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1回
夜の点数:4.9
2014/08 訪問
夜の点数:4.9
惜しみない豪速球!味も価格も規格外!清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟で訪れるお店。
2019/01/25 更新
2014年8月2日20:00頃の訪問。複数のマイレビュアー様のレビューに触発されての訪問。
■場所:最寄駅は地下鉄の東山。白川沿いを仁王門通を目指して、ひたすら北上すると仁王門通の少し手前、進行方向左手に当店を見つけることができる。夜は周囲の明かりが少なく、実際の時間以上に、体感時間は長かったが、冷静になるとさほど遠くはない。
■お店の状況:8人程が座れるカウンターと小上がりという造り。先客は5名様で、後客はなし。
■頂いた品
1.海老と野菜の冷菜
2.お造り:アコウダイと赤雲丹。真鯛は、この時期は麦わら状態なので、アレと思ったが、一口食べてみると、非常に味が濃い。しかも、身のコリコリ感も適度に残っているので、熟成時間はさほど長くないはず。このコリコリ感と素材の味の濃さにまずビックリ!(後でうかがうと8時間程、熟成させているそうだ。歯ごたえと熟成感が、これ程にバランスしているのが結構な衝撃。)また、雲丹は塩で頂ける程の逸品。このあたりで既に只事ではないとの予感。
3.鮑の炊き合せ。物凄い肉厚の鮑が3枚ドーンと入る。熱が入り風味を増していて、力強い磯の味。しかも、とてつもなく柔らかい。こんな美味い鮑には多分、巡り会ったことがなく絶句。
4.焼物:淡路産の鱧、宮津産の天然とり貝、広島産の松茸。ご主人が目の前で炭火で焼いてくださる。鱧は網の上で塩が振られ、皮目のみを焼き、山葵と酢橘のみで頂く。素材の力が強いから、シンプルに無駄なものは足さない。とり貝も焼かれることで、貝の風味、甘みが絶妙に引き出されている。やはり宮津のとり貝はおいちい♪松茸は市場には出回らない品だそう。香りが強いのに水々しく、しかも柔らかい。これまた絶句するような絶品。
5.アコウダイのアラの煮付。
6.トロの握り6貫。和歌山の勝浦産の天然物。とんでもない鮪だった。今までは、いい鮪は基本的に築地に集まると思い込んでいたのだが、そんな固定観念を粉々に打ち砕かれる逸品。腹上の一番良いところも含め、部位と味わいの異なる鮪が次々と供される。畜養のような口に残る嫌な感覚が1ミリもない。脂そのものが甘いのだ。たぶん人生で頂いたトロの最長不倒記録を更新。
7.白桃大福。砂糖不使用なのに甘い。桃そのものを頂いているような感覚。
お酒は冷酒を2合頂き、会計は52,000円ちょうど。
■総評
味も価格も規格外のお店。1点の曇りもなく、最高の素材を惜しみなく使うということに集中されておられるとの印象。会計時には、その金額に一瞬血の気が引いたのだが、出てきた品の数々を思い出すと、何れもメインを張れるような高級食材のオンパレード。しかも、全ての品の質が飛び抜けているのだ。特に、鮑、鱧、松茸、トロ等は、今まで人生で頂いた中で、当店以上のものをちょっと思い出せない。
今まで和食のコースでは、メインになるような食材が続くと、纏まりがつきにくく、逆にバラバラな印象になってしまうと思っていたのだが、当店は、全ての品が圧倒的な力を持っていて、有無を言わせない程、高いところでバランスしていた。和食のコースの概念を覆されたような気持ち。味については何ら非の打ちどころがないとの印象。(本当に敢えて何か言うとしたら、お椀が欲しかったかもという位。)
支払額を全く気にしない余裕のある方で、素材の質を徹底して追い求めるのであれば、当店以上のお店は、もしかしたらないのではないかとさえ思う。(ただ、絶対額そのものが、私には過分だったので、CPについては今回は無評価としたい。)
清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟で訪れるお店。
(2014年8月5日時点:レビュー10件。評価4.08)