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夜の点数:4.4
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¥20,000~¥29,999 / 1人
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料理・味 4.6
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|サービス 4.0
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|雰囲気 4.0
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.5
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[ 料理・味4.6
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| サービス4.0
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| 雰囲気4.0
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク4.5 ]
成澤でも無ければ、ナリサワでも無い、フレンチレストランでも無い「革新的山里料理」の店NARISAWA
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2016/08/13 更新
The Worlds 50 Best Restaurants 2016で第8位にランクインした。今迄2回1位を取ったnoma(コペンハーゲン)は今回5位になった。4年間密着して完成したドキュメンタリー映画noma(本年上映)のラストシーンで食中毒騒動から復活したnomaのオーナーシェフ、レネ・レゼピ氏と発表会場で1位のコールを聞いた直後前の席に座っていて振り返り、祝福したのがこの店のオーナーシェフ成澤由浩氏。
コペンハーゲン訪問が決まりすぐにnomaに予約を入れたが、叶わなかった。
悔しくて、映画を観て、すぐにNARISAWAに行こうと思い立ったものの、すぐに予約を取る事が出来る店ではない。
ようやく、スケジュールがあって訪問が実現。
良く考えてしまうと、アルコールを飲めないため料理のみ、それでも30,000円と言うプライスはnomaの件が無ければ、決心出来なかったかもしれない。
日本の四季に触発されたフレンチを超越した世界に向けた料理、世界中から食べに来る、とは一体どういうものか?期待に胸が膨らむ。
ビルの1Fにある店そのものが既に異次元。ここから入って良いのかしら?と言う入り口。脇にNARISWAのロゴの蜂が掲げられているだけ。
そもそもB1駐車場から螺旋階段を登りガラス越しに見える外の景色、そして、一旦外に出る扉を開けるところから、既にNARISAWAマジックに取り込まれているのかもしれない。
緊張か気合いかはさておきディナータイムの一番乗り。
テーブルに座った途端に否が応でも目に入るテーブル上の分厚いガラスの台。
しばらくすると、メニューがこの台に置かれる。そもそもおまかせメニューなのだが、このメニューが又良い。仰々しい台紙に挟まれたものではなく、縦長3枚の栞を左上部で紐で縛ったもの。
1枚目は本日のコース内容、2枚目には「里山の風景:里山の心と体に有益で自然環境に対して持続性のある日本のかけがえのない文化を"里山の風景"という一皿で表現」、3枚目には「NARISAWAの料理のジャンル:Innovative Satoyama Cuisine (革新的山里料理)」が記載されている。
開始。
コース全体が「里山」で演出されている様子。
ガラスの台の上に一品目「里山の風景・森のエッセンス」、更に「佐賀スッポンの揚げ物」と真っ黒けの炭に覆われた一品が盛り皿で。
そして、葉付きの枝に囲まれた陶器の器が置かれる。これは何だ?と見ているうちに、説明開始。この不思議なものは「"森のパン2010"木の芽とカボス」。食べてはいけなくて、発酵する所を見守るとの事で、途中でパンになるので、出してくれるのだそうだ。
話を戻すと、「里山の風景・森のエッセンス」が面白い。皿は木。その上に木のカップと里山の緑の流れ。木のカップには樹木の水。"里山"部分は箸で豆乳ペースト状のものを緑の粉末と共に食べ進める。こう書くと美味しそうに見えなくて申し訳ないが、正直なところ、私の舌では、何を食べているのか分からない。樹木の水は本当に少量だったが、"森"を感じた。
この様に書き進めると、器、演出、一つ一つが個性的でキリがない。
素材でエっと思ったのが"沖縄イラブーと冬瓜?のスープ"。浮いている具が海蛇の肉かと不安を感じたが、冬瓜?。ホッとして飲むスープの美味しいこと。
見た目の美しさで感動したのが「"祇園祭"京都賀茂ナス」。プルンプルンのベールにナイフを入れるのが残念な位。トッピングのナスに目を奪われるが、ナイフを切りすすめて分かる、ケーキで言えばスポンジの部分もナス。これはもうアート。
食感と味で印象的だったのが「福井 天然ウナギ・沖縄マンゴー」。外側のカリカリ、脂っこくなく、サッパリと、しかし、しっかりとした旨みを感じる身を、そのまま、ソースをつけて、マンゴーと一緒に、ソースをつけてマンゴーと一緒に。どう食べても美味しい。
追い打ちをかける様に出てくる「"ラグジュアリーエッセンス2007"静岡赤座海老」まずテーブルに理科の実験か?と思わせるガラスの実験器具(この中にスープ)。テーブルの皿には赤座海老などの具材だけ。この皿に、スタッフが一人一人にビックリする位丁寧にスープを注いでくれる。何と優しい味。
そして、骨切りではなく骨を取り去った「愛知 ハモ・静岡 アーモンド(生)」。生アーモンドが不思議な美味しさ。
やっぱり美味しかったのが「"炭2009"兵庫 神戸牛」。一度真っ黒けの塊でお目見えして、一旦下げられた後、切り分けられた50度と言う低温でじっくりローストしたもの。外側の炭の黒と断面の身の赤のコントラストの美しいこと言ったら・・・。
忘れてはいけない、目の前で発酵したパン。一緒に出てきた苔生した岩の中身はバター。このパン、どうしてこんなに美味しいのだろう。魚の段階で耐えきれずに全部食べてしまったが、肉の所でもう一つ持ってきてもらえてハッピー。
メニューに記載された「静岡 梅干し」はデザートだった!ウ〜〜ん、美味しくて声も出ない。
桃のデザートと木のカップで出てきたコーヒーで仕上げ。コーヒーも隙なく素晴らしい味。
以上、どうだろう?満席となった店内の3割以上が海外の人達。料理の説明も英語の方が、良く耳に飛び込んでくる感じ。スタッフ全員バイリンガルなのであろうか。
確かにNARISAWAは成澤でも無ければ、ナリサワでも無い、フレンチレストランでも無い。JAPANから世界に発信する、日本の良さ、それは日本の自然に根ざした素晴らしい食材、素晴らしい自然を総合した料理を提供する店。日本人として素直に、破壊では無く守るべきものがあると感じさせられる。これは海外の人達にも伝わる様な気がする。
この様なレストランがある事に驚きを禁じえない。何回も通える身分では無いが、是非とももう一度訪問したいという気持ちを抑えることが出来ない。