で、特別にわけていただいたり、鮮度の問題など。
そして何よりも忘れてはいけないのが、佐藤親方に「この伝統や文化を、正しい形で後世にしっかり伝承していきたい」という確固たる強い信念があること。
山菜やきのこは、定期的に採取することが大切であり、それぞれの季節が巡ってきたら、正しい方法で山菜きのこを採取し、食べる事。これにすごく意味があります。この行為自体が、山の生態系を保つことに繋がります。
だからこの場所に、山菜料理出羽屋が存在するわけです。まさに奇跡の店です。アスファルト地獄の都会では絶対に成立しない。都会のお店には都会のお店の別の良さがあります。
お宿の皆様のお出迎えやお見送りの接客、おもてなしの心、佐藤親方と奥様のコース中の客あしらいも素晴らしく、自分にとっては本当に大切なお店です。山形県まで一生通いたいと思えるお宿に出会えて幸せです。
後は若女将のワインペアリングのセンスが天才的ですね。出羽屋さんに来るようになってから、よりワインが好きになって知識も増えました。これからもどんどん勉強したいです。
次回は、秋のキノコで。今から非常に楽しみです。
------------------
春の味覚のシェフズテーブルコース
・蓬とシドケの豆腐
・山菜12種食べ比べ
コシアブラ、シドケ、ナンマイ、クワダイ、アマドコロ、ウド、アイコ、カンゾ、山人参、青コゴミ、赤コゴミ、カタクリ
・ウドと新生姜
・ヤマメとサクラマスの食べ比べ
・カジカ唐揚げ
・鴨タタキ(胡麻味噌タルタル)と行者ニンニク
・凍餅とうなぎの海苔巻き
・蕗の薹豆乳味噌の麦切り
・コゴミ,コシアブラ,タラの芽の天ぷら
・熊シャブ
・熊カツ
・オコギご飯 春の平茸味噌汁
・出来立て苺大福
翌朝
・朝食
翌昼
・山菜蕎麦