GORO8さんが投稿したアニエルドール(大阪/阿波座)の口コミ詳細

旨いもの放浪記

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GORO8 (50代後半・男性・兵庫県)

この口コミは、GORO8さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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アニエルドール阿波座、西大橋、本町/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.3

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2024/03 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

もはや既成概念にあるフレンチではない藤田晃成氏恐るべし


ツレの誕生日で予約して訪問。
大阪メトロ阿波座駅から5分とあるが、店の佇まいが周囲の風景と完全に同化しており分かり難い。何度も店前を素通りして迷う。発見するまで15分位かかった。

荒塗りコンクリートの壁、全体的にやや薄暗い店内
何やら隠れ家的な雰囲気が漂う。

メニューはスマホのQRコード読み取りとの事であったが読み取れず、仕方なくペーパーに印字されたメニューを渡される。こんなところにもSDGS波が押し寄せているのを感じる。

店員さんから「お客様の食べるタイミングをはからって1番良い状態で料理をお出しするので途中退席されると、料理の状態が変わってしまいますので、お手洗いなどあらかじめお済ませ下さい。」との案内があった。
最初からストレートパンチを喰らった、これはかなり繊細でデリケートな料理が出されるに違いない。

飲み物は、私の大好きなRMシャンパーニュ アンドレ・クルエ 2014年ヴィンテージがあったのでそれを注文。
さすがヴィンテージだけ合ってボディーがあって濃厚な葡萄の味わい、豊潤な香りが口に広がる。
いつも飲んでいるノンヴィンテージとは一味違う。

メニューを見ると使われている食材だけが書かれてあり、料理名、調理法など一切書かれていない。

店員の説明があるのだか、食材がメニューに書いてあるものだけで無く他に多種多様な食材が使われており、調理法も複雑な工程を経ているので、とても覚えきれない、メモったりするのも無粋である。
ボイスレコーダーでも持ってこないととても補足しきれない。この辺りをメニューに全て書いておいて貰えると後から見返すのに便利なのだが。
一つ一つの料理を事細かに評価されている皆さんはどの様にされているのだろうか?

という訳で料理名は無し、メニュー食材から記憶を辿り感想を述べたい。

1. ビワマス、熟成芋、サフラン  
卵型の器に泡のサフランソース そこにジャガイモのムースにビワマスの魚卵が入っている。ソースは和の出汁。ムースは魚卵特有の匂いが気になったが味はとても優しい。細かに刻まれたジャガイモの食感がコリコリしていて楽しい。和の出汁の取り方が非常に繊細。添えられたジャガイモチップでビワマスペーストをサンドした物も芋の味わいとビワマスの旨味がよく合っていた。

2.貝、わさび、豆、海苔    
食花の下にホワイトアスパラと貝とそら豆が隠されており、藤田シェフ自らスープを注いでくれる。貝の旨みだけ濃縮抽出した様なスープ。スープ仕立てのサラダとでもいう様な感じ。これも和の出汁。吉兆とかで出てきても違和感なく頂ける。ご飯が欲しくなる。
添えに豆のタルトが出された。豆の優しい味わい早春の山里を想起させる。

3.鰹、新玉葱、山菜    
生の鰹が細かく切ったのを火を通した新玉葱で覆い隠され、玉葱のソースが下に敷かれている。これも味付けは和。食べ進めていくとハワイで食べたポキを思い出した。添えられたのは春の山菜コゴミのタルト。中に鰹の塩辛酒盗が入っている。これは完全に和食。酒盗特有の強い塩味と生臭さが、かなり際立っていた。ここは好みの分かれるところか?
私的には大好きな味。この辺りで猛烈に日本酒が欲しくなる。

4.春子、ホワイトアスパラ、青苺   
鯛の稚魚、春子の刺身に、軽く火を通したホワイトアスパラ、青苺を合わせたサラダ仕立て、これに、ホワイトアスパラのアイスパウダーが藤田シェフ自ら掛けられる。これも和テイスト、熟す前の青い苺は立派な野菜になる事が分かった。青苺独特の酸味が春子とホワイトアスパラのサラダにアクセントを添える。

5.猪、モリーユ、小芋、クレソン  
ミデアムレアの猪肉の上に、モリーユ、クレソンが添えられる。
モリーユの中にはマッシュされた小芋が入っている。仕上げに藤田シェフが猪のコンソメスープを注ぎに来てくれる。このコンソメスープが凄い、雑味無くクリア。全く脂が浮いてない純粋な猪エキスといった感じ。モリーユ(アミガサ茸)の中は空洞なのでマッシュ小芋が入れられるのだ。これとクレソンが猪コンソメに良く合っていた。

6.平目、ゴボウ、ワカメ、クロモジ   
火を通した平目に2種のゴボウが添えられる。平目は今流行りの低温調理か?半生っぽい見た目だがしっかり火が通っている。身はホロリと言うより、しっとりと弾力性を残しつつフォークで切れる。ソースは和風だが甘くない。魚でこの色のソースが合わせられると煮魚を彷彿させられるので、つい甘辛いツユを想像してしまうが、これは違った。平目の骨の出汁から作られているのか?クリアで旨味が濃い、それでいて優しいソース。

7.素麺、烏賊、ウド、紫蘇     
三和素麺に細かく刻んだウド、紫蘇が乗せてある。そこに藤田シェフからスープが注がれる。付け合わせに烏賊のミンチ、小枝が刺してある。サッパリした中に独特のコクがある。全体的に上品な味わいの中に何故か懐かしさを感じる味であった。

8.鴨、筍、黒麹   
鴨ローストにスープで下茹された筍と鴨ミンチの湯葉巻きが添えられ、湯葉巻きには葉山椒が乗せられている、そこに藤田シェフから黒麹のソースが注がれる。血の滴る程にロゼ色にレアローストされた鴨肉は絶妙な味わい。
最初、カカオソースかと思ったソースは黒麹のソースであった。黒麹はあまり甘味はあまりなくて酸味が立っていて鴨肉に良く合うとの説明あり。黒麹のソースは生まれて初めての味わい。筍、湯葉巻きともよく合っていた。洋の技法で何故か和を感じさせる。葉山椒など和のハーブを使っているからなのだろうか。

9.苺、リュバーブ   
苺のコンフィチュールに生リュバーブが添えられ上にはローズアイスクリームが乗せられている。生リュバーブは初めて食べた。
なんとも形容し難い味わい。ローズアイスと苺が良く合っていた。口腔内がさっぱり爽やかになる。

10.柑橘、フキノトウ、米  
柑橘はデコポン。甘く炊いた米の下にフキノトウとデコポンが入ってる。フキノトウの苦味と香りで、懐かしい少年時代の過去に暫しタイムスリップする。デザートにフキノトウとはイヤー参った降参!しかもしっかりと楽しめるスィーツとなっている。この発想力、どこから出てくるのか?

食後のドリンクは、ハーブティー、ほうじ茶、コーヒーの中から選べる。私は、ほうじ茶を選んだ。

12.茶菓子
黒糖をまぶしたナッツとフィナンシェ。フィナンシェは、わざわざわモミの木の実を乾燥させて粉にした物を生地に混ぜ込んだ手の込んだ物。黒糖ナッツは自然な甘さとナッツのコクを感じた。いかにも健康に良さそうな感じ。
モミの実フィナンシェは、ローズマリーの様な香りで、ほうじ茶にもよく合っていた。
この香りを表現する為に敢えて手軽なローズマリーを使わない処が藤田シェフ特有の哲学なのだろう。

         ⭐︎総評⭐︎

どの料理にも恐ろしく手が掛かっており、しかも素材の良さを最大限に活かしている。フレンチの定番バター、生クリームを使わないと言うのも良い。
胃にもたれないし、健康にも良さそうだ。
また、皿一枚一枚に盛られた料理達は美しくまるでアート作品を見てる様である。
藤田シェフの料理は過去経験したどの料理に被る処がない。どのレストランに行っても一、ニ品、食べた記憶のある味が出てくるものだがその様な料理は皆無であった。
見た目はフレンチでも味わいは和食のそれなのだ。但し付け焼き刃のナンチャッテ和食などでは無い。 
出汁の取り方からも藤田シェフは高い和食の技を持っていらっしゃるのがわかる。
有名懐石料理店でこちらの料理を一品目隠しして出されたら、全く分からないだろう。
洋食が苦手な方にも自信を持ってお勧めできるし、女子受けするのもよく理解できる。

仕上げのソースを藤田シェフ自ら各テーブルまで注ぎに来てくれるなど、料理に対する拘り方も半端ではない。
フレンチの手法で仕上げられたとは言え、和食材と和出汁の料理は食の和洋領域を超えたと言っても過言では無い。
藤田シェフ独自の境地を開かれたのだ。
守破離と言う言葉があるが正に「離」の段階に到達されたのだ。「藤田キュイジーヌ」とでも呼べる様な料理界の新ジャンルを作ってもおかしくない。

ガッツリフレンチのつもりで気合いを入れて食べに行かれると少なからずガッカリされる方がいらっしゃるかもしれない。
「藤田キュイジーヌ」を食べに行くつもりで出掛けて欲しい。

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  • シャンパーニュ アンドレクルエ 2014

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  • カトラリー ラギオールのナイフ

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2024/03/25 更新

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