mmatさんが投稿したFRENCH LE CHENE(京都/東山)の口コミ詳細

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FRENCH LE CHENE東山、祇園四条、三条京阪/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.2

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/12 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

素晴らしい装飾のダイニングでハイレベルのフルコース。一皿一皿の食器と盛り付け、味のすべてが素晴らしい。

京都という街は懐が深い。元々、歴史、文化の坩堝と言ってしまえば身も蓋もないが、食文化と言うか、レストラン(店)のレベルも高い。京都の旅の締めくくりは八坂神社脇の長楽館と言う明治の洋館でのフレンチ。土曜日昼という事で外には見学と、カフェ利用で行列が出来ている。
だいぶ前から予約していた我々は、行列を横目にエントランスから中に。
少し早かったので、ウェイティングルーム(インテリアとしてボトルが天井まで飾られたインテリアのバー?)でしばし時間を過ごしてから、イギリス・ヴィクトリア調のネオ・クラシック様式(私はロココ調をイメージ)のシャンデリアが印象的なダイニングルームへ案内される。3つに区切られた窓から差し込む光で華やかな印象の部屋に、ゆったりとしたレイアウトでテーブルが配置されている。我々のテーブルは3つに区切られた窓の側の私が思うダイニングの中の最高の席。

まずウェルカムドリンクでシャンパン。ありがたいことに、アルコールがダメな私向けにノンアルコールのものが準備されている。

さて、テーブルに準備されたメニューを見ると、
・キッシュロレール
・マグロのマリネ 根菜のラタトゥイユ
・フォアグアとコンソメのフラン シャンピニオンのブルーテ
・本日の鮮魚料理(青ハタ)
・丹波牛のロティ 大根のキャラメリゼ ソースポワブラート
・本日のデセール
・小さなお楽しみ
と言うラインナップ。

まずキッシュロレール。
定番のキッシュ。キッシュを売り物にしている店で何回も食べた事があるが、『卵と生クリームを使って作るフランス、アルザス=ロレーヌ地方の郷土料理』(Wikipedia)、正にその代表的なものでほんのり温かい物。焼き加減と言うか、パイの台の中身の加減が絶妙。舌触り、そして味ももちろん素晴らしい。

次の「マグロのマリネ 根菜のラタトゥイユ」。このネーミングだけでどの様な料理を思い浮かべるだろう?
ラタトゥイユとはフランス南部プロヴァンス地方、ニースの郷土料理で夏野菜の煮込みと思うと全くイメージが異なる。小型の丸い型で整えられた、下段がマリネ、その上に根菜が盆栽の様なイメージで守られているのだが、丸い型で整えられているその姿は、正に「盆栽」のイメージなのだ。。型にうまく押し込めて整えているとは思うのだが、マグロのマリネの台に丁寧に差し込んでコンモリさせているのではないかと思わせるような美しさ。大き目の皿の中央に乗せられた美しい料理の周りにソースが模様の様に赤系、こげ茶系、チョット大き目、小さいを組み合わせてセットされている。正に料理、ソースそして皿の模様が一体となったアートなのである。
これだけ綺麗に盛られていると食べるのが申し訳なく思ってしまうが、思い切ってナイフとフォークを入れる。繋ぎが入っていないので、切ると言うより、崩しながら食べる感じになり、切ない気持ちになる。この料理が変化球と気付くのが次の料理の時。

「フォアグアとコンソメのフラン シャンピニオンのブルーテ」。フランとは砂糖の入らない野菜のプリンのこと。シャンピニオンとはキノコのこと、ヴルーテとは19世紀に定められたアルマンド・ベシャメル・エスパニョールと並ぶフランス料理の4つの基本ソースの一つでルー(小麦粉をバターで炒めて調理したもの)をフォン(出汁)で伸ばしたもの。
つまり翻訳すると「フォアグアとコンソメの野菜のプリン、キノコのルーを出汁で伸ばしたソース」と言うことになる(のかな?)。
小ぶり壺の様な器に納められた料理をスプーンですくって口に運ぶと、印象は茶碗蒸し。しかし味の構成が全く異なるので、コクと言うか湧き出る旨味と言うか、とにかく非常に美味しいのだ。前の皿で、舌がサッパリ味にリセットされているので、この料理のインパクトはより一層強くなる。

本日の魚は青ハタ。この料理の演出も凄い。ほぼ正方形のダークグレーの大きな器。この中心が全体と比較して小さく浅いスープ皿の様になっている。ここに濃いクリーム色のソースがかけられた青ハタは皮の部分は見事な焦げ目がつけられ、白身が輝く様にセットされている。色のコントラストも鮮やかで美しい。
ナイフで切り分けようとすると、皮はカリカリ、白身は弾力のある身質でふっくらしているのに驚く。この感触で既に圧倒されており、皮と身のついた状態の切り分けに成功した切り身を口に。まずソースの味、マヨネーズの様な、しかし大袈裟に言うと身を歯で噛み締めた途端に高貴な味が一瞬口に広がるのだ。この料理全体での中でカリカリの皮は大きなアクセントになっている上に、この皮自体にも旨味を感じる。素晴らしい。

そしてメインの最後を飾るのが「丹波牛のロティ 大根のキャラメリゼ ソースポワブラート」。微かに甘めの重厚なソース、心憎いまでの絶妙な焼き加減の肉。この旨味も凄い。分厚い肉を少し時間をかけて低温でローストしているのではないかと想像するが、ナイフで切り分けて口に入れる一切れ一切れが、霜降り特有の妙な柔らかさではない、しっかりとした肉質を感じる歯ごたえがあるののに柔らかいと感じる。旨味を閉じ込めていると言うか、見事なロゼ色の中心部は肉汁が落ち着いているのでカットで溢れることはない。そう言った意味でローストビーフに近いイメージなのだが、厚切りカットである事、素晴らしいソースとの相性、絡みも良く、これだけのローストに最近お目にかかっていない。

デザートはソルベとミニタルトタタン。このタルトタタンがまた素晴らしい。絶妙の甘さ煮林檎と分厚めでサクサクのパイ。妙に凝った所は無いが、丁寧に作られていることは分かる。
飲み物はコーヒーもあるが、紅茶のラインアップがしっかりしている。選んだ紅茶がダージリンの2nd
フラッシュ。確かアッサムは1stフラッシュだった。
1st、2ndフラッシュ特有の薄い黄金色の紅茶も美味しい。

昼のコースとは言え、このレベルのコースを豪華で上品で重厚なダイニング で頂けて10,000円。食べ終えた頃を見計らって各テーブルにシェフが挨拶に来て頂け、少しお話をしたが、魚は仕入れ状況により、シェフが自由に組み立て、コース内容は季節で変わっていくそうだ。大満足で外に出ると、カフェ利用の行列が出来ていた。

2021/12/20 更新

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