2回
2022/12 訪問
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
ストーリーはふつふつと作り出されていく
大学の後輩にごちそうになった。
そんな夜があってもいい。
この数十年の間に、宮廷楽長は酒が飲めなくなった。
だからジンジャーエールを飲んだし、後輩には宮廷楽長がここで教わり、さんざん飲んだ酒を教えてあげた。
無色透明なその液体は、かつての宮廷楽長がまだイケイケの若造だった頃(そう、あの神の子のように)、ここでそう、いまの宮廷楽長くらいの歳の人が飲っているのをすごくカッコいいと思い、その人が帰ったあとマスターに「あの飲み物なんですか?」って聞いたものだった。
マティーニ・オン・ザ・ロック。
透明のオールド・ファッションに注がれた濃い液体。オリーブが刺さっている。
飲めばグラリと視界が揺れる。
手には三島由紀夫がある。
次第に酩酊していくのが分かっているから、慎重に読んでいかなければならない。
小説を書いていた頃のように、もっとこの素晴らしきBARの情景を書きたいが、スペースがない。
あの日から10年以上、浮世から離れる羽目になったけど、なんとかあの川を渡らずに戻って来れた。無駄だとは思ってないかな、あれは必然だった。
BAR武蔵、永遠なれ。
【室礼チェック】
ここは銀座の、かつての宮廷楽長の避難場所。
ここでいろんな本を読んでもはや図書館と化していたし、酒をここで覚えたし、ここで小説を書いたし、ここで苦しんだし、救ってもらったし。
だからこの宮廷楽長の、第二の家なのです。銀座の避難小屋。
【BGM】
無し。だが次第に、心地よい喧騒がよきBGMとなってくれる。知らぬ間にそうなる時間の流れは、ここにしかない。
あのね、たとえるとマイルスのNefertitiのような。
気づいた時にはもう手がつけられなくなってる感じ。
【トイレチェック】
そういえば、ここは宮廷楽長史上相当ハイレベルなトイレでした。トップ5に入る。
2024/04/26 更新
★★★
【再訪中】
最高