2回
2021/07 訪問
寿司でも懐石でもない多次元の融合、透徹したこだわりの境地
「SOTO」は、旬の魚介を和の枠組みを超えてアレンジした料理と寿司の名店。食材は富山を中心にしつつ、酒は全国から、寿司ネタは世界からも厳選している。95年にアトランタで開業し、ニューヨークと合わせて約20年、アメリカで2つ星を獲得した店主が出身地の富山に戻って19年4月に開店した。長い海外経験から生まれた独自の料理が、富山の多様で新鮮な素材の力を得て、さらに進化した境地を開いている。
料理は、おまかせ1種類のみ。料理だけなら16,500円(税込み)で日本酒のペアリング付きで19,800円(9月16日から各20,000円、24,000円に改定)。メニューは、一定の基本構成はあるが、仕入れの状況により日々変わる。
店のホームページに料理のコンセプトがいろいろ書いてある。それをまとめると、
・日本料理の本来のよさや伝統を生かしつつ、生の魚介に抵抗のある外国人にも喜ばれるアレンジ
・富山湾の多様で新鮮な旬の魚介類を生かす、”少量多種”のコース料理
・各素材の持ち味を効果的に相乗させる、全国から厳選した日本酒のペアリング
・おいしい料理で幸せな時間をゆっくり楽しめる、生きている喜びが感じられる料理
この店について感じたことを列挙します。
(1)寿司でも日本料理でもない「Japaneseレストラン」
当店の料理のジャンル区分については、店のホームページに詳しい説明がある。「寿司店、日本料理、懐石のいずれにも区分できず、Japaneseレストランとするのが誤解がない」としている。実際に食べてみて、その通りだと思う。約3時間のコースの、最初の2時間半が料理で、最後の30分が寿司だった。質・量ともに、明らかに「料理」の方がメインで、寿司は、コースの中の最後の「お食事」を発展させたような位置づけだ。その料理は、素材は和でも、味つけは純和風ではない。日本料理の命とも言われる鰹節・昆布その他の魚介の出汁の旨味が、この店では主役ではなく、日本的なものの中に、トリュフ、カイエンペッパー、さらにパクチーまで、多国籍なテイストが融合している。
(2)味がはっきりしていて、何を食べているかわかりやすい料理
メニューには、コースの内容、素材、産地、調味料などが詳しく書かれている。これを見ると、目の前の板場で、店主が今何の作業をしているのか、できあがった料理で何を食べているのかが、よくわかる。ここに、何事にも明確な情報提供と説明を求める欧米人のコミュニケーションと、訴訟社会のアメリカで必要なリスク管理への対応を感じる。日本料理をよく知らないアメリカ人に、安心して喜んで食べてもらうために、また、食べて料理が問題で訴えられた場合への備えとして、必要だったのだろう。
また、味つけは全体的に結構強く、1つ1つの味がはっきりしている。多様な解釈ができる奥行きや余白の美を重視する懐石のような奥深さはあまり感じないが、日本でも、食生活の西洋化が進んだ若い世代の舌には、この方が歓迎されそうだし、透徹した簡潔さと言うこともできて、それはそれでいいのだと思う。
(3)少量多種のコースについて
品数がとにかく多い。「接待や特別な日にゆったりとした食事がしたいというお客様にお応えできるような構成」ではあるが、次々と出てくるので、店主も客も結構忙しい。
(4)ドリンク、ペアリングについて
この店の料理は、基本、日本酒のペアリングが定石だ。ペアリングのお酒は10種類ほど、計約480CCあり、税込み3,300円と、極めて良心的な価格だ(一流店では1万円ぐらいが多い)。ペアリングを含めたコストパフォーマンスは非常によい。私はお酒にはあまり興味がないが、今回はペアリングを選択した。いくつかは、おいしいと思えたし、お酒単独では特においしいと感じなくても、料理とあわせると納得できるものが多く、いろいろなお酒の違いを楽しめた。
提供するドリンクは、詳しいメニューを店のホームページに掲載している。特に、それぞれのお酒がどういう味わいなのかが、丁寧に書いてある。これは、他の店にもぜひ見習ってほしい。
(5)衛生管理の徹底
衛生管理を徹底している点も、生食の文化がない上に訴訟社会のアメリカでやってきた店ならではのことだろう。調理に化学樹脂製のまな板を使っているのも、衛生管理のしやすさを優先した合理的判断なのかもしれない。
(6)店主について
店主は、オーナーシェフの小杉外博氏。長年アメリカで活動し成功してきた人だから、ギラギラした人か、シャープなキレ者をイメージしていた。また、ホームページにいろいろなこだわりやメディアに対する厳しい言葉が書き連ねてあるので、相当に気難しい人なのだろうと思っていた。
しかし、実際にお会いしてみると、かなり違う印象だった。見た目は、真面目で実直な和食の小料理屋の主人に近い。ニューヨークで英語をしゃべっていた人には見えない。約3時間、ずっと黙々と料理を作り続けていて、帰り際にようやく少しだけ話ができた。一徹で穏やかな感じの方だった。ちょうど60歳。会社員なら定年を機に第二の人生を考えるタイミングだ。富山で新たな境地を求めて挑戦を始めた孤高の料理人の生き方が、奥ゆかしく思える。
(7)雰囲気
暖簾をくぐると、照明を落とした細い通路が続き、その先にこぢんまりとして落ち浮いた和の空間がある。L字型のカウンターに12席。ムダなものをそぎ落とし、シンプルで清潔感がある。食事の間、ずっとクラシックのピアノ曲のBGMが流れていた。訪店する前は、カウンターはかなり緊迫感があるのかと思っていたが、決してそういうことはなく、店主の目の前の席でも、普通にリラックスして食事を楽しめた。
(8)こだわり
いろいろと透徹したこだわりを持った店のようだ。店のジャンルが、寿司、日本料理、懐石ではなく、Japaneseレストランだと主張し、取材は店の経営哲学に合わなければ断るなど、料理以外のところへのこだわりも強い。店名もその一つ。店名からして、富山のNO.1レビュアー「そとくん」さんに、ぜひレビューをと思ったら、店のホームページに、当店の正式名称は”SOTO”であって、”そと”は間違いです、と書いてあった。
(9)総合的な感想
寿司の名店、日本料理の名店は全国に多数あるが、SOTOのような店は稀有だろう。それが富山にあるというのは感慨深い。富山には、SOTOの他にも、鮨人、大門、鮨難波、GEJOなど、個性の違ういろいろなお店があって、実にすばらしいです。
(以下、長くなりますが、番号をふった料理の1行目と酒2~11の1,2行目は、メニューに書かれた内容を転載しました)
1.胡麻豆腐 山椒、醤油フォーム
2種類の胡麻豆腐は、市販の胡麻豆腐と違って弾力が少なく、葛粉に豆腐を混ぜたような食感で、しっかりした味わい。
2.甘エビ(新湊): 塩麹、オリーブオイル、カイエンペッパー、柚子粉、外子塩漬け
塩麹とオリーブオイルに漬け込んだ甘エビ。甘エビはぷりとして、かむととろっとくる。オリーブオイルの香りとコショウの刺激がきいている。
酒1(料理1,2のペアリング):天領すますまスパークリング 飛騨萩原 ALC 5%の発泡酒 (ひだほまれ)
(まるでスパークリングワインのような味で口当たりがよく、日本酒の風味があとからふわっと現われる。)
3.カワハギ(氷見): ポン酢、芽葱、針生姜、紫蘇
カワハギは、サクサク感のある歯ごたえで、ポン酢の酸味と針生姜の辛味がきいている。
4.鰺(氷見): トリフオイル・生姜醤油
口にした瞬間、トリュフの香りがくる。
酒2(料理3,4のペアリング):花の香 熊本 純米大吟醸 (山田錦)
澄んだ味わいと上品な香りが絶妙。香り高くキレのある純米大吟醸
5.穴子(宮城)、鱧(新湊)煮凝 土佐酢ジュレ
穴子と鱧のにこごり。にこごりと言っても、全体がゼリー状ではなく、味は穴子と鱧そのものの味わい。淡泊な鱧には濃厚な味噌、脂の乗った穴子には酸味のきいた土佐酢を合わせた。
6.蛸小豆煮: 水蛸(新湊)、大豆
タコは、やわらかくて味がしっかりしみている。小豆は甘くなく、タコと結構合う。
酒3(料理5,6のペアリング):賀茂金秀 広島 純米原酒 (八反錦)
原酒でアルコール13度という手間のかかったこだわりの酒、上品な香りと口当たりの柔らかさが特徴。
7.平目(新湊)薄造り:昆布塩酒、柚子
平目の薄造りを花のように盛り付け、昆布塩酒を塗り、削った柚子の皮をまぶした。熟成させた平目は、平目とは思えないほどトロける食感で旨味があり、柚子の香りがさわやか。
酒4(料理7のペアリング):天羹 山口 純米吟醸 (山田錦)
甘みと酸味、柑橘を思わせるフレッシュ感、ミネラル系のフィニッシュが甘みを断ち切り料理を引き立てます。
(炭酸のシュワっとした感じがして、甘くて濃厚なとろみのある平目とよく合っていた。)
8.クラムサラダ:マバイ(新湊)、貝われ大根、胡麻、胡麻油、生姜、カイエンペッパー、ガーリックパウダー
バイ貝とカイワレのサラダ。バイ貝はパツパツの食感で、ゴマの香りとカイワレの辛味が絡み合い、辛口の酒と合っていた。
酒5((料理8のペアリング):くどき上手 山形 純米吟醸 辛口 (雄町)
雄町米の甘さを隠し味に、軽快で香り高くコクのある辛口酒に仕上げています。
9.茶碗蒸し:ボタン海老(新湊)と渡り蟹の出汁、渡り蟹、雲丹ピュレ
茶碗蒸しは、プリンのようなわりとしっかりした固さ加減で、非常に滑らか。やさしいエビの風味が最後まで続く。中には、渡り蟹の身が入っている。
酒6((料理9のペアリング):宝剣 広島 涼香純米吟醸 (八反錦)
含めば旨みが柔らかく、飲み込めばスパっと爽快でサラリと喉を通る夏の酒
10.白海老(新湊):椎茸出汁、生姜、雲丹、針生姜
椎茸の出汁はかなり濃く、白エビの甘みは感じなかった。
酒7(料理10のペアリング):豊盃 青森 特別純米 (豊盃)
青林檎系の立ち香、口上がりが柔らかくほんのり甘みを感じるタイプ
11.三島オコゼ(四方)炙り:ポン酢ジュレ、舞茸
オコゼは芳醇で香ばしく、プリっとした弾力とふくよかな柔らかさがある。ジュレは強い酸味で濃い味つけ。舞茸はジューシーで旨味たっぷり。
酒8(料理11のペアリング):勝駒 富山 純米吟醸 (山田錦)
旨みとキレのバランスがよい吟醸酒です。
12.ムース:鯖(氷見)の燻製と野菜の煮出、生クリーム、イクラ
燻製の芳醇な味と香り、イクラの塩気に、さわやかな味わいの酒が合う。
酒8(料理12のペアリング):仙禽 栃木 “オーガニックナチュール” (亀の尾)
オーガニック栽培の「亀の尾」、精米歩合90%、木桶仕込み、乳酸も酵母も全く添加しない完全無添加
13.煮物:バイ貝(新湊)
出汁はキレのある甘辛味で、そんなに濃くなくて、バイ貝の旨味が生きていた。
酒9(料理13のペアリング):磯自慢 静岡 特別本醸造 (山田錦)
まるい味わいを持ち、颯爽とした吟醸香を漂わせます。
(まるい味わいと言いながら、結構ツンとした刺激を感じた)
14.セヴィチェ:ボタンエビ(新湊):(ライム、レモン、粗塩、黒コショウ、カイエンペッパー)、パクチー
ライム、レモン、パクチーで爽快感が出ている。ただ、ボタンエビの甘みは感じられなかった。
酒10(料理14のペアリング):日野屋 岐阜飛騨 純米生酛 (ひだほまれ)
旨味と酸味のバランスがよく、ほのかな熟成香が心地よいお酒
15.焼き物:太刀魚(氷見)味噌漬け、赤ムツ(岩瀬)、トリフ塩
赤ムツ(ノドグロ)は、脂はそれほど乗っていないが、香ばしい。タチウオは味噌の旨味がしっかりしみている。
酒11(料理15のペアリング):陸奥男山 青森 超辛純米 (葦吹雪、まっしぐら)
日本酒度+15の超辛は、ただ辛いだけではなく、旨みを残しつつ、キレ抜群
(相当に辛いお酒で、酒に弱い人にはきつくて、旨みやキレは感じられないかも)
寿司
1.平目(新湊) (わさびの辛味のあとに旨味がくる)
2.鮪漬け(アイルランド) (口溶けが滑らかで旨味がある)
3.剣先イカ(氷見) (すっきりした甘みと大葉の香り)
4.スルメイカ(氷見) (ねっとりした味わい)
5.鰺(氷見) (さくさくの歯ごたえがあり、香りもよい)
6.甘エビ(新湊) (皮に張りがありぷりぷりで、身は甘みとほのかな渋み)
7.ハジョウカジキ(氷見)
8.真鯛(氷見) (歯ごたえと柔らかさが両立し、旨みがあり香りもよい)
9.中トロ(アイルランド)
10.カマス昆布締め(新湊)
11.雲丹(北海道)
12.穴子(宮城)
みそ汁:ホウボウ(氷見)とカワハギ(氷見)のアラ出汁、茗荷、シロエビしんじょ(甘くてふわふわ)
水菓子:マンゴー
2021/07/28 更新
SOTOは、寿司でも日本料理でもない、他に類のない独自のJapanese Foodの名店。9月に料金改定して料理とサービスをさらに充実させ、高い品質と満足度を保っている。和を中心にしつつ、多次元融合で研ぎ澄まされた明解な料理に、この上なくリーズナブルな日本酒のペアリングで、忘我陶酔の世界に誘われる。
全体を通した感想は、前回のレビューの通り。料金改定で、料理は1品、お酒は2種類増えたほか、バイ貝の煮付けにエビが加わるなど多少変化があったようだ。スタッフを増やし、サービス体制も整えたようだ。値段は上がっても、コストパフォーマンスは依然として高い。合理的で納得できる料金改定で、店は相変わらず連日満席の盛況だ。
【料理、味】
料理は2万円のコースのみ。ペアリングは4千円(税・サ込み)。
本日のメニューは以下の通り。料理16皿+握り12巻+味噌汁+デザート。ペアリングは13種類。今回食した中で、従来よりも増えた料理は、香箱蟹丸ごと1匹。大変手間のかかるものだ。約3時間半、料理と酒が次々と出てきて、食べて飲んで食べ飲んで、手を止めるいとまがなかった。お腹一杯になるし、お酒の量が多くて、後半はかなりぼおっとしながら法悦感に浸っていました。
以下、番号をふった行は、メニューに書かれた内容を転載しました。店主は新湊のご出身とのことで、新湊産の魚介が結構入っています。
1.胡麻豆腐:山葵、醤油フォーム
2.甘エビ(滑川):塩麹、オリーブオイル、カイエンペッパー、柚子粉、外子塩漬け
酒1:天領すますまスパークリング 岐阜飛騨(ひだほまれ)
定番の胡麻豆腐は、やさしい食感と味わい。甘エビは、客の入店時間に合わせて塩麹とオリーブオイルに30分か1時間ぐらい漬け込む。甘エビのとろりとした甘みに、カイエンペッパーのピリ辛と柚子のさわやかな酸味がアクセントを加える。スパークリングは、ワインに近い口当たりのよさ。
3.キジハタ(氷見):ポン酢、芽葱、針生姜、紫蘇
4.ガンド(新湊):トリュフオイル・生姜醤油・針生姜
酒2:みむろ杉・奈良 無濾過原酒”Dio Abita”13% (山田錦)
キジハタは淡泊で歯ごたえがあり、ガンド(ブリの手前)は脂が乗っている。清涼感のあるお酒が、トリュフオイルの濃厚さをさわやかに中和する。
5.刺身:フクラギ(新湊)、ヒゲダラ(岩瀬)昆布締め、カマス:甘口醤油、生姜、チャイブ
酒3:宝剣 広島 純米”レトロラベル” (八反錦・山田錦)
フクラギはさくさくの食感。ヒゲダラはヨロイイタチウオとも言う深海魚で、噛んでいると昆布の香りと旨味が出てくる。カマスは、甘くねっとりしている。甘口醤油は生姜の辛味がきいている。お酒は、甘口の醤油に対して、わりと辛口。
6.蛸小豆煮(メニューに記載なし)
あずきの控えめな甘さが、口直しになる。
7.平目(氷見)薄造り:昆布塩酒、柚子
酒4:天美 山口 純米吟醸 (山田錦)
平目は、昆布塩酒を表面に塗り、柚子の皮をすってまぶし、旨味とさわやかさを組み合わせた。お酒もフレッシュな柑橘の味わい。
8.クラムサラダ:アオバイ(魚津)、貝われ大根、胡麻、胡麻油、生姜、カイエンペッパー、ガーリックパウダー
酒5:白露垂珠 山形 純米大吟醸 (出羽きらり)
アオバイはシャクシャクした歯ごたえ。胡麻油の香りと風味の濃厚さと、貝われ大根のフレッシュな辛味との対比が鮮やか。白露垂珠は、リンゴ系の甘い香りで飲みやすいお酒。
9.茶碗蒸し:ボタンエビと甘エビの頭出汁、雲丹ピュレ
酒6:天領 岐阜飛騨 純米吟醸 (ひだほまれ)
口に入れた瞬間に濃厚なエビを感じる。この茶碗蒸しは玉子味ではなく、確かにエビだ。天領は、旨味の料理に合わせたお酒。
10.白海老(新湊):椎茸出汁、生姜、雲丹、針海苔
酒7:岩波 福岡 純米 (夢一夜、山田錦)
椎茸の濃い目の出汁の味と、白エビの甘みととろみが交ざりあって、エビそのものとは別の濃い旨味になっている。
11.ムース:フクラギ(岩瀬)とサバ(新湊)の燻製と野菜の煮出、生クリーム、イクラ
酒8:仙禽 栃木 純米 (雄町)
ムースは燻した風味がしっかりしていて塩気も感じる。仙禽は甘酸っぱい味わい。
12.タルタル:メジマグロ(新湊、ソース(卵黄、胡麻油、グラニュー糖、醤油、パウダー:ガーリック、オニオン、カイエン)、梨、アボカド
酒9:西條鶴 広島 純米 (愛山)
タルタルといってもマヨネーズ味ではなく、マグロに醤油と胡麻油の風味と卵黄のねっとり感をまとわせた味。シャキっとした梨とトロっとしたアボカドも対照的な組み合わせ。
13.バイ貝(新湊)、ガスエビ(滑川)
酒10:林 富山 純米吟醸 (五百万石)
バイ貝は、市販品よりも自然でやわらかい味つけ。ガスエビは、頭のミソをすすってみたら旨かった。
14.セヴィチェ:ホタテ(宮城)、アオリイカ(新湊):(ライム、レモン、粗塩、黒コショウ、カイエンペッパー)、パクチー
酒11:勝駒 富山 純米吟醸 (山田錦)
ホタテは、レモンとライムの香りがさわやかで、アオリイカはねっとりしてパクチーの風味がきいている。勝駒のスッキリした味わいが合っていた。
15.焼き物:太刀魚(岩瀬)味噌漬け、赤ムツ(新湊)トリフ塩、舞茸
酒12:天の戸 秋田 純米”醇辛” (美山錦)
太刀魚は味噌漬けにして芳醇な味わいで、さほど脂の乗っていないノドグロ(赤ムツ)よりも旨味が濃い。
16.香箱蟹(兵庫):酢醤油
酒13:楽器正宗 福島 本醸造 無濾過中取り (夢の香)
香箱蟹はオーソドックスに、茹でて酢醤油で。細い足の身も全部甲羅に詰め込んである。外子はジュクジュクした食感で、内子はきれいなオレンジ色で身がしっかりして、焼いたタラコのような食感。
寿司
1.平目(氷見)
2.鮪漬け(アイルランド)
3.アオリイカ(新湊)
4.アジ(岩瀬)
5.甘エビ(滑川)
6.ガンド(新湊)
7.カイワリ(氷見)
8.トロ(アイルランド)
9.カマス昆布締め(新湊)
10.〆鯖(魚津)
11.紅ズワイガニ(新湊)
12.雲丹(北海道)
味噌汁:キジハタ、カワハギのアラ出汁、茗荷、麹味噌、シロエビしんじょ
水菓子:メロン、シャインマスカット
カウンター席には、1人ずつ足元を温めるヒーターがついている。冬寒い富山らしい気配りだ。店主によると、ニューヨークの方が気温は低くなるが、空気が乾燥しているからしっかり着込めば大丈夫で、富山の冬は湿度が高くて体に染みこんでくる寒さだとのこと。