7回
2024/03 訪問
カリカリ鶏定食は新感覚
色々と試行錯誤を重ねておられるこちらのご店主、スープカレーの販売中止をインスタで告知されたのが今年の1月8日。それからほぼ2か月、店名を「みそ汁カフェはちどり」にして、具だくさんなお味噌汁、おにぎり、そして定食ものを軸に、早朝から営業する業態で頑張っておられる。
この日は平日、11時半にお店に伺った。先客ゼロ。
まだ食べたことのなかった鶏の生姜焼き定食を食べようと思ってやってきたのだが、カリカリ鶏定食という新メニューが出ていた。ご店主曰く、今は生姜焼きよりカリカリ鶏定食の方がよく出ていて、今後は鶏料理は生姜焼きに代えてカリカリ鶏定食に絞ろうと思ってらっしゃるとのこと。そこまで言われては食べないわけにもいきますまい。ということで、カリカリ鶏定食1,500円(ご飯大盛り無料)、肉5割増し(+100円)をオーダー。
18分後にお料理到着。メインのお皿の上には「カリカリ鶏」のほかにサラダ(キャベツの千切りに鰹節を掛けたもの)、ブロッコリーを揚げたもの、玉ねぎを揚げたもの、豆腐を揚げたもの、卵焼き、そしてお豆。サイドとして漬け物、オカラとコンニャクの和え物。そしてご飯にお味噌汁という構成。
まずはカリカリ鶏を一切れいただく・・・うん、美味しい。鶏肉を揚げた後に比較的薄めにスライスしたもので、表面はカリカリだがお肉自体は少しジューシーさを保っている。ご店主曰く、レアっぽく仕上げることを意識しつつギリギリまで火を入れているとのことで、カリカリという商品名に少し引っ張られ過ぎだったなと思った次第。
ソース代わりの黒っぽいものは玉ねぎとネギをニンニク、ショウガ、胡麻油、醤油で炒めたもの。青森のニンニクと高知のショウガを使っているとのこと、国産であるというだけでなく、どちらも名産地。素材に妥協しないご店主のこだわりはスープカレー時代から変わらない。ちょっとだけ油淋鶏のイメージとはご店主の弁だが、確かにそのニュアンスはあるものの、とはいえ、油淋鶏ほど水分が多くないし、酢の感じもしない。鶏の唐揚げとも油淋鶏とも違う、新食感な鶏料理である。
ご飯は玄米ご飯で、かなり硬めに炊かれている。おにぎりにすることも念頭に置いているからであろうか(個人的にはもっとしっとりしているご飯のほうが好きなのだが)。お味噌汁は相変わらず具だくさんで、出汁がしっかりと効いた深みのあるもので、さすがの美味しさ。
どことなく素人っぽいというか、そういう素朴さがあるのだが、お味はしっかりとしているし、しかもボリュームもしっかり。これで1,600円、満足度の高いランチであった。
2024/03/05 更新
2024/01 訪問
汁カフェに業態も店名も変更
色々と試行錯誤を重ねておられるこちらのご店主、前回の訪問時に、店名を「汁カフェはちどり」に変え、味噌汁メイン(スープカレーはサブ)のお店に業態を変えておられたことを投稿したが、今回伺ってみたところ、なんとスープカレー自体をやめてしまっていた。ちょっと残念である。
さて、業態転換後は朝8時から午後3時まで営業していらっしゃるとのことだったので、この日は(ランニング大会に出かける前に)朝食をいただくべく午前8時47分にお店に到着。先客は若い男女2名1組。自分は「おにぎり」を二つ(梅シソおかか300円と焼きたらこ500円)と「みそ汁」レギュラーサイズ400円をオーダー。トマトジュースかリンゴジュースがサービスでつくとのことだったので、トマトジュースをチョイス。
ワンオペで相変わらず丁寧にイチからお料理を作り始めるご店主、先客に料理を出した後、自分の「おにぎり」を作り始め、9時16分に自分に到着、ほどなくしてお味噌汁も到着。お正月だからだろうか、オマケのサイドディッシュとして黒豆とオカラも出していただいた。
おにぎりは玄米(あるいは玄米が混ざった白米?)を握ったもの。コンビニのものより一回り大きい感じで食べ応えがある。二つも食べれば朝食には十分。焼きたらこは少しだけバターを隠し味に使っているとのことで、コクのある美味しいものであった。
自慢のお味噌汁は以前と少しテイストが変わっていて、少し白味噌寄り。もう少し熱めにしてもらうと自分の好みだったかな。あいかわらず具材たっぷりで、満足度の高いお味噌汁である。
2024/01/13 更新
2023/11 訪問
汁カフェに業態も店名も変更
色々と試行錯誤を重ねていらっしゃるこちらのご店主ですが、この日伺ってみたところ、様相がまた大きく変わっていた。変更点は下記のとおり。
◯店名が「汁カフェはちどり」に変更された
◯スープカレーも出す定食屋(とはご店主の弁)になっていた
◯味噌汁がメニューのトップに上がっていた
◯朝8時からの営業となっていた
定食には生姜焼き定食と焼き魚定食とがあり、他にも親子丼、チャーハン、おにぎりが新メニューとして追加されていた。生姜焼き定食は(いかにもこちらのお店らしく)鶏もも肉を使ったものだそうで、興味はあったのだが、この日はスープカレーを食べるつもりでやってきていたので、初志貫徹でスープカレーを頂くことにしつつも、まずはお味噌汁を一杯頂いた。レギュラーサイズが400円、ハーフサイズが300円とのこと。自分はレギュラーサイズを頂いた。
ほどなくしてお味噌汁が到着。普通の大きさの汁椀に具だくさんのお味噌汁。具材は大根、ワカメ、ネギなど実にスタンダード。塩分強めのしっかりしたお味のお味噌汁で、なかなか美味。塩分強めなのでごはんと一緒に頂いた方が良かったかもしれないと思いつつ、スープカレーの到着を待つ。
相変わらず丁寧に調理するご店主。様々な種類の野菜をひとまとめにして揚げるのではなく、一つ一つを丁寧に揚げておられる。
この日頂いたスープカレーは「頂点」2,600円。写真を撮り忘れたが、チキンに加えてたっぷりの揚げ野菜。辛さは普通、スープ大盛り、ライス大盛りでお願いした。スパイス感もしっかり、出汁感もしっかりとあるスープは相変わらず美味だ。ライスは(定食屋も始めたので)白米100%に変わっていた。
ちなみにスープカレーのメニュー構成も少し変わっていた。ライス大盛り無料という点には変わりはないが、スープカレーのうち「頂点」2,600円と「極み」3,600円についてはスープ大盛りも無料で、かつこの二つにはサラダも無料で付いてくる。
「頂点」2,600円とお味噌汁400円をオーダーしたのだから3,000円のはずだが、「ランチ価格です」とおっしゃって2,900円にしてくださった。ありがたし。
火曜日に発酵系のカレースープを、金曜日に海鮮系のカレースープを出すという新しい試みも楽しみにしていたので、それがすぐに終わってしまったのは少し残念だが、次回は鶏肉の生姜焼きを食べてみようと思う。
2023/11/24 更新
2023/10 訪問
とても研究熱心
インスタでこちらのお店のアカウントを見たところ、火曜日には鶏モツ系/発酵系のスープカレーを、金曜日には魚介系のスープカレーを出すことにされたようで、この日は発酵系ということで札幌味噌スープカレーを出すとのこと。ご店主は札幌味噌ラーメン好きが高じて札幌の大学に進学されたほどの札幌味噌ラーメン好き。味噌ラーメン好きの自分としては強く興味が湧いたので、先週に続いての訪問である。
火曜日の午前11時50分にお店に伺ったところ先客ゼロ。カウンターの一番奥の席に着席する。ちなみに後客は1名。
厨房内に貼ってあったメニューによると・・・
+++
火曜限定 札幌味噌スープカレー
みそ 2,000円
みそ野菜 2,500円
バター 100円
コーン 200円
鳥チャーシュー増し 300円
+++
とある。
基本の「みそ」だと具材はモヤシと鶏チャーシュー。鳥チャーシューはモモ肉とムネ肉の2種類。「みそ野菜」は基本の「みそ」に野菜数種類の素揚げがトッピングされたもの。どちらにするか悩んだのだが、札幌味噌ラーメンへのオマージュなのだから、素揚げ野菜のない基本の「みそ」をチョイスして、鶏チャーシュー増し、スープ大盛り、ご飯大盛りにした。
ご店主が調理しながら色々と丁寧に教えてくれたところによると・・・
◯味噌は信州の味噌、焼き過ぎると味噌の香りが飛んでしまう
◯モヤシは炒める
◯鶏皮を炒めて鶏油の役割を担わせる
◯札幌味噌ラーメンらしいインパクト感を出すためにラードを追加
◯隠し味になんとタラコを追加するという贅沢
さて、着丼。まずスープを啜る・・・なかなか濃厚である。ラード由来の少しトロリとした感があって、味噌の薫りがガツンとしっかり、ちょっと「すみれ」系の雰囲気。とはいえ、ご店主は「すみれ」系にはハマらなかったようなので意識していないと思われる。当然のことながら、こちらのお店は豚骨を使って出汁を取っているわけではないので「すみれ」系譜とはもちろん異なる。生姜も使われていないしね。
スープの中に麺がないので、札幌味噌ラーメンのようにモヤシがスープの上に顔を出していないが、それなりの量のモヤシがある。引きずり出して食べてみる・・・けっこうしっかり炊かれた感じで柔らかく、自分の好みの仕上がり。
鶏チャーシューは前述のとおり2種類。モモ肉はしっかりと煮たもののようで、かなり濃厚なお味でインパクトがある。それに対してムネ肉はサッパリとしていて、全体的に濃厚なお味のものが多いなかでアクセントとしていい役割を果たしている。
器の底の方には結構な量のタラコが。改めて、タラコに由来する塩分その他の栄養素が背景で活躍していたことを認識する。
ちなみに、お試しということでバターとコーンを少しずつサービスで加えてくださった。昔ながらの札幌味噌ラーメンらしさを少し感じることができた。
最後に、前回訪問時にはご飯は白米であったが、今回は玄米(?)が混ざったものであった。
味噌とカレーの共演という意味ではこれからも進化させる余地が大いにありそうで、今後も火曜日に提供されるのであれば、ぜひ定点観測していきたいと思う。
2023/10/31 更新
2023/10 訪問
スパイシー感しっかりのスープカレー
3か月前に訪問したときには「世田谷チキンスープ研究所」という屋号だったこちらのお店だが、今回伺ったところ「はちどりカフェ」に屋号を変更されていた。
平日のランチタイム、11時48分に入店。先客はゼロ、後客は2組3名。そしてテイクアウト待ちのお客さんがもう1名。
昨今の多くの札幌スープカレーのお店が昆布や魚介などの和食で使われる出汁を比較的多く使うのに対して、こちらのお店はスパイス重視で、出汁として使っているのはチキンと昆布だけのようである。
スープカレーの選択肢は下記の5つ。前回訪問時から少し変わっていた。また、全体に200円〜300円ほど値下げされていた(ミニサラダが出されなくなったからだろうか?)
◯原点(チキン)1,500円
◯古典(チキンとちょい野菜)1,800円
◯頂点(チキン野菜)2,300円
◯彩り(野菜)1,800円
◯極み(チキンと特別野菜全て盛り)3,000円
スープの大盛り(またはお代わり)は300円増し、ライスの大盛り(またはお代わり)は100円増しである。
自分は前回同様「頂点」をオーダー。スープもライスも大盛りにしたので〆て2,700円である。
以前はキャベツの千切りにマヨ和えスパと鰹節が乗せられたサラダがまず最初に出されたのだが、今回はそれが出されなかった。
イケメンのご店主はとても丁寧に調理される方である。基本的に作り置きのものがない。ライスの上に乗せるエノキの天ぷらもオーダーが入ってから揚げ始めている。全ての野菜がそうだと言うわけではないが、紫キャベツなどもオーダーが入ってからカットされていた。そのせいもあってお料理が出来上がるまで少々時間が掛かる。自分のカレースープが到着したのはオーダーから約25分後の12時14分であった。
ライスは(前回訪問時は白米と玄米のミックスだったが)今回は白米100パーセント。上にエノキの天ぷらがのせられていたのだが、これがとてもいいアクセントになっていた。大盛りにしたのだが、そんなに大盛りという感じでもなかった(単に自分が大食いなだけかもしれないが・・・ちなみにスープの方もあまり大盛り感を感じさせてくれるものではなかった・・・不満だと言うわけではないが)。
続いてスープカレーが到着。半透明なスープを啜る・・・。うん、やはり、出汁よりもスパイス先行型、深みというよりは広がり、出汁由来のコクというよりは数種類のスパイスによる独特な味わい。少々しょっぱさもあって、こちらのご店主がおっしゃるとおり、自分が札幌スープカレーの典型と考えている諸店(札幌ドミニカ、イエロースパイス、スアゲなど)とは異なっている。前回訪問時よりもさらに美味しく感じた。訪問すればするほどハマるお味なのかもしれない。
辛さは普通でお願いしたが、結構スパイシーなので(辛さに対する耐性の弱い自分は)顔面や頭頂部から汗が噴き出す。。。とはいえ、お味は辛すぎると言うことはない。前回訪問時の経験から、卓上の唐辛子を加えると味に深みが増すのだが、既に十分発汗していたので今回は遠慮しておいた。
今後は毎週金曜日に新商品を出すようにするそうだ(何を出すかはTwitterやインスタで確認できるようだ)。
2023/10/24 更新
2023/07 訪問
世田谷チキンスープ研究所
まず、こちらのお店の店名だが、いまは「世田谷チキンスープ研究所」に変更されている。ご店主の方いわく、以前は「蜂鳥カリー」という店名でやっていたが、最近は「カレー屋の体をなしていないので」(←その意味までは確認しなかったが)という理由で「研究所に変更しました」とのことであった。ちなみに、食べログには以前「蜂鳥カリー」という店名で登録されていて、自分の最初の投稿もその時代のものだが、コロナ禍の間にそちらは「掲載保留」とされ、その後に「一番鶏スープカレー はちどり」という店名で新たに登録がなされたため、同一のお店なのに二重登録になっている。
平日の午後、12時半ころに伺った。お客さんは自分だけ。久々に伺ったのだが、店内が改装されていて、以前はL字カウンターだったのだが、今は真っ直ぐなカウンター1枚である。
昨今の多くの札幌スープカレーのお店が昆布や魚介などの和食で使われる出汁を比較的多く使うのに対して、こちらのお店はスパイス重視で、おそらく出汁として使っているのはチキンだけというイメージである。
スープカレーの選択肢は下記の4つ。
◯古典(チキン)1,800円
◯彩り(野菜)2,000円
◯頂点(チキン野菜)2,500円
◯極み(チキン特選野菜)3,000円
他にキーマカレー1,200円もあった。
自分は「頂点」をオーダー。
まず登場したのはキャベツの千切りにマヨ和えスパと鰹節が乗せられたサラダ。ごく普通である。
ライスは白米と玄米のミックス。普通に美味しく炊き上がっていた。ほどなくしてちょっと大きめの平皿に盛られた頂点チキンカレーが到着。
半透明なスープを啜る。うん、前回に訪問した時とイメージはほぼ同じ。出汁よりもスパイス先行型、深みというよりは広がり、出汁のコク(複雑さ)というよりは数種類のスパイスによる独特な味わい。少々しょっぱさもあって、こちらのご店主がおっしゃるとおり、自分が札幌スープカレーの典型と考えている諸店(札幌ドミニカ、イエロースパイス、スアゲなど)とは異なっている。前回は自分にはそんなにヒットしなかったのだが、今回はグンと美味しく感じられた。また、卓上の唐辛子を加えると味に深みが増した感じである(が、結構辛いので、辛さに対する耐性の低い方は注意されたい)。
2023/07/24 更新
色々と試行錯誤を重ねておられるこちらのご店主、スープカレーの販売中止をインスタで告知されたのが今年の1月8日。店名を「みそ汁カフェはちどり」にして、具だくさんなお味噌汁、おにぎり、そして定食ものを軸に、早朝から営業する業態で頑張っておられたが、この日、1か月振りに訪問してみたら、朝営業はいつのまにか終了、その代わりにディナー営業を復活されておられた。
店内に「手羽大根甘辛煮定食」という貼り紙があって、それをオーダーしようと思ったのだが、念のためメニューを眺めると、なんとスープカレー(2,800円)がオンリストされていた。理由をお尋ねしたところ、とあるお客様のたってのご希望に沿って作ったようで、そうなると一人分だけ作るというわけにもいかず、数少ないけど限定で出しているとのこと。ということで、スープカレーをオーダー。ついでにお味噌汁をお願いしたところ、なんとサービスでお出しくださった。有り難し。
さて、相変わらずイチから丁寧に作り始めるご店主。久々に作るので作り方忘れた、なんておっしゃりながら、いつものように野菜を揚げたり、スープを温めたり。
カレースープにはタマネギ、パプリカ、ししとう、ナス、カボチャ、ブロッコリー、にんじん、長ネギと野菜が盛りだくさん。チキンは(以前は総州古白鶏だったが、いまは)大山鷄とのこと。
付け合わせに、ちくわを揚げたもの、さつまいもを揚げたもの、そしてお新香にサラダ。ご飯はたっぷりと大盛り。
以前は鶏だけで出汁を取ることに拘られていたが、今回は鰹出汁を使われていたとのこと。出汁をしっかりと取っているという意味では今も昔も変わらないのに、鰹出汁の方が「出汁感」を感じるというのは、自分が(あるいは日本人が)「出汁といえば昆布や魚」と思い込んでいるからなのだろうなと思いつつ。
とても満足なお食事でした。