2回
2023/09 訪問
あえてモダニズムを追求しない最先端
イタリア・アブルッツォという、特にこれと言う売りも無い田舎に突如として現れたミシュラン3つ星ニコ・ロミート
彼のフィロソフィーは
「素材の味を覆い隠すことなく、構成も複雑さに陥ることなく、本質を伝えることで、驚きだけを追求するようなものではありません。丁寧に、心を込めて作る料理。例えるなら、友人をもてなすために心づくしの料理を用意することに近いと思う」
その料理にどれだけの研究とプロの技術が施されているかと想像しますが、見た目はいたって普通の何処にでもあるような料理で、華やかなファンシーさはありません。
しかしながらこれが、イタリア料理の真髄を表現した料理なのだと思います。
サービスの方と相談して、ニコロミートのアイコンディッシュを主にチョイスする、アラカルトにしました。
ワインはソムリエの方達にお願いしてバイザグラスでおすすめを
▪️ ヴェジタブル・アブソリュート
前菜の前に提供された、水を一切使わず、野菜から抽出されたエキスのみのブロード。飲んで思わず唸るほど全てが凝縮されたエキス。
▪️タラバガニの蒸し焼き クリスタルキャビアとポテト
ポテトピューレの上に殻からくり抜かれたタラバガニが乗っていて、トップのソースにはキャビアが散りばめられています。
▪️マグロのロースト フェンネルとシトラスソース
シトラスソースでマリネされたフェンネルとマグロが
とても良い相性でした
▪️スパゲッティポモドーロ
シンプルゆえにトマトの凝縮された旨みとパスタの美味しさを感じられた、ニコ・ロミートのフィロソフィーがとても良く理解出来る一皿。
▪️自家製トルテッリ パンツァネッラ風味
ブッラータクリームとバジル
繊細でとても軽やかなトルテッリの中に、とろとろのブッラータクリームが入っていました。
何個でも食べられそうなほどデリケートな味。
▪️イカのロースト キャロットソース
小ぶりのとても柔らかいイカに、キャロットソースが良く合っていました。
▪️仔牛のカツレツ ミラノ風
コトレッタミラネーゼの肉は通常叩いて薄くしますが、こちらはあえて「牛カツ」風の厚みのある柔らかな仔牛でした。美味!
▪️ティラミス
カフェオレボール程の大きさの器で、思う存分食べられるましたw
▪️はちみつムースと桃のソルベ
こちらもオーガニックな良さを感じるデザートでした
味わえば、軽やかでピュアで、エレガントでありながらパワーも感じられる、そしてシンプルで普遍的な料理をいかに昇華させるのか。そんなイタリア料理の本来の魅力を存分に味わえる、ミシュラン三つ星シェフの実力を感じたレストランでした。
ごちそうさまでした
2023/09/29 更新
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