snowdropさんが投稿したたか田八祥(岐阜/名鉄岐阜)の口コミ詳細

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たか田八祥名鉄岐阜、岐阜、田神/日本料理、郷土料理

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 3.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 3.0
1回目

2010/07 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.0
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

日本料理への認識を変えさせる革新的な存在 『たか田八祥』

岐阜に名店あり、との噂を聞き、途中下車して伺いました。
岐阜にはまともに降り立つのは初めて、観光がてら立ち寄る心積もりもないではなくて、
でも、あまりの暑さにとてもそんな気にはなれず断念。正真正銘このお店のためだけの
来岐となりました。それでも満足の行くだけのものは味わわせて頂いたと思っています。

お店があるのは、裁判所や検察庁などが並ぶ行政の中心エリア。ただ一本通りを入ると
もう普通の住宅街の雰囲気で、そこに溶け込むようにひっそりと佇んでいます。酷暑の
中辿りついた達成感?のようなもので珍しく記念に外観写真も撮っておこうかという気
になり、おもむろにカメラを取り出した、その途端、中からシャーっと戸が!

あまりのタイミングの良さ、開ける動作の鮮やかさに、もう驚くやら気恥ずかしいやら。
お店に入り丁寧なお出迎えのご挨拶を受ける間も少々慌てたまま、お部屋に案内されて
やっと落ち着きました。今回お部屋はお茶室でしたので静穏な中にも緊張感が漂います。
特にお食事となるとまた違った独特な空気が流れるようで、ちょっと背筋も伸びますね。

お料理は、5250円のミニ懐石で。
※お電話では3150円の点心との2択と伺いましたが、他にも用意はして下さるようです。

まず先付は、鰻と(たしか)イトヨリと胡瓜…のゼリー仕立て。上にかかる泡は山葵です。
これ、泡を油断してついうっかり嘗めてしまったら、強烈な効きで悶絶します。もちろん
混ぜてちょうどいい、計算されたバランスになっているので(カリカリの鰻とも食感の妙)
見た目も味もインパクトを効かせ、後を期待させる導入部として鮮やかなものと思います。
 
続いて椀物は、玉蜀黍の真薯。と説明されましたが、お椀の中には3種類の具が三色旗の
ように並んでいて、真ん中がそれ。柔らかいふわふわの真薯に玉蜀黍のぷちぷちが楽しい
アクセント。左はたまご麩、右は皮に近い部分を丁寧に削いだ茄子っぽかったのですが…?

お造りは、鮪、トロ、烏賊。今回頂いた中では平凡かな。内陸県であえてのお刺身ですし。
しかし醤油を泡仕立てにしているのが見せどころ。口当たりが優しく味にまろみを帯びて、
いいですね。

次に、鰈の一口寿司。これは、見た目がまず綺麗。
美しい緑色は、野菜を網状にして被せてあるのです。鰈は、淡白な中にも繊細な甘さが。

焼き物は、鱧の柴漬け焼き。食べても仕掛けがわからず、一番不思議だったお料理です。
ふんわり溶けてしまいそうな口当たりはいかにも鱧らしい、けど覚えのあるこの味は?
説明を伺ってそうだ、柴漬けだ!と合点が行きました。鱧の優しい風味に柴漬けの酸味と
こりこり感がいいリズムを与えてくれます。添えの炙った木苺も甘酸っぱく美味しかった。

それから預け鉢になるのか、冬瓜の炊いたの。周りは茶碗蒸し風にしてあります。さらに、
おくらのとろろを流して、この季節にぴったりの品よく爽やかな一品に仕上がっています。

そして、お食事はみょうがご飯。お代わりも聞いて下さいます。
が、ここまでで、ちょうどいい具合にお腹も膨らんできました。

最後は、やまもものシャーベット ヨーグルトのエスプーマ。
かなり粘度の高い濃厚なシャーベットに対抗してクリーミーなヨーグルト、それに、
ねっとりした果物を入れてまとめてあります。個人的に、これが一番感嘆したかも。
だって、日本料理のデザートにこんなものが出るなんて!と驚く完成度でしたから。

いやー、最後まで堪能させて頂きました。では、その食後感はどこから来ているのか、
というと、客の満足度を高めることを大事にする、その点にあると私は思います。

日本料理でしばしば感じるのですが、季節感があって美しく上品だけれど(特にお昼は)
馴れた手順を繰り返しているようで楽しさがない、おまけにいつもほんのちょっぴりで
食べた気がしない、ことがままあります。お値段の割には…の印象が拭えないんですね。
なので、どうしてもフレンチやイタリアンに足が向いてしまいがち。

ところが、こちらは独創的なアイデアがふんだんに取り入れられ、しかも、
独り善がりに陥らず、味の面でもしっかり効果を生むよう考えられている。
創作的要素が単なるパフォーマンスではないところがすごい、と思います。

その意味で、CPはとても高いですね。

さらに、料金にはどうもサービス料がついていない…? こんなに丁寧な対応なのに。
お手洗いに行く時なんて、戻るまでずっとお部屋の前で控えておられていて恐縮して
しまうほどでした。この辺りも、特に何もしないのに料金だけはしっかり取るような、
多くのお店には見習ってもらいたいものです。

ただ、サービスに関しては、お料理の知識を増やして頂いたらもっと素晴らしくなるのに、
と感じました。今回仲居さんが二人いらしたのですが、お一方に焼き物の説明を飛ばされ、
次のお料理の時もうお一方からお聞きしたところそれが伝わったようで、責めるつもりは
毛頭なくただの興味からだったのですが「私たちはお運びするだけですので~云々」って。
…それは、言ってはいけない言葉だと思います。

これは論外にしても、説明が足りないと思うことは多かったです。
(お料理に関する記述が曖昧なのはそれ故(と私の記憶力の衰えもあり^^;)。

それでも許容できるのは、やはり傲慢さが見られないからでしょう。
こちらは料理の鉄人に出られたそうですが、それと匂わせるものは
一切なく、料理でもてなそうという心意気が伝わってくる慎ましさ。

やっぱり料理店はこうでなきゃ、と思います。

日本料理に敷居の高さを感じている人にこそ行ってもらいたいお店です。
そんな認識を変えさせるだけの力を持っておられますから。

2014/05/17 更新

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