2回
2020/05 訪問
飯田美術館&飯田花月。
京都市役所の南西、姉小路通沿いにある和食屋さんの
飯田。
お店に入ると右手に竿縁天井の玄関間があります。
靴を脱いで上がり、左に折れるとこちらは網代天井のカウンター。
綺麗な壁の造り、奥には中庭と個室がありますね。
カウンター利用。
店主の飯田さん、女将さん、そして二人のお弟子さんで切盛り。
まずは
赤紫蘇香煎茶
で胃を温めてから
初亀 からからべっぴん
(純米吟醸 兵庫県東条産山田錦 精米歩合55% 初亀酒造 静岡)
を。
うすい豆 葛豆腐(黒楽 柏皿)
椀
鯉 蓬麺
油目(古染付 鯉姿皿)
鰹 行者大蒜(楽 兜鉢)
(黒龍 龍
(大吟醸 兵庫県産山田錦 精米歩合40% 黒龍酒造 福井))
鯛粽寿司 一寸豆(魯山人 角皿)
稚鮎 木の芽酢(呉須赤絵)
鰻(魯山人 木の葉平向付皿)
(磯自慢 純米大吟醸42
(兵庫県東条少分谷産山田錦 精米歩合42% 磯自慢酒造 静岡))
海胆 鼈煮凝り(オールドバカラ)
(浦霞 ひらの
(山廃純米大吟醸 山田錦100% 精米歩合40% 株式会社佐浦 宮城))
花山椒鍋 蕨
小夏ゼリー キャラメルアイス
キウイ 桜桃
焼き柏餅
お薄(魯山人)
派手さを押さえ、きっちりまとめていく王道料理。
得意料理と言われていた鰻の八幡巻は
鰻と牛蒡の食感の一体化が見事。
これを食べられて良かったー。
担ぎの遠藤から仕入れている油目の焼霜は
身厚で旨味十分。
桃山時代の鯉の古染付や明時代末期の呉須赤絵など
長い時と多くの人を渡ってここでご主人の料理と出会い、
どちらも浮く事なく一体となるのは奇跡。
「可愛くない値段の器でした」と言われているには
嬉しそう。
魯山人の器もフツーに出てくるのもすごいし、器を納める箱で
値段が全然違ってくるという話も面白かったです
(お店からちょっと行った所に魯山人と交友があった指物師の
前田友斎翁が居られるとの事)。
フォロワーさんが「飯田美術館」と言われていましたが
見事に的を射た表現。
また器は料理の着物、とどなたか言われていたけど納得。
見て惚れ惚れ、食べて惚れ惚れ。
料理、器、空間、接客全てが高いレベルなのですが
ご主人と女将さんの漫才がその場を和ませてくれます。
女将さん面白過ぎ。
さすが飯田花月のトップスター。
食事が終わりかけた頃に外からにゃお~ん、と猫の声。
うーむ、いいタイミングで現れるニャンコですね。
ご主人、女将さん共に猫大好きだそうですよ。
お隣の常連さんともいろいろ話も出来たし
楽しかったです。
なかなか予約が取れないのも分かりますね。
2020/07/02 更新
夜も冷えてきた秋の飯田美術館。
紫蘇香煎茶
で胃を温めてからの一献
初亀 からからべっぴん
(純米吟醸 兵庫県東条産山田錦 精米歩合55% 初亀酒造 静岡)
からスタートしますよ。
丸穴子焼き霜 吉野おろし 水菜巻
(器: 魯山人 割山椒)
(黒龍 純吟三十八号
(純米吟醸 麹米50%掛米55%精米国産山田錦 黒龍酒造 福井))
椀
(餅銀杏 鶉叩き寄せ にんじん 軸連草 柚子皮)
お造り
(白甘鯛 海胆 炙り海苔 白甘鯛鱗揚げ)
(乾山写し 大樋焼)
鯖寿司
(魯山人 備前)
鰆 唐墨 とんぶり つくね芋 山葵 栗
(魯山人 鼠志野)
(醴泉 撥ね搾り
(純米大吟醸 山田錦100% 精米歩合35% 玉泉堂酒造 岐阜))
笹鰈
(呉須赤絵)
(磯自慢 純米大吟醸 愛山中取り
(特A地区吉川特等希少米 愛山100% 精米歩合40% 磯自慢酒造 静岡))
牡蠣揚げ 実山椒醤油
(旦入 楽)
菱蟹内子塩辛和え 千長芋
(古染付)
胡麻和え 柿 胡瓜 人参 揚げ麩
(備前)
海老芋 源助大根 京菊菜 焚き合わせ
(須田菁華(初代) 赤絵金彩)
(英勲 一吟
(山田錦 精米歩合35% 齊藤酒造 京都))
御食事
(永楽即全 麦藁手茶碗)
(土鍋 中川一辺陶の弟さん作)
代白柿 ブランデーゼリー きな粉
栗 亀山 白玉
お薄
(楽)
前回の春も良かったけど今回の料理は精度がより上がり、
隙がなく完璧。
これ以上触れないほど磨き上げた椀の吸い地は
椀種の鶉のエキスと共に
極限のバランスをとったトリプルスープ的味わい。
フォロワーさんがこちらの吸い地を絶賛されていたのですが
それはまさにこれなんだろうなと。
器も美術館で鎮座するクラスのものが今回も次々登場。
それを触れると言うのがすごいです。
魯山人がフツーに出てくるし。
でもそれらの器が浮いている事が全くなく、
料理に添うように存在しているのが
こちらの凄いところ。
今回も女将さんは絶好調。
魯山人の一客しかない湯飲みが登場して
こんなの口つけられんでしょ、に対して
女将さんノリノリで
「ほな、ストロー持ってきましょか?」(女将さんは大阪育ち)。
飯田花月全開でした。
また、今回栗の亀山を女性のお弟子さんである
おたまちゃんが持ってきて来れました。
とても綺麗で優秀なお弟子さん。
大将もさらなる成長を期待しているでしょうね。
最後はご夫婦で、プラスといつも遊びにくる猫も
兄弟揃ってやってきて送り出し。
最後まで大満足の京都の秋の夜でした。