1回
2022/10 訪問
秀抜なる業と素材、駿河前天麩羅の体現。
・志村氏と天然鰻
・お弟子さんとメイクイーン
・静岡県産 落花生のすり流し
・真イカとハタのイカワタ和え、静岡県産 伊勢海老
・焼津産 クエのお造り
・焼津産 白メバル
・若インゲン
・静岡在来種 新レンコン
メゴチ
・富士山麓 ゴボウ
・焼津産 定置網アジ
・白ネギ、鰹節
・駿河湾産 白甘鯛
・朝獲れ野菜のサラダ (鰹スモーク、黒キャベツ、フィンガーライム)
・カボチャ
・焼津産 定置網イワシ
・白川の大甘鯛
・静岡県産 銀杏
・静岡県産 メイクイーン
・浜名湖産 天然鰻
・駿河湾産 天然海鰻
・焼津産 カサゴ
・静岡県産 ハツシモ
・天丼
・天バラ
天バラに出汁をかけます…
・冷たい緑茶
最初のセッティング
・静岡県産 落花生のすり流し
・焼津産 クエのお造り
・真イカとハタのイカワタ和え、静岡県産 伊勢海老
・焼津産 定置網アジ
・焼津産 白メバル
・朝獲れ野菜のサラダ (鰹スモーク、黒キャベツ、フィンガーライム)
・焼津産 カサゴ
志村氏
浜名湖産の天然鰻
志村氏と天然鰻
待合室
カウンターから
自慢の庭園
外観
2024/05/09 更新
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本日はこちらへ…。
静岡へ移住して1年半、やっとご縁があり念願の訪問です。ご縁と言っても、今回は自力でOMAKASE枠を射抜きました！食べ友さんと2人でお伺い、カウンター8席は当然の如く満席です。カウンターから見えるお庭が美しいですね〜、雰囲気も抜群です。今回のコース内容は以下の通り。
食材はほとんどが地場産、特に焼津のサスエ前田魚店から仕入れる最高級の魚介類で構成された天麩羅コース。
◆ おまかせコース 27,500円＋α
・静岡県産 落花生のすり流し
・焼津産 クエのお造り
・真イカとハタのイカワタ和え、静岡県産 伊勢海老
・焼津産 白メバル
・若インゲン
・静岡在来種 新レンコン
・メゴチ
・富士山麓 ゴボウ
・焼津産 定置網アジ
・白ネギ、鰹節
・駿河湾産 白甘鯛
・朝獲れ野菜のサラダ
(鰹スモーク、黒キャベツ、フィンガーライム)
・カボチャ
・焼津産 定置網イワシ
・白川の大甘鯛
・静岡県産 銀杏
・静岡県産 メイクイーン
・浜名湖産 天然鰻
・駿河湾産 天然海鰻
・焼津産 カサゴ
・天丼
・天バラ
〜別室へ移動 ※撮影不可 〜
・香駿 水出し冷茶、煎茶
・静岡県産ジャージー牛のジェラート、掛川産 サトウキビ
------- 以下 詳細 -------
最初に旬、地場産の落花生と魚介出汁を合わせたすり流し。落花生のコクのある芳しさが口に広がります。胃も温まり、受け入れ準備完了の合図。
まずは焼津産のクエのお造りを擦り立ての山葵で。キュッと締まった身、じんわり広がる旨み。今日の魚は間違いないな…と思わせる初手、さすがです。
続いては真イカとハタをイカワタで和えた肴と、軽く炭火で焼きを入れた捌き立ての伊勢海老。ほんのりとしたワタの苦みとまったりした真イカ、張りのある身のハタが合わさります。伊勢海老はプリッと深い甘み、そこに炭火の香りが後を引く逸品。天ぷらを口にする前から、既にノックアウト寸前…笑
ここからが天ぷら。油は太白胡麻油、温度の違う2つの油を用意していよいよスタート。目の前で繰り広げられる志村氏の揚げの手捌きは、まさに芸術の域です。シュワ〜ッと静かな揚げ音が心地良い…。
天ぷら1品目は白メバル。
たっぷりの大根おろしに、ジュッ…と置かれた白メバル。ホワッサクッスッ…と消えてなくなります。消えゆく余韻の中でも、白身特有の甘みが広がります。
天ぷら2品目は若インゲン。
朝獲れです、青臭さが無く、甘い。薄衣で、サクッと衣を感じつつも、素材の食感がよくわかる。
天ぷら3品目はレンコン。
静岡在来種の掘り立てのレンコンで、通常のみずみずしいシャクッとした食感とは違い、どちらかと言うとゴボウのような食感に近い。糸引きが強く、これが静岡在来種のレンコンか、とちょっぴり感動。
天ぷら4品目はメゴチ。
メゴチにしてはかなり厚みがあり、ホクッとした引き締まった身は、天ぷらと相性抜群。まさに天ぷらのために生まれてきた魚ですね笑
天ぷら5品目はゴボウ。
富士山麓で掘られた太ゴボウ、皮ごと揚げることで、良い意味での土の香りが際立ちます。ここまで香り高いゴボウもなかなか無いですね…、これも揚げ技術故の引き出し方か。
天ぷら6品目は、焼津の定置網でかかったアジ。
血合の断面が生えるスペシャリテ的な逸品。半レアな身は、まだ〆て数時間のため身の弾力がそこらのアジとは全くの別物。半レアだからこそ、キュッと押し返してくるほどの身の締まりが本当に美味しい。こんなアジの天ぷら、食べたことがないですね…。
天ぷら7品目、ここで少し趣向を変えて…。
甘い白葱に、口溶けの良い鰹節。限りなく薄衣の白葱ですが、薄い衣が水分を逃さずジューシー。
天ぷら8品目は、駿河湾産の白甘鯛。
松笠揚げのように、鱗をパリッと仕立てた逸品。白甘鯛はシュッ…と口の中で無くなるくらいホロホロ。やばいですね、駿河湾の白身魚、美味しすぎる…。
天ぷらを8品食べた後は、箸休めのサラダ。朝獲れのフレッシュな黒キャベツやグリーンリーフ、上からツブツブの爽やかなフィンガーライム、軽くスモークした鰹が添えられてます。ほのかな苦みが堪らないサラダです。
さて、ここからが後半戦。
天ぷら9品目はカボチャ。ホクッと、割としっかりした食感で、非常に糖度が高いですね。中心部の火入れが絶妙で、ねっとり感も引き出してます。
10品目は、朝獲れピカピカの焼津産定置網イワシ。最初の白メバル同様、たっぷりの大根おろしにダイブ！イワシ独特の風味がフワッと広がります。脂乗りも良く、もちろん臭みは一切無し。白身が続いたこともあり、途中で青魚を挟むと、より青魚の良さを実感出来ます。
11品目は甘鯛の中でも最高級"白川"の大甘鯛。
こちらも衣と共にシュワシュワと消えていき、余韻に上品な甘みが舌に残ります。もっと口の中にいてほしいのに…、そんな寂しさを感じざるを得ない逸品。
12品目、地物の銀杏。
やはり秋は銀杏、通常の銀杏は特有の苦みを感じることがありますが、この銀杏は甘さが全面に出ます。火入れでみずみずしさもキープ、さすがです。
13品目、野菜が続いてメイクイーン。
中盤から低温でじっくりと油に浸かってメイクイーン。お弟子さんが手渡しで渡してくれるワンハンドスタイル。ホックリ…ねっとり…、甘みはさつまいもを連想させるほど。皮目のパリッと感も素晴らしいですね。
メイクイーンの後は、なんと鰻が登場！
活鰻をその場で捌きます。さらに本日は浜名湖産の天然鰻に加え、駿河湾の海鰻も入っているとのことで食べ比べです。鰻の天ぷらってなかなか食べたことないかも…。
14品目、15品目で鰻食べ比べです。
最初は浜名湖産の天然鰻、ジュッ…とタレを垂らして山葵で…。締まりのある身、天然特有の香り、天ぷらで食べる鰻ってこんなに美味いのか！次に海鰻、厚みがあり、え！この大きさで1人分！？とビックリするポーション。浜名湖産とは、ここまで違うの？と感じるほど身の質感が違う。鰻というより、穴子のようなフワフワ具合。至福ですね…。
16品目、天ぷらラストは焼津産のカサゴ。
ここまで最高の白身を頂きました、そのトリを飾るのがカサゴ。皮目にあえて厚めに衣をつけることでサクサク感を、身は薄衣で口溶け感を、カサゴの白身だけれど強い旨みが、駿河湾の魚のポテンシャルの高さを示してくれます。
〆は天丼、天バラ、天茶から選べます。
欲張りなので今回は天丼と天バラを2種類頂いちゃいました！ご飯は土鍋で炊き立て、静岡県産ハツシモ。かき揚げはゴロッと入った小海老が存在感あり食べ応えあり。天バラは、最後に出汁をかけて頂きます。これも堪らないですね〜、サラサラ入っていきました。
〆の後は一旦お会計、処理をしている間に、自慢のお庭が眺められる個室へ移動。ここだけは撮影禁止になります。志村氏を囲んで、近い距離感でお茶を頂きます。
本日は"香駿"と呼ばれる茶葉を、水出し→煎茶の順で味わいます。甘くまろやかな味わいです。最後にデザート、ここで出てくるんですね笑 練り立ての県産ジャージー牛のミルクジェラートに、北限と言われる掛川産のサトウキビから作ったとうきび液糖をかけて頂きます。香ばしくも上品な甘さのサトウキビに、濃いミルク感が広がるジェラート。この日は天気も良かったので、涼しい風を感じながら至高のコースに終止符が打たれました。
ご馳走様でした。
私的天ぷら史上最高のお店になりました。江戸前で定番のキス、穴子、才巻海老、その他にも、ホタテやその他定番の野菜は使わず、あくまで駿河前を体現した地産地消のコース。揚げの技術も超一級、素材との一体感で共に溶けて消えるような天ぷら。重たさも皆無、胃もたれ等一切ありませんでした。かなりの予約困難店ですが、また機会があれば伺いたいですね…、はぁ…、幸せです。
※訪問時→評点 4.50