【川崎駅周辺】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【川崎駅周辺】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめの第4弾です。

記事作成日:2021/04/03

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる158の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
いずれにせよ、福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。
川崎駅周辺エリアは、政令指定都市の駅前ということで、再開発が進んでいて、町のお蕎麦屋さんというお店が減っています。そのため、おかめそばを提供するお店が少ないですね。
しかしながら、そういう土地で提供しているお店は、老舗であったり、風格があったりと雰囲気のあるお店が多いです。

玉藤

JR川崎駅東口から徒歩9分ほど、昭和な集合住宅の1階にあり、店内は大衆食堂のごとく、4人用テーブルを3つ並べたものが2列並び、小上がりもあるという、昭和の時代の町のお蕎麦屋さんです。

小さいながらも天ぷら入りのおかめそば

具は、なると2枚、麩、ほうれん草、オクラの天ぷら、ゆで卵半分です。
他店に比べると高い価格設定で、具の種類も量も少ないのですが、オクラの天ぷらが入るのが特徴ですね。
おかめそばの具は、かまぼこ、なると、麩など蕎麦屋で使う基本的な素材を切って、そのまま、盛ることができるものを使います。
しかし、こちらは、ゆで卵、オクラの天ぷらと調理度が高いですね。
蕎麦もいいものが使われており、澄んだ汁も丁寧な調理の証です。

美濃戸

川崎市役所前にあり、大正3年に創業したという老舗です。
老舗にふさわしい、立派な看板を掲げています。

店内も落ち着いた雰囲気ですし、一等地にあるので高そうですが、価格設定は大衆店なのが魅力です。

川崎の老舗が誇る、美しきおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、伊達巻、ほうれん草、たけのこ、椎茸、麩です。
7種類入り、うち、2種は2枚ずつ入っているので具の量が多いでしょう。
また、顔にはなっていないものの、美しく盛られているのも特徴ですね。
蕎麦や汁の味も上々で、総じてクオリティが高いおかめそばです。

そば処 清水

川崎駅東口、旧東海道沿いの小土呂橋付近にあるお店です。

駅から徒歩圏内のビルの1階にあれども、町のお蕎麦屋さんという感じで出前も行っていますし、店内では川崎のらしく昼飲みでき、定食メニューも充実しています。
これぞ、川崎の蕎麦屋の典型というお店ですね。

豚肉入りの珍しいおかめそば

具は、かまぼこ、椎茸、たけのこ、玉子焼き、豚肉、油揚げ、ほうれん草、刻み海苔です。
かまぼこは、3枚分が使われていて、2枚は飾り包丁を入れ、1枚は飾り包丁を入れて2つに分割しています。高い技術力と手間を惜しまない姿勢がいいですね。
2枚のかまぼこを目に顔っぽく配置もできそうですが、顔にはなっていないところが惜しいです。
また、具では豚肉が入るのは珍しいですね。肉が入ることが少ないですが、入っても鶏肉です。
しっかりとした味を好む川崎らしいおかめそばでしょう。

たまる屋

川崎駅西口から徒歩で行ける商店街の『ハッピーロード』(川崎南河原銀座商店会)にあります。

白壁に大きく書かれた屋号と家紋がカッコイイですね。

商店街のお手軽価格のおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、玉子焼き、しいたけ、麩、鶏肉、ほうれん草です。
ヤル気になれば、かまぼことなるとを目にすることでおかめ顔に盛り付け可能な構成ですが、微妙に顔なような、顔でないような盛り付けなのは、実に惜しいですね。
駅近くのお店でありながら、個人経営で商店街のお蕎麦屋さんという感じなので、安いのが魅力です。

まつば

※残念ながら、閉店してしまいました。

川崎駅東口の『仲見世通り商店街』にあるお店です。
周辺は歓楽街という感じですし、川崎は労働者の街で下町的な雰囲気ですが、そんな中でも上品な佇まいのお店です。

京都を感じる、上品なおかめそば

具は、鶏肉、麩、ゆで卵、かまぼこ、わかめ、海苔、三つ葉です。
海苔が入るのは珍しいですが、京都の松葉の『しっぽくそば』には海苔が入るので、それに近い印象ですね。
麺も汁も総じて上品ですね。繊細な蕎麦に醤油が強くない汁になっています。
三つ葉の緑色のアクセントもあり、江戸生まれのおかめそばでありながら、京都のような雰囲気があるおかめそばでした。

※本記事は、2021/04/03に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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