2回
2022/11 訪問
広島県広島市中区胡町にある「鮨稲穂」さんに行きました。
前は、流川の風俗街の中の雑居ビルにあったが、
広島三越さんに隣接のビルに移転されました。
自分としては、こちらの方が、立地的に行き易いので嬉しい。
気に入ってる店で、
毎回食べログには上げてないけど、2ヶ月に1回くらいは通ってます。
もう5年以上通ってる鮨屋なので、私はけっこうその変遷を詳しく語れる自信はある。
そんで、2022年くらいに、方向性がかなり変わって、
結論としては、かなり良くなった。
特にシャリ。
つい先日も東京銀座の鮨百名店で食べてきましたが、
シャリの美味さでは全く負けてなかった。
(マグロや〆モノは、東京に軍配が上がったが、それ以外では負けてない、むしろ勝ってるものもあった)
では、鮨稲穂さんのシャリはどう変わったか。
具体的には、広島らしいシャリになった。
広島の東城のお米。
これに、1582年創業の、尾道造酢さんの赤酢。
しかも、この赤酢は、鮨稲穂の大将が尾道造酢さんにかけあって、稲穂さん用に醸してもらった、市販されていない稲穂用の赤酢というので、たいしたもんだ。
大将曰く「ここに辿り着くまで、何年もかかりました」
酢を醸すとこからシャリの改良に取り組んだ訳だから、そりゃ当然だろう。
塩は瀬戸内の藻塩。
そんで、出来上がった、新しい稲穂シャリは、
マジでびっくりするほど完成度が高い。
以前の鮨稲穂しか知らない人には、一度試してみて欲しい。
ネタは逆に広島産にこだわらず、
さかなびと長谷川さんの魚など、全国から取り寄せる。
それを、上述の広島シャリとハーモニーさせる、という方程式だ。
よくありがちな、
都会の流行シャリを模したシャリに、
地魚を合わせる、
という方程式の逆を行った訳だ。なるほど。
ちなみに、ここに辿り着くまでに、
地魚にこだわった時期もあったが、
そこを経由して、やはり地魚だけではコースのダイナミクスを演出しにくい、という結論から、
今の形に至ったそうだ。
(もちろん、これからも変化するかもしれない。現時点の話)
この1〜2年、ずっと通い続けて、
大将の模索や葛藤、試行錯誤、
そしてそれに伴う味の変化、
を自身の味覚体験として知ってるので、
よくここまで変化・進化なさったな、と感服している。
広島県行政とコラボなさったりと、
新しいチャレンジに意欲的な姿勢も素晴らしい。
(広島県主催の比婆牛フェアの最中に訪れました。吉鮨さんと稲穂さんの2店が参画された。なのでこの日は、比婆牛の魯山人風が提供されてます)
キップの良い「べしゃり」は相変わらずで、
私の周りのグルメさんでも、この大将のべしゃりが苦手で稲穂に行かない〜という人も、正直わりといるのだが、
もう、そこは、客と店との相性だと思う。
近年、ハイクラスの鮨店では、寡黙な大将が増えたよね。
全国的に「高級鮨店とは、そういうもの」というお約束になってきた気がする。
それはそれで私は寂しい気がするけどねえ。
昔の寿司屋の大将のイメージは、キップの良さ、だった時代もあった気がするが。。
時代の流れですかね。
コースの中で、
鮨は10-12貫くらい供されて、
ネタとシャリがドンピシャにキマッた一貫もあれば、
まだその域に及んでない一貫もあるが、
全体的には、かなり高レベルな鮨になってきてる。
全国の鮨百名店と食べ比べても、負けてない一貫や、勝っている一貫にも、たびたび遭遇できる。
少なくとも、シャリは全国と比べても負けてないので、あとはドンピシャ感がどれだけ発生するかだ。
その時々の、種とシャリの相性は、魚を扱う以上は必ずあるので、あとは「当たり」「ドンピシャ」の率をどれだけ増やすかだろう。
それによって、全国から評価される広島の名鮨店となる可能性がある、と思った。
今後も通い続けて、この先を眺めてみたい、と思ってる。
この日の内容。
●広島産のワタリガニ
●比婆牛の魯山人風 広島の日本料理店が出す和牛料理と比べても、勝ってるレベル。クオリティ高い。
●この日の朝に、提携の漁師さんに江田島で水揚げされた鯛のお造り。食べる直前におろしてくれたもの。これ、今日1番良かった。ピカイチ。
●さかなびと長谷川さんのイカ
●鹿児島のカツオ これも良かった。赤身の酸の香りが素晴らしい
●広島黒瀬産のウナギ
●あん肝 臭み全くなし
鮨
ほうぼう昆布締め、
3日寝かせのたい、
コハダあずまずし、
山口瀬付きの鯵、
長谷川さん赤身、
長谷川さんクロムツ、
大間の熟成トロ
山口車エビ
煮アナゴ
クロシビカマスの手巻き
留め椀
水菓子
移転直後に訪れたので、設えの面など、
粗はまだ見え隠れするが、これから段々と良くなっていく事だろう。
●お店で使われている漆塗りのお椀は、ザ・広島ブランドに認定の広島漆芸・高山尚也先生によるオーダーメイド品。高山先生の作品は、MOA箱根美術館 にも展示されている。
●店内に飾られた昇り竜の水墨画は、愛媛県護国神社の絵馬を毎年手掛けてらっしゃる、茂本ヒデキチ絵師によるもの。
●カウンター奥に飾られた、枯れ木の盆栽は、江戸時代から400年以上続く広島の「庭能花園」のもの。漆箔木。
これらの器や絵などの見せ方を、もっと工夫したら、もっと良い雰囲気になるんだろうなぁと思って、そこがちょっともったいない。
大将は、設えにお金をかけるのだったら、食材仕入れに使いたい~というポリシーなのだと思う。
そこが設えや雰囲気にうるさいお客さまには合わないのかもしれない。
イマドキのオシャレ感と違った、硬派な雰囲気だけど、独自性と個性のある鮨屋さん。
たぶん好き嫌いの分かれるタイプのお店なんだろうけど、私は好きです。
------------------
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
是非「保存」「イイネ」「フォロー」も宜しくお願い致します。
本投稿はブログ記事を転載しています。
↓転載元ブログです。広島グルメが1000軒以上!こちらでは写真などもっとたくさん掲載しています。
ぜひ読んでみてください。→ http://syokuki.com
インスタはこちら→ https://www.instagram.com/syokuki.com.hiro/
ツイッターはこちら→ https://twitter.com/syokuki_com
2023/10/20 更新
久々に再訪。
県外のゲストに、広島の近海の魚介を食べさせたくて。
1週間以上前から予約して、
「広島の近海の魚介を、県外のお客様に満喫させたいから、地物仕立てのおまかせコースでお願いできませんか。マグロは無くても良いです。」
とリクエストして。
飛び込みで行くのでなくて、
このように、
前もって、ちゃんと予約して、明確にリクエストを伝えておくと、
ここのお店は、その期待に応えてくれる。
(もちろん、漁は水物で天候や運に左右されるが。)
良い店。
広島で、自店専属の漁師を抱えている鮨屋って、
たぶん、ここだけでないか。
(全国で見ても、自店専属の漁師を抱えてる鮨屋はあまり無いと思う)
食べ手側の予約の仕方次第で、この店の本当の魅力が引き出せると思う。
広島の地元客が、広島以外の魚介、関東方面の魚介をリクエストして食べに来る店でもあるので、
予約の時に、こちらの意図をキチンと伝えておかないと、
東京から来た客が、東京の鮨屋で食べられるようなネタのおまかせコースに当たってしまう事もあるだろう。
(例えば、同じ日の他の客が「大間のマグロや北海道のウニが食べたい!」と事前リクエストしてると、それに揃えられてしまう訳だ。)
それは、店が悪いので無く、自分がどんな客かをキチンと伝えてなかった食べ手側が悪いと思う。
店主はテレパシーが使える訳では無いので、あなたが地元客か県外客かの区別、地物が食べたい客か地物以外が食べたい客かの区別、が付かなければ、予約にたいして、どんな当日の準備をして良いのか、分かる訳が無いのだ。
------------------
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
是非「保存」「イイネ」「フォロー」も宜しくお願い致します。
本投稿はブログ記事を転載しています。
↓転載元ブログです。広島グルメが1000軒以上!こちらでは写真などもっとたくさん掲載しています。
ぜひ読んでみてください。→ http://syokuki.com
インスタはこちら→ https://www.instagram.com/syokuki.com.hiro/
ツイッターはこちら→ https://twitter.com/syokuki_com
フェイスブックはこちら→ https://www.facebook.com/syokuki