1回
2020/08 訪問
イタリアンという枠を超えた食べることの出来る芸術作品、千葉県の至宝とも言える店
今回毎年結婚記念日に使わせてもらっているお店がコロナの影響でテイクアウトのみの営業になっているため、最近千葉県でめきめきと頭角を現してきて、あっという間に千葉県ナンバーワンのお店となったイノベーティブイタリアンのお店、プレゼンテスギさんを選ばせていただきました。
こちらのお店は県道に佇みながらどこか静かでこじんまりとし、お洒落な雰囲気を醸し出す外観をしています。
内装も凄くお洒落で聞けば、外装や内装の塗装などは家族でやったそうです。凄く素敵な空間に仕上がっていてとても落ち着きます。
席に着き、まず目に入ってくるのはメニューです。こちらのお店は基本的にコースのみなのですが、そのコースに出てくる品がメニューの紙に記載されているのですが、これが結果的に良い意味で分かり辛くなっており、次に何が出てくるのかわくわくさせられます。
とりあえず僕達は飲み物を注文。僕はSugiのジンジャエール、妻はストレートデコポンジュースを注文。程なくして飲み物が到着しました。ジンジャエールは市販のものとは違い、カルダモンなどスパイスの風味が香る大人の味。デコポンジュースは果汁100%で非常に濃厚で甘くかなり美味しいです。
そしてコースの始まり。毎回必ず出るという【トマト飴】こちらはお祭りのリンゴ飴のあのわくわく感を感じさせるための演出だそう。
一口サイズのトマト自体は甘く、パリッとコーティングされた飴と共にコースの始まりを予感させます。
次の一皿は【フォアグラと人参のエスプーマ】こちらはフォアグラの濃厚さとしょっぱさ、人参の甘さ、乗せられたローズゼラニウムのゼリーの爽やかさが合わさって美味。
次の一皿は【ガストロパックしたイサキと茄子】こちらはイサキと茄子が新鮮で、この二つの風味が合わさって美味。
次の一皿は【ガストロパックした鰹、ビーツのピクルス、ヨーグルトソース】こちらは鰹が分厚く肉厚でとても新鮮。ただこちらはビーツのピクルスとヨーグルトの組み合わせは僕達には少しレベルが高かったかな。鰹が美味しいだけに、醤油系のソースで食べたかったかな。
ここで【焼きたてのクロワッサン】こちらは焼きたてを出す時間を考えて直前に発酵時間が終わるよう、時間まで考えられているそう。外側は極限までパリッパリッで、中は極限までふんわり。小麦の香りが本当に香ばしく、正直今まで食べたどのクロワッサンより美味しかったなあ。
ちなみにこちらのお店は夫婦二人で営まれていますが、恐ろしい程の手際の良さ。シェフ自ら料理を作り、料理を運び、各テーブルで料理のこだわりや説明をしっかりとしてくれる。提供時間もしっかりと考えられている。
素材は出来る限り地元の佐倉のものを使用しており、すっぽんやキノコなど自分で調達してるものもある。
食器にもかなりのこだわりがあり、スガハラガラスを始めさまざまな地の有名なお皿などが使われていて、食器を見るだけでも楽しめる。
さて次の一皿は【鱧のフリットとヤマドリダケ】こちらは今回のMVP。本当に美味しかった一品。サクッとした鱧の身は非常に新鮮でそして上品な味わい。ヤマドリダケの旨みと、添えられたマスタードソースとの味わいが最高の調和を生み出す。
次の一皿は【スッポンと鹿節のスープ】かなり珍しい取り合わせ。しかし私たち夫婦はすっぽんが苦手なようで、こちらの一品は生臭さが少しきつかった。
口直しに【檜とレモングラスのアイス】こちらはとても爽やかで、口の中がさっぱり。
次の一皿【玉ねぎのフラン、とうもろこし、パプリカとイタリアンパセリエキス】こちらは玉ねぎのフランが素晴らしくなめらかでとうもろこしが甘く美味。
次の一皿はメイン【八千代の黒毛牛のヒレ肉ステーキ】ほんのりとあたたかな牛ヒレ肉は非常に柔らかくそしてミルキーな味わい。牛肉なのにどこか優しい非常に美味な味わい。
自家製のパンを挟み、次の一皿は【自家菜園の野菜とスペイン産の飴?のサラダ】こちらは簡単に言えばサラダにドンパッチのようなパチパチっとする飴の粒が乗せられていて斬新な触感。シェフの遊び心が込められている。苦手な人は苦手かも。
次の一品は【めばちマグロの寿司】こちらはガストロパックしたマグロにサマートリュフが乗せられている。シャリはバルサミコが使用されていて正に外国版寿司。しかしこれが握りも含めて中々堂に入っている。マグロはとろりと濃厚でかすかなトリュフの香りと、洋風の味付けの酢飯が口の中で混ざり合って新しく素晴らしい味わい。寿司好きの僕も納得の一皿でした。
次の一皿は【フレッシュトマトのパスタ、羅臼のウニのエスプーマソース添え】こちらは冷製パスタで麺は太麺、トマトの酸味とウニの旨みが美味。
次の一皿はデザート【エアーアイス】空気をたくさん含ませたというメロンアイスは非常にふわふわで、本当に新食感。冷たくふわふわで口当たりは軽く、まるで雲を食べているような感覚で非常に美味でした。
次の一皿もデザート【わらび餅のニョッキ、桃のポタージュ、セロリのアイス】
こちらは中々にさっぱり。セロリが苦手な人にはきついかも。
最後の一皿は【イノシシのラードとどんぐりを使ったフィナンシェ】こちらはモアイの形をして石のような見た目で一見食べられなさそうである。しかし一口かじればしっとりとしていてケーキのようである。竹の炭が仕込まれており、ザクザクとした食感も素晴らしい。正にコースの締めくくりにふさわしい美味しさ。
最後にお土産の石鹸がプレゼントされる。
とにかく終始圧倒されっぱなしのコース。綺麗であったり面白い見た目、新しい味、新しい触感、初めての素材、初めての調理法や組み合わせ。3時間がまるであっという間、わくわくが止まらない食のアトラクション。
しかもこれだけのクオリティの素材や調理が使われた料理がこれだけ出て一人8000円(飲み物代は別)のコース。ありえない異常なコスパの良さ。都内だったらこのクオリティなら2万は取るところもあります。
そしてこちらはとにかく接客が素晴らしい。シェフは説明も丁寧でとにかく心遣いが素敵です。そして最後はシェフ自らお見送り……どころか誘導棒を持って県道に出る際の車の誘導までやってくれる。
結婚記念日という大切な日に、本当に楽しいひと時を過ごせました。ごっそさんでした。
2021/12/18 更新
一皿一皿にシェフの魂がこもった食べられる芸術作品。
2023/10/18 更新