3回
2023/07 訪問
紛れのない味とゆるぎない感動!
土曜のランチに訪問!
今回は3人で。夏の時期ということもあり2週間前でもランチは難なく予約が取れた。
約半年前に初めての訪問をして以来だったが、店の人は覚えていてくれた。これも接客業か!
テーブルでコースは統一しなければいけないようだったので、今回もClassicoのコースを注文。
他二つのコースは、季節で変化があるが、Classicoはベースは同じなので今回は前回と異なるもののみレビュー。
トマトの前菜。
こちらはコースに入る前にある前菜の二品目。
様々な種類のトマトをサラダ仕立て、ピューレ、ジェラートと調理方法を変えている。
トマトの引き出しの多さと種類によって酸味や甘み、触感の違いを存分に楽しめる。トマトの奥深さを発見できる。
BUTTUTA DI MANZO AL TARTUFO NERO SULLA CORTECCIA
牛肉のタルタルに黒トリュフ、下にはタルタルが敷いてある。こちらは手でいただく。
非常に滑らかな舌触りの牛肉で、トリュフの風味と牛肉の旨みが合わさって旨い。
それぞれ一口ずつで食べてしまったので、二切れしかないのが残念だった。もう二切れ食べたかった。
OICCIONE ALLA BRACE CON SPIEDINO DELLE SUE INTERIORA FUNGHU SCOTTATIE MELANZANE AL PATE
鳩のローストにキノコとナスを添えて。
鳩は3種類の部位をそれぞれローストしており、触感や味の変化を楽しめる。日本の砂肝のような部位も食べられるのが面白い。
付け合わせのキノコはポルチーニとシイタケかなと推測、ナスはゆっくりと火が通されているためかトロトロになっている。
この一皿は濃厚な味わいながら、食べる場所によって変化が楽しめるため、単調な感じにはならず最後まで美味しく頂ける。
CIOCCOLTO, NOCCIOLA E CAFFE
どれもベースはチョコレートだが、ヘーゼルナッツやコーヒー味もあり単純な甘いだけのデザートとは一線を画す。
AFTER DESSERT
3口分のアフターデザートがあったが、その中でもパッケリのような生地に包んだものが日本の生八つ橋のニッキの味になっていて、日本人には願ってもない締めとなった。
その他、カプチーノムリーナ、カルボナーラ、リゾットとお馴染みの皿を堪能した。
前回の時はどれも初めての感覚でなかなか自分の舌がついていけてなかったが、今回分かったことは、
ここの料理は食べ終わった後の口の中に残る余韻が素晴らしい。
食べ終わった後も口の中でなんとも言えない余韻が続き幸せな気持ちになれる。
今回もとても素敵な時間を過ごせてありがとうございました。
ごちそうさまでした。
2023/07/16 更新
2023/02 訪問
イタリアンのベストを超えていく!
休日のランチに訪問!
言わずと知れた三ツ星の名店、Le Calandreについに来ることが出来た。
店内は高級レストランとは思えないカジュアルな雰囲気で、テーブルクロスもなく、
気負う必要もない。
コースは3種類とアラカルトがあり、今回はClassicoを頼むことにした。
コースはすべて260ユーロであり、メニューの中身を見てから自分の好みに合わせて選択できる。
食前酒にFranciacorta Riserva “Palazzo Lana Extreme” 2010 を頼んだ。
グラスで頼めるものは少ないので、限られた中からこちらを注文。
スッキリしたガス感と酸、オークを感じる。
初めのアミューズ3種。
サクッとした生地に、カレー風味のペーストオリーブオイルの組み合わせ。
カリッとしたパスタの上にバッカラとベリーのジャム。
コロッケの中にボロネーゼソース。
それぞれが食感や味が独立しており、コース前のウォーミングアップにはちょうどいい。
ここからコース。
WAFER DI BATTUTA DI MANZO CON CREMA DI PAYUSNAYA
STORIONE AFFUMICATO E CAVIALE
牛肉のタルタルとクリームソースを生地で挟み、燻製キャビアを乗せた一品。
ねっとりとした牛肉とクリームの濃厚な味を燻製のキャビアが包み込む。
CAPPUCCINO MURRINA
Murrinaとは、ベネチアングラスの模様から来ており、ジャガイモとマスカルポーネのピューレの下には、
イカの身とイカ墨のソースが敷いてある。
ヴェネツィアを思い出させる一皿は、見ても楽しいし、勿論味も絶品。
CANNELLONI CROCCANTI DI RICOTTA, MOZZARELLA E STRACCIATELLA
CON PASSATA DI POMODORO
チーズの食べ比べ。
モッツアレラとリコッタチーズをそれぞれパスタ生地で包んで、トマトソースで頂く。
ザ・イタリアの代表食材を一皿に収めた一品で特にトマトソースが秀逸だった。
ここで白ワインを注文。
Costa d'Amalfi Furore Bianco Fiorduva 2018
アロマの香りと程よい酸。イタリアで飲んだ中では一番旨い白ワインかもしれない。
TAGLIOLINI AL FUMO CON TUORLO D’UOVO BRODO DOPPIO DI CAPPONE
簡単に説明するならカルボナーラ。
こちらも燻製されており、カルボナーラに一工夫がされて、香ばしさをプラスしている。
濃厚なタリオリーニの後は、コンソメのスープで口直し。さっぱりとしたコンソメには日本の出汁を思わせるような旨味がある。
RISOTTO “PASSI D’ORO” dedicato all’opera di Roberto Barni esposta agli Uffizi
間違いなくこのコースで一番旨かった。
サフランとリコリスのリゾットで、香りとほのかな甘み、後味をさっぱりさせてくれる酸味のバランスが絶妙で感動した。
あっという間に食べ終えてしまったが、もう一皿食べたいほど今までのリゾットとは一線を画す旨さだった。
OSSO INCENDIATO CON BRUSCHETTA
DI CREMA DI CALAMARI AI RICCI DI MARE E CAVIALE
牛の骨の部分についている肉にパン粉をまぶして香ばしく焼いた一品。見た目のインパクトと、
普段食べることが出来ない物珍しさはあるが、脂っこいのが苦手な私にはあまり印象には残らなかった。
付け合わせのブルスケッタは、完璧だった。
CERVO IN CROSTA DI PANE AI CEREALI TIMO E CUMINO CON MILLEFOGLIE DI ORTAGGI
E SALSA AL TARTUFO NERO
牛フィレ肉の上に味噌風味のペースト、トリュフの乗ったメイン。
トリュフの香りと濃厚なソース、ペーストが肉の味をブラッシュアップさせる。
付け合わせのビーツは細く切ったものを何枚も重ねて触感も残しており美味しかった。
マッシュポテトも裏ごしを何度もしているからだろうか、芋独特のザラザラした感じがなく、滑らかだった。
プレデザート
デザートの前に三種のプレデザートがあった。チョコレートとオレンジ、リンゴのコンポート。
オレンジは口に入れるとパチパチする。子供のころの駄菓子を思い出し懐かしさを感じた。
MOZZARELLA DI MANDORLE
飴でコーティングされた球体を割ると中からモッツアレラのソースが出てくる。
アーモンドの食感とモッツアレラの濃厚な味がクセになる。オリーブで仄かな苦みを演出しており美味しかった。
アフターデザート
コースの後にエスプレッソを頼んで会計しようかと思っていたら、アフターデザートまであった。
一番面白かったのは電球。電球を舐めてくださいと言われ電球の上に乗っているピスタチオのソースを舐めて楽しんだ。
こういった遊び心も面白いなと思った。
コース全体を通して、完成されているなと率直に感じた。
勿論それは単純に料理の味だけではなく、接客やおもてなしも含めてである。
私のイタリアンのベストは間違いなく超えてきただけに、今回訪問して本当に良かった。
次回は別のコースを食べるために再度訪問します。
ごちそうさまでした。
2023/02/26 更新
休日のランチに訪問!
本日は秋のコースを堪能すべく、Maxのコースを頼んだ。
これまで2度Classicodだったので、今回はどれほど違うか楽しみにしていた。
今日は3人で来ていたので、赤ワインをボトルで注文した。
Brunello di Montalcino 2017 Fuligni
金魚鉢サイズのワイングラスでいただく。
香りの広がりが良く、飲みごたえ、モンタルチーノ独特の複雑さ、抜ける余韻が絶妙だった。
CRUDO DI PESCE AFFUMICATO ALL’ESTRAGONE
CON SALSA BIANCA AL CAVIALE FRESCO
E PANE ALLE ALGHE
魚のマリネとサラダ、海草を練りこんだパンを添えて。
非常に新鮮な魚を余計な味付けはせずシンプルにいただく。からすみやソースと合わせてマリネ風にもなる。
“STRACCHINO” DI CECI CON OLIO ALLE ERBE
RADICCHIO DI TREVISO, MELA
E INSALATA ALL’ARANCIA
ストラッキーのチーズに野菜を付けて食べる一皿と、オレンジのソルベを乗せたサラダ。
恐らく初めて食べたチーズのタイプで、濃厚かつ酸味があり野菜を付けて食べると口の中が幸福になる。
サラダの方は、オレンジのソルベが乗っており、全体的にさっぱりいただける。
濃厚なチーズの後のさっぱりサラダは良い。
MOZZARELLA DI CIME DI RAPA
CON FAGIOLI ALL’ACETO
CREMA FREDDA DI VENTRESCA ALLA BARBABIETOLA
E TARTUFO BIANCO
複雑な一品。モッツアレラにひよこ豆とツナのベリー仕立て、ビーツのクリームと白トリュフを添えて。
それぞれを単体で食べても旨いが、少し混ぜることで複雑な味わいに。
白トリュフは薄くスライスされており、香りだけで味に大きく影響させない脇役を演じる。
LASAGNETTA CROCCANTE
CON CREMA DI FEGATI DI SEPPIA
GUAZZETTO DI CROSTACEI, FRUTTI DI MARE E FUNGHI
これはラザニエッタなんだろうか。
想像の斜め上を行く一品。クリスピーに仕立てたラザニエッタ、イカ、マッシュルーム、
魚介のスープが敷いてあり、魚介の旨みが濃縮された味わい。魚好きにはたまらない味わい。
GNOCCHI FONDENTI DI CARCIOFI
CON RAGÙ DI FAGIANO E SALSA DI PORRI
アーティチョークのニョッキ、キジのラグーとネギのソースを添えて。
ニョッキの独特のもっさり感は皆無でアーティチョークの風味が合わさった面白い味わい。
ラグーとネギのソースで濃厚に仕上がっているが、主役のニョッキの存在が忘れられることはない。
ここで、一口用にサフランリゾットが出てきた。
これは何度食べても感動する、紛れのない旨さ。
SANDWICH DI MOECA ALL’OSTRICA
ソフトシェルクラブを使用したサンドウィッチ。オイスターの旨みも追加されたしっかりした味わいになっている。
CONIGLIO CON SALSA DI LEPRE
PURÈ DI CASTAGNE E TARTUFO BIANCO
ウサギのソテーにハレソース、白トリュフを添えて。
ウサギの様々な部位を調理して一口に集約した。
トスカーナ伝統のハレソースがウサギのソテーにはよく合う。ウサギの独特な風味をうまくまとめてくれている。
GRANITA DI AGRUMI CON SPUMA FRIZZANTE
CANNOLO DI MELA AL MELOGRANO
E MORE DI GELSO
デザートは2回出てきた。
一つ目は日本の陶器に入ったもの、食べ進めると味と食感が変化していく。
スプーマされた滑らかな味、シャーベットになって酸味が効いた味、パチパチ口の中ではじける面白さも忘れない。
二つ目はザクロのソルベをリンゴで包んで。ザクロとリンゴの酸味がデザートの最後にはちょうどいい。
アフターデザートには一口サイズのもの三種類と日本の八つ橋を模したものをいただいた。
Maxのコースは季節の食材を生かしながら、野菜や魚介中心で非常にヘルシーで想像力を働かせる品ばかりだった。
Classicoとどちらがいいかと言われると、意見が分かれるが、個人的には魚料理の好きな私にはMaxが気に入った。
この店は何度来ても旨い、こういう店での体験は人を幸せにする。
ごちそうさまでした。