11回
2023/04 訪問
春は蛍烏賊の一品が際立つ片折さん♡
大好きな片折さんに今年初の訪問。
今年は春と蟹シーズンにて予約を♪
この日は名古屋からのスペシャルゲスト様ご夫婦と共に四人でお邪魔しました。
この日はあいにくの雨模様で一日パットしない天気で小寒かったです。
今回は弾丸金沢(笑)で日帰りでした(笑)
ランチの12時一斉スタートに向け朝早く出発し予定通り到着。
入店し大将や女将さん、お弟子さんに挨拶を交わして着席。
皆さん揃った所で食事のスタートです。
それでは春の片折さんを堪能いたしましょう。
はじめに煎りたての玄米茶と酒坏を戴きます。
○手取川 大辛口 純米酒
すっきりミネラル感ある酒
○勝駒
すっきり旨味とミネラル感
○五凛 純米大吟醸
甘みとミネラル感で円やか
片折さんの日本酒ラインナップは片折さんの御料理に寄り添う繊細系でライトなテイストでありミネラル感が豊富な日本酒が多いですね。
○玄米茶
煎りたての玄米茶で胃にスイッチを入れます。
○よもぎ豆腐 よもぎ揚げ
新芽だけを摘み取り葛で仕立てたもちとろっとしたよもぎ豆腐をほんのり甘い出汁で戴くスタートの一品。
アクセントによもぎ葉揚げも。
新芽のみで作られたよもぎ豆腐は和えてよもぎの香りやエグミがなくクリアでした。
個人的にはよもぎらしさの香りが強いほうが好みですが美味な一品として片折さんらしさを感じましたね。
○一番だし
奥井海星堂の蔵囲利尻昆布と枕崎の鰹&鮪節で採った一番だしをお決まりのショットでまず戴きます。
今回のお出汁は昆布の香りが強く旨味=円やかな深みはいつもながらに舌にのってくる旨味と後味の余韻のパワーは片折さんならではでありやはり脳が刺激されるものがありますね。
☆ヤナギバチメ椀物
脂ののったしっとりもっちり香りのパワーあるヤナギバチメが主役となり昆布の旨味のきいた吸い地と戴くと一体感と味わいがふくよかになり脂の溶けた吸い地を再度戴くと円やかな旨味が口内充満し奥行き深い余韻にも浸れる椀物で美味!
白ネギと木の芽の爽やかさも後味をさっぱりさせてくれますね。
片折さんでしか味わえない吸い地を使った椀物を戴くとこれだけのために金沢へ来てよかったとつくづく感じます。
☆お造り
輪島塩&わさび、ちり酢をお好みで。
○ヒラメ
ほぼ半日程度しか寝かせないヒラメですが非常に旨味がのっており美味であるのはこの地ならではと片折さんの仕入れる食材のポテンシャルが高いからだとダイレクトに感じるヒラメで印象。
しゃくもちっとした食感で咀嚼すると旨味が舌にのってきます。
塩わさびがあいますね。
○さより
昆布締めされた分厚くぷりっともっちりしたさよりも中々味わえない品で印象。
ちり酢があいました。
☆和風紅ずわい蟹焼売 三つ葉 柚子
ほぼ繋ぎのない紅ずわい蟹の身が詰められたシュウマイは甘い香りと淡白な甘みで口内充満する美味なシュウマイで、三つ葉の刻んだものと黄柚子のアクセントが爽やかでした。
○青ばいがい
青ばいがいのお造りは初めて戴きましたがコリコリの歯ごたえが堪らなく水々しいですね。
○もんごういか木の芽味噌和え
もっちりと木の芽味噌の香りが長く塩梅が絶妙で、よくあるあまったるい木の芽味噌が苦手な私にとっては実に好み!
甘さが強いと食材が台無しになってしまいますからね。
とにかく木の芽の爽やかな香りのパワーが凄かったことも印象でした。
さっぱりした青ばいがいと濃厚なイカのお造りを交互に戴くもバランスがとれたお造りだったと感じます。
☆自家製カラスミ
ねっとり旨味あり日本酒のあてになります。
☆金沢春菊と椎茸の焼きびたし
春菊を焼き、軽く太白ごま油でソテーしたものと椎茸の焼きびたしの一品。
春菊を焼くという発想が新しく香りとごま油の旨味が染みた春菊のみでもインパクト大!!
更に椎茸の旨味とほんのり甘いお出汁で戴くと絶妙な一体感と円やかさが口内充満する乙な野菜の一品でとても印象に残りましたし勉強にもなりました。
こういう乙な一品にぐっとくるのが
いんですよね。
○のどぐろ レタス
しっとりふわっと口に含むとのどぐろジュース=旨味が口内充満し塩梅抜群で円やかでほんのり酸のある酢醤油が脂をきってしめてくれる味わいになっていて、添え付けのレタスの千切りのシャキシャキ感と青味との相性も良く纏まりがありました。
御料理は脇役も重要でありシンプルな一品ほど誤魔化しがきかないことを片折さんの御料理を戴くと常に感じます。
自分の料理も主役に対しての脇役の付け合せは考えて作るのでそういうところにも細かい仕事を感じますね。
たまに出会う無意味な映えねらいの飾りは私の中では邪道です(笑)
☆鱒寿司 卵醤油漬け 新生姜べっ甲煮
片折さんの鱒寿司食べてみたかったんです。
シャリと鱒、薄板昆布、間に酢蓮根スライスと胡麻が挟まれた鱒寿司がシンプルに美味しく間に挟まれた酢蓮根の食感と酸味が纏まりや五味を整えてくれてイメージです。
そして脇役の新生姜のべっ甲煮と卵の醤油漬けがまた大活躍してくれ、少しの量をちょっとずつかじり鱒寿司と交互に戴くのが醐醍味だと感じました。
こちらについても脇役である卵と生姜に仕事を感じる一品でしたね。
☆白エビあられ揚げ 朝採れアスパラ
ザクザク香ばしい香りのあられ衣の中に豊富な白エビがたっぷり詰まっておりほんのり火が入ることにより白エビの甘みや香りがより引き立った味わいでしたしあられ揚げの香ばしさと旨味との相乗効果により白エビがより美味しくなるポテンシャルを生かされた仕事を感じました。
朝採れの焼きアスパラのしゃきっとしたみずみずしさと甘みに決め手となる旨味ある銀餡が絡んで絶妙な一体感が醸された一品でした。
白エビのあられ揚げは去年も戴いた記憶ですがやはり印象に残りますね。
あのときの脇役はさやえんどうの千切りでした。
☆蛍烏賊しゃぶしゃぶ
この時期のハイライト的な一品でもある金沢だからこそできる御料理!
活きがよく生きた新鮮な蛍烏賊を目の前で下処理し大将がしゃぶしゃぶして提供してくださいます。
ぷっくりした蛍烏賊を咀嚼すると味噌の旨味と鮮度よき蛍烏賊の香りが口内充満しとても柔らかい食感にも驚かされます。
驚いたのはあの薄い透明な背板も一緒に戴いても違和感がないこと。
これも鮮度命であることを証明させられる要素だと聞いて知り勉強になりましたね、
脇役である菜の花の出汁びたしのお口直しと共に戴くとよりふくよかな味わいになり纏まりを感じましたね。
やはり片折さんの蛍烏賊の一品は皆さんに絶賛されることありありだと今回で2回戴き確信しました。
☆加賀蓮根蒸し
もっちり感ある蓮根蒸しとふわっとしっとりした鰻の蒲焼を旨味あるほんのり甘い鼈甲餡に山葵のアクセントで戴く食事前の煮物の一品。
正に塩梅抜群の鼈甲餡が決め手となった一品であり熱々感もありほっこりさせられる一品でもあります。
とろみをおびた餡の一品ってベースのお出汁がダイレクトに舌に伝わってくるので塩梅もいかに大切なポイントになってくるかと感じます。
そして〆の御食事へと移ります。
☆ご飯
○なめこ味噌汁
○八幡巻き
○香の物
まずはシンプルな白米が美味しい!
なめこ汁はいつもお代わり(笑)
八幡巻きや香の物もいつも安定感ある美味しさです。
☆鱒の漬け丼
漬け加減抜群!
☆稚鮎の天丼
サクフワ衣を纏った稚鮎の旨味とタレの塩梅が絶妙な天丼!
☆ぶり味噌ご飯
ぶりの身を内臓と大豆であえたというぶり味噌と身を混ぜたフレークで戴く丼。
正に大豆の旨味と鰤の旨味の溶け合ったフレークでしたね。
☆桜餅
ほんのり温かいできたての桜餅の中に甘さ控えめな能登大納言小豆のこしあんが絶妙なバランスで入っている桜餅で無茶苦茶美味しい!
桜の葉の中心の筋もしっかりとってある仕事がしてあるため戴いたときに歯切れよく筋が残りませんでした。
流石、茶菓子にまでも細かな仕事を感じましたね。
この仕事に気づけたのもご一緒したゲスト様が教えてくださってのことでした。
今年初の片折さん。
今回はスペシャルゲスト様と四人での訪問でしたが食事中も非常に勉強になるお話を多々聞け充実した時間が過ごせましたし、片折さんならではで味わえる季節を感じながら旬の地の食材のポテンシャルを生かした調理により仕立てれた御料理を戴きながらの食事はいつもとても非常に感慨深い時間となりますね。
大将の常に食材に対する追究心と訪れるお客様全ての方に満足してほしい、幸せを感じてほしいという真心が御料理からいつお邪魔しても伝わってくるからこそ幸せな気持ちに満たされるのだとつくづく感じます。
いつも感動域の御料理が戴ける大好きなお店です。
ごちそうさまでした。
次回は蟹の時期が楽しみです♪
2023/04/12 更新
2020/07 訪問
最高の食材を最高潮で味わえる名店
昨年11月、身震いするくらいの感動を覚えた金沢の和食、「片折」さんに再訪しました。
お久しぶりの金沢はコロナの影響で茶屋街も人気がほとんどなく寂しいものでした(>_<)
が、有名店は県外からのお客様のみでこの日も満席。
ものすごく謙虚で丁寧な大将、そして新しくお弟子さんお二人も入られたようで、現在、奥様がご懐妊され出産にあたり休養されているため三人体制でお店は回されています。
お弟子さんお二人も各自分の担当を淡々とこなされていて、接客もきりっとしていて無駄な動きやそそもなくオペレーションもしっかりしているなと感心しました。
一斉スタートの時間前に皆さんお揃いで順に入店し席へと案内されました❤
私たちは調度カウンター真ん中の特等席に通され嬉しい❤
大将はすっかり私たちのことも覚えていてくださり優しいもてなしのお言葉を戴きこの時点で一気に心が和みましたよ。
お客様一客一客に丁寧に挨拶され温かい蒸しタオルを首にあてリラックスしてからの食事のスタートとなります。
以前は待合室で行いましたが今はコロナで?実際着席してからでした。
そして感動する究極の引き算方式のコースのスタート。
初訪問時、片折さんの一番出汁が飲めただけでも金沢にきた甲斐があったと感動した一番出汁。
目の前で感動の一番出汁が出来上がるプレゼンから始まりまずはショットグラスでお出汁のみを味わいます❤
うわぁ(*´ω`*)
あの時の感動が甦り脳が一気に覚醒しました。
ものすごい昆布の旨味と香りが舌の奥で広がった後、追ってくる鰹の香りが鼻から抜ける究極の一番出汁。
ずっと昆布の旨味=甘味が舌の奥に残ります。
片折さんならではの唯一無二の究極のお出汁です(*´ω`*)
鰹節は鹿児島枕崎(一本釣りなため乳酸がたまりにくく雑味の少ない節)、昆布は利尻、水は地元の軟水(水も変えられたそう)。
塩はほぼ使わず昆布本来の持つミネラルで輪郭を醸し出しているこのお出汁こそが片折さんオリジナルブランドともいえる黄金出汁なんですよね❤
このお出汁を引くことができるようになったのもどれだけの試行錯誤をしたものかと考えると圧倒されます。
そして流石だと思ったことはその時期に合わせた昆布出汁をひかれているとのこと。
その日その日で日々気候や温度や湿度も変わりますからそれに合わせてぶれのない、適切なバランスでお出汁をひかれているのだそう。
これは完全に勘の世界ですね❤
この日は暑い時期の夏でしたから前回と違いを感じたのは冬の寒い時よりさっぱりした旨味の一番出汁でした❤️
このお出汁は次に出てくる椀物の輪郭にもなるわけですから重要ですよね❤
やっぱりお出汁のみ戴いただけでも片折さんにきた甲斐があったと改めて感じました❤️
二度目の片折さん。
やはり私の中では唯一無二の和食店に変わりありませんでした。
究極の引き算式料理を、大将がつちかった技量と食材への目利きにて計算された一品を作り上げる。
素材の持つポテンシャルを最大限に引き出すように完成されたお料理の数々が味わえるお店として今現在すでに全国の食通の心を震わせています。
片折さんはお人柄も本当に素晴らしくどんなお客様にも謙虚で真心あるおもてなしをされることも私は尊敬します。
ごちそうさまでした❤
次回は二度目の蟹祭り、12月の訪問です。
楽しみにしています。
2020/08/10 更新
2019/11 訪問
最高潮の一番出汁❤️
金沢トップの和食、片折さんにご縁でお伺いできることになり初訪問しました。
今回の金沢トリップはこちらのお店がメインでした❤
凄いお店だという存在は知ってはいましたがまさか行けることになるとは思ってもいませんでしたし伺えることになった時期が私の大好きな蟹の時期にあたりかなり楽しみにしていました。
片折さんは有名シェフのカンテサンスの岸田さの心をも動かした凄腕大将です。
そしてオープンして一年半ほどで既にかなり予約困難店となっています。
店内はカウンター7席ほどのこじんまりしたシンプルな木造の空間でこの日のゲストは5名、一期一会のメンバーで終始楽しみました(о´∀`о)
17時~と20時~の二部制で今回は遅い20時スタートの二部にお伺いしました。
早めにお店に着くと待合室がありおしぼりとお茶で事前おもてなしして戴けます❤️
女将さんの案内で待合室から移動し、席に着きお酒を頼み食事のスタートです。
調度蟹解禁日の次の日の訪問で蟹コースを満喫しました。
片折さんは目の前で濾された一番出汁のみ味わうところから始まりますがこのお出汁に物凄い衝撃を受けたのです。この黄金色の澄んだ出汁を一口含んだ瞬間脳に物凄い衝撃が走りました‼️
円やかで舌の上でじわーーーーっと旨みが広がり飲んだ後もずっと心地よい旨みの余韻が後をひく感覚に唸りました。
香りは上品な鰹の香り、そしてこのとてつもない旨みは昆布の旨み、甘味なんですよね。
そして塩も全く使用せずここまで輪郭あるお出汁であることにも驚きでした。
これは衝撃で感動的すぎました。
この感覚、お出汁は人生初です。
私の大好きな和店の滋味深い旨みのお出汁ともまた別物❤
大将曰くこのお出汁の秘訣は使う水と昆布、そして抽出の仕方によると教えてくださいました。
何から何までこだわり持って作り上げた賜物のお出汁ですね(о´∀`о)
片折さんならではのブランド出汁と言っても過言ではないと思います。
私はこの時点でこのお出汁を飲めただけでも片折さんに来た価値があると激しく感じました。
素晴らしいと込み上げてくる感動で身震いしちゃいました。
その後出汁のみで衝撃を覚えたところに先ほどのお出汁を使用した蟹真丈がでてきたましたがまたもや衝撃が走りました。
つなぎをほぼ使用しない毛蟹真丈が猛烈に甘い‼️
ここまで身が甘い毛蟹は初めてかもです❤
どこまでも蟹が甘くそして香り高い‼️
アロマも半端なかったのです。
最高の真丈と最高のお出汁で奏でるスペシャルな椀物にまとまっていていつまでも味わっていたい‼️
これは正しく私自身が溺れそうな余韻に浸れる感覚に陥る衝撃の椀物でした。
訪問前から既に度肝を抜かれることは予測してましたが本当に感動という言葉がぴったりでシンプルに最高の食材を使ってその素材の持ち味を生かし、最高の状態で食べさせて戴ける。
それは旨みや食感もそうなんですが、肝心なのはアロマ‼️
主役となる食材のアロマを最大限に感じられることが感動に繋がるんだと感じました。
これって私的に思うのですが、ボニュのお料理にも結びつく要素が一部あるんではないかと思うのです。
来栖さんが美味しくするのは誰でもできるとおっしゃってましたが本当にその通りかと思うのは、旨みだけでは物足りない。肝心なのは料理にアロマがあるかどうかかということ❤
片折さんのお料理にはどの一品にもきちんとアロマをはっきり感じられるのです。
改めてお料理にはアロマが大事なんだと思いました。
そして片折さんの凄いところはお料理の輪郭を出すための塩味を調味料に頼らずできるだけ食材自身の持つミネラルを調理により引き出しお料理として仕上げていること。
そこにも私は感動と驚きを覚えました❤
これは本当の意味で完成された引き算式の和食ではないのかなとも思います。
シンプルな一番出汁を戴いたときに激しくそう思いました。
コースを通して新たな和食のお出汁使い、抽出による感動を発見できるきっかけとなり、よいご縁で来年の訪問のきっかけもでき楽しみが増えました❤
ごちそうさまでした(о´∀`о)
2019/12/07 更新
金沢の大好きな和食、片折さんに今年初の定期訪問。
この日は県外のスペシャルゲスト様御夫婦をお誘いしての四人会にて♪
4月の時期といえば生の蛍烏賊しゃぶしゃぶ♡
去年もスペシャルゲスト様とお邪魔しましたがやはり好きですね。
今年は全て夜席でお願いしたのでゆっくりできます。
17:30一斉スタートに向け入店。
大将や女将さん方に挨拶を交わし着席。
皆さん揃ったところで食事のスタートです。
それでは片折さんを堪能しましょう♪
◯勝駒
芳醇フルーティでさっぱり辛口のミネラル感
◯竹葉 ぷろと
芳醇で甘み旨味あり、酸とミネラルがきってくれるほんのり甘口酒。
◯羽根屋
芳醇すっきり、ミネラル感がきってくれます。
☆春野菜と甘鯛の甘酢餡掛け
酸味あるすっきりした甘酢餡が決め手となり、うるい、コゴミ、人参、春赤いも、三つ葉、蕗の薹素揚げのアクセントで戴くスタートの一品。
皮はぱりっと香ばしく身はほろっと甘く溶ける食感の甘鯛が印象♪
追って春野菜や蕗の薹の苦みの余韻がエッジを立たせ甘みの少ない甘酢餡とのバランス、塩梅がバッチリなスタートの一品でした。
☆一番出汁
片折さんの一番出汁は昆布の旨味がガッツリ!!とろっとした旨味が舌にまとわりつき追って昆布の香りが鼻から抜ける片折さんならではの黄金出汁に今年も出会えて幸せ♡
ここまでとろみのある一番出汁は他では出会ったことがありませんしだからこそ個性も感じますね。
このショットで一番出汁を飲む体験はこうして何度か戴いても初訪問時の感動を思い出させ記憶がフィードバックされる瞬間でもあると同時に片折さんにお邪魔できる幸せを体感する瞬間でもあります。
☆おしろい豆腐と小鯛、青さ、春風大根と木の芽のアクセントで戴く椀物。
昆布出汁の旨味ととろっと滑らかなくちどけの胡麻豆腐(この食感がポイント)の旨味を舌に纏わせ小鯛を崩して戴くと一体感と味わいのふくよかさが産まれる椀物。
追って青さの香り、春雨風のラディッシュのシャキシヤキ感と木の芽の爽やかさが余韻を長くさせてくれる椀物として纒まっていました。
正に吸い地と椀種のマリアージュなる椀種ですね。
☆お造り
チリポン酢と造り醤油をお好みで
◯ヒラメ 縁側
しっとり今日寝かせのヒラメは甘く、塩山葵が美味。縁側はチリポン酢で。
◯真鯵
ぷりっとしっとり脂ものり、甘めな醤油と山葵が◎
☆蟹焼売 三つ葉
蟹の甘みと香りをダイレクトに味わう繋ぎのほぼない蟹身のタネを包んだ焼売でありうす皮は包みこむためのまとめ役。
三つ葉ピュレの青味のアクセントが美味に纏まります。
☆柳鰆のたたき
海苔、茗荷、山葵、あさつきの薬味で戴く一品。
軽く炙った半レアの鰆をさっぱりさせる薬味とで戴き口内をクリアな余韻にしてくれました。
☆柳八目(ウスメバル)の塩麹焼き 隠元胡麻和え
添え付けの黒ごまの香ばしい旨味ある隠元の脇役がインパクト大!
隠元のシャキシャキ感も心地よくこの脇役のみ一品で出されても満足する、無限おつまみにしたくなりますね。
ポイントは隠元のシャキシャキ感とジューシー感にほんのり甘い出汁醤油との塩梅、香ばしくパワーある黒胡麻の旨味が見事なバランスだから生まれる美味しさかと思います。
こういう何気につくお野菜が印象深いところに大将の細かい仕事を感じますね♪
主役のメバルも脂がのりハリがあり皮を剥いだのとによりふんわりほろっとほどける身の柔らかい食感に決め手となる塩麹の旨味との塩梅もばっちりでした。
☆蛍烏賊しゃぶしゃぶ
これこれー!!
とこの時期のお目当てはやはり鮮度抜群の蛍烏賊。
しゃぶしゃぶする前の活き活きした蛍烏賊をお披露目してくだりテンションアップしますね。
しゃぶしゃぶされた蛍烏賊はぷりクチュっと!ハリとしなやかさと柔らかさがまるで違う食感と肝のクリアな味わいは鮮度命が物語るしゃぶしゃぶで美味!
蛍烏賊の食感と肝の透明感あるクリアな旨味をダイレクトに感じるこの時期のスペシャルな一品でやはり外せませんね(*´ω`*)
☆のど黒蒸しずし 錦糸卵 百合根と梅肉 木の芽
以前戴き印象だったのど黒蒸寿司の仕立てが変わりました。
以前は自身で身を崩しながらシャリに馴染ませ戴きましたが、今回は初めから崩しフレーク状にしたものをほんのり温かいシャリ全体に馴染ませた状態で提供されていたことにより、シャリの予熱でのど黒の脂=旨味が溶け、満遍なく米をコーティングさせより一体感の生まれる蒸寿司として口内で纏まりまたまたインパクト大の美味しさに繋がりました。
シャリ自体も甘さが際立たず甘酸っぱいガリの刻んだものがまた味わいのエッジ=輪郭を醸した味わいになっており美味。
アクセントの百合根の甘みに梅肉の酸味、木の芽の爽やかさがまた口直し効果にもなり交互に戴いて醍醐味を味わえました。
☆木の芽味噌田楽
爽やかで甘辛さ加減が絶妙なほうれん草を合わせた木の芽味噌の爽やかさが決め手となりきめ細かで滑らかな豆腐にソースのようにナチュラルに馴染む一体感が堪らない田楽の一品としてインパクト大!
田楽は飲み物です!!
と言いたくなるような口溶けにも印象でしたしよくある蕗の薹味噌や木の木の芽味噌のような甘辛さが面にでるような味噌で食べる田楽というよりほうれん草を利用し木の芽を合わせた味噌が面にでない調味が淡白な豆腐とナチュラルに融合した感覚にも感じる田楽でしたね。
先日の本湖月さんの蕗の薹田楽も印象でしたがそれを上回る美味な田楽の一品としてとても印象に残りました。
☆桜鱒もクレソンの湯葉巻き アスパラ炭火焼き
クレソンが主役となるような味わいで脂ののった旨味ある桜鱒は繋ぎ=ソースのように馴染む一体感が素晴らしく、湯葉のぱりっとした食感と油感が一品のエッジと輪郭を醸した湯葉巻き揚げの一品としてまとまっていました。
☆サヨリ昆布締め 菜の花辛子和え ハリウド
ぷりっともっちりハリのあるサヨリにハリウドの塩気とシャキシャキ感が相まり美味。
脇役の菜の花も抜群の塩梅で地味に美味しい一品でした。
☆お食事
◯白米
◯稚鮎天丼
◯鯵の漬け丼
◯卵おかか丼
◯ミンククジラの味噌汁
◯八幡巻き
◯香の物
しめの炭水化物祭りは白米から♪
大好きな天丼は好物の稚鮎でありおかわりも♡
そして鯵の漬け丼に平飼い卵おかかご飯と一通り全て戴き大満足♪
ご飯のお供の大好物の八幡巻きに香の物、珍しくクジラのお味噌汁も脂の旨味が溶け甘みあり美味しい♪もちろんお代わりもしました(笑)
☆おこげ
バリバリボリボリ超クリスピーなおこげをとどめに(笑)戴きました。
☆桜餅
☆お薄
ほんのり温かいできたての桜餅は甘さ控えめのこし餡が決め手となり皮のもっちり感と筋をとった桜葉の香りと塩気がよき塩梅となった茶菓子で美味。
お薄でしめ。
今年初の片折さん。
やはり蛍烏賊、春の時期は外せないお邪魔したい時期ですね。
去年も4月にお邪魔しましたが、新たに出会えた一品や、進化を感じる一品など、素材の持ち味を生かした最低限の調理、調味というベースは変わらないものの、その中でも更にポテンシャルを生かされたと思わされる食材の組み合わせや塩梅を確実に微調整されているなということも同じ月に行った経験があるからこそ認知できる事かと思います。
また主役の食材に対しての乙な脇役にもぐっとくる儚い美味しさのある一品が多々コース通して戴けること、コースの流れにもアップダウンがしっかりあることがより全体的な満足度アップにつながると感じます。
大将の目にみえない緻密で繊細な仕事=愛を感じる御料理が堪能でき幸せな気持ちでいつもお店を後にできることができ、スペシャルゲスト様にも満足戴け共に楽しむことができました。
ごちそうさまでした。
次回はまた別のスペシャルゲスト様とお邪魔しますが楽しみにしています♪